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C6864:2008 IEC 60793-1-49:2003 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験装置························································································································· 2 

4.1 光源 ···························································································································· 2 

4.2 安全性 ························································································································· 2 

4.3 励振装置 ······················································································································ 2 

4.4 検出装置 ······················································································································ 3 

4.5 計算装置 ······················································································································ 4 

5 被測定光ファイバ ············································································································· 4 

5.1 被測定光ファイバ ·········································································································· 4 

5.2 端面 ···························································································································· 4 

5.3 長さ ···························································································································· 4 

5.4 状態 ···························································································································· 4 

5.5 位置 ···························································································································· 4 

6 手順······························································································································· 4 

6.1 システムレスポンスの調整及び測定··················································································· 4 

6.2 検出装置の調整 ············································································································· 5 

6.3 被測定光ファイバの測定 ································································································· 5 

7 計算及び解析 ··················································································································· 5 

7.1 DMD ··························································································································· 5 

7.2 長さの正規化 ················································································································ 6 

8 結果······························································································································· 6 

8.1 各測定ごとに提出されるべき情報······················································································ 6 

8.2 要求に応じて提出されるべき情報······················································································ 6 

9 仕様に記載する項目 ·········································································································· 6 

附属書A(規定)光源スペクトル幅の制限 ················································································ 7 

附属書B(参考)測定方法に関する詳細··················································································· 10 

C6864:2008 IEC 60793-1-49:2003 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及び財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 6864:2008 

(IEC 60793-1-49:2003) 

マルチモード光ファイバモード遅延時間差試験方法 

Measurement methods and test procedures- 

Differential mode delay of multimode optical fibers 

序文 

この規格は,2003年に第1版として発行されたIEC 60793-1-49を基に,技術的内容及び対応国際規格の

構成を変更することなく作成した日本工業規格である。 

適用範囲 

この規格は,石英系グレーデッドインデックス形マルチモード光ファイバのモード伝搬状態を明確化す

る方法として,レーザ光源を使用したときの伝送帯域特性の評価方法について規定する。この試験方法で

は,測定波長においてシングルモードの状態で光ファイバから出力された光パルスを,マルチモード光フ

ァイバへ励振する。励振光を被測定光ファイバの端面で走査し,指定された位置におけるパルスの遅延を

測定する。測定位置におけるパルス信号の最も高速なモードと低速なモードとの時間差を遅延時間差とす

る。ユーザは,必要とされる伝搬モードを限定するために被測定光ファイバの走査範囲の内径及び外径を

定める。 

この規格は,石英系グレーデッドインデックス形マルチモード光ファイバにだけ適用する。 

この測定は,製造及び研究施設において一般的に実施できるが,布設現場での実施は難しい。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60793-1-49:2003,Optical fibres−Part 1-49: Measurement methods and test procedures−

Differential mode delay (IDT) 

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 6820 光ファイバ通則 

注記 対応国際規格:IEC 60793-1-1:2002,Optical fibres−Part 1-1: Measurement methods and test 

procedures−General and guidance(MOD) 

JIS C 6825 シングルモード光ファイバ構造パラメータ試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60793-1-45:2001,Optical fibres−Part 1-45: Measurement methods and test 

procedures−Mode field diameter(MOD) 

JIS C 6827 光ファイバ波長分散試験方法 

C6864:2008 IEC 60793-1-49:2003 

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注記 対応国際規格:IEC 60793-1-42:2001,Optical fibres−Part 1-42: Measurement methods and test 

procedures−Chromatic dispersion(MOD) 

対応国際規格:IEC 60793-1-22:2001,Optical fibres−Part 1-22: Measurement methods and test 

procedures−Length measurement(MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 6820によるほか,次による。 

3.1 

最大測定内半径 (rinner) 

被測定光ファイバの端面上における走査範囲の内半径 

3.2 

最大測定外半径 (router) 

被測定光ファイバの端面上における走査範囲の外半径 

3.3 

モード遅延時間差 (differential mode delay: DMD) 

rinner及びrouterを含む走査範囲において測定される光の伝播が高速モードと低速モードの光パルスの遅延

時間差 

試験装置 

4.1 

光源 

光源には,時間幅が短く,スペクトル幅が狭いパルスを発生できる光源を使用する。 

パルスの時間幅は,予想されるDMDを測定できるよう十分に短くする。最大振幅の25 %で規定され

るパルス時間幅は,DMD値と被測定光ファイバとの長さによって決まる。例えば,長さ方向に平均化し

たDMDの許容限度値が0.20 ps/mで被測定光ファイバ長さが500 mの場合は,DMDは100 psとなり,時

間幅110 ps未満のパルスが必要となる。同じDMD許容限度値で10 000 mでテストする場合には,2 000 ps

のDMDを測定するため2 200 ps未満のパルスが必要となる。時間幅の詳細な限度値については6.1に規定

しているが,光源のスペクトル幅による場合もある。 

光源のスペクトル幅によって広がる分散は,附属書Aに示される限度内にする。スペクトル幅について

の要求は,スペクトルの狭い光源を使用するか又は光源側若しくは検出側に適切な光学フィルタを使用す

ることで満足できる。 

中心波長は,規定波長の±10 nm以内とする。 

モードロックのチタン−サファイアレーザは,この試験方法に適した光源の一つである。 

4.2 

安全性 

試験装置は,被測定光ファイバの入力端及び出力端が,4.3及び4.4の条件を満たすように十分な安定性

及び再現性を保たなければならない。 

4.3 

励振装置 

光源と被測定光ファイバとの間にある励振用光ファイバは,測定波長において,シングルモードで伝播

するようにする。測定波長λにおける励振用光ファイバのモードフィールド径は,(8.7λ−2.39)±0.5 μm

とする。ここで,測定波長λの単位は,マイクロメートルとする。モードフィールド径は,JIS C 6825に

従って測定する。この式では,モードフィールド径は,波長850 nmにおいて5 μm,波長1 310 nmにおい

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て9 μmとなる。波長1 310 nmにおける励振用光ファイバには,シングルモード光ファイバを使用できる。 

励振用光ファイバからの出力は,シングルモードでなければならない。励振用光ファイバからの出力を

シングルモードにする一つの方法は,励振用光ファイバを φ25 mmのマンドレルへ3回巻き付けて高次

モードを取り除くことである。 

励振用光ファイバの出力部は,被測定光ファイバの端面に沿って±0.5 μm以下の位置精度で走査する。 

励振用光ファイバからの出力ビームは,1.0°未満の精度で被測定光ファイバの端面に対して垂直にする。 

励振装置は,励振用光ファイバの出力スポットを±1.0 μm以内の再現性で軸合せする。 

被測定光ファイバへ直接つなぐ場合には,励振用光ファイバの出力端と被測定光ファイバの端面との間

隔を10 μm未満にする。 

被測定光ファイバの端面に励振用光ファイバの出力光を結像させる方法として,レンズ又はミラーから

なる自由空間光学系を用いることができる。この形式の励振系を用いる場合には,励振用シングルモード

光ファイバを直接つないだ場合とほぼ同一のモードが,励振されていることを確認する必要がある。例え

ば,自由空間入射光学系は,光線をぼかさずに,被測定光ファイバへ入射する励振光の大きさ及び励振用

光ファイバの波面コヒーレンスを維持しなければならない。 

被測定光ファイバから,クラッドモードを除く必要がある。通常は,ファイバの被覆が,この役割を果

たす。不十分な場合には,被測定光ファイバの両端近傍にクラッドモード除去器を使用する。クラッドモ

ード除去器に軽いおもりを用いて光ファイバを固定する場合は,マイクロベンドを加えないように注意す

る。 

4.4 

検出装置 

測定波長に適合した検出装置一式を使用する。検出装置一式は,測定感度のモード依存性を抑制するた

め,被測定光ファイバから伝搬するすべてのモードを検出装置の有効範囲に結合する必要がある。検出装

置の応答の直線性は,プリアンプを使用する場合にはそれも含めて,測定領域の全域に渡って± 5 %以内

となるようにしなければならない。 

− 検出する光の強度を減衰するためにアッテネータを使用する場合には,アッテネータはモード依存性

の小さいものにする。また,検出装置一式の応答速度もモード依存性は小さくなければならない。 

− モード依存性の試験方法は,6.1に記載する。一方,検出装置の応答速度は,試験中安定していればオ

フセット位置に依存してもよい[ただし,ΔTPULSE(r)は,6.1の要求の± 5 %を満たす必要がある。]。 

検出装置のリンギングは,最大オーバーシュート又はアンダーシュートがリファレンスを測定して検出

される光信号の最大振幅の5 %未満になるよう制限する。 

検出された信号の波形は,適切な装置,例えば,正確な時間スイープ機能のある高速サンプリングデジ

タルオシロスコープなどで記録及び表示する。 

記録装置は,検出された波形を光パルスとして繰り返し平均化できるものでなければならない。 

デジタル遅延発生器のような遅延装置を使用して,検出装置を適切なタイミングで動作させる手段が必

要である。遅延装置によって光源を制御するか又は光源によって制御するものでよい。遅延装置は,記録

装置に内蔵されるか又は外付けでもよい。以降,遅延装置によって発生する遅延を,トリガーディレイと

する。 

検出装置におけるタイミングジッタ及びノイズの複合的な影響は,測定中に入射系を固定した状態で連

続して遅延時間を測定した場合,その測定値の変動が,測定するDMDの測定値に対し,常に5 %未満に

なる程度に小さくなければならない。 

測定された複数の光パルス波形を平均化処理することで,タイミングジッタ及びノイズの影響を低減し

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てもよい。平均化を行った場合には,他のすべての波形についても同数の平均化処理を行わなければなら

ない。検出装置は,このレベルの安定性を,測定時間中,維持するものでなければならない。 

4.5 

計算装置 

この試験方法では,測定中に検出されたデータを保存するため及び結果を計算するために,コンピュー

タを使用する。 

被測定光ファイバ 

5.1 

被測定光ファイバ 

被測定光ファイバは,石英系グレーデッドインデックス形マルチモード光ファイバとする。 

5.2 

端面 

被測定光ファイバの入力及び出力端面は,フラットに端面処理する。 

5.3 

長さ 

被測定光ファイバの長さは,正確に,例えばJIS C 6827に基づき測定する。 

5.4 

状態 

被測定光ファイバは,張力及びマイクロベンドの加わらない状態にする。 

5.5 

位置 

被測定光ファイバの入力端は,4.3の励振用光ファイバの出力端と位置を合わせる。 

被測定光ファイバの出力端は,4.4の検出装置と位置を合わせる。 

手順 

6.1 

システムレスポンスの調整及び測定 

励振用光ファイバの出力端を,検出装置へ差し込む。励振用光ファイバを検出装置へ差し込むか,10 m

未満の短い光ファイバを励振装置と検出装置との間に取り付けるか,又は励振出力端をレンズとミラーの

システムとを介して直接検出装置へ結合してもよい。短い光ファイバを使用する場合は,被測定光ファイ

バと同じ種類又は異なる種類の光ファイバのいずれでもよい。 

パルスの振幅を,試験中の被測定光ファイバから予想される最小ピーク振幅に合わせる。被測定光ファ

イバからの最小ピーク振幅は,通常は,最大測定外半径(router)において発生する。 

被測定光ファイバを測定するとき,常に,パルス波形全体が,検出装置の時間単位を測定できるように

調整する(6.2参照)。 

パルスの波形を測定し,ピーク振幅の25 %値を時間幅とする。この値を∆TPULSEとし,測定結果を計算

するときに使用する。連続的に測定した∆TPULSEを線形補間することによって精度の高い∆TPULSEを求めて

用いてもよい。 

− ∆TPULSEの測定値の再現性は,測定されたDMDの5 %以内にする。 

− 短い長さの光ファイバを使用する場合,又はレンズとミラーとのシステムを使用する場合,∆TPULSE

の値は,被測定光ファイバを検出装置へ直接取り付けた場合との差異が5 %以下でなければならない。 

− 検出装置のモード依存性が小さいことを実証するために,被測定光ファイバと同じ種類で特別に短い

長さの比較用光ファイバを使用する。それぞれ半径方向測定位置について∆TPULSEの値を測定する。測

定結果は,6.1の要求を満たしていなければならない。 

附属書Aに基づいて∆TPULSE,光源のスペクトル幅及び光ファイバの波長分散から適切な∆T REFの値を計

算する。 

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6.2 

検出装置の調整 

励振用光ファイバからの光を,被測定光ファイバへ入射する。検出装置の時間単位及びトリガーディレ

イは,ピーク振幅の1 %以上の振幅をもつ立上がり及び立下がりの部分を含んだパルス全体が,表示でき

るように調整する。被測定光ファイバの測定が終了するまで,調整したトリガーディレイ及び時間単位を

変更してはならない。 

被測定光ファイバのコア中心を確認する。中心を確認する一つの方法として,励振スポットを被測定光

ファイバの測定端面上で走査する方法がある。受光強度が最大受光強度の約15 %となる位置をコア端部

と定義して,任意のx軸に沿って励振スポットを走査しコアの両端を確認する。励振スポットをこのx軸

の中心に移動する。同様に直行するy軸に沿って走査してファイバのコアを確認し,励振スポットをy軸

の中心に移動する。要求される位置精度が得られるまで繰り返す。励振スポットがコア中心に調心された

場合,測定されるDMDはx及びy軸に対して対称になる。 

6.3 

被測定光ファイバの測定 

被測定光ファイバの半径位置Rに沿って,最大測定内半径(rinner)から最大測定外半径(router)まで2 μm以下

の間隔で,被測定光ファイバの応答を測定する。最大測定内半径(rinner)及び最大測定外半径(router)は,箇条

9のc)に規定する。規定される最大測定内半径(rinner)及び最大測定外半径(router)によっては,2 μm以下の間

隔で測定してもよい。 

例 rinner =0,router =17 μmの場合,半径位置での測定箇所は,最小10か所となる。(0, 2…16, 17) μm又

は(0, 1…15, 17) μmが最小要求となる。18か所(0, 1, 2…16, 17) μmとすることもできる。 

それぞれの半径位置についてパルスの波形を測定し,波形の最大振幅の25 %をもって立上がり及び立

下がりの時間を決定する(附属書B参照)。立上がり及び立下がりの時間を正確にするために,連続する

測定点に対して線形補間を用いてもよい。立上がり及び立下がりの時間を各半径位置で記録する。 

計算及び解析 

7.1 

DMD 

6.3の方法で記録した出力パルスから,最大測定内半径(rinner)及び最大測定外半径(router)の範囲で励振され

る立上がりの最小時間をTFASTとする。 

6.3の方法で記録した出力パルスから,最大測定内半径(rinner)及び最大測定外半径(router)の範囲で励振され

る立下がりの最大時間をTSLOWとする。 

DMDの計算方法 

− 方法1(附属書A参照) 

6.1で求めた∆TREFを用いる。 DMA=(TSLOW−TFAST)−∆TREF 

附属書Bに記載されている実際の測定上の問題によって,この式で使用できるDMDの最小値は,

0.9(∆TREF)である。 

上記の式を用いて計算されたDMDが0.9(∆TREF)より小さい場合には,0.9(∆TREF)以下と報告する。 

− 方法2 

DMDは,被測定光ファイバの励振によって得られるパルス波形から参照パルス波形を逆演算するこ

ともできる。この場合,高周波ノイズフィルタの選択に起因するような測定の誤差をパルス波形に含ま

ないアルゴリズムが必要になる。 

− 複数DMDが規定される場合 

異なる範囲の最大測定内半径(rinner)及び最大測定外半径(router)で測定した場合,それぞれのDMD値に

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よって光ファイバを規定してもよい。この場合,測定位置が,6.3で規定する要求をすべての最大測定内

半径(rinner)及び最大測定外半径(router)に対して満足する場合には,6.3において記録された出力パルスを用

いて,すべてのDMD値を評価してよい。 

7.2 

長さの正規化 

DMDの値は,ps/mのように単位長さで規格化してもよい。DMDの値を単位長さで正規化する場合,長

さ依存性を示す式を記さなければならない。 

結果 

8.1 

各測定ごとに提出されるべき情報 

a) 被測定光ファイバの識別 

b) 被測定光ファイバの長さ 

c) 長さの規格化式(使用した場合) 

d) 測定日 

e) 光源の波長(公称値又は実測値) 

f) 

測定範囲rinner,router 

g) rinner,routerの範囲でのDMD値 

8.2 

要求に応じて提出されるべき情報 

a) 測定方法 

b) 試験装置の説明[光源の種類,実際の中心波長及びスペクトル幅(特定された最大値又は実測値)] 

c) ∆TREFの計算手順 

d) 検出装置の種類と動作条件 

e) 励振用光ファイバの測定波長でのモードフィールド径(公称値又は実測値) 

f) 

クラッドモードの除去方法 

g) 検出装置の最近の校正日 

仕様に記載する項目 

次の事項を,仕様書に記載する。 

a) 被測定光ファイバの種類及び数量 

b) 試験手順 

c) 規定される最小半径及び最大半径におけるDMDの要求値,DMD(rinner,router) 

複数の異なる最大測定内半径(rinner)及び最大測定外半径(router)の範囲において,それぞれのDMDの

評価を要求することもできる。 

d) 7.1に規定された計算方法以外の方法を使用した場合,その方法 

e) 測定波長 

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附属書A 

(規定) 

光源スペクトル幅の制限 

序文 

この附属書は,光源スペクトル幅の制限について規定する。 

A.1 波長分散がDMD値に与える影響の制限 

DMDの測定において,波長分散に起因する測定誤差は,10 %未満としなければならない。これは,波

長分散を無視できるようなスペクトル幅が小さい光源を使用するか,光源のスペクトル形状を正確に把握

し適切な ∆TREF値を計算することで実現できる。 

波長分散D(λ)は,A.2に規定したデータによって推定できる。JIS C 6827から被測定光ファイバの公称

値で代用することもできる。スペクトル幅における要求は,スペクトル幅が十分に狭い光源又は光源側若

しくは検出装置側に光学フィルタを使用することで実現できる。 

この附属書に示す要求条件を満たす幾つかの方法を,次に示す。 

a) 式(A.1)に示す ∆tchrom値が,測定されるDMDの10 %以下となるように,スペクトル幅の十分に狭い

光源を使用する。 

()

()L

D

t

×

=

λ

δλ

2

ln

4

Δchrom

 ·················································· (A.1) 

スペクトル幅の自乗平均δλ は,以下に制約される。 

()

()

()L

D

L

D

×

=

×

λ

λ

δλ

min

min

DMD

030

.0

2

ln

4

DMD

1.0

 ······································ (A.2) 

ここに, 

DMDmim: 測定されたDMDの最小値 

D(λ): 波長分散 

L: 被測定光ファイバ長さ 

一般的にモード遅延時間がファイバの長さに比例すると仮定できるので,この制約は長さに依存し

ないことになる。 

6.1に規定した∆TREF=∆TPULSEを用いてDMDを計算する。 

例1 100 ps程度のDMDは,0.5 km長のファイバで850 nmの波長でも測定できる。表A.1から波長

850 nmにおける波長分散D(λ)は,107 ps/nm・kmとなる。式(A.2)を用いて光源スペクトル幅の

自乗平均δλは,(0.003×100 ps)/(107 ps/nm・km×0.5 km)=0.056 nm以下となる。同じ光源を用い

て,10 kmの測定長で最小2 000 psまでのDMDを測定できる。 

b) ∆tchromが∆TPULSEに対して小さく, ∆tchromを無視しても∆TREFが10 %も変わらない程十分に狭いスペク

トル幅の光源を使用する。これによって,スペクトル幅の自乗平均 δλは,次の制約を受ける。 

()()

()L

D

T

L

D

T

×

=

×

λ

λ

δλ

PULSE

PULSE

Δ

138

.0

2

ln

4

Δ

21

.0

 ······································  (A.3)  

6.1において,∆TREF =∆TPULSEを用いてDMDを計算する。 

C6864:2008 IEC 60793-1-49:2003 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この場合,光源のスペクトル幅δλは,測定されるDMDの値に依存しない。かわりに測定可能なDMD

の最小値は,∆TPULSEに依存する。使用可能な最大スペクトル幅は,被測定光ファイバの長さに依存す

ることに注意する。スペクトル幅が一定の場合,被測定光ファイバ長さがある程度以上になると,波

長分散による広がりの影響が無視できなくなる。 

例2 ∆TPULSE =60 psのレーザ光源及び検出装置を用いて,波長850 nmで0.5 kmの被測定光ファイ

バを測定する。式(A.3)を用いると光源スペクトル幅の自乗平均δλは,(0.138×60 ps)/(107 ps/nm・

km×0.5 km)=0.15 nmとなる。 

c) 使用する光源に対して適切な∆TREFを計算する。∆TREFは,被測定光ファイバの出力端における各モー

ドの25 %の全体幅である。ガウス分布に近いパルス形状やスペクトル波形に対しては,式(A.4)に示

す。 

(

)2

1

2

chrom

2

PULSE

REF

Δ

Δ

Δ

t

T

T

+

=

 ······················································· (A.4)  

この場合,光源のスペクトル幅の上限値は,測定されたDMDの最小値0.9(∆TREF)によって,間接的に

設定される。 

光源が複数のスペクトルピークをもつ場合,又はガウス分布でない場合,この公式は,適用できない。

∆TREFの値を計算するために式(A.4)を用いる場合,DMDの計算に含まれる誤差は10 %以下にできる。 

A.2 マルチモード光ファイバにおける波長分散 

標準的なSGI-50/125 (Category A1)マルチモード光ファイバについて,公称分散値とNAをもとに想定さ

れる分散値の最大値を表A.1に示す。1 200 nmより短い波長では,分散は最大のλ0をもつ光ファイバ(NA 

0.29光ファイバ)において最も大きくなる。1 400 nm以上の波長では,分散は最小のλ0をもつ光ファイバ

(NA 0.20光ファイバ)において最も大きくなる。ここにλ0は,ゼロ分散波長を示す。表A.1は,1 200 nm

以上1 400 nm未満の波長については使用できない。この波長範囲では,D = 16.6 ps/nm・kmを用いる。 

background image

C6864:2008 IEC 60793-1-49:2003 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.1−市販されているCategory A1マルチモード光ファイバの想定される最大分散値 

波長 

λ 

nm 

分散 

ps/nm・km 

波長 

λ 

nm 

分散 

ps/nm・km 

波長 

λ 

nm 

分散 

ps/nm・km 

780 
790 

800 
810 
820 
830 
840 
850 
860 
870 
880 
890 

900 
910 
920 
930 
940 
950 
960 
970 
980 
990 

146 
140 

133 
128 
122 
117 
112 
107 
102 

98.0 
93.7 
89.7 

85.7 
82.1 
78.4 
75.0 
71.6 
68.6 
65.5 
62.5 
59.6 
57.0 

 
 
 

1 000 
1 010 
1 020 
1 030 
1 040 
1 050 
1 060 
1 070 
1 080 
1 090 

1 100 
1 110 
1 120 
1 130 
1 140 
1 150 
1 160 
1 170 
1 180 
1 190 

 
 
 

54.2 
51.8 
49.2 
46.9 
44.7 
42.5 
40.3 
38.2 
36.2 
34.3 

32.4 
30.6 
28.9 
27.2 
25.5 
23.9 
22.4 
20.8 
19.4 
17.9 

 
 
 

1 400 
1 410 
1 420 
1 430 
1 440 
1 450 
1 460 
1 470 
1 480 
1 490 

1 500 
1 510 
1 520 
1 530 
1 540 
1 550 
1 560 
1 570 
1 580 
1 590 
1 600 

 
 
 

8.28 
9.08 
9.85 

10.6 
11.4 
12.1 
12.8 
13.5 
14.2 
14.9 

15.6 
16.2 
16.9 
17.5 
18.1 
18.8 
19.4 
20.2 
20.6 
21.7 
21.7 

注記 λ<1 200 nmの場合,NAが0.29のマルチモード光ファイバについてS0=0.095 62 ps/nm2・km,λ0=1 344.5 nmと

仮定する。 

λ>1 400 nmの場合,NAが0.20のマルチモード光ファイバについてS0=0.101 ps/nm2・km,λ0=1 310 nmと仮定

する。 

ここに,S0はゼロ分散スロープのことである。 
 

  

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10 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

測定方法に関する詳細 

序文 

この附属書は,本体及び附属書に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

この測定方法では,図B.1に示すように規定される条件の範囲で高速モードと低速モードの遅延時間差

を測定することに焦点を当てる。 

注記 立上がり端及び立下がり端(しきい値25 %)の時間的な位置を“+”とする。 

図中,波形は測定オフセット位置ごとにずらして示してある。囲みは∆TPULSEを示す。 

図B.1−DMD理論値 

それぞれのオフセット位置において,シングルモードの励振用光ファイバからの出力スポットは,幾つ

か異なるグループのモードを励振する。このため波形の出力結果は,複雑な時間依存を示し,複数のピー

クが存在して,個々のモードグループがきれいに分解できるとは限らない。立上がり及び立下がりの検出

レベルは,波形のピーク強度の25 %とする。これは,例えばあるオフセット位置において,励振スポッ

トによって最も励振されたモードグループが,同一のオフセット位置において励振された他のモードグル

ープから時間的に分離されてしまうような場合に役に立つ。他のすべてのモードグループが同一の遅延時

間をもち,合算された強度が分離されたモードグループの強度を超えるような場合でも,25 %値の使用に

よって分離したモードグループの検出を保証する。 

TSLOWとTFASTとの差は,パルスの時間幅,有限な検出装置の帯域,光源のスペクトル幅及び被測定光フ

ァイバの波長分散によるモードの広がりに相当する分だけDMDよりも大きな値となる。 

パルスの時間幅及び有限な検出装置の帯域は,∆TPULSEによって定義される。∆TPULSEが小さく,光源の

スペクトルがガウス分布を示すのであれば,被測定光ファイバの出力端におけるそれぞれのモードの最大

強度の25 %値で定義される時間幅は,式(B.1)で求める。 

()

()L

D

t

×

=

λ

δλ

2

ln

4

Δchrom

 ··················································· (B.1)  

11 

C6864:2008 IEC 60793-1-49:2003 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, 

δλ: 光源の自乗平均スペクトル幅 (nm) 

D(λ): 波長分散 (ps/nm・km) 

L: 被測定光ファイバ長さ (km) 

()2

ln

は,DMDの評価に最大強度の25 %値を使用し,光源の特性に自乗平均スペクトル幅を使用

することによる係数である。 

被測定光ファイバから出力されるすべてのモードの25 %値の全体幅は,式(B.2)で求める。 

(

)

2

1

2

chrom

2

PULSE

REF

Δ

Δ

Δ

t

T

T

+

=

 ······················································ (B.2)  

このときDMDは,式(B.3)で求める。 

(

)

REF

FAST

SLOW

Δ

DMD

T

T

T

=

 ···················································· (B.3)  

∆TPULSEがパルスの時間幅及び検出装置の帯域によって決められるので,∆tchromの値は被測定光ファイバ

の長さによって変化することに注意する。波長分散による影響を抑制するためには,附属書Aに記載され

ているようにDMD測定値,被測定光ファイバ長さ及び∆TPULSEで定まるδλをもつ光源を使用する。 

DMDは,異なるオフセット位置における測定波形から遅延時間を比較することによって決まるので,

時間的なジッター及びパルスの時間幅が潜在的な問題になる。DMD測定の下限値は0.9 (∆TREF)であり,こ

れによって測定誤差が10 %以下に保証されるが,これはシステムのジッターの総和によって主に制約を

受ける。 

この試験方法の制定に当たりTSLOW及びTFASTの評価方法として検出パルスをシステム応答について逆演

算する方法を検討した。測定されるDMDの最小値に対しては,比較的おおまかな制限しか求められない

点を考慮すると,極めて複雑な逆演算を用いる利点はない。∆TREFの単純な差分を使用することによる誤

差はDMD≧0.9(∆TREF)の範囲で1 %以下にすぎない。