C 6834 : 1999
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS C 6834-1993は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 6834 : 1999
プラスチッククラッドマルチモード
光ファイバ素線
Plastic cladding multimode optical fibers
序文 規格を適用するに当たっては,その規格が引用している規格も同時に参照しなければならない。ま
た,同類の規格があれば,これとの比較検討が必要なことも多い。
この規格は,1992年に発行されたIEC 60793-2 : 1992, Optical fibres, Part 2 : Product specificationsを元に,技
術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。
1. 適用範囲 この規格は,コアに石英ガラス,クラッドにプラスチックを使用したステップインデック
ス形マルチモード光ファイバ素線(以下,光ファイバ素線という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS C 0010 環境試験方法−電気・電子−通則
JIS C 6820 光ファイバ通則
JIS C 6821 光ファイバ機械特性試験方法
JIS C 6822 マルチモード光ファイバ構造パラメータ試験方法
JIS C 6823 光ファイバ損失試験方法
JIS C 6824 マルチモード光ファイバ帯域試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 6820の規定による。
4. 形名及び種類
4.1
形名の構成 形名の構成は,JIS C 6820の4.(形名)の規定に基づき,次の配列による。
例
備考1. 光ファイバの材質を表す記号はRとし,プラスチッククラッドを表す。
2. 光ファイバの構造を表す記号はSIとし,マルチモードステップインデックス形を表す。
3. 光ファイバの寸法を表す記号はコア径/クラッド径で表し,単位はマイクロメートル(μm)
とする。
2
C 6834 : 1999
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4. 光ファイバのNAなどを表す記号は,コア径/クラッド径が同じ場合に,NA,その他の伝送
特性,構造パラメータが異なるものについて順次A,B,…とする。
4.2
種類及び形名 光ファイバ素線の種類及び形名は,寸法及びNAによって4種類に分類し,表1の
とおりとする。
表1 種類及び形名
種類
形名
プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ素線 200/230-A
RSI-200/230-A
プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ素線 200/230-B
RSI-200/230-B
プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ素線 200/300
RSI-200/300
プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ素線 200/380
RSI-200/380
5. 伝送特性 損失及び帯域の性能は,表2による。
表2 伝送特性
項目
形名
RSI-200/230−A
RSI-200/230−B
RSI-200/300
RSI-200/380
損失
dB/km*
10以下
−
10以下
10以下
dB/100 m**
−
1以下
−
−
帯域
MHz・km*
5以上
−
5以上
5以上
MHz・100 m**
−
100以上
−
−
注*
波長850 nmでの数値である。
** 波長650 nmでの数値である。
6. 材料,形状及び寸法
6.1
材料及び形状 光ファイバ素線の材料及び形状は次による。
a) コアは,石英系ガラスの材料を用い,断面が円形になるようにする。
b) クラッドの材料は,コアよりも低い屈折率をもつプラスチックを用い,コアの上にこれと密接して同
心円状に配置する。
6.2
構造パラメータ 光ファイバ素線の構造パラメータは,表3による。
表3 構造パラメータ
項目
形名
RSI-200/230-A
RSI-200/230-B
RSI-200/300
RSI-200/380
コア径
μm
200±8
200±8
200±8
200±8
クラッド径
μm
230±10
230±10
300±30
380±30
コア非円率
%
6以下
6以下
6以下
6以下
コア/クラッド偏心率
%
10以下
10以下
10以下
10以下
NA
0.40±0.04
−
0.40±0.04
0.40±0.04
最大理論NA
0.40±0.04
0.35±0.02**
0.40±0.04
0.40±0.04
注** 5.表2の注参照。
備考 NAと最大理論NAは,いずれかで規定すればよい。
7. 外観及び強度
7.1
外観 外観は,8.3の試験を行ったとき,表面が滑らかで,きずその他実用上有害な欠点があっては
ならない。
3
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7.2
強度 光ファイバ素線には,JIS C 6821の5.[光ファイバ素線及び光ファイバ心線の機械特性試験
方法(スクリーニング試験方法)]の規定によるスクリーニングを施さなければならない。ただし,光ファ
イバ心線でのスクリーニングを施す場合には,光ファイバ素線のスクリーニングを行わなくてもよい。
8. 試験
8.1
試験場所の状態 試験場所の状態は,JIS C 0010の5.3[測定及び試験のための標準大気条件(標準
状態)]の規定による。
8.2
試験項目 試験項目は,表4による。
表4 試験項目
試験項目
試験方法適用箇条 特性適用箇条
外観
8.3
7.1
構
造
パ
ラ
メ
ー
タ
コア径
8.4
6.2
クラッド径
8.5
コア非円率
8.6
コア/クラッド偏心率
8.7
NA
8.8
損失
8.9
5.
帯域
8.10
強度
8.11
7.2
8.3
外観 外観は,目視によって試験する。
8.4
コア径 コア径は,JIS C 6822の規定によって試験する。
8.5
クラッド径 クラッド径は,JIS C 6822の規定によって試験する。
8.6
コア非円率 コア非円率は,JIS C 6822の規定によって試験する。
8.7
コア/クラッド偏心率 コア/クラッド偏心率は,JIS C 6822の規定によって試験する。
8.8
NA NAは,JIS C 6822の規定によって試験する。
8.9
損失 損失は,JIS C 6823の規定によって試験する。
8.10 帯域 帯域は,JIS C 6824の規定によって試験する。
8.11 強度 強度は,JIS C 6821の5.の規定によって試験する。
9. 包装 包装は,束又はボビン巻きとし,運搬の際,損傷しないよう,適切な保護を施さなければなら
ない。
10. 製品の呼び方 製品の呼び方は,JIS C 6820の7.(製品の呼び方)の規定によって,名称又は光ファ
イバ素線の形名による。
なお,名称は,光ファイバ素線の種類を表すものとする。
例 名称の場合:プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ素線 200/300
光ファイバ素線の形名の場合:RSI-200/300
11. 表示 束又はボビンに,次の事項を容易に消えない方法で表示する。
a) 名称又は光ファイバ素線の形名
b) 長さ
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c) 製造年月又はその略号
d) 製造業者名又はその略号
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光ファイバ標準化委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
川 瀬 正 明
日本電信電話株式会社
(委員)
泉 対 信太郎
古河電気工業株式会社
五十嵐 嘉 彦
株式会社フジクラ
石 田 之 則
日本工業大学
木 下 和 孝
東京電力株式会社
岩 崎 匡 利
株式会社協和エクシオ
江 上 浩 二
コーニングインターナショナル株式会社
大 島 良 夫
東日本旅客鉄道株式会社
生 方 裕 史
三菱電線工業株式会社
和 田 英 男
防衛庁
佐々木 豊
茨城大学
高 橋 聡
三菱レイヨン株式会社
太 宰 正 彦
住友電気工業株式会社
波 平 宜 敬
国際電信電話株式会社
長谷部 守 邦
社団法人日本電線工業会
大 橋 省 吾
昭和電線電纜株式会社
戸木田 茂
株式会社マイクロオプト
橋 爪 邦 隆
通商産業省工業技術院標準部
山 崎 秀 夫
日立電線株式会社
植 山 範 行
日本ルーセント・テクノロジー株式会社
吉 田 初 夫
シーコアインターナショナルコーポレーション
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
増 田 岳 夫
財団法人光産業技術振興協会
(事務局)
吉 田 至 宏
財団法人光産業技術振興協会
堀 切 賢 治
財団法人光産業技術振興協会