2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C3844-1995
低 圧 ピ ン が い し
Low-voltage pin type insulators
1. 適用範囲 この規格は,磁器製の低圧ピンがいし(以下,がいしという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0205 メートル並目ねじ
JIS B 0209 メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差
JIS C 3801 がいし試験方法
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS R 5210 ポルトランドセメント
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 種類及び記号 種類及び記号は,その形状によって表1のとおり9種類とする。
表1 種類及び記号
種類
記号(1)
低圧小ピンがいし
PLS 10165
低圧小曲ピンがいし 1号
PLS 10138 B-1
低圧小曲ピンがいし 2号
PLS 10138 B-2
低圧中ピンがいし 1号
PLM 10165
低圧中ピンがいし 2号
PLM 10190
低圧中曲ピンがいし 1号
PLM 10138 B
低圧中曲ピンがいし 2号
PLM 12138 B
低圧大ピンがいし 1号
PLL 12190
低圧大ピンがいし 2号
PLL 12210
注(1) 文字は,次の意味を表す。
P:ピンがいし
中央のL:低圧
S:小カップ
M:中カップ
末尾のL:大カップ
B:曲ピン
数字は,次の意味を表す。
初めの2けたは,ピンの外径寸法 (mm)
あとの3けたは,ピンの全長寸法 (mm)
3. 性能 性能は,7.に規定する方法によって試験したとき,表2のとおりとする。
2
C3844-1995
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表2 性能
項目
性能
商用周波電圧
20kVでがいしの各部に異状を認めないこと。
曲げ耐荷重
5度以上の偏位を生ぜず,かつ,がいしの各部に異状を生じ
ないこと。
冷熱
冷水温度0〜20℃,温度差70K {℃} 以上,浸し時間はそれ
ぞれ10分間で,がいしの各部に異状を認めないこと。
吸湿
磁器内部に液がしみこまないこと。
亜鉛めっき
塩化アンチモン法による付着量は35mg/cm2以上。硫酸銅法
による均一性は4回で終止点にならないこと。
なお,タップ通しを行ったナットは,この限りでない。
4. 材料及び組立
4.1
材料 材料は,表3のものを用い,ピン,ナットには,全面一様に完全な溶融亜鉛めっきを施さな
ければならない。ただし,ナットは,めっき後タップ通しを行ってもよい。
表3 材料
各部名称
材料
磁器部
露出部に付図1で鎖線を施した部分を除き,全面一様にう
わ薬を施した磁器。
色の指定がないときは,白色とする。
ピン,ナット
JIS G 3101に規定するSS400又はこれと同等以上の引張強
さをもつ鋼材
セメント
JIS R 5210に規定するポルトランドセメント
4.2
組立 組立は,付図2に示すように磁器と金具のそれぞれの中心線が合うように,また曲ピンの場
合には,がいしの線溝の中心とねじ切り部の中心が合うようにしなければならない。
5. 形状及び寸法 形状及び寸法は,付図2及び付図3のとおりとする。ピンのねじ部は,JIS B 0205に
よって,その精度は,亜鉛めっき前にJIS B 0209に規定する3級とする。
めっき後の本体のボルト・ナットは,同一サイズに対してすべて互換性をもち,よくはめ合うものでな
ければならない。
6. 外観 外観は,実用上有害な欠点があってはならない。
7. 試験方法
7.1
構造 構造は,JIS C 3801の4.(構造試験)による。
7.2
外観 外観は,JIS C 3801の5.(外観試験)による。
7.3
曲げ耐荷重 曲げ耐荷重は,JIS C 3801の7.1.2(曲げ耐荷重試験)による。
なお,曲げ耐荷重の曲げ荷重は,表4による。
3
C3844-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4 曲げ荷重
種類
曲げ荷重
N {kgf}
低圧小ピンがいし
784 { 80}
低圧小曲ピンがいし 1号
490 { 50}
低圧小曲ピンがいし 2号
686 { 70}
低圧中ピンがいし 1号
588 { 60}
低圧中ピンがいし 2号
1 568 {160}
低圧中曲ピンがいし 1号
686 { 70}
低圧中曲ピンがいし 2号
1 470 {150}
低圧大ピンがいし 1号
1 568 {160}
低圧大ピンがいし 2号
1 568 {160}
7.4
冷熱 冷熱は,JIS C 3801の9.(冷熱試験)による。
7.5
吸湿 吸湿は,JIS C 3801の10.(吸湿試験)による。
7.6
亜鉛めっき 亜鉛めっきは,JIS C 3801の11.(亜鉛めっき試験)による。
7.7
商用周波電圧 商用周波電圧は,JIS C 3801の6.5(商用周波油中破壊電圧試験)による。
8. 検査 検査は,7.の試験方法によって,次の形式検査及び受渡検査を行う。
(1) 形式検査 形式検査は,表5に示す全項目について行い,3.〜6.の規定に適合しなければならない。
なお,この検査の検査個数は,3個とする。
(2) 受渡検査 受渡検査は,抜取検査と全数検査の2種類とする。
(a) 抜取検査 抜取検査は,表5の1.〜6.の項目について行い,3.〜5.の規定に適合しなければならない。
この検査の抜取方式は,受渡当事者間の協定による。
(b) 全数検査 全数検査は,表5に示す7.の項目について行い,6.の規定に適合しなければならない。
表5 検査項目
検査項目
1. 構造
2. 商用周波電圧
3. 曲げ耐荷重
4. 冷熱
5. 吸湿性
6. 亜鉛めっき
7. 外観
9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,種類又は記号による。
例 低圧大ピンがいし 2号
又はPLL-12210
10. 表示 表示は,次の事項をがいしの磁器部に容易に消えない方法で記さなければならない。
(1) 製造業者名又はその略号
(2) 製造年(西暦の場合は,末尾の2けたでもよい。)
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C3844-1995
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付図1 形状及び寸法
単位mm
種類
D D1 D2 D3 H
a
b
c
d
e
f
低圧小ピンがいし
低圧小曲ピンがいし 1号
低圧小曲ピンがいし 2号
45 35 15 50 65 35 15 15 15 35 8
低圧中ピンがいし 1号
低圧中ピンがいし 2号
低圧中曲ピンがいし 1号
低圧中曲ピンがいし 2号
55 40 18 65 70 35 20 15 20 35 10
低圧大ピンがいし 1号
低圧大ピンがいし 2号
65 45 20 75 80 40 25 15 25 35 12
備考 数値は,基準寸法とする。
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付図2 形状及び寸法
付図3 形状及び寸法
単位mm
種類
A
B
C
D
E
F
G
H
d
R1
R2
P 備考
低圧小ピンがいし
15
0
4
+
100
0
3
+
50以上 10
5.0
0.1
−
+
− 17 17
7.0
0
−
8±0.8
M10
−
−
− 付図2
低圧小曲ピンがいし 1号 20
0
4
+
88
50±3
10
5.0
0.1
−
+
− −
−
−
−
12
18
4.5 付図3
低圧小曲ピンがいし 2号 30
0
4
+
85
53±3
10
5.0
0.1
−
+
− −
−
−
−
22
10
4.5 付図3
低圧中ピンがいし 1号 10
0
4
+
100±3
50以上 10
5.0
0.1
−
+
− 17 17
7.0
0
−
8±0.8
M10
−
−
− 付図2
低圧中ピンがいし 2号 15
0
4
+
120±3
70以上 12
5.0
0.1
−
+
19 24 19
8.0
0
−
10±0.8
M12
−
−
− 付図2
低圧中曲ピンがいし 1号 25
0
4
+
85
53±3
10
5.0
0.1
−
+
− −
−
−
−
22
10
4.5 付図3
低圧中曲ピンがいし 2号 25
0
4
+
85
53±3
12
5.0
0.1
−
+
− −
−
−
−
22
10
4.5 付図3
低圧大ピンがいし 1号 10
0
4
+
120±3
70以上 12
5.0
0.1
−
+
19 24 19
8.0
0
−
10±0.8
M12
−
−
− 付図2
低圧大ピンがいし 2号 30
0
4
+
120±3
70以上 12
5.0
0.1
−
+
19 24 19
8.0
0
−
10±0.8
M12
−
−
− 付図2
備考 許容差のない数値は,基準寸法とする。
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C3844-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電気材料部会 がいし専門委員会 構成表(昭和50年8月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
巽 良 知
社団法人電気学会
中 島 好 忠
横浜国立大学工学部
鈴 木 玄八郎
通商産業省生活産業局
児 玉 勝 臣
資源エネルギー庁公益事業部
常 沢 秀 夫
工業技術院標準部
加 藤 勲
電磁器協会
新 宮 行 太
朝日碍子株式会社技術部
中 島
一
愛知県陶磁器工業組合
百 田 弥之助
株式会社香蘭社碍子工場
藤 村 哲 夫
日本碍子株式会社技術部
松 岡 志 郎
会津碍子株式会社
三 田 保 三
大トー株式会社佐野工場
石 井 豊 章
東京電力株式会社工務部
浦 下 康
中部電力株式会社東京支杜
津 田 宏
関西電力株式会社工務部
平 田 康 夫
三菱電機株式会社伊丹製作所
宮 崎 邦 夫
日本国有鉄道電気局
村 野 稔
東京芝浦電気株式会社電機技術研究所
山 田 信 義
社団法人日本電機工業会
(事務局)
武 笠 二 郎
工業技術院標準部電気規格課
中 林 賢 司
工業技術院標準部電気規格課
(事務局)
平 野 由紀夫
工業技術院標準部電気規格課(平成7年1月1日改正のとき)
稲 垣 勝 地
工業技術院標準部電気規格課(平成7年1月1日改正のとき)