2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 6472-1995
フレキシブルプリント配線板用
銅張積層板−ポリエステルフィルム,
ポリイミドフィルム
Copper-clad laminates for flexible printed wiring boards
(Polyester film, Polyimide film)
1. 適用範囲 この規格は,フレキシブルプリント配線板に用いる銅張積層板(ポリエステルフィルム又
はポリイミドフィルムをベースとするもの。)(以下,銅張積層板という。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 5001 電子部品通則
JIS C 5603 プリント回路用語
JIS C 6471 フレキシブルプリント配線板用銅張積層板試験方法
JIS C 6480 プリント配線板用銅張積層板通則
JIS C 6512 プリント配線板用電解銅はく
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 249-2-8 (1987) Base materials for printed circuits. Specification No.8 : Flexible copper-clad
polyester (PETP) film.
IEC 249-2-13 (1987) Base materials for printed circuits. Specification No.13 : Flexible copper-clad
polyimide film, general purpose grade.
IEC 249-2-15 (1987) Base materials for printed circuits. Specification No.15 : Flexible copper-clad
polyimide film, of defined flammability.
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 5001及びJIS C 5603の規定によるほか,次
による。
(1) MD方向 ベースフィルム(以下,フィルムという。),銅はく又は銅張積層板の連続製造時の長さ方
向。
備考 MDは, “Machine Direction” の略である。
(2) TD方向 フィルム,銅はく又は銅張積層板の連続製造時の幅方向。MD方向に対し垂直の方向。
備考 TDは, “Transverse Direction” の略である。
3. 形名
3.1
形名の構成 形名の構成は,次の配列による。
2
C 6472-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
例
3.2
種類及び記号
3.2.1
銅張積層板 銅張積層板を表す記号は,英大文字のCLFとする。
3.2.2
フィルムの種類及び厚さ フィルムの種類及び厚さを表す記号は,次による。
(1) 種類 フィルムの種類は,次の3種類とし,その記号は,次のとおりとする。
PET : ポリエチレンテレフタレートフィルム
PIA : ピロメリット酸形ポリイミドフィルム
PIB : ビフェニルテトラカルボン酸形ポリイミドフィルム
(2) 厚さ フィルムの厚さを表す記号は,表1による。
表1 フィルムの厚さ
単位 μm
PET
PIA
PIB
記号 厚さ 許容差 記号 厚さ 許容差 記号 厚さ 許容差
−
−
−
12.5 12.5 ±2.0
12.5 12.5 ±2.0
−
−
−
17.5 17.5 ±3.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
20
20.0 ±3.0
25
25.0
±2.5
25
25.0 ±3.0
25
25.0
38
38.0
±3.8
−
−
−
−
−
−
50
50.0
±5.0
50
50.0 ±6.0
50
50.0 ±6.0
75
75.0
±7.5
75
75.0 ±8.0
75
75.0 ±8.0
100
100.0 ±10.0
−
−
−
−
−
−
125
125.0 ±12.5 125
125.0 ±13.0 125
125.0 ±13.0
上記以外の厚さについては,マイクロメートル (μm) で表したそ
のフィルムの公称厚さの数字を厚さの記号とする。
3.2.3
銅はくの種類,厚さ及び構成 銅はくの種類,厚さ及び構成を表す記号は,次による。
(1) 種類
(a) 電解銅はく 電解銅はくを表す記号は,英大文字Eとし,その種類は,JIS C 6512の3.2.1(電解銅
はく及び種類)の規定に基づき,次のとおりとする。
E1 : 標準の電解銅はく
E2 : 室温での伸び率の高い電解銅はく
E3 : 180℃での伸び率の高い電解銅はく
(b) 圧延銅はく 圧延銅はくを表す記号は,英大文字Rとし,その種類は,次のとおりとする。
R1 : 冷間圧延した銅はく(焼鈍なし)
R2 : 軽冷間圧延した銅はく(焼鈍なし)
R3 : 焼鈍した圧延銅はく
(2) 厚さ 厚さを表す記号は,JIS C 6512の3.2.2(1)(厚さ)の規定に基づき,表2による。
3
C 6472-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 銅はくの暑さ
厚さ記号
公称厚さ
質量厚さ
厚さの許容差
μm
g/m2
g/m2
参考 (μm)
18
18
152
±15
+8
−4
35
35
305
±30
+10
−5
70
70
610
±61
+18
−8
上記以外の厚さについては,マイクロメートル (μm) で表し
た,その銅はくの公称厚さの数字を厚さの記号とする。
(3) 構成 銅はくの構成は,両表面の銅はくの厚さをそれぞれ斜線の前後に記して表すこととする。片面
銅張積層板の場合は,斜線の後に0を付記する。両面銅張積層板で銅はくの厚さの異なる構成の場合
は,厚い方の銅はくの厚さを斜線の前に表示する。
3.2.4
幅及び長さ 銅張積層板の幅及び長さを表す記号は,次のとおりとする。
[ミリメートル (mm) で表した幅の数値]mm×[メートル (m) で表した長さの数値]m
3.2.5
外観 外観を表す記号は,JIS C 6480の3.2.7(外観の種類)に基づき,第2種は数字の2,第3種
は数字の3とする。
3.2.6
耐燃性の表示記号 表3の耐燃性に適合する銅張積層板には,1英大文字Fを表示する。
4. 性能及び試験方法 性能は,表3による。試験方法は,表3及びJIS C 6471の規定による。
表3 性能及び試験方法
項目
単位
性能
試験方法
(JIS C 6471)
PET
PIA
PIB
外観
−
表4による。
6.1(外観)によ
る。
寸法
厚さ
−
6.4.1による。
6.2.1(厚さ)によ
る。
幅
6.4.2による。
6.2.2(幅)による。
長さ
6.4.3による。
6.2.3(長さ)によ
る。
体積抵抗率
常態
Ω ・ cm
1013以上
7.1(体積抵抗率)
による。
吸湿処理後
1012以上
表面層の
絶縁抵抗
常態
Ω
1011以上
7.2(表面層の絶
縁抵抗)による。
吸湿処理後
1010以上
表面層耐電圧
交流500V,1分間
−
フラッシュオーバがないこと。
7.3(表面層耐電
圧)による。
層間耐電圧
交流500V,1分間
−
絶縁破壊しないこと。
7.4(層間耐電圧)
による。
比誘電率
(1MHz)
−
3.5以下
4.0以下
7.5(比誘電率及
び誘電正接)によ
る。
誘電正接
(1MHz)
−
0.05以下
0.07以下
4
C 6472-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
項目
単位
性能
試験方法
(JIS C 6471)
PET
PIA
PIB
銅はくの
引きはが
し強さ
銅はくの厚さ記号
−
35未満
35以上
35未満
35以上
35未満
35以上 8.1(銅はくの引
きはがし強さ)に
よる。
項
目
常態
N/mm 0.7以上 0.8以上 0.7以上 0.8以上 0.7以上 0.8以上
加熱処理後
0.6以上
はんだ浸せき
処理後
−
−
0.6以上
薬品浸せき
処理後
0.5以上 0.6以上 0.5以上 0.6以上 0.5以上 0.6以上
耐折性
フィルムの厚さ記号
−
25
12.5
25
25
8.2(耐折性)に
よる。
銅
は
く
の
種
類
E 銅
は
く
の
厚
さ
記
号
18
回
200以上
600以上
300以上
35
500以上
250以上
R
18
700以上
1 200
以上
1 000
以上
500以上
35
500以上
1 000
以上
800
以上
400以上
耐燃性
−
−
次の値を満足すること。
9.1(耐燃性)に
よる。
項目
規格値
(1) フレーミング
時間
各回とも10秒以内。
10回の合計が50秒以
内。
(2) フレーミング
及びグローイ
ング時間
第2回目の両者の合
計時間が,30秒以内。
(3) つかみ具又は
標線までのフ
レーミング又
はグローイン
グ
ないこと。
(4) 脱脂綿を着火
させる滴下物
ないこと。
備考 (1)〜(4)までの5枚の試料の中の
1枚だけが,規格値を満足しな
い場合,又はフレーミング時間
の10回の合計が51〜55秒の場
合は,再試験をする。ただし,
再試験のときには,全数が規格
値を満足しなければならない。
耐薬品性
−
膨れ,はがれがないこと。
9.2(耐薬品性)
による。
はんだ耐熱性
−
−
著しい収縮,銅はくとフィルムのはがれ及
び膨れがないこと。
9.3(はんだ耐熱
性)による。
はんだ付け性
−
−
はんだ付け性の良好な部分が,銅はく部分
の95%以上であること。
9.4(はんだ付け
性)による。
銅はくの処理剤
−
銅はくの処理剤が,銅張積層板のエッチング効果,はんだ及び
めっきの密着を阻害しないこと。
9.5(銅はくの処
理剤)による。
5
C 6472-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
項目
単位
性能
試験方法
(JIS C 6471)
PET
PIA
PIB
寸法
安定性
エッチ
ング,乾
燥処理
後
MD方向
%
0.10〜−0.10
0.00〜−0.20
0.10〜−0.10
9.6(寸法安定性)
による。
TD方向
0.05〜−0.15
0.05〜−0.15
0.08〜−0.08
加熱処
理後
MD方向
0.00〜−0.70
0.00〜−0.35
0.10〜−0.10
TD方向
0.20〜−0.10
0.05〜−0.20
0.08〜−0.08
5. 外観 銅張積層板の外観は,表4による。
表4 外観
外観の種別
第2種(記号:2)
第3種(記号:3)
銅はく面
(1) 膨れ及びしわがないこと。
(2) 表面のさび,変色又は付着する異物は,1mol/dm3の希塩酸又は適切な溶剤で,除去できなけれ
ばならない。
(3) 実用上有害なかききずがないこと。
(3) 深さ5μmを超えるかききずがないこと。
(4) JIS C 6471の6.1.2に規定する試料面積中
に,最大径0.10mm以上,0.25mm以下のピ
ンホールは,1個以下であること。最大径
0.25mmを超えるピンホールがないこと。最
大径0.10mm未満のピンホールは,受渡当事
者間の協定による。
(4) JIS C 6471の6.1.2に規定する試料面積中
に,最大径0.10mm以上,0.15mm以下のピ
ンホールは,1個以下であること。最大径
0.15mmを超えるピンホールがないこと。最
大径0.10mm未満のピンホールは,受渡当事
者間の協定による。
(5) JIS C 6471の6.1.2に規定する試料面積中に
ある打こんは,次によって判定し,評価点
数の合計が35点以下であること。最大径
0.25mm未満の打こんは,受渡当事者間の協
定による。
打こんの最大径及び評価点数
(5) JIS C 6471の6.1.2に規定する試料面積中に
ある打こんは,次によって判定し,評価点
数の合計が25点以下であること。最大径
1.00mm以上の打こんがないこと。最大径
0.10mm未満の打こんは,受渡当事者間の協
定による。
打こんの最大径及び評価点数
ベースフィル
ム面
表面が平滑で,膨れ,割れ目,実用上有害な異物,汚れ,ごみ,色むら,きず,凹凸及びしま模様
がないこと。
銅はく除去面
実用上有害なきず,ボイド,色むら及びしま模様がなく,また,銅粉,異物,汚れは,1mol/dm3
の希塩酸又は適切な溶剤で容易に除去できなくてはならない。
6. 寸法
6.1
試験方法 試験方法は,JIS C 6471の6.2(寸法)の規定による。
6.2
フィルム フィルムの厚さの許容差は,表1による。
なお,表1に記載がないフィルムの厚さ許容差は,表1に記載する厚さの中で,直近の,より厚いフィ
ルムの厚さ許容差をもって,そのフィルムの厚さ許容差とする。
6
C 6472-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.3
銅はく 銅はくの厚さの許容差は,表2による。
なお,表2に記載がない銅はくの厚さ許容差は,表2に記載する厚さの中で,直近の,より厚い銅はく
の厚さ許容差をもって,その銅はくの厚さ許容差とする。
6.4
銅張積層板
6.4.1
厚さ及び許容差 厚さ及び許容差は,次による。
(1) 銅張積層板の厚さは,使用するフィルムの公称厚さと銅はくの公称厚さとの和に接着剤層の厚さを1
層当たり15μmとしてこれを加算した数値とする。
(2) 厚さの許容差は,±20%とする。
6.4.2
幅及び許容差 幅及び許容差は,次による。
(1) 銅張積層板の幅は,480mm及び240mmの2種類とする。
(2) 幅の許容差は,いずれも±2mmとする。
(3) 受渡当事者間の協定によって,(1)の規定より広い幅の銅張積層板を必要とする場合には,TD方向の
(1)の規格値を超える両端の部分については,4.の性能の項目を適用しない。
6.4.3
長さ 長さは,次による。
(1) 銅張積層板は,ロール状に巻き取られたものと,シート状に切断されたものとの2種類とし,標準長
さ及びその許容差は,表5のとおりとする。
(2) ロール状の銅張積層板の1巻の長さは,受渡当事者間の協定によって,表5に規定する標準長さの±
20%を超えない範囲内で標準長さと異なる長さをとることができる。
表5 銅張積層板の標準長さ及び許容差
形状
長さ (m)
長さの許容差
ロール
100, 50, 25
+1%
0
シート
1
+2mm
0
(3) ロール状の銅張積層板の1巻中に継ぎ目がある場合には,継ぎ目と継ぎ目間の最短長さは,表6のと
おりとする。
なお,継ぎ目1か所について,0.3m以上の長さの銅張積層板を余分に巻き込むこととする。
表6 銅張積層板の継ぎ目の数
及び継ぎ目間の最短長さ
長さ (m)
継ぎ目の数
継ぎ目間の最短長さ (m)
50未満
2以下
5
50以上
3以下
10
(4) 継ぎ目の部分は,耐熱性と耐溶剤性の良好な粘着テープで接着する。
(5) 継ぎ目の部分には,着色テープを挿入するなどの方法によって,継ぎ目の存在を表示する。この表示
は,ロールの側面から容易に識別できなければならない。
6.4.4
巻心 巻心の内径は,片面銅張積層板で76±2mm,両面銅張積層板で152±2mmとし,巻心の表
面は,銅張積層板に損傷を与えないように平滑でなければならない。
7
C 6472-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7. 包装及び表示 輸送中及び保管中に損傷のおそれがないように包装し,その包装表面の見やすい箇所
に,次の事項を容易に消えない方法で明りょうに表示する。ただし,包装表面だけの表示では問題が発生
する可能性がある場合(フィルムの方向性,銅はく構成が異なる場合など)は,製品ごとに表示する。
(1) 形名
(2) フィルムの方向性[縦方向(フィルムの流れ方向)を矢印などで表示する。]
(3) 幅及び長さ
(4) 数量
(5) 製造業者名又はその略号
(6) 製造年月又はその略号(製造ロット番号で明りょうに判別できる場合は,省略してもよい。)
(7) 製造ロット番号
8
C 6472-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
社団法人日本プリント回路工業会JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
坂 内 正 夫
東京大学生産技術研究所
相 沢 靖 三
富士通株式会社
阿 部 三 郎
協栄産業株式会社
茨 木 修
日本電信電話株式会社
植 山 悌 次
日立化成工業株式会社
桐 井 博 史
日本電気株式会社
島 田 良 巳
ニッカン工業株式会社
高 山 金次郎
ソニー株式会社
竹 口 和 則
利昌工業株式会社
塚 田 潤 二
社団法人日本電子機械工業会
長 嶋 紀 孝
社団法人日本プリント回路工業会
野 口 節 生
日本電気株式会社
灰 田 雄二郎
日本メクトロン株式会社
町 田 英 夫
日本シイエムケイ株式会社
本 橋 巌
株式会社東芝
森 尾 篤 夫
財団法人日本電子部品信頼性センター
倉 重 有 幸
工業技術院標準部
中 島 一 郎
通商産業省機械情報産業局
(事務局)
栗 原 正 英
社団法人日本プリント回路工業会
小 幡 高 史
社団法人日本プリント回路工業会
渡 部 美 子
社団法人日本プリント回路工業会
宍 戸 正 人
社団法人日本プリント回路工業会
久 貫 佐和美
社団法人日本プリント回路工業会
分科会 構成表
氏名
所属
(分科会長)
島 田 良 巳
ニッカン工業株式会社
葛 西 俊 明
日東電工株式会社
木 暮 一 雄
株式会社フジクラ
越 澤 弘
秋田住友ベーク株式会社
志 賀 稔
鐘淵化学工業株式会社
柴 田 勲
住友電気工業株式会社
高 橋 敏
ソニーケミカル株式会社
田 中 岳 男
東レ・デュポン株式会社
中 村 晴 雄
日立化成工業株式会社
永 井 和 三
東レ株式会社
灰 田 雄二郎
日本メクトロン株式会社
松 本 聰
東レ株式会社
美土路 研 二
株式会社フジクラ
毛 利 裕
宇部興産株式会社
(事務局)
栗 原 正 英
社団法人日本プリント回路工業会
小 幡 高 史
社団法人日本プリント回路工業会
久 貫 佐和美
社団法人日本プリント回路工業会