C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人 日本電
線工業会(JCMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調
査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS C 3662-6:1998は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60227-6:2001,Polyvinyl chloride
insulated cables of rated voltages up to and including 450/750V - Part 6: Lift cables and cables for flexible
connectionsを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 3662-6には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定)シース寸法決定の仮想計算方法
JIS C 3662の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 3662-1 第1部 : 一般的要求事項
JIS C 3662-2 第2部 : 試験方法
JIS C 3662-3 第3部 : 固定配線用シースなしケーブル
JIS C 3662-4 第4部 : 固定配線用シース付きケーブル
JIS C 3662-5 第5部 : 可とうケーブル(コード)
JIS C 3662-6 第6部 : エレベータケーブル及び可とう接続用ケーブル
JIS C 3662-7 第7部 : 遮へい付き又は遮へいなしの2心以上の多心可とうケーブル
2
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1.総則 ································································································································· 1
1.1 適用範囲 ······················································································································ 1
1.2 引用規格 ······················································································································ 1
2. 平形ビニルシース付きエレベータケーブル及び可とう接続用ケーブル ······································· 2
2.1 記号 ···························································································································· 2
2.2 定格電圧 ······················································································································ 2
2.3 構造 ···························································································································· 3
2.4 試験 ···························································································································· 4
2.5 使用指針 ······················································································································ 5
3. 丸形ビニルシース付きエレベータケーブル及び可とう接続用ケーブル ······································· 8
3.1 記号 ···························································································································· 8
3.2 定格電圧 ······················································································································ 8
3.3 構造 ···························································································································· 8
3.4 試験 ··························································································································· 10
3.5 使用指針 ····················································································································· 11
附属書A(規定)シース寸法決定の仮想計算方法 ······································································ 13
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 3662-6:2003
(IEC 60227-6:2001)
定格電圧450/750V以下の塩化ビニル絶縁ケーブル
−第6部:エレベータケーブル及び可とう接続用
ケーブル
Polyvinyl chloride insulated cables of rated voltages up to and including
450/750V - Part 6: Lift cables and cables for flexible connections
序文 この規格は,2001年に第3版として発行されたIEC 60227-6:2001,Polyvinyl chloride insulated cables
of rated voltages up to and including 450/750V - Part 6 : Lift cables and cables for flexible connectionsを翻訳し,
技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。
1.総則
1.1 適用範囲 この規格は,定格電圧450/750V以下のエレベータケーブル及び可とう接続用ケーブルにつ
いて規定する。すべてのケーブルは,JIS C 3662-1の該当要求事項及びこの規格の個別要求事項に適合し
なければならない。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60227-6:2001,Polyvinyl chloride insulated cables of rated voltages up to and including 450/750V -
Part 6: Lift cables and cables for flexible connections (IDT)
1.2 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3660-1-1,電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第1-1部:試験法総則−
厚さ及び仕上寸法の測定−機械的特性試験
備考 IEC 60811-1-1 : 1993, Common test methods for insulating and sheathing materials of electric and
optical cables - Part 1-1 : Methods for general application - Measuring of thickness and overall
dimensions - Tests for determining the mechanical properties及びAmendment 1 (2001) が,この規
格と一致している。
JIS C 3660-1-2,電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第1-2部:試験法総則−
熱老化試験方法
備考 IEC 60811-1-2 : 1985, Common test methods for insulating and sheathing materials of electric and
2
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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optical cables - Part 1-2 : Methods for general application - Thermal ageing methods並びに
Amendment 1 (1989) 及びAmendment 2 (2000) が,この規格と一致している。
JIS C 3660-1-4,電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第1-4部:試験法総則−
低温試験
備考 IEC 60811-1-4 : 1985, Common test methods for insulating and sheathing materials of electric and
optical cables - Part 1-4 : Methods for general application - Test at low temperature並びに
Amendment 1 (1993) 及びAmendment 2 (2001) が,この規格と一致している。
JIS C 3660-3-1,電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第3-1部:ビニルコンパ
ウンドの試験方法−加熱変形試験−巻付加熱試験
備考 IEC 60811-3-1 : 1985, Common test methods for insulating and sheathing materials of electric and
optical cables - Part 3-1 : Methods specific to PVC compounds - Pressure test at high temperature -
Test for resistance to cracking並びにAmendment 1 (1994) 及びAmendment 2 (2001) が,この規
格と一致している。
JIS C 3660-3-2,電気ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第3部:ビニルコンパウンド
の試験方法−第2節:加熱減量試験−熱安定性試験
備考 IEC 60811-3-2 : 1985, Common test methods for insulating and sheathing materials of electric cables
- Part 3 : Methods specific to PVC compounds - Section 2 : Loss of mass test - Thermal stability test
が,この規格と一致している。
JIS C 3662-1,定格電圧450/750V以下のビニル絶縁ケーブル−第1部:一般的要求事項
備考IEC 60227-1 : 1993, Polyvinyl chloride insulated cables of rated voltages up to and including
450/750V - Part1 : General requirements並びにAmendment 1 (1995) 及びAmendment 2 (1998)
からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS C 3662-2,定格電圧450/750V以下の塩化ビニル絶縁ケーブル−第2部:試験方法
備考 IEC 60227-2 : 1997, Polyvinyl chloride insulated cables of rated voltages up to and including
450/750V - Part 2 : Test methodsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS C 3664,絶縁ケーブルの導体
備考 IEC 60228 : 1978, Conductors of insulated cables及びAmendment 1 (1993) が,この規格と一致
している。
JIS C 3665-1,電気ケーブルの難燃試験−第1部:絶縁電線又はケーブルの一条垂直試験
備考 IEC 60332-1 : 1993, Tests on electric cables under fire conditions - Part 1 : Test on a single vertical
insulated wire or cableが,この規格と一致している。
IEC 60096-0-1 : 1990,Radio-frequency cables - Part 0-1 : Guide to the design of detailed specification -
Coaxial cables及びAmendment 1(2000)
IEC 60502-1 : 1997,Power cables with extruded insulated and their accessories for rated voltages from 1kV
(Um=1.2kV) up to 30kV (Um=36kV) - Part 1 : Cables for rated voltages of 1kV (Um=1.2kV) and 3kV
(Um=3.6kV) 及びAmendment 1(1998)
2. 平形ビニルシース付きエレベータケーブル及び可とう接続用ケーブル
2.1
記号 60227 IEC 71f
2.2
定格電圧
3
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
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−300/500V:公称断面積1mm2以下のケーブル
−450/750V:公称断面積1mm2を超えるケーブル
2.3
構造
2.3.1
導体 線心数:3,4,5,6,9,12,16,18,20又は24
公称断面積と線心数の組合せは,表1による。
表1 公称断面積及び線心数
公称断面積
mm2
線心数
0.75及び1
1.5及び2.5
4,6,10,16及び25
(3),(4),(5),6,9,12,(16),(18),(20),又は24
(3),4,5,6,9,又は12
4又は5
括弧内のものは使用しない方がよい。
導体はJIS C 3664“絶縁ケーブルの導体”のclass 5の要求事項による。
最側部に配置された線心の導体は,銅線及び鉄線で構成されてもよい。それらの導体の断面積は,他の
導体と等しく,最大抵抗は,等しい公称断面積をもつ銅導体の抵抗の2倍以下とする。
2.3.2
絶縁体 絶縁体は,各導体上にタイプ PVC/Dの塩化ビニルコンパウンドを被覆する。
絶縁体厚さは,表4の2の規定値による。
絶縁抵抗は,表4の3の値以上とする。
2.3.3
線心及び補強線がある場合の配置 線心は,並行に並べなければならない。ただし,2,3,4又は
5線心を一群としてもよい。この場合には,絶縁体に損傷を与えることなく線心を分離できるように,引
き裂き糸を各群の内側へ挿入してもよい。
織物による補強線を使用してもよい。
金属による補強線を使用してもよい。この場合,補強線は,非導電性の耐摩耗材料で被覆する。
線心を一群とした場合,群は,表2に適合しなければならない。
表2 線心群
線心数
5
6
9
12
16
18
20
24
群構成
2+1+2
2×3
3×3
3×4
4×4
4+5+5+4
5×4
6×4
群相互の隔壁e1の公称値は,表5の2の値とする(図1参照)。
隔壁e1の平均値は規定しない。
また,各群間の隔壁は,公称値e1以下となった場合,その差は,公称値の20%+0.2mmを超えてはなら
ない。
2.3.4
シース シースは,線心上にタイプ PVC/ST5の塩化ビニルコンパウンドを被覆する。
シースは,空げきが生じないように施し,また,線心に融着してはならない。
ケーブルの端は,丸みを付ける。
シース厚さは,表5の3の規定値e2及びe3による(図1参照)。
e2の平均値及びe3の平均値は,各々の規定値以上とする。
また,一部分の厚さが規定公差以下の場合,その差は,各々の20%+0.2mmを超えてはならない。
4
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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図1 ケーブル断面
備考 この図は,表5に関するシースの厚さ及び隔壁を説明するもので,実際の設計ではない。
2.4
試験 2.3への要求事項の適合性は(長方形のケーブル断面に基づく),以下の修正及び追加を除い
て,検査及び表6の試験によって確認する。2.4.1〜2.4.5の試験は,次による。
2.4.1
シースの加熱変形試験 ケーブルの短径面が円形状の場合,試験はJIS C 3660-1-1の8.2によって
ケーブルの短径面の一つで実施する。
圧縮荷重の計算に対し,
D:ケーブルの短径
δ:JIS C 3660-1-1の8.2.4によるシース厚さeの平均値とする。
短径面が図1に示してあるような平面又は平面状の場合は,JIS C 3660-1-1の8.2により,次の修正方法
によって実施する。
a) 試験片の準備 短冊は,ケーブルの広い面から軸方向に切り取る。内面の突起は研磨又は研さくする。
試験される短冊の幅は,最小10mmで,20mm以下とする。
短冊の厚さは,荷重Fが加えられる部分を測定する。
b) 試験装置中の各試験片の位置 短冊は,ケーブルの線心の径とほぼ同じ径のマンドレルに巻き付ける。
短冊の長手軸は,マンドレルの軸に対し垂直とする。短冊の内面は,マンドレルの円周に120度以上接触
するように準備する(図2参照)。試験装置の金属刃は,試験中の中央に位置させる。
c) 荷重の計算 JIS C 3660-1-1の8.2.4参照,d(単位mm)は,荷重のかかる部分の短冊の厚さとする。D
(単位mm)は,マンドレル径にdの厚さの2倍を加えたものとする。
d) くぼみ くぼみの深さは,上のdの初期値と関連させる。
5
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
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図2 くぼみ装置
2.4.2
完成品ケーブルの低温衝撃試験 JIS C 3660-1-4の9.5.4に規定されるハンマーの質量は,ケーブル
の短径によって決定する。
2.4.3
曲げ試験 この試験は,エレベータケーブルには適用しない(これらのケーブルについての適切な
試験は,検討中である。)。試験は,5心以下の0.75mm2,1mm2,1.5mm2,2.5mm2又は4mm2のいずれかの
導体公称断面積のケーブルでだけ実施する。
ケーブル各端に加えるおもりの質量及びプーリAとBの径を表3に示す。
表3 おもりの質量及びプーリの径
可とうケーブルの種類
おもりの質量
kg
プーリの径
mm
平形ビニルシース付き可とう接続用ケ
ーブルの公称断面積
0.75mm2及び1mm2
1.0
80
1.5mm2及び2.5mm2
1.5
120
4mm2
2.0
200
2.4.4
静的可とう性試験 試験は,JIS C 3662-2の3.5による。
l´の間隔は,70mm以下とする。
2.4.5
難燃性試験 この試験において,炎は,ケーブルの平らな面の中央に当てなければならない。
2.5
使用指針 エレベータ及びホイスト用のケーブルは,自由懸垂長が35m以下で走行速度1.6m/s以下
の場合の布設を意図している。これらの限界を超えるケーブルの使用は,例えば,補強線を追加するなど
は,使用者と製造業者との協議事項による。
この規格は,0℃以下の温度で使用されるケーブルには適用しない。
通常の使用状態における導体最高温度:70℃
備考 他の指針は,検討中。
6
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
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表4 タイプ 60227 IEC 71fの一般的要求値
1
2
3
公称断面積
mm2
絶縁体厚さ
規定値
mm
絶縁抵抗
(70℃)
MΩ・km
0.75
1
1.5
2.5
4
6
10
16
25
0.6
0.6
0.7
0.8
0.8
0.8
1.0
1.0
1.2
0.011
0.010
0.010
0.009
0.007
0.006
0.005 6
0.004 6
0.004 4
表5 タイプ 60227 IEC 71fの隔壁の厚さ及びシース厚さ
1
2
3
公称断面積
mm2
隔壁の厚さ
公称値
e1
mm
シース厚さ
規定値
e2
mm
e3
mm
0.75
1.0
0.9
1.5
1
1.0
0.9
1.5
1.5
1.0
1.0
1.5
2.5
1.5
1.0
1.8
4
1.5
1.2
1.8
6
1.5
1.2
1.8
10
1.5
1.4
1.8
16
1.5
1.5
2.0
25
1.5
1.6
2.0
7
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
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表6 タイプ 60227 IEC 71fの試験
1
2
3
4
項目No.
試験
試験の種類
試験方法
JIS C
適用箇条
1.
電気試験
1.1
導体抵抗
T, S
3662-2
2.1
1.2
定格電圧による線心耐電圧試験
1.2.1
U0/U=300/500Vで絶縁体厚さが0.6mm以下の場合:1 500V
T
3662-2
2.3
1.2.2
U0/U=450/750Vで絶縁体厚さが0.6mmを超える場合:2 500V
T
3662-2
2.3
1.3
定格電圧による完成品ケーブルの耐電圧試験
T, S
3662-2
2.2
U0/U=300/500Vの場合:2 000V
U0/U=450/750Vの場合:2 500V
1.4
絶縁抵抗 (70℃)
T
3662-2
2.4
2.
構造及び寸法特性の規定
2.1
構造の適合性の確認
T, S
3662-1
目視検査及
び手ざわり
試験
2.2
絶縁体厚さの測定
T, S
3662-2
1.9
2.3
シース厚さの測定
T, S
3662-2
1.10
3.
絶縁体の機械的特性
3.1
老化前の引張試験
T
3660-1-1
9.1
3.2
3.3
老化後の引張試験
加熱減量試験
T
T
3660-1-2
3660-3-2
8.1.3
8.1
4.
シースの機械的特性
4.1
老化前の引張試験
T
3660-1-1
9.2
4.2
4.3
老化後の引張試験
加熱減量試験
T
T
3660-1-2
3660-3-2
8.1.3
8.2
5.
加熱変形試験
5.1
絶縁体
T
3660-3-1
8.1
5.2
シース
T
3660-3-1
8.2及び
この規格の
2.4.1参照
6.
低温の弾性及び耐衝撃性
6.1
絶縁体の低温巻付試験
T
3660-1-4
8.1
6.2
シースの低温巻付試験
T
3660-1-4
8.2
6.3
シースの低温伸び試験
T
3660-1-4
8.4
6.4
完成品ケーブルの低温衝撃試験
T
3660-1-4
8.5及び
この規格の
2.4.2参照
7.
巻付加熱試験
7.1
絶縁体
T
3660-3-1
9.1
7.2
シース
T
3660-3-1
9.2
8.
完成品ケーブルの機械的強度
8.1
曲げ試験
T
3662-2
3.1及び
この規格の
2.4.3参照
8.2
静的可とう性試験
T
3662-2
3.5及び
この規格の
2.4.4参照
9.
難燃性試験
T
3665-1
この規格の
2.4.5参照
8
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.
丸形ビニルシース付きエレベータケーブル及び可とう接続用ケーブル
3.1
記号 227 IEC 71c
3.2
定格電圧
−300/500V:公称断面積1mm2以下のケーブル
−450/750V:公称断面積1mm2超えるケーブル
3.3
構造
3.3.1
導体 公称断面積と使用する線心数の組合せは,表7による。
表7 公称断面積及び線心数
公称断面積
㎜2
線心数1)
0.75, 1, 1.5及び2.5
4, 6. 10, 16及び25
6, 9. 12, 18, 24又は30
4又は5
1) 線心数は,その他の線心数及びそれ以上の線心数のケ
ーブルの構造を除外するものではない。
導体は,JIS C 3664のclass 5の要求事項による。ただし,2.5mm2以下の導体の最大抵抗値は,5%まで
増加してもよい。素線は,めっきなし又はすずめっきありのどちらでもよい。
次の通信用ユニットをケーブル内層の適切な箇所に挿入してもよい。
−光ファイバケーブル
−同軸ケーブル
−公称断面積0.5mm2以下の導体を持つ,遮へい付き通信用ペア線と遮へい付き線心
通信用ペア線と線心の導体は,JIS C 3664のclass 5の要求事項による。すべての通信用ユニットは,適
切な非金属性の押出被覆又はバインダテープを施す。
3.3.2 制御用及び電力用の線心の絶縁体 絶縁体は,各導体上にタイプ PVC/Dの塩化ビニルコンパウンド
を被覆する。
絶縁体厚さには,表8の2の規定値による。
絶縁抵抗は,表8の3の値以上とする。
9
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表8 タイプ 60227 IEC 71cの一般的要求値
1
2
3
公称断面積
mm2
絶縁体厚さ規定値
mm
絶縁抵抗(70℃)
MΩ・km
0.75
1
1.5
2.5
4
6
10
16
25
0.6
0.6
0.7
0.8
0.8
0.8
1.0
1.0
1.2
0.011
0.010
0.010
0.009
0.007
0.006
0.005 6
0.004 6
0.004 4
3.3.3 線心,中心補強線心,通信用ユニット及び介在物のより合せ エレベータケーブルは,線心は適切
な介在物又は通信用ユニットと共に中心補強線心の周りにより合わせる。
中心補強線心は,次のいずれかとする。
a) 麻,ジュート又は同様な材料
b) 補強線
c) 上記a)とb)の組合せ
補強線は,非金属材料又は非導電性の耐摩耗材料を被覆した金属とする。
備考 被覆の目的は,補強線の破損物による線心の損傷を防ぐためである。
介在物は,乾燥綿糸又は他の適切な繊維材料とする。エレベータケーブルでない用途のケーブルについ
ては,中心補強線心及び/又は補強線を入れるかは任意とする。6心,9心及び12心ケーブルの場合は,
線心は一層により合わせ,12心を超え30心までのケーブルでは一層又は二層により合わせる。30心を超
えるケーブルを製造する場合(3.3.1の表7の備考参照)は,必要に応じて層数は増やすことができる。
線心のより合せは,円形にする。線心のより合せのピッチは,層心径の11倍を超えてはならない。
3.3.4 線心のより合せ上の被覆 編組又はテープで構成される被覆を,完成した線心のより合せ上に施し
てもよい。
編組は,天然材料(例えば,綿糸又は含浸した綿糸)又は合成材料(例えば,レーヨン)とする。編組
は,こぶや空げきがなく,均一でなければならない。
テープは,天然材料又は合成材料とし,絶縁体及びシース材料へは非移行性でなければならない。テー
プは,適切な重なりで,ら旋状に施す。
3.3.5 遮へい 遮へいは,線心のより合せ上の被覆の上に施す。
遮へいは,最大素線径0.21㎜のめっきなし又はすずめっきあり軟銅線を左右対称に編組状に施したもの
とする。
編組は,銅線編組又は適切な織物状の繊維(例えば,ポリエステル)を交叉上に織り込んだ銅線遮へい
とする。
編組密度は,銅の部分について適切な方法で計算した時,85%以上とする。
3.3.6 シース シースは,線心のより合せ上の被覆又は遮へい上にタイプ PVC/ST5の塩化ビニルコンパウ
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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ンドを被覆する。シースは,3.3.4に規定した編組以外の下に施された層をきずつけることなく,はぎ取る
ことができなければならない。
シース厚さは,表9の規定値による。
表9 シース厚さ
線心のより合せ上の被覆の仮想外径2)
㎜
シース厚さ規定値
㎜
〜 9.0
9.1〜14.0
14.1〜18.0
18.1〜22.0
22.0以上
1.0
1.3
1.6
2.0
2.4
2) 遮へいを含む。
3.4
試験 3.3の要求事項への適合性は,検査及び表11の試験によって確認する。
3.4.1 曲げ試験
3.4.1.1 エレベータケーブルの曲げ試験
3.4.1.1.1 試験装置 機械的曲げ装置は,同じ高さに取り付けられた単純な同一動きで水平方向に一定速度
で移動する2台の移動台から成るものとする。移動台は,最大相対加速度が4m/s2で,1時間当たり1 500
±10サイクルとなるようにする(サイクルとは,最も遠い位置から最も近い位置まで動き,それから元の
最も遠い位置まで戻っていく移動台の動きのことをいう。)。
移動台には,ケーブルに合わせて先細りの形状をもち,木製の割留めブロックから成るケーブルクラン
プに取り付けられ,揺り軸を備えていなければならない。
押え金具を付けたケーブル試料については,クランプがこれらの金具を固定する手段として使用される。
ケーブルクランプの中心間の距離は,最も遠い位置での移動台においては1 700±10mmで,最も近い位
置での移動台においては760±10mmとする。(図3参照)
3.4.1.1.2 装置の組立て 装置の移動台は,最も遠い位置に取付けられる。次にケーブル試料を測定し,更
に,各端末がクランプされた時,試料の中心での静的たわみが40±5mmとなるように切断する。
ケーブル試料は,3.4.1.1.3(図3参照)に示す電気的接続ができるように,線心が切断端末から突き出
る十分な長さが必要である。
装置の移動台は,最も近い位置に取付けられ,各移動台の片側端にケーブルがクランプされ,押え金具
が同様に固定される。次に,割れクランプの先細り部分をエポキシ又はポリウレタンレジンコンパウンド
で充填する。
備考 クランプは,導体の早期の破断がケーブルクランプの中で生じないように,ある程度の可とう性
をもたせて固く把持する。
3.4.1.1.3 ケーブルへの電気的接続 ケーブルの各線心は,連続した直列回路を形成ように接続する。回路
の開放端は,直流12V電源に接続され,更に,ケーブル線心の導通性を常時監視できるように配置する。
ケーブル線心内で回路の開放が生じる場合は,試験装置が自動的に停止する手段を講じておく。1週1回
のインターバルで,ケーブルに高電圧試験(5分間当たり交流1.5kV又は直流2.5kV)を実施する。
3.4.1.1.4 試験要求特性 試験装置に取付けた後,ケーブルは3 000 000サイクルの曲げを行う。
曲げは,1週ごとに高電圧試験を行うために装置が停止される時を除き,連続的に行う。各線心の導通
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性監視は,曲げ試験中に常時実施される。導体開回路が屈曲サイクル中に発生せず,フラッシュオーバー
又は絶縁破壊が高電圧試験中に発生してはならない。
単位:mm
図3 曲げ試験装置
3.4.1.2 その他のタイプのケーブル(エレベータケーブル以外のケーブル)の曲げ試験
エレベータケーブル以外のケーブルについては,曲げ試験は表10に示すように修正して行うものとする。
表10 おもりの質量及びプーリの径
可とうケーブルの種類
おもりの質量
㎏
プーリの径
mm
丸形ビニルシース付き可とう接続用ケーブルで,
公称断面積が,
1mm2以下
1.5mm2及び2.5mm2
4mm2
1.0
1.5
2.0
80
120
200
3.4.2 静的可とう試験 試験は,2.4.4と同様の方法によって実施する。ただし,規定距離l´は,ケーブル
試料の測定外径の30倍以下とする。
3.4.3 補強線の引張強さ 補強線を含む中心補強線心の引張強さは,使用者と製造業者との合意がある場
合を除き,JIS C 3663-2の3.4の要求事項によって試験を実施する。
中心補強線心又は補強線は,試験中に破断してはならない。
3.4.4 その他の試験 その他の試験及び要求事項は,使用者と製造業者との合意に基づいて追加する。
3.5
使用指針 エレベータ及びホイスト用のケーブルは,自由懸垂長が45m以下で走行速度4.0m/s以下
の場合の布設を意図している。これらの限界を超えるケーブルの使用指針については,地方,地域,国家
及びその他の規準に基づき,最大許容懸垂長及びケーブルの他の要求性能が考慮される。
この規格は,0℃以下の温度で使用されるケーブルには適用しない。
通常の使用状態における導体最高温度:70℃
ケーブルクランプ
揺り軸
ケーブルクランプ
揺り軸
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表11 タイプ 60227 IEC 71cの試験
1
2
3
4
項目No.
試験
試験の種類
試験方法
JIS C
適用箇条
1.
電気試験
1.1
導体抵抗
T, S
3662-2
2.1
1.2
定格電圧による線心耐電圧試験
1.2.1
U0/U=300/500Vの場合:1 500V
T
3662-2
2.3
1.2.2
U0/U=450/750Vの場合:2 500V
T
3662-2
2.3
1.3
定格電圧による完成品ケーブルの耐電圧試験
T, S
3662-2
2.2
U0/U=300/500Vの場合:2 000V
U0/U=450/750Vの場合:2 500V
1.4
絶縁抵抗 (70℃)
T
3662-2
2.4
2.
構造及び寸法特性の規定
2.1
構造の適合性確認
T, S
3662-1
目視検査及び
手ざわり試験
2.2
絶縁体厚さの測定
T, S
3662-2
1.9
2.3
シース厚さの測定
T, S
3662-2
1.10
3.
絶縁体の機械的特性
3.1
老化前の引張試験
T
3660-1-1
9.1
3.2
3.3
老化後の引張試験
加熱減量試験
T
T
3660-1-2
3660-3-2
8.1.3
8.1
4.
シースの機械的特性
4.1
老化前の引張試験
T
3660-1-1
9.2
4.2
4.3
老化後の引張試験
加熱減量試験
T
T
3660-1-2
3660-3-2
8.1,3
8.2
5.
加熱変形試験
5.1
絶縁体
T
3660-3-1
8.1
5.2
シース
T
3660-3-1
8.2
6.
低温の弾性及び耐衝撃性
6.1
絶縁体の低温巻付試験
T
3660-1-4
8.1
6.2
シースの低温巻付試験
T
3660-1-4
8.2
6.3
シースの低温伸び試験
T
3660-1-4
8.4
6.4
完成品ケーブルの低温衝撃試験
T
3660-1-4
8.5
7.
巻付加熱試験
7.1
絶縁体
T
3660-3-1
9.1
7.2
シース
T
3660-3-1
9.2
8.
完成品ケーブルの機械的強度
8.1
補強層を備えた中心補強線心の引張強さ
T
3662-2
3.6
この規格の3.4.3参照
8.2
8.2.1
8.2.2
8.3
曲げ試験
エレベータケーブル
その他のケーブル
静的可とう性試験
T
T
T
3662-2
3662-2
この規格の3.4.1.1
3.1
この規格の3.4.4.2参照
3.5
この規格の3.4.2参照
9.
難燃性試験
T
3665-1
13
C 3662-6:2003 (IEC 60227-6:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(規定)シース寸法決定の仮想計算方法
A.1 概要 ケーブルシースの寸法を決定する仮想計算法は,以下の補完的情報を考慮し,IEC 60502-1の
附属書Aに基づいて行われる。
A.2 導体 表A.1の値及びIEC 60502-1の表A.1の値を採用する。
表A.1 導体の仮想外径
導体公称断面積
mm2
仮想導体外径(dL)
mm
0.75
1
1.0
1.1
A.3 線心のより合せ外径 表A.2の値及びIEC 60502-1の表A.2の値を採用する。
表A.2 線心のより合せ係数(k)
線心数
より合せ係数(k)
24
24 3)
30
30 3)
6.0
9.0
7.0
11.0
3) 一層に線心がより合わされている場合
A.4 内部被覆 線心のより合せ上の非金属被覆の厚さは無視する。
A.5 同軸導体及び金属遮へい 編組素線径の4倍の値を仮想外径に加える。
関連規格 JIS C 3408 エレベータ用ケーブル