(IEC 60917-1 : 1998)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによってJIS C 6010-1969は廃止され,この規格に置き換えられる。
この部編成規格は,次による。
JIS C 6010群 電子機器用ラック及びユニットシャシのモジュラオーダ
JIS C 6010-1 第1部:通則 モジュラオーダ概念
JIS C 6010-2 第2部:25mm実装のインタフェイス整合寸法
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. はじめに ························································································································ 1
2. 適用範囲 ························································································································ 2
3. 目的 ······························································································································ 2
4. 引用規格 ························································································································ 2
5. 定義 ······························································································································ 3
6. 基本背景情報 ·················································································································· 9
6.1 電子機器の実装構造の構成······························································································· 9
6.2 関連する技術分野に対する寸法体系 ··················································································· 9
6.3 新規機器の実装構造に向けた規格の作成 ············································································ 11
7. モジュラオーダの詳細 ····································································································· 12
7.1 モジュラ格子 (Modular grid) ···························································································· 12
7.2 ピッチ ························································································································ 13
7.3 整合寸法 (Co-ordination dimensions) ··················································································· 14
7.4 モジュラオーダの図解···································································································· 15
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 6010-1 : 1998
(IEC 60917-1 : 1998)
電子機器用ラック及びユニット
シャシのモジュラオーダ−
第1部:通則 モジュラオーダ概念
Modular order for the development of mechanical structures for
electronic equipment practices−
Part 1 : Generic standard for modular order for the development of
mechanical structures for electronic equipment practice
序文 この規格は,1998年に第1版として発行されたIEC 60917-1 (Modular order for the development of
mechanical structures for electronic equipment practices−Part 1 : Generic standard for modular order for the
development of mechanical structures for electronic equipment practice) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様
式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で下線の点線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。また,IEC規格番号は,
1997年1月1日から実施のIEC規格新番号体系によるものであり,これより前に発行された規格につい
ても,規格番号に60000を加えた番号に切り替えた。これは,番号だけの切替えであり,内容は同一であ
る。
1. はじめに 近年の電子機器装置の機能集約に向けてのLSI化,小形化の動向ばかりでなく,コンピュ
ータを適用した新しい自動製造方法及び試験装置 (CAE) の導入で,使用者には技術的,経済的に利便が
提供されてきている。
企画,設計,製造及び試験の各段階で,新規開発部品,製造方法及びCAEシステムを利用する際,その
利便性が十分に活用されることを確実にするために,装置構成法は次の要求条件(IECガイド103参照)
を満足することが必要となる。
− 最小エリア,領域内での部品の配置
− 外形寸法,実装寸法(固定穴,とりしろなど)などに関する製品間の寸法互換
− 次に示す製品の寸法互換とインタフェイス寸法の決定
・ 装置,ラック,パネル,キャビネットなどの製品の取付けにかかわる寸法
・ ドア高さ,部屋の高さ,領域など装置構成に関連した基本格子にかかわる寸法
二つの寸法体系(インチ系/メートル系)が適用されることから発生する障害は,相互に互換がないこ
とである。二つの寸法体系間のインタフェイス適用は,この障害回避に向け一つの手法を提示する。推奨
は,
− ただ一つの寸法体系とSI単位の適用である。
2
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
この規格の7.3で示されている寸法類は,その他のドキュメントでの寸法体系を考慮し,IECガイド103
のシステム1から採用している。
2. 適用範囲 この規格は,機器の実装構造にかかわるものである。モジュラオーダは,インタフェイス
寸法が考慮された様々な設置条件に配置する電子装置の主な構造寸法系に適用できる。この規格の寸法体
系は,基本となる設計諸元であり,製造公差又はクリアランスに適用されるものではない。さらに,その
他の技術分野へのインタフェイス情報として,技術及び発展した設計指針を包含する。この規格は,電子
機器の機構構造組立て,部品に対する標準事項も網羅している。
3. 目的 この規格は,電子機器の機構構造に関するモジュラオーダの考え方の定義を示し,例えば,プ
リント配線板,部品,設備,備品,設置空間,建物などの工業生産物に対して機構インタフェイスでの寸
法互換を実現することを目的とする。
さらに,次のような状況に対しモジュラオーダ規則の応用と導入を支援する。
− SI単位のメートルを基本とする電気分野でのインタフェイス寸法の互換を目的とする。
− この規則を適用することで技術的,経済的有利性が達成される。
この規格での用語は,電子機器機構構造に関するすべての規格及び関連する技術文書に使用する。
参考 従来形ラック及びシャシの寸法規定及びJIS C 6010-2で規定するキャビネット,ラック類の詳
細寸法規定をJIS C 6010-2の附属書に示す。
4. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
日本工業規格
JIS C 6010-2:電子機器用ラック及びユニットシャシのモジュラオーダ−第2部:25mm実装のインタ
フェイス整合寸法
備考 IEC 60917-2 : 1992, Generic standard for modular order for the development of mechanical
structures for electronic equipment practices−Part 2 : Sectional specification Interface
co-ordination dimensions for the 25 mm equipment practiceが,この規格と一致している。
JIS C 6010-2 附属書1:電子機器用ラック及びユニットシャシのモジュラオーダ−第2部:25mm実
装のインタフェイス整合寸法−附属書1 キャビネット及びラック寸法
備考 IEC 60917-2-1 : 1993, Generic standard for modular order for the development of mechanical
structures for electronic equipment practices−Part 2 : Sectional specification−Interface
co-ordination dimensions for the 25 mm equipment practice−Section 1 : Detail specification−
Dimensions for cabinets and racksが,この規格と一致する。
JIS C 6010-2 附属書2:電気機器用ラック及びユニットシャシのモジュラオーダ−第2部:25mm実
装のインタフェイス整合寸法−附属書2 サブラック,シャシ,バックプレーン,フロントパネ
ル及びプラグインユニットの寸法
備考 IEC 60917-2-2 : 1994, Generic standard for modular order for the development of mechanical
structures for electronic equipment practices−Part 2 : Sectional specification−Interface
co-ordination dimensions for the 25 mm equipment practice−Section 2 : Detail specification−
Dimensions for subracks, chassis, backplanes, front panels and plug-in unitsが,この規格と一
3
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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致する。
IEC規格
IEC 60050 (581) : 1978, International Electrotechnical Vocabulary (IEV), Chapter 581 : Electromechanical
components for electronic equipment
IEC 60297-1 : 1986, Dimensions of mechanical structures of the 482.6 mm (19 in) series−Part 1 : Panels and
racks
IEC 60297-2 : 1982, Part 2 : Cabinets and pitches of rack structures
IEC 60297-3 : 1984, Part 3 : Subracks and associated plug-in units
IEC 60297-4 : 1995, Part 4 : Subracks and associated plug-in units−Additional dimensions
IEC 60473 : 1974, Dimensions for panel-mounted indicating and recording electrical measuring instruments
IEC 60629 : 1978, Standard sheets for a modular system (for installation accessories for use in domestic and
similar installations)
IEC 60668 : 1980, Dimensions of panel areas and cut-outs for panel and rack-mounted industrial-process
measurement and control instruments
IEC Guide 103 : 1980, Guide on dimensional co-ordination
ISO規格
ISO 31 : 1992, Quantities and units
ISO 1000 : 1981, SI units and recommendations for the use of their multiples and of certain other units
ISO 1006 : 1983, Building construction−Modular coordination−Basic module
ISO 1040 : 1983, Building construction−Modular coordination−Multimodules for horizontal coordinating
dimensions
ISO 3827-1 : 1977, Shipbuilding−Coordination of dimensions in shipsʼ accommodation−Part 1 : Principles of
dimensional co-ordination
5. 定義 この規格で適用している用語は,IEC 60050 (581) 4版に対応している。規定に当たっては,次
に示す用語及び定義の追加が必要となる。
機器の実装構造 (equipment practice) 電子及び電気システムの収容及び実装方法を含む機械的構造。
これによって機械部品,電気的相互接続及び電子部品の互換性を保つ。
モジュラオーダ (modular order) 機器の実装構造で使用する基本ピッチ,倍ピッチ及び実装ピッチと
整合寸法との間に成立する一連の規定。
整合寸法 (co-ordination dimension) 機械的なインタフェイスの整合のために用いる参照寸法。ただし,
この寸法は公差を伴う製造寸法ではない。
備考 機械的構造で使用する実際の外形寸法は,この整合寸法よりも小さな値を用いる。
開口部寸法 (aperture dimension) 構造部材の間で利用できる空間を示す特定の整合寸法。
備考 実際の開口部の内側寸法は,この整合寸法より大きな値を用いる。
n (基本ピッチ,倍ピッチ及び実装ピッチに対して用いる。)乗数で連続した整数。
基本ピッチ (base pitch) (p) 機器の実装構造に使用する格子(グリッド)で,間隔の一番小さいもの。
倍ピッチ (multiple pitch) (Mp) 基本ピッチの整数倍で示すピッチ。
実装ピッチ (mounting pitch) (mp) 与えられた空間の内部で部品の配置や組立てのために用いるピッ
チ。実装ピッチの公称値は,基本ピッチ又は倍ピッチに表Iの係数Fの値を乗じて設定する。機器の実装
4
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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構造で用いる実際の寸法は,実装ピッチの公称値から導かれ,製造上の公差を含む。
基準面 (reference plane) 空間を規定するために用いる厚さ及び公差を含まない理論上の平面。
格子 (grid) モジュラオーダに基づいて位置を整合させるために用いる二次元又は三次元のピッチの
配列。
モジュール (module) すべての側面がどれかのピッチの倍数で構成された三次元の構造体。二次元の
格子上でも適用できる。
備考 一次元のモジュールは,その他の規格でユニット (U) と呼ばれている。
キャビネット又はラックの列 (suite of racks or cabinets) 側面で連結して接続したキャビネット又は
ラックの列。
ラック
電気又は電子機器を収容するための自立又は固定された構造物。
図1
キャビネット
電気,電子機器を収容するための,独立した,自立きょう(筐)体。
それは,通常取外し可能,又は固定されたドアや側面板を装備している。
5
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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図2
ケース
電気,電子機器を内部に収容することができ,テーブル,ベンチ及び壁に固定される。
図3
スイングフレーム
電気,電子機器を支持し,ヒンジ固定されたフレームである。
そのフレームは,フレームの裏側へのアクセスが可能となるよう回転できる。
6
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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図4
サブラック
部品が挿入されたプリント板などのプラグインユニットを収容する構造単体。
図5
シャシ
電気,電子部品を支持,連結するために個別に設計された機械的構造物。
図6
7
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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プラグインユニット
サブラックの中に差し込まれ,ガイドによって支持されるユニット。これらのユニットは,部品が挿入
されたプリント板から,プラグイン接続をもつよう設計されたフレーム又は箱形のユニットまで種々なタ
イプが可能である。
図7
コンソール
制御,情報及び監視機器のために,水平,垂直及び斜めの面をもち,テーブル据付け,又は床面に自立
するきょう(筐)体。
図8
プラグインユニットガイド
サブラック内で部品の付いたプリント板及び/又はプラグインユニットを設置,支持するためのガイド
用部品。
8
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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図9
スライド
ラック,キャビネット及びケースの中で,サブラック,シャシを支え,かつ,スライドを可能にする一
対の直角のバー。
図10
伸縮自在のスライド
引出し可能なサブラック及び/又はシャシを支持するための構造部品。
9
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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図11
6. 基本背景情報 モジュラオーダの基本は,ISO 1000及びIS0 31-1でのメートルを長さの単位とする
SI単位としていることである。
その他のモジュラオーダとの互換性は,IEC 60473,IEC 60629及びIEC 60668並びにISO 1006,IS0 1040
及びIS0 3827-1による。
6.1
電子機器の実装構造の構成 図12に,現在の電子機器の実装構造に関して知られている四つの階層
の概要を示す。モジュラオーダは,この種の構造だけでなく,メートル系ピッチ及び整合寸法による基本
寸法格子を適用した新しい電子機器の実装構造にも適用する。
図12 電子機器の実装構造の階層
6.2
関連する技術分野に対する寸法体系 新しい電子装置の開発には,外部インタフェイス及び内部イ
ンタフェイスを考慮する必要がある。電子機器の実装構造への最も重要なインタフェイスは次である。
外部インタフェイス:
10
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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− ドア,エレベータ,床のタイル,天井などといった部屋の設備がついた建物。
− トラック,船,及び空輸用のパレット,コンテナなどの包装と輸送。
− スイッチ,トランス,電源,産業処理装置などの様々な装置の合同設置。
内部インタフェイス:
− 印刷された回路,コネクタ及び電気機械構成要素。
− 半導体部品。
− 配線及びケーブル。
− AC/DCコンバータ,測定機器及び制御装置,ヒューズなどの機能装置。
電子システムの機器の実装構造に対する要求を指定する場合,これら多くのインタフェイスを考慮する
必要がある。このようなインタフェイスに対して,整合寸法は,関連技術分野での寸法上の互換性を得る
手段として用いる。
表Aは,一般的なインタフェイスをとるために必要な寸法系列決定時に考慮する,ISO及びIECの規格
概要を示す。
11
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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表A 規格化されたモジュール寸法を含む刊行物及び関連規格
刊行物
題名
整合寸法mm
ISO 2848
Building construction−Modular co-ordination−Principles and rules (Second
edition, 1984)
ISO 1791
Building construction−Modular co-ordination−Vocabulary (Second edition,
1983)
ISO 1006
Building construction−Modular co-ordination−Basic modules (Second
edition, 1983)
100
ISO 6514
Building construction−Modular co-ordination−Sub-modular increments
(First edition, 1982)
20, 25, 50
ISO 1040
Building construction−Modular co-ordination−Multimodules for horizontal
co-ordinating dimensions (Second edition, 1983)
300, 600, 1 200, 1
500, 3 000, 6 000
ISO 3394
Dimensions of rigid rectangular packages−Transport packages (Second
edition, 1984)
600×400…
1 200×800…
ISO 3676
Packaging−Unit load sizes−Dimensions (First edition, 1983)
1 200×800…
ISO 3827-1
Shipbuilding−Co-ordination dimensions in shipsʼ accommodation−Part 1:
Principles of dimensional co-ordination (First edition, 1977)
50, 100, 300
IEC Guide 103
Guide on dimensional co-ordination (First edition, 1980)
0.5, 1, 2.5
(System I)
IEC 60097
Grid systems for printed circuits (Fourth edition, 1991)
0.05, 0.5
IEC 60255-18
Electrical relays−Part 18 : Dimensions for general purpose all-or-nothing
relays
2.5, 5
IEC 60629
Standard sheets for a modular system (for installation accessories for use in
domestic and similar installations) (First edition, 1978)
12.5
IEC 60473
Dimensions for panel-mounted indicating and recording electrical measuring
instruments (First edition, 1974)
12.5
IEC 60668
Dimensions for panel areas and cut-outs for panel and rack-mounted
industrial-process measurement and control instruments (First edition, 1980)
12.5
IEC 60297-2
Dimensions of mechanical structures of the 482.6 mm (19 in) series−Part 2 :
Cabinets and pitches of rack structures (First edition, 1982)
100
6.3
新規機器の実装構造に向けた規格の作成 この規格は,次の構成に従う(図13参照)。
通則 すべての装置構成は,この規格によらなければならない。
個別規格 個別規格は,通則の目的内で,特定の装置への適用を規定する。個別規格内では,整合寸法
(通則から選択する。)は,例えば,高さ,幅,奥行きなどの標準寸法として規定する。異なる倍ピッチを
もとに,一つ以上の個別規格があってもよい。
詳細規格 詳細規格は,個別規格に説明されている装置のユニットやサブユニットを詳細に規定するも
のである。これらユニットがキャビネット,ラック,サブラック,シャシ,バックプレーン,フロントパ
ネル,プラグインユニットなどに対応し,機構的な互換性を保持するための,詳細な寸法,公差及び要求
条件を規定する。
12
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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図13 装置構成規格構造
7. モジュラオーダの詳細
7.1
モジュラ格子 (Modular grid) 基本ピッチと倍ピッチとの関係は,装置構成法にかかわる三次元格
子を示す図14で説明できる。ときには,二次元格子,又は一軸上のピッチだけが必要となることもある。
ピッチの値は,7.2に示す。ピッチの選択は,7.2で示す機構構造の大きさに依存する。
13
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図14 モジュラ格子 (Modular grid)
7.2
ピッチ
7.2.1
基本ピッチ及び倍ピッチ
基本ピッチ:0.5mmが適用されなければならない。更に分割することはできない。
倍ピッチ :図14に示すように2.5mm及び25mmを適用し,表Iの整合寸法を導出する。モジュラオ
ーダの規則によれば,例えば,2mm及び20mmといった倍ピッチは許容できる。
(備考 IEC 60097“Grid systems for printed circuit”では0.05mmを使用している。)
7.2.2
実装ピッチ例 実装ピッチ“mpi”,ピッチ“p”(基本ピッチ又は倍ピッチ)及び整合寸法“Ci”の
相関を,図15に示す。実装ピッチは次の関係を満足しなければならない。
mpi=実装ピッチ
mpi=F×p
p=ピッチ(基本又は倍ピッチ)
F=表Iからの係数
mpi=Ci/ni
ni=整数
Ci=7.3の表Iからの整合寸法
Ci=ni×mpi
14
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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C0=C1+C2+C3…
C0=外形の整合寸法
図15の例では,外形の整合寸法C0は四つの整合寸法C1,C2,C3,C4及び一つのmpを包含する(単位
はmm)。
mp=F×p=2×25=50
C0=C1+C2+C3+C4
=n1×mp×n2×mp+n3×mp+n4×mp
=2×50+3×50+5×50+6×50
=100+150+250+300
=800
実装ピッチmpi,整合寸法Ciは7.3の表Iの値に合致しなければならない。Ci寸法は,同じ/又は,異
なる寸法でもよい。
図15 同一実装ピッチmpを基にした整合寸法C0の分割
7.3
整合寸法 (Co-ordination dimensions) 機器の実装構造の機構構造にかかわる推奨整合寸法Ciは,
表Iに示すものである。各寸法は,IECガイド103の表I/.1から主に抜粋している。
15
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
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表I 整合寸法 (Co-ordination dimensions Ci)
整合寸法Ci (mm)
Ci=p×F
係数F
基本ピッチ
P=0.5mm
倍ピッチ
p=2.5mm
p=25mm
40
200
2 000
80
36
180
1 800
72
32
160
1 600
64
30
150
1 500
60
25
125
50
24
120
1 200
48
20
100
1 000
40
16
80
800
32
15
75
30
12.5
25
12
60
600
24
10
50
500
20
8
40
400
16
7.5
15
6
30
300
12
5
25
250
10
4
20
200
8
3
15
150
6
2.5
12.5
125
5
2
10
100
4
1.5
7.5
75
3
1
5
50
2
0.5
2.5
25
1
備考1. 必要に応じて,例えば2 200mm,2 400mmのような大きな値までCi=25×Fの系列は許容で
きる。
整合寸法の応用の一例は,次のものがある。
− ラック,キャビネット,容器などの外形寸法。
− 布線,ケーブリングなどの部品実装,部品組立などに必要な搭載領域。
− 小部品類の搭載ピッチ。
7.4
モジュラオーダの図解 図16は,電子機器の実装構造でのモジュラオーダの展開例を示す。
16
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図16 モジュラオーダの適用例。ピッチpを□内に示す。
(7.2.1参照)
17
C 6010-1 : 1998 (IEC 60917-1 : 1998)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電子機器用ラックJIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
金 子 義 正
NTTアドバンステクノロジー株式会社先端基盤技術事業本部
CADシステム事業部
(委員)
永 松 荘 一
通商産業省機械情報産業局
橋 爪 邦 隆
通商産業省工業技術院標準部
○ 江 森 雄 二
沖電気工業株式会社第一基幹ネットワーク事業部実装技術部
赤 嶺 淳 一
社団法人日本電機工業会技術部
○ 菊 川 隆 彦
日本電気株式会社交換事業部実装技術部
細 貝 茂
社団法人日本電気計測器工業会技術部
炭 山 英 彦
通信機械工業会第一技術部
古 川 純 男
株式会社松田製作所第二技術部
橋 元 保 人
横河電機株式会社生産事業部生産技術一部
稲 垣 聡
株式会社東芝小向工場機械設計部
犀 川 真 一
三菱電機株式会社電力・産業システム事業所広域監視制御部
○ 増 渕 芳 克
富士通株式会社統合通信システム事業部機器設計部
○ 浅 井 誠 二
株式会社日立製作所情報通信事業部
酒 井 弘 一
摂津金属工業株式会社製造部
○ 島 田 章 夫
シュロフ株式会社マーケティング室
○ 杉 浦 伸 明
日本電信電話株式会社ネットワークサービスシステム研究所
○ 畠 山 孝
通商産業省工業技術院標準部情報電気規格課
(事務局)
小 嶋 正 男
社団法人日本電子機械工業会標準化センター
○ 佐 藤 実
社団法人日本電子機械工業会標準化センター
○印は,JIS電子機器用ラックPG委員を兼ねる。