C 6185
:2008
(1)
目 次
ページ
序文
1
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
用語及び定義
1
4
標準試験条件
2
5
試験の概要
3
5.1
試験の種類
3
5.2
確度の算出方法
3
5.3
試験に対する補足説明
4
6
距離確度試験
4
6.1
距離確度試験の概要
4
6.2
固有誤差試験
4
6.3
個別誤差試験
6
7
損失確度試験
7
7.1
損失確度試験の概要
7
7.2
固有誤差試験
7
7.3
個別誤差試験
9
8
反射率確定試験
10
8.1
反射率確定試験の概要
10
8.2
固有誤差試験
10
8.3
個別誤差試験
13
9
その他の性能試験
14
9.1
光パルス幅
14
9.2
光出力レベル
15
9.3
中心光波長
15
9.4
光スペクトル幅
16
9.5
ダイナミックレンジ
16
9.6
デッドゾーン(空間分解能)
17
10
強度試験
19
10.1
強度試験の概要
19
10.2
振動試験
19
10.3
落下試験
19
C 6185
:2008
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技
術振興協会(OITDA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS C 6185:1995 は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
日本工業規格
JIS
C
6185
:2008
オプティカルタイムドメイン
リフレクトメータ(OTDR)試験方法
Test methods of optical time domain reflectometer
序文
この規格は,
オプティカルタイムドメインリフレクトメータに対する試験方法を規定することによって,
安定した統一の試験を行うことを目的としている。
この規格は,1995 年に制定され,その後の関連する国際規格 IEC 61746{JIS C 6185-2:2007[オプティ
カルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)校正方法]
}に対応するために改正した。
1
適用範囲
この規格は,光ファイバに光パルスを入射し,それによって生じる光ファイバの後方散乱光強度を時間
領域で測定するオプティカル タイム ドメイン リフレクトメータ(以下,OTDR という。
)の試験方法に
ついて規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS C 1002
電子測定器用語
JIS C 6182
レーザビーム用光パワーメータ試験方法
JIS C 6183
光スペクトラムアナライザ試験方法
JIS C 6710
水晶発振器品目別通則
JIS C 6802
レーザ製品の安全基準
JIS C 6823
光ファイバ損失試験方法
JIS C 6832
石英系マルチモード光ファイバ素線
JIS C 6835
石英系シングルモード光ファイバ素線
JIS C 60068-2-6
環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法
JIS C 60068-2-31
環境試験方法−電気・電子−面落下,角落下及び転倒(主として機器)試験方法
JIS Z 8103
計測用語
JIS Z 8120
光学用語
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 1002,JIS Z 8103 及び JIS Z 8120 によるほか,次による。
2
C 6185
:2008
3.1
OTDR
光ファイバに光パルスを入射し,その光パルスによって生じるフレネル反射光及び光ファイバの後方散
乱光の強度を,その入射端において時間領域で測定し画面に表示することによって,光ファイバの障害点
又は損失を測定する機能をもつ光測定器。
3.2
フレネル反射光
異なる屈折率をもつ物質の境界面を,光が通過するときに発生する反射光。光コネクタ及び/又は十分
にきれいに切断された光ファイバの端面を大気中に置いた場合には,端面に入射する光の約 4 %が反射す
る。
3.3
後方散乱光
光ファイバに光を入射したときに,散乱源から入射光の伝搬方向とは逆方向(入射側)に戻る光。
3.4
距離レンジ
OTDR の画面上に表示できる距離。最大のものは最大距離レンジという。実際の測定可能距離は,一般
には最大距離レンジより小さい。厳密には,光ファイバの群屈折率の値によって異なるが,便宜上,群屈
折率の値を 1.500 0 としたときの距離値で表す。
3.5
ダイナミックレンジ
後方散乱光強度が測定可能な範囲。光ファイバの損失値(dB 値)で表す。後方散乱波形の延長線とパワ
ー軸との交点と雑音レベルとの差によって表すことができる。
3.6
デッドゾーン
光コネクタ等の反射点で生じる反射光及びその反射光で生じる受信波形のすそ引きによって,引き続く
反射点,融着点, 接続点などの位置, 損失, 反射率などの測定が不能となる距離範囲。反射点から引き続く
反射点の識別及び反射率測定が不能となる距離範囲である
反射測定デッドゾーン
と,他の接続点又は
光ファイバの損失測定が不能となる距離範囲である 損失測定デッドゾーン との二つがある。それぞれ,
口元でのデッドソーンを, 反射測定口元デッドゾーン
及び
損失測定口元デッドゾーン
という。
3.7
空間分解能
光ファイバの反射点,融着点,接続点などから,これと異なる反射点,融着点,接続点などの分離,識
別又は光ファイバの損失測定が可能となる最短距離。光ファイバの無反射接続部に生じる波形のすそ引き
によって規定される場合が
無反射接続点直後の空間分解能
であり,損失測定が可能な最短距離である
損失測定空間分解能
だけが定義される。
4
標準試験条件
OTDR(以下,試験対象とする OTDR を 被試験器 という。)を試験するとき標準となる条件は,規定
がない限り次のとおりとする。
標準試験条件で試験することが困難な場合は,実施した条件及びその影響について試験結果に記録しな
3
C 6185
:2008
ければならない。
a)
温度 23±2 ℃
b)
相対湿度 (65±10) %
c)
光ファイバ 規定がない場合は,被試験器の種別に応じて表 1 に示す光ファイバを用いる。
なお,表中の記号は,JIS C 6832 又は JIS C 6835 の規定による。
表 1−試験時に用いる光ファイバ
被試験器種別
適用光ファイバの種別
光源波長
nm
試験時に用いる光ファイバ
850
マルチモード光ファイバ
1 310
SGI-50/125
1 310
SSMA-9/125, SSMA-9.5/125,
SSMA-10/125
シングルモード光ファイバ
1 550
SSMA-9/125, SSMA-9.5/125
SSMA-10/125, SSMB-8/125
5
試験の概要
5.1
試験の種類
被試験器の性能は,デッドゾーン及び空間分解能距離確度試験,損失確度試験,反射率確度試験,更に,
光パルス幅,光出力レベル,中心光波長,光スペクトル幅及びダイナミックレンジの各試験を行って評価
する。ただし,これらの各試験は評価項目の次元が異なるので,これらによって得られた誤差は各項目ご
との評価値とし,それを足し合わせて総合誤差とすることはしない。また,反射率測定機能がないものに
ついては,その試験は行わなくてよい。
5.2
確度の算出方法
被試験器の測定確度は,距離確度,損失確度及び反射率確度について評価する。評価方法は,まず,固
有誤差試験で標準試験条件における固有誤差を求め,
次に各個別誤差試験で被試験器の部分誤差を求める。
各誤差はパーセント(%)で求め,
動作誤差の限界を式(1)及び式(2)を用いて算出し,
被試験器の確度とする。
なお,式(1)及び式(2)は JIS C 6182 及び JIS C 6183 に規定する評価式である。
å
å
+
+
+
+
=
p
i
p
i
1
1
2
te
2
ti
2
to
ti
to
tu
2
ε
ε
ε
ε
ε
ε
(1)
å
å
+
+
−
+
=
p
i
p
i
1
1
2
te
2
ti
2
to
ti
to
tl
2
ε
ε
ε
ε
ε
ε
(2)
ここに,
tu
ε
:
動作誤差の上限
tl
ε
:
動作誤差の下限
to
ε
:
被試験器の偏り
ti
ε
:
部分誤差の上限,下限の平均値:
2
tli
tui
ε
ε
+
to
ε
:
被試験器の偏りを除いた固有誤差
2
ti
ε
:
部分誤差の分散:
12
)
(
2
tli
tui
ε
ε −
4
C 6185
:2008
ここに,
tui
ε
:
部分誤差の上限
tli
ε
:
部分誤差の下限
i: 各部分誤差に対する添字
p: 部分誤差の数
te
ε
:
測定値のばらつきの標準偏差
5.3
試験に対する補足説明
異なるパルス幅での測定は独立に取り扱い,個別誤差に含めることはしない。また,被試験器の測定時
間は,平均化処理によって雑音が十分抑圧される時間とする。
6
距離確度試験
6.1
距離確度試験の概要
距離の確度を決める誤差要因は,被試験器の固有誤差並びに個別誤差試験の温度依存特性及び距離依存
特性による部分誤差からなる。距離の総合確度は,パーセント
(
%
)
表示で表した固有誤差及び部分誤差を
式
(1)
及び式
(2)
から算出する。
6.2
固有誤差試験
図 1 に,距離確度の固有誤差試験の試験系を示す。試験は標準条件で行う。
OTDR
では距離は直接的に
は測定できず,
OTDR
から出射した光パルスによって生じた光ファイバの後方散乱光を
OTDR
に到達する
時間から算出する。このため測定は,すべて時間領域で行う。
a
)
装置 装置は,次による。
1
)
光源 被試験器と同一の光波長をもち,また,パルス発生器から入力される電気パルス及び出力さ
れる光パルスの遅延時間が,常に一定であるものを用いる。
2
)
受光器 被試験器の光パルス幅が測定可能な十分広い帯域をもち,入力される光パルス及び出力さ
れる電気パルスの遅延時間が,常に一定であるものを用いる。
3
)
光カプラ 入力された光を,分岐又は結合する機能をもつもの。
4
)
パルス発生器 入力パルスの立上がり又は立下がりをトリガとして,必要なパルス幅のパルスを発
生し,また,入力パルス及び出力パルスの遅延時間が,常に一定であるものを用いる。
5
)
デジタルディレイ発生器 入力パルス及び出力パルスの遅延時間が可変できるもの。測定範囲内で
設定確度の保証されたものを用いる。
6
)
光ファイバ 種類は,表 1 から選択する。長さは
2 m
以上とする。
7
)
タイムインターバルカウンタ 入力パルスの時間間隔を測定するもの。測定範囲内で設定確度の保
証されたものを用いる。
5
C 6185
:2008
図 1−距離確度の固有誤差試験の試験系
b
)
試験 試験は,次の手順で行う。
1
)
図 1 の試験系で,デジタルディレイ発生器の遅延時間を t
d
(s)
に設定して被試験器の管面上にパルス
を表示し,そのときのパルス位置 d
l
(m)
を求め,式
(3)
を用いて遅延時間 t
li
(s)
を算出する。ただし,
デジタルディレイ発生器の遅延時間を零に設定したときの試験系の伝搬時間 t
cal
は t
d
に含まれてい
ないこととする。
c
d
N
t
1
g
li
2
=
(3)
ここに,
N
g
:
光ファイバの群屈折率(
1.460 0
に設定する。
)
c:
真空中の光速度
(m/s)
伝搬時間 t
cal
を測定する測定系の一例を,
図 2 に示す。
−
デジタルディレイ発生器の遅延時間を零に設定する。
−
タイムインターバルカウンタに表示された試験系の伝搬遅延時間 t
cal
を記録する。
光ファイバ
F1
被試
験器
光カ
プ
ラ
光源
受光
器
パルス
発生器
ディジタル
ディレイ
図1 距離確度の固有誤差試験の試験系
光ファイバ
F2
光ファイバ
F3
光ファイバ
F4
デジタル
ディレイ
発生器
6
C 6185
:2008
注記 用いる光ファイバ F1 及び F4,並びに電気ケーブル E1 及び E2 の長さは等しいことが望ましい。
図 2−試験系の伝搬時間 t
cal
の測定系の一例
2
)
この測定を
10
回以上繰り返して行う
。
t
li
のばらつきを求める。
3
)
距離について,被試験器の偏り
to
ε (
%
)
及び偏りを除いた固有誤差
to
ε
は,式
(4)
及び式
(5)
によって算
出する。
100
0
0
li
to
×
−
=
t
t
t
ε
(4)
2
ct
2
sx
to
ε
ε
ε
+
=
(5)
ここに,
li
t
:
m
回の繰返し測定によって得られる
t
li
の平均値:
å
=
×
=
m
i
t
m
t
1
li
li
1
0
t
:
試験系の伝搬遅延時間であり,次の式によって算出する。
t
0
=t
d
+t
cal
sx
ε
:
デジタルディレイ発生器の固有誤差 (%)
ct
ε
:
固有誤差試験時の測定値のばらつきの標準偏差 (%)。式(6)に
よって算出する。
(
)
li
1
2
li
li
ct
100
1
t
m
t
t
m
i
×
−
−
=
å
=
ε
(6)
試験系が,
あらかじめ校正されている場合は,
デジタルディレイ発生器の固有誤差
sx
ε
を無視してもよい。
6.3
個別誤差試験
6.3.1
距離確度の個別誤差要因
距離確度の個別誤差要因は,温度依存特性による部分誤差及び距離依存性による部分誤差を考える。被
光ファイバ
F3
光カ
プ
ラ
光フ
ァ
イ
バ
光源
パルス
発生器
ディジタル
ディレイ
発生器
パルス
発生器
タイム
インターバル
カウンタ
受光
器
光ファイバ
F2
図2 試験系の伝搬時間 t
ca1
の測定系の一例
F1
F4
E1
E2
デジタル
ディレイ
発生器
7
C 6185
:2008
試験器以外の測定系の安定度が被試験器の性能に比べ十分よい場合には,被試験器の測定値のばらつきの
標準偏差(
ε
te
)は,固有誤差試験時の測定値のばらつきの標準偏差(
ε
ct
)と同一とみなせるため無視してよい。
6.3.2
温度依存特性
試験系は,
図 1 の試験系の被試験器だけを恒温槽に入れた構成とする。
a)
装置 装置は,6.2 a) による。
b)
試験 試験は,標準試験条件及び被試験器に規定された使用温度の上限,下限を含めた 5 点以上の試
験温度
T
i
(
i
= 1,2,…)で 6.2 b) と同様の測定を行う(繰返し測定は行わない。)。誤差
ε
(
T
i
)は,式(7)
によって算出する。
( )
100
0
0
li
×
−
=
t
t
t
T
i
ε
(7)
温度依存特性による部分誤差の上限
ε
tui
は
ε
(
T
i
)の最大値,下限
ε
tli
は
ε
(
T
i
)の最小値とする。
6.3.3
距離依存特性
試験系は,
図 1 による。
a)
装置 装置は,6.2 a) による。
b)
試験 試験は,標準試験条件及び被試験器に規定された距離(時間)範囲の上限,下限を含めた 5 点
以上の距離(時間)
L
i
(i
= 1, 2,…)で 6.2 b) と同様の測定を行う(繰返し測定は行わない。)。誤差
ε
(
L
i
)
は,式(8)によって算出する。
( )
0
0
li
t
t
t
L
i
−
=
ε
(
i
=1.2.…) (8)
距離依存特性による部分誤差の上限
ε
tui
は
ε
(
L
i
)の最大値,下限
ε
tli
は
ε
(
L
i
)の最小値とする。
7
損失確度試験
7.1
損失確度試験の概要
損失の確度を決める誤差要因は,被試験器の固有誤差と個別誤差試験の温度依存性,直線性及び距離依
存性による部分誤差とからなる。損失の総合確度はパーセント(%)表示で表した固有誤差及び部分誤差を
式(1)及び式(2)を用いて算出する。
7.2
固有誤差試験
図 3 に損失確度の固有誤差試験の試験系を示す。試験は標準条件で行う。図 3 による試験に先立ち,図
4
の測定系で減衰量の設定を行う。
8
C 6185
:2008
図 3−損失確度の固有誤差試験の試験系
図 4−測定系
a)
装置 装置は,次による。
1)
光源,受光器,光カプラ,パルス発生器,デジタルディレイ発生器及び光ファイバは 6.2 a) による。
2)
可変光減衰器は,光パワーの試験範囲を可変できる可変光減衰器を用いる。
b)
試験 試験は,次の手順で行う。
1)
図 4 の測定系の可変光減衰器 1 で設定値に 4 dB(被試験器管面上では 2 dB)の差がある二つの目盛
を設定し,それぞれ,光パワー
A
li
(低設定の場合)及び
A
hi
(高設定の場合)を測定する。ただし,
A
li
及び
A
hi
は共に対数表示でなく線形表示で
A
li
>
A
hi
とする。式(9)によって定義される
A
i
を算出す
る(
A
i
の意味は被試験器管面上での
A
li
と
A
hi
のレベル差に相当する。
)
。
hi
li
A
A
A
i
=
(9)
光パ
ワ
ー
メ
ータ
光源
図4 測定系
光フ
ァ
イ
バ
可変光
減
衰器
1
光フ
ァ
イ
バ
光フ
ァ
イ
バ
可変光
減
衰
器
2
光カ
プ
ラ
光フ
ァ
イ
バ
光源
ディジタル
ディレイ
発生器
パルス
発生器
受光
器
図3 損失確度の固有誤差試験の試験系
被試験
器
光フ
ァ
イ
バ
可変
減光
衰
器
1
光フ
ァ
イ
バ
光フ
ァ
イ
バ
デジタル
ディレイ
発生器
可変光
減
衰
器
1
9
C 6185
:2008
2) 1)
の測定を 10 回以上繰り返し,その平均値
A
0
及び標準偏差
ε
aloss
をそれぞれ式(10)及び式(11)によっ
て算出する。
å
=
×
=
m
i
i
A
m
A
1
0
1
(10)
(
)
0
1
2
0
aloss
100
1
A
m
A
A
m
i
i
×
−
−
=
å
=
ε
(11)
ここに,
m: 測定回数
3)
図 3 の試験系の可変光減衰器 1 を低設定とし,可変光減衰器 2 を用いて再生パルス波形が被試験器
管面のほぼ中央部に表示されるようにする。
4)
被試験器のカーソルを用いて,再生パルス波形のピーク値のレベルを測定する。このときのレベル
を PL
i
(線形表示)とする。
5)
可変光減衰器 1 を高設定とし,再生パルス波形のピーク値のレベルを測定する。このときのレベル
を PH
i
(線形表示)とする。
6) 3)
〜5)の測定を 10 回以上繰り返して行う。
7)
損失確度試験での固有誤差を算出する。損失についての被試験器の偏り
to
ε
(%)及び偏りを除いた固
有誤差
to
ε
(%)は,それぞれ,式(12)及び式(13)によって算出する。
(
)
100
/
0
0
to
×
−
=
A
A
PH
PL
ε
(12)
2
aloss
2
oloss
to
ε
ε
ε
+
=
(13)
ここに,
(PL/PH): m 回の繰返し測定によって得られる(PL
i
/PH
i
)の平均値
å
=
×
=
m
i
i
i
PH
PL
m
PH
PL
1
1
)
/
(
oloss
ε
:
固有誤差試験時の測定値のばらつきの標準偏差
(
%
)
。式
(14)
によって算出する。
(
)
(
)
PH
PL
m
PH
PL
PH
PL
m
i
i
i
/
100
1
/
2
1
oloss
×
−
÷÷ø
ö
ççè
æ
−
=
å
=
ε
(14)
7.3
個別誤差試験
7.3.1
損失確度の個別誤差要因
損失確度の個別誤差要因は,温度依存特性による部分誤差,直線性に起因する部分誤差及び距離依存性
による部分誤差を考える。被試験器の測定値のばらつきの標準偏差
(ε
te
)
は,被試験器以外の試験系の安定
度が被試験器の性能に比べ十分よい場合には,固有誤差試験での測定値のばらつきの標準偏差
(ε
ct
)
と同一
とみなせるため無視してよい。
10
C 6185
:2008
7.3.2
損失確度の温度依存特性
試験系は,
図 3 の試験系において被試験器だけを恒温槽に入れた構成とする。
a
)
装置 装置は,7.2 a
)
による。
b
)
試験 試験は,標準試験条件並びに被試験器に規定された使用温度の上限及び下限を含めた
5
点以上
の試験温度
T
i
で,7.2
b
)
の 3
)
〜5
)
と同様の測定を行う。損失測定の誤差
ε
oloss
(T
i
)
は,式
(15)
によって算
出する。
( )
100
0
0
oloss
×
−
=
A
A
PH
PL
T
i
i
i
ε
(15)
温度依存性による損失の部分誤差の上限 ε
tui
は ε
oloss
(T
i
)の最大値,下限 ε
tli
は ε
oloss
(T
i
)の最小値とする。
7.3.3
損失確度の直線性
試験系は,
図 3 による。
a)
装置 装置は,7.2 a) による。
b)
試験 試験は,標準試験条件及び被試験器に規定された損失範囲の上限及び下限を含めた 5 点以上の損
失値(L
i
)で,7.2 b) の 3)〜5)と同様の測定を行う。損失値は可変光減衰器 2 を用いて調節する。ただし,
被試験器の雑音レベルよりも 8 dB 高いレベルまで行う。
損失測定の誤差 ε
oloss
(L
i
)は,式(16)によって算出する。
( )
100
0
0
oloss
×
×
=
A
A
PH
PL
L
i
i
i
ε
(16)
温度依存性による損失の部分誤差の上限 ε
tui
は ε
oloss
(L
i
)の最大値,下限 ε
tli
は ε
oloss
(L
i
)の最小値とする。
7.3.4
損失確度の距離(時間)依存性
試験系は,
図 3 による。
a)
装置 装置は,7.2 a) による。
b)
試験 試験は,標準試験条件及び被試験器に規定された損失範囲の上限及び下限(ただし,デッドゾ
ーン部分は除く。
)を含めた 5 点以上の距離(D
i
)で,7.2 b) の 3)〜5)と同様の測定を行う。距離はデジ
タルディレイ発生器を用いて調節する。損失測定の誤差 ε
oloss
(D
i
)は,式(17)によって算出する。
( )
100
0
0
oloss
×
−
=
A
A
PH
PL
D
i
i
i
ε
(17)
温度依存性による損失の部分誤差の上限
ε
tui
は
ε
oloss
(D
i
)
の最大値,下限
ε
tli
は
ε
oloss
(D
i
)
の最小値とする。
8
反射率確定試験
8.1
反射率確定試験の概要
反射率の確度を決める誤差要因は,被試験器の固有誤差並びに個別誤差試験での温度依存性及び直線性
による部分誤差からなる。反射率の総合確度は,固有誤差及び部分誤差を式
(1)
及び式
(2)
よって算出する。
8.2
固有誤差試験
図 5 に,反射率確度の固有誤差試験の試験系を示す。図 6 には図 5 の可変基準反射端の具体的構成例を
示す。さらに,
図 7 には後方散乱量の測定系を示す。
11
C 6185
:2008
図 5−反射率確度の固有誤差試験の試験系
図 6−可変基準反射端の構成例
図 7−後方散乱量の測定系
a
)
装置 装置は,次による。
1
)
可変光減衰器 光パワーの試験範囲を可変できる可変減衰器を用いる。減衰量の波長依存性及び偏
可変基準
反
射端
被試
験器
図5 反射率確度の固有誤差試験の試験系
光ファイバ
F1
可変光
減
衰器
1
光ファイバ
F2
基準反
射
端
図6 可変基準反射端の構成例
光ファイバ
F3
可変光
減
衰器
2
光ファイバ
F4
光パワー
メータ
図7 後方散乱量の測定系
光カ
プ
ラ
光ファイバ
F5
光源
光ファイバ
F6
光ファイバ
F7
ポート
P1
ポート
P2
ポート
P3
12
C 6185
:2008
光依存性が十分小さいものを使用する。
2
)
光ファイバ 種類は,表 1 から選択する。光ファイバ
F1
,
F2
,
F
4,
F6
及び
F7
の長さは,
2 m
以
上とする。光ファイバ
F3
の長さは,
2 km
以上とする。光ファイバ
F3
及び
F5
は,ほぼ同一の後方
散乱特性をもつものとする。
3
)
光カプラ 入力された光を分岐又は結合する機能をもち,反射が十分抑圧されたものとする。
4
)
基準反射端 反射率の波長依存性及び偏光依存性が小さく,反射率が既知でその誤差評価されたも
の。
5
)
光源 被試験器の光出力と同じ波長の連続光を出力するもの。
b
)
試験 試験は,次の手順で行う。
1
)
光ファイバ
F5
の後方散乱光量の測定を行う。測定系は,
図 7 による。光源は変調されていない連
続発振光を出力するものとする。光源出力を,光ファイバ
F6
を用いて光カプラの入力ポート
P1
に
接続する。光ファイバ
F5
への入力光パワーを測定するため,光パワーメータに接続されたファイ
バ
F7
の右端をいったん光カプラのポート
P2
に接続し,指示値
P
in
(mW)
を記録する。
図 7 の状態
に戻し,光ファイバ
F5
の入力端で測定される後方散乱光パワー
P
b
(mW)
を式
(18)
によって算出し記
録する。
ただし,
光ファイバ
F5
の終端部は無反射終端とする。記録した
P
in
(mW)
と
P
b
(mW)
から
P
b
/P
in
を算出する。光カプラ自体からのポート
P3
への戻り光が無視できない場合は,
P
2
から戻り光量を
差し引くことによって補正する。
23
2
b
α
×
= P
P
(18)
ここに,
2
P
:
光パワーメータへの入力(光ファイバ
F7
の出力)
(mW)
23
α
:
光カプラでのポート
P2
からポート
P3
への損失(線形表示,
1/m
)
2
)
後方散乱光の大きさを表すパラメータ
α
s
S
は,式
(19)
によって算出する。光ファイバ
F5
の損失
α
の測
定は,JIS C 6823 の規定による。
(
)
L
e
SP
P
α
α
α
2
in
s
b
1
2
−
−
=
in
b
2
s
1
2
P
P
e
S
L
α
α
α
−
−
=
(19)
ここに,
in
P
:
光ファイバ
F5
への入力光パワー
(mW)
S
:
全散乱光のうちで後方散乱光が占める割合
s
α
:
単位長さ当たりの光ファイバのレイリー散乱損失
(1/m)
α
:
単位長さ当たりの光ファイバ損失
(1/m)
L
:
光ファイバ
F5
の長さ
(m)
光ファイバ
F5
の長さが短い場合,近似式
(20)
を用いてもよい。
in
b
s
1
P
P
L
S
=
α
(20)
更に,光ファイバ中の光速度
(c/N
g
) = ν (m/s)
及び被試験器の出力光パルス幅
W (s)
を用いて,パラメ
ータ
R
bs
を算出する。
13
C 6185
:2008
2
s
bs
ν
α W
S
R
=
(21)
3
)
図 5 の試験系で,可変光減衰器
2
を用いて可変基準反射端(構成例は
図 6)を規定の反射率
R
ref
に
合わせる。
4
)
図 5 の試験系で可変基準反射端が発生するフレネル反射光パルス波形のレベルと,このパルス波形
直前の後方散乱光レベルとの差
H (dB)
を測定する。ただし,
H
>
0
となるように値をとる。
反射率の測定値
R
measured
(dB)
は,式
(22)
を用いて算出する。ただし,
R
bs
は,式
(21)
による。
(
)
1
10
log
10
log
10
5
/
10
bs
10
measured
−
+
=
H
R
R
(22)
5
)
3
),
4
)
の測定を
10
回以上繰り返して行い,反射率確度試験での固有誤差を算出する。反射率につい
ての被試験器の偏り
to
ε
(
%
)
及び偏りを除いた固有誤差
to
ε
は,それぞれ式
(23)
,
(24)
によって算出す
る。ただし,測定値はすべて対数表示でなく線形表示とする。
100
ref
ref
measured
to
×
′
′
−
′
=
R
R
R
ε
(23)
2
measured
2
ref
to
ε
ε
ε
+
=
(24)
ここに,
measured
R
′
:
反射率測定値を線形表示したもの
ref
R
′ : 可変基準反射端の反射率を線形表示したもの
ref
ε
:
可変基準反射端の固有誤差
ε
measured
及び ε
ref
:
固有誤差試験時の測定値のばらつきの標準偏差。
次の式による。
(
)
0
1
2
0
100
1
x
m
x
x
m
i
i
×
−
−
=
å
=
ε
ここに,
x
i
:
測定値(R'
ref
又は R'
measured
を表す。
)
x
0
:
測定値の平均値
m: 測定回数
ただし,ε
ref
について可変基準反射端が誤差評価されている場合,その値を用いてもよい。
8.3
個別誤差試験
8.3.1
反射率確度の個別誤差要因
反射率確度の個別誤差要因は,温度依存特性による部分誤差及び直線性による部分誤差を考える。被試
験器の測定値のばらつきの標準偏差(ε
te
)は,被試験器以外の測定系の安定度が被試験器の性能に比べて十
分よい場合には,固有誤差試験での測定値のばらつきの標準偏差(ε
ct
)に同一とみなせるため,無視してよ
い。
8.3.2
反射率確度の温度依存特性
試験系は,
図 5 の試験系で被試験器だけを恒温槽に入れた構成とする。
a)
装置 装置は,8.2 a) による。
b)
試験 試験は,標準試験条件及び被試験器に規定した使用温度の上限及び下限を含めた 5 点以上の試
験温度(T
i
)で,8.2 b) の 3), 4)と同様の測定を行う。反射率測定の誤差 ε(T
i
)は,式(25)を用いて算出する。
14
C 6185
:2008
ただし,測定値はすべて対数表示でなく線形表示とする。
( )
100
ref
ref
measured
×
′
′
−
′
=
R
R
R
T
i
ε
(25)
温度依存性による反射率の部分誤差の上限 ε
tui
は ε(T
i
)の最大値,下限 ε
tli
は ε(T
i
)の最小値とする。
8.3.3
反射率確度の直線性
試験系は,
図 5 による。
a)
装置 装置は,8.2 a) による。
b)
試験 試験は,標準試験条件及び被試験器に規定された反射率範囲の上限及び下限を含めた 5 点以上の
反射率(R
i
)で,8.2 b) の 3), 4)と同様の測定を行う。反射率測定の誤差 ε(R
i
)は,式(26)を用いて算出する。
ただし,測定値はすべて対数表示ではなく線形表示とする。
( )
100
ref
ref
measured
×
′
′
−
′
=
R
R
R
R
i
ε
(26)
直線性による損失の部分誤差の上限 ε
tui
は,ε(R
i
)の最大値,下限 ε
tli
は,ε(R
i
)の最小値とする。
9
その他の性能試験
9.1
光パルス幅
図 8 に試験系を示す。
なお,光ファイバの長さは,2 m 以上とする。光パルス幅 W は,観測する波形に対して十分帯域の広い
受光器及びオシロスコープで観測して,観測した電気のパルス幅を評価する(JIS C 6710 で規定している
電気のパルス幅の定義を参照)
。
図 8−光パルス幅の試験系
受光器
被試験器
図8 光パルス幅の試験系
光ファイバ
オシロスコープ
15
C 6185
:2008
9.2
光出力レベル
被試験器の光出力は,ピーク値で評価する。
図 9 に試験系を示す。
図 9−光出力レベルの試験系
図 8 の試験系でパルス幅 W 及びパルス繰返し周期 T を測定する。図 9 の試験系で平均光出力 P
ave
(mW)
を測定し,式(27)によってピーク光出力 P
peak
(mW)を算出する。
なお,
図 9 の光ファイバの長さは,2 m 以上とする。
W
T
P
P
×
=
ave
peak
(27)
測定したパルス幅,パルス繰返し周期及びピーク光出力の値を用いて,JIS C 6802 に基づき,クラス分
けを判定する。
9.3
中心光波長
図 10 に試験系を示す。光ファイバの長さは,2 m 以上とする。中心光波長
λ
p
は,連続スペクトルの場合
は式(28)を用い,離散的スペクトルの場合は式(29)によって算出する。
( )
ò
=
λ
λ
λ
λ
d
p
P
0
p
1
(28)
å
=
=
l
i
i
i
p
P
1
0
p
1
λ
λ
(29)
ここに,
P
0
:
全光パワー(=
Σ
p
i
) (mW)
p
i
:
i 番目の縦モードの光パワー (mW)
( )
λ
p
:
光波長
λにおける光パワー密度 (mW/nm)
i
λ
:
i 番目の縦モードの光波長 (nm)
l: 縦モード数
図 10−中心波長の試験系
光パワー
メータ
被試験器
図9 光出力レベルの試験系
光ファイバ
光スペクトラム
アナライザ
被試
験
器
図10 中心波長の試験系
光ファイバ
16
C 6185
:2008
9.4
光スペクトル幅
試験系は,
図 10 と同一とする。光ファイバの長さは,2 m 以上とし,光スペクトラムアナライザの波長
分解能は,
測定する光スペクトル幅に比べて十分小さく設定する。
出力光が離散的スペクトルである場合,
光スペクトル幅
∆
λ
RMS
(RMS 値,二乗平均の平方根)は式(30)によって算出する。連続スペクトルの場合,
光スペクトルは読み取った半値全幅(nm)とする。その際,光スペクトルアナライザの波長分解能が光スペ
クトルに比べて十分小さくできない場合,その旨記載する。
( )
å
=
−
=
l
i
i
i
p
P
1
2
p
2
0
RMS
1
∆
λ
λ
λ
(30)
ここに,
P
0
:
全光パワー
(=
Σ
p
i
) (mW)
p
i
:
i
番目の縦モードの光パワー
(mW)
i
λ
:
i
番目の縦モードの光波長
(nm)
P
λ
:
式
(24)
で表した中心光波長
(nm)
l
:
縦モード数
光スペクトルの半値全幅
FWHM
∆
λ
は,式
(31)
を用いて算出する。
RMS
FWHM
∆
∆
λ
λ
M
=
(31)
ここに,
M
:
係数。
2
ln
2
2
= 2.35
を用いる。
9.5
ダイナミックレンジ
図 11 に試験系を示す。光ファイバの長さは,
8 km
以上とし,その終端部は,無反射終端とする。光フ
ァイバに接続が必要な場合は,接続点間での多重反射を避けるために融着接続を用いる。被試験器に表示
された後方散乱波形の延長線と光パワー軸との交点のパワーレベル
P
1
(dB)
及び光ファイバの終端部から
十分離れた点での雑音のピークレベル
P
2
(dB)
を測定する。ダイナミックレンジ
DR (dB)
は,式
(32)
によっ
て算出する。
2
1
P
P
DR
−
=
(32)
試験結果には,光ファイバの種類,その後方散乱量,測定波長,光パルス幅及び測定時間を併記する。
光パルス幅は,被試験器で規定されているすべての値で試験することが望ましい。
図 11−ダイナミックレンジの試験系
被試験器
図11 ダイナミックレンジの試験系
光ファイバ
17
C 6185
:2008
9.6
デッドゾーン(空間分解能)
9.6.1
口元デッドゾーン
試験系は,
図 11 と同一とする。光ファイバ長は,
2 km
以上とし,測定では,
図 12 に示すようにデッド
ゾーンが管面上で十分判別できるように距離レンジの設定を行う。
試験は,次の手順で行う。
なお,
光出力パワーを入射端付近の測定に適した状態に制御できるものは,そのようにして試験を行う。
a
)
被試験器の群屈折率値を
1.460 0
に設定する。
b
)
図 12 の定義に基づき反射測定口元デッドゾーンと損失測定口元デッドゾーンを求める。
c
)
すべてのパルス幅について,b
)
の測定を行う。
図 12−デッドゾーンの定義
9.6.2
デッドゾーン試験系
図 13 に試験系を示す。測定では,図 14 に示すようにデッドゾーンが管面上で十分判別できるように距
離レンジの設定を行う。
図 13−反射点直後のデッドゾーンの試験系
a
)
装置 装置は,次による。
1
)
可変光減衰器 光パワーの試験範囲を可変できる可変減衰器を用いる。減衰量の波長依存性及び偏
図12 デッドゾーンの定義
1.5 dB
0.5 dB
①
②
①:反射測定口元デッドゾーン
②:損失測定口元デッドゾーン
距離
km
損失
dB
可変光
減衰器
図13 反射点直後のデッドゾーンの試験系
光カ
プ
ラ
光ファイバ
F1:
2 m 以上
光ファイバ
F2:
2 km 以上
被試
験
器
光ファイバ
F3:
2 m 以上
高反
射率端
光ファイバ
F4:
1 km以上
90 %
ポート
10 %
ポート
18
C 6185
:2008
光依存性が十分小さいものを使用する。
2
)
光ファイバ 種類は表 1 から選択する。光ファイバ
F1
及び
F3
の長さは,
2 m
以上とする。光ファ
イバ
F4
の長さは,約
1 km
以上とし,
F2
の長さは,約
2 km
以上で,かつ,
F3
の長さと
F4
の長さ
との和に
1 km
を加えた長さ以上とする。
3
)
光カプラ 入力された光を分岐又は結合する機能をもつもの。分岐比はおよそ
90
:
10
とし,低波長
依存性及び低偏波依存性が必要となる。
4
)
高反射率端 反射率は約
90
%以上で,反射率の波長依存性及び偏光依存性が小さいもの。
b
)
試験 試験は,次の手順で行う。
1
)
被試験器の群屈折率値を
1.460 0
に設定する。
2
)
可変光減衰器を調整して反射率−
40 dB
のフレネル反射光パルスと等価な光パルスを作る。
3
)
図 14 の定義に基づき反射測定デッドゾーン及び損失測定デッドゾーンを求める。
4
)
すべてのパルス幅について,2
)
及び 3
)
の測定を行う。
図 14−反射点直後のデッドゾーンの定義
9.6.3
無反射接続点直後の損失測定空間分解能
図 15 に試験系を示す。光ファイバに曲げを与えて無反射接続点と同等の損失を得る。
図 15−無反射接続点直後の損失測定空間分解能の試験系
試験は,次の手順で行う。
a
)
光ファイバの長さは
2 km
以上とし,被試験器の群屈折率値を
1.460 0
に設定する。
b
)
光ファイバに曲げを与えて
図 16 に示すように被試験器管面上で
1 dB
の損失が生じるようにする。
図14 反射点直後のデッドゾーンの定義
①
②
距離
km
損失
dB
①:反射測定デッドゾーン
②:損失測定デッドゾーン
1.5 dB
0.5 dB
被試
験器
図15 無反射接続点直後の損失測定空間分解能の試験系
光ファイバ
19
C 6185
:2008
c
)
図 16 の定義に基づき損失測定空間分解能を求める。
d
)
すべてのパルス幅について,b
)
及び c
)
の測定を行う。ただし,後方散乱光の実測波形の揺らぎなどに
よって損失測定空間分解能を求めるのが困難な場合は,当該パルス幅における損失測定空間分解能は
未定義とする。
図 16−無反射接続点直後の損失測定空間分解能の定義
10
強度試験
10.1
強度試験の概要
機械的な振動及び衝撃を与えて被試験器の損傷及び特性の変化の有無を試験する。
被試験器が機械的にぜい(脆)弱な構造となっていて,強度試験によって回復不可能となるおそれがあ
る場合には,この試験を省いてもよい。また,被試験器が製品規格によって他の規格又は他の試験の厳し
さを規定している場合は,それに従う。
なお,強度試験は被試験器を包装していない状態で行う。
10.2
振動試験
試験は,JIS C 60068-2-6 に従って実施する。
なお,試験の厳しさは,次のとおりとする(JIS C 60068-2-6 の
附属書 C 表 C.2 を適用する。)。
振動数範囲:
10 Hz
〜
55 Hz
振幅(片振幅)
:
0.15 mm
各軸方向の掃引サイクル数:
10
10.3
落下試験
試験は,JIS C 60068-2-31 に従って実施する。試験の厳しさは,次のとおりとする。
面落下:
25 mm
又は
30
°の厳しさの小さいほう
角落下:
25 mm
又は
30
°の厳しさの小さいほう
図16 無反射接続点直後の損失測定空間分解能の定義
損失測定
空間分解能
0.1 dB
1 dB
0.1 dB
距離
km
損失
dB