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C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語,定義及び略語 ·········································································································· 2 

3.1 用語及び定義 ················································································································ 2 

3.2 略語 ···························································································································· 2 

4 装置······························································································································· 2 

5 試料······························································································································· 5 

6 手順······························································································································· 5 

7 計算······························································································································· 8 

8 測定結果························································································································· 9 

附属書A(参考)バンドパスフィルタの通過帯域幅の最適化について ············································ 10 

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人

光産業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本

産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

産業規格である。これによって,JIS C 6122-1-3:2011は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 6122の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 6122-1-0 第1-0部:パワーパラメータ及び利得パラメータ 

JIS C 6122-1-1 第1-1部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−光スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-1-2 第1-2部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−電気スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-1-3 第1-3部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−光パワーメータ法 

JIS C 6122-3 第3部:雑音指数パラメータ 

JIS C 6122-3-1 第3-1部:雑音指数パラメータ−光スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-3-2 第3-2部:雑音指数パラメータ−電気スペクトラムアナライザ試験方法 

JIS C 6122-3-3 第3-3部:雑音指数パラメータ−信号対総ASEパワー比 

JIS C 6122-4-1 第4-1部:過渡パラメータ−二波長法を用いた利得パラメータ測定 

JIS C 6122-4-2 第4-2部:過渡パラメータ−広帯域光源法を用いた利得パラメータ測定 

JIS C 6122-4-3 第4-3部:過渡パラメータ−パワー制御単一チャネル光増幅器のパワーパラメータ測

定 

JIS C 6122-5-1 第5-1部:光反射率パラメータ測定方法−光スペクトラムアナライザを用いた測定方

法 

JIS C 6122-6 第6部:漏れ励起光パラメータ測定方法 

JIS C 6122-7 第7部:波長帯域外挿入損失測定方法 

JIS C 6122-10-1 第10-1部:マルチチャネルパラメータ−光スイッチ及び光スペクトラムアナライザ

を用いたパルス法 

JIS C 6122-10-2 第10-2部:マルチチャネルパラメータ−ゲート付き光スペクトラムアナライザを用

いたパルス法 

JIS C 6122-10-3 第10-3部:マルチチャネルパラメータ−プローブ法 

JIS C 6122-10-4 第10-4部:マルチチャネルパラメータ−光スペクトラムアナライザを用いた補間法 

JIS C 6122-10-5 第10-5部:マルチチャネルパラメータ−分布ラマン増幅器の利得及び雑音指数 

JIS C 6122-11-1 第11-1部:偏波モード分散パラメータ−ジョーンズマトリクス固有値解析(JME)法 

日本産業規格          JIS 

C 6122-1-3:2020 

(IEC 61290-1-3:2015) 

光増幅器−測定方法−第1-3部:パワーパラメータ

及び利得パラメータ−光パワーメータ法 

Optical amplifiers-Test methods- 

Part 1-3: Power and gain parameters-Optical power meter method 

序文 

この規格は,2015年に第3版として発行されたIEC 61290-1-3を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,光パワーメータを用いて行う,光増幅器(OA)の光パワーパラメータ測定及び利得パラメ

ータ測定の方法について規定する。 

この規格は,商用化されているOAに適用する。ここでいうOAには,光ファイバ増幅器(OFA),半導

体光増幅器(SOA)及び平面導波路形光増幅器(POWA)を含む。OFAには希土類添加OFA及びラマン効

果を用いたOFAを含む。 

注記1 この規格に規定する測定方法の,分布ラマン増幅器への適用可能性は,更に検討を要する。 

この規格の目的は,JIS C 6121の箇条3(用語,定義及び略語)で定義するOAの次のパラメータにつ

いて,正確かつ信頼性のある測定を行うために必要な一定の条件を確立することにある。 

a) 公称出力信号光パワー 

b) 利得 

c) 偏波依存利得変動 

d) 最大出力信号光パワー 

e) 最大総出力光パワー 

この規格は,特に単一チャネル用OAに適用することを目的としている。マルチチャネル用OAについ

ては,JIS C 6122-10規格群(マルチチャネルパラメータ測定方法)を参照。 

この規格で“‡”を付けた全ての数値は,測定を確かなものとするための推奨値である。その他の値を用

いることも可能であるが,その妥当性を確認することが望ましい。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61290-1-3:2015,Optical amplifiers−Test methods−Part 1-3: Power and gain parameters−

Optical power meter method(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 6121 光増幅器−通則 

注記 対応国際規格:IEC 61291-1:2006,Optical amplifiers−Part 1: Generic specification 

JIS C 6122-1-0 光増幅器−測定方法−第1-0部:パワーパラメータ及び利得パラメータ 

注記 対応国際規格:IEC 61290-1,Optical amplifiers−Test methods−Part 1: Power and gain parameters 

IEC 60793-1-40,Optical fibres−Part 1-40: Attenuation measurement methods 

注記 JIS C 6823(光ファイバ損失試験方法)の五つの対応国際規格の一つである。 

用語,定義及び略語 

3.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 6121の箇条3(用語,定義及び略語)による。 

3.2 

略語 

ASE 

増幅された自然放出光 

(amplified spontaneous emission) 

DBR 

分布ブラッグ反射器(半導体レーザ) [distributed Bragg reflector (laser diode)] 

DFB 

分布帰還形(半導体レーザ) 

[distributed feedback (laser diode)] 

ECL 

外部共振器形半導体レーザ 

[external cavity laser (diode)] 

FWHM 

半値全幅 

(full width at half maximum) 

LED 

発光ダイオード 

(light emitting diode) 

OA 

光増幅器 

(optical amplifier) 

OFA 

光ファイバ増幅器 

(optical fibre amplifier) 

OSA 

光スペクトラムアナライザ 

(optical spectrum analyzer) 

PDL 

偏波依存性損失 

(polarization dependent loss) 

POWA 

平面導波路形光増幅器 

(planar optical waveguide amplifier) 

SOA 

半導体光増幅器 

(semiconductor optical amplifier) 

装置 

測定系の構成を,図1に示す。 

background image

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

a) 入力信号光パワーの測定 

b) 光バンドパスフィルタ及び接続用光ファイバコードの挿入損失測定 

c) 出力信号光パワーの測定 

d) 総出力光パワーの測定 

注記 図中のJ1及びJ2は,光コネクタを示す。 

図1−光パワーメータによる測定系の構成 

必要な測定機器及びそれらの所要仕様は,次による。 

a) 光源 光源は,波長固定又は波長可変とする。 

− 波長固定光源 この光源は,個別仕様で規定する波長及び光パワーの光を発生しなければならない。

その他の規定がない場合,光源は,スペクトル半値全幅が1 nm‡以下の連続波を出力しなければな

らない。例えば,DFBレーザ,DBRレーザ,外部共振器形半導体レーザ(ECL),又は狭帯域光フ

ィルタ付LEDが適用できる。DFBレーザ,DBRレーザ,又はECLのサイドモード抑圧比は,30 dB‡

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

以上とする。出力光パワー変動は,0.05 dB‡以下とするが,これは光源の出力側に光アイソレータを

接続すれば容易に達成できる。レーザ光源の場合,発振スペクトルの裾野の広がりは,最小限とし,

信号パワーと総自然放出光との比は30 dB以上とする。 

− 波長可変光源 この光源は,個別仕様で規定する波長範囲及び光パワーの光を波長可変で発生しな

ければならない。その他の規定がない場合,光源は,スペクトル半値全幅が1 nm‡以下の連続波を

出力しなければならない。例えば,ECL又は狭帯域光フィルタ付LEDが適用できる。ECLのサイ

ドモード抑圧比は,30 dB‡以上とする。出力光パワー変動は,0.05 dB以下とするが,これは光源の

出力側に光アイソレータを接続すれば容易に達成できる。ECLの発振スペクトルの裾野の広がりは,

最小限とし,信号パワーと総自然放出光との比は30 dB以上とする。 

b) 光パワーメータ 測定確度は,OAの動作波長帯域内で,入力光の偏波状態によらず,0.2 dB以下と

する。最大入力光パワーは十分に大きく(例えば,+20 dBm‡),感度も十分に高く(例えば,−40 dBm‡)

する。ダイナミックレンジは,測定対象の利得範囲以上とする(例えば,40 dB)。 

注記1 ここでの確度とは,測定機器の属する製品群の仕様値としての意味である。 

注記2 対応国際規格では,±0.2 dBの測定不確かさと規定しているのに対し,この規格では±の

符号を削除したが同じ意味である。 

c) 光アイソレータ OAを挟んで直近の両端に配置するのが一般的である。光アイソレータの偏波依存

性損失(PDL)は0.2 dB‡以下,アイソレーションは40 dB‡以上,反射率は両端子とも−40 dB‡以下と

する。 

d) 可変光減衰器 光減衰器の減衰範囲及び減衰変動は,それぞれ40 dB‡以上,0.2 dB‡以下,反射率は両

端子とも−40 dB‡以下とする。 

注記3 減衰変動について,対応国際規格では,±0.1 dBの安定度(stability)と規定しているのに

対し,この規格では±の符号を削除し,規定の減衰量に設定した後,測定時間中に減衰量

が変動する範囲として記載したが同じ意味である。 

e) 偏波制御器 この装置は,入力信号光の全ての偏波[例えば,直線,だ(楕)円,円偏波]状態を提

供できなければならない。偏波制御器は,例えば,直線偏光子及びそれに続く全光ファイバタイプの

偏波制御器,又は直線偏光子,それに続く90°以上回転可能な四分の一波長板,及び180°以上回転

可能な二分の一波長板で構成する。この装置の損失変動は,0.2 dB‡以下,反射率は両端子とも−40 dB‡

以下とする。偏波制御器を用いることは,偏波依存利得変動の測定では必須である。また,大きな偏

波依存利得変動をもつOAのパワーパラメータ及び利得パラメータに高い測定不確かさが要求される

場合には,偏波制御器を用いることが望ましい。 

f) 

光ファイバコード 接続する光ファイバコードのモードフィールド径は,OAの入出力端子の光ファ

イバのモードフィールド径にできるだけ一致させる。反射率は,両端とも−40 dB‡以下,長さは,2 m

以下とする。JIS C 6835で規定するSSMA形又はSSMA・U形シングルモードが望ましいが,その他

のファイバ種を入出力ファイバとして使用してもよい。その場合,このファイバ種を考慮する。 

g) 光コネクタ 接続損失再現性は,0.2 dB以下とする。反射率は,−40 dB‡以下とする。 

注記4 対応国際規格では,±0.2 dBの接続損失再現性と規定しているのに対し,この規格では±

の符号を削除したが同じ意味である。 

h) 光バンドパスフィルタ 波長可変及び固定のフィルタの光の通過帯域幅(FWHM)は3 nm‡以下とし,

この帯域幅の中心波長と光源の中心波長との差は,1.5 nm‡以下程度とする。光バンドパスフィルタの

偏波依存性損失は0.2 dB‡以下とし,反射率は−40 dB‡以下とする。 

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

注記5 バンドパスフィルタの通過帯域幅の最適化については,附属書Aを参照。 

i) 

光カプラ 光カプラの分岐比の偏波依存性は0.1 dB‡以下とする。光カプラの無接続端子は,反射率が

−40 dB‡以下になるように終端処理する。 

注記6 入力光の偏波状態の変化は,一般に,無視できる。 

j) 

波長計 波長の測定確度は,0.1 nm‡以内とする。光源の波長を0.1 nm‡以内に校正している場合は,波

長計は必要ない。 

注記7 ここでの確度とは,測定機器の属する製品群の仕様値の意味である。 

試料 

OAは,公称動作条件で動作しなければならない。OAが不要な反射によるレーザ発振を引き起こす可能

性がある場合は,OAの前後に光アイソレータを用いる。これによって,信号不安定性及び測定誤差を最

小にすることができる。 

箇条1のc)を除くa)からe)までのパラメータの測定では,測定の間,入力光の偏波状態を一定に維持す

る。入力光の偏波状態の変化は,用いている光部品のもつ僅かな損失偏波依存性が原因で入力光パワーを

変動させることから,測定誤差の原因となる。 

手順 

手順は,次による。 

a) 公称出力信号光パワー 公称出力信号光パワーは,個別仕様で規定する公称動作条件下で,規定した

入力信号光パワーに対する最小出力信号光パワーによって定める。この最小値を決定するために,入

力及び出力信号光パワーレベルを,個別仕様の規定に従って偏波状態の変化及びその他の不安定性が

存在する条件下で,一定時間連続してモニタする。測定手順は,次による(図1参照)。 

増幅された自然放出光(ASE)パワーのOAからの出力信号光パワーへの影響を最小にするため,

幾つかの方法が用いられる。次に光バンドパスフィルタ法について規定する。 

1) 光源を個別仕様で規定する測定波長に設定し,入力信号光波長を測定する(波長計などを用いる。)。 

2) 光パワーメータを用いて,光カプラの二つの出力端から出射する信号光パワーレベルを測定し,光

カプラの分岐比を決定する。 

3) 挿入損失測定法(IEC 60793-1-40の測定方法Bを参照)を用いて,OAと光パワーメータとの間を

接続する光バンドパスフィルタ,及び光ファイバコードの損失Lbjを測定する[図1 b)参照]。 

4) 被測定OAを動作させ,図1 c)に示す構成で,入力信号光のない状態でのOAからの光出力パワー

を測定することで,光フィルタを透過するASEパワーレベルPASEを求める。 

注記1 大信号条件では,ASEパワーの測定は省略できる。大信号条件については,箇条7 b)を

参照。 

注記2 測定不確かさについては,バンドパスフィルタの通過帯域幅の最適化に関する附属書A

を参照。 

5) 光パワーがOAの入力端で個別仕様で規定する入力信号光パワーPinになるように,光源及び可変光

減衰器を設定する。図1 a)に示すように,光カプラのもう一つの出力端子(第2出力端子)の光パ

ワーPOを光パワーメータによって測定して記録する。 

信号光入力がない状態で動作するOAに,短い立ち上がり時間で信号光を入射すると光サージが

発生し,光部品を破壊するおそれがある。光サージを防ぐため,最初にOAに入射する入力信号光

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

のパワーは小さくする。その後,入力光パワーをあるレベルまで徐々に増加させる。 

6) 次の測定の間,光カプラの第2出力端子の光パワーPOをモニタし,これが一定となるように可変光

減衰器を調整することによって,OAの入力信号光パワーPinを,一定に保持する。 

7) 図1 c)に示すように,光ファイバコードを被測定OAの入力ポート及び出力ポートに接続し,入力

信号光のある状態でのOAからの光出力パワーPoutを求める。 

偏波制御器を用いる場合は,次の手順8)から手順10)までによる。 

8) 個別仕様で規定する偏波状態に偏波制御器を設定し,OAを動作させ,OAの出力信号光パワーを光

パワーメータで規定の時間モニタして,最小値を記録する。 

9) 偏波制御器によって入力信号光の偏波状態を個別仕様で規定する種々の偏波状態に変化させ,手順

8)を繰り返す。 

10) 光パワーメータで測定するOAの出力信号光パワーが最小及び最大となる入力信号光の偏波状態を

手順9)によって探し,その絶対最小出力光パワーPout-min及び絶対最大出力光パワーPout-maxを記録す

る。 

光コネクタJ1及びJ2は,再接続による測定誤差を避けるために,測定中は取り外さない。 

信号光と同時に検出されるASEの影響を取り除くことによって,測定誤差は小さくなる。これは,

光バンドパスフィルタ法によって,被測定OAの出力に狭帯域の光バンドパスフィルタを設置するこ

とで達成できる。大信号光パワーレベルに対しては,正確な測定を行うために必ずしも光バンドパス

フィルタは必要ではない。特にOAへの入力信号光が小さい場合には,光バンドパスフィルタを用い

ることが重要となる。これは,入力信号光が減るに従ってASEパワーは増加するためである。しかし,

光フィルタの類が既にOAの中に組み込まれている場合は,外部光フィルタは不要である。光バンド

パスフィルタの効果の更なる情報は,附属書Aを参照。 

b) 利得 a)の手順1)から手順7)までと同様の操作を行い,OA入力光パワーPin及びOA出力光パワーPout

の測定から,信号波長におけるASEパワーPASEを考慮した利得を決定し,次の手順に進む。 

8) 入力光パワーを個別仕様で規定する最大入力信号パワーになるまで徐々に増大し,手順5)から手順

7)までを繰り返す。このとき,励起光源電流,又は励起光出力は初期の設定を維持する。 

注記3 対応国際規格では,手順11)としているが,a)の手順7)に続くので,手順8)として記載し

た。 

c) 偏波依存利得変動 a)と同様とする。ただし,信号波長におけるOA入力光パワーPin,並びにASEパ

ワーPASEを考慮したOA出力光パワーPout-min及びPout-maxの測定を,個別仕様で規定する偏波の異なっ

た状態で全ての手順を繰り返すことで決定する。 

測定中に原理的には全ての偏波状態が被測定OAの入力端子に連続的に入力できるように,Pin,Pout

及びPASEの測定後,偏波制御器によって入力信号光の偏波状態を変化させる。 

偏波制御器は,個別仕様で規定する方法で操作する。回転可能な四分の一波長板及び直線偏光子を

用いる場合の操作方法は,次による。 

OAの出力光パワーが最大になるように直線偏光子を調整し,次いで四分の一波長板を90°以上,

数ステップにわたって回転し,そのステップごとに二分の一波長板を180°以上,数ステップにわた

って回転する。 

OAの入力側に接続する光ファイバコードは,応力及び異方性によって生じる偏波状態の変化を最

小にするため,短く,かつ,できるだけ直線状態を保つ。 

光コネクタの偏波依存損失変動は,0.2 dB‡以下とする。 

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

d) 最大出力信号光パワー a)と同様とする。ただし,個別仕様で規定する異なった波長で全ての手順を

繰り返すことで決定する。手順1),手順4)及び手順5)は,次の手順に置き換える。 

1) 波長可変光源を個別仕様で規定する測定波長に設定し,入力信号光波長を測定する(波長計などを

用いる。)。 

4) 被測定OAを動作させ,個別仕様で規定する公称条件になるように,最大励起光出力又は最大励起

電流を調整する。被測定OAが制御回路を備える場合は,励起光出力一定モード又は励起電流一定

モードで動作させなければならない。 

5) 光パワーがOAの入力端で個別仕様で規定する最大入力信号光パワーPin-maxになるように,光源及

び可変光減衰器を設定する。図1 a)に示すように,光カプラのもう一つの出力端子(第2出力端子)

の光パワーPOを光パワーメータによって測定して記録する。 

信号光入力がない状態で動作するOAに,短い立ち上がり時間で信号光を入射すると光サージが発

生し,光部品を破壊するおそれがある。光サージを防ぐため,最初にOAに入射する入力信号光のパ

ワーは小さくする。その後,入力光パワーをあるレベルまで徐々に増加させる。 

e) 最大総出力光パワー 最大総出力光パワーは,最大絶対定格下で動作するOAの出力ポートにおける

最大出力光パワーによって定める。この最大値を決定するために,入力及び出力光パワーレベルを,

個別仕様の規定に従って偏波状態の変化及びその他の不安定性が存在する条件下で,一定時間連続し

てモニタする。測定手順は,次による(図1参照)。 

1) 光パワーメータを用いて,光カプラの二つの出力端から出射する信号光パワーレベルを測定し,光

カプラの分岐比を決定する。 

2) 光パワーがOAの入力端で個別仕様で規定する最大入力信号光パワーPin-maxになるように,光源及

び可変光減衰器を設定する。図1 a)に示すように,光カプラのもう一つの出力端子(第2出力端子)

の光パワーPOを光パワーメータによって測定して記録する。 

信号光入力がない状態で動作するOAに,短い立ち上がり時間で信号光を入射すると光サージが発

生し,光部品を破壊するおそれがある。光サージを防ぐため,最初にOAに入射する入力信号光のパ

ワーは小さくする。その後,入力光パワーをあるレベルまで徐々に増加させる。 

3) 次の測定の間,光カプラの第2出力端子の光パワーPOをモニタし,これが一定となるように可変光

減衰器を調整することによって,OAの入力信号光パワーPin-maxを,一定に保持する。 

4) 図1 d)に示すように,光ファイバコードを被測定OAの入力ポート及び出力ポートに接続し,入力

信号光のある状態でOAを動作させ,個別仕様で規定する最大絶対定格に励起光パワー又は励起電

流を調整する。被測定OAが制御回路を備える場合は,励起光出力一定モード又は励起電流一定モ

ードで動作させ,OAからの光出力パワーPtotal-outを求める。 

偏波制御器を用いる場合は,次の手順による。 

5) 個別仕様で規定する偏波状態に偏波制御器を設定し,OAを動作させ,OAの出力光パワーを光パワ

ーメータで規定の時間モニタして,最大値を記録する。 

6) 偏波制御器によって入力信号光の偏波状態を個別仕様で規定する種々の偏波状態に変化させ,手順

5)を繰り返す。 

7) 光パワーメータで測定するOAの出力光パワーが最小及び最大となる入力信号光の偏波状態を手順

6)によって探し,その絶対最小出力光パワーPout-min及び絶対最大出力光パワーPout-maxを記録する。 

光コネクタJ1及びJ2は,再接続による測定誤差を避けるために,測定中は取り外さない。 

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

計算 

計算方法は,次による。 

a) 公称出力信号光パワー 公称出力信号光パワーPsig-out-nom(dBm)は,次の式(1)によって算出する。 

Psig-out-nom=10 log (Pout−PASE)+Lbj ·················································· (1) 

ここに, 

Pout: 測定された出力信号光パワーの絶対値(mW) 

PASE: 光バンドパスフィルタを通して測定されたASEパワー

の絶対値(mW) 

Lbj: OAと光パワーメータとの間に設置された光バンドパス

フィルタ及び光ファイバコードの挿入損失(dB) 

注記1 OAに光バンドパスフィルタが内蔵されている場合は,外部光フィルタは必要ない。この

場合,挿入損失Lbjは,光ファイバコードの損失と等価である。 

注記2 OSAによって得られた測定値と,様々な光バンドパスフィルタを用いて光パワーメータに

よって得られた計算値との比較は,附属書Aを参照。 

b) 利得 信号光波長における利得Gは,次の式(2)又は式(3)によって算出する。 

G=(Pout−PASE)/Pin(リニア表示) ················································· (2) 

G=10 log [(Pout−PASE)/Pin](デシベル表示) ··································· (3) 

光フィルタのFWHMが非常に狭帯域でPASEが十分小さい場合には,上の式でPASEは無視しても差

し支えない。大信号領域において,PoutがPASEよりも十分大きい場合は,PASEはPoutに関しては無視

できる。OSAによって得られた測定値と,様々なバンドパスフィルタを用いて光パワーメータによっ

て得られた計算値との比較は,附属書Aを参照。 

注記3 被測定OAが線形領域で動作しているときが小信号領域であり,飽和領域で動作している

ときが大信号領域である。Pinに対してGをプロットすることによってこれを確認すること

ができる。線形領域は,利得が平均入力レベルによらないPinの領域である(JIS C 6122-1-0

参照)。−30 dBmから−40 dBmまでの入力信号光レベルは,一般的にこの領域に入ってい

る。飽和領域では,信号光パワーは,ASEを抑圧するほど十分に大きい。 

注記4 測定不確かさは,0.2 dB‡以下にできる。誤差要因は,主に光パワーメータの不確かさによ

る。 

注記5 注記4において,対応国際規格では,±0.2 dBの測定不確かさと記載しているのに対し,

この規格では±の符号を削除したが同じ意味である。 

c) 偏波依存利得変動 次の手順によって算出する。 

1) b)によって種々の偏波状態での利得を算出する。 

2) 最大利得Gmax及び最小利得Gminをそれぞれ決定する。 

3) 偏波依存利得変動ΔGpol(dB)は,次の式(4)によって算出する。 

ΔGpol=Gmax-pol−Gmin-pol ································································ (4) 

注記6 Gmin-polは,b)におけるGの算出式において,PoutをPout-minに置き換えた場合のGである。

Gmax-polは,PoutをPout-maxに置き換えた場合のGである。 

注記7 ΔGpolは,必ずしも偏波依存利得変動の最大値を示すわけではない。被測定OAの損失が

最大になるのは,OAを構成する各光部品へのそれぞれの入力光の偏波状態が同時に各

部品の光損失をそれぞれ最大とするときだけである。 

注記8 測定不確かさは,0.5 dB‡以下にできる。誤差要因は,主に光パワーメータの偏波依存性

による。 

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

注記9 注記8において,対応国際規格では,±0.5 dBの測定不確かさと記載しているのに対し,

この規格では±の符号を削除したが同じ意味である。 

規定し,かつ,測定する入力信号光パワーは記載するのが望ましい。出力光に含まれるASE成分の

影響を考慮し,より大きい入力パワーを用いるのが望ましい。 

d) 最大出力信号光パワー a)によって最大出力信号光パワーPsig-out-max(dBm)を算出する。 

e) 最大総出力光パワー 最大総出力光パワーPout-max(dBm)は,次の式(5)によって算出する。 

Pout-max=10 log (Pout-max)(dBm) ···················································· (5) 

ここに, 

Pout-max: 測定された出力光パワーの絶対最大値(mW) 

測定結果 

次の測定結果について記載する。 

a) 公称出力信号光パワー 次の項目について,その詳細を記載する。 

1) 測定系の構成 

2) 光源のスペクトル線幅(FWHM:半値全幅) 

3) OFAの場合は励起光パワー,及び励起レーザの駆動電流。SOAの場合は注入電流(測定できる場合) 

4) 周囲温度(必要がある場合) 

5) 入力信号光パワー Pin 

6) 光バンドパスフィルタの通過帯域幅 

7) 光バンドパスフィルタの中心波長 

8) 測定波長 

9) 公称出力信号光パワー P 

10) 入力信号光に与えた偏波状態の変化 

b) 利得 a)に規定する1)から8)までの項目に加え,次の項目についてその詳細を記載する。 

9) 利得 

5)及び9)は,利得対入力信号光パワー曲線で代用できる。 

8)及び9)は,利得対測定波長曲線で代用できる。 

c) 偏波依存利得変動 a)に規定する1)から8)までの項目に加え,次の項目についてその詳細を記載する。 

9) 光パワーメータの測定確度の偏波依存性 

10) 最大利得Gmax及び最小利得Gmin 

11) 偏波依存利得変動 

12) 入力信号光に与えた偏波状態の変化 

d) 最大出力信号光パワー a)に規定する1)から8)までの項目に加え,次の項目についてその詳細を記載

する。 

9) 最大出力信号光パワーPsig-out-max 

e) 最大総出力光パワー a)に規定する1)から8)までの項目に加え,次の項目についてその詳細を記載す

る。 

9) 最大総出力光パワーPout-max 

10 

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

附属書A 

(参考) 

バンドパスフィルタの通過帯域幅の最適化について 

この測定方法の測定不確かさは,バンドパスフィルタの選択,つまり,フィルタの通過帯域幅に依存す

る。 

実際,箇条6のa) 10)に規定するように,このフィルタの使用目的は,測定に対するASEの影響を取り

除くことにある。そのため,直感的には,通過帯域幅がより狭いフィルタを適用するほど,ASEキャンセ

ル効果は良好となり,それゆえに測定不確かさも改善すると考えられる。しかしながら,フィルタのスペ

クトル幅が過剰に狭いと,フィルタの中心周波数と信号中心周波数との調整問題が生じ,測定不確かさに

悪影響を及ぼす測定安定度の問題を引き起こす。これらを考慮すると,フィルタの最適スペクトル幅は,

測定不確かさが最小となるように選択することが望ましい。 

そのような最適なフィルタを決定する可能な手順は,OSA法による規格(JIS C 6122-1-1)に沿って,

この光パワーメータ(OPM)法を校正することであり,本質的により正確な測定手順となる。 

ある与えられたOAのタイプに対しては,相次ぎ異なったフィルタ(例えば,1 nmから5 nmまでの半

値全幅)を用いるOPM法は,OSA法と比較することができる。最適なバンドパスフィルタは,二つの測

定方法による結果の差分を最小にするフィルタを選択する。 

例えば,この校正手順をある数値シミュレーションすると,半値全幅が2 nmのローレンツ形のバンド

パスフィルタを使用するとASEの影響が十分に取り除かれ,OSA測定方法の結果とは0.05 dB以下の差が

得られることが示された。 

この測定差は,5 nmの半値全幅の場合,約0.15 dBまで増えた。 

小信号領域では正確にASEの影響を測定できる一方,大信号領域では,ASEパワー測定はそれほど正

確ではないが,ASEパワーが信号光パワーの測定に影響する効果はそれほど重要ではなくなることに注意

する必要がある。その結果,適切に狭帯域な通過帯域幅をもつバンドパスフィルタを選択することによっ

て,全入力信号光レベルに関して正確なOPM測定が維持できる。 

11 

C 6122-1-3:2020 (IEC 61290-1-3:2015) 

参考文献 JIS C 6122-1-1 光増幅器−測定方法−第1-1部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−光ス

ペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-10-1 光増幅器−測定方法−第10-1部:マルチチャネルパラメータ−光スイッチ及

び光スペクトラムアナライザを用いたパルス法 

JIS C 6122-10-2 光増幅器−測定方法−第10-2部:マルチチャネルパラメータ−ゲート付き光

スペクトラムアナライザを用いたパルス法 

JIS C 6122-10-3 光増幅器−測定方法−第10-3部:マルチチャネルパラメータ−プローブ法 

JIS C 6122-10-4 光増幅器−測定方法−第10-4部:マルチチャネルパラメータ−光スペクトラ

ムアナライザを用いた補間法 

JIS C 6122-10-5 光増幅器−測定方法−第10-5部:マルチチャネルパラメータ−分布ラマン増

幅器の利得及び雑音指数 

JIS C 6835 石英系シングルモード光ファイバ素線 

IEC 60793-1-1,Optical fibres−Part 1-1: Measurement methods and test procedures−General and 

guidance 

IEC 60793-2-50,Optical fibres−Part 2-50: Product specifications−Sectional specification for class B 

single-mode fibres 

IEC 60825-1,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and requirements 

IEC 60825-2,Safety of laser products−Part 2: Safety of optical fibre communication systems (OFCS) 

IEC 60874-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components -Connectors for optical fibres 

and cables−Part 1: Generic specification 

IEC TR 61931,Fibre optic−Terminology