C 6122-10-2:2010 (IEC 61290-10-2:2007)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 記号及び略語 ··················································································································· 2
4 装置······························································································································· 3
5 試験サンプル ··················································································································· 5
6 試験······························································································································· 5
6.1 概要 ···························································································································· 5
6.2 校正 ···························································································································· 5
6.3 出力信号光及びノイズの測定 ··························································································· 6
7 計算······························································································································· 7
8 試験結果························································································································· 8
附属書A(参考)パルス繰返し周波数の測定 ············································································· 9
C 6122-10-2:2010 (IEC 61290-10-2:2007)
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
JIS C 6122の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 6122-1 第1部:利得パラメータ測定方法
JIS C 6122-2 第2部:パワーパラメータ測定方法
JIS C 6122-3 第3部:雑音指数パラメータ測定方法
JIS C 6122-3-2 第3-2部:雑音指数パラメータ−電気スペクトラムアナライザ試験方法
JIS C 6122-5-1 第5-1部:光反射率パラメータ測定方法−光スペクトラムアナライザを用いた測定方
法
JIS C 6122-6 第6部:漏れ励起光パラメータ測定方法
JIS C 6122-7 第7部:波長帯域外挿入損失測定方法
JIS C 6122-10-1 第10-1部:マルチチャネルパラメータ−光スイッチ及び光スペクトラムアナライザ
を用いたパルス法
JIS C 6122-10-2 第10-2部:マルチチャネルパラメータ−ゲート付き光スペクトラムアナライザを用
いたパルス法
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日本工業規格
JIS
C 6122-10-2:2010
(IEC 61290-10-2:2007)
光増幅器−測定方法−
第10-2部:マルチチャネルパラメータ−ゲート付き
光スペクトラムアナライザを用いたパルス法
Optical amplifiers-Test methods-Part 10-2: Multichannel parameters-
Pulse method using a gated optical spectrum analyzer
序文
この規格は,2007年に第2版として発行されたIEC 61290-10-2を基に,技術的内容及び対応国際規格の
構成を変更することなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,希土類ドーパントを含んだアクティブな光ファイバを使用する光ファイバ増幅器(OFA)
に適用する。
この規格の目的は,JIS C 6121で定義する信号光−ASE間雑音指数の正確,かつ,信頼性のある測定を
行うための一定の要求事項を確立することである。
この試験方法は,供試OFAに光パルスを入力することによって増幅された信号パワーと増幅された自然
放出光(ASE)とを独立して検出する。ASEレベルは,光パルスがオフの期間に同期させて光スペクトラ
ムアナライザ(OSA)で測定する。平均信号光レベルは,OSAで連続サンプリングすることによって測定
する。
希土類が添加されたOFA,特にエルビウム(Er)が添加されたOFAではその利得応答が比較的遅いの
で,上記のような測定が可能となる。
しかし,増幅器のタイプ,動作条件及び制御方式によってOFAの利得ダイナミクスが異なるので,ここ
で規定する試験方法を様々なOFAに適用するときには,慎重に検討することが望ましい。OFAの製造業
者は,測定誤差を1 dB未満に抑えるために,変調周波数を確認するためのデータを提示することが望まし
い。この情報を得るための測定を,附属書Aに示す。
信号光−ASE間雑音指数を決定するための測定方法には,光学スイッチングを用いる方法及びゲート付
きOSAを用いる方法がある。この規格では,ゲート付きOSAを用いる方法について規定する。光学スイ
ッチングを用いる方法は,JIS C 6122-10-1による。
この試験方法は,基本的にはマルチチャネル用として規定するが,マルチチャネル用途の特殊な場合と
してシングルチャネル用途も含む。
なお,この規格で記号‡を付したすべての数値は,その数値を満足すればこの規格で規定する測定が正
確であることを保証することを意味する。その他の値を許容してもよいが,検証することが望ましい。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
2
C 6122-10-2:2010 (IEC 61290-10-2:2007)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
IEC 61290-10-2:2007,Optical amplifiers−Test methods−Part 10-2: Multichannel parameters−Pulse
method using a gated optical spectrum analyzer(IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,一致していること
を示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 6121 光増幅器−通則
注記 対応国際規格:IEC 61291-1,Optical amplifiers−Part 1: Generic specification(IDT)
JIS C 6122-10-1 光増幅器−測定方法−第10-1部:マルチチャネルパラメータ−光スイッチ及び光ス
ペクトラムアナライザを用いたパルス法
注記 対応国際規格:IEC 61290-10-1,Optical amplifiers−Test methods−Part 10-1: Multichannel
parameters−Pulse method using an optical switch and optical spectrum analyzer(IDT)
IEC 61290-3-1,Optical amplifiers−Test methods−Part 3-1: Noise figure parameters−Optical spectrum
analyzer method
3
記号及び略語
AGC
自動利得制御
(Automatic gain control)
ALC
自動レベル制御
(Automatic level control)
ASE
増幅された自然放出光
(Amplified spontaneous emission)
CW
連続波
(Continuous wave)
DBR
分布ブラッグ反射器(レーザダイオード) [Distributed Bragg reflector (laser diode)]
DFB
分布帰還形(レーザダイオード)
[Distributed feed-back (laser diode)]
ECL
外部共振器形半導体レーザ(ダイオード) [External cavity laser (diode)]
FWHM
半値全幅
(Full-width half maximum)
LED
発光ダイオード
(Light emitting diode)
OFA
光ファイバ増幅器
(Optical fiber amplifier)
OSA
光スペクトラムアナライザ
(Optical spectrum analyzer)
WDM
波長分割多重
[Wavelength-division multiplexing (or multiplexer)]
PiPM
パワーメータでの信号源入力パワー
(source input power on the power meter)
PiOSA
入力信号光パワー
(input signal power)
λsignal
信号光波長
(signal wavelength)
BRBW
分解能帯域幅
(resolution bandwidth)
meas
total
P
出力信号光パワーとASEパワーとの和
(output signal power plus ASE)
meas
ASE
N
ASEパワー測定値
(measured ASE power)
Ccal
校正係数
(calibration coefficient)
Polinear
リニアな出力信号光パワー
(linear output signal power)
Po
出力信号光パワー
(output signal power)
G
利得
(gain)
3
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NFsig-sp
信号光−ASE間雑音指数
(signal-spontaneous noise figure)
h
プランク定数
(Planckʼs constant)
ν
信号周波数
(signal frequency)
4
装置
測定のための基本的な構成を,図1に示す。光信号源モジュールは,供試OFAにパルス光を供給し,
OSAにはゲート機能をトリガする同期信号を供給する。OSAの測定可能範囲内の値になるように,可変光
減衰器によってOSAへのパワーレベルを調整する。
図1−信号光−ASE間雑音指数パラメータ測定のための測定装置(基本的な構成)
試験装置の特徴を,次に示す。
a) 光信号源モジュール 図2に示すように,光信号源モジュールには,二つの構成が可能である。最初
の光信号源モジュール[図2 a) 参照]は,CW光信号源,光スイッチ,可変光減衰器及びパルス発生
器からなる。2番目の光信号源モジュール[図2 b) 参照]は,直接変調光信号源,可変光減衰器及び
パルス発生器からなる。図には1台の可変光減衰器だけを示すが,通常,多波長光源に対しては,可
変光減衰器は各チャネルに一つあるので,各チャネルのパワーを独立して調整できる。
特に指定のない限り,図2に示す両方の光信号源モジュールの出力スペクトルのFWHMは,隣接
チャネルへの干渉を引き起こさないように0.1 nm‡より狭くなければならない。単一チャネル光源の
場合には,1 nm‡より狭くなければならない。例えば,DFBレーザダイオード,DBRレーザダイオー
ド及びECLダイオードを用いることができる。DFBレーザダイオード,DBRレーザダイオード又は
ECLダイオードのサイドモード抑圧比は,30 dB‡を超えなければならない。出力変動は0.05 dB‡未満
でなければならないが,これは各光源の出力ポートに光アイソレータを置くことで容易に達成できる。
注記 測定のための機器構成又は増幅器に,例えば,2か所の反射点の間の共振器のような多重経
路があると,測定において干渉によるパワー変動が起こり得る。これらの変動は,−40 dB‡
未満の反射率をもつコネクタ又は融着接続を用いて抑制することが望ましい。取り除くこと
ができない反射点が,測定のための機器構成中に存在する場合には,これら反射点で構成さ
れる共振器の共振器長よりも十分短いコヒーレンス長となるように,光信号源のスペクトル
線幅を広くすることによってパワー変動を抑制することが望ましい。
4
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a) 光学スイッチング形光信号源モジュール
b) 直接変調形光信号源モジュール
図2−光信号源モジュールの二つの構成
いずれの光信号源モジュールに対しても,消光比は65 dB‡より大きくなければならない。直接変調
されたWDM光源に対しては,個々のレーザを確実に同期させることが望ましい。図2 a) に示す光ス
イッチは,必要な消光比を得るために通常音響光学素子を用いる。
変調器ドライバと組み合わせたパルス発生器は,25 kHz〜300 kHzの可変繰返し周波数及び50 %の
デューティサイクルをもつ光パルスを供給しなければならない。10 %から90 %への立ち上がり時間及
び90 %から10 %への立ち下がり時間は,パルス幅の10 %‡より短くしなければならない。トリガ出
力は,光パルスのターンオンエッジと±1 μs‡の精度で一致しなければならない。
光信号源モジュールに可変光減衰器が内蔵されていない場合には,図2に示す光信号源モジュール
の後ろに,外付けの可変光減衰器を置かなければならない。この可変光減衰器は,40 dB‡より大きい
減衰可能範囲をもち,かつ,設定する減衰量の値に対して±0.1 dBより高い安定性をもたなければな
らない。この可変光減衰器からの反射率は,各ポートにおいて−40 dB‡より小さくなければならない。
b) 可変光減衰器 OSAの前の可変光減衰器は,減衰範囲は20 dB‡より大きく,安定性は±0.1 dBより高
くなければならない。
c) 光スペクトラムアナライザ 光スペクトラムアナライザは,偏光依存性が±0.05 dB‡未満,安定度が
±0.1 dB‡未満,波長確度が±0.5 nm‡未満,かつ,波長再現性が±0.01 nm‡未満でなければならない。
分解能帯域幅は,設定する分解能帯域幅の値に対して±3 %未満の精度で校正することが望ましい。
装置は,0.1 nm‡未満の分解能帯域幅をもち,測定範囲は−75 dBm〜+10 dBm‡,又はそれより広くな
ければならない。この装置からの反射率は,その入力ポートにおいて−35 dB‡未満でなければならな
い。OSAは,外部トリガ信号に同期して,トリガ信号との遅延時間を調整しながらデータサンプリン
グを行う(ゲートする)機能をもたなければならない。トリガ遅延分解能は,1 μs‡以下でなければな
らない。また,OSAは,パルスがオン及びオフとなる全区間にわたって平均光パワーを測定するため
5
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に連続サンプリング(ゲートしない)を行う機能をもたなければならない。
d) 光パワーメータ 光パワーメータは,OFAの動作波長帯域内及び−40 dBm〜+20 dBm‡のパワー範囲
内において,入力光の偏光状態にかかわりなく,±0.2 dB‡未満の測定精度をもたなければならない。
e) 光コネクタ 光コネクタの接続損失の繰返し再現性は,±0.1 dB‡未満でなければならない。光コネク
タの反射率は,−40 dB‡未満でなければならない。
f)
光ファイバコード 光ファイバコードのモードフィールド径とOFAの入出力ポートに用いる光ファ
イバのモードフィールド径との差は,±0.5 μm以下でなければならない。光ファイバコードからの反
射率は−40 dB‡未満,光ファイバコードの長さは10 m未満でなければならない。
g) 偏波コントローラ 偏波コントローラは,OFAへの入力信号光としてすべての可能な偏光状態[直線,
だ(楕)円及び円]を生成できなければならない。例えば,偏波コントローラは全ファイバ形であっ
てもよいし,最低90°回転可能な1/4波長板及び最低180°回転可能な1/2波長板で構成してもよい。
偏波コントローラの損失変化は,0.1 dB‡未満でなければならない。偏波コントローラからの反射率は,
各ポートで−40 dB‡未満でなければならない。偏波コントローラは,OSAの平均化時間より高速で偏
光状態をスクランブルするランダム化モードで動作しなければならない。
5
試験サンプル
OFAは公称動作条件の下で動作しなければならない。不要な反射によってOFAがレーザ発振を引き起
こす可能性がある場合,供試OFAを反射戻り光から保護するために光アイソレータを使用することが望ま
しい。これによって,信号の不安定性と測定の不正確さとを最小限にできる。
測定中,入力光の偏光状態を一定に維持するように注意しなければならない。入力光の偏光状態が変化
すると,各部品のわずかな偏光依存性が累積されて入力パワーが変動し,測定誤差が生じる。この問題は,
偏波コントローラを使用することで大部分は取り除くことができる。
6
試験
6.1
概要
試験は,次の二つの手順で行う。
a) 校正
b) 出力信号光及びノイズの測定
6.2
校正
校正は,次の手順で行う。
a) 光信号源モジュールの変調周波数及び出力光パワー(又は,可変光減衰器の減衰量)を設定する。
b) 予想されるOFAからの最大光パワーがOSAで規定した入力光レベルを超えないように,OSAの前の
可変光減衰器の減衰量を設定する。偏波コントローラを使用する場合,偏光状態をスクランブルする
ランダム化モードに設定する。
c) 図1に示すように,光信号源モジュールを光パワーメータに接続し,PiPM(dBm)を測定する。光信
号源が多波長光信号源の場合,波長ごとに入力し,各波長でPiPMを測定する。
d) OSAを連続サンプリング(ゲートしない)に設定する。このモードでは,パルスがオン及びオフとな
る全区間にわたる平均光パワーを測定する。
e) 図1で示すように可変光減衰器を介して光信号源をOSAに接続し,PiOSAを測定する。多波長光信号
源の場合,各波長で測定を繰り返す。
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光パワーメータは,光信号源の自然放出を含む光パワーの総量を検出する。信号光強度の自然放出光強
度に対する比が40 dB/nm未満の光信号源に対しては,OSA校正の効果を検討し,それに応じて補正しな
ければならない。
光パワーメータで検出される光パワーの総量に関し,信号光強度そのもののパワーについては,一般的
に,OSAで検出される光信号波形から,その光信号源成分と自然放出光成分とを切り分け,導出すること
もある。これらは,ASE補間法,偏波消光法,時間消光法などによって自然放出光の混入成分を補正する
ことも含む。
6.3
出力信号光及びノイズの測定
出力信号光及びノイズの測定方法を,次に示す。
a) 図1に示すように,光信号源モジュールと可変光減衰器との間にOFAを接続する。
b) パルスがON,OFFとなる全区間にわたる平均光パワーを測定するために,OSAを連続サンプリング
モードに設定する。BRBWでλsignalにおけるOSAの指示値
meas
total
P
(dBm)を読み取る。BRBWの標準的な
値は,0.2 nmである。
meas
total
P
は,出力信号光パワーとASEパワーとの和を表す。
c) OSAのトリガ機能(ゲート機能)をオンに設定する。
d) パルスオフ期間の中心でASEパワーを測定するために,トリガの遅延時間を変調周期の25 %に設定
する(図3参照)。
e) λsignal+Δλ及びλsignal−Δλにおける光パワーをOSAから読み取る。これらは信号光波長からのオフセッ
トΔλにおけるASEパワー
meas
ASE
N
(λsignal+Δλ) 及び
meas
ASE
N
(λsignal−Δλ) であり,単位はdBmで表す。
f)
多波長光信号源の場合,この手順をチャネルごとに繰り返す。
不完全な光信号源の消光比及びOSAの過渡応答による測定誤差は,信号光波長から微小量Δλだけ離れ
た波長におけるASEパワーを補間することによって取り除くことができる。IEC 61290-3-1に示すように,
非理想的な偏光子の消光比による影響を取り除くためには,補間法は偏光ヌリング法にとって不可欠であ
る。Δλの値は,ゼロ(補間なし)から約1 nmまでの範囲をとり得る。多波長光信号源において,Δλはチ
ャネル間隔の半分未満に設定することが望ましい。OFAが急しゅん(峻)なフィルタを含んでいると,こ
こで述べる単純な直線補間法はかなりの誤差をもたらすことになる。その場合,信号光波長近傍のASEデ
ータに合うように,適切な多項式による補間を行うことが望ましい。補間法は多くの場合測定精度を改善
するが,この手順を実施するための必す(須)項目ではない。
パルス繰返し周波数25 kHzのタイミング図を,図3に示す。より高い繰返し周波数に対しては,その周
波数に応じてサンプリングのタイミングを調整する。OSAによるサンプリングは,図で示すようにすべて
のパルスオフ期間で毎回行う必要はない。
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図3−タイミング図
7
計算
a) 校正係数は,式(1) によって算出する。
この校正係数は,パワーメータ測定値とOSA測定値との整合を図るものである。ここで,出力側に
配置する光可変減衰器の減衰量は,OSAの振幅応答と同等のものであるとみなすことができる。
Ccal=PiPM−PiOSA ········································································ (1)
ここに,
Ccal: 校正係数(dB)
PiPM: パワーメータでの信号源入力パワー(dBm)
PiOSA: OSAでの信号源入力パワー(dBm)
b) 信号光波長でのASEパワーは,式(2) によって算出する。
cal
signal
meas
ASE
signal
meas
ASE
ASE
C
N
N
N
+
∆
−
+
∆
+
=
2
)
(
)
(
λ
λ
λ
λ
······························ (2)
ここに,
NASE: 信号光波長でのASEパワー(dBm)
meas
ASE
N
(λsignal+Δλ): λsignal+ΔλにおけるASEパワー(dBm)
meas
ASE
N
(λsignal−Δλ): λsignal−ΔλにおけるASEパワー(dBm)
Ccal: 校正係数(dB)
c) リニアな出力信号光パワーは,式(3) によって算出する。
10
10
10
10
ASE
cal
meas
total
linear
o
N
C
P
P
−
=
+
··························································· (3)
ここに,
Polinear: リニアな出力信号光パワー(mW)
meas
total
P
: 出力信号光パワーとASEパワーとの和(dBm)
Ccal: 校正係数(dB)
NASE: 信号光波長でのASEパワー(dBm)
d) 出力信号光パワーは,式(4) によって算出する。
Po=10 log Polinear ········································································ (4)
ここに,
Po: 出力信号光パワー(dBm)
Polinear: リニアな出力信号光パワー(mW)
e) 利得は,式(5) によって算出する。
G=Po−PiPM ············································································· (5)
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ここに,
G: 利得(dB)
Po: 出力信号光パワー(dBm)
PiPM: パワーメータでの信号源入力パワー(dBm)
f)
信号光−ASE間雑音指数は,式(6) によって算出する。
NFsig-sp=NASE−G−10 log (h×ν×BRBW) ··········································· (6)
ここに, NFsig-sp: 信号光−ASE間雑音指数(dB)
NASE: 信号波長でのASE(dBm)
G: 利得(dB)
h: プランク定数(Ws2)
ν: 信号周波数(Hz)
BRBW: OSAの分解能帯域幅(Hz)
8
試験結果
各チャネルについて,次に示す内容を詳細に記述しなければならない。
a) 光信号源のスペクトル線幅(半値全幅)
b) 入力信号光波長 λK
c) 分解能帯域幅,BRBW
d) 励起光パワーの表示(測定可能な場合)
e) 周囲温度
f)
パルス繰返し周波数
g) 入力パワーレベル
h) 補間のためのオフセット波長 Δλ
i)
利得,G
j)
ASEパワー NASE
k) 信号光−ASE間雑音指数 NFsig-sp
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附属書A
(参考)
パルス繰返し周波数の測定
ErドープOFAの利得応答が100 μs以上であるように,希土類をドーピングしたOFAの利得応答は,比
較的遅い。したがって,この附属書に記載する測定は可能である。
利得回復時間は,25 kHz〜100 kHzの範囲のパルス繰返し周波数を許容する。OFA利得応答対変調周波
数を評価するための簡単な構成を,図A.1に示す。変調周波数が可変な光信号源をOFAに入力する。OFA
の平均出力パワーを光パワーメータで測定する。変調周波数が高くなるに従って,パワーメータの計測値
は漸近的に最終値に近づく。変調周波数が低いとき,OFAの非線形の利得回復による誤りが増加する。
図A.1−OFA利得応答対変調周波数を評価する構成
980 nm励起でのErドープOFAにおける三つの励起電流値の測定結果を,図A.2に示す。励起パワーの
増加に従って,利得回復時定数は短くなり,高い周波数における値(最終値)からのずれが大きくなる。
この増幅器に関しては,励起電流500 mAの場合,利得回復誤差を0.1 dBより低くするためには,20 kHz
より高い変調周波数が必要となる。
図A.2−励起電流をパラメータとした利得回復誤差対変調周波数
しかし,変調周波数について慎重に考慮しなければならない二つの状況がある。第一の状況は,図A.2
に示したように,より高い励起電流が回復時間をより短くする場合である。第二の状況は,自動利得制御
(AGC)又は自動レベル制御(ALC)回路が動作中の状態でOFAを試験する場合である。これらのAGC
及びALCコントロールループの帯域幅は,変調速度に制限を課す。個々のOFAを設計するときは,適切
な変調速度を決定するために,ここで記載した試験を行うことが望ましい。
過渡現象による高出力パワーによって,OFA又はテスト・システムの部品を破壊する可能性があるため,
この測定を実施するときには,10 kHz以上の変調周波数を使用することが望ましい。