C 6820:2018
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 用語及び定義 ··················································································································· 1
3 分類······························································································································· 2
3.1 一般事項 ······················································································································ 2
3.2 マルチモード光ファイバ ································································································· 2
3.3 シングルモード光ファイバ ······························································································ 4
3.4 イントラコネクション光ファイバ······················································································ 5
3.5 偏波面保存光ファイバ ···································································································· 5
4 形名······························································································································· 6
4.1 形名の構成 ··················································································································· 6
4.2 記号 ···························································································································· 7
5 製品の呼び方 ··················································································································· 9
6 試験方法························································································································ 10
7 数値の丸め方 ·················································································································· 10
8 包装······························································································································ 10
9 表示······························································································································ 10
9.1 製品に関する表示 ········································································································· 10
9.2 包装に対する表示 ········································································································· 10
附属書JA(参考)光ファイバに関する用語 ·············································································· 11
附属書JB(参考)マルチモード光ファイバ ·············································································· 16
附属書JC(参考)シングルモード光ファイバ ··········································································· 17
附属書JD(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 18
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産
業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。
これによって,JIS C 6820:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
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光ファイバ通則
General rules of optical fibers
序文
この規格は,2017年に第4版として発行されたIEC 60793-1-1及び2015年に第8版として発行された
IEC 60793-2を基とし,マルチモード光ファイバの材質による分類及び光ファイバの形名の付け方が対応
国際規格と異なることに対応し,また,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格とし
て追加するため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JDに示す。また,附属書JA〜附属書JCは対応国際規格には
ない事項である。
1
適用範囲
この規格は,光伝送用の光ファイバ素線,光ファイバ心線及び光ファイバコードの一般事項について規
定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60793-1-1:2017,Optical fibres−Part 1-1: Measurement methods and test procedures−General
and guidance
IEC 60793-2:2015,Optical fibres−Part 2: Product specifications−General(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
なお,光ファイバの構造関連用語,伝送特性関連用語及び測定関連用語を,附属書JAに示す。
2.1
光ファイバ(optical fiber)
誘電体で作られた,光を伝送する繊維。
注記 裸光ファイバ,光ファイバ素線,光ファイバ心線及び光ファイバコードの総称をいう。
2.2
裸光ファイバ(bare optical fiber)
ガラスコア及びガラスクラッドだけからなる光ファイバ。
2.3
光ファイバ素線(optical fiber)
2
C 6820:2018
裸光ファイバのガラスクラッドに直接1層,2層若しくは着色層を含む複数層からなるプラスチックの1
次被覆を施した石英系光ファイバ,コアを石英系ガラスとしクラッドをプラスチックとする光ファイバ,
又はコア及びクラッドを共にプラスチックとする光ファイバ。
注記 通常,石英系光ファイバの1次被覆は,ガラスクラッド表面を保護するため,裸光ファイバを
紡糸するときに同時に施される。
2.4
1次被覆(primary coating)
裸光ファイバの表面が外界の物体と直接接触して微小きずが発生するのを防ぐため,裸光ファイバに密
着して施す被覆。
2.5
2次被覆(secondary coating)
光ファイバ心線の取扱い時又はケーブル化時の外傷からの保護を目的として,補強及び取扱いを容易に
するために光ファイバ素線の上に施す被覆。
2.6
光ファイバ心線(jacketed optical fiber)
ガラスをコアとする光ファイバ素線の単心又は複数心に2次被覆を施した光ファイバ。
注記 この2次被覆は,光ファイバ心線を取り扱う(ケーブル化を含む。)ときの外傷からの保護を目
的として施される。
2.7
光ファイバコード(optical fiber cord)
光ファイバ心線上又は全プラスチックマルチモード光ファイバ素線上にプラスチックシースを施した,
抗張力体のある光ファイバ。
3
分類
3.1
一般事項
光ファイバは,伝搬モード数によって大別し,さらに,3.2〜3.5のように分類する。
3.2
マルチモード光ファイバ
マルチモード光ファイバは,材質又は屈折率分布によって分類する。表1に材質による分類,表2に屈
折率分布による分類を示す。表3にマルチモード光ファイバの分類記号及び種類を示す。
表1−マルチモード光ファイバの材質による分類
材質による分類
材質(コア/クラッド)
石英系
石英系ガラス/石英系ガラス
多成分系
多成分系ガラス/多成分系ガラス
プラスチッククラッド
石英系ガラス/プラスチック
全プラスチック
プラスチック/プラスチック
3
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表2−マルチモード光ファイバの屈折率分布による分類
屈折率分布による分類
材質(コア/クラッド)
屈折率分布パラメータg a)
グレーデッドインデックス
石英系ガラス/石英系ガラス
1≦g<3
疑似ステップインデックス及び
ステップインデックス
石英系ガラス/石英系ガラス
3≦g<∞
ステップインデックス及び
グレーデッドインデックス
石英系ガラス/プラスチック
10≦g<∞
1≦g<3
グレーデッドインデックス及び
ステップインデックス
プラスチック/プラスチック
1≦g<∞
注a) 附属書JA参照。
表3−マルチモード光ファイバの分類記号及び種類
分類記号
材料による略称
屈折率分布,寸法及びNAによ
る光ファイバの種類
IEC分類記号
(参考)
SGI
石英系
グレーデッドインデックス形
寸法,帯域などによって,次の
10種類に区別する。
SGI-50/125-A1a
SGI-50/125-A1b
SGI-50/125-A2a
SGI-50/125-A2b
SGI-50/125-A3a
SGI-50/125-A3b
SGI-50/125-A4a
SGI-50/125-A4b
SGI-62.5/125
SGI-100/140
A1a.1a
A1a.1b
A1a.2a
A1a.2b
A1a.3a
A1a.3b
A1a.4a
A1a.4b
A1b
A1d
SSI
石英系
ステップインデックス形
A2
SQI
石英系
疑似ステップインデックス形
A2
CSI
多成分系
ステップインデックス形
該当なし
RSI
プラスチッククラッド
ステップインデックス形
寸法,理論NAなどによって,
次の7種類に区別する。
RSI-200/300
RSI-200/380
RSI-200/230-A
RSI-200/230-B
RSI-200/230-C
RSI-50/230
RSI-62.5/230
A3a
A3b
A3c
A3d
A3e
A3f
A3g
PSI
全プラスチック
ステップインデックス形
PSI-980/1000-A1
A4a.1
全プラスチック
ステップインデックス形
PSI-980/1000-A2
A4a.2
全プラスチック
ステップインデックス形
PSI-735/750
A4b
全プラスチック
ステップインデックス形
PSI-485/500
A4c
4
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表3−マルチモード光ファイバの分類記号及び種類(続き)
分類記号
材料による略称
屈折率分布,寸法及びNAによ
る光ファイバの種類
IEC分類記号
(参考)
PSI
全プラスチック
ステップインデックス形
PSI-980/1000-B
A4d
PGI
全プラスチック
グレーデッドインデックス形
PGI-500/750
A4e
全プラスチック
グレーデッドインデックス形
PGI-200/490
A4f
全プラスチック
グレーデッドインデックス形
PGI-120/490
A4g
全プラスチック
グレーデッドインデックス形
PGI-62.5/245
A4h
3.3
シングルモード光ファイバ
シングルモード光ファイバの材質は,石英系に限定されている。表4に石英系シングルモード光ファイ
バの分類記号及び種類を示す。
表4−石英系シングルモード光ファイバの分類記号及び種類
分類
記号
光ファイバの
種類
説明
IEC分類記号
(参考)
SMA
1 310 nmゼロ分
散形
1 310 nm帯での使用に適しているが,1 550 nm帯及び1 625 nm帯で
も使用可能である光ファイバ。
B1.1
SMA・T
1 550 nmカット
オフシフト形
1 550 nm帯での低損失伝送に適した1 310 nmゼロ分散形光ファイバ。
波長分散係数及びモードフィールド径によってSMA・T-□-B,SMA・T-
□-C及びSMA・T-□-Dの3種類に区別する。
B1.2̲b
B1.2̲c
B1.2̲d
SMA・U
1 310 nmゼロ分
散・低OH形
伝送波長帯域を拡張した1 310 nmゼロ分散形光ファイバで,1 260 nm
〜1 625 nmの波長機器での伝送に用いられる光ファイバ。
B1.3
SMB
1 550 nm分散シ
フト形
1 550 nm帯での伝送に適した光ファイバ。寸法の許容差,モードフィ
ールド径及び波長分散係数によってSMB-□-A及びSMB-□-Bの2種
類に区別する。
B2̲a
B2̲b
SMC
分散フラット形
広い波長範囲にわたり波長分散が低い光ファイバ。
該当なし
SMD
ノンゼロ分散シ
フト形
1 550 nm帯の波長多重伝送に適した分散シフト形光ファイバ。分散係
数は,1 530 nm〜1 565 nmの波長帯でゼロとならない。波長分散係数
によってSMB4-□-C,SMB4-□-D及びSMB4-□-Eの3種類に区別す
る。
B4̲c
B4̲d
B4̲e
SME
広波長域ノンゼ
ロ分散シフト形
1 460 nm〜1 625 nmの波長帯での波長多重伝送に適した分散シフト形
光ファイバ。CWDM及びDWDM両システムに用いる。
B5
SMF・A
低OH・曲げ損失
低減形
1 260 nm〜1 625 nmの波長域での伝送に用いる曲げ損失を低減した光
ファイバ。SMA・Uと同等の伝送特性及び接続特性をもつ。許容曲げ
半径によってSMF・A-□-A1及びSMF・A-□-A2の2種類に区別する。
B6̲a1
B6̲a2
SMF・B
曲げ損失低減形
1 310 nm,1 550 nm及び1 625 nm波長での伝送に用いる曲げ損失を低
減した光ファイバ。SMA・Uと異なる接続特性をもつ。ただし,SMF・
Aよりも低い曲げ損失特性である。許容曲げ半径によってSMF・B-□
-B2及びSMF・B-□-B3の2種類に区別する。
B6̲b2
B6̲b3
注記 光ファイバ素線の形名SMB-□-A,SMB-□-Bなどの□は,光ファイバの寸法(モードフィールド径/クラッ
ド径)を表す。
例 SMB-8/125-A
5
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3.4
イントラコネクション光ファイバ
イントラコネクション光ファイバは,光コンポーネント及び光システムの中で光部品の間の接続に使用
される。表5にイントラコネクション光ファイバの分類記号及び種類を示す。
表5−イントラコネクション光ファイバの分類記号及び種類
分類
記号
光ファイバの種類
説明
IEC分類記号
(参考)
ICA
1 260 nm〜1 625 nmの波長帯
でSMAとの使用に適した光
ファイバ
ガラス形状及び曲げ損失を最適化したイントラコネク
ション光ファイバ。SMAと比べ,短いファイバカットオ
フ波長をもつ。
C1
ICB
1 260 nm〜1 360 nmの波長帯
での使用に適した光ファイバ
1 310 nmでの損失を最適化した小モードフィールド径の
イントラコネクション光ファイバ。
C2-a
C2-b
ICC
1 530 nm〜1 625 nmの波長帯
での使用に適した光ファイバ
1 550 nmでの損失を最適化した小モードフィールド径の
イントラコネクション光ファイバ。
C3-a
C3-b
ICD
980 nm波長帯での使用に適し
た光ファイバ
980 nm伝送を目的としたイントラコネクション光ファ
イバ。
C4-a
C4-b
注記 この表に記載の光ファイバはそれぞれ,クラッド径125 μm及び80 μmの2種類に分類される。
また,C2,C3及びC4はMFDの大きさによって-a及び-bの2種類のサブカテゴリに分類される。
3.5
偏波面保存光ファイバ
偏波面保存光ファイバは,次のパラメータによって分類する。
表6に偏波面保存光ファイバの分類記号及び種類を示す。
表6−偏波面保存光ファイバの分類記号及び種類
分類
記号
光ファイバの種類
説明
IEC分類記号
(参考)
PMA
980 nm伝送に適した偏波面
保存光ファイバ
980 nm帯の偏波光を保持して伝送するのに適した偏波
面保存光ファイバ。エルビウムドープファイバ増幅器に
使用される。
D1
PMB
1 310 nm伝送に適した偏波面
保存光ファイバ
1 310 nm帯の偏波光を保持して伝送し,石英系シングル
モード光ファイバと接続するのに適した偏波面保存光フ
ァイバ。
D2
PMC
1 550 nm伝送に適した偏波面
保存光ファイバ
1 550 nm帯の偏波光を保持して伝送し,石英系シングル
モード光ファイバと接続するのに適した偏波面保存光フ
ァイバ。
D3
6
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4
形名
4.1
形名の構成
形名の構成は,次の配列による。ただし,該当する項目がない場合及び光ファイバ素線又は心線の数を
表す数字が1の場合は表示せず,順次繰り上げた配列で構成する。
a) 光ファイバ素線
例
S
GI
−
50/125
−
A1
b) 光ファイバ心線
例1
Y
−
S
GI
−
50/125
−
J1
例2
Y
−
S
GI
−
50/125
−
A1
例3
U
4
−
S
SMA
−
9.3/125
−
J1
例4
U
4
−
S
SMB
−
9.3/125
−
A1
例5
U
−
S
PMA
−
9.4/125
−
J1
c) 光ファイバコード
例1 OFC2.8 −
Y
−
S
GI
− 50/125 −
S1
例2 OFC2.8 −
Y
−
S
GI
− 50/125 −
J1
例3 OFC2.8 −
Y
−
S
GI
− 50/125 −
A1
例4 OFC4.4 −
2
Y
−
S
GI
− 50/125 −
B2
例5 OFC3.5 −
U
4
−
S
SMA
− 9.3/125 −
J2
例6 OFC2.0 −
Y
−
S
PMA
− 9.4/125 −
J2
光ファイバの寸
法を表す記号
4.2.3
その他必要な事
項を表す記号
4.2.8
−
−
光ファイバの材
質を表す記号
4.2.1
光ファイバの屈折率分
布又は種類を表す記号
4.2.2
光ファイバ
の寸法を表
す記号
4.2.3
その他必要
な事項を表
す記号
4.2.8
−
−
2次被覆の
材質を表す
記号
4.2.4
光ファイバ
素線の数を
表す記号
4.2.5
光ファイバ
の材質を表
す記号
4.2.1
光ファイバの屈
折率分布又は種
類を表す記号
4.2.2
−
光ファイ
バの寸法
を表す記
号
4.2.3
その他必
要な事項
を表す記
号
4.2.8
−
−
光ファイ
バコード
を表す記
号
4.2.6
−
光ファイ
バ心線の
数を表す
記号
4.2.7
2次被覆
の材質を
表す記号
4.2.4
光ファイ
バ素線の
数を表す
記号
4.2.5
光ファイ
バの材質
を表す記
号
4.2.1
光ファイバ
の屈折率分
布又は種類
を表す記号
4.2.2
−
7
C 6820:2018
4.2
記号
4.2.1
光ファイバの材質
光ファイバのコア及びクラッドの材質を表す記号は,表7による。
表7−光ファイバの材質を表す記号
記号
材質による略称
材質(コア/クラッド)
S
石英系
石英系ガラス/石英系ガラス
C
多成分系
多成分系ガラス/多成分系ガラス
R
プラスチッククラッド
石英系ガラス/プラスチック
P
全プラスチック
プラスチック/プラスチック
4.2.2
光ファイバの屈折率分布又は種類
光ファイバの屈折率分布又は種類を表す記号は,表8による。
表8−光ファイバの屈折率分布又は種類
記号
光ファイバの屈折率分布又は種類
SI
マルチモードステップインデックス形
QI
マルチモード疑似ステップインデックス形
GI
マルチモードグレーデッドインデックス形
SMA
シングルモード1 310 nmゼロ分散形
SMA・T
シングルモード1 550 nmカットオフシフト形
SMA・U
シングルモード1 310 nmゼロ分散・低OH形
SMB
シングルモード1 550 nm分散シフト形
SMC
シングルモード分散フラット形
SMD
シングルモードノンゼロ分散シフト形
SME
広波長域ノンゼロ分散シフト形
SMF・A
曲げ損失低減形
SMF・B
曲げ損失低減形
ICA
SMA標準形
ICB
小モードフィールド径シングルモード1 310 nm伝送用
ICC
小モードフィールド径シングルモード1 550 nm伝送用
ICD
シングルモード980 nm伝送用
PMA
シングルモード980 nm用偏波面保存形
PMB
シングルモード1 310 nm用偏波面保存形
PMC
シングルモード1 550 nm用偏波面保存形
4.2.3
光ファイバの寸法
光ファイバの寸法を表す記号は,コア径(シングルモード光ファイバの場合は,モードフィールド径)
/クラッド径で表し,単位はマイクロメートル(μm)とする。
なお,小数点以下1桁の数字が0でない場合は,小数点以下1桁を含む数字で表す。
例1 85/125
例2 8/125
例3 9.3/125
多成分系マルチモード光ファイバ,プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ及びクラッド径1 mm
8
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の全プラスチックマルチモード光ファイバの場合は,さらに,NAを表す記号を表9によって加える。
表9−NAを表す記号
光ファイバの種類
記号
NA
例
多成分系マルチモード光ファイバ
H
0.50±0.05
100/140-L
L
0.28±0.03
プラスチッククラッドマルチモード
光ファイバ
A
0.4±0.04
RSI-200/230-A
B
0.35±0.02
全プラスチックマルチモード光ファ
イバ
A1
0.5±0.15
PSI-980/1000-A1
A2
0.485±0.045 a)
B
0.3±0.05
注a) IECにおいて修正提案され,審議中である。
4.2.4
2次被覆の材質
2次被覆の材質を表す記号は,表10による。
表10−2次被覆の材質
記号
2次被覆の材質
Y
ポリアミド樹脂
U
UV硬化樹脂
Z
その他のもの
4.2.5
光ファイバ素線の数を表す記号
光ファイバ素線の数を表す記号は,光ファイバ心線を構成する光ファイバ素線の数で表す。
なお,数が1の場合は,省略する。
4.2.6
光ファイバコード
光ファイバコードを表す記号は,OFC□.□とする。
なお,□.□は,光ファイバコードの外径寸法(単位mm)であり,小数点を含む2数字で表す。
注記 □.□は光ファイバコードが丸形の場合は,外形寸法で表す。丸形以外の場合は長径寸法で表す。
4.2.7
光ファイバ心線の数を表す記号
光ファイバ心線の数を表す記号は,光ファイバコードを構成する光ファイバ心線の数で表す。
なお,数が1の場合は,省略する。
4.2.8
その他必要事項
その他必要な事項を表す記号は,表11によって1英大文字,1数字及び1英小文字で表し,個別規格の
規定による。
なお,光ファイバ心線の規定及び光ファイバ素線の規定,光ファイバコードの規定及び光ファイバ素線
の規定,又は光ファイバコードの規定及び光ファイバ心線の規定が一致する場合は,優先順位が高い個別
規格の記号を用いる。
9
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表11−その他必要な事項を表す記号
優先順位
個別規格
その他必要な事項を表す記号
1英大文字
1数字
1英小文字
1
光ファイバ素線
A,B,C,D,E,F,G,H
0〜9
a〜z
2
光ファイバ心線
J,K,L,M,N,P,Q,R
3
光ファイバコード
S,T,U,V,W,X,Y,Z
5
製品の呼び方
製品の呼び方は,次の名称又は光ファイバの形名による。
a) 光ファイバ素線の名称は,光ファイバの分類及び光ファイバの寸法を表す記号とする。光ファイバ素
線の分類は,箇条4の分類に示した光ファイバ形名の語尾に“素線”を付記したもので表す。
なお,光ファイバの屈折率分布又は種類を付記する場合は,マルチモードステップインデックス形,
マルチモード疑似ステップインデックス形,マルチモードグレーデッドインデックス形,シングルモ
ード1 310 nmゼロ分散形,シングルモード1 550 nmカットオフシフト形,シングルモード1 310 nm
ゼロ分散・低OH形,シングルモード1 550 nm分散シフト形,シングルモード分散フラット形又はシ
ングルモードノンゼロ分散シフト形を光ファイバの前に入れるか,又はそれぞれの記号であるSI形,
QI形,GI形,SMA形,SMA・T形,SMA・U形,SMB形,SMC形又はSMD形を光ファイバの後に
( )を付けて付記する。また,偏波面保存光ファイバの屈折率分布又は種類を付記する場合は,シ
ングルモード980 nm用偏波面保存光ファイバ,シングルモード1 310 nm用偏波面保存光ファイバ又
はシングルモード1 550 nm用偏波面保存光ファイバを付記するか,それぞれの記号であるPMA形,
PMB形又はPMC形を光ファイバの後に( )を付けて付記する。
b) 光ファイバ心線の名称は,単心の素線から構成される場合は,2次被覆の材質,被覆光ファイバ心線
及び光ファイバ素線の形名とする。また,複数の素線から構成される場合は,構成の方法を表す形1),
素線数,光ファイバ心線及び光ファイバ素線の形名とする。
注1) 構成の方法を表す形には,テープ形などがある。
c) 光ファイバコードの名称は,光ファイバコード,外径及び光ファイバ心線の形名とする。ただし,複
数の心線から構成される光ファイバコードの場合は,心線数,光ファイバコード,外径及び光ファイ
バ心線の形名とする。
例1 光ファイバ素線の場合
名称:石英系マルチモード光ファイバ素線(GI形)50/125
光ファイバの形名:SGI-50/125
例2 光ファイバ心線の場合
名称:ポリアミド樹脂被覆光ファイバ心線SGI-50/125
光ファイバの形名:Y-SGI-50/125
例3 テープ形光ファイバ心線の場合
名称:テープ形4心光ファイバ心線SSMA-9.5/125
光ファイバの形名:U 4-SSMA-9.5/125
例4 光ファイバコードの場合
名称:光ファイバコード2.8-Y-SGI-50/125
光ファイバの形名:OFC 2.8-Y-SGI-50/125
10
C 6820:2018
例5 2心光ファイバコードの場合
名称:2心光ファイバコード4.4-Y-SGI-50/125
光ファイバの形名:OFC 4.4-2Y-SGI-50/125
6
試験方法
試験は,個別規格の規定による。
7
数値の丸め方
測定結果の有効桁数が合否判定基準で要求されているよりも多い場合,数値の丸め方として一般的に使
用される“四捨五入”に従い2),端数処理して報告するものとする。端数処理する場合には,有効桁数の
次の一桁だけを使用して数値を丸める。
例1 最大損失として0.22 dB/kmが要求される場合,0.224 dB/km以下が合格,0.225 dB/km以上が不
合格となる。
例2 ±0.05 dBが要求される場合,−0.054 dBから+0.054 dBまでが合格となる。
例3 コア偏心量として最大0.6 μmが要求される場合,0.64 μm以下が合格となる。
注2) JIS Z 8401の規則Bを参照。
8
包装
光ファイバの取扱い及び出荷用包装装備は,次の要求事項に適合しなければならない。
a) 光ファイバを,輸送及び特定環境条件に耐える巻付けにする。
b) 光ファイバを包装装備から外さなくても,光ファイバの構造パラメータ及び伝送特性が測定できるか
どうかを表示する。
c) ボビンの寸法を表示する。
d) 要望によって,光ファイバボビンの取扱いに関するガイドラインを表示してもよい。
e) 要望によって,製品安全性及び廃却方法に関する情報を表示してもよい。
9
表示
9.1
製品に関する表示
製品には,個別規格に規定する事項を容易に消えない方法で表示する。
9.2
包装に対する表示
包装の表面に,次の事項を容易に消えない方法で表示する。
a) 名称又は光ファイバの形名の記号
b) 長さ
c) 製造年月日
d) 製造業者名又はその略号
11
C 6820:2018
附属書JA
(参考)
光ファイバに関する用語
IEC 61931:1998を基に光ファイバに関する用語を記載する。
JA.1 構造関連用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
コア
光パワーの大部分を閉じ込めて伝送する光ファイバの中心
部分。
core
1002
クラッド
コアを取り囲んでいるコアよりも屈折率の低い誘電材料で
構成する部分。
cladding
1003
コア領域
定量的に次の式で示す屈折率n3で囲まれる光ファイバの断
面部分。
n3=n2+k (n1−n2)
ここに, n1: コアの最大屈折率
n2: クラッドの屈折率
k: 0.05(マルチモード光ファイバの場合)
0.5(シングルモード光ファイバの場合)
core area
1004
コア径
コア領域の外周を最もよく近似する円の直径。
core diameter
1005
コア中心
コア領域の外周を最もよく近似する円の中心。
core center
1006
コア径偏差
公称コア径と実際のコア径との差を,公称コア径に対する
百分率で表した値。
core diameter
tolerance
1007
コア公差領域
コア中心に中心をもち,コア領域に外接する円と,それと
同心でコア領域内に内含される最大の円との間の領域。
core tolerance field
1008
コア非円率
コア公差領域を定義する二つの円の直径の差をコア径に対
する百分率で表した値。
non-circularity of
core
1009
クラッド径
クラッド表面を最もよく近似する円の直径。
cladding diameter
1010
クラッド中心
クラッド表面を最もよく近似する円の中心。
cladding center
1011
クラッド径偏差
公称クラッド径と実際のクラッド径との差を,公称クラッ
ド径に対する百分率で表した値。
cladding diameter
tolerance
1012
クラッド公差領域
クラッド中心に中心をもち,クラッド表面に外接する円と,
それと同心でクラッド表面に内含される最大の円との間の
領域。
cladding tolerance
field
1013
クラッド非円率
クラッド公差領域を定義する二つの円の直径の差を,クラ
ッド径に対する百分率で表した値。
non-circularity of
cladding
1014
コア/クラッド偏心率
コア中心とクラッド中心との距離を,コア径に対する百分
率で表した値。
core/cladding
concentricity error
1015
屈折率分布
光ファイバの直径に沿った屈折率の分布形状。
refractive index
profile
12
C 6820:2018
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1016
屈折率分布パラメータ
次の式で示す規格化された屈折率分布でのパラメータg。
δ (X)=1−Xg
ここに,
)1(
)0(
)1(
)
(
)
(
n
n
n
X
n
X
−
−
=
δ
n (X):Xでの屈折率
)
0(
a
r
a
r
X
≦
≦
=
=
a: コア半径
r: コア中心からの距離
profile parameter
1017
ステップインデックス
形光ファイバ
屈折率分布パラメータgが10≦g<∞の屈折率分布をもつ
光ファイバ。
step index optical
fiber
1018
疑似ステップインデッ
クス形光ファイバ
屈折率分布パラメータgが3≦g<10の屈折率分布をもつ光
ファイバ。
quasi-step index
optical fiber
1019
グレーデッドインデッ
クス形光ファイバ
屈折率分布パラメータgが1≦g<3の屈折率分布をもつ光
ファイバ。
graded index optical
fiber
1020
最大理論NA
グレーデッドインデックス形マルチモード光ファイバにお
いて,コア及びクラッドの屈折率値を用いて計算した開口
数(NA)の理論値。次の式によって表す。
NAth=(n12−n22)1/2
ここに, NAth: 最大理論NA
n1: コアの最大屈折率
n2: クラッドの屈折率
光ファイバのコアからの放射光の射出(又は入射)角度を
2θとしたとき,次の式によって表す。
NAth=sinθm
ここに, NAth: 最大理論NA
θm: 光ファイバから放出される最大子午
線角
maximum theoretical
numerical aperture
1021
理論NA
ステップインデックス形マルチモード光ファイバのコア及
びクラッドの屈折率値を用いて計算した開口数(NA)の理
論値。次の式によって表す。
NAth=(n12−n22)1/2
ここに, NAth: 理論NA
n1: コアの屈折率
n2: クラッドの屈折率
注記 ステップインデックス形全プラスチックマルチモー
ド光ファイバにおける屈折率の測定波長は,通常633
nm又は650 nmとする。
theoretical numerical
aperture
1022
開口数,NA
光ファイバのコアから出射(又はコア内へ入射)する最大
円すい状光線の頂点の角度を2θとし,光ファイバが存在す
る媒質の屈折率をnとするとき,n sin θの値。
最大円すい状光線は,出射強度が最大値の5 %となる円
すい状光線で定義する。
注記1 光ファイバが存在する媒質が空気の場合は,nは1
としてもよい。
注記2 NAは,最大理論NAよりも,一般には,5 %〜7 %
小さな値となる。
numerical aperture
13
C 6820:2018
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1023
モードフィールド径
伝搬モードの電界分布の広がり。モードフィールド径
(MFD)は,ファーフィールド領域ではファーフィールド
電界分布Pm(θ),ナイフエッジ伝送関数K(x),並びにアパ
ーチャ伝達関数(complementary aperture power transmission
function)a(θ) から,及びニアフィールド領域ではニアフィ
ールドパターンf 2(r)[f(r) は電界分布]から,決定される。
mode field diameter
1024
モードフィールド中心
シングルモード光ファイバのLP01モードの電界分布の中心 mode field center
1025
モードフィールド偏心
量
モードフィールド中心とクラッド中心との距離。
mode field
concentricity error
1026
1次被覆
裸光ファイバの表面が外界の物体と直接接触して微小きず
が発生するのを防ぐため,裸光ファイバに密着して施す被
覆。
primary coating
1027
2次被覆
補強及び取扱いを容易にするために,光ファイバ素線の上
に施す被覆。
secondary coating
1028
構造パラメータ
光ファイバの寸法,屈折率分布などの構造に関わるパラメ
ータ。
structural parameter
1029
プルーフテストレベル
巻取り工程において,光ファイバに連続して短時間張力を
加えるプルーフテスト(強度試験)の試験条件。
prooftest level
1030
だ(楕)円コア形偏波面
保存光ファイバ
コアをだ円状にすることによって屈折率分布を非軸対称形
とし,二つの偏波モード間の結合を小さくした光ファイバ。
elliptical core
polarization-main-
taining optical fiber
1031
PANDA形偏波面保存光
ファイバ
コア近傍に円形の応力付与部を設け,コアに非軸対称な応
力分布をもたせることによって,二つの偏波モード間の結
合を小さくした光ファイバ。
PANDAは,Polarization-maintaining AND Absorption-reducing
の略称である。
polarization-
maintaining optical
fiber of PANDA
profile
1032
だ円ジャケット形偏波
面保存光ファイバ
クラッドをだ円にすることによって,コアに非軸対称な応
力分布をもたせ,二つの偏波モード間の結合を小さくした
光ファイバ。
elliptical jacket
polarization-mainta
ining optical fiber
JA.2 伝送特性関連用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
マルチモード光ファイ
バ
対象となる波長で二つ以上の伝搬モードを伝搬する光ファ
イバ。
multimode optical
fiber
2002
シングルモード光ファ
イバ
対象となる波長で最低次の伝搬モードだけを伝搬する光フ
ァイバ。
single-mode optical
fiber
2003
損失
長さL(km)離れた二つの位置1,2間の波長λにおける光
ファイバの損失(又は,減衰量)。
損失A(λ) は,次の式で表す。
1
2
10
log
10
)
(
P
P
A
−
=
λ
(dB)
ここに, P1: 近端位置1を通過する光パワー
P2: 遠端位置2を通過する光パワー
均一な単位長さL(km)当たりの光ファイバの波長λにお
ける減衰定数(attenuation coefficient)α(λ) は,次の式で表
す。
L
A)
(
)
(
λ
λ
α
=
(dB/km)
attenuation,
loss
14
C 6820:2018
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2004
(光ファイバの)帯域
ベースバンド伝達関数の大きさが,ゼロ周波数での値に対
してある定められた値(6 dB)に減少する周波数。帯域幅
の広い光ファイバほどパルス光の広がりが小さくなる。主
にマルチモード光ファイバの伝送特性評価によく用いる。
bandwidth (of an
optical fiber)
2005
波長分散
材料分散と構造分散との和。シングルモード光ファイバの
パルス広がり量は波長分散によって支配される。また,定
量的な表示は波長分散係数(chromatic dispersion coefficient)
で表し,光源波長の単位波長当たりの変化に対して生じる
パルス光の遅れを単位ファイバ長に対して示す。通常,単
位はps/(nm・km) で表す。
chromatic dispersion
2006
ゼロ分散波長
波長分散係数がゼロとなる波長。
zero-dispersion
wavelength
2007
ゼロ分散スロープ
ゼロ分散波長において,波長に対する波長分散係数の傾き。
通常,単位はps/(nm2・km) で表す。
zero-dispersion slope
2008
カットオフ波長
各モードが実質的に均一に励振されたとき,励振された高
次モードを含む全パワーと基本モードのパワーとの比率が
規定値未満となる波長。シングルモード光ファイバでは,
LP01モードだけがシングルモード伝送する境目の波長をい
う。カットオフ波長は,光ファイバの形状,長さ及び測定
条件によって値が変わるため,高次のモード(LP11モード)
が伝搬しなくなる波長を推定した理論カットオフ波長
(theoretical cut-off wavelength)はあまり有用でなく,光フ
ァイバの曲げ損失特性から測定する実効カットオフ波長
(effective cut-off wavelength)を用いる。このカットオフ波
長には,3タイプ(ケーブルカットオフ波長,ファイバカ
ットオフ波長及びジャンパケーブルカットオフ波長)の定
義がある。
cut-off wavelength
2009
ケーブルカットオフ波
長
両端から1 mのケーブル構造を取り去った全長22 mの光フ
ァイバケーブルを用い,両端1 mの部分を半径40 mmに巻
いた状態で測定したカットオフ波長。量記号は,λccで表す。
代替測定法として22 mの光ファイバを用い全体を半径140
mm以上に巻き,両端を半径40 mmに巻いた状態で測定す
る方法もある。ただし,事前に光ファイバケーブルを用い
たデータとの整合性を確認する必要がある。
cable cut-off
wavelength λcc
2010
ファイバカットオフ波
長
長さ2 mのシングルモード光ファイバを,半径140 mmに
緩く1回巻き付けた状態で測定したカットオフ波長。量記
号はλcで表す。
fiber cut-off
wavelength λc
2011
ジャンパケーブルカッ
トオフ波長
2 mの長さの光ファイバジャンパケーブルを半径x mm(例
えば,76 mm)に緩く1回巻き付けた状態で測定したカッ
トオフ波長。量記号はλcjで表す。
jumper cable cut-off
wavelength λcj
2012
偏波面保存光ファイバ
二つの直交する直線偏波モード(HE11x及びHE11y)間の結
合を極力小さくして,実用十分な距離にわたって両偏波モ
ードを安定に伝搬できるようにした複屈折率光ファイバ。
“偏波面保存光ファイバ”は“偏波保持光ファイバ”とも
呼称される。
polarization-
maintaining optical
fiber
2013
偏波クロストーク
偏波面保存光ファイバにおいて,二つの直交する直線偏波
モード間での結合度合いで,入力端で一方のモードに励振
された光電力とその光電力のうち出力端までに他方のモー
ドに漏れ出した光電力との比。通常,単位はdB/100 mで表
す。
polarization crosstalk
15
C 6820:2018
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2014
ビート長
偏波面保存光ファイバにおいて,二つの直交する直線偏波
モードが同時に励振された場合,両偏波モードの位相定数
の差によって,合成光波の偏波状態が長手方向に周期的に
変化するときの1周期の長さ。ビート長が短いほど偏波面
保存能力は高い。
beat length
JA.3 測定関連用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3001
基準測定方法
光ファイバの規格に定められた特性を定義どおり厳密に測
定する方法であり,基準として定められた測定方法。
reference test method
3002
代替測定方法
光ファイバの規格に定められた特性を測定する方法であっ
て,基準測定方法に対する代替として定められた測定方法。
alternative test
method,
practical test method
3003
モードフィルタ
ある特定の一つ以上のモードを,選択又は除去するもの。 mode filter
3004
モードスクランブラ
光ファイバ内の複数のモード間で光パワーの相互伝達を引
き起こし,実効的にモードをスクランブルする装置。
mode scrambler
3005
クラッドモード除去器
クラッドモードが放射モードに変換されるのを促進する装
置。
cladding mode
stripper
3006
カットバック法
被測定光ファイバの入射端から1 m〜5 mの長さで,被測定
光ファイバを切断し,その端面からの光パワーを測定して,
これを基準(レファレンス)とする光ファイバ損失測定方
法。
cut-back method
3007
挿入損失法
光源と光パワーを測定する検出装置との間に被測定光ファ
イバを挿入し,挿入前後の光パワー差から光ファイバの損
失を測定する方法。
insertion loss method
3008
OTDR法
光ファイバの損失を,光ファイバ内を伝搬する光パルスか
ら後方に散乱された光から測定する方法。
optical time-domain
reflectometry
JA.4 伝送方式関連用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4001
WDM
伝送媒体において,個々の波長がそれぞれ独立した信号を
割り当てられる多重化技術。波長多重度の低いものをC
(Coarse)WDM,波長多重度の高いものをD(Dense)WDM
という。
wavelength division
multiplexing
16
C 6820:2018
附属書JB
(参考)
マルチモード光ファイバ
JB.1 マルチモード光ファイバのカテゴリ
マルチモード光ファイバのカテゴリ及び対応国際規格でのカテゴリを,表JB.1に記載する。
表JB.1−マルチモード光ファイバのカテゴリ
JIS形名
IEC形名(参考)
カテゴリ
サブカテゴリ
モデル
カテゴリ
サブカテゴリ
モデル
SGI- グレーデッドインデックスファイバ
(ガラスコア/ガラスクラッド)
A1- Graded index fibre
(Glass core/glass cladding)
SGI-50/125
SGI-50/125-A1a
SGI-50/125-A1b
A1a
A1a.1a
A1a.1b
SGI-50/125-A2a
SGI-50/125-A2b
A1a.2a
A1a.2b
SGI-50/125-A3a
SGI-50/125-A3b
A1a.3a
A1a.3b
SGI-50/125-A4a
SGI-50/125-A4b
A1a.4a
A1a.4b
SGI-62.5/125
A1b
SGI-100/140
A1d
SQI及びSSI- ステップインデックスファイバ
(ガラスコア/ガラスクラッド)
A2- Step and quasi-step index fibre
(Glass core/glass cladding)
SQI及びSSI
A2a
SQI及びSSI
A2b
SQI及びSSI
A2c
RSI- ステップインデックスファイバ
(ガラスコア/プラスチッククラッド)
A3- Step index fibre or graded index fibre
(Glass core/plastic cladding)
RSI-200/300
A3a
RSI-200/380
A3b
RSI-200/230-A
A3c
RSI-200/230-B
A3d
RSI-200/230-C
A3e
RSI-50/230
A3f
RSI-62.5/230
A3g
PSI- ステップインデックスファイバ
(プラスチックファイバ)
A4- Step, multi-step, or graded index fibre
(Plastic core/plastic cladding)
PSI-980/1000
PSI-980/1000-A1
A4a
A4a.1
PSI-980/1000-A2
A4a.2
PSI-735/750
A4b
PSI-485/500
A4c
PSI-980/1000-B
A4d
PGI- グレーデッドインデックスファイバ
(プラスチックファイバ)
PGI-500/750
A4e
PGI-200/490
A4f
PGI-120/490
A4g
PGI-62.5/245
A4h
17
C 6820:2018
附属書JC
(参考)
シングルモード光ファイバ
JC.1 シングルモード光ファイバのカテゴリ
シングルモード光ファイバのカテゴリ及び対応国際規格でのカテゴリを,表JC.1に記載する。
表JC.1−シングルモード光ファイバのカテゴリ
JIS形名
IEC形名(参考)
カテゴリ
サブカテゴリ
モデル
カテゴリ
サブカテゴリ
モデル
SMA 1 310 nmゼロ分散形
B1.1−Dispersion unshifted
SMA・T 1 550 nmカットオフシフト形
B1.2−Cut-off shifted
SMA・T-□-B
B1.2̲b
SMA・T-□-C
B1.2̲c
SMA・T-□-D
B1.2̲d
SMA・U 1 310 nmゼロ分散・低OH形
B1.3−Extended band
SMB 1 550 nm分散シフト形
B2−Dispersion shifted
SMB-□-A
B2̲a
SMB-□-B
B2̲b
SMC 分散フラット形
該当なし
SMD ノンゼロ分散シフト形
B4−Non-zero dispersion shifted
SMB4-□-C
B4̲c
SMB4-□-D
B4̲d
SMB4-□-E
B4̲e
SME 広波長域ノンゼロ分散シフト形
B5−Wideband non-zero dispersion shifted
SMF・A 低OH・曲げ損失低減形
B6−Bending loss insensitive
SMF・A-□-A
SMF・A-□-A1
B6̲a
B6̲a1
SMF・A-□-A2
B6̲a2
SMF・B 曲げ損失低減形
SMF・B-□-B
SMF・B-□-B2
B6̲b
B6̲b2
SMF・B-□-B3
B6̲b3
注記 光ファイバ素線の形名SMB-□-A,SMB-□-Bなどの□は,光ファイバの寸法(モードフィールド径/
クラッド径)を表す。
例 SMB-8/125-A
参考文献 JIS Z 8401 数値の丸め方
注記 この規格は,ISO 80000-1,Quantities and units−Part 1: GeneralのAnnex B(Rounding of
numbers)を基にしている。
IEC 60793-2-70:2017,Optical fibres−Part 2-70: Product specifications−Sectional specification for
polarization-maintaining fibres
IEC/TR 61931:1998,Fibre optic−Terminology
18
C 6820:2018
附属書JD
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 6820:2018 光ファイバ通則
IEC 60793-1-1:2017,Optical fibres−Part 1-1: Measurement methods and test procedures
−General and guidance
IEC 60793-2:2015,Optical fibres−Part 2: Product specifications−General
(I)JISの規定
(II)国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 適用範囲
IEC 60793-1-1
IEC 60793-2
1
1
適用範囲
追加
JISでは素線に加え,心線及びコー
ドの一般事項を規定している。
JIS個別規格との整合のため。
2 用語及び
定義
用語及び定義
IEC 60793-1-1
IEC 60793-2
3
3
用語及び定義
用語及び定義
追加
JISでは素線に加え,心線,コード,
1次被覆及び2次被覆の定義を規定
している。
JIS個別規格との整合のため。
3 分類
分類
IEC 60793-1-1
IEC 60793-2
9
5
カテゴリ
構成
追加
JISには多成分系マルチモード光フ
ァイバ,SMC光ファイバ及び偏波
面保存光ファイバを追加している。
JIS個別規格との整合のため。
4 形名
形名
−
−
−
追加
形名についてはJIS体系に従う。
JISで普及した形名を使用。
5 製品の呼
び方
製品の呼び方
−
−
−
追加
名称についてはJIS体系に従う。
JISで普及した名称を使用。
6 試験方法 試験方法
IEC 60793-1-1 1
一致
−
7 数値の丸
め方
数値の丸め方
IEC 60793-1-1 4
一致
−
8 包装
包装
IEC 60793-1-1 10
一致
−
9 表示
表示
−
−
−
追加
−
従来のJIS記載を継続。
附属書JA
(参考)
光ファイバ
に関する用
語
光ファイバに関
する用語
−
−
−
追加
全プラスチックマルチモード光フ
ァイバで使用される理論NAを追
加している。
JIS個別規格との整合のため,IEC
61931:1998の箇条2を基に記載。
3
C
6
8
2
0
:
2
0
1
8
19
C 6820:2018
(I)JISの規定
(II)国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書JB
(参考)
マルチモー
ド光ファイ
バ
マルチモード光
ファイバのカテ
ゴリのJISと
IEC規格との対
比
−
追加
マルチモード光ファイバに関する
JIS−IEC規格のカテゴリ対比表で
あり,技術的差異はない。
−
附属書JC
(参考)
シングルモ
ード光ファ
イバ
シングルモード
光ファイバのカ
テゴリのJISと
IEC規格との対
比
−
追加
シングルモード光ファイバに関す
るJIS−IEC規格のカテゴリ対比表
であり,技術的差異はない。
−
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(IEC 60793-1-1:2017,IEC 60793-2:2015,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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