C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語,定義及び略語 ·········································································································· 2
3.1 用語及び定義 ················································································································ 2
3.2 略語 ···························································································································· 3
4 信頼性に関する要求条件 ···································································································· 3
4.1 試験 ···························································································································· 3
附属書A(規定)光ファイバ増幅器用部品の信頼性評価試験手順··················································· 8
附属書B(参考)信頼度計算 ·································································································· 9
参考文献 ···························································································································· 11
C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
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まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人
光産業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本
産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
産業規格である。
これによって,JIS C 6121-5-2:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。
JIS C 6121の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 6121 通則
JIS C 6121-5-2 第5-2部:品質評価規格−光ファイバ増幅器の信頼性評価
JIS C 6121-6-1 第6-1部:インタフェース−コマンドセット
日本産業規格 JIS
C 6121-5-2:2019
(IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
光増幅器−第5-2部:品質評価規格−
光ファイバ増幅器の信頼性評価
Optical amplifiers-Part 5-2: Qualification specifications-
Reliability qualification for optical fiber amplifiers
序文
この規格は,2017年に第2版として発行されたIEC 61291-5-2及びCorrigendum 1:2019を基に,技術的
内容及び構成を変更することなく作成した日本産業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,陸上光ファイバ通信システム用光増幅器(OA)及びOAサブシステム,特に希土類が添加
されたアクティブ光ファイバを使用した商用品である光ファイバ増幅器(Optical Fiber Amplifier: OFA)の
信頼性評価に必要な条件について規定する。
この規格では,ブラックボックス的な手法を用いる。ブラックボックス的な手法は,光ファイバ増幅器
の詳細な実現手段とは無関係に製品仕様を規定するために用いる。信頼性評価のためには内蔵する部品の
情報が必要となる場合があるが,その場合は,それらの部品をブラックボックスとして扱う。
注記1 アクティブ光ファイバ及び融着接続に対し信頼性評価試験項目及び条件を規定しているが,
内部構造などを特定していないため,ブラックボックス的な手法と解釈する。
この規格の目的は,光ファイバ増幅器に関し,リスクを最小限に抑えながら製品開発及び信頼性評価を
促進するために,必要最低限の信頼性評価試験のリスト,並びに試験の故障判定基準及び信頼性予測に関
する要求事項を規定し,標準的な信頼性評価試験方法を確立するための関連規格の情報を提供することで
ある。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61291-5-2:2017,Optical amplifiers−Part 5-2: Qualification specifications−Reliability
qualification for optical fibre amplifiers及びCorrigendum 1:2019(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 6121 光増幅器−通則
注記 対応国際規格:IEC 61291-1,Optical amplifiers−Part 1: Generic specification
2
C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
JIS C 60068-2-2 環境試験方法−電気・電子−第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-2,Environmental testing−Part 2-2: Tests−Test B: Dry heat
JIS C 60068-2-14 環境試験方法−電気・電子−第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N)
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-14,Environmental testing−Part 2-14: Tests−Test N: Change of
temperature
JIS C 60068-2-21 環境試験方法−電気・電子−第2-21部:試験−試験U:端子強度試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-21,Environmental testing−Part 2-21: Tests−Test U: Robustness of
terminations and integral mounting devices
JIS C 60068-2-27 環境試験方法‒電気・電子‒第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-27,Environmental testing−Part 2-27: Tests−Test Ea and guidance:
Shock
JIS C 60068-2-31 環境試験方法−電気・電子−第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:
Ec)
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-31,Environmental testing−Part 2-31: Tests−Test Ec: Rough handling
shocks, primarily for equipment-type specimens
JIS C 60068-2-78 環境試験方法−電気・電子−第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:
Cab)
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-78,Environmental testing−Part 2-78: Tests−Test Cab: Damp heat,
steady state
JIS C 61300-2-4 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-4部:光フ
ァイバクランプ強度試験(軸方向引張り)
注記 対応国際規格:IEC 61300-2-4,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-4: Tests−Fibre/cable retention
IEC 62005-9-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Reliability−Part 9-1:
Qualification of passive optical components
IEC 62005-9-2,Reliability of fibre optic interconnecting devices and passive optical components−Part 9-2:
Reliability qualification for single fibre optic connector sets−Single mode
TIA-455-11,FOTP-11 Vibration Test Procedure for Fiber Optic Components and Cables
3
用語,定義及び略語
3.1
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 6121の箇条3(用語,定義及び略語)によるほか,次に
よる。
3.1.1
故障(failure)
製品仕様に対する不適合,又は購入者と供給業者との間で同意された性能パラメータの変化。
3.1.2
光ファイバ増幅器製造業者(OFAM)
適用する製品仕様(PS)の要求条件に適合した光ファイバ増幅器(OFA)又は光ファイバ増幅器サブシ
ステムを供給する製造業者。
3
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3.2
略語
この規格で用いる主な略語は,次による.
EDFF
erbium doped fluoride fiber
エルビウム添加ふっ化物光ファイバ
EDSFA
erbium doped silica fiber amplifier
エルビウム添加石英光ファイバ増幅器
EDTF
erbium doped tellurite fiber
エルビウム添加テルライト光ファイバ
FIT
failure in time
故障率
FFS
for further study
今後検討
OA
optical amplifier
光増幅器
OFA
optical fiber amplifier
光ファイバ増幅器
OFAM
opticoptical fiber amplifier manufacturer
光ファイバ増幅器製造業者
PDFF
praseodymium doped fluoride fiber
プラセオジム添加ふっ化物光ファイバ
PS
product specification
製品仕様
RH
relative humidity
相対湿度
TDFF
thulium doped fluoride fiber
ツリウム添加ふっ化物光ファイバ
UCL
upper confidence level
上限信頼度水準
4
信頼性に関する要求条件
4.1
試験
4.1.1
概要
光ファイバ増幅器(OFA)又はOFAサブシステムは,様々な部品を組み込んでいる。OFA又はOFAサ
ブシステムの信頼性評価試験において重要な点は,各部品及び基本的な製造工程の信頼性を確保すること,
及び余裕のある設計を行うことにある。この規格の目的上,内蔵する各部品をブラックボックスとみなさ
なければならない。
この規格は,内部のブラックボックスの組込み工程が品質評価済みである場合,光増幅器(OA)の信頼
性は,内部のブラックボックスの故障率(FIT)によって十分な確度で評価できるという仮定に基づく。
製造工程に関する信頼性評価試験を4.1.3に記載する。
信頼性保証は,OFA又はOFAサブシステム全体に対して実施する4.1.4に規定する信頼性評価試験によ
って最終確認する。
一般的なOFAの基本的な構成部品を,次に示す。
− 光受動部品
− 光能動部品
− アクティブ光ファイバ又はアクティブ光ファイバモジュール
− 光ファイバコネクタ
− 電子部品
− その他(今後規定される。)
− きょう(筐)体
光ファイバ増幅器製造業者(OFAM)は,OFAを構成するブラックボックスの数量及び種類を明らかに
し,各々について故障率(FIT)を提示することが望ましい。
OFAの故障率は,附属書Bで示すようにブラックボックスのFIT数を適切に合算する方法によって計算
することが望ましい。
4
C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
4.1.2 光ファイバ増幅器の構成部品の信頼性評価試験
要求される信頼性レベルを保証するために,OFAを構成する種々の部品(ブラックボックスとみなす。)
に対して実施するのがよい最低限の試験項目リストを,表1及び表2に示す。試験項目及び試験条件に関
する引用規格を,附属書Aに示す。
表1−光受動部品,励起レーザモジュール,モニタダイオードモジュール及び
光コネクタの最低限の試験項目リスト
コンポーネント
引用又は参照規格
励起レーザモジュール
JIS C 5948(参考)
フォトダイオード
検討中
光受動部品
IEC 62005-9-1
光ファイバコネクタ
IEC 62005-9-2
可変光減衰器
検討中
表2−アクティブ光ファイバの最低限の試験項目リスト
試験項目
プルーフ
水素エージング
被覆除去性(封止していない部分の光ファイバ)
表1及び表2に示したOFAの構成部品(ブラックボックスとみなす。)の信頼性評価試験のための試験
項目リストにおける適切な試験条件を,附属書Aに規定する。これらの試験条件は,OFAの製造業界にお
いて通例として実施されていることを明示したものである。
4.1.3
光ファイバ増幅器の製造工程に関する信頼性評価試験
光ファイバの余長処理工程並びに光部品及び電気部品の組込み工程を含むOFAの製造工程は,OFAの
信頼性評価試験において非常に重要である。特に,光ファイバの融着接続工程は,OFAの製造工程におけ
る最重要工程である。
融着接続工程については,適用する光ファイバ及び被覆材料に応じて評価試験をしなければならない。
融着接続に必要な試験を,表3に記載する。
5
C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
表3−融着接続に必要な試験
試験項目
試験条件
引用規格
高温(耐熱性)
+85 ℃
2 000時間
JIS C 60068-2-2
試験記号:B
温度変化a)
−40 ℃/+85 ℃
2 ℃/分
Q=100サイクル
I=500サイクル
JIS C 60068-2-14
試験記号:N
高温高湿(定常)
+40 ℃
93 %RH
500時間
JIS C 60068-2-78
試験記号:Cab
衝撃
1 000 m/s2
6 ms
6回/方向
JIS C 60068-2-27
耐振性
5 Hz〜50 Hz,15 m/s2
50 Hz〜500 Hz,30 m/s2
3方向
掃引回数15回
TIA-455-11
端子強度
5 N
10秒間
JIS C 60068-2-21
試験記号:U
注a) Q:品質基準データ,I:情報データ
サンプル数は,信頼度水準及び必要な信頼性レベルに応じて購入者と供給業者との間で合意する。
4.1.4
光ファイバ増幅器の信頼性評価試験
OFA又はOFAサブシステムに対する信頼性評価試験項目を,表4に記載する。これは,信頼性保証の
ためにOFA及びOFAサブシステムに対して実施するのがよい最低限の試験項目リストである。試験項目
及び試験条件が規定された引用規格を,附属書Aに示す。
試験の目的は,4.1.2の手順に従ったOFAの故障率の予測結果を認証評価することである。
信頼性保証にはOFAの内部のブラックボックスの信頼性評価試験が必要であることを踏まえて,サンプ
ル数は,一般的に少ない(例えば,各種類のOFAに対して数サンプル)。
特別な場合(例えば,非石英系アクティブ光ファイバを用いたOFAの場合)として,OFAにおける接
着剤の使用は,品質を左右する工程と考えられ,個別に品質評価をしなければならない。考えられる接着
剤の機能(機械的な固定,接続部の保護,屈折率整合など)によって異なる故障モードに着目し,信頼性
評価試験データによる裏付けをとらなければならない。
6
C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
表4−光ファイバ増幅器及びOFAサブシステムの最低限の試験項目リスト
試験項目
試験条件
時間
運用
サンプル数
耐寒性・耐熱性
Tstg,min/Tstg,max
72時間
−
3
温度変化a)
Tstg,min/Tstg,max
Ramp>1 ℃/min
Q=100サイクル
I=500サイクル
運用状態
3
高温高湿
85 ℃/85 % RH b)
Q=100サイクル
I=1 000サイクル
−
3
機械的
特性
衝撃c)
(0.225 kg以下)
3 000 m/s2,3 msパルス
5回/方向,6方向
−
3
注を参照d)
注を参照c)
−
衝撃c)
(0.225 kgよりも大きい)
500 m/s2,11 msパルス
5回/方向,6方向
−
3
注を参照d)
注を参照c)
−
衝撃c)
包装された製品,包装されてい
ない製品及び棚
注を参照d)
注を参照c)
−
3
耐振性
(1 kg以下)
200 m/s2,
20 Hz〜2 000 Hz〜20 Hz,
3方向,4サイクル/方向
4分/サイクル
−
3
耐振性
(1 kgよりも大きい)
5 Hz〜50 Hz,15 m/s2,
50 Hz〜500 Hz,30 m/s2,
3方向
0.1 oct/分
0.25 oct/分
−
3
耐振性
制御回路内蔵OFAモジュール
形態,ブレード形態及びラック
形態
5 Hz〜100 Hz〜5 Hz,10
m/s2,3方向
0.25 oct/分
−
3
光ファイバコードクランプ強
度(軸方向引張り)e)
5 N,10 N及び100 N d)
−
12以上
動作耐久性a)
Top, max/Pnom
Q=1 000時間
I=2 000時間
運用状態
3
1台の故障も許されない。
試験は,逐次又は並列して実施してもよい。
保存温度が規定の高温高湿試験の湿度よりも低い場合,Tstg,max及び相対湿度85 %以上で別の試験を実施する。
最高保存温度が最高動作温度とほぼ同じ場合,Tstg,maxにおける耐熱性試験は必要なく,動作耐久性試験で代用され
る。動作耐久性試験は,励起電流,出力光パワー又は励起モニタ電流(個別規格によって示される公称値に)固定し
て実施する。光増幅器の全ての変動を確認するため,試験中に関連するパラメータ[例えば,出力光パワー及び(も
し可能ならば)励起のパラメータ]を測定してもよい。
Tstg,minは,OFAの最低保存温度である。
Tstg,maxは,OFAの最高保存温度である。
Top,maxは,OFAの最高動作温度である。
Pnomは,OFAの出力光パワーの公称値である。
注a) Q:品質基準データ,I:情報データ
b) 高温高湿:85 ℃かつ85 %RHの高温高湿試験は,特別な環境条件下では正当であるとして,一部の製造業者に
よって主張されている。これらの試験条件は,非常に厳しい環境下に設置されているOFAに対して実施しても
よい。それ以外では40 ℃かつ93 %RHの高温高湿試験を実施してもよい。
c) 制御された衝撃試験又は落下試験のいずれかを適用することができる。
d) 機械的特性試験:衝撃(自然落下,JIS C 60068-2-27及びJIS C 60068-2-31)
供試品質量
(kg)
落下高さ
(mm)
10未満
100
10以上25未満
75
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表4−光ファイバ増幅器及びOFAサブシステムの最低限の試験項目リスト(続き)
注e) JIS C 61300-2-4 光ファイバコードクランプ強度試験(軸方向引張り)
ケーブル外径
ケーブルの引張り条件
2 mm
20 N〜100 N,3回,5 s/回
900 μm
10 N,3回,5 s/回
250 μm
5 N,3回,5 s/回
評価対象のOFA又はOFAサブシステムは,規定された製造工程に従って,全ての製造手順並びに/又
は(製品仕様で適用対象の場合は)規定されたバーンイン及びスクリーニングの手順を経たものであるこ
とが必要である。
この規格に示されていない試験条件は,関連する製品仕様に従う。
4.1.5
光ファイバ増幅器の設計類似性の考慮
OFAMが様々な光増幅器モジュールを製造する場合,製品型番が異なっていても設計には著しい類似性
がみられる。そのため,適切であれば,異なる試験プログラムの結果を組み合わせることで設計類似性を
考慮することが許される。ただし,信頼性評価試験において判明しなくても,技術又は工程の僅かな相違
点が信頼性に対して重大な影響を与える場合があることを熟慮することが望ましい。
類似性がある製品の信頼性評価試験結果を確証として提示することが望ましい。
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附属書A
(規定)
光ファイバ増幅器用部品の信頼性評価試験手順
A.1 一般
この附属書は,ブラックボックスとみなされるOFA用部品の信頼性評価試験のために適切な試験項目リ
スト及び試験条件を含む。これらのリストは,OFAの製造業界において通例として実施されていることで
あり,OFAの使用者に対して,既発行の関連規格とともに参考として示す。
注記 A.2に含まれる引用規格は,それらが発行されるときには,新しい規定を含むように更新する
ことが望ましい。
A.2 光受動部品の試験
IEC 62005-9-1は,管理された環境及び屋外環境で使用されるOFA及びOFAサブシステムの内部に使用
する光受動部品の試験について規定している。
光ファイバコネクタの試験に関する定義については,IEC 62005-9-2を参照。
A.3 アクティブ光ファイバの試験
アクティブ光ファイバの試験を,表A.1に示す。
表A.1−アクティブ光ファイバの試験
試験項目
試験条件
プルーフ
設置条件に適したプルーフ試験
水素エージング
次の説明を参照
被覆除去性(封止していない光ファイバの場合)
機械的な被覆除去
水素エージング 水素防護の有無に関係なく,光ファイバ増幅器製造業者は,光ファイバ増幅器がデバイスの運
用期間中に絶えず0.01 atmの水素中でも,必要条件を満たすことを実証しなければならない。この実証は,温度及
び気圧によって加速して光ファイバを水素中にさらす方法で実施することが望ましい。加速のための適切な温度及
び気圧の選択は,光ファイバの設計及び製造方法によって異なる。適用する試験方法については,光ファイバ増幅
器製造業者とシステム供給業者との間で合意する。
ドープ光ファイバの屈曲試験は,使用条件に近い曲げ半径で実施する。裸光ファイバ,ボビン巻き光ファイバ,
マンドレル巻き光ファイバなどの試験条件を規定しなければならない。供給される状態での光ファイバに対する試
験を優先して実施するが,必要ならば,サブシステム中の光ファイバに対する追加試験を実施することができる。
サブアセンブリ中の光ファイバに対する試験方法は,今後の検討課題である(FFS)。
温度及び湿度の影響は,現在アクティブ光ファイバの製造業者が審議中である。
ここでは,アクティブ光ファイバは,エルビウム添加石英光ファイバ増幅器(EDSFA)で使用される石英光ファ
イバを意味する。一方,非石英光ファイバ,例えば,エルビウム添加ふっ化物光ファイバ(EDFF),エルビウム添
加テルライト光ファイバ(EDTF),プラセオジム添加ふっ化物光ファイバ(PDFF),ツリウム添加ふっ化物光ファ
イバ(TDFF)などは,水分による損傷を防ぐため,一般的には封止パッケージに収容する必要がある。それゆえ,
封止パッケージは,アクティブ光ファイバモジュールとして扱い,その特有の機械特性を考慮に入れて個別に評価
試験を実施する。
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C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
附属書B
(参考)
信頼度計算
B.1
信頼度計算
OFAの構成部品(ブラックボックスとみなす。)の故障率(単位:FIT)に基づくOFA又はOFAサブシ
ステムの信頼性予測は,OFAMによって提供される。
OFAMは,光増幅器に含まれる様々な部品の総試験時間を積み上げた値を考慮して内部のブラックボッ
クスの故障率を提示することが望まれる。内部の各ブラックボックスに対する計算は,信頼度の計算に関
する最新の規格に基づくことが望まれる。
信頼度の計算には,OFAの励起レーザモジュールの摩耗故障率も含まれる。内部の各ブラックボックス
のFIT数は,予測される全ての故障モードを考慮することが望まれる。
表B.1に示す内部のブラックボックスのFIT数を合算してOFAの故障率を求める。
表B.1−部品の故障率
部品名
部品数
測定値[上限信頼度水準(UCL)60 %]
ドープ光ファイバ
n1
A1
FIT(偶発故障)
融着接続
n2
A2
FIT(偶発故障)
光コネクタ
n3
A3
FIT(偶発故障)
電子部品
n4
A4
FIT(偶発故障)
励起レーザモジュール タイプ1
n(4+1)
A(4+1)
FIT(偶発及び摩耗故障)
励起レーザモジュール タイプ2
n(4+2)
A(4+2)
FIT(偶発及び摩耗故障)
励起レーザモジュール タイプm
n(4+m)
A(4+m)
FIT(偶発及び摩耗故障)
モニタダイオードモジュール タイプ1
n(4+m+1)
A(4+m+1)
FIT(偶発故障)
モニタダイオードモジュール タイプ2
n(4+m+2)
A(4+m+2)
FIT(偶発故障)
モニタダイオードモジュール タイプh
n(4+m+h)
A(4+m+h)
FIT(偶発故障)
光受動部品 タイプ1
n(4+m+h+1)
A(4+m+h+1)
FIT(偶発故障)
光受動部品 タイプ2
n(4+m+h+2)
A(4+m+h+2)
FIT(偶発故障)
光受動部品 タイプk
n(4+m+h+k)
A(4+m+h+k)
FIT(摩耗故障)
可変光減衰器 タイプ1
n(4+m+h+k+1)
A(4+m+h+k+1)
FIT(偶発故障)
可変光減衰器 タイプ2
n(4+m+h+k+2)
A(4+m+h+k+2)
FIT(偶発故障)
可変光減衰器 タイプ1
n(4+m+h+k+l)
A(4+m+h+k+l)
FIT(偶発故障)
光増幅器全体
Σi Ai・ni
注記1 niは,光ファイバ増幅器に含まれる各種類の部品数である。
注記2 励起光源の構成に何らかの冗長性がある場合,提示するのがよいFIT数は,励起レーザモジュール
全体としてのFIT数である。すなわち,第一のレーザが故障したときに第二のレーザの駆動が開始
されるような場合には,考慮に入れる。
注記3 上限信頼度水準(UCL)は,通常60 %を使用するが,必要な場合は90 %を使用することができる。
励起レーザモジュールの摩耗故障率は,OFAの設計に基づく故障判定基準に従って計算される。これは,
他のレーザモジュールに対する最新の信頼性モデルよりも厳しい。他の部品の偶発故障率は,信頼性評価
試験結果又は市場故障率(例えば,融着接続,光ファイバコネクタなどの場合)から推定される。
10
C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
B.2
故障率計算の手引
IEC 62005-2参照。
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C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
参考文献
JIS C 5948 光伝送用半導体レーザモジュールの信頼性評価方法
注記 原国際規格では,IEC 62572-3,Fibre optic active components and devices−Reliability standards−
Part 3: Laser modules used for telecommunicationを記載している。
JIS C 60068-2-1 環境試験方法−電気・電子−第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
注記 原国際規格では,IEC 60068-2-1,Environmental testing−Part 2-1: Tests−Test A: Coldを記載して
いる。
JIS C 60068-2-6 環境試験方法−電気・電子−第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
注記 原国際規格では,IEC 60068-2-6,Environmental testing−Part 2-6: Tests−Test Fc: Vibration
(sinusoidal)を記載している。
JIS C 61300-2-1 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-1部:正弦波
振動試験
注記 原国際規格では,IEC 61300-2-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-1: Tests−Vibration (sinusoidal)を記載している。
JIS C 61300-2-2 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-2部:繰返し
かん合試験
注記 原国際規格では,IEC 61300-2-2,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-2: Tests−Mating durabilityを記載している。
JIS C 61300-2-5 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-5部:光ファ
イバクランプ強度試験(ねじり)
注記 原国際規格では,IEC 61300-2-5,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-5: Tests−Torsionを記載している。
JIS C 61300-2-9 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-9部:衝撃試
験
注記 原国際規格では,IEC 61300-2-9,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-9: Tests−Shockを記載している。
JIS C 61300-2-18 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-18部:高温
試験
注記 原国際規格では,IEC 61300-2-18,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-18: Tests−Dry heat−High temperature enduranceを記載し
ている。
JIS C 61300-2-19 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-19部:高温
高湿試験(定常状態)
注記 原国際規格では,IEC 61300-2-19,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-19: Tests−Damp heat (steady state)を記載している。
JIS C 61300-2-22 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-22部:温度
サイクル試験
注記 原国際規格では,IEC 61300-2-22,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
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C 6121-5-2:2019 (IEC 61291-5-2:2017,Cor.1:2019)
test and measurement procedures−Part 2-22: Tests−Change of temperatureを記載している。
JIS C 61300-2-44 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第2-44部:光フ
ァイバクランプ強度試験−繰返し曲げ
注記 原国際規格では,IEC 61300-2-44,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic
test and measurement procedures−Part 2-44: Tests−Flexing of the strain relief of fibre optic devices
を記載している。
IEC 61300-2-42,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement
procedures−Part 2-42: Tests−Static side load for strain relief
IEC 62005-2,Reliability of fibre optic interconnecting devices and passive components−Part 2: Quantitative
assessment of reliability based on accelerated ageing test−Temperature and humidity; steady state
IEC 62343-2,Dynamic modules−Part 2: Reliability qualification
IEC TR 62572-2:2008,Fibre optic active components and devices−Reliability standards−Part 2: Laser module
degradation
IEC TR 62721,Reliability of devices used in fibre optic systems−General and guidance
ITU-T Recommendation G.661,Definition and test methods for the relevant generic parameters of optical
amplifier devices and subsystems
ITU-T Recommendation G.662,Generic characteristics of optical amplifier devices and subsystems
CECC 00 804 ISSUE 2,Guidance Document: Interpretation of “EN ISO 9000:1994” Reliability Aspects for
Electronic Components