C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 校正の準備 ······················································································································ 5
4.1 組織 ···························································································································· 5
4.2 トレーサビリティ ·········································································································· 5
4.3 測定及び校正に関する注意事項························································································· 6
4.4 使用者への推奨事項 ······································································································· 6
5 単一波長校正 ··················································································································· 6
5.1 一般事項 ······················································································································ 6
5.2 校正条件の設定 ············································································································· 6
5.3 校正手順 ······················································································································ 7
5.4 校正不確かさ ··············································································································· 14
5.5 結果の報告 ·················································································································· 14
6 絶対光パワー校正 ············································································································ 15
附属書A(規定)数学的基礎 ································································································· 16
附属書B(参考)外れ値の棄却······························································································· 18
附属書C(参考)単一波長校正の例 ························································································ 20
附属書D(参考)ITU-T波長帯 ······························································································ 22
附属書E(参考)原子及び分子基準遷移 ··················································································· 23
附属書F(参考)基準ロックレーザ例 ······················································································ 33
附属書G(参考)精度と校正時間とのバランスについて ····························································· 35
参考文献 ···························································································································· 37
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 6187の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 6187 光波長計試験方法
JIS C 6187-2 第2部:校正方法
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日本工業規格 JIS
C 6187-2:2014
(IEC 62129-2:2011)
光波長計−第2部:校正方法
Optical wavelength meters-Part 2: Calibration
序文
この規格は,2011年に第1版として発行されたIEC 62129-2を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
光波長計は,多くがマイケルソン干渉計に基づいており,光源の波長を可能な限り正確に測定できるよ
うに設計されている。光波長計は,ヘリウムネオンレーザを代表とした絶対基準を内蔵しているものの,
最高精度を達成するには校正が必要である。光波長計は通常,内部の基準以外の波長を測定するのに用い
る。光波長計では,周囲の空気の屈折率に対して補正がなされる。したがって,校正に不可欠な要素とし
て,校正条件を正確に記載しなければならない。
この規格は,校正条件の設定,校正の実施,不確かさの算出,並びに不確かさ,校正条件,及びトレー
サビリティの報告という,校正手順に関わる全ての処置を規定する。
校正手順では,入力基準波長(又は,光周波数)の値と光波長計の結果との比を決定する方法を記載す
る。この比を補正係数(correction factor)という。補正係数の測定不確かさは,附属書Aに従い,参照標
準器,被試験器,測定系の構成及び測定手順からの不確かさ寄与を合成して求める。
不確かさは,それぞれの不確かさの詳細な特徴付けに基づいて算出する。次の事項を理解していること
が重要である。
a) 各不確かさの評価が妥当である。
b) 詳細な不確かさの分析は,同じ型式の光波長計で一度行っている場合,それ以降の全ての校正の都度,
詳細な不確かさの分析を行う必要はない。
c) 各不確かさのうちの幾つかは,無視できる大きさの実値とともに,単に検査リストの一部と考えても
よい。
幾つもの光周波数基準を用いて,トレーサブルな光周波数を規定することができる。これらは低圧下の
ガス分子による吸収,及び原子の励起状態のオプトガルバニック遷移に基づいている。附属書Eは,レー
ザ線,吸収特性及びオプトガルバニック遷移のリストを示す。
1
適用範囲
この規格は,光ファイバ通信産業用として代表的な光源の真空波長又は光周波数を測定する機器につい
て規定する。これらの光源には,分布帰還形レーザダイオード,外部共振器レーザ及び単一縦モードファ
イバ光源を含む。光波長計は,シングルモード光ファイバによって光源に接続するものとする。この規格
は,校正機関又は光波長計の製造業者が行う校正方法について規定する。この規格の対応国際規格は,波
長,光周波数測定装置の校正に関するIEC 62129規格群の一部である。
注記1 光スペクトラムアナライザの校正は,JIS C 6192を参照。
2
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注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 62129-2:2011,Calibration of wavelength/optical frequency measurement instruments−Part 2:
Michelson interferometer single wavelength meters(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 6186 光ファイバ用光パワーメータ校正方法
注記 対応国際規格:IEC 61315:2005,Calibration of fibre-optic power meters(IDT)
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
注記 対応国際規格:ISO/IEC 17025:2005,General requirements for the competence of testing and
calibration laboratories(IDT)
ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement (GUM: 1995)
ISO/IEC Guide 99:2007,International vocabulary of metrology−Basic and general concepts and associated
terms (VIM)
IEC 60050-300:2001,International Electrotechnical Vocabulary−Electrical and electronic measurements and
measuring instruments−Part 311: General terms relating to measurements−Part 312: General terms
relating to electrical measurements−Part 313: Types of electrical measuring instruments−Part 314:
Specific terms according to the type of instrument
IEC/TR 61931:1998,Fibre optic−Terminology
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
認定校正機関(accredited calibration laboratory)
適切な国の機関の認定の下,規定した最小不確かさの範囲で,国家標準へのトレーサビリティを保証す
る校正証明書を発行できる校正機関。
3.2
調整(adjustment)
ある測定量の値に対応するある指示値を表示するために,機器に対して行う一連の作業。
[IEC 60050-300:2001(311-03-16)及びISO/IEC Guide 99:2007の3.11を参照。一部修正]
3.3
校正(calibration)
測定器が指示した量の値と標準器が示す標準値との関係を,規定した条件の下で確定する一連の作業。
(ISO/IEC Guide 99:2007の2.39を参照。一部修正)
注記1 校正の結果によって,指示値に対する測定量の値の指定,又は指示値に関する補正の決定が
3
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可能になる。
注記2 校正によって,影響量の効果のようなその他の計量特性を決定できることもある。
注記3 校正証明書又は校正報告書と呼ぶ文書で校正の結果を記録することもある。
3.4
校正条件(calibration conditions)
校正を実施する場合の測定の条件。
3.5
補正係数,CF(correction factor)
系統誤差を補正するために,補正前の測定結果に乗じる数値。
(ISO/IEC Guide 99:2007の2.53を参照。一部修正)
3.6
検出器(detector)
光放射パワーを測定可能な量,通常は電気量に変換する光波長計の素子。
(IEC/TR 61931:1998及びISO/IEC Guide 99:2007の3.9を参照。一部修正)
3.7
偏差(deviation)
(測定)値からその(測定の)基準値を減じたもの。
注記 この規格では,偏差は同じ条件下で動作させたときの被試験器の指示値と参照標準の指示値と
の差である。
3.8
励振(光ファイバの)[excitation (fiber-)]
光ファイバ内の伝搬モード間の光パワー分布の記載。
注記 シングルモード光ファイバは,一般に一つのモード(基本モード)だけで励振するものとみな
す。
3.9
機器状態(instrument state)
校正中の被試験器の状態を完全に規定するパラメータ。
3.10
測定範囲(measuring range)
測定器の誤差が指定した限界内に収まらなければならない,測定量の値の集合。
(ISO/IEC Guide 99:2007の4.7を参照。一部修正)
注記 この規格では,測定範囲とは,動作条件における不確かさを規定している放射パワーの範囲(動
作範囲の一部)である。ダイナミックレンジという用語は用いないほうがよい。
3.11
国家標準[national (measurement) standard]
国家的な決定によって認めた標準であって,当該量のその他の標準に値付けするための基礎として国内
で用いられるもの。
(ISO/IEC Guide 99:2007の5.3を参照。一部修正)
3.12
国立標準機関(national standards laboratory)
4
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国家標準を維持する機関。
3.13
ナチュラル標準(natural standard)
参照標準を具現するのに用いることができる,原子又は分子の遷移。
3.14
動作条件(operating conditions)
測定器の測定の不確かさを規定するための,影響量の範囲を規定したもの。通常,基準条件よりも広い
範囲で規定する。
(ISO/IEC Guide 99:2007の4.9を参照。一部修正)
注記 動作条件及び動作条件下の不確かさは,通常,製造業者が使用者の便宜のために規定する。
3.15
動作範囲(operating range)
ある動作条件に対応して規定する数値範囲。
3.16
光入力端子(optical input port)
放射パワーを入力する,又は,光ファイバ端を接続する,光波長計(又は,標準器)の物理的入力部。
光路(レンズ,絞り,ライトガイドなどの光学素子の介在を含む,含まないにかかわらず)は,光入力端
子と検出器とを接続しているものとみなす。
3.17
基準条件(reference conditions)
測定器の性能試験のため,又は,測定結果の相互比較のために規定した使用条件。
(ISO/IEC Guide 99:2007の4.11を参照。一部修正)
注記 基準条件は一般に,測定器に影響を及ぼす影響量の基準値又は基準範囲を含んでいる。
3.18
参照光波長計(reference wavelength meter)
被試験光波長計の校正に基準として用いる標準器。
3.19
参照光源(reference source)
原子若しくは分子の遷移を用いて安定化したレーザ又は光周波数若しくは波長が既知である光周波数コ
ム。
3.20
参照標準(reference standard)
一般に,ある場所又はある組織内で利用できる最高の計量性能をもち,そこで行う測定の基になる標準。
(ISO/IEC Guide 99:2007の5.6を参照。一部修正)
3.21
被試験器(test meter)
参照光波長計又は参照標準と比較し校正する光波長計(又は標準器)。
3.22
トレーサビリティ(traceability)
不確かさを全て表記した,切れ目のない比較の連鎖を通じて,通常は,国家標準又は国際標準で決めた
5
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標準に関連付けられる測定結果又は標準の値の性質。
(ISO/IEC Guide 99:2007の2.41を参照。一部修正)
3.23
トレーサビリティの連鎖(traceability chain)
切れ目のない比較の連鎖(図1参照)。
(ISO/IEC Guide 99:2007の2.41及び2.42を参照。一部修正)
図1−トレーサビリティの連鎖の例
3.24
光波長計[wavelength meter (Michelson interferometer single-)]
マイケルソン干渉計に基づき,一つの光源の波長を測定することのできる機器。
注記 入力光パワーを測定できるよう設計した機器もあるが,大抵の光パワーメータよりも不確かさ
は大きい。
3.25
実用標準(working standard)
測定器を日常的に校正するために用いる標準。
(ISO/IEC Guide 99:2007の5.7を参照。一部修正)
注記 実用標準は,通常,参照標準で校正する。
4
校正の準備
4.1
組織
校正機関は,JIS Q 17025の要求を満たすことが望ましい。その場合,各校正のステップごとの作業指示
及び用いる装置を文書化した測定手順書をもたなければならない。
4.2
トレーサビリティ
トレーサビリティは,JIS Q 17025の要求を満たすことが望ましい。
校正手順で用いる全ての標準器は,あらかじめ,国立標準機関又は認定校正機関に対するトレーサビリ
ティを確保した上で,手順書に従って校正する。校正手順の各々の階層ごとに複数の標準器を維持するこ
とで,標準器の性能を同一階層内で比較検証できるようにすることが望ましい。
校正結果に重大な影響を及ぼすその他全ての試験装置が,全て校正済みであることを確認する。また,
必要に応じて,これらの試験装置及びそのトレーサビリティの連鎖を規定する。再校正の周期も規定し,
国家標準
実用標準
仲介標準
実用標準
被試験器
民間の校正機関
国立標準機関
認定校正機関
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文書化する。
4.3
測定及び校正に関する注意事項
ここでは,光波長計の全ての測定及び校正に関する一般的な注意事項を示す。
校正は,温度制御下の環境で行うことが望ましい。推奨温度は,23 ℃とする。必要な不確かさによって
は,測定中,温度,気圧及び湿度の監視が必要になる場合がある。これは,空気屈折率がこれらの要因の
関数になっているためである。環境が機器動作の仕様の範囲内であることを確実なものとするため,湿度
制御が必要になる場合がある。
測定室は清浄に保ち,光コネクタ及び光入力端子は測定前に常に清掃し,光波長計の光コネクタは品質
及び汚れがないことを確認することが望ましい。光波長計は,精密な機械式機器であるため,光パワーメ
ータの校正での要求とは逆に,光ファイバの方を必要に応じて機器の方へ動かすことが望ましい。
レーザダイオードは,戻り光に敏感である。安定性を増すために,レーザダイオードと被試験器との間
に光アイソレータを用いることが望ましい。
また,光パワーを表示する機器は,JIS C 6186の校正手順を参照する。外部共振器レーザのような狭い
線幅(例 50 kHz)の光源は長い可干渉距離を引き起こすことがあり,注意することが重要である。可干
渉性の反射は,光パワーの合計ではなく電界のベクトル和として加わる。
ナチュラル標準に基づく参照光源を用いた場合,参照光波長計を用いた校正よりも小さい不確かさが得
られる。
4.4
使用者への推奨事項
あるITU-T波長帯(附属書D参照)内において1点の光波長計校正を行った場合,その波長帯にわたっ
て十分であると期待できる。隣接した波長帯に対して校正を外挿することによる不確かさの増加は,個々
の機器の設計に応じて決定しなければならない。
5
単一波長校正
5.1
一般事項
光波長計の波長校正は,参照標準との比較に基づいて行い,その不確かさは,被試験器の安定性,ON/OFF
再現性,波長依存性及び光コネクタの再現性の寄与からなる。
補正は,校正結果に基づいて行う。
ON/OFF再現性の測定によって,機器の不確かさ計算への寄与が得られる。内部波長基準の安定化の再
現性及び光軸合わせの安定性が,この不確かさ寄与の主な成分である。
波長依存性の測定も,機器の不確かさ計算への寄与を与える。この測定には,次の目的がある。
a) 機器内で,空気屈折率に対する補正が,正しく行われたことを検証する。
b) 切捨て誤差によって生じる不確かさ寄与を決定する。
c) 被試験器内において,光路長が有限であることによって生じる不確かさ寄与を決定する。
d) 波長に依存する光ビームの偏向など,光軸合わせによる系統的な影響を決定する。
校正は,波長ロック特性用モニタ付きの参照光源を用いるか,又は参照光波長計を用いることで行うこ
とができる。
測定結果の取得は,コンピュータ制御によって行うことが望ましい。
5.2
校正条件の設定
校正条件のいかなる変化も誤った測定結果を生じさせる場合があるため,これら条件を設定し維持する
ことは,校正において重要である。校正条件は,想定する動作条件に近いものであることが望ましい。こ
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れによって,動作環境での(付加的な)不確かさをできるだけ小さくすることができる。校正条件は,可
能な場合,不確かさをもった公称値の形で規定することが望ましい。この規格の要求を満たすためには,
校正条件として少なくとも次の事項を含まなければならない。
a) 校正日
b) 周囲温度及びその不確かさ(例 23 ℃±1 ℃)。測定の間,温度が規定の範囲内に収まっていること
を確認するために,連続的なモニタが必要になる場合がある。
c) 大気圧(例 1 020 hPa〜1 025 hPa)。測定の間,大気圧が規定の範囲内に収まっていることを確認する
ために,連続的なモニタが必要になる場合がある。
d) 相対湿度(例 30 %〜50 %)。測定の間,相対湿度が規定の範囲内に収まっていることを確認するた
めに,連続的なモニタが必要になる場合がある。特に指定がない場合,校正は結露の起こらない相対
湿度で行う。
e) 光入力パワー(機器の許容仕様内でなければならない。)。
f)
光コネクタの種類及びその研磨タイプ
g) 標準物質の詳細又はその識別番号。例えば,ガス吸収セルに対するもので,次による。
1) ガス種及び同位体 例 13C2H2
2) 光路長 例 15 cm
3) 容器内の圧力 例 1 000 Pa
4) 遷移 例 R(21)
h) 励起光源の中心真空波長又は光周波数,及びその不確かさ
i)
遷移にロックした光源を用いる場合,そのロック特性は測定中,連続的にモニタしなければならない。
これはロックインジケータで確認することができる。
注記 上記の条件でも,全てを網羅しきれていない可能性がある。測定不確かさに重大な影響を及ぼ
すパラメータがその他にある場合があるため,その場合は合わせて報告することが望ましい。
5.3
校正手順
5.3.1
一般事項
校正手順の概要は,次による。
a) 適切な校正条件を設定し記録する(5.2参照)。全ての機器の電源を入れ,安定化するのに十分な時間
を待つ。
b) 参照光源を立ち上げる。
c) 旧型の機器では設計上,光コネクタを介して光ファイバからの光を直接,干渉計内に導入することが
ある。この場合,干渉計の光軸を決定するため,基準信号光(一般にヘリウムネオンレーザ)の一部
が機器から出てくる。被試験光波長計からのこの余剰基準信号強度を最大化することによって,光コ
ネクタの光軸合わせを最適化する。このときの光パワーは,直線性のよい光パワーメータを用いて測
定する。
d) 取扱説明書に従って,被試験光波長計の機器状態を設定する。単位は適切なものを選ぶ。
e) 光波長計の機器状態を記録する。
5.3.2
測定系の構成
図2に,ロック特性モニタQをもつ参照光源Sを用いた構成を示す。周囲の温度,気圧及び湿度をモニ
タする必要がある場合がある。湿度による屈折率の変動は,1 550 nmにおいて±4×10−7よりも小さい。
相対湿度のモニタリングは必須ではなく,最高の仕様性能を得る場合だけ必要になる。
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略記号
C 制御用コンピュータ
F
光ファイバ接続
I
コンピュータインタフェース接続
M モニタ接続
P
基準光パワーメータ
Q ロック特性モニタ
S
参照光源
W 被試験光波長計
図2−ロック特性モニタ信号を用いた光波長計測定
光源からのロック特性モニタ信号がない場合,ロック特性をモニタするために,参照光波長計を用いる
(図3)。ロックがない条件では,ロック状態と比較して測定結果が大きくドリフトする。この測定は,参
照光波長計及び被試験光波長計の両方で同時に行うことが重要である。
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略記号
C 制御用コンピュータ
F
光ファイバ接続
I
コンピュータインタフェース接続
P
基準光パワーメータ
R 参照光波長計
S
参照光源
W 被試験光波長計
注記 被試験光波長計又は参照光波長計に入射する光パワーを測定す
るのに,X又はYの位置で基準光パワーメータを用いてもよい。
図3−参照光波長計を用いた光波長計測定
5.3.3
手順の詳細
読取りごとの平均測定回数は,測定結果のファイルのサイズ,測定手順によるデータの棄却,ロック外
れの検出などに影響する。1測定当たりのサンプル点数が多い場合,外れ値の妥当性確認に用いるデータ
セットのサイズが大きくなる。サンプル点数が多すぎる場合,時間分解能が低下する場合がある。また,
ロック外れも検出できない場合がある。通常は,1測定当たり50サンプルとする。5.3.5で用いるのと同じ
方法でサンプル数nの最適値を規定することができる。外れ値は,統計的に棄却することが望ましい(附
属書B参照)。
測定手順は,次のとおりとする。
a) 装置が平衡状態に到達するまで待つ。
b) データ取得ソフトウェアを設定する。
c) 光源がロックし,正しく動作していることを確認する。
d) データ取得ソフトウェアを実行する。
補正係数は,式(1)を用いて各測定の平均値の比から決定する。
test
ref
test
ref
CF
n
i
i
n
i
i
λ
λ
λ
λ
=
=∑∑
=
=
1
1
································································ (1)
ここに, λref: 基準波長
10
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λtest: 被試験光波長計によって測定した波長
補正係数に関わる不確かさは,無次元量として表現することが望ましい。また,式(2)のように偏差Dを
決定することもできる。偏差に関わる不確かさは,長さの次元をもつ量として表現することが望ましい。
ref
test
ref
test
n
D
n
i
i
i
λ
λ
λ
λ
−
=
−
=∑
=1
(
1
)
·············································· (2)
5.3.4
安定性の測定(必要がある場合)
機器のドリフト及びその不確かさへの寄与を決定するため,通常の動作条件において単一波長測定器の
安定性測定を行う。測定時間は1時間以上とする(12時間が望ましい。)。外れ値は,統計的に棄却するこ
とが望ましい(附属書B参照)。
校正の場合と同様に,読取りごとの平均測定回数は,測定結果のファイルのサイズ,測定手順によるデ
ータの棄却及びロック外れの検出などに影響する。1測定当たりのサンプル点数が多い場合,外れ値の妥
当性確認に用いるデータセットのサイズが大きくなる。サンプル点数が多すぎる場合,時間分解能が低下
する場合がある。また,ロック外れも検出できない場合がある。通常は1測定当たり50サンプルとする。
5.3.5で用いるのと同じ方法でサンプル数nの最適値を規定することができる。
測定手順は,次のとおりとする。
a) 装置が平衡状態に到達するまで待つ。
b) データ取得ソフトウェアを設定する。
c) 光源がロックし,正しく動作していることを確認する。
d) データ取得ソフトウェアを実行する。
安定性試験を校正中に行う場合,補正係数は,この結果を用いて計算することが望ましい。機器が不安
定な場合は,その校正は無効となる。
安定性試験の各データ点のn回測定における平均中心波長は,式(3)を用いて算出する。
∑
=
=
n
j
j
i
i
stest
n
s
1
,
1
λ
λ
····································································· (3)
ここに,
λsi: i巡目の安定性測定(i=1,…,N)において,n回(j=1,…,n)
の測定をしたときの平均波長
λstesti,j: 各測定値
各中心波長測定に関するタイプAの標準不確かさの寄与は,式(4)を用いて算出する。
注記 式(4)は,式(A.3)に式(A.2)を代入した式に基づいている。
2/1
1
2
,
)
(
)1
(
1
−
−
=
∑
=
n
j
i
j
i
i
s
stest
n
n
ustest
λ
λ
··········································· (4)
安定性による不確かさへの寄与は,式(5)及び式(6)を用いて算出できる。
∑
=
=
N
i
is
N
s
1
1
λ
λ
··········································································· (5)
2/1
1
2
1
2
1
)
(
1
1
+
−
−
=
∑
∑
=
=
N
i
i
N
i
i
ustest
N
s
s
N
us
λ
λ
······································ (6)
ここに,
us: 安定性による不確かさ
N: 安定性測定のデータ点数
安定性測定の各データ点における測定回数nは,式(6)の右辺平方根中の第2項が第1項と比べて無視で
11
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
き,式(7)のように書けるように十分大きく選ぶことが望ましい。
2/1
1
2)
(
1
1
−
−
=
∑
=
N
i
i
s
s
N
us
λ
λ
························································· (7)
5.3.5
ON/OFF再現性測定(仕様が既知の場合は任意)
5.3.5.1
一般事項
固定波長の参照光源を用いた測定は,光波長計の内蔵基準光源のON/OFF再現性に影響を受けることが
ある。この試験は,製品保証時に既に行っている場合,新たに行わなくてもよい。校正手順全体を簡略化
するため,この試験は光コネクタ再現性測定(5.3.7参照)と組み合わせて行ってもよい。
各測定にかける時間は,この測定の不確かさが結果の不確かさを著しく増やさないように十分長くする。
この測定から決まる不確かさへの寄与は,機器のON/OFF再現性による成分及び測定ノイズによる成分か
らなる。不確かさ寄与の主な成分が機器のON/OFF再現性によるものとなるよう,平均操作が必要である。
平均操作の回数は,測定ノイズに依存し,式(8)を用いて算出できる。代表的なパラメータを,表1に規定
する。
2target
2rms
σ
σ
=
n
················································································· (8)
ここに,
n: 各測定の平均操作回数
σrms: ノイズの寄与のrmsの見積り値
σtarget: ノイズの寄与の目標値
外れ値は,統計的に棄却することが望ましい(附属書B参照)。
表1−ON/OFF再現性測定時間を計算するための代表的なパラメータ
パラメータ
値
rmsノイズの見積り値
1 pm
不確かさ寄与の目標値
0.05 pm
必要な平均操作回数
400
測定レート
1 s−1
測定時間
7 min
5.3.5.2
測定手順
測定手順は,次による。
a) 装置が平衡状態に到達するまで待つ。
b) データ取得ソフトウェアを設定する。
c) 光波長計の電源を落とし,内蔵基準光源が完全にOFFであることを確かめる。
d) 10分間以上待つ。
e) 光波長計の電源を入れて,自己検査が終了し,内蔵基準レーザが安定するまで待つ。システムが最も
安定するには1時間〜2時間もかかることがあるため,製造業者の手引きに従う。
f)
データ取得ソフトウェアを用いて波長を測定し,n回の測定を行う。
g) 光波長計の電源を切る。
h) N組以上の測定が得られるまで,c)から繰り返す。
i)
ON/OFF再現性の測定はこれで完了する。
ON/OFF再現性試験の各サイクルにおけるn回の測定の平均中心波長は,式(9)を用いて算出する。
12
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
∑
=
=
n
j
j
i
i
test
n
rep
1
,
1
λ
λ
···································································· (9)
ここに, λrepi: n回(j=1, …, n)の測定からなるi番目(i=1, …, N)のON/OFF
再現性測定の平均波長
λtesti,j: 測定値
各中心波長測定のタイプA標準不確かさの寄与は,式(10)を用いて算出する。
注記 式(10)は,式(A.3)に式(A.2)を代入した式に基づいている。
(
)
(
)
2/1
1
2
,
1
1
−
−
=
∑
=
n
j
i
j
i
i
rep
test
n
n
utest
λ
λ
········································· (10)
ON/OFF再現性による不確かさは,式(11)及び式(12)を用いて算出する。
∑
=
=
N
i
i
rep
N
rep
1
1
λ
λ
····································································(11)
(
)
2/1
1
2
1
2
1
1
1
+
−
−
=
∑
∑
=
=
N
i
i
N
i
i
utest
N
rep
rep
N
urep
λ
λ
····························· (12)
ここに, urep: ON/OFF再現性による不確かさ
N: ON/OFF再現性測定の回数
ON/OFF再現性測定の各サイクルにおける測定回数nは,式(12)の右辺平方根中の第2項が第1項と比べ
て無視でき,式(13)のように書けるよう,十分大きく選ぶことが望ましい。
(
)
2/1
1
2
1
1
−
−
=
∑
=
N
i
i
rep
rep
N
urep
λ
λ
··············································· (13)
5.3.6
波長依存性の測定(任意)
5.3.6.1
一般事項
一定の波長範囲にわたる測定によって,補正係数をよりよく求めたり,機器の不確かさをよりよく見積
もることができる。この測定を行うためには,様々な遷移にロックした複数台の参照光源か,又は1台の
光源で複数の遷移若しくは既知の光周波数コムの複数ラインにロックできる光源が必要である。被試験光
波長計を一つのITU-T波長帯だけで用いる場合,最高レベルの精度を要求する場合を除き,この試験は行
わなくてもよい。
波長依存性の測定の1回当たりの測定回数は,式(8)を用いて算出する。
5.3.6.2
測定手順
測定手順は,次による。
a) 装置が平衡状態に到達するまで待つ。
b) データ取得ソフトウェアを設定する。
c) レーザを基準遷移にロックし,システムが安定するまで十分な時間待つか,又は,遷移にロックした
参照光源を1台ずつ順に接続する。
d) データ取得ソフトウェアを用いて波長を測定し,n回の測定を行う。
e) 参照光源の波長を再設定する。
f)
c)からの手順をN回(最低3回を推奨)繰り返す。
g) 波長依存性測定はこれで完了する。
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C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
n回の測定の平均中心波長は,式(14)を用いて算出する。
∑
=
=
n
j
j
i
i
wtest
n
wd
1
,
1
λ
λ
································································ (14)
ここに,
λwdi: i番目(i=1, …, N)の波長におけるn回(j=1, …, n)の測
定の平均波長
λwtesti,j: 測定値
各中心波長測定の不確かさは,式(15)を用いて算出する。
注記 式(15)は,式(A.3)に式(A.2)を代入した式に基づいている。
(
)
(
)
2/1
1
2
,
1
1
−
−
=
∑
=
n
j
i
j
i
i
wd
wtest
n
n
uwtest
λ
λ
······································ (15)
波長偏差Diを式(16)で定義する。
i
i
i
ref
wd
D
λ
λ
−
=
······································································ (16)
波長依存性による不確かさは,式(17)及び式(18)を用いて算出する。
∑
=
=
N
i
i
D
N
D
1
1
·········································································· (17)
(
)
2/1
1
2
1
2
1
1
1
+
−
−
=
∑
∑
=
=
N
i
i
N
i
i
uwtest
N
D
D
N
uwd
·································· (18)
ここに, uwd: 波長依存性による不確かさ
N: 測定波長点数
波長依存性測定の各サイクルにおける測定回数nは,式(18)の右辺平方根中の第2項が第1項と比べて
無視でき,式(19)のように書けるよう,十分大きく選ぶことが望ましい。
(
)
2/1
1
2
1
1
−
−
=
∑
=
N
i
iD
D
N
uwd
······················································· (19)
5.3.7
光コネクタの繰返し再現性の測定(任意)
5.3.7.1
一般事項
光波長計への光入力が,光波長計内において光ファイバによるリンクを介さず,干渉計に直接結合する
場合は,光コネクタの繰返し再現性の測定が必要である。これは,光コネクタの僅かな変位で基準光と測
定光のビームとの間の光軸合わせが変化するということが前提としてあるためである。校正手順全体を簡
略化するため,この試験はON/OFF再現性測定(5.3.5参照)と組み合わせて行ってもよい。
光コネクタの繰返し再現性の測定の1回当たりの測定回数は,式(8)を用いて算出する。
5.3.7.2
測定手順
測定手順は,次による。
a) 装置が平衡状態に到達するまで待つ。
b) データ取得ソフトウェアを設定する。
c) データ取得ソフトウェアを用いて波長を測定し,n回の測定を行う。
d) 光ファイバを光波長計から外す。
e) 光ファイバを光波長計に再度接続する。
f)
c)からの手順をN回(代表的に10回)繰り返す。
14
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
g) 光コネクタの繰返し再現性の測定はこれで完了する。
n回の測定の平均中心波長は,式(20)を用いて算出する。
∑
=
=
n
j
j
i
i
ctest
n
con
1
,
1
λ
λ
································································ (20)
ここに,
λconi: n回(j=1, …, n)の測定からなる,i番目の光コネクタ再現
性測定(i=1, …, N)の平均波長
λctesti,j: 測定値
各接続における測定の不確かさは,式(21)を用いて算出する。
注記 式(21)は,式(A.3)に式(A.2)を代入した式に基づいている。
(
)
(
)
2/1
1
2
,
1
1
−
−
=
∑
=
n
j
i
j
i
i
con
ctest
n
n
uctest
λ
λ
······································ (21)
光コネクタの繰返し再現性による不確かさへの寄与は,式(22)及び式(23)を用いて算出する。
∑
=
=
N
i
i
con
N
con
1
1
λ
λ
··································································· (22)
(
)
2/1
1
2
1
2
1
1
1
+
−
−
=
∑
∑
=
=
N
i
i
N
i
i
uctest
N
con
con
N
ucon
λ
λ
··························· (23)
ここに, ucon: 光コネクタ再現性の測定からの不確かさの寄与
N: 再現性測定の回数
光コネクタの繰返し再現性測定の各サイクルにおける測定回数nは,式(23)の右辺平方根中の第2項が
第1項と比べて無視でき,式(24)のように書けるよう,十分大きく選ぶことが望ましい。
(
)
2/1
1
2
1
1
−
−
=
∑
=
N
i
i
con
con
N
ucon
λ
λ
··············································· (24)
5.4
校正不確かさ
次のリストは,完全ではない場合があることに注意する。測定の構成及び測定手順によって,更なる寄
与分を考慮することが必要になる場合がある。不確かさを計算し申告するために,数学的基礎(附属書A
参照)を用いることが望ましい。
a) 安定性の測定
b) ON/OFF再現性測定
c) 波長依存性の測定
d) 光コネクタの繰返し再現性
e) 参照標準の不確かさ
f)
光源の不確かさ(ナチュラル標準に対する光源の安定度)
g) 被試験光波長計の表示分解能
5.5
結果の報告
各校正の結果は,JIS Q 17025に準拠して報告することが望ましい。この規格に準拠した校正証明書には,
少なくとも,次の事項を記載する。
a) 5.2に規定する校正手順の,全ての校正条件。
b) 被試験器の調整を行わない場合,被試験器の補正係数又は偏差
15
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 調整を行う場合,受取り時の補正係数又は偏差,及び調整後の補正係数又は偏差
d) 5.4及び附属書Aに規定する,拡張不確かさの形式における校正不確かさ
e) 校正中の被試験器の機器状態
f)
測定がトレーサブルであることの証拠[JIS Q 17025の5.10.4.1 c)を参照]。
6
絶対光パワー校正
光波長計が光パワー測定の機能をもつ場合,JIS C 6186を用いて校正しなければならない。この場合,
機器の移動に対する制限(4.3参照)に配慮する。
16
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附属書A
(規定)
数学的基礎
A.1 一般事項
この附属書は,測定の不確かさについて評価,合成及び報告するための形式をまとめている。これは,
ISO/IEC Guide 98-3:2008に基づく。より多くのアドバイスを得るためには,このガイドを参照する必要が
ある。
この文書では,測定の不確かさの評価方法について二つのタイプに区別する。タイプAは,同じ測定量
に対する一連の測定を統計的に分析し,不確かさを評価する方法である。タイプBは,その他の知識に基
づいて不確かさを評価する方法である。
A.2 タイプA評価の不確かさ
タイプA評価の標準不確かさは,同じ測定条件の下,ある量を何回か独立して観測した場合に適用でき
る。
n回の独立な繰返し観測Xiから見積もった量Xについて,算術平均は,式(A.1)を用いて算出する。
∑
=
=
n
i
i
X
n
X
1
1
·········································································· (A.1)
この平均値を,当該量の推定値として用いる。つまり,x=Xとする。その観測の実験標準偏差は,式(A.2)
を用いて算出する。
()
(
)
2/1
1
2
1
1
−
−
=
∑
=
n
i
iX
X
n
X
s
······················································ (A.2)
ここに,
X: 観測値の算術平均
Xi: 一連の測定の測定サンプル
n: 測定の回数で,大きな数値(例 n≧10)とする。
推定値をxに関するタイプAの標準不確かさutypeA(x)は,平均値の実験標準偏差であり,式(A.3)を用い
て算出する。
()()
()
n
X
s
X
s
x
u
=
=
typeA
······························································ (A.3)
A.3 タイプB評価の不確かさ
タイプB評価の標準不確かさは,一連の観測の統計的な分析以外の手段によって不確かさを評価する方
法である。ここでは,量の変動に関する入手可能なあらゆる情報に基づいた科学的な判断によって評価す
る。
ある量Xの推定値xが,製造業者の仕様,校正証明書,ハンドブック又はその他の情報源から得られ,
その引用した不確かさU(x)が,標準偏差のk倍である場合,標準不確かさu(x)は,単に引用した値を乗数
kで除したものとなる[式(A.4)参照]。
()
()k
x
U
x
u
/
=
········································································ (A.4)
量Xについて,上限の値Xmax及び下限の値Xminだけが見積もれる場合(例 製造業者の仕様又は温度範
17
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
囲)には,く(矩)形の確率分布を仮定し,推定値xは,式(A.5)を用いて算出する。
(
)
min
max
2
1
X
X
x
+
=
·································································· (A.5)
標準不確かさは,式(A.6)を用いて算出する。
()
(
)
min
max
3
2
1
X
X
x
u
−
=
··························································· (A.6)
入力推定値xに関連する標準不確かさが原因となる,出力推定値yに関する標準不確かさへの寄与は,
式(A.7)を用いて算出する。 ()
()x
u
c
y
u
×
=
········································································· (A.7)
ここに,
c: 入力推定値xに関する感度係数
A.4 合成標準不確かさの決定
合成標準不確かさは,幾つかの各不確かさを一つにまとめたものである。合成標準不確かさは,各不確
かさが統計上互いに独立であるとして,タイプA及びタイプB評価によって得た全ての標準不確かさの二
乗和平方根として算出する。
()
()
∑
=
=
N
i
i
c
y
u
y
u
1
2
··································································· (A.8)
ここに,
i: 個々の要因の番号
ui(y): 個々の標準不確かさ
N: 不確かさの数
注記 この式では,最大の要因の10分の1以下の不確かさは,二乗すると100分の1以下になるため
無視してもよい。
上記の量を基に,更に,不確かさを計算する場合は,合成標準不確かさucを式(A.8)に再度代入すればよ
い。ここで,ucは,部分的にはタイプA起源であるが,タイプBの不確かさを示していると考えることが
望ましい。
A.5 不確かさの報告
校正報告書及び技術的なデータシートにおいて,合成標準不確かさは,適用できる信頼の水準とともに,
拡張不確かさの形で報告する。補正係数又は偏差についても報告する。拡張不確かさUは,標準不確かさ
uc(y)に包含係数kを乗じることによって得る。
)
(y
u
k
U
c
×
=
·········································································· (A.9)
約95 %の信頼の水準(規定値)に対してはk=2となる。約99 %の信頼の水準を選択する場合,k=3と
なる。前記のkの値は,ある条件の下で有効なものである(ISO/IEC Guide 98-3:2008参照)。これらの条
件を満たさない場合,より大きい包含係数を,これらの信頼の水準を達成するために用いることが望まし
い。
18
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附属書B
(参考)
外れ値の棄却
B.1
概要
光波長計は,時々,真値から非常に離れた誤った波長測定値を示すことがある。これは,レーザの干渉
性,光パワーレベルの変調又はフリンジ逓倍系の不正確な動作といった要因によって生じる。これらの外
れ値を棄却しない場合,平均値は偏ったものになり,データセットの標準偏差は,過大評価したものにな
る。
B.2
前提
分析上の要求から,平均値の見積りを得るのに用いるデータサンプルは,標準偏差の見積りが妥当にな
るように十分に多くすることが望ましい。しかし,これは,統計の信頼性,サンプルの量及び取得時間と
のトレードオフになる。
B.3
測定及び解析手順
データセットに外れ値が存在することが疑われる場合,次のようにGrubbs検定[1],[2],[3] 1) を適用す
ることが望ましい。
注1) 角括弧内の数字は,参考文献の番号を示す。
a) データセットを取得する。
b) サンプルの平均及び標準偏差を計算する。
c) 平均から最も離れたデータ点xextをとり,式(B.1)を用いてZを算出する。
)
(
ext
x
s
x
x
Z
−
=
·········································································· (B.1)
ここで,s(x)は,式(A.2)を用いて算出する。
d) 表B.1に示す臨界値Zcと値Zとを比較する。Z>Zcの場合,極端な値xextが外れ値である確率は,95 %
である。この値を棄却し,b)〜d)を適切なサンプル数Nに対してZ<Zcになるまで繰り返す。Z<Zc
になったとき,サンプルの全てのデータ値を有効な読み値とみなすことができる。
19
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
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表B.1−サンプル数Nの関数としての臨界値Zc
N
Zc
N
Zc
3
1.15
27
2.86
4
1.48
28
2.88
5
1.71
29
2.89
6
1.89
30
2.91
7
2.02
31
2.92
8
2.13
32
2.94
9
2.21
33
2.95
10
2.29
34
2.97
11
2.34
35
2.98
12
2.41
36
2.99
13
2.46
37
3.00
14
2.51
38
3.01
15
2.55
39
3.03
16
2.59
40
3.04
17
2.62
50
3.13
18
2.65
60
3.20
19
2.68
70
3.26
20
2.71
80
3.31
21
2.73
90
3.35
22
2.76
100
3.38
23
2.78
110
3.42
24
2.80
120
3.44
25
2.82
130
3.47
26
2.84
140
3.49
20
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
単一波長校正の例
ここに示した数字は,1 561.257 709±0.000 026 nmの波長である13.6 hPaでのCOの吸収遷移R(19)にロ
ックした外部共振器レーザ及び光波長計について言及している。
C.1 安定性測定
安定性測定についての不確かさバジェットを,表C.1に示す。
表C.1−安定性測定の不確かさバジェット
不確かさ成分
不確かさの要因
値(fm)
確率密度関数
除数
ui(fm)
uas
各測定のタイプA
1.85
正規分布
1
1.85
ubs
中心波長の安定性
1.78
正規分布
1
1.78
−
安定性による不確かさus
2.57
−
−
−
ここで,パラメータuas及びubsは式(6)の右辺平方根中の第2項であり,式(C.1)及び式(C.2)を用いて算出
する。
2/1
1
2
as
1
=
∑
=
N
i
i
ustest
N
u
······························································ (C.1)
2/1
1
2
bs
)
(
1
1
−
−
=
∑
=
N
i
i
s
s
N
u
λ
λ
····················································· (C.2)
C.2 “ON/OFF再現性”測定
ON/OFF再現性測定についての代表的な不確かさバジェットを,表C.2に示す。各測定のタイプA不確
かさの寄与は,中心波長のON/OFF再現性と比較して小さい。
表C.2−ON/OFF再現性測定のための不確かさ寄与値
不確かさ成分
不確かさの要因
値(fm)
確率密度関数
除数
ui(fm)
uar
各測定のタイプA
7.7
正規分布
1
7.7
ubr
中心波長の“ON/OFF再現性”
26.0
正規分布
1
26
−
“ON/OFF再現性”による不確かさurep
27.1
−
−
−
ここで,パラメータuar及びubrは式(12)の右辺平方根中の第2項であり,式(C.3)及び式(C.4)を用いて算
出する。
2/1
1
2
ar
1
=
∑
=
N
i
i
utest
N
u
······························································· (C.3)
21
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2/1
1
2
br
)
(
1
1
−
−
=
∑
=
N
i
i
rep
rep
N
u
λ
λ
················································ (C.4)
C.3 波長依存性測定
波長依存性測定の代表的な結果及び不確かさバジェットを,表C.3に示す。各測定の不確かさの寄与は,
中心波長の波長依存性と比較すると小さい。
表C.3−波長依存性の不確かさバジェット
パラメータ
吸収線
差(fm)
不確かさ(fm)
−
P(27)
−7.3
7.6
−
P(28)
−5.8
7.7
−
P(29)
−44.1
7.8
−
P(30)
−15.7
7.7
−
P(31)
−39.9
7.5
−
P(32)
−13.9
7.6
−
P(33)
−21.6
7.4
式(18)の第1項
−
−
15.2
式(18)の第2項
−
−
7.6
波長依存性による不確かさuwd
−
−
17.0
C.4 光波長計校正結果
“ON/OFF再現性”(光コネクタ再現性も含む。)測定及び安定性測定の結果に,参照標準の不確かさを
合成することで,表C.4に示すとおり測定全体の不確かさが得られる。レーザを遷移にロックする途中の
不完全性による不確かさバジェットへの寄与は,明確には含まないが,安定性に関わる不確かさ要因の見
積りを増やす形で寄与するものとみなす。タイプBの寄与は,被測定光波長計の表示分解能による。
表C.4−光波長計校正の不確かさバジェット
不確かさの要因
値(fm)
確率密度関数
除数
ui(fm)
参照標準
13.1
正規分布
1
13.1
“ON/OFF再現性”urep
27.1
正規分布
1
27.1
波長依存性uwd
17.0
正規分布
1
17.0
安定性us
2.57
正規分布
1
2.57
タイプB
100
く(矩)形分布
3
57.7
合成標準不確かさuc
−
−
−
67.3
拡張不確かさU
−
−
−
134.6
22
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附属書D
(参考)
ITU-T波長帯
ITU-Tが定義する主な光通信波長帯を,表D.1に示す。
表D.1−各単位でのITU-T波長帯
波長帯
記述子
始点
終点
(nm)
(GHz) (cm−1)
(nm)
(GHz) (cm−1)
Oバンド
Original
1 260
237 931
7 937
1 360
220 436
7 353
Eバンド
Extended
1 360
220 436
7 353
1 460
205 337
6 849
Sバンド
Short wavelength
1 460
205 337
6 849
1 530
195 943
6 536
Cバンド
Conventional
1 530
195 943
6 536
1 565
191 561
6 390
Lバンド
Long wavelength
1 565
191 561
6 390
1 625
184 488
6 154
Uバンド
Ultralong wavelength
1 625
184 488
6 154
1 675
178 981
5 970
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附属書E
(参考)
原子及び分子基準遷移
E.1
概要
この附属書では,光波長計校正のための光波長基準点を規定するために十分な精度をもつものとして知
られている,レーザ線,吸収特性及びオプトガルバニック遷移のリストを提供する。これらの表には主要
な遷移の真空波長だけを示す。その他の高精度な既知の真空光波長をもつ遷移を用いてもよい。
なお,角括弧内の数字は,参考文献の番号を示す。
E.2
一般事項
E.3のヘリウムネオンレーザ線のようなガスレーザ線は,高出力で(1 mWを超え),詳細が明らかな光
波長(光周波数)源である。しかし,放射がゲインカーブの既知の点にロックするようにレーザ共振器長
を安定化していない場合,ヘリウムネオンガスレーザの波長は,ゲインカーブの中心から最大で106分の2
(1 523.488 nmでは400 MHz)程度ずれることがある。
低いガス圧力においては,原子又は分子による吸収線及び発光波長はドップラー広がりによって,一般
に数百メガヘルツから数ギガヘルツ幅になる。これらの遷移は,通常,半導体レーザの波長を安定化する
目的,及び有効な基準を得るために用いる。
原子線又は分子線は,ガス圧の増加とともにシフトし,かつ,広がる。そのため,中心波長の期待値を
計算するときには,ガス圧によるシフト及びセルの内圧を知ることが重要となる。
高い光パワーにおいては,対向伝搬する二つの光ビームを用いることで,原子又は分子の遷移を飽和さ
せることができる。固有の遷移線幅は,ドップラー広がり幅よりもかなり狭い。ドップラー広がりのない
遷移では,最高精度の光周波数基準を供給できる場合がある。分子吸収線において,飽和させるには比較
的高い光パワーが必要なことが多いが,線幅を1 MHz未満とすることができる。基底状態からの,又は励
起状態間の強い原子遷移では,微弱な光パワーにおいて飽和させることができる。しかし,飽和ディップ
の幅は,相当に広い(5 MHz〜150 MHz)。
E.3
ヘリウムネオンレーザ線
E.3.1 一般事項
ヘリウムネオンレーザは,ドップラー効果によって広がったネオンのゲインカーブの中心に近い光周波
数で動作する。正確な光周波数又は真空波長は次の二つの要因に依存する。
a) 実際の動作波長とゲインカーブの中心との波長差
b) カーブの中心の正確な位置
最初の要因については,現実的な設計のレーザにおいては,その差は106分の2を超えることはない(以
下,±2/106と表記する。)。ゲインカーブのドップラー半値幅は約±1.5/106であり,この範囲から大きく外
れてレーザが動作するとは考えにくい。±2/106という値はゲインカーブを広げるために意図的に22Neを
高濃度にした管以外(おそらく)では,安全側の見積りである。
ゲインカーブの中心に相当する波長は,ガス圧に対する依存性は僅かであるが,管の中のネオンの同位
体に対しては著しい影響を受ける。この同位体によるシフトについては,632.99 nm,1 152.6 nm及び1 523.5
24
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nmの線について次に議論する。
なお,表E.1は,これらの線の真空波長及び光周波数を,対応する不確かさとともに示したものである。
E.3.2 632.991 nmヘリウムネオン線の概要
20Neの場合,基本の赤色遷移(3s2→2p4)のゲインカーブの中心は,632.991 4 nmの1/107以内に存在し
[4],これはガス圧に依存した正確な値である。22Neの場合,ゲインカーブの中心値は2/106程度短波長に
シフトする[5]。そのためにレーザ管を20Neで満たしている場合,レーザの真空波長は632.991 4 nmであり,
安全側の見積りで拡張不確かさ(包含係数k=2;すなわち2σ)は2/106となる。自然界のネオン(およそ
20Neが90 %,かつ,22Neが10 %)で満たされた管についても実績より,前述の波長から2/106以内に収ま
るとして差し支えない。22Neの濃度がより高い場合はあまり明らかではないが,22Neの濃度が全く未知で
あっても,発振波長は632.990 8 nmから±3/106以内にあるはずであり,その値は20Ne及び22Neのゲイン
カーブ中心間のおおよそ中間値にあたる。
レーザが基本の赤色遷移(3s2→2p4)において動作しているか,確認しなければならない。ほとんど全て
の商用生産の赤色ヘリウムネオンレーザがこの遷移で動作しているが,640 nm又は612 nm近傍で動作さ
せることも可能ではある。何らかの疑義がある場合は,用いるレーザのモデルが実際に633 nmレーザであ
り,640 nm及び612 nmレーザではないことを製造業者に確認するのがよい。
E.3.3 1 152.590 nmヘリウムネオン線の概要
レーザ管を20Neで満たしている場合,1 152.59 nmの遷移(2s2→2p4)で動作するレーザの真空波長は
1 152.590 2 nmであり[6],安全側の見積りで拡張不確かさは2/106となる。22Neに対しては,ゲインカーブ
の中心は短波長に1/106程度シフトする[7]。22Neの濃度が全く未知の場合,中心波長は1 152.589 6 nmから
±2.5/106の範囲内にあり,その値は20Ne及び22Neのゲインカーブ中心間のおおよそ中間値となる。
E.3.4 1 523.488 nmヘリウムネオン線の概要
レーザ管を20Neで満たしている場合,1 523.488 nmの遷移(2s2→2p1)で動作するレーザの真空波長は
1 523.488 0 nmであり[8],安全側の見積りで拡張不確かさは2/106となる。22Neに対しては,ゲインカーブ
の中心は短波長に1/106程度シフトする[8]。22Neの濃度が全く未知の場合,中心波長は1 523.487 2 nmから
±2.5/106の範囲内にあり,その値は20Ne及び22Neのゲインカーブ中心間のおおよそ中間値となる。
表E.1−ヘリウムネオンレーザ線
20Neだけの場合
22Neと20Neとの比が未知の場合
波長(nm)
光周波数(GHz)
波長(nm)
光周波数(GHz)
632.991 4 (13)
473 612.2 (9)
632.990 8 (19)
473 612.7 (1.4)
1152.590 (2)
260 103.2 (5)
1152.589 (3)
260 103.4 (7)
1523.488 (3)
196 780.3 (4)
1523.487 (4)
196 780.4 (5)
注記1 代表的なヘリウムネオンレーザ線の真空波長及び光周波数である。
注記2 括弧内の不確かさは,拡張不確かさである(包含係数k=2;すなわち2σ)。
E.4
吸収線
E.4.1 一般事項
可視及び近赤外領域には,非常に多数の原子及び分子の吸収線がある。全ての赤外の活性分子は倍音の
吸収帯をもっており,更に三つ以上の原子をもった分子は,二つ以上の振動モードが同時に励起される,
複合吸収帯をもっている。このような吸収帯は,主に光通信の波長標準として有用な近赤外線の波長領域
に広がる。表中に示す不確かさは拡張不確かさ(2σ)である。
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E.4.2 アセチレン
E.4.2.1 一般事項
アセチレンは,これまで基準波長として最も適切な分子の一つとして紹介され,最も多く用いられてい
る。種々のカーボン及び重水素の同位体異性体が研究され,長さ諮問委員会CCL(メートル条約)のMise
en pratique(現示の方法)では,アセチレンの遷移[13C2H2 P(16)]を,暫定不確かさ0.010 MHzで,光通
信領域の基準として勧告している。
E.4.2.2 アセチレン12C2H2
この分子は,内蔵ユニット[9],[10]及び[11]の認証標準物質[9]及び[12]として用いる。圧力に起因するシ
フト及び広がりは,v1+v3帯の15線に対し測定値がある[12]。これまで,吸収帯に関する数多くのFTIR
及びレーザ分光の研究がなされ,バンド間吸収線及び飽和吸収線の観測[13],[14],[15],[16]及び[17]によ
って,分子遷移光周波数[18]がかなり正確に決定している。12C2H2のv1+v3帯中の吸収線の真空波長(nm)
を,表E.2に示す。
表E.2−アセチレン12C2H2の中心真空波長
波長
不確かさ
光周波数
不確かさ
遷移
(nm)
(pm)
(GHz)
(MHz)
1 545.175 602 1
0.000 1
194 018.374 09
0.01
P(31)
1 544.434 617 1
0.000 1
194 111.459 74
0.01
P(30)
1 543.700 140 8
0.000 1
194 203.815 94
0.01
P(29)
1 542.972 171 8
0.000 1
194 295.440 63
0.01
P(28)
1 542.250 705 0
0.000 1
194 386.332 28
0.01
P(27)
1 541.535 739 1
0.000 1
194 476.488 86
0.01
P(26)
1 540.827 258 5
0.000 1
194 565.910 19
0.01
P(25)
1 540.125 271 0
0.000 1
194 654.593 13
0.01
P(24)
1 539.429 767 3
0.000 1
194 742.536 72
0.01
P(23)
1 538.740 743 0
0.000 1
194 829.739 42
0.01
P(22)
1 538.058 193 5
0.000 1
194 916.199 70
0.01
P(21)
1 537.382 114 2
0.000 1
195 001.916 07
0.01
P(20)
1 536.712 500 3
0.000 1
195 086.887 07
0.01
P(19)
1 536.049 347 4
0.000 1
195 171.111 21
0.01
P(18)
1 535.392 650 7
0.000 1
195 254.587 07
0.01
P(17)
1 534.742 405 7
0.000 1
195 337.313 21
0.01
P(16)
1 534.098 607 7
0.000 1
195 419.288 24
0.01
P(15)
1 533.461 252 1
0.000 1
195 500.511 75
0.01
P(14)
1 532.830 334 3
0.000 1
195 580.979 37
0.01
P(13)
1 532.205 849 8
0.000 1
195 660.692 74
0.01
P(12)
1 531.587 793 9
0.000 1
195 739.649 52
0.01
P(11)
1 530.976 162 2
0.000 1
195 817.848 38
0.01
P(10)
1 530.370 950 0
0.000 1
195 895.288 00
0.01
P(9)
1 529.772 152 9
0.000 1
195 971.967 08
0.01
P(8)
1 529.179 766 4
0.000 1
196 047.884 35
0.01
P(7)
1 528.593 786 1
0.000 1
196 123.038 52
0.01
P(6)
1 528.014 207 6
0.000 1
196 197.428 35
0.01
P(5)
1 527.441 026 4
0.000 1
196 271.052 58
0.01
P(4)
1 526.874 238 2
0.000 1
196 343.910 00
0.01
P(3)
1 526.313 838 6
0.000 1
196 415.999 39
0.01
P(2)
1 525.759 823 4
0.000 1
196 487.319 56
0.01
P(1)
1 524.670 929 2
0.000 1
196 627.647 48
0.01
R(0)
26
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表E.2−アセチレン12C2H2の中心真空波長(続き)
波長
不確かさ
光周波数
不確かさ
遷移
(nm)
(pm)
(GHz)
(MHz)
1 524.136 041 7
0.000 1
196 696.652 92
0.01
R(1)
1 523.607 521 8
0.000 1
196 764.884 47
0.01
R(2)
1 523.085 365 3
0.000 1
196 832.341 01
0.01
R(3)
1 522.569 568 0
0.000 1
196 899.021 43
0.01
R(4)
1 522.060 126 0
0.000 1
196 964.925 63
0.01
R(5)
1 521.557 035 3
0.000 1
197 030.049 52
0.01
R(6)
1 521.060 291 7
0.000 1
197 094.395 03
0.01
R(7)
1 520.569 891 4
0.000 1
197 157.960 12
0.01
R(8)
1 520.085 830 3
0.000 1
197 220.743 74
0.01
R(9)
1 519.608 104 7
0.000 1
197 282.744 86
0.01
R(10)
1 519.136 710 5
0.000 1
197 343.962 48
0.01
R(11)
1 518.671 643 9
0.000 1
197 404.395 61
0.01
R(12)
1 518.212 901 0
0.000 1
197 464.043 28
0.01
R(13)
1 517.760 478 2
0.000 1
197 522.904 51
0.01
R(14)
1 517.314 371 3
0.000 1
197 580.978 38
0.01
R(15)
1 516.874 576 8
0.000 1
197 638.263 95
0.01
R(16)
1 516.441 090 8
0.000 1
197 694.760 33
0.01
R(17)
1 516.013 909 5
0.000 1
197 750.466 61
0.01
R(18)
1 515.593 029 1
0.000 1
197 805.381 94
0.01
R(19)
1 515.178 445 9
0.000 1
197 859.505 46
0.01
R(20)
1 514.770 156 1
0.000 1
197 912.836 34
0.01
R(21)
1 514.368 155 8
0.000 1
197 965.373 77
0.01
R(22)
1 513.972 441 3
0.000 1
198 017.116 98
0.01
R(23)
1 513.583 013 1
0.000 1
198 068.064 60
0.01
R(24)
1 513.199 855 5
0.000 1
198 118.217 44
0.01
R(25)
1 512.822 975 5
0.000 1
198 167.573 37
0.01
R(26)
1 512.452 366 1
0.000 1
198 216.132 11
0.01
R(27)
1 512.088 024 1
0.000 1
198 263.892 86
0.01
R(28)
1 511.729 942 5
0.000 1
198 310.855 39
0.01
R(29)
1 511.378 113 4
0.000 1
198 357.019 56
0.01
R(30)
1 511.032 608 1
0.000 1
198 402.374 90
0.01
R(31)
E.4.2.3 アセチレン13C2H2
この同位体異性体中のv1+v3帯は,12C2H2の同等の吸収帯よりも弱い。吸収帯は,Cバンドのほとんど
をカバーした長波長域にシフトしている。13C2H2線強度の広範な研究の一環として,衝突広がりのパラメ
ータ及び圧力シフトが決定している[19]。v1+v3及びv1+v2+v4+v5結合バンドの中心真空波長のリストを
光周波数値[14]及び[20]とともに,表E.3に示す。ヘテロダイン測定による光周波数は,文献[13],[14],[15],
[16]及び[17]に記載がある。
27
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表E.3−アセチレン13C2H2のv1+v3帯及びv1+v2+v4+v5帯に対する光周波数及び真空波長の値
波長
不確かさ
光周波数
不確かさ
吸収帯
遷移
(nm)
(pm)
(GHz)
(MHz)
1 516.585 0
0.2
197 676.001
24
v1+v3
R(40)
1 516.876 2
0.2
197 638.053
24
v1+v3
R(39)
1 517.173 5
0.2
197 599.324
24
v1+v3
R(38)
1 517.476 9
0.2
197 559.817
24
v1+v3
R(37)
1 517.785 4
0.2
197 519.661
24
v1+v3
R(36)
1 518.094 5
0.2
197 479.444
24
v1+v3
R(35)
1 518.343 9
0.2
197 447.007
24
v1+v2+v4+v5
R(25)
1 518.420 4
0.2
197 437.059
24
v1+v3
R(34)
1 518.725 9
0.2
197 397.343
24
v1+v2+v4+v5
R(24)
1 518.746 9
0.2
197 394.614
24
v1+v3
R(33)
1 519.078 8
0.2
197 351.486
24
v1+v3
R(32)
1 519.114 7
0.2
197 346.822
24
v1+v2+v4+v5
R(23)
1 519.416 9
0.2
197 307.571
24
v1+v3
R(31)
1 519.510 0
0.2
197 295.482
24
v1+v2+v4+v5
R(22)
1 519.760 8
0.2
197 262.923
24
v1+v3
R(30)
1 519.911 9
0.2
197 243.313
24
v1+v2+v4+v5
R(21)
1 520.110 578 4
0.000 1
197 217.532 90
0.01
v1+v3
R(29)
1 520.320 082 9
0.000 1
197 190.355 74
0.01
v1+v2+v4+v5
R(20)
1 520.466 234 1
0.000 1
197 171.401 29
0.01
v1+v3
R(28)
1 520.734 712 9
0.000 1
197 136.591 58
0.01
v1+v2+v4+v5
R(19)
1 520.827 966 9
0.000 1
197 124.503 57
0.01
v1+v3
R(27)
1 521.155 617 0
0.000 1
197 082.043 84
0.01
v1+v2+v4+v5
R(18)
1 521.194 963 4
0.000 1
197 076.946 23
0.01
v1+v3
R(26)
1 521.568 164 3
0.000 1
197 028.608 40
0.01
v1+v3
R(25)
1 521.582 677 4
0.000 1
197 026.729 11
0.01
v1+v2+v4+v5
R(17)
1 521.947 174 3
0.000 1
196 979.542 43
0.01
v1+v3
R(24)
1 522.015 774 4
0.000 1
196 970.664 19
0.01
v1+v2+v4+v5
R(16)
1 522.332 022 1
0.000 1
196 929.745 71
0.01
v1+v3
R(23)
1 522.454 783 6
0.000 1
196 913.866 49
0.01
v1+v2+v4+v5
R(15)
1 522.722 619 1
0.000 1
196 879.230 82
0.01
v1+v3
R(22)
1 522.899 578 5
0.000 1
196 856.353 65
0.01
v1+v2+v4+v5
R(14)
1 523.119 058 2
0.000 1
196 827.986 88
0.01
v1+v3
R(21)
1 523.350 033 4
0.000 1
196 798.143 19
0.01
v1+v2+v4+v5
R(13)
1 523.521 287 8
0.000 1
196 776.021 71
0.01
v1+v3
R(20)
1 523.806 024 9
0.000 1
196 739.252 31
0.01
v1+v2+v4+v5
R(12)
1 523.929 301 4
0.000 1
196 723.337 31
0.01
v1+v3
R(19)
1 524.267 433 9
0.000 1
196 679.697 62
0.01
v1+v2+v4+v5
R(11)
1 524.343 090 6
0.000 1
196 669.935 95
0.01
v1+v3
R(18)
1 524.734 147 1
0.000 1
196 619.495 00
0.01
v1+v2+v4+v5
R(10)
1 524.762 647 1
0.000 1
196 615.819 89
0.01
v1+v3
R(17)
1 525.187 962 9
0.000 1
196 560.991 36
0.01
v1+v3
R(16)
1 525.206 057 5
0.000 1
196 558.659 43
0.01
v1+v2+v4+v5
R(9)
1 525.619 030 8
0.000 1
196 505.452 50
0.01
v1+v3
R(15)
1 525.683 065 9
0.000 1
196 497.204 89
0.01
v1+v2+v4+v5
R(8)
1 526.055 846 8
0.000 1
196 449.205 07
0.01
v1+v3
R(14)
1 526.165 081 3
0.000 1
196 435.144 32
0.01
v1+v2+v4+v5
R(7)
1 526.498 389 1
0.000 1
196 392.253 10
0.01
v1+v3
R(13)
1 526.652 021 4
0.000 1
196 372.489 47
0.01
v1+v2+v4+v5
R(6)
28
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表E.3−アセチレン13C2H2のv1+v3帯及びv1+v2+v4+v5帯に対する光周波数及び真空波長の値(続き)
波長
不確かさ
光周波数
不確かさ
吸収帯
遷移
(nm)
(pm)
(GHz)
(MHz)
1 526.946 677 3
0.000 1
196 334.595 35
0.01
v1+v3
R(12)
1 527.143 812 8
0.000 1
196 309.250 96
0.01
v1+v2+v4+v5
R(5)
1 527.400 694 4
0.000 1
196 276.235 24
0.01
v1+v3
R(11)
1 527.640 391 3
0.000 1
196 245.438 20
0.01
v1+v2+v4+v5
R(4)
1 527.860 439 3
0.000 1
196 217.174 21
0.01
v1+v3
R(10)
1 528.141 702 0
0.000 1
196 181.059 39
0.01
v1+v2+v4+v5
R(3)
1 528.325 910 4
0.000 1
196 157.413 78
0.01
v1+v3
R(9)
1 528.647 699 3
0.000 1
196 116.121 55
0.01
v1+v2+v4+v5
R(2)
1 528.797 149 3
0.000 1
196 096.949 90
0.01
v1+v3
R(8)
1 529.158 346 9
0.000 1
196 050.630 48
0.01
v1+v2+v4+v5
R(1)
1 529.274 006 2
0.000 1
196 035.803 12
0.01
v1+v3
R(7)
1 529.673 617 7
0.000 1
195 984.590 79
0.01
v1+v2+v4+v5
R(0)
1 529.756 623 4
0.000 1
195 973.956 52
0.01
v1+v3
R(6)
1 530.244 927 1
0.000 1
195 911.420 90
0.01
v1+v3
R(5)
1 530.717 967 2
0.000 1
195 850.878 11
0.01
v1+v2+v4+v5
P(1)
1 530.738 886 5
0.000 1
195 848.201 58
0.01
v1+v3
R(4)
1 531.238 454 0
0.000 1
195 784.305 97
0.01
v1+v3
R(3)
1 531.247 038 0
0.000 1
195 783.208 43
0.01
v1+v2+v4+v5
P(2)
1 531.743 566 1
0.000 1
195 719.743 58
0.01
v1+v3
R(2)
1 531.780 716 6
0.000 1
195 714.996 77
0.01
v1+v2+v4+v5
P(3)
1 532.254 147 4
0.000 1
195 654.525 40
0.01
v1+v3
R(1)
1 532.319 022 2
0.000 1
195 646.241 85
0.01
v1+v2+v4+v5
P(4)
1 532.770 121 5
0.000 1
195 588.662 51
0.01
v1+v3
R(0)
1 532.861 983 5
0.000 1
195 576.941 19
0.01
v1+v2+v4+v5
P(5)
1 533.409 638 9
0.000 1
195 507.091 12
0.01
v1+v2+v4+v5
P(6)
1 533.818 025 0
0.000 1
195 455.036 46
0.01
v1+v3
P(1)
1 533.962 036 2
0.000 1
195 436.686 78
0.01
v1+v2+v4+v5
P(7)
1 534.349 921 7
0.000 1
195 387.280 14
0.01
v1+v3
P(2)
1 534.519 232 9
0.000 1
195 365.722 10
0.01
v1+v2+v4+v5
P(8)
1 534.887 155 1
0.000 1
195 318.891 69
0.01
v1+v3
P(3)
1 535.081 296 2
0.000 1
195 294.189 79
0.01
v1+v2+v4+v5
P(9)
1 535.429 792 6
0.000 1
195 249.863 88
0.01
v1+v3
P(4)
1 535.648 302 9
0.000 1
195 222.081 41
0.01
v1+v2+v4+v5
P(10)
1 535.977 915 7
0.000 1
195 180.187 77
0.01
v1+v3
P(5)
1 536.220 339 4
0.000 1
195 149.387 30
0.01
v1+v2+v4+v5
P(11)
1 536.531 605 6
0.000 1
195 109.854 50
0.01
v1+v3
P(6)
1 536.797 501 5
0.000 1
195 076.096 69
0.01
v1+v2+v4+v5
P(12)
1 537.090 931 7
0.000 1
195 038.856 72
0.01
v1+v3
P(7)
1 537.379 893 5
0.000 1
195 002.197 74
0.01
v1+v2+v4+v5
P(13)
1 537.655 947 7
0.000 1
194 967.189 15
0.01
v1+v3
P(8)
1 537.967 628 4
0.000 1
194 927.677 58
0.01
v1+v2+v4+v5
P(14)
1 538.226 690 7
0.000 1
194 894.848 60
0.01
v1+v3
P(9)
1 538.560 826 3
0.000 1
194 852.522 48
0.01
v1+v2+v4+v5
P(15)
1 538.803 241 5
0.000 1
194 821.826 42
0.01
v1+v3
P(10)
1 539.159 613 8
0.000 1
194 776.717 97
0.01
v1+v2+v4+v5
P(16)
1 539.385 461 9
0.000 1
194 748.141 66
0.01
v1+v3
P(11)
1 539.764 122 4
0.000 1
194 700.248 98
0.01
v1+v2+v4+v5
P(17)
1 539.973 510 0
0.000 1
194 673.775 91
0.01
v1+v3
P(12)
29
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表E.3−アセチレン13C2H2のv1+v3帯及びv1+v2+v4+v5帯に対する光周波数及び真空波長の値(続き)
波長
不確かさ
光周波数
不確かさ
吸収帯
遷移
(nm)
(pm)
(GHz)
(MHz)
1 540.374 487 0
0.000 1
194 623.100 11
0.01
v1+v2+v4+v5
P(18)
1 540.567 349 8
0.000 1
194 598.735 35
0.01
v1+v3
P(13)
1 540.990 843 8
0.000 1
194 545.255 87
0.01
v1+v2+v4+v5
P(19)
1 541.166 989 1
0.000 1
194 523.020 61
0.01
v1+v3
P(14)
1 541.613 327 6
0.000 1
194 466.700 98
0.01
v1+v2+v4+v5
P(20)
1 541.772 435 5
0.000 1
194 446.632 39
0.01
v1+v3
P(15)
1 542.242 069 1
0.000 1
194 387.420 76
0.01
v1+v2+v4+v5
P(21)
1 542.383 712 4
0.000 1
194 369.569 39
0.01
v1+v3
P(16)
1 542.877 197 8
0.000 1
194 307.400 77
0.01
v1+v2+v4+v5
P(22)
1 543.000 806 1
0.000 1
194 291.834 99
0.01
v1+v3
P(17)
1 543.518 7
0.2
194 226.645
24
v1+v2+v4+v5
P(23)
1 543.623 745 3
0.000 1
194 213.427 28
0.01
v1+v3
P(18)
1 544.166 9
0.2
194 145.114
24
v1+v2+v4+v5
P(24)
1 544.252 540 4
0.000 1
194 134.346 65
0.01
v1+v3
P(19)
1 544.823 2
0.2
194 062.633
24
v1+v2+v4+v5
P(25)
1 544.887 205 3
0.000 1
194 054.593 10
0.01
v1+v3
P(20)
1 545.527 754 6
0.000 1
193 974.166 50
0.01
v1+v3
P(21)
1 546.174 203 4
0.000 1
193 893.066 73
0.01
v1+v3
P(22)
1 546.826 566 9
0.000 1
193 811.293 67
0.01
v1+v3
P(23)
1 547.484 858 3
0.000 1
193 728.847 42
0.01
v1+v3
P(24)
1 548.149 137 7
0.000 1
193 645.722 30
0.01
v1+v3
P(25)
1 548.819 315 7
0.000 1
193 561.931 32
0.01
v1+v3
P(26)
1 549.495 490 6
0.000 1
193 477.464 00
0.01
v1+v3
P(27)
1 550.177 639 4
0.000 1
193 392.325 10
0.01
v1+v3
P(28)
1 550.866 180 1
0.000 1
193 306.464 37
0.01
v1+v3
P(29)
1 551.560 141 4
0.000 1
193 220.004 82
0.01
v1+v3
P(30)
1 552.260 375 9
0.000 1
193 132.842 06
0.01
v1+v3
P(31)
1 552.966 8
0.2
193 044.989
24
v1+v3
P(32)
1 553.678 6
0.2
192 956.547
24
v1+v3
P(33)
1 554.397 5
0.2
192 867.306
24
v1+v3
P(34)
1 555.122 1
0.2
192 777.440
24
v1+v3
P(35)
1 555.853 3
0.2
192 686.841
24
v1+v3
P(36)
1 556.589 4
0.2
192 595.721
24
v1+v3
P(37)
1 557.332 1
0.2
192 503.871
24
v1+v3
P(38)
1 558.082 0
0.2
192 411.220
24
v1+v3
P(39)
1 558.836 9
0.2
192 318.041
24
v1+v3
P(40)
E.4.3 HCN
HCNは,Cバンドにおける強力な吸収体である。この分子は有害ではあるが,適切な設計のガスセルの
含有量は,毒性の許容値以下になっている。
H12C14N(1.52 μm〜1.55 μm)及びH13C14N(1.53 μm〜1.56 μm)同位体異性体の2v1倍音バンドの研究は
文献[21]に記載があり,圧力シフトの測定値は,文献[22]に記載がある。文献[23]に記載がある真空波長の
報告値を,表E.4に示す。
30
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表E.4−H13CN遷移リスト
波長
不確かさ
光周波数
不確かさ
遷移
(nm)
(pm)
(GHz)
(MHz)
1 527.221 633
0.025
196 299.247 9
3.2
R(27)
1 527.633 273
0.018
196 246.352 6
2.3
R(26)
1 528.054 581
0.013
196 192.244 5
1.6
R(25)
1 528.485 564
0.010
196 136.924 7
1.3
R(24)
1 528.926 231
0.009
196 080.394 1
1.1
R(23)
1 529.376 588
0.008
196 022.654 2
1.0
R(22)
1 529.836 645
0.008
195 963.705 7
1.0
R(21)
1 530.306 408
0.008
195 903.550 1
1.0
R(20)
1 530.785 886
0.008
195 842.188 5
1.0
R(19)
1 531.275 088
0.008
195 779.622 1
1.0
R(18)
1 531.774 020
0.008
195 715.852 4
1.0
R(17)
1 532.282 693
0.008
195 650.880 5
1.0
R(16)
1 532.801 112
0.008
195 584.708 1
1.0
R(15)
1 533.329 289
0.008
195 517.336 1
1.0
R(14)
1 533.867 229
0.008
195 448.766 6
1.0
R(13)
1 534.414 943
0.008
195 379.000 6
1.0
R(12)
1 534.972 439
0.008
195 308.039 7
1.0
R(11)
1 535.539 724
0.008
195 235.885 7
1.0
R(10)
1 536.116 810
0.008
195 162.539 8
1.0
R(9)
1 536.703 703
0.008
195 088.003 9
1.0
R(8)
1 537.300 413
0.008
195 012.279 6
1.0
R(7)
1 537.906 949
0.008
194 935.368 6
1.0
R(6)
1 538.523 321
0.008
194 857.272 5
1.0
R(5)
1 539.149 536
0.008
194 777.993 3
1.0
R(4)
1 539.785 605
0.008
194 697.532 6
1.0
R(3)
1 540.431 537
0.008
194 615.892 2
1.0
R(2)
1 541.087 341
0.008
194 533.074 2
1.0
R(1)
1 541.753 028
0.008
194 449.080 1
1.0
R(0)
1 543.114 084
0.008
194 277.572 3
1.0
P(1)
1 543.809 47
0.008
194 190.062 3
1.0
P(2)
1 544.514 78
0.008
194 101.384 5
1.0
P(3)
1 545.230 03
0.008
194 011.540 8
1.0
P(4)
1 545.955 21
0.008
193 920.533 0
1.0
P(5)
1 546.690 34
0.008
193 828.363 7
1.0
P(6)
1 547.435 44
0.008
193 735.034 9
1.0
P(7)
1 548.190 50
0.008
193 640.548 8
1.0
P(8)
1 548.955 55
0.008
193 544.907 3
1.0
P(9)
1 549.730 59
0.008
193 448.113 2
1.0
P(10)
1 550.515 63
0.008
193 350.168 4
1.0
P(11)
1 551.310 69
0.008
193 251.075 3
1.0
P(12)
1 552.115 77
0.008
193 150.836 3
1.0
P(13)
1 552.930 88
0.008
193 049.453 8
1.0
P(14)
1 553.756 04
0.008
192 946.930 2
1.0
P(15)
1 554.591 26
0.008
192 843.268 0
1.0
P(16)
1 555.436 54
0.008
192 738.469 5
1.0
P(17)
1 556.291 90
0.008
192 632.537 5
1.0
P(18)
1 557.157 35
0.008
192 525.474 3
1.0
P(19)
1 558.032 91
0.008
192 417.282 7
1.0
P(20)
31
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表E.4−H13CN遷移リスト(続き)
波長
不確かさ
光周波数
不確かさ
遷移
(nm)
(pm)
(GHz)
(MHz)
1 558.918 57
0.008
192 307.965 3
1.0
P(21)
1 559.814 36
0.008
192 197.524 6
1.0
P(22)
1 560.720 28
0.008
192 085.963 3
1.0
P(23)
1 561.636 35
0.009
191 973.284 3
1.1
P(24)
1 562.562 57
0.010
191 859.490 3
1.2
P(25)
1 563.498 96
0.013
191 744.584 0
1.6
P(26)
1 564.445 53
0.018
191 628.568 4
2.2
P(27)
1 565.402 30
0.025
191 511.446 2
3.1
P(28)
E.4.4 CO
この2原子分子は,Lバンドに0→3 COの倍音バンドをもっている。この分子は,吸収線を識別しやす
い規則正しいスペクトルをもっている。文献[24]及び[25]を参照。数多くの吸収線について,線強度,圧力
シフト及び圧力広がりの特性の測定が行われている。文献[26],[27],[28]及び[29]を参照。12C16Oの遷移
値を,表E.5に示す。
表E.5−12C16O遷移リスト
波長
不確かさ
光周波数
不確かさ
遷移
(nm)
(pm)
(GHz)
(MHz)
1 559.562 335
0.004
192 228.583
0.5
R(24)
1 559.848 373
0.004
192 193.333
0.5
R(23)
1 560.160 931
0.004
192 154.830
0.5
R(22)
1 560.500 006
0.003
192 113.077
0.4
R(21)
1 560.865 596
0.003
192 068.080
0.4
R(20)
1 561.257 704
0.003
192 019.842
0.4
R(19)
1 561.676 332
0.003
191 968.369
0.4
R(18)
1 562.121 489
0.003
191 913.664
0.4
R(17)
1 562.593 183
0.003
191 855.731
0.4
R(16)
1 563.091 427
0.003
191 794.576
0.4
R(15)
1 563.616 236
0.003
191 730.203
0.4
R(14)
1 564.167 627
0.003
191 662.615
0.4
R(13)
1 564.745 620
0.003
191 591.818
0.4
R(12)
1 565.350 239
0.003
191 517.815
0.4
R(11)
1 565.981 507
0.003
191 440.612
0.4
R(10)
1 566.639 453
0.003
191 360.212
0.4
R(9)
1 567.324 108
0.003
191 276.620
0.4
R(8)
1 568.035 506
0.003
191 189.840
0.4
R(7)
1 568.773 681
0.003
191 099.877
0.4
R(6)
1 569.538 673
0.003
191 006.735
0.4
R(5)
1 570.330 523
0.003
190 910.419
0.4
R(4)
1 571.149 275
0.003
190 810.932
0.4
R(3)
1 571.994 976
0.003
190 708.280
0.4
R(2)
1 572.867 675
0.003
190 602.466
0.4
R(1)
1 573.767 423
0.003
190 493.496
0.4
R(0)
E.5
励起状態遷移
オプトガルバニック遷移では,レーザを遷移光周波数に合わせている場合,放電電圧は光強度に比例し
32
C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
て変化する。表E.6に,波長領域1 240 nm〜1 600 nmをカバーした既知の遷移の波長を示す。文献[30]及
び[31]を参照。ドップラーフリー(飽和した)状態で測定した遷移は,太字で示している。文献[32]及び[33]
を参照。
表E.6−励起状態のオプトガルバニック遷移
元素
波長
不確かさ
元素
波長
不確かさ
(nm)
(pm)
(nm)
(pm)
Ar
1 249.111
2
Kr
1 501.914
2
Ar
1 270.581
2
Ar
1 505.064
2
Ar
1 273.696
2
Ar
1 517.694
2
Ar
1 274.977
2
Kr
1 521.376
2
Ar
1 280.629
2
Ne
1 523.448 8
2
Kr
1 286.541
2
Kr
1 524.380
2
Ne
1 291.555
2
Kr
1 533.065
2
Ar
1 293.675
2
Ar
1 533.350
2
Ar
1 296.025
2
Kr
1 533.915
2
Kr
1 298.886
2
Kr
1 537.625
2
Ar
1 301.118
2
Kr
1 543.795
2
Kr
1 318.104
2
Kr
1 547.825 99
0.20
Kr
1 473.841
2
Kr
1 563.978
2
Kr
1 476.666
2
Kr
1 568.530 81
0.36
Kr
1 476.954
2
Kr
1 582.441 37
0.36
Kr
1 496.597
2
Ar
1 599.385 78
0.36
Kr
1 500.943
2
注記 太字の値は飽和吸収線である。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書F
(参考)
基準ロックレーザ例
F.1
一般事項
ナチュラル標準に可変レーザをロックするには,様々な方法がある。この附属書では,二つのシステム
について説明し,また困難に遭遇したときの診断手法の要点を説明する。
F.2
レーザ光源
主たる単一光周波数レーザ光源には,分布帰還形(DFB)レーザ,外部共振器(EC)レーザ,ファイバ
ブラッグ反射(FB)レーザ及びシングルモードファイバ(SMF)レーザがある。
DFBレーザは,広帯域の変調特性をもっており,レーザ電流及び温度を変化させることによって波長を
変化させることができる。可変特性はレーザの設計による。代表値は,0.1 nm/K及び0.01 nm/mAである。
レーザ電流を変調すると,相関して光周波数及び振幅の変調を引き起こす。
広い帯域幅をもつため,確実に低ノイズのレーザ電流源を用いることが重要である。
一般に,DFBレーザは,熱的に1 nm〜2 nm以上波長を変化させることができ,1 MHz〜10 MHzの範囲
のスペクトル線幅をもっている。
ECレーザの変調特性は,機械的な設計によって決まる。一般に,実現できる光周波数変調の繰返し変調
周波数は,500 Hz以下である。一般にECレーザは,100 nm以上波長を変化させることができ,50 kHzの
スペクトル線幅をもっている。
ECレーザは,機械的に波長を変化させるため,振動に敏感である。
一般に,SMFレーザは数kHz以下のスペクトル線幅をもっている。
F.3
ガスセルの例
ガス中の光路長は,吸収線の吸収強度及びガス圧に依存する。附属書Eに記載しているガスの多くにつ
いては,小形でパッケージ化された基準ガスセルが市販されている。一酸化炭素のように弱い吸収のガス
に対しては,マルチパスの吸収ガスセルを用いてもよい。ロック特性モニタを含む代表的な測定レイアウ
トを,図F.1に示す。
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図F.1−レーザをガス吸収線にロックするための代表的な測定系
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附属書G
(参考)
精度と校正時間とのバランスについて
G.1
一般事項
この附属書は,4.3に示した情報に加えて追加のサポートガイダンスを提供するものであり,この規格の
使用者が,様々な校正精度を実現する上で適切なシステムを選択する手助けとなることを意図したもので
ある。
G.2
参照光源
ナチュラル標準が異なると達成できる校正精度に影響を与える。より高い固有精度をもつ参照光源が,
それよりも低い精度の校正に用いることができ,目的に合った基準光源を選択しなければならない。
商用の参照光源を用いることは大変便利であり,規定の不確かさももっている。その一つの例として,
ダイオードレーザ,電源及び制御回路からなるサブシステムで,アセチレン又は類似の標準物質の吸収線
にロックしたものが挙げられる。これらの機器は,より高い精度の参照光源によって校正することができ
る。
一般に,低い圧力の吸収特性に対して良好にロックを実施したレーザで達成できる精度は,ドップラー
広がりによる線幅の1 %〜10 %の範囲になる。アセチレンの吸収線は,およそ450 MHzの線幅をもってい
るため,ロックした基準で達成できる精度は,±5 MHz〜±50 MHz(±40 fm〜±400 fm)の範囲になる。
附属書Eに記載したように,吸収線の中心波長及び線幅はガス圧によって変化する。これは達成できる
不確かさの限界に寄与する。
G.3
機器の分解能
マイケルソン干渉計式の光波長計は,未知の波長と内蔵の基準光波長との干渉じま(縞)の数をカウン
トする設計になっている。空気の屈折率を補償するための補正も行われている。機器の設計によっては,
分解能を上げるために干渉じま(縞)をより細かく分割したものが用いられる。分解能は,カウント数の
大きさによって決まる。
G.3.1 任意の測定
製造業者が提供する任意のパラメータ値を用いることで,校正結果を正確に求める労力に代えることが
できる。製造業者が提供するパラメータ値を用いた校正は,精度が低くなる場合があるが,より早く完了
する。
G.3.2 選択肢の要約
様々な校正精度を達成するための代表的な選択肢を,表G.1に示す。
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表G.1−選択肢の要約
相対
不確かさ
参照標準
測定要求事項
10−9
飽和した参照標準
光波長計を用いてこの精度を達成するのは非常に難し
い。システム限界について製造業者に相談する。屈折
率モデルが不正確になることがある。光周波数の直接
計測のような,その他の計測手段を検討する。
10−8
飽和した参照標準,又は,既知圧力下
における既知同位体比の飽和してい
ない遷移への非常に注意深いロック
湿度及びCO2濃度を含む屈折率補正
10−7
飽和していない遷移へのロック(分子
又は励起状態)
単純な屈折率補正を用いてよい。
幾つかの製造業者のパラメータを用いてもよい。
10−6
安定化していないガスレーザ
時間短縮のために任意の製造業者のパラメータを用い
た簡単な測定。
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C 6187-2:2014 (IEC 62129-2:2011)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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loss in a single-mode fibre optic device(MOD)
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注記 対応国際規格:IEC 62129,Calibration of optical spectrum analyzers(IDT)