C 6830 : 1998
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS C 6830-1991は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録
出願にかかわる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
C 6830 : 1998
光ファイバコード
Optical fiber cords
序文 この規格は,1992年に発行されたIEC 60794-2,Optica fibre cables. Part 2 : Productspecificationsを元
に,外径2.2mmのOFC 2.2の製品を追加したほかは,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規
格である。
なお,IEC規格番号は,1997年1月1日から実施のIEC規格新番号体系によるものであり,これより前
に発行された規格についても,規格番号に60000を加えた番号に切り替えた。これは,番号だけの切替え
であり,内容は同一である。
1. 適用範囲 この規格は,光伝送機器の接続,内部配線などに使用する,単心又は2心の光ファイバ心
線上に抗張力体を配し,塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンド(以下,ビニルという。)などのプラス
チックをシースとした光ファイバコードについて規定する。
なお,全プラスチックマルチモード光ファイバ素線を用いた光ファイバコード及びテープ形光ファイバ
心線を用いた光ファイバコードには,適用しない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS C 0010 環境試験方法−電気・電子−通則
JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JIS C 6820 光ファイバ通則
JIS C 6821 光ファイバ機械特性試験方法
JIS C 6831 光ファイバ心線
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 6820の規定による。
4. 種類及び形名 光ファイバコードの種類及び形名は,JIS C 6820の4.(形名)の規定による。例を表
1に示す。
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C 6830 : 1998
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表1 種類及び形名の例
種類
形名
(○心)石英系マルチモード光ファイバコード
OFC 2.8-○□-SSI-85/125
OFC 2.8-○□-SQI-85/125
OFC 2.8-○□-SGI-50/125
(○心)石英系シングルモード光ファイバコード
OFC 2.8-○□-SSMA-9.5/125
OFC 2.8-○□-SSMB-8/125
(○心)多成分系マルチモード光ファイバコード
OFC 2.8-○□-CSI-85/125-L
OFC 2.8-○□-CSI-85/125-H
OFC 2.8-○□-CSI-200/250-L
OFC 2.8-○□-CSI-200/250-H
(○心)プラスチッククラッドマルチモード光ファイバコード OFC 2.8-○□-RSI-200/300
OFC 2.8-○□-RSI-200/230
備考1. 記号OFCは,光ファイバコードを表し,それ以降の記号は,シースの外径(単位mm)
及び光ファイバ心線を表す。
2. □は,2次被覆の材質(Y:ポリアミド樹脂,U:UV硬化樹脂,Z:その他のもの)
を表す。
3. 複数の心線から構成されている場合は,○は心線数を表す。単心の場合は,( )内
と○を表示しない。
5. 材料,形状及び寸法 光ファイバコードの材料,形状及び寸法は,次による。
a) 光ファイバ心線 光ファイバ心線は,JIS C 6831に規定するものとする。
b) 抗張力体 抗張力体は,光ファイバ心線上に芳香族ポリアミド系繊維などを密接して配置する。光フ
ァイバコードの構造例を図1に示す。
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図1 光ファイバコードの構造例
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c) シース シースは,抗張力体上にこれと密接にしてほぼ同心円状にビニルなどを被覆する。仕上がり
寸法は,表2及び表3による。シースの材料特性は,表4による。
表2 単心光ファイバコードの仕上がり外径
単位 mm
仕上がり外径
OFC 1.5
1.5±0.2
OFC 2.0
2.0±0.2
OFC 2.2
2.2±0.2
OFC 2.5
2.5±0.2
OFC 2.8
2.8±0.2
OFC 3.0
3.0±0.2
OFC 3.2
3.2±0.2
OFC 3.8
3.8±0.2
OFC 4.8
4.8±0.3
備考 OFC 3.8及びOFC 4.8の適用心線は,
ルースチューブ心線である。
表3 2心光ファイバコードの仕上がり外径
単位 mm
OFC 4.0
OFC 4.3
OFC 4.4
OFC 4.8
OFC 5.8
長径
4.0±0.4
4.3±0.2
4.4±0.4
4.8±0.2
5.8±0.6
短径
2.0±0.2
−
2.2±0.2
−
2.9±0.3
備考 丸形の場合は,長径だけで示す。
表4 光ファイバコードのシースの材料特性
項目
ビニル
その他のプラスチック
引張強さ
10N/mm以上
受渡当事者間の協定による。
シースの伸び
200%以上
加熱性
引張強さ 加熱前の値の80%以上
伸び
加熱前の値の80%以上
加熱収縮性
10%以内
6. 機械特性 光ファイバコードの機械特性は,表5による。ただし,2心光ファイバコードには,ねじ
りの項目は適用しない。
表5 光ファイバコードの機械特性
項目
特性
引張り 光ファイバに断線がないこと。
圧壊
シースにひび及び光ファイバに断線がないこと。
衝撃
シースにひび及び光ファイバに断線がないこと。
曲げ
繰返し曲げ:光ファイバに断線がないこと。
コード曲げ:シースにひび及び光ファイバに断線がないこと。
ねじり シースにひび及び光ファイバに断線がないこと。
7. 伝送特性 損失は,受渡当事者間の協定による。帯域(又は分散)は使用する光ファイバ心線による。
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8. 試験
8.1
試験状態 試験は,規定がない限り,JIS C 0010の5.3[測定及び試験のための標準大気条件(標準
状態)]に規定の標準状態[温度15〜35℃,相対湿度25〜85%,気圧860〜1 060hPa]で行う。ただし,標
準状態で試験することが困難な場合は,判定に疑義を生じない限り,標準状態以外の状態で試験を行って
もよい。
8.2
試験項目 試験項目は,表6による。
表6 試験項目
試験項目
試験方法・適用箇条
性能・適用箇条
シースの材料特性
1) 引張強さ及び伸び
8.3 a)
5.c)
2) 加熱性
8.3 b)
3) 加熱収縮性
8.3 c)
光ファイバコードの機械特性
1) 引張り
8.4
6.
2) 圧壊
3) 衝撃
4) 曲げ
5) ねじり
8.3
シースの材料特性試験 シースの材料特性試験は,次による。
a) 引張強さ及び伸び シースの引張強さ及び伸びは,JIS C 3005の18.(絶縁体及びシースの引張り)の
規定による。ただし,引張速さは,JIS C 3005の18.3(試験方法)の表4のAの規定による。
b) 加熱性 シースの加熱性は,JIS C 3005の19.(加熱)の規定によって,引張強さ及び伸びを測定する。
加熱温度及び加熱時間は,JIS C 3005の19.2(試験方法)の表5のBの規定による。
c) 加熱収縮性 シースの加熱収縮性は,長さ150mmの光ファイバコードを切り取り,光ファイバ心線
と抗張力体を抜き取り,シース中央部に100mmの標線を付けてそれを試験片とし,JIS C 3005の23.
(加熱収縮)の規定によって試験する。
8.4
光ファイバコードの機械特性試験 光ファイバコードの機械特性試験及び試験条件は,表7による。
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表7 試験条件
試験項目
試験方法規格
適用箇条
条件項目
単心光ファイバコード
2心光ファイバ
コード
OFC 1.5
OFC 2.0
OFC 2.8
OFC 2.2
OFC 3.0
OFC 2.5
OFC 3.2
OFC 3.8
OFC 4.8
引張り
JIS C 6821の6.1
張力
50N
60N
80N
160N
印加時間
5分間
圧壊
JIS C 6821の6.2
張力
5N/mm
10N/mm
印加時間
1分間
衝撃
JIS C 6821の6.3
衝撃柱の位置エネルギー
1.0 N・m
2.0N・m
衝撃柱の直径
25.0 mm
衝撃回数
3回
繰返し曲げ JIS C 6821の6.4.1
おもりの質量
2.0kg
4.0kg
曲げ半径
50mm
サイクル数
1 000
コード曲げ JIS C 6821の6.4.2
円筒の直径
50mm
巻付回数
6回
サイクル数
10
ねじり
JIS C 6821の6.5
試料長
250mm
−
おもりの質量
2.0kg
−
サイクル数
20
−
9. 包装 包装は,束又はボビン巻とし,運搬の際損傷しないよう適切な保護を施さなければならない。
10. 製品の呼び方 製品の呼び方は,JIS C 6820の7.(製品の呼び方)の規定によって,名称又は光ファ
イバコードの形名による。
例 名称:光ファイバコード2.8-Y-SGI-50/125
光ファイバコードの形名:OFC 2.8-Y-SGI-50/125
11. 表示
11.1 製品に対する表示 光ファイバコードには,シースの表面に,次の事項を容易に消えない方法で連
続表示する。
a) 光ファイバ素線の記号
例 SGI-50/125
b) 製造業者名又はその略号
11.2 包装に対する表示 包装の表面に,次の事項を容易に消えない方法で表示する。
a) 名称又は光ファイバコードの形名
b) 長さ
c) 製造年月
d) 製造業者名又はその略号
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光ファイバ標準化委員会 構成表
(委員長)
川 瀬 正 明
日本電信電話株式会社
泉 対 信太郎
古河電気工業株式会社
五十嵐 嘉 彦
株式会社フジクラ
石 田 之 則
日本工業大学
木 下 和 孝
東京電力株式会社
岩 崎 匡 利
株式会社協和エクシオ
江 上 浩 二
コーニングインターナショナル株式会社
大 島 良 夫
東日本旅客鉄道株式会社
生 方 裕 史
三菱電線工業株式会社
和 田 英 男
防衛庁
佐々木 豊
茨城大学
高 橋 聡
三菱レイヨン株式会社
太 宰 正 彦
住友電気工業株式会社
波 平 宜 敬
国際電信電話株式会社
長谷部 守 邦
社団法人日本電線工業会
大 橋 省 吾
昭和電線電纜株式会社
戸木田 茂
株式会社マイクロオプト
橋 爪 邦 隆
通商産業省
山 崎 秀 夫
日立電線株式会社
植 山 範 行
日本ルーセント・テクノロジー株式会社
吉 田 初 夫
シーコアインターナショナルコーポレーション
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
増 田 岳 夫
財団法人光産業技術振興協会
(事務局)
吉 田 至 宏
財団法人光産業技術振興協会
堀 切 賢 治
財団法人光産業技術振興協会