2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 3802-1964
電気用磁器類の外観検査
Permissible Limits of Visual Defects for Insulating Porcelains
1. 適用範囲 この規格は,電路に用いる磁器製のガイシ類,ブッシング類,端子盤類(以下磁器類とい
う)の性能に支障のない外観上の欠点の許容限度について規定する。
2. 用語の意味 この規格に用いられる磁器類の外観についての用語の意味は,つぎのとおりとする。
用語
意味
ボロ
異物がウワ薬面に融着して生じたものまたはサンドが所
定以外の表面に融着して生じたもの
色ボツ
鉱物性異物が焼成によって素地またはウワ薬にとけこみ,
異色のハン点となったもの
サンド色ボツ
サンド面上に生じた色ボツ
ハゲ
ウワ薬の一部分のはげたものまたはウワ薬面の一部に残
存したウワ薬のない部分
サンドハゲ
所定の面にサンドのついていない部分
クッツキ
焼成中隣接他物と接触融着して生じたキズ
カケ
素地の破砕した部分またはウワ薬が破砕して素地の露出
した部分
小穴
ウワ薬面または素地内部に達する小穴
切レ
素地またはウワ薬に生じたキレツ
スリキズ
焼成後ウワ薬面に生じたスリキズ
打キズ
焼成後ウワ薬面に生じた打キズ
変色
全面的に所定の色と著しく異なるもの
色ムラ
色が一様についていないもの
ジワ
焼成中,ウワ薬面に生じたチリメン状またはサザナミ状の
起伏
ブク
焼成中,素地またはウワ薬がふくれ上ったもの
生焼
素地またはウワ薬の焼成不じゅうぶんなもの
灰フリ
焼成中,燃料の灰が表面に融着したもの
タレ
過剰のウワ薬が垂下したもの
表示不良
表示が読みとれないもの
2
C 3802-1964
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. 磁器類の分類 外観検査の対象となる磁器類は,つぎの5種類に大別する。
種類
品種
区分
大きさ
(1)
A
類
特別高圧のブッシ
ング,長幹ガイシ,
ステーションポス
トガイシ,ラインポ
ストガイシなど柱
状または管状のガ
イシ類
A-1
投影面積 1500cm2未満
A-2
投影面積 1500cm2以上 5000cm2未満
A-3
投影面積 5000cm2以上10000cm2未満
A-4
投影面積10000cm2以上20000cm2未満
A-5
投影面積20000cm2以上
B
類
特別高圧ピンガイ
シ,ピン支持ガイ
シ,懸垂ガイシおよ
び円板支持ガイシ
類
B-1
直径 170mm 未満
B-2
直径 170mm以上210mm未満
B-3
直径 210mm以上370mm未満
B-4
直径 370mm以上
C
類
高圧ガイシ類
C-1
−
高圧機器用ブッシング類
C-2
−
高圧ガイ管類
C-3
−
D
類
通信線路用ガイシ類
D-1
−
屋外用低圧ガイシ類
D-2
−
屋内用低圧ガイシ
類,低圧ガイ管類お
よび低圧ブッシン
グ類
D-3
−
E
類
端子盤,開閉器台など
E-1
面積 200cm2未満
E-2
面積200cm2以上400cm2未満
E-3
面積400cm2以上
注(1) A類の投影面積とは,その最大径と最大高さとの積をいう。
4. 外観の欠点検査方法 外観の欠点検査方法は,それぞれの磁器類によってつぎの3種類とする。
4.1
外面検査 供試品の全外表面について欠点を調べる。
4.2
局部検査 供試品の表面で欠点の集中していると認められる部分について,その投影面積100cm2当
たりの欠点を調べる。この検査はA類についてのみ適用する。
4.3
内面検査 とくに必要のある場合に限り供試品の内面全体について欠点を調べる。この検査はA類
およびC類についてのみ適用する。
5. 外観の欠点別許容限度 磁器類の外観欠点別許容限度は,つぎのいずれかによる。ただし1個の磁器
に異なった種類の欠点が共存する場合には,その欠点の合計数が各欠点の許容限度数のうちの最大をこえ
てはならない。
なお,内面検査の欠点の大きさおよび個数は,外面検査の欠点別許容限度の2倍以下とする。
5.1
A類の欠点別許容限度
5.1.1
ボロ,色ボツ,ハゲ,クッツキ,カケおよび小穴 ボロ,色ボツ,ハゲ,クッツキ,カケおよび小
穴の許容限度は,次表による。
3
C 3802-1964
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
区分
ボロ,色ボツおよびハゲ
クッツキ
カケ
小穴
欠点の大きさ
mm
外面検査
個数
局部検査
個数
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
A-1
直径1〜6
6
3
直径3〜6
1
直径3〜4
1
直径1〜2
8
A-2
直径1〜8
8
3
直径3〜8
1
直径3〜6
1
直径1〜2
10
A-3
直径1〜10
10
3
直径3〜10
1
直径3〜8
2
直径1〜2
12
A-4
直径1〜12
12
3
直径3〜12
1
直径3〜10
2
直径1〜2
15
A-5
直径1〜15
15
3
直径3〜15
1
直径3〜12
3
直径1〜2
18
備考1. ボロの突起部は修理して外観を整える。
2. 素地内部に達する小穴のある色ボツは許容しない。
3. ハゲは幅3mm未満の長方形で面積60mm2までのものは,上表の許容限度個数範囲内で1個だけ
許容する。
4. ボロおよびハゲがラインポストガイシの線ミゾにあるものは許容しない。
5. クッツキの突起部は修理して外観を整える。上表の欠点の大きさは,修理面の大きさを示す。
6. カケは使用上さしつかえない部分にあるものに限る。なお5mmを越えるものは1個に限る。
5.1.2
サンド色ボツおよびサンドハゲ サンド色ボツおよびサンドハゲは,サンド面の1/10まで許容す
る。ただし,1箇所の欠点の直径は,サンド面の幅の1/4以下とする。
5.1.3
切 レ 切レは原則として許容しない。
5.1.4
スリキズ スリキズは切レと誤認されないものは許容する。
5.1.5
打キズ 打キズは切レを伴わないものは許容する。
5.1.6
変色,タレ,灰フリ,色ムラ,ジワおよび表示不良 変色,タレ,灰フリ,色ムラ,ジワおよび表
示不良は,極端に見苦しくない限り許容する。ただし,全体的変色は,ウワ薬色見本によって受渡当事者
間の協定による。
5.2
B類の欠点別許容限度
5.2.1
ボロ,色ボツ,ハゲ,クッツキ,カケおよび小穴 ボロ,色ボツ,ハゲ,クッツキ,カケおよび小
穴の許容限度は次表による。
区分
ボロ,色ボツおよびハゲ
クッツキおよびカケ
小穴
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
B-1
直径1〜3
4
直径2〜3
1
直径1〜2
4
B-2
直径1〜3
5
直径2〜3
1
直径1〜2
5
B-3
直径1〜4
6
直径2〜4
2
直径1〜2
6
B-4
直径1〜5
7
直径2〜5
2
直径1〜2
7
備考1. ボロの突起部は修理して外観を整える。
2. 素地内部に達する小穴のある色ボツは許容しない。
3. ハゲは幅3mm未満の長方形で面積30mm2までのものは,上表の許容限度個数範
囲内で1個だけ許容する。
4. ボロおよびハゲがピンガイシ類の線ミゾにあるものは許容しない。
5. クッツキの突起部は修理して外観を整える。上表の欠点の大きさは,修理面の大
きさを示す。
6. カケは使用上さしつかえない部分にあるものに限る。
5.2.2
サンド色ボツおよびサンドハゲ サンド色ボツおよびサンドハゲは,サンド面の1/10まで許容す
る。ただし,1箇所の欠点の直径は,サンド面の幅の1/4以下とする。
5.2.3
切 レ 切レは原則として許容しない。
5.2.4
スリキズ スリキズは切レと誤認されないものは許容する。
4
C 3802-1964
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2.5
打キズ 打キズは切レを伴わないものは許容する。
5.2.6
変色,タレ,灰フリ,色ムラ,ジワおよび表示不良 変色,タレ,灰フリ,色ムラ,ジワおよび表
示不良は,極端に見苦しくない限り許容する。ただし全体的変色は,ウワ薬色見本によって受渡当事者間
の協定による。
5.3
C類の欠点別許容限度
5.3.1
ボロ,色ボツ,ハゲ,クッツキ,カケおよび小穴 ボロ,色ボツ,ハゲ,クッツキ,カケおよび小
穴の許容限度は,次表による。
区分
ボロ
色ボツ
ハゲ
クッツキ
カケ
小穴
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
欠点の大きさ
mm
個数
C-1
直径1〜4
6
直径1〜3
6
直径1〜3
3
直径1〜4
1
直径1〜3
2
直径1〜2
4
C-2
直径1〜4
4
直径1〜3
4
直径1〜2
2
直径1〜3
1
直径1〜2
2
直径1〜2
3
C-3
直径1〜4
6
直径1〜3
6
直径1〜3
3
直径1〜4
1
直径1〜3
2
直径1〜2
4
備考1. ボロは突起部を修理して外観を整える。ボロでC-1の線ミゾにあるものは許容しない。
2. 素地内部に達する小穴のある色ボツは許容しない。色ボツでC-1の線ミゾにあるものは許容しない。
3. ハゲは幅1mm未満の長方形で面積5mm2までのものは,上表の許容限度個数範囲内で1個だけ許容する。ハ
ゲでC-1の線ミゾにあるものは許容しない。
4. クッツキの突起部は修理して外観を整える。上表の欠点の大きさは,修理面の大きさを示す。
5. カケでC-1の線ミゾにあるものは許容しない。
5.3.2
サンド色ボツ サンド色ボツは,サンド面の1/10まで許容する。ただし,1箇所の欠点の直径は
5mm以下とする。
5.3.3
サンドハゲ サンドハゲは,サンド面の1/10まで許容する。ただし,1箇所の欠点の直径は,サン
ド面の幅の1/4以下とする。
5.3.4
切 レ 切レは原則として許容しない。
5.3.5
スリキズ スリキズは切レと誤認されないものは許容する。
5.3.6
打キズ 打キズは切レを伴わないものは許容する。
5.3.7
変色,タレ,灰フリ,色ムラ,ジワおよび表示不良 変色,タレ,灰フリ,色ムラ,ジワおよび表
示不良は,極端に見苦しくない限り許容する。ただし全体的変色は,ウワ薬色見本によって受渡当事者間
の協定による。
5.4
D類の欠点別許容限度
5.4.1
ボロ,色ボツ,ハゲ,クッツキ,カケ,小穴,ブクおよび切レ ボロ,色ボツ,ハゲ,クッツキ,
カケ,小穴,ブクおよび切レの許容限度は,次表による。
5
C 3802-1964
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
区分
ボロおよび色ボツ
ハゲ
クッツキ
カケ
小穴およびブク
切レ
欠点の
大きさ
mm
個数
欠点の
大きさ
mm
個数
欠点の
大きさ
mm
個数
欠点の
大きさ
mm
個数
欠点の
大きさ
mm
個数
欠点の
大きさ
mm
個数
D-1
直径0.5〜1
直径1〜3
(見やすい
箇所)
10
直径1〜3
3
直径1〜4
1
直径1〜5
3
直径1〜3
(見やすい
箇所)
2
直径2〜5
1
D-2
2
D-3
直径1〜5
(目立たな
い箇所)
3
直径1〜5
(目立たな
い箇所)
3
直径2〜5
3
備考1. ボロの突起部は修理して外観を整える。ボロで線ミゾにあるものは許容しない。
2. ハゲは幅1mm未満の長方形で面積5mm2までのものは,上表の許容限度個数範囲内で1個だけ許容する。
ハゲで線ミゾのあるものは許容しない。
3. クッツキの突起部は修理して外観を整える。
4. カケで3mmを越えるものは1個に限る。
5. 切レにウワ薬がかぶっていないもの,線ミゾの部分または使用上さしつかえのある箇所にあるものは許
容しない。
5.4.2
サンド色ボツ サンド色ボツは,サンド面の1/10まで許容する。ただし1箇所の欠点の直径は,
5mm以下とする。
5.4.3
サンドハゲ サンドハゲは,サンド面の1/10まで許容する。ただし1箇所の欠点の直径は,サン
ド面の幅の1/4以下とする。
5.4.4
生 焼 生焼は許容しない。
5.4.5
変色,灰フリおよび色ムラ 変色,灰フリおよび色ムラは,極端に見苦しくない限り許容する。
5.5
E類の欠点別許容限度
5.5.1
ボロ,色ボツ,ハゲおよび小穴 ボロ,色ボツ,ハゲおよび小穴の許容限度は,次表による。
区分
ボ口
色ボツ
ハゲ
小穴
端子間にあ
るもの
その他の部分
にあるもの
端子間にあ
るもの
その他の部分
にあるもの
端子間にあ
るもの
その他の部分
にあるもの
欠点の大
きさ
mm
個
数
欠点の大
きさ
mm
個
数
欠点の大き
さ
mm
個
数
欠点の大
きさ
mm
個
数
欠点の大
きさ
mm
個
数
欠点の大
きさ
mm
個
数
欠点の大
きさ
mm
個
数
E-1
直径1〜2
3
直径1〜3
3
直径0.5〜2
3
直径1〜3
3
直径1〜2
3
直径1〜3
3
直径0.5〜2
3
E-2
直径1〜2
4
直径1〜3
5
直径0.5〜2
4
直径1〜3
5
直径1〜2
4
直径1〜3
4
直径0.5〜2
4
E-3
直径1〜2
5
直径1〜3
7
直径0.5〜2
5
直径1〜3
7
直径1〜2
5
直径1〜3
5
直径0.5〜2
5
備考1. ボロの突起部は修理して外観を整える。
2. 素地内部に達する小穴のある色ボツは許容しない。
5.5.2
カ ケ カケは端子間にあるものは許容しない。その他の部分にあるもので長さ3mmまでのもの
は,3個まで許容する。
5.5.3
切 レ 切レは端子間にあるものは許容しない。その他の部分にあるものは,低圧回路用の乾式プ
レス製品に限り,長さ5mmまでのものは3個まで許容する。
6
C 3802-1964
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電気材料部会 ガイシ専門委員会 構成表
氏 名
所 属
(委員会長)
巽 良 知
電気学会
岡 田 亨
日本碍子株式会社
江 口 実 澄
大阪陶業株式会社
田 中 裕
松風陶業株式会社
百 田 弥之助
香蘭合名会社
大 内 誠 三
九州碍子株式会社
青 島 貞 久
会津碍子株式会社
川 本 藤太郎
瀬戸電磁器協同組合
山 本 公 郎
電磁器協会
浅 野 久 吉
電気架線工業会
素 木 洋 一
東京工業大学
鈴 木 喜久男
株式会社日本可鍛鋳鉄所
河 崎 小五郎
東京電力株式会社
小 島 基 利
関西電力株式会社
山 崎 克 美
中部電力株式会社
小 島 孝
東京電力株式会社
的 場 皎
関西電力株式会社
北 林 茂
北海道電力株式会社
堤 周四郎
東北電力株式会社
那 須 仁九朗
那須電機鉄工株式会社
新 宮 行 太
朝日碍子工業株式会社
内 田 三 郎
東京芝浦電気株式会社
太 田 重 郎
富士電機製造株式会社
伊 藤 公 男
三菱電機株式会社
松 谷 繁 雄
日本電機工業会
槻 忠 一
北陸電力株式会社
増 村 兼 司
中国電力株式会社
植 田 順 一
四国電力株式会社
田 村 孝
九州電力株式会社
広 瀬 胖
電力中央研究所
西 田 勝 美
日本国有鉄道
佐々木 正 俊
日本電信電話公社
山 本 昇
関東電気工事株式会社
宗 像 元 介
工業技術院電気試験所
北 村 昌 敏
通商産業省軽工業局
矢 川 豊
工業技術院標準部
(事 務 局)
杉 原 千 隈
工業技術院標準部電気規格課
安 武 昭 彦
工業技術院標準部電気規格課