C 6111 : 1997
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS C 611-1990は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録
出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 6111 : 1997
低速光伝送リンク用送・受信
モジュール測定方法
Measuring methods of transmitting and receiving modules
for low speed fiber optic transmission
序文 この規格は,国内外における光伝送リンク市場の拡大及び国際標準化活動の活発化という背景のも
と,国内規格の早期整備の要求に応え,10Mb/s以下のNRZディジタル信号をマルチモード光ファイバを
介して伝送するための,2R(波形再生及び波形整形機能)をもつ低速光伝送リンク用送・受信モジュール
の測定方法について定めたものである。
1. 適用範囲 この規格は,伝送速度が10Mb/s以下のNRZディジタル信号を,マルチモード光ファイバ
を介して伝送するための,波形再生及び波形整形機能をもつ低速光伝送リンク用送・受信モジュールの測
定方法について規定する。
備考 ここでいう低速光伝送リンク用送・受信モジュールとは,発光ダイオードを発光素子とし,こ
の発光素子と電子回路及び光ファイバとの接続部から成る送信部並びに受光素子と電子回路及
び光ファイバとの接続部から成る受信部から構成されるもので,構造上,次の3種類の総称で
ある。
a) 送信部が個別のモジュールとして構成される送信モジュール
b) 受信部が個別のモジュールとして構成される受信モジュール
c) 送信部と受信部とが,1個のモジュール内に構成される送受信モジュール
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS C 1102 指示電気計器
JIS C 6110 低速光伝送リンク用送・受信モジュール通則
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 6110によるほか,次による。
a) 測定用光ファイバ 光ファイバの構造パラメータ及びこの光ファイバに取り付けられたプラグの構造
パラメータが,測定に必要な条件を満足する値をもつ光ファイバ。
b) 基準送信部及び基準受信部 電気的及び光学的特性が各規格項目の測定に必要な条件を満足する値を
もつ送信部及び受信部。
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4. 測定の状態
4.1
標準状態 測定は,規定がない限り温度15〜35℃,相対湿度25〜85%,気圧860〜1 060hPaのもと
で行う。ただし,この標準状態での測定値の判定に疑義を生じた場合,又は特に要求された場合は,4.3
による。
また,基準状態への換算を必要とする場合には,4.2による。
なお,標準状態で試験することが困難な場合には,判定に疑義が生じない限り,標準状態以外の状態で
試験を行ってもよい。
4.2
基準状態 基準状態は,温度25℃,相対湿度45%,気圧860〜1 060hPaとする。ただし,温度だけ
をもって基準状態としてもよい。
4.3
判定状態 判定状態は,温度25±2℃,相対湿度45〜55%,気圧860〜1 060hPaとする。
5. 測定機器及び装置
5.1
測定用電源 直流電源は,電圧変動が±0.5%又は10mV以下のいずれか大きい方の値を超えないも
のとし,交流電源は高調波含有率5%以下のものとする。ただし,商用電源の場合は,高調波含有率10%
以下とする。
なお,特に交流出力を測定する試験では,直流電源のリップル含有率,交流電源の高調波含有率及び交
流の流れる直流電源回路の交流インピーダンスは,測定に影響を与えないように小さい値とする。
また,サージの侵入に対する十分な防護措置がとられていることとする。
5.2
計器及び測定器 規定がない限り,計器はJIS C 1102に規定する0.5級以上のもの,測定器はこれ
と同等以上の確度をもつものとし,これらのインピーダンスは測定器への影響を無視できる値とする。
備考 標準品として0.5級以上の計器又はこれに相当するような確度をもつ測定器がない場合は,5.2
の規定は適用しない。
5.3
光パワーメータ 測定に使用する光パワーメータは,該当する波長で校正され,かつ,受光面感度
分布が十分に平たんなものを用いることとする。
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6. 電気的及び光学的特性の測定方法
6.1
伝搬遅延時間(総合及び送信部・受信部個別試験)
6.1.1
目的 規定された状態での,モジュールの伝搬遅延時間を測定することを目的とする。
6.1.2
測定回路 伝搬遅延時間の測定は,図1の方法で行う。
注(1) 送信部個別試験の場合は,基準受信部を用いる。
(2) 受信部個別試験の場合は,基準送信部を用いる。
備考1. 破線は,6.1.3 c)での接続状態を示す。
2. 測定用光ファイバ,可変光減衰器などでの光学的な
遅延,及び測定回路の信号線での遅延は,あらかじ
め校正されているものとする。
図1 伝搬遅延時間の測定回路
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6.1.3
測定方法
a) 送信部及び受信部を規定の条件で駆動する。
b) 送信部の入力にパターン発生器から規定のNRZ信号の1010…連続信号(マーク率50%)の入力電気
信号を加える。
c) その光出力信号を測定用ファイバ,可変光減衰器を介し受信部に入力する。
可変光減衰器を調節し,規定の光パワーが受信部に入力するように調整する。
d) オシロスコープなどの波形観測装置で観測されるパターン発生器の出力波形と光受信部の出力波形に
おいて,図2に示す各々の波形の振幅の50%値の時間差tPLH及びtPHLを測定する。
測定用光ファイバ,可変光減衰器などの光学的な遅延及び測定系での信号線での遅延はあらかじめ
校正されているものとする。出力電気信号にパルス幅ジッタがある場合は,ジッタの最大値において
測定する。
備考 正論理の場合を示し,負論理の場合は図の論理 ″1″ を論理 ″0″
に,論理 ″0″ を論理 ″1″ に読み替える。
図2 伝搬遅延時間
e) 伝搬遅延時間tdを式(1),式(2)又は式(3)によって算出する。
送信部・受信部総合試験の場合
td=max (tPLH, tPHL) ········································································ (1)
送信部個別試験の場合
td=max (tPLH, tPHL) −tdr ································································· (2)
受信部個別試験の場合
td=max (tPLH, tPHL) −tds ································································· (3)
ここに,
max (a, b): a,bのうち大きい方の値。等しい場合はその値。
tdr: 基準受信部の伝搬遅延時間
tds: 基準送信部の伝搬遅延時間
f)
総合試験及び受信部個別試験の場合には,可変光減衰器を調節し,受信部の受信光入力が最小受信光
入力から最大受信光入力までの範囲でtdを繰り返し測定し,最大値を伝搬遅延時間とする。また,送
信部と受信部を組み合わせた総合試験の場合には供試送信部及び供試受信部はそれぞれ供試品とする。
送信部個別の試験の場合には供試受信部に代えて基準受信部を,受信部個別の試験の場合には供試送
信部に代えて基準送信部を用いる。
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6.1.4
個別規格に規定すべき項目
a) 動作温度
b) 基準受信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,最大受信光入
力,最小受信光入力(パルス幅ジッタは,供試送信部のパルス幅ジッタに比べて十分小さくする。)
c) 基準送信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,送信光出力(パ
ルス幅ジッタは,供試受信部のパルス幅ジッタに比べて十分小さくする。)
d) 送信部及び受信部の駆動条件(電源電圧)
e) 送信部の入力信号(伝送速度,波形)
f)
測定用光ファイバ
g) 受信部の最大受信光入力及び最小受信光入力
6.2
パルス幅ひずみ(総合及び送信部・受信部個別試験)
6.2.1
目的 規定された状態でのモジュールのパルス幅ひずみを測定することを目的とする。
6.2.2
測定回路 パルス幅ひずみの測定は,図3の方法で行う。
備考1. 破線は,6.2.3 c)での接続状態を示す。
2. 測定用光ファイバ,可変光減衰器などでの光学的な遅延,及び測定回路の
信号線での遅延は,あらかじめ校正されているものとする。
図3 パルス幅ひずみの測定回路
6
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6.2.3
測定方法
a) 送信部及び受信部を規定の条件で駆動する。
b) 送信部の入力にパターン発生器から規定のNRZ信号の1010…連続信号(マーク率50%)の入力電気
信号を加える。
c) その光出力信号を測定用光ファイバ,可変光減衰器を介し受信部に入力する。
可変光減衰器を調節し,規定の光パワーが受信部に入力するように調節する。
d) オシロスコープなどの波形観測装置で,入力電気信号と出力電気信号を観測し,それぞれのパルス幅
の平均値tw0,twを測定する(図4参照)。出力電気信号にパルス幅ジッタがある場合は,ジッタの最
大値で測定する。
備考 正論理の場合を示し,負論理の場合は図の論理 ″1″ を論理 ″0″
に,論理 ″0″ を論理 ″1″ に読み替える。
図4 パルス幅ひずみ
e) パルス幅ひずみ∆twを式(4),式(5)又は式(6)によって算出する。
総合試験の場合
∆tw=tw−tw0 ·············································································· (4)
送信部個別試験の場合
∆tw=tw−tw0−∆twr ······································································ (5)
受信部個別試験の場合
∆tw=tw−tw0−∆tws ······································································ (6)
ここに,
∆twr: 基準受信部のパルス幅ひずみ
∆tws: 基準送信部のパルス幅ひずみ
f)
総合試験及び受信部個別試験の場合には,可変光減衰器を調節し,受信部の受信光入力が最大受信光
入力から最小光受信入力までの範囲で,∆twを繰り返し測定し,最大値をパルス幅ひずみとする。ま
た,送信部と受信部を組み合わせた総合試験の場合には供試送信部,供試受信部はそれぞれ供試品と
する。送信部個別の試験の場合には供試受信部に代えて基準受信部を,受信部個別の試験の場合には
供試送信部に代えて基準送信部を用いる。
6.2.4
個別規格に規定すべき項目
a) 動作温度
b) 基準受信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,最大受信光入
力,最小受信光入力(パルス幅ジッタは,供試送信部のパルス幅ジッタに比べて十分小さくする。)
c) 基準送信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ及び送信光出力
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(パルス幅ジッタは,供試受信部のパルス幅ジッタに比べて十分小さくする。)
d) 送信部及び受信部の駆動条件(電源電圧)
e) 送信部の入力信号(伝送速度,波形)
f)
測定用光ファイバ
g) 受信部の最大受信光入力及び最小受信光入力
6.3
パルス幅ジッタ(総合及び送信部・受信部個別試験)
6.3.1
目的 規定された状態でのモジュールのパルス幅ジッタを測定することを目的とする。
6.3.2
測定回路 パルス幅ジッタの測定は,図5の方法で行う。
備考1. 破線は,6.3.3 c)での接続状態を示す。
2. 測定用光ファイバ,可変光減衰器などでの光学的な遅延,及
び測定回路の信号線での遅延は,あらかじめ校正されている
ものとする。
図5 パルス幅ジッタの測定回路
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6.3.3
測定方法
a) 送信部及び受信部を規定の条件で駆動する。
b) 送信部の入力にパターン発生器から規定の擬似ランダム信号(マーク率50%)の入力電気信号を加え
る。
c) その光出力信号を測定用光ファイバ,可変光減衰器を介し受信部に入力する。
可変光減衰器を調節し,規定の光パワーが受信部に入力するように調節する。
d) 受信部の出力電気信号を位相検出装置に入力し,パルス幅tw0に対応する位相の変動量∆tj1,∆tj2を測定
する(図6参照)。
備考 正論理の場合を示し,負論理の場合は図の論理 ″1″ を論理 ″0″
に,論理 ″0″ を論理 ″1″ に読み替える。
図6 パルス幅ジッタ
e) パルス幅ジッタ∆tjを式(7)によって算出する。
∆tj=max (∆tj1, ∆tj2) ······································································ (7)
ここに,
max (a,b) : a,bのうち大きい方の値。等しい場合はその値。
f)
総合試験及び受信部個別試験の場合には,可変光減衰器を調節し,受信部の受信光入力が最大受信光
入力から最小光受信入力までの範囲で,∆tjを繰り返し測定し,最大値をパルス幅ジッタとする。また,
送信部と受信部を組み合わせた総合試験の場合には供試送信部及び供試受信部はそれぞれ供試品とす
る。送信部個別の試験の場合には供試受信部に代えて基準受信部を,受信部個別の試験の場合には供
試送信部に代えて基準送信部を用いる。
6.3.4
個別規格に規定すべき項目
a) 動作温度
b) 基準受信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,最大受信光入
力,最小受信光入力(パルス幅ジッタは,供試送信部のパルス幅ジッタに比べて十分小さくする。)
c) 基準送信部の伝搬遅延時間,上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,送信光出力(パ
ルス幅ジッタは,供試受信部のパルス幅ジッタに比べて十分小さくする。)
d) 送信部及び受信部の駆動条件(電源電圧)
e) 送信部の入力信号(伝送速度,波形,擬似ランダム信号の生成多項式)
f)
測定用光ファイバ
g) 受信部の最大受信光入力及び最小受信光入力
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6.4 上昇時間及び下降時間(総合及び送信部・受信部個別試験)
6.4.1
目的 規定された状態での,モジュールの上昇時間及び下降時間を測定することを目的とする。
6.4.2
測定回路 上昇時間及び下降時間の測定は,図7の方法で行う。
図7 上昇時間及び下降時間の測定回路
6.4.3
測定方法
a) 送信部及び受信部を規定の条件で駆動する。
b) 送信部の入力にパターン発生器から規定のNRZ信号の1010…連続信号(マーク率50%)の入力電気
信号を加える。
c) オシロスコープなどの波形観測装置で観測される受信部電気出力パルスがパルス振幅の10%値から
90%値まで増加する時間を上昇時間,パルス振幅の90%値から10%値まで減少する時間を下降時間と
する。
d) 総合試験及び受信部個別試験の場合には,可変光減衰器を調節し,受信部の受信光入力が最小受信光
入力から最大受信光入力までの範囲で上昇時間及び下降時間を測定し,それぞれの最大値を上昇時間
及び下降時間とする。また,送信部と受信部を組み合わせた総合試験の場合には供試送信部及び供試
受信部はそれぞれ供試品とする。送信部個別の試験の場合には供試受信部に代えて基準受信部を,受
信部個別の試験の場合には供試送信部に代えて基準送信部を用いる。
6.4.4
個別規格に規定すべき項目
a) 動作温度
b) 基準受信部の上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,最大受信光入力,最小受信光
入力(上昇時間,下降時間は供試送信部の上昇時間,下降時間に比べて十分小さくする。)
c) 基準送信部の上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ,送信光出力(上昇時間,下降
時間は供試受信部の上昇時間,下降時間に比べて十分小さくする。)
d) 送信部及び受信部の駆動条件(電源電圧)
e) 送信部の入力信号(伝送速度,波形)
f)
測定用光ファイバ
g) 受信部の最大受信光入力及び最小受信光入力
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6.5
送信光出力(送信部個別試験)
6.5.1
目的 規定された状態での,モジュールの送信光出力を測定することを目的とする。
6.5.2
測定回路 送信光出力の測定は,図8の方法で行う。
図8 送信光出力の測定回路
6.5.3
測定方法
a) 送信部を規定の条件で駆動する。
b) 送信部の入力に規定の入力信号を加える。
c) 規定の測定用光ファイバを介した光出力を,光パワーメータを用いて測定する。なお,光パワーメー
タの受光部は光ファイバ端から放出される全光量を十分受ける構造でなければならない。また,測定
系からの反射光を十分低く抑えるよう注意しなければならない。
d) 光パワーメータの測定値を送信光出力Pfとする。
参考 ピーク値を測定する場合は,マーク率50%での値に対して,3dBを加えた値又は,オール ″1″
(マーク率100%)の信号入力時の値とする。
6.5.4
個別規格に規定すべき項目
a) 動作温度
b) 送信部の駆動条件(電源電圧)
c) 送信部の入力信号(伝送速度,波形,マーク率)
d) 測定用光ファイバ
6.6
ピーク発光波長とスペクトル幅(送信部個別試験)
6.6.1
目的 規定された状態での,モジュールのピーク発光波長とスペクトル幅を測定することを目的と
する。
6.6.2
測定回路 ピーク発光波長とスペクトル幅の測定は,図9の方法で行う。
図9 ピーク発光波長とスペクトル幅の測定回路
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6.6.3
測定方法
a) 送信部を規定の条件で駆動する。
b) 送信部の入力にパターン発生器から規定の入力信号を加える。
c) 規定の測定用光ファイバを介した光出力を,光スペクトラムアナライザに入力し,ピーク発光波長λp
及びスペクトル幅∆λwを読み取る(図10参照)。
図10 スペクトル分布
6.6.4
個別規格に規定すべき項目
a) 動作温度
b) 送信部の駆動条件(電源電圧)
c) 送信部の入力信号(伝送速度,波形,マーク率)
d) 測定用光ファイバ
6.7
電気入出力インタフェース(送信部・受信部個別試験)
6.7.1
目的 規定された状態での,送・受信部の電気入出力インタフェースを試験することを目的とする。
6.7.2
レベルの高低 送信部電気入力インタフェースの試験は,高レベル入力電圧 (VIH),低レベル入力
電圧 (VIL),高レベル入力電流 (IIH),低レベル入力電流 (IIL) を,受信部電気出力インタフェースの試験は,
高レベル出力電圧 (VOH),低レベル出力電圧 (VOL) を測定することによって行う。
正論理送信部及び正論理受信部の場合のレベル関係を,図11に示す。
図11 レベル関係
6.7.3
測定回路 送信部電気入力インタフェースの測定回路及び受信部電気出力インタフェースの測定
回路は,それぞれ図12及び図13による。
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図12 送信部電気入力インタフェース測定回路
備考 破線は6.7.4.2 a)2)での接続状態を示す。
図13 受信部電気出力インタフェース測定回路
6.7.4
測定方法
6.7.4.1
送信部電気入力インタフェース
a) 入力電圧(VIH又はVIL)の測定
1) 供試送信部を規定の条件で駆動する。
2) 一つの供試入力端子に,送信光出力が規定の高レベル (POH) 又は規定の低レベル (POL) になるよう
に高レベル入力電圧 (VIH) 又は低レベル入力電圧 (VIL) を印加し,他のすべての入力端子にそれぞ
れ規定電圧 (VIi) を印加する。なお,インタフェースの条件によって,必要な端子は適当な終端抵
抗で終端してもよい。
3) 送信光出力が規定のレベルにあるときの入力電圧(VIH又はVIL)を測定する。
4) この測定をそれぞれの入力端子に対して順次行う。
b) 入力電流(IIH又はIIL)の測定
1) 供試送信部を規定の条件で駆動する。
2) 一つの供試入力端子に,規定の高レベル入力電圧 (VIH) 又は低レベル入力電圧 (VIL) を印加し,他
のすべての入力端子に規定の電圧 (VIi) を印加する。なお,インタフェースの条件によって,必要
な端子は適当な終端抵抗で終端してもよい。
3) そのときの入力端子から流入又は流出する入力電流(IIH又はIIL)を測定する。
4) この測定をそれぞれの入力端子に対して順次行う。
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備考 測定方法は正論理の場合について規定しているが,負論理の場合は高レベル入力電圧 (VIH) と
低レベル入力電圧 (VIL) を,高レベル入力電流 (IIH) と低レベル入力電流 (IIL) をそれぞれ入れ
替えることによって行う。
6.7.4.2
受信部電気出力インタフェース
a) 出力電圧(VOH又はVOL)の測定
1) 供試受信部を規定の条件で駆動する。
2) 可変光減衰器を調節して,光入力端子に出力電圧が高レベル又は低レベルになるように規定の受信
光入力(PIH又はPIL)を入力する。
3) 出力端子から規定の出力電流(IOH又はIOL)を流出させる(出力形式によっては流入させる。)。
なお,インタフェース条件によっては必要な端子は適切な終端抵抗で終端する。
4) そのときの出力電圧(VOH又はVOL)をオシロスコープなどで測定する。
備考 測定方法は正論理の場合について規定しているが,負論理の場合は高レベル入力電圧 (VIH) と
低レベル入力電圧 (VIL) を,高レベル入力電流 (IIH) と低レベル入力電流 (IIL) をそれぞれ入れ
替えることによって行う。
6.7.5
個別規格に規定する事項
a) 送信部電気入力インタフェース
1) 動作温度
2) 送信部の駆動条件(電源電圧)
3) 送信部の送信光出力
4) 送信部の電気入力レベル
5) 測定用光ファイバ
6) 空端子の取扱い
b) 受信部電気出力インタフェース
1) 動作温度
2) 基準送信部の送信光出力
3) 受信部の駆動条件(電源電圧)
4) 受信部の受信光入力及び波形
5) 受信部の電気出力電流
6) 測定用光ファイバ
7) 空端子の取扱い
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6.8
電源電流(送信部・受信部個別試験)
6.8.1
目的 規定された状態での,モジュールの電源電流を測定することを目的とする。
6.8.2
測定回路 電源電流の測定は,図14による。
備考 破線は6.8.3 c)での接続状態を示す。
図14 電源電流の測定回路
6.8.3
測定方法
a) 送信部及び受信部を規定の条件で駆動する。
b) 送信部の入力にパターン発生器から規定の入力電気信号を加える。
c) 受信部の測定の場合には可変光減衰器を調節し,規定の範囲の光パワーが受信部に入力するように調
節する。このとき受信部入力端での光パワーが規定の最小受信光入力から最大受信光入力の範囲で行
う。
d) 送信部及び受信部の電源端子に流入する電流を測定する。
e) 電源端子が複数個ある場合は,各々独立に測定する。
6.8.4
個別規格に規定すべき項目
a) 動作温度
b) 送信部及び受信部の駆動条件(電源電圧)
c) 送信部の入力信号(伝送速度,波形,マーク率)
d) 測定用光ファイバ
e) 受信部の最大受信光入力及び最小受信光入力
f)
基準送信部の送信光出力(受信部個別測定の場合に規定する。)
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6.9
最小受信光入力,最大受信光入力(受信部個別試験)
6.9.1
目的 規定された状態での,最小受信光入力及び最大受信光入力を測定する。
6.9.2
測定回路 最小受信光入力及び最大受信光入力の測定は,図15による。
備考 破線は6.9.3 e)での接続状態を示す。
図15 受信光入力の測定回路
6.9.3
測定方法
a) 基準送信部及び受信部を規定の条件で駆動する。
b) 基準送信部の入力にパターン発生器から規定のNRZ符号の1010…連続信号(マーク率50%)の入力
信号を加える。
c) 受信部の出力とパターン発生器の同期パルスの位相を誤り率検出器の入力点で図16のように受信部
出力波形の位相の中央に合わせる。このとき受信光入力は規定の値とする。
図16 受信光入力測定時のパルスの位相
d) パターン発生器の出力を擬似ランダム信号(マーク率50%)として信号伝送を行う。誤り率検出器を
用いて誤り率が規定の値となるように可変光減衰器を調整して,受信光入力が最小又は最大となる値
を見付ける。
16
C 6111 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
e) このときの光受信モジュールの規定された符号誤り率を確保するための最小の受信光入力レベルP1min,
最大の受信光入力レベルP1maxを光パワーメータを用いて測定する。
ここで,光パワーメータの受光部は光ファイバ端から放出される全光量を十分受ける構造でなけれ
ばならない。
また,測定系からの反射光を十分低く抑えるように注意しなければならない。
6.9.4
個別規格に規定すべき項目
a) 動作温度
b) 基準送信部の上昇時間,下降時間,パルス幅ひずみ,パルス幅ジッタ及び送信光出力
c) 受信部の駆動条件(電源電圧)
d) 送信部の入力信号(伝送速度,波形及び擬似ランダム信号の生成多項式)
e) 符号誤り率
f)
測定用光ファイバ
g) 基準送信部のピーク発光波長及びスペクトル幅(省略してもよい。)
光能動部品標準化委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
福 田 光 男
日本電信電話株式会社NTT光エレクトロニクス研究所
井 沢 浩
三菱電機株式会社鎌倉製作所
北相模 博 夫
富士通株式会社基幹通信事業本部光開発推進部
北 原 知 之
株式会社日立製作所情報通信事業部
城 野 順 吉
アンリツ株式会社計測器事業部
堀 川 英 明
沖電気工業株式会社研究開発本部半導体技術研究所
本 田 和 生
ソニー株式会社セミコンダクタカンパニー半導体レーザ部
御神村 泰 樹
住友電気工業株式会社光電子事業部
宮 島 博 文
浜松ホトニクス株式会社中央研究所
本 舘 淳 哉
株式会社東芝半導体システム技術センター
竹 川 浩
シャープ株式会社オプトデバイス事業部
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
兼 谷 明 男
通商産業省
増 田 岳 夫
財団法人光産業技術振興協会
(事務局)
山 田 康 之
財団法人光産業技術振興協会