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C 3666-2:2002 (IEC 60754-2:1991) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線工業会(JCMA)から,工業

標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産

業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60754-2:1991,Test on gases evolved 

during combustion of electric cables−Part 2 : Determination of degree of acidity of gases evolved during the 

combustion of materials taken from electric cables by measuring pH and conductivityを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

C 3666-2:2002 (IEC 60754-2:1991) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 試験方法の原則 ··············································································································· 1 

3. 試験装置 ························································································································ 1 

3.1 管炉 ···························································································································· 2 

3.2 管 ······························································································································· 2 

3.3 燃焼ボート ··················································································································· 2 

3.4 ガス吸収装置 ················································································································ 2 

3.5 空気供給システム ·········································································································· 2 

3.6 測定器具 ······················································································································ 2 

4. サンプルの調整 ··············································································································· 3 

5. 試験片 ··························································································································· 3 

6. 手順 ······························································································································ 3 

7. pH値及び導電率の測定····································································································· 3 

7.1 pHメータの校正 ············································································································ 3 

7.2 溶液のpH値及び導電率の測定 ························································································· 3 

8. 結果の表し方 ·················································································································· 3 

8.1 一般手順 ······················································································································ 3 

8.2 簡易手順 ······················································································································ 4 

9. 推奨値 ··························································································································· 4 

9.1 一般手順 ······················································································································ 4 

9.2 簡易手順 ······················································································································ 4 

図 ······································································································································ 4 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格             JIS 

C 3666-2:2002 

(IEC 60754-2:1991) 

電気ケーブルの燃焼時発生ガス測定試験方法− 

第2部:電気ケーブル材料の燃焼時における 

pH及び導電率による発生ガスの酸性度測定 

Test on gases evolved during combustion of electric cables−Part 2 : 

Determination of degree of acidity of gases evolved during the combustion of 

materials taken from electric cables by measuring pH and conductivity 

序文 この規格は,1991年に第1版として発行されたIEC 60754-2:1991,Test on gases evolved during 

combustion of electric cables−Part 2 : Determination of degree of acidity of gases evolved during the combustion of 

materials taken from electric cables by measuring pH and conductivity及びAmendment1(1997)を翻訳し,技術

的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補(Amendment)については,編集

し,一体とした。 

1. 適用範囲 この規格は,電気ケーブル又は光ファイバケーブル構成部品の燃焼時における発生ガスの

酸性度を測定する方法について規定する。 

備考1. この規格を引用する規格は,ケーブルのどの構成部品を試験するのか,どの手順で試験をす

るのかを明示しなければならない。 

2. “電気ケーブル”とは,電力用ケーブル又は通信用ケーブルである。 

3. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

IEC 60754-2:1991,Test on gases evolved during combustion of electric cables−Part 2:Determination 

of degree of acidity of gases evolved during the combustion of materials taken from electric cables 

by measuring pH and conductivity (IDT) Amendment 1(1997-04) 

2. 試験方法の原則 試料はあらかじめ質量を測定し,管炉で燃やさなければならない。発生したガスは,

蒸留水又は鉱物除去水を満たした瓶の中を通し,かくはん(撹拌)しながら回収する。酸性度は,pH値を

測定して求める。溶液の導電率も同様に求める。 

3. 試験装置 装置の基本図は,図1〜5による。試験装置を構成する部品を組み立てたものは,気密性を

もっていなければならない。管と1本目の洗浄瓶との接続及び1本目の洗浄瓶と2本目の洗浄瓶との接続

は,できるだけ短くする。 

C 3666-2:2002 (IEC 60754-2:1991) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1 

管炉 炉の加熱ゾーンの有効長は,500〜600 mmとする。また,炉内部直径は,40〜60 mmとする。

加熱ゾーンには電熱装置を備え付けなければならない。 

3.2 

管 炉には,耐腐食ガス性及び耐火性をもつシリカ製の管を収容する。管は,ほぼ管炉と同心円状

の形状とする。シリカ管の内径は,32〜45 mmとする。 

すきまは,熱膨張を許容できるものとする。 

管が長さLで両側にはみ出す長さ: 

−入口側:60 mm≦L≦200 mm 

−出口側:60 mm≦L≦100 mm 

3.3 

燃焼ボート 磁器,石英材又はステアタイト材のいずれかを使用し,次の寸法による。 

−長さ:45〜100 mm 

−幅 :12〜 30 mm 

−深さ: 5〜 10 mm 

管の中に燃焼ボートを挿入する望ましい方法を,図1に示す。各ボートは,新品又は再生処理したもの

は,3回使用できる。 

3.4 

ガス吸収装置 管の出口で,ガスは1 000 ml010

− mlの蒸留水又は鉱物除去水を含んだ瓶(図2)の中を

通す。約450 ml蒸留水又は鉱物除去水のいずれかを入れた2本の瓶を使用してもよい。 

水のpH値は,5〜7の間で行い,導電率は,1.0 μS/mm以下とする。かくはん(撹拌)子は,瓶の中に

入れ(2本の瓶を使用する場合は,1本目の瓶の中に入れる。),適切な渦巻状で回し,発生ガスをよく吸収

するようにする。 

液面の高さは,管の終端部から,各瓶で100〜120 mmとする。 

3.5 

空気供給システム 燃焼に使うガスは空気であり,管内を流れるガス量は,空気流速を約20 ml/mm2/h

で流すために,管内径によって15〜30 L/hの間で調整する。 

これに対応する空気流量ρ(L/h)は,次の式によって算出する。 

ρ = 0.015 5 D2 

ここに, D: 管の内径(mm) 

ニードル弁は,空気流量を調整するために用いる。 

流量計は,流速を一定に制御する。高純度の空気供給,例えば,圧縮した合成空気を瓶に供給する。 

空気の供給方法は,次の三つのいずれかの方法による。 

a)) 合成した空気を用い(市販されているボンベ入り圧縮空気),燃焼管の先端に注入する(図3)。 

b)) 実験室で供給している圧縮空気を用い,フィルタを通して燃焼管の先端に注入する(図4)。 

c)) 実験室内の空気を用い,適切なフィルタにかけた後に,空気と燃焼ガスとを混合したガスをポンプで

吸引する(図5)。 

備考 操作者は,着火しやすいガスが発生するような試験材料を扱う際には,予防のために適切な保

護具を付けなければならない。 

3.6 

測定器具 

−±0.1 mgの精度をもつ分析用の天びん 

−適切なpH電極を備えた,±0.02の精度のpHメータ 

−10−2〜102 μS/mmの測定範囲をもつ導電率測定装置及び適切な電極 

−ストップウォッチ 

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(3) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. サンプルの調整 サンプルは,23 ℃±2 ℃の温度で,かつ,相対湿度(50±5)%の条件で16時間以

上放置しなければならない。 

5. 試験片 試験する材料から,1 000 mg±5 mgを取り,試験片とする。各試験片は,材料の代表サンプ

ルから採取する。試験片は小さい片に切断する。 

6. 手順 試験片の重さを1 mgの精度まで測定する。試験片を燃焼ボートの底に一様になるように置く。 
空気流量は,0.015 5D2 L/h±10 %の流量になるようにニードル弁で調整し,試験中一定に保つようにし

なければならない。 

温度は,腐食性ガスに対して保護された熱電対を用い,炉中央部の管内側で測定する。 

試験片を載せた燃焼ボートを管の加熱有効ゾーンに素早く入れ,計測を開始する。燃焼ボートは,ボー

トと有効加熱ゾーンの出口との距離が300 mm以上となるように置かなければならない。 

燃焼ボートの位置での温度は,935 ℃より低くてはならない。空気の流れる方向にボートから300 mm

離れた位置での温度は,900 ℃より低くてはならない。 

空気流状態での燃焼は,炉の中で30分間継続しなければならない。 

pH値及び導電率は,燃焼試験終了後に測定する。 

燃焼試験後,pH値及び導電率を測定する前に吸収瓶の中身は1 000 mlまで満たさなければならない。

ただし,二つの瓶を使用した場合は,二つを合わせ,中身を1 000 mlまで満たさなければならない。 

備考 燃焼ボートを取り出した後,管は950 ℃で焼成し,長さ方向に対して隅々まで清掃しなければ

ならない。 

7. pH値及び導電率の測定 

7.1 

pHメータの校正 pHメータは,機器製造業者によって校正する。 

7.2 

溶液のpH値及び導電率の測定 溶液のpH値は,室温で測定する。pH値は,自動温度補正付の装

置を用いて読み取らなければならない。導電率の測定は,測定装置の決められた手順に従って行う。 

8. 結果の表し方 

8.1 

一般手順 

8.1.1 

平均値 3回の試験を行い,平均値,標準偏差及び変動係数を算出する。変動係数が5 %を超える

場合,更に3回の試験を行い,平均値,標準偏差及び変動係数を6個の値から再算出する。 

8.1.2 

加重値 8.1.1で求めた平均値を用い,同様な試験条件下におけるケーブル材料の組合せによって

発生すると考えられる燃焼ガスのpH値及び導電率の評価は,次によって行う。 

8.1.2.1 

pH ケーブルの単位長さ当たりにおける個々の非金属材料iの質量をはかり,Wiとする。pHの

加重値pHʼは,次の式によって算出する。 

Σ

Σ

=

X

i

10

W

i

W

10

log

'

pH

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, Wi: 非金属材料の質量 
 

ただし,Xは,個々の非金属材料iのpH値とする。 

8.1.2.2 

導電率 ケーブルの単位長さ当たりにおける個々の非金属材料iの質量を測り,Wiとする。導電

率の加重値 cʼは,次の式によって算出する。 

i

i

WW

c

'c

Σ

Σ

=

ここに, Wi: 非金属材料の質量 
 

ただし,cは,個々の非金属材料iの導電率値とする。 

8.2 

簡易手順 2回の試験を,個々の供試用非金属構成材料について行う。各構成材料のサンプルについ

て,pH値が推奨値を下回らず,かつ,導電率が推奨値を超えない場合は,試験は合格したものと考える。

1個のサンプルで不合格の場合は,当該材料について更に2個のサンプルを用い再測定を行う。 
 再測定では,2個とも推奨値を満足しなければならない。 

9. 推奨値 

備考 ケーブルから採取した個々のコンパウンド又は構成部品の要求性能は,個々のケーブル規格の

中で規定しなければならない。所定の要求事項がない場合は,次に示す値を最低限度満足する

レベルとして採用することを推奨する。 

9.1 

一般手順 8.1.2で求めたpHの加重値は,1Lの水に対し,4.3以上とする。8.1.2.2で求めた導電率

の加重値は,10 μS/mm以下とする。 

9.2 

簡易手順 8.2で求めたpH値は,1Lの水に対し4.3以上とする。8.2で求めた導電率は,10 μS/mm

以下とする。 

備考 推奨pH値には合格するものの,どちらかの手順で得られた導電率値が推奨値を超えてしまう

ケースを議論する場合,別の方法を受渡当事者間の合意で行ってもよい。 

図 1 燃焼ボート及び試料を挿入する装置 

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(5) 

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単位 mm 

図 2 ガス吸収瓶の例 

図 3 合成空気を使用した試験装置 

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(6) 

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図 4 圧縮空気を使用した試験装置 

図 5 吸引ポンプで空気を吸引する試験装置