C 4203 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電機
工業会 (JEMA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調
査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによってJIS C 4203 : 1983は改正
され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS C 4203には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと国際規格との対比表
C 4203 : 2001
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 種類 ······························································································································ 1
4. 定格 ······························································································································ 2
4.1 定格電圧 ······················································································································ 2
4.2 定格出力 ······················································································································ 2
5. 性能 ······························································································································ 2
5.1 温度上昇 ······················································································································ 2
5.2 全負荷特性及び最大始動電流 ···························································································· 2
5.3 トルク特性 ··················································································································· 2
5.4 騒音レベル ··················································································································· 3
5.5 耐電圧 ························································································································· 3
5.6 運転中の電圧及び周波数変動 ···························································································· 3
6. 構造 ······························································································································ 4
6.1 口出線 ························································································································· 4
6.2 接地端子 ······················································································································ 4
7. 寸法 ······························································································································ 4
8. 試験方法 ························································································································ 5
8.1 構造試験 ······················································································································ 5
8.2 温度試験 ······················································································································ 5
8.3 全負荷特性及び始動電流試験 ···························································································· 6
8.4 トルク試験 ··················································································································· 6
8.5 騒音試験 ······················································································································ 6
8.6 耐電圧試験 ··················································································································· 7
9. 表示 ······························································································································ 7
附属書(参考) JISと国際規格との対比表 ··············································································· 9
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日本工業規格 JIS
C 4203 : 2001
一般用単相誘導電動機
Single phase induction motors for general purpose
序文 この規格は,IEC 60034-1 : 1996, Rotating electrical machines−Part 1 : Rating and performance及びIEC
60072-1, Dimensions and output series for rotating electrical machines−Part 1 : Frame numbers 56 to 400 and
flange numbers 55 to 1080を元に作成した日本工業規格であるが,この規格の適用範囲以外の製品を対象と
した規定内容を削除したほか,対応国際規格には規定されていない項目及び内容を追加している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にない事項又は異なる事項である。
1. 適用範囲 この規格は,冷媒温度40℃以下の場所に使用される連続定格,周波数50Hz若しくは60Hz
専用又は50Hz/60Hz共用,電圧250V以下,保護方式はIP2X(保護形)及びIP4X(全閉形)の一般用4
極単相誘導電動機(以下,電動機という。)について規定する。
備考1. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60034-1 : 1996 Rotating electrical machines−Part 1 : Rating and performance (MOD)
IEC 60072-1 : 1991 Dimensions and output series for rotating electrical machines−Part 1 : Frame
numbers 56 to 400 and flange numbers 55 to 1080 (MOD)
2. 保護方式IP2X及びIP4Xの詳細は,JIS C 4034-5による。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0401-1 寸法公差及びはめあいの方式−第1部:公差,寸法差及びはめあいの基礎
JIS B 0401-2 寸法公差及びはめあいの方式−第2部:穴及び軸の公差等級並びに寸法許容差の表
JIS B 0902 回転軸の高さ
JIS B 1001 ボルト穴径及びざぐり径
JIS B 1301 キー及びキー溝
JIS C 1502 普通騒音計
JIS C 4034-5 回転電気機械−第5部:外被構造による保護方式の分類
IEC 60072-1 Dimensions and output series for rotating electrical machines−Part 1 : Frame numbers 56 to
400 and flange numbers 55 to 1080
3. 種類 始動方式によって,分相始動及びコンデンサ始動の2種類に分類する。
2
C 4203 : 2001
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4. 定格
4.1
定格電圧 定格電圧は,100V又は200Vとする。
4.2
定格出力 定格出力は,軸において連続して使用可能な機械的出力であり,キロワット (kW) で表
し,表1による。
表1 定格出力
単位 kW
定格出力
0.1,0.12,0.18,0.2,0.25,0.37,0.4
5. 性能
5.1
温度上昇 温度上昇は,8.2によって試験を行ったとき,表2の値以下でなければならない。
表2 温度上昇限度
単位 K
電動機の部分
耐熱クラス
抵抗法
固定子巻線
A
65
E
75
B
85
鉄心とすべての構造構成物
この部分の温度上昇は,いかなる場合もその
部分の絶縁物及び近傍の材料に有害な影響
を与えてはならない。
5.2
全負荷特性及び最大始動電流 全負荷特性及び最大始動電流は,8.3によって試験を行ったとき,表
3による。
表3 全負荷特性及び最大始動電流
種類
定格出力
kW
極数
同期回転速度
min-1
全負荷特性
最大始動電
流
Ist
A
無負荷電流
Io
A
(参考値)
50Hz
60Hz
効率η
%
力率Pf
%
電流I
A
分相始動
0.1
4
1 500
1 800
40以上
47以上 5.1以下
28以下
4.6
0.12
4
1 500
1 800
42以上
49以上 5.5以下
29以下
5.0
0.18
4
1 500
1 800
47以上
52以上 6.8以下
32以下
6.3
0.2
4
1 500
1 800
49以上
54以上 7.2以下
33以下
6.7
コンデンサ始
動
0.1
4
1 500
1 800
40以上
47以上 5.1以下
25以下
4.6
0.12
4
1 500
1 800
42以上
49以上 5.5以下
29以下
5.0
0.18
4
1 500
1 800
47以上
52以上 6.8以下
32以下
6.3
0.2
4
1 500
1 800
49以上
54以上 7.2以下
32以下
6.7
0.25
4
1 500
1 800
51以上
56以上 8.2以下
33以下
7.4
0.37
4
1 500
1 800
56以上
59以上 10.5以下
36以下
9.2
0.4
4
1 500
1 800
57以上
60以上 11.1以下
37以下
9.6
備考 この表の全負荷電流,最大始動電流及び無負荷電流の値は,定格電圧100Vの場合のもので定格電圧E (V) の
場合には,そのE
100をとる。
5.3
トルク特性 最小始動トルク及び最大トルクは,8.4によって試験を行ったとき,表4の値以上でな
ければならない。
3
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表4 トルク特性
種類
定格出力
kW
定格トルクに対する比
最小始動トルク
最大トルク
分相始動
0.1
1.25
1.6
0.12
0.18
0.2
コンデンサ始動
0.1
2.5
1.6
0.12
0.18
0.2
0.25
0.37
2.0
0.4
5.4
騒音レベル 騒音レベルは,8.5によって試験を行ったとき,A特性音響パワーレベルの場合は表5-1,
A特性音圧レベルの場合は表5-2の値以下でなければならない。
表5-1 A特性音響パワーレベル
単位 dB (A)
IP2X電動機
63
IP4X電動機
68
表5-2 A特性音圧レベル
単位 dB (A)
IP2X電動機
58
IP4X電動機
63
5.5
耐電圧 耐電圧は,8.6によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。
5.6
運転中の電圧及び周波数変動 電源の電圧変化と周波数変化との組合せの適用は,図1の領域A又
は領域Bとする。電動機は,領域A内の電圧変化及び周波数変化に対し,定格トルクにおいて連続的に運
転して,実用上支障があってはならず,領域B内の電圧変化及び周波数に対しては,定格トルクで運転し
て実用上支障があってはならない。
なお,領域Bで長時間運転することは望ましくない。
備考 “実用上支障がない”とは,寿命を著しく短縮する程度に至らないことをいい,特性及び温度
上昇などは,定格状態の規定値には必ずしも従わなくてもよい。
4
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図1 電動機の電圧,周波数
6. 構造
6.1
口出線 口出線は,特に指定がない限り,連結の反対側から見て電動機の右側に備えられていなけ
ればならない。
6.2
接地端子 電動機には,接地導体を接続できるような端子を設けなければならない。接地端子は,
記号又は文字(
又はE)で識別できるようにする。
7. 寸法 電動機の寸法及び枠番号の適用は,図2及び表6による。
図2 電動機の寸法記号
5
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表6 電動機の寸法及び枠番号の適用
単位 mm
定格出力
kW
枠番号
電動機寸法
C (1)
(H)
E
2A
F
2B
XB
(C)
R
取付
穴径
軸
Z (2)
(K)
S (3)
(D)
S
公差
Q
(E)
W
(F)
U
(GE)
0.1
0.12
0.18
0.2
0.25
71M
71
56
45
45
120
7
14
h6
30
−
1
0.37
0.4
80M
80
62.5
50
50
140
10
16
j6
40
5
3
注(1) C寸法の許容差は,JIS B 0902によって
0
5.0
−mmとする。
(2) Z寸法は,JIS B 1001に規定のボルト穴の3級の値による。
なお,取付穴は,軸に直角方向に長い長穴としてもよい。
(3 S寸法の公差は,JIS B 0401-1及びJIS B 0401-2による。
備考1. 枠番号80Mの軸端キー及びキー溝は,JIS B 1301による。また,キー溝の寸法許容差は,普通形 (N9) に
よる。
2. 括弧を付けた寸法記号は,IEC 60072-1に規定する寸法記号を示す。
8. 試験方法
8.1
構造試験 構造試験は,6.及び9.に規定する事項について調べる。
8.2
温度試験 温度試験は,電動機に定格周波数の定格電圧を加え,定格出力でその温度上昇が一定と
なったと認められるまで連続運転して行う。固定子巻線の温度上昇は,抵抗法によって算出する。固定子
巻線以外の温度は,温度計法によって測定し,温度上昇は,電動機の運転中及び運転停止後において達す
る最高温度と冷媒温度との差をもって表す。
a) 冷媒温度の決定法 冷媒温度は,試験される電動機から1〜2m隔たった箇所で,電動機の床上高さの
ほぼ中央の高さに温度計数個を,電動機又は他からの熱放射若しくは通風の影響を受けないように設
置して温度を測り,その平均値をとる。温度試験中に冷媒温度が変化する場合には,1時間以下の等
間隔で測定した記録から,全試験期間の最後の4分の1の時間における平均値を冷媒温度とする。
b) 抵抗法 巻線の抵抗の増加を測定して巻線の温度上昇を,次の式によって算出する。
)
(
)
(
1
a
1
1
1
2
a
2
θ
θ
θ
θ
θ
θ
−
+
+
−
=
−
=
T
R
R
ここに,
θ: 巻線の温度上昇 (℃)
R2: 熱状態(温度θ2)における巻線抵抗
R1: 冷状態(温度θ1)における巻線抵抗
θ2: 試験直後における巻線温度 (℃)
θ1: 冷状態においてR1を測定したときの温度 (℃)
θa: 試験における冷媒温度 (℃)
T: 定数
銅に対しては, T=235
アルミニウムに対しては T=225
6
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8.3
全負荷特性及び始動電流試験 全負荷特性及び始動電流試験は,8.2の温度試験のすぐ後に,次の方
法で行う。
a) 全負荷特性試験 全負荷特性験は,電動機を定格周波数の定格電圧で運転し,定格出力に相当する実
負荷をかけ,そのときのトルク,回転速度,入力及び電流を測定し,次の式によって求める。
)
W
(
60
2
n
T
P
・
=π
(%)
100
×
W
P
=
η
(%)
100
f
×
EI
W
P=
ここに,
P: 出力 (W)
T: トルク (N・m)
n: 回転速度 (min−1)
η: 効率 (%)
W: 入力 (W)
Pf: 力率 (%)
E: 定格電圧 (V)
I: 全負荷電流 (A)
b) 最大始動電流試験 最大始動電流試験は,電動機を拘束し,定格周波数の定格電圧を加えたときの電
流を測定する。
8.4
トルク試験 最小始動トルク及び最大トルク試験は,8.2の温度試験のすぐ後に次の方法で行う。
a) 最小始動トルク試験 最小始動トルク試験は,電動機に定格周波数の定格電圧を加え始動時のトルク
をプローニブレーキ又はその他のトルク測定装置を用いて測定し,定格トルクに対する比を求める。
b) 最大トルク試験 最大トルク試験は,電動機に定格周波数の定格電圧を加えて連続運転し,出力を徐々
に増加させ,回転速度が急激に低下する直前の最大トルク(停動トルク)を電気動力計,プローニブ
レーキ,その他のトルク測定装置を用いて測定し,定格トルクに対する比を求める。
8.5
騒音試験 電動機を定格電圧及び定格周波数で無負荷運転した場合の騒音レベルを測定する。
a) 測定条件
1) 据付け 測定は暗騒音及び周囲からの反射音ができるだけ少なく,また,変化が少ない場所を選び,
かつ,弾性体上で行うことが望ましい。
2) 暗騒音の影響 合成騒音と暗騒音との差が10dB以上のときは,暗騒音の影響を無視してよい。そ
の差が,10dB未満のときは,表7によって補正をして対象の音の騒音を推定することができる。両
者の差が少ないとき,特に3dB未満のときは測定値には信頼性がない。
表7 暗騒音の影響に対する補正
単位 dB
合成騒音と暗騒音との差
3
4
5
6
7
8
9
補正値
−3
−2
−1
3) 反射音の影響 電動機表面からマイクロホンまでの距離に対して,騒音レベルが一様に減少し,か
つ,距離を2倍にしたとき,約4dB以上減少するような場所を選ぶことが望ましい。
b) 音圧レベルの測定 測定には,JIS C 1502に適合した普通騒音計を使用し,周波数補正はA特性とす
る。騒音計の指示が変動するときは,数回の測定の平均値とする。
1) 測定位置 測定位置は,軸中心線を含む水面上の軸方向及び固定子枠のほぼ中心で軸と直角方向の
4点で,電動機から0.5mの距離で測定する。ただし,規定の距離で測定するのが不適当な場合,例
えば測定すべき騒音レベルと暗騒音が著しく接近している場合,又は反射音の影響が顕著な場合に
は規定以外の距離を選定してもよいが,この場合にはマイクロホン距離を明記しておかなければな
7
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らない。
なお,マイクロホンは,電動機自身の冷却風の影響を受けないところに置く。距離のとり方は,
軸を除く電動機表面から測定する。
2) 騒音の音圧レベルの算出方法 測定値の相加平均をもって電動機の騒音の音圧レベルとする。
3) 騒音の音響パワーレベルの算出方法 1)の4点に加え,電動機中心の上面から0.5mの距離でも測定
する。5個の騒音の音圧レベル測定値Lp1,Lp2,……Lp5から,次の式を用いて平均騒音の平均音圧
レベル
PLを求める。
…
…
10
log
10
log
10
log
5
1
log
10
p5
1
p2
p1
1
P
1
L
L
L
L
−
−
+
+
+
=
−
次の式から等価半球の半径rsを求める。
2
1
S
2
)
(
c
b
a
r
+
=
ここに, a: 電動機全長 (m) の1/2+0.5 (m)
b: 電動機幅 (m) の1/2+0.5 (m)
c: 電動機高さ (m) +0.5 (m)
電動機が反射性の床面,例えば,コンクリート床,地面上などに置かれているときは,次の式に
よって,A特性で補正された音響パワーレベルLwを求める。
dB)
(8
log
20
S
P
W
+
+
=
r
L
L
また,電動機が自由空間(音場が反射物などの影響を受けない場所のことであって,無響室がこ
れに相当する。)で測定された場合は次の式によって,A特性で補正された音響パワーレベルLwを
求める。
dB)
(
11
log
20
S
P
W
+
+
=
r
L
L
備考 騒音計及び測定上の精度のため,騒音レベル測定には,3dB以内の誤差を生じることがある。
8.6
耐電圧試験 耐電圧試験は,直流500V絶縁抵抗計で電動機巻線の絶縁抵抗を測定し,1MΩ以上あ
ることを確かめた後,周波数50Hz又は60Hzの正弦波に近い次の電圧を,その一次巻線と鉄心との間に1
分間加える。温度試験を実施した場合は,温度試験の直後にこの試験を行う。ただし,多量生産の電動機
には,次の試験電圧の120%の電圧を1秒間加えてこれに代えることができる。
2E+500 (V)(最低1 000 V)
ここに,
E: 定格電圧 (V)
9. 表示 電動機には,読みやすく,耐久性があり,次の事項を記載した定格銘板を取り付けなければな
らない。
なお,次の事項は必ずしも同一銘板上になくてもよい。
銘板は,できるだけ電動機の見やすい箇所に取り付ける。
a) 電動機の名称
b) 始動方式の種類
8
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c) 製造業者名又はその略号
d) 製造番号又は機器番号
e) 製造年[この情報が項目d)によって製造業者から得られる場合は,省略してもよい。]
f)
形式(製造業者が定めた形式名)
g) 保護方式の記号
h) 定格出力
i)
定格電圧
j)
定格電流(全負荷電流の近似値を記す。)
k) 定格回転速度(定格出力における毎分回転数の近似値を表示する。)
l)
定格周波数
m) 定格の種類又は使用の種類(省略する場合は,連続定格とする。)
n) 耐熱クラス又は温度上昇限度
o) コンデンサの容量(コンデンサ始動の場合に限る。)
p) 構造上回転方向が制約される場合には,回転方向を電動機の見やすい箇所に表示する。
q) 適用規格の番号
関連規格 JIS C 4003 : 1998 電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価
JIS C 4034-1 : 1999 回転電気機械−第1部:定格及び特性
JEC-2137 : 2000 誘導機
9
C
4
2
0
3
:
2
0
0
1
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附属書(参考) JISと国際規格との対比表
序文 この附属書(参考)は,JISと対応する国際規格との対比について記述するもので,規定の一部ではない。
JIS C 4203 : 2001 一般用単相誘導電動機
IEC 60034-1 : 1996
IEC 60072-1 : 1991
Rotating electrical machines−Part 1 : Rating and performance
(回転電気機械−第1部 : 定格及び特性)
Dimensions and output series for rotating electrical machines−Part 1 : Frame numbers 56 to 400 and
flange numbers 55 to 1080
(回転機の寸法及び出力系列−第1部 : フレーム番号56-400及びフランジ番号55-1080)
(I)JISの規定
(II)国際規格番
号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本文中
表示方法:点線の下線
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.
適用範囲として冷媒温度
40℃以下の場所に使用される
連続定格,周波数50Hz若し
くは60Hz専用又は50Hz・
60Hz共用,電圧250V以下,
保護方式はIP2X(保護形),
IP4X(全閉形)の一般用4極
単相誘導電動機と規定してい
る。
IEC 60034-1
1.1
車両用回転機を除くすべての
回転機。
MOD/変
更
JISは,IECの適用範囲
の一部を適用範囲として
る。
1.IEC 60034シリーズ(回転機規
格シリーズ)の規格体系は,要
素技術ごとに規定する形態で,
機種ごとに規定する形態をとっ
ていない。それに対してJISは
機種ごとに規定する形態をとっ
ている。
2.JIS規定は標準化を念頭におい
て(1)出力と寸法の対応,(2)効率
値・力率値などを規定している。
2.
引用規格としてJIS規格8件
と国際規格1件を規定してい
る。
IEC 60034-1
1.2
引用規格として国際規格23
件を規定している。
MOD/変
更
引用規格が異なる。
JISは,この機種範囲に必要な規
格だけを引用規格としている。
3.
始動方式により2種類に分類
している。
−
−
IEC規格では特に規定してい
ない。
MOD/追
加
−
始動方式により構造が異なるた
め,分類する必要がある。
4.1
定格電圧は,100,200Vと規
定している。
IEC 60034-1
6.1
100V-750 000V
MOD/変
更
IECには200Vの規定が
ない。
JISは,この機種範囲に標準的に
使用されている電圧を定格電圧
として規定している。
1
0
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:
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1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際規格番
号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本文中
表示方法:点線の下線
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
4.2
定格出力として0.1,0.12,
0.18,0.2,0.25,0.37,0.4kW
を規定している。
IEC 60072-1
9.
推奨する定格出力として
0.06-250kWを規定している。
MOD/変
更
0.1,0.2,0.4kWはIEC
にはない。
0.1,0.2,0.4kWは従来のJISに
規定され,長年にわたり,標準出
力として使われている。
5.1
A,E,Bクラスの温度上昇限
度を規定している。
IEC 60034-1
7.10
A,E,B,F,Hクラスの温
度上昇限度を規定している。
MOD/変
更
IECではF,Hも規定さ
れている。
JISは,この機種範囲に標準的に
使用されている耐熱クラスだけ
を規定している。
IEC 60034-1
7.2
冷却方式別に温度上昇限度を
規定している。
MOD/変
更
JISは,空冷機種の温度
上昇だけを規定してい
る。
JISは,この機種範囲に標準的に
使用されている冷却方式の温度
上昇限度だけを規定している。
5.2
全負荷特性(効率,力率,電
流),最大始動電流を,また,
参考値として無負荷電流を規
定している。
−
−
IEC規格では特に規定してい
ない。
MOD/追
加
−
ユーザのため基準となる特性数
値が必要である。
5.3
最小始動トルク,最大トルク
を規定している。
−
−
IEC規格では特に規定してい
ない。
MOD/追
加
−
ユーザのため基準となる特性数
値が必要である。
5.4
4極−0.1kW〜0.4kWに対し
て騒音レベルを音響パワーレ
ベルと音圧レベルで規定して
いる。
−
−
4極−0.1kW〜0.4kWに対し
て騒音レベルを規定している
IECはない。
MOD/追
加
−
ユーザのため基準となる騒音レ
ベルが必要である。
5.5
耐電圧を規定している。
IEC 60034-1
8.1
耐電圧を規定している。
IDT
−
−
5.6
運転中の電圧及び周波数変動
を規定している。
IEC 60034-1
6.3
運転中の電圧及び周波数変動
を規定している。
IDT
−
−
6.1
口出線の引出し方向について
規定している。
IEC 60072-1
4.
端子箱を設ける場合について
端子箱位置を規定している。
MOD/変
更
口出線の引出し方向が異
なる。
JISに長年にわたり規定されてお
り,変更することはユーザに対し
不利益となる。
6.2
接地端子について規定してい
る。
IEC 60034-1
10.1
接地端子について規定してい
る。
MOD/変
更
IECは接地導線の断面積
を規定している。
JISは国内の慣行に従った規定と
している。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際規格番
号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本文中
表示方法:点線の下線
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
7.
出力と枠番号の対応について
規定している。
IEC 60072-1
6.1.10
枠番号と寸法について規定し
ている。
MOD/追
加
IECでは出力と枠番号の
対応について規定してい
ない。
国内では,ユーザの要求により規
定する必要がある。
8.1
構造試験について規定してい
る。
−
−
IEC規格では特に規定してい
ない。
MOD/追
加
−
−
8.2
定格出力で連続負荷して行
う。実負荷が困難な場合は等
価負荷法による。
IEC 60034-1
7.7
負荷の種類を10通りで規定
(S1〜S10)
MOD/変
更
JISはS1の連続運転のみ
の試験を規定している。
JISでは,購入者が使用形式を明
示できない場合を想定している
ため,S1のみとした(IEC準拠)
固定子巻線の温度上昇は抵抗
法による。それ以外は温度計
法による。
IEC 60034-1
7.6
抵抗法,埋込温度計 (ETD)
法,温度計法による。
MOD/変
更
JISでは埋込温度計
(ETD) 法がない。
JISは一般用単相誘導電動機の規
格であるため抵抗法のみを規定
している。この範囲の機種に対し
ては,IECも抵抗法のみを規定し
ている。
冷媒温度は1時間以下の等間
隔で測定した記録から,最後
の1/4の期間における平均値
とする。
IEC 60034-1
7.3.3 試験期間の最後の1/4の期間
における平均値とする。
MOD/変
更
間隔が1時間以下とJIS
では規定しているが,
IECにはない。
試験を正確にするために必要で
ある。
8.3
電動機を拘束し定格周波数の
定格電圧を加えたときの電流
を測定する。
−
−
IEC規格では特に規定してい
ない。
MOD/追
加
−
最大始動電流の規定があり,試験
法を規定する必要がある。
8.4
最小始動トルク,最大トルク
の試験方法を規定している。
−
−
IEC規格では特に規定してい
ない。
MOD/追
加
−
最小始動トルク,最大トルクの規
定があり,試験法を規定する必要
がある。
8.5
4極−0.1kW〜0.4kWに対し
て騒音試験を規定している。
−
−
4極−0.1kW〜0.4kWに対し
て騒音レベルを規定している
IECはない。
MOD/追
加
−
騒音レベルの規定があり,試験法
を規定する必要がある。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)国際規格番
号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本文中
表示方法:点線の下線
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
8.6
耐電圧試験について規定して
いる。
IEC 60034-1
8.1
耐電圧試験について規定して
いる。
MOD/変
更
JISは小容量機について
の規格であり大容量機に
ついての規定を削除して
いる。
JISには大容量機の規定は不要で
ある。
9.
製造業者名などの一般事項及
び単相誘導電動機に固有な事
項を銘板に表示することを規
定している。
IEC 60034-1
9.
一般事項及び全機種にわたる
事項の表示を規定している。
MOD/変
更
JISは,IECの表示事項
のうち,誘導電動機に必
要な事項だけを表示事項
に規定。コンデンサ容量
表示を追加。
誘導電動機以外の表示事項は不
要である。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT…………………… 技術的差異がない。
− MOD/追加………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更………… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD………………… 国際規格を修正している。
13
C 4203 : 2001
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
改正原案作成委員会 構成表
回転機標準化委員会(社団法人電気学会) 構成表
氏名
所属
(委員長)
猪 狩 武 尚
中央大学
(委員)
三 木 一 郎
明治大学
森 安 正 司
関東学院大学
坪 井 和 男
中部大学
粥 川 滋 広
株式会社日立製作所
松 枝 泰 生
三菱電機株式会社
村 岡 政 義
富士電機株式会社
山 田 生 実
株式会社安川電機
中 原 茂 樹
社団法人日本電機工業会
小 関 正 剛
東京電力株式会社
美 濃 由 明
関西電力株式会社
松 岡 孝 一
財団法人鉄道総合技術研究所
上之薗 博
財団法人電力中央研究所
沢 孝一郎
慶應義塾大学
山 村 昌
日本学士院会員
磯 辺 昭 二
国学院大学専門学校
(幹事)
炭 谷 英 夫
株式会社東芝
誘導機技術専門委員会(社団法人日本電機工業会) 構成表
氏名
所属
(委員長)
篠 崎 信 行
富士電機株式会社
(副委員長)
川 本 正 志
株式会社東芝
(委員)
小 暮 和 広
株式会社栗田電機製作所
関 口 孝
山洋電気株式会社
奥 山 雅 美
株式会社下村電友舎製作所
村 田 俊 克
神鋼電機株式会社
水 谷 清 信
住友重機械株式会社
水 口 真 治
東洋電機製造株式会社
出 口 保 夫
デンセイ・ラムダ株式会社
妹 尾 正 治
株式会社日立製作所
半 田 栄 一
富士電機株式会社
和 田 幸 利
松下電器産業株式会社
中 本 道 夫
三菱電機株式会社
長 澤 清
株式会社明電舎
木 﨑 雄 一
株式会社安川電機
(幹事)
中 原 茂 樹
社団法人日本電機工業会