2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 6184-1993
光ファイバ用光パワーメータ試験方法
Test methods of optical power meters for optical fiber
1. 適用範囲 この規格は,光ファイバコネクタ端子をもち波長範囲400〜1 800nmの光パワーを測定す
ることが可能な光ファイバ用検出器を備えた光パワーメータの試験方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 1002 電子測定器用語
JIS C 1003 ディジタル電圧計試験方法
JIS C 6820 光ファイバ通則
JIS Z 8103 計測用語
JIS Z 8120 光学用語
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 1002,JIS C 6820,JIS Z 8103及びJIS Z 8120
の規定によるほか,次の規定による。
(1) 検出器 光のパワーを電気的出力に変換する機器。
(2) 受光面 検出器の入力部分で,光の検出に有効な領域。
(3) 多重反射 光ファイバ用光パワーメータ検出器の受光面で反射された入射光の一部がレセプタクル内
面及び挿入された光ファイバコネクタのフェルール端面で反射され,その一部又は全部が再び受光面
に入射してこれを繰り返す反射。
3. 標準試験条件 光ファイバ用光パワーメータ(以下,被試験器という。)を試験するとき標準となる条
件は,規定がない限り次のとおりとする。標準試験条件で試験することが困難な場合は,実施した条件及
びその影響について試験結果に記録をする。
(1) 温度 次の温度のうちの一つを選択する。
20±2℃,23±2℃,25±2℃
(2) 相対湿度 次の湿度のうちの一つを選択する。
(50±10) %, (65±10) %
(3) 光ファイバ用光源
中心波長:被試験器に指定された中心波長とする。
光パワーレベル:被試験器に指定された光パワーレベルとする。
偏光状態:直線偏光とする。
(4) 光ファイバ 出射端に球面研磨のフェルールコネクタをもつシングルモード光ファイバとする。
備考 マルチモードになる波長領域では光ファイバに曲げを付与し,高次モードを除去するモードフ
ィルタを使用することが望ましい。
2
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4. 試験の概要 試験項目は表1による。
表1 試験の概要
試験項目
試験方法適用箇条
校正誤差試験
5.
確度試験
6.
過負荷試験
7.
強度試験
8.
5. 校正誤差試験
5.1
校正誤差試験の概要 被試験器に規定の波長及びパワーレベルで,基準器との比較測定によって行
う。ここでいう基準器とは,次のいずれかとする。
(1) 国の標準器によって校正されたもの。
(2) 校正業務を行う公的機関で校正されたもの。
(3) (1)又は(2)を使って校正されたもの。
5.2
校正誤差の算出方法 校正誤差は,かたより補正後の基準器の誤差限界,5.3比較校正のばらつき及
び5.4個別誤差試験によって被試験器の部分誤差をパーセント (%) で求め,次の式によって算出する。
なお,基準器が5.1(2)に該当する場合は基準器の誤差限界として公的機関が保証した信頼率95%の試験
精度(パーセント表示)を用いる。
∑
=
−
+
±
=
m
i
ci
cs
sx
cx
1
2
2
2
2
2
(%)
ε
ε
ε
ε
ここに,
εcx: 校正誤差 (%)
εsx: かたより補正後の基準器の誤差限界 (%)
ただし,標準偏差の2倍で信頼率95%の値とする。
εcs: 比較校正のばらつき (%)
εci: 部分誤差の標準偏差 (%)
3
2
cli
cuiε
ε
−
ここに, εcui: 部分誤差の上限 (%)
εcli: 部分誤差の下限 (%)
m: 部分誤差の数
5.3
比較校正 被試験器を次の手順で基準器と比較校正する。被試験器の校正点は基準器が校正された
パワーレベルとする。図1に測定系の一例を示す。
図1 比較校正の測定系(例)
3
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(1) 被試験器を光ファイバの先端に接続する。
(2) 光ファイバ用光源の出力をレベル調整用可変光減衰器を用いて調整して,被試験器の校正点に合わせ
る。
(3) 被試験器を外し,基準器を光ファイバの先端に接続する。
(4) 基準器でパワーレベルを測定する。
(5) (1)〜(4)の手順を10回以上(m回)繰り返す。
比較校正のばらつきを,次の式によって算出する。
100
1
)
(
1
(%)
1
2
×
−
−
=
∑
=
m
x
x
x
m
i
i
cs
ε
ここに,
εcs: 比較校正のばらつき (%)
xi: 測定値
x: 測定値の平均
m
x
x
m
i
i
∑
=
=
1
m: 測定回数
5.4
個別誤差試験
5.4.1
試験項目 次の各項目に対し誤差試験を行い,部分誤差の限界を算出する。
(1) 波長依存性
(2) 偏光依存性
各試験に使用する光ファイバ用光源の出力パワー及び波長は,試験を行うのに十分安定なこと。
備考1. 基準器は標準試験条件の違いによる誤差(基準器の校正時と被試験器の校正時の標準試験条
件の違いによるかたより)を補正できるものとする。
2. 被試験器が熱形光パワーメータの場合には(1)及び(2)の試験を省略できる。
5.4.2
波長依存性 波長依存性の試験は,波長が可変の光源を用いて,波長依存性がない基準器又は波長
依存性が既知の基準器と比較することによって行う。
試験は,中心波長の公差幅の範囲内で変化させ,各波長で被試験器の測定値を基準器の測定値で除した
値を求めることによって行い,部分誤差の上限及び下限を,それぞれ次の式によって算出する。
波長に対する感度の校正データが図表として添付されるか,又は校正データに従い補正した後の値が指
示される被試験器の場合には,補正した後の値を被試験器の測定値とする。
100
(%)
0
0
1
×
−
=
R
R
R
cui
ε
100
(%)
0
0
2
×
−
=
R
R
R
cli
ε
ここに,
εcui: 部分誤差の上限 (%)
εcli: 部分誤差の下限 (%)
R0: 被試験器に規定の基準波長での被試験器の測定値を基準器
の測定値で除した値
R1: 被試験器に規定の基準波長以外での測定値を基準器の測定
値で除した値の最大値
R2: 被試験器に規定の基準波長以外での測定値を基準器の測定
値で除した値の最小値
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5.4.3
偏光依存性 光ファイバ用光源の出力を直線偏光にして被試験器に接続し,偏光に対する被試験器
の感度の変化を次の手順によって測定する。図2に測定系の一例を示す。
図2 偏光依存性試験の測定系(例)
(1) 偏光子,41波長板及び21波長板を備えた,任意の偏光を作れる偏光コントローラを光ファイバ1の出
力側に接続する。
(2)
41波長板及び21波長板を調整して,被試験器による測定値を基準器による測定値で除した値の最大値
及び最小値を求め,その値を記録する。
備考 光ファイバ1の光パワーを,偏光子で直線偏光にし,41波長板を0°から180°回転させること
によって任意のだ(楕)円率をもつだ円偏光(直線偏光,円偏光を含む)を作ることができる。
その後,21波長板を0°から180°回転させることによって,任意の方位角をもつだ円偏光がで
きる。
そのため,たとえ,光ファイバ2の内部ひずみによる複屈折性が存在しても,それを消去し
て,光ファイバ2の出力では任意の偏波面方向をもつ直線偏光が得られる。
(3) 部分誤差の上限及び下限を,それぞれ次の式によって算出する。
100
(%)
1
×
−
=
a
a
cui
R
R
R
ε
100
(%)
2
×
−
=
a
a
cli
R
R
R
ε
2
2
1R
R
Ra
+
=
ここに,
εcui: 部分誤差の上限 (%)
εcli: 部分誤差の下限 (%)
R1: 被試験器の測定値を基準器の測定値で除した値の最大値
R2: 被試験器の測定値を基準器の測定値で除した値の最小値
Ra: 最大値と最小値の平均値
備考1. 光ファイバ2は1m程度の短いものを使用し,できるだけ直線状態にする。
2. この試験中,光ファイバが動かないように固定する。
6. 確度試験
6.1
確度の算出方法 6.2固有誤差試験及び6.3個別誤差試験で求めた部分誤差をパーセント (%) で表
し,次の式によって動作誤差の限界を算出し,これを被試験器の確度とする。
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(1) かたより (∑
=
p
i
ti
1
ε) を補正できる場合
∑
=
+
+
+
=
+
=
p
i
ti
te
ur
tx
tu
1
2
2
2
2
(%)
ε
ε
ε
ε
ε
∑
=
+
+
−
=
−
=
p
i
ti
te
ur
tx
ti
1
2
2
2
2
(%)
ε
ε
ε
ε
ε
(2) かたより (∑
=
p
i
ti
1
ε) を補正できない場合
tx
p
i
ti
tu
ε
ε
ε
+
=∑
=1
(%)
tx
p
i
ti
ti
ε
ε
ε
−
=∑
=1
(%)
ここに,
εtu: 動作誤差の上限 (%)
εtl: 動作誤差の下限 (%)
εur: かたより補正後の被試験器の固有誤差 (%)
εtx: かたより補正後の被試験器の動作誤差 (%)
εti: 部分誤差の標準偏差 (%)
3
2
tli
tuiε
ε−
ここに,
εtui: 部分誤差の上限 (%)
εtli: 部分誤差の下限 (%)
p: 部分誤差の数
ti
ε: 部分誤差の上限,下限の平均値 (%)
εte: 照射時の安定度試験(6.3.9参照)での測定値のばらつき (%)
備考 被試験器の確度だけではなく,各試験での個別の部分誤差も試験結果として記録することが望
ましい。
6.2
固有誤差試験 被試験器を次の手順で基準器と比較校正する。被試験器の校正点は基準器が校正さ
れたパワーレベルとする。図3に測定系の一例を示す。
図3 固有誤差試験の測定系(例)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(1) 被試験器を,光ファイバの先端に接続する。
(2) 光ファイバ用光源の出力をレベル調整用可変光減衰器を用いて調整して,被試験器の校正点に合わせ
る。
(3) 被試験器を外し,基準器を光ファイバの先端に接続する。
(4) 基準器でパワーレベルを測定する。
(5) (1)〜(4)の手順を10回以上(m回)繰り返す。
(6) 比較測定のばらつきεcsを次の式によって算出する。
100
1
)
(
1
(%)
1
2
×
−
−
=
∑
=
m
x
x
x
m
i
i
cs
ε
ここに,
xi: 測定値
x: 測定値の平均
m
x
x
m
i
i
∑
=
=
1
m: 測定回数
(7) 被試験器のかたよりti
ε可及びかたよりを除いた誤差εurを次の式によって算出する。
100
(%)
0
0×
−
=
x
x
x
ti
ε
2
2
2
(%)
cs
sx
ur
ε
ε
ε
+
±
=
ここに,
x: 測定値の平均
m
x
x
m
i
i
∑
=
=
1
x0: 被試験器の指示値
εsx: かたより補正後の基準器の誤差限界 (%)
ただし,標準偏差の2倍で信頼率95%の値とする。
εcs: 測定値のばらつき (%)
6.3
個別誤差試験
6.3.1
試験項目 被試験器は,次の各項目に対し誤差試験を行い,部分誤差の限界を算出する。
(1) 直線性
(2) 波長依存性
(3) 偏光依存性
(4) NA依存性
(5) 多重反射依存性
(6) ゼロドリフト
(7) 温度依存性
(8) 照射時の安定度
各試験に使用する光ファイバ用光源の出力パワー及び波長は試験を行うのに十分安定なこと。
備考1. 被試験器の適用範囲の指定によって,試験自体が無意味な項目は省略する。
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2. 製造業者によって表示された確度が,特定の環境条件又は特定のパラメータ条件で得られた
場合は,それらの環境条件及びパラメータとそれらの適用範囲を試験成績書に明示する。
例
波長 1 300nm,パワーレベル −23dBm
3. 直線性,波長依存性,温度依存性などによる誤差が,製造業者が提示する図表,式などによ
って補正でき,指定の確度が得られた場合はその旨を試験成績書に明示する。
例
校正曲線によって波長依存性の補正が可能
6.3.2
直線性 被試験器に規定の測定範囲について,任意の1測定レンジ内の直線性及び各測定レンジ間
の直線性を試験する。
(1) レンジ内の直線性 レンジのフルスケールから,そのレンジで保証された最小レベルまでの範囲で,
被試験器の測定値と基準器の測定値との比較によって試験する。
図4に測定系の一例を示す。
図4 レンジ内直線性試験の測定系(例)
部分誤差の上限及び下限を,それぞれ次の式によって算出する。
100
(%)
0
0
1
×
−
=
R
R
R
tui
ε
100
(%)
0
0
2
×
−
=
R
R
R
tli
ε
ここに, εtui: 部分誤差の上限 (%)
εtli: 部分誤差の下限 (%)
R0: 被試験器のフルスケールでの測定値を基準器の測定値で除
した値
R1: 被試験器のフルスケール以外の範囲での測定値を基準器の
測定値で除した値の最大値
R2: 被試験器のフルスケール以外の範囲での測定値を基準器の
測定値で除した値の最小値
(2) レンジ間の直線性 各測定レンジ間の直線性は次の方法で試験する。
(2.1) 可変光減衰器の設定値0と10dB間の減衰量の比を次の手順で校正し,それを基準可変光減衰器と
する。図5に校正系の一例を示す。
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図5 基準可変光減衰器の校正系(例)
(a) 基準可変光減衰器を0dBに設定し,基準器で光パワーP1を求める。
(b) 基準可変光減衰器を10dBに設定して,基準器で光パワーP2を求める。
(c) P2をP1で除し,その値をrとする。(例 0.101 5)
(2.2) (2.1)で校正された基準可変光減衰器 (10dB) とレベル調整用可変光減衰器を用い,隣り合ったレン
ジでの相対値を次の手順で測定し,レンジ間の直線性を試験する。図6に測定系の一例を示す。
図6 レンジ間直線性試験の測定系(例)
(a) 基準可変光減衰器を0dBに設定し,被試験器の表示が最大レンジの90%になるようにレベル調整用
可変光減衰器を調整し,その値(例 0.900mW)を基準値とする。
(b) 基準可変光減衰器を10dBに設定して,被試験器のレンジを1段下げ,そのときの被試験器の値(例
92.5μW)を,基準値にrを掛けた値(例 91.35μW)で除し,これをこのレンジの測定値(例 1.013)
とする。
(c) レベル調整用可変光減衰器の減衰量を更に約10dB加え,基準可変光減衰器の設定を0dBに戻し,
被試験器の表示がレンジの90%の値になるようにレベル調整用可変光減衰器を調整する。
(d) 基準可変光減衰器を10dBに設定して,被試験器のレンジを1段下げ,そのときの被試験器の値を,
前のレンジで表示した値にrを掛けた値で除し,測定値とする。
(e) 以下,(c)(d)の手順を繰り返し,被試験器の最小レンジまで測定を行う。
(f) 部分誤差の上限及び下限を,それぞれ,次の式によって算出する。
100
(%)
1
×
−
=
a
a
tui
R
R
R
ε
100
(%)
2
×
−
=
a
a
tli
R
R
R
ε
2
2
1R
R
Ra
+
=
ここに, εtui: 部分誤差の上限 (%)
εtli: 部分誤差の下限 (%)
R1: 測定値の最大値
R2: 測定値の最小値
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Ra: 測定値の最大値と最小値の平均値
備考1. レンジ切換えが10dBでない被試験器に対しては,レンジ間ステップに相当する減衰量で基準
可変光減衰器の校正を行い,レンジ間直線性の試験を行う。
2. 被試験器が検出器だけの場合は,レンジ間の直線性試験を省略する。
6.3.3
波長依存性 波長依存性の試験は,波長が可変の光源又は試験波長範囲内の出力を発生するレーザ
を用いて,波長依存性がない基準器又は波長依存性が既知の基準器と比較することによって行う。
波長に対する感度の校正データが図表として添付されるか,又は校正データに従い補正した後の測定値
が指示される被試験器の場合には,補正した後の測定値を基準器による測定値で除した値を部分誤差とす
る。
試験は,各波長で被試験器の測定値を基準器の測定値で除した値を求めることによって行い,部分誤差
の上限及び下限を,それぞれ次の式によって算出する。
100
(%)
0
0
1
×
−
=
R
R
R
tui
ε
100
(%)
0
0
2
×
−
=
R
R
R
tli
ε
ここに, εtui: 部分誤差の上限 (%)
εtli: 部分誤差の下限 (%)
R0: 被試験器に規定の基準波長での被試験器の測定値を基準器
の測定値で除した値
R1: 被試験器に規定の基準波長以外での測定値を基準器の測定
値で除した値の最大値
R2: 被試験器に規定の基準波長以外での測定値を基準器の測定
値で除した値の最小値
6.3.4
偏光依存性 偏光依存性の試験は5.4.3による。
6.3.5
NA依存性 NAの異なる光ファイバに対する被試験器の感度特性試験は,次による。
(1) 光ファイバのNAによる影響及び反射が無視できる基準器を用意する。
備考 例えば,十分な受光面積と一様な面感度分布をもつ熱形検出器が,これに相当する。
(2) 被試験器に使用可能で,異なるNAをもつ複数の光ファイバを試料とする。
備考1. 標準試験条件でのシングルモード光ファイバを必ず含むこと。
2. 使用可能なNAの最大値及び最小値に近いNAをもつ光ファイバを必ず含むこと。
3. 用意する光コネクタのフェルールは,同一タイプのものとする。
(3) (2)の光ファイバを用い,被試験器による光パワーの測定値と基準器による測定値を記録し,その比を
求める。
備考 光ファイバを励振するために使用する光源の広がり角は,被試験器に使用可能な光ファイバの
NA以上とする。
(4) (3)の最大値及び最小値から部分誤差の上限及び下限を,それぞれ次の式によって算出する。
100
(%)
0
0
1
×
−
=
R
R
R
tui
ε
100
(%)
0
0
2
×
−
=
R
R
R
tli
ε
ここに, εtui: 部分誤差の上限 (%)
εtli: 部分誤差の下限 (%)
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R0: シングルモード光ファイバを使用したときの被試験器の測
定値を基準器による測定値で除した値
R1: シングルモード光ファイバ以外の試料を用いたときの被試
験器の測定値を基準器による測定値で除した値の最大値
R2: シングルモード光ファイバ以外の試料を用いたときの被試
験器の測定値を基準器による測定値で除した値の最小値
6.3.6
多重反射依存性 多重反射の依存性の試験は次による。
(1) 受光面の反射がゼロ又は無視できる基準器を使用する。
備考 例えば,熱形検出器がこれに相当する。
(2) 光ファイバ軸に斜め及び垂直に研磨されたフェルールをもつ光ファイバコネクタを試料とする。
備考 光ファイバのNAは同一のものとする。
(3) (2)の二つのコネクタを用い,被試験器の測定値と基準器による測定値を記録し,その比を求める。
(4) (3)データの二つの差から部分誤差の上限及び下限をそれぞれ次の式によって算出する。
εtui (%) = (R1-1) ×100
εtli (%) = (R2-1) ×100
ここに,
εtui: 部分誤差の上限 (%)
εtli: 部分誤差の下限 (%)
R1, R2: 被試験器の測定値を基準器による測定値で除した値 (R1>
R2)
6.3.7
ゼロドリフト 光入力がない状態で出力の時間的変化を試験する。被試験器を規定の時間,予熱を
行った後,ゼロ点調整を行い,1時間にわたって出力変化を測定する。
この試験は,被試験器に指定の最小レンジについて,標準試験条件で行う。
部分誤差の上限及び下限を,それぞれ次の式によって算出する。
100
(%)
0
1×
=RR
tui
ε
100
(%)
0
2×
=RR
tli
ε
ここに, εtui: 部分誤差の上限 (%)
εtli: 部分誤差の下限 (%)
R0: 最小レンジのフルスケール値
R1: 光入力がない状態での出力の最大値
R2: 光入力がない状態での出力の最小値
なお,ドリフトの測定値がゼロ未満の場合には,R1,R2は負とする。
6.3.8
温度依存性 周囲温度を被試験器に指定の使用温度範囲の下限から上限,又は上限から下限に変化
させ,光入力に対する感度の変化を試験する。
なお,標準試験条件は必ず含まなければならない。この試験では,被試験器が周囲温度と温度安定状態
となるまで,十分に時間をかける必要がある。
部分誤差の上限及び下限を,それぞれ,次の式によって算出する。
100
(%)
0
0
1
×
−
=
R
R
R
tui
ε
100
(%)
0
0
2
×
−
=
R
R
R
tli
ε
ここに, εtui: 部分誤差の上限 (%)
εtli: 部分誤差の下限 (%)
11
C 6184-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
R0: 標準試験条件での測定値
R1: 測定値の最大値
R2: 測定値の最小値
6.3.9
照射時の安定度
(1) 連続光用の被試験器に対しては,最大測定パワーを1時間照射し,その間の測定値の変化を測定する。
測定間隔は,被試験器の応答時間よりも十分長くする。
(2) 測定は,被試験器を規定の時間,予熱をした後に行う。
測定値のばらつきを,次の式によって算出する。
100
1
)
(
1
(%)
1
2
×
−
−
=
∑
=
m
x
x
x
m
i
i
te
ε
ここに, εte: 測定値のばらつき (%)
xi: 測定値
x: 測定値の平均
m
x
x
m
i
i
∑
=
=
1
m: 測定回数
7. 過負荷試験 被試験器に応答時間の10倍以上で,少なくとも10分間,最大測定光パワーの約2倍の
光パワーを照射した後,校正を行い異常の有無を調べる。この試験に使用する光ファイバ用光源は,被試
験器に規定の波長範囲のものとする。
8. 強度試験
備考 被試験器の検出器の受光面が,金黒などのぜい(脆)弱な材質であり,強度試験によって回復
不能となるおそれがある場合は,この試験を省略する。
8.1
振動試験 振動試験はJIS C 1003の8.3(振動)の規定によって行う。
8.2
衝撃試験 衝撃試験はJIS C 1003の8.4(衝撃)の規定によって行う。
関連規格 JIS Z 8703 試験場所の標準状態
12
C 6184-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電子部会 オプトエレクトロニクス専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
田 中 俊 一
東京理科大学
神 谷 武 志
東京大学
日 高 建 彦
工業技術院電子技術総合研究所
佐 藤 卓 蔵
財団法人光産業技術振興協会
三 宅 信 弘
通商産業省機械情報産業局
栗 原 史 郎
工業技術院標準部
吉 田 淳 一
日本電信電話株式会社
波 平 宜 敬
国際電信電話株式会社
山 本 益 生
東京電力株式会社
冨加見 昌 男
東日本旅客鉄道株式会社
小 川 武
日本放送協会
荻 雅 勇
住宅・都市整備公団
北 村 芳 靖
日本道路公団
大久保 勝 彦
古河電気工業株式会社
橋 利 雄
富士通株式会社
古 寺 博
株式会社日立製作所
須 川 毅
住友電気工業株式会社
田 中 英 吉
社団法人日本電気計測器工業会
立 川 明
社団法人日本電子機械工業会
江 本 俊 夫
社団法人日本電線工業会
(専門委員)
J. P. スターン
米国電子業界日本事務所
P. キャロル
GECマルコーニジャパン
(関係者)
石 川 邦 男
株式会社島津製作所
前 田 昌 昭
財団法人機械電子検査検定協会
(事務局)
高 橋 和 夫
工業技術院標準部電気規格課
畠 山 孝
工業技術院標準部電気規格課
土 橋 稔 史
工業技術院標準部電気規格課
財団法人 光産業技術振興協会光測定器標準化委員会(平成4年度) 構成表
氏名
所属
(委員長)
藤 瀬 雅 行
株式会社ATR
青 山 耕 一
日本電信電話株式会社
芦 川 栄 晃
株式会社東芝
足 立 正 二
安藤電気株式会社
石 川 邦 男
株式会社島津製作所
川 原 浄 彦
島田理化工業株式会社
栗 原 史 郎
工業技術院標準部(1992年7月から)
稲 葉 裕 俊
工業技術院標準部(1992年6月まで)
坂 野 伸 治
株式会社日立製作所
佐 藤 宗 純
工業技術院電子技術総合研究所
立 川 義 彦
横河電機株式会社
田 中 憲 三
株式会社アドバンテスト
波 平 宣 敬
国際電信電話株式会社
早 川 弘 一
古河電気工業株式会社
堀 松 哲 夫
株式会社富士通研究所
前 田 昌 昭
財団法人機械電子検査検定協会
森 秀 夫
アンリツ株式会社
森 基 祐
セイコー電子工業株式会社
山 田 剛
株式会社フジクラ
渡 辺 弘 光
三菱電機株式会社
(オブザーバ)
古 川 真 一
日本電信電話株式会社
(事務局)
高 野 洸
財団法人光産業技術振興協会