C 6122-6 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録
出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 6122-6には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) 略語目録
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 6122-6 : 1998
光ファイバ増幅器−測定方法−
第6部:漏れ励起光パラメータ測定方法
Optical fiber amplifiers−Test methods−
Part 6 : Test methods for pump leakage parameters
序文 この規格はIEC 61290-6-1, Basic specification for optica1fibre amplifiers test methods-Test methods for
pump leakage parameters−Optical demultiplexer test methodを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更す
ることなく作成した日本工業規格である。
この規格は,光ファイバ増幅器に関する最初の規格である。しかし,この分野には新技術が多く,しかも
日々進展中であるため,この規格には今後修正,更新が必要である。
この規格中で使用される略語は最初に使用される箇所で説明するとともに,目録を附属書に掲載する。
この規格は,JIS C 6121 (IEC 61291-1) と併用する。
1. 適用範囲及び目的 この規格は,現在商用化されている希土類が添加されたアクティブ光ファイバを
使用した光ファイバ増幅器 (OFA) に適用する。
この規格の目的は,IEC 61291-1の3.に定義される光ファイバ増幅器の次のパラメータについて,正確
で信頼性のある測定を行うために必要な一定の条件を確立することにある。
a) 励起光出力側漏れ量
b) 励起光入力側漏れ量
備考 (*)を付けたすべての数値は暫定値とする。
2. 引用規格 この規格では次の規格を引用している。引用規格の [edition] は,この規格が出版された時
点の最新版である。これらの規格は改訂の可能性があるので,常に最新版を引用することが必要である。
各国際規格の最新版はIEC及びISOの会員が把握している。
IEC 60793-1 : 1992 Optical fibres−Part 1 : Generic specification, First edition
備考 この規格には,次の日本工業規格が対応している。
JIS C 6820 光ファイバ通則
JIS C 6821 光ファイバ機械特性試験方法
JIS C 6822 マルチモード光ファイバ構造パラメータ試験方法
JIS C 6823 マルチモード光ファイバ損失試験方法
JIS C 6824 マルチモード光ファイバ帯域試験方法
JIS C 6825 シングルモード光ファイバ構造パラメータ試験方法
JIS C 6826 シングルモード光ファイバ損失試験方法
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JIS C 6827 シングルモード光ファイバ波長分散試験方法
IEC 60825-1 : 1993 Safety of laser products−Part 1 : Equipment classification, requirements and user's
guide,Second edition
備考 上記規格及び修正条項に対応する日本工業規格は,JIS C 6802(レーザ製品の安全基準)で
ある。
IEC 60825-2 : 1993 Safety of laser products−Part 2 : Safety of optical fibre communication systems, First
edition
IEC 60874-1 : 1987 Connectors for optical fibres and cables−Part 1 : Generic specification, Third edition
1993
備考 この規格に対応する日本工業規格は,JIS C 5962(光ファイバコネクタ通則)及びJIS C 5961
(光ファイバコネクタ試験方法)である。
Fiber optic terminology [CD86 (Sec.) 33]
IEC 61291-1 Optical fibre amplifiers−Part 1 : Generic specification, First edition
備考 この規格に対応する日本工業規格は,JIS C 6121(光ファイバ増幅器通則)である。
3. 装置 測定系の構成を図1に示す。
必要な測定機器とその所要性能は次のとおりである。
a) 光源 光源は,信号光波長と,光分波器校正のための励起光波長の光を発生する。それらの波長範囲
を可変できる波長可変光源,又は,それら二つの波長の波長固定光源を使用する。
− 波長固定光源 この光源は個別規格で規定される波長と光パワーの光を発生する。特に規定がな
い限り,光源は,スペクトル半値全幅が1nm(*)以下の連続波を出力する。例えば,DFBレーザ,
DBRレーザ,外部共振器型半導体レーザ (ECL),及び狭帯域光フィルタ付LEDを適用する。
− 波長可変光源 この光源は,個別規格で規定される波長範囲と光パワーの光を波長可変で発生す
る。特に規定がない限り,光源はスペクトル半値全幅が1nm(*)以下の連続波を出力する。例えば,
ECLか狭帯域光フィルタ付LEDを適用する。ECLのサイドモード抑圧比は,30dB(*)以上とする。
備考 LEDは小信号での測定に限って使用する。
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図1 光分波器法による励起光漏れ量測定系の構成
b) 光アイソレータ 光アイソレータの偏波依存損失変動は0.2dB(*)以下,アイソレーションは40dB(*)以
上,反射率は両端子とも−40dB(*)以下とする。
c) 可変光減衰器 可変光減衰器は,偏波依存性が小さく,かつ減衰範囲は40dB(*)以上,安定性は±
0.1dB(*)以下,反射率は両端子とも−40dB(*)以下とする。
d) 光分波器 光分波器の光透過率の偏波依存性は,±0.1dB(*)以下とする。この装置は,次の特性をもつ。
− 端子Aは,励起光と信号光の双方の波長を透過させる帯域をもち,装置内で,端子B及び端子C
に接続されている。
− 端子Bは,励起光波長を透過させ,かつ,信号光波長に対しては20dB(*)を超える損失を発生さ
せる波長特性をもつ(その結果,ASEは遮断されることとなる。)。
− 端子Cは,信号光波長を透過させ,かつ,励起光波長に対しては20dB(*)を超える損失を発生さ
せる波長特性をもつ。
− 端子Aにおける反射率は,−50dB(*)以下とする。
e) 光パワーメータ 光パワーメータは,光ファイバ増幅器の信号光及び励起光の波長領域で,偏波依存
性がなく,±0.2dBより良好な測定確度をもつ。
f)
光ファイバコード 接続する光ファイバコードのモードフィールド径は,光ファイバ増幅器の入出力
端子の光ファイバのモードフィールド径にできるだけ一致させる。反射率は,−40dB(*)以下,長さは
2m以下とする。
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4. 試料 光ファイバ増幅器は公称動作条件で動作する。測定の間,入力光の偏波状態を一定に維持する。
入力光の偏波状態の変化は,使用されている光部品のもつわずかな偏波依存性が原因で入力光パワーを変
動させ,測定誤差の原因となる。
5. 手順 この方法は,光ファイバ増幅器の入出力側への励起光の漏れ量の測定を目的としたものであり,
光ファイバ増幅器の励起光を,事前に挿入損失を測定した光分波器によって信号光と分離した後に,パワ
ーを測定することによってなされる。測定手順は次のとおりとする。
a) 励起光出力側漏れ量
i)
光分波器の挿入損失を測定するため,図2に示すように,光源を,個別規格で規定される励起光波
長に設定する。
ii) 図2に示すように,光分波器の端子Cを無反射終端し,端子Bからの出力光パワーPBを光パワー
メータで測定する。
iii) 図2の光分波器を光パワーメータで置き換えた構成で,光分波器の入力光パワーPAを,光パワーメ
ータで測定する。
備考 励起光波長領域で,光分波器の挿入損失 (L=PA−PB) の波長依存性が顕著な場合,測定光源と
被測定光ファイバ増幅器の励起レーザとの波長差によって,測定誤差が発生し得る。この誤差
を低減するため,被測定光ファイバ増幅器自体の励起レーザを測定光源として使用できる場合
もある(残留励起光が十分な強度をもつ場合)。この場合,手順ii)及びiii)は図2と同様の系で
測定できる。ただし,光源を,励起光波長に透過帯域をもつ狭帯域フィルタ(例 前述のもの
と同様の特性の光分波器)を接続した被測定光ファイバ増幅器に置き換える。
iv) 図1a)に示されるように,個別規格で規定される測定信号波長に光源を設定する。
v) 光源と可変光減衰器を調整し,光ファイバ増幅器の入力端子での光パワーを個別規格で規定される
Pinに設定する。光ファイバ増幅器の入力端子での光パワーは,図1a)の被測定光ファイバ増幅器を
光パワーメータに置き換えた系で測定する。
vi) 光ファイバ増幅器の出力側での残留励起光強度PPを,図1a)に示すように光パワーメータを用いて
測定する。
図2 光分波器の挿入損失測定系の構成
b) 励起光入力側漏れ量 a)と同様とする。ただし,手順iv)からvi)は以下の手順に置き換える。
iv) 図1b)に示すように,光源の波長を,個別規格で規定される測定波長に設定する。
v) 光源と可変光減衰器を調整し,光ファイバ増幅器の入力端子での光パワーを個別規格で規定される
Pinに設定する。光ファイバ増幅器の入力端子での光パワーは,図1b)の被測定光ファイバ増幅器を
光パワーメータに置き換えた系で測定する。
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vi) 光ファイバ増幅器の入力側での残留励起光強度PPを,図1b)に示すように光パワーメータを用いて
測定する。
6. 計算方法
a) 励起光出力側漏れ量 光強度PBとPA(単位dBm)を用い,光分波器の挿入損失絶対値Lを,次の式
によって算出する。
L=PA−PB (dB)
光ファイバ増幅器の励起光出力側漏れ量を,次の式によって算出する。
PL=PP+L (dBm)
b) 励起光入力側漏れ量 a)と同様にPLを算出する。ただし,この場合PLは励起光入力側漏れ量を表す。
7. 測定結果
a) 励起光出力側漏れ量 次の項目についてその詳細を示す。
i)
測定系の構成
ii) 信号光源のスペクトル線幅(半値全幅)
iii) 測定に用いた信号及び励起光波長
iv) 励起光パワー(測定可能な場合)
v) 周囲温度
vi) 信号光パワー Pin
vii) 光分波器挿入損失 L
viii) 励起光出力側漏れ量 PL
b) 励起光入力側漏れ量 励起光出力側漏れ量測定項目に記載されているi)からvii)までの項目に加え,次
の項目を記載する。
viii) 励起光入力側漏れ量
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附属書(参考) 略語目録
DBR
分布ブラッグ反射(半導体レーザ)
DFB
分布帰還型(半導体レーザ)
ECL
外部共振器型半導体レーザ
LED
発光ダイオード
OFA
光ファイバ増幅器
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光ファイバ増幅器標準化委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
岡 村 治 男
日本電信電話株式会社NTT光ネットワークシステム研究所
(委員)
水 本 哲 弥
東京工業大学工学部
枝 川 登
国際電信電話株式会社研究所
大 石 昭 夫
株式会社日立製作所情報通信事業部
雄 谷 順
松下電子工業株式会社技術本部電子総合研究所
小野田 義 人
富士通株式会社光アクセスシステム推進部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会技術部
式 井 滋
沖電気工業株式会社第二基幹ネットワーク事業部
園 部 洋 治
アンリツ株式会社計測器事業部
西 村 正 幸
住友電気工業株式会社横浜研究所
橋 爪 邦 隆
通商産業省工業技術院標準部
藤 田 正 幸
日本電気株式会社伝送デバイス事業部
柳 川 久 治
古河電気工業株式会社情報システム事業本部
吉 田 実
三菱電線工業株式会社情報通信事業部
和 田 朗
株式会社フジクラ光エレクトロニクス研究所
増 田 岳 夫
財団法人光産業技術振興協会開発部
(事務局)
藤 延 康 裕
財団法人光産業技術振興協会開発部
平 原 奎治郎
財団法人光産業技術振興協会開発部