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C 3660-508:2019 (IEC 60811-508:2012,Amd.1:2017) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験方法························································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 装置 ···························································································································· 2 

4.3 絶縁体 ························································································································· 2 

4.4 シース ························································································································· 4 

5 試験報告書 ······················································································································ 5 

附属書A(規定)圧縮力の計算 ······························································································· 9 

附属書B(参考)推奨する要求性能 ························································································ 10 

C 3660-508:2019 (IEC 60811-508:2012,Amd.1:2017) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電線工業会(JCMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,JIS 

C 3660-3-1:2003は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 3660の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 3660-100 第100部:一般事項 

JIS C 3660-201 第201部:一般試験−絶縁体厚さの測定 

JIS C 3660-202 第202部:一般試験−非金属シース厚さの測定 

JIS C 3660-203 第203部:一般試験−仕上寸法の測定 

JIS C 3660-301 第301部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃における誘電率の測定 

JIS C 3660-302 第302部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃及び100 ℃における直流抵抗率の測

定 

JIS C 3660-401 第401部:各種試験−加熱老化試験方法−エアオーブンによる加熱老化 

JIS C 3660-402 第402部:各種試験−耐水性試験 

JIS C 3660-403 第403部:各種試験−架橋コンパウンドのオゾン試験 

JIS C 3660-404 第404部:各種試験−シースの耐油試験 

JIS C 3660-405 第405部:各種試験−PVC絶縁体及びPVCシース材料の熱安定性試験 

JIS C 3660-406 第406部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの耐環境応力亀

裂性試験 

JIS C 3660-407 第407部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの質量増加率 

JIS C 3660-408 第408部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの長期安定性試

験 

JIS C 3660-409 第409部:各種試験−熱可塑性絶縁体及びシース材料の加熱減量試験 

JIS C 3660-410 第410部:各種試験−銅導体を被覆するポリオレフィン絶縁材料の銅触媒による酸化

劣化試験 

JIS C 3660-411 第411部:各種試験−充塡コンパウンドの低温ぜい化 

JIS C 3660-412 第412部:各種試験−加熱老化試験方法−加圧空気による加熱老化 

JIS C 3660-501 第501部:機械試験−絶縁体及びシース用コンパウンドの機械的特性試験 

JIS C 3660-502 第502部:機械試験−絶縁体の収縮試験 

JIS C 3660-503 第503部:機械試験−シースの収縮試験 

JIS C 3660-504 第504部:機械試験−絶縁体及びシースの低温曲げ試験 

JIS C 3660-505 第505部:機械試験−絶縁体及びシースの低温伸び試験 

C 3660-508:2019 (IEC 60811-508:2012,Amd.1:2017) 

(3) 

JIS C 3660-506 第506部:機械試験−絶縁体及びシースの低温衝撃試験 

JIS C 3660-507 第507部:機械試験−架橋した材料のホットセット試験 

JIS C 3660-508 第508部:機械試験−絶縁体及びシースの加熱変形試験 

JIS C 3660-509 第509部:機械試験−絶縁体及びシースの巻付加熱試験 

JIS C 3660-510 第510部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の巻付試験 

JIS C 3660-511 第511部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドのメルトフロー

インデックスの測定 

JIS C 3660-512 第512部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の引張強さ及び破断時の伸び試験 

JIS C 3660-513 第513部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−前

処理後の巻付試験 

JIS C 3660-601 第601部:物理試験−充塡コンパウンドの滴下点の測定 

JIS C 3660-602 第602部:物理試験−充塡コンパウンドの油分離 

JIS C 3660-603 第603部:物理試験−充塡コンパウンドの全酸価の測定 

JIS C 3660-604 第604部:物理試験−充塡コンパウンド中の腐食成分試験 

JIS C 3660-605 第605部:物理試験−ポリエチレンコンパウンド中のカーボンブラック及び無機充塡

剤の含有量測定 

JIS C 3660-606 第606部:物理試験−密度測定法 

JIS C 3660-607 第607部:物理試験−ポリエチレン及びポリプロピレン中のカーボンブラック分散測

定方法 

  

日本産業規格          JIS 

C 3660-508:2019 

(IEC 60811-508:2012,Amd.1:2017) 

電気・光ファイバケーブル− 

非金属材料の試験方法−第508部:機械試験− 

絶縁体及びシースの加熱変形試験 

Electric and optical fibre cables- 

Test methods for non-metallic materials-Part 508: Mechanical tests- 

Pressure test at high temperature for insulation and sheaths 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたIEC 60811-508及びAmendment 1:2017を基に,技術的

内容を変更することなく作成した日本産業規格である。ただし,追補(amendment)については,編集し,

一体とした。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,電線,光ファイバ及びそれらからなるケーブルの,絶縁体及びシース材料に用いる熱可塑

性コンパウンドに適用する加熱変形試験の手順について規定する。 

この試験は,主に熱可塑性材料を意図しているが,関連ケーブル規格で特別に必要としている場合は,

架橋材料に用いてもよい。 

注記1 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文の第二段落に移した。) 

注記2 この試験方法は,厚さが0.7 mm以下のものには推奨されていない。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60811-508:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic materials−

Part 508: Mechanical tests−Pressure test at high temperature for insulation and sheaths及び

Amendment 1:2017(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 3660-100 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第100部:一般事項 

注記 対応国際規格:IEC 60811-100:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for 

non-metallic materials−Part 100: General 

C 3660-508:2019 (IEC 60811-508:2012,Amd.1:2017) 

  

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 3660-100の箇条3による。 

試験方法 

4.1 

一般 

この規格は,JIS C 3660-100と併せて用いる。 

この規格は,絶縁体及びシース用コンパウンドに適用する加熱変形試験の方法について規定する。 

全ての試験は,絶縁体及びシース用コンパウンドの押出し後,16時間経過後に実施する。 

4.2 

装置 

4.2.1 

エアオーブン 

試験は,オーブンの中で行う。オーブンは,自然対流式のものを用いる。 

オーブンは,振動を引き起こす機器と一体にせず,露出した加熱部品も含んではならない。空気の温度

は,関連ケーブル規格で規定された値に維持する。オーブンは,規定された試験温度の±2 ℃で運転でき

なければならない。 

注記 急しゅん(峻)な溶融点をもつ熱可塑性のもの(エチレンポリマー系)は,規定された温度よ

り少しでも超えて上昇してしまうと過大なくぼみをもたらすことがある。 

運転中に,オーブンは,振動が加わらない所に置かれなければならない。 

4.2.2 

くぼみの装置 

図1による装置を用いる。先端が0.70±0.01 mm幅の長方形の平らな刃からなっており,加える力の影

響で試験片に対して圧迫することができる。 

4.3 

絶縁体 

4.3.1 

試料及び試験片の準備 

試験に用いる各線心は,隣接した3個の試験片を250〜500 mmの長さの試料から採取する。各試験片の

長さは,50〜100 mmとする。 

各線心の試験片から半導電層を含む全ての被覆物を機械的に取り除く。ケーブルのタイプによって,試

験片は長さ45±5 mmの円形,平形又は扇形断面とする。 

個々の導体断面積が10 mm2未満のシースのない1対又は多心平形ケーブルの線心の場合は,分離せず

に試験する。10 mm2以上の場合,個々の線心の絶縁体から採取した試験片で試験する。 

試験する絶縁体の最小厚さは,0.7 mmでなければならない。 

場合によっては,絶縁体の厚さが0.4 mmまで試験してもよいが,推奨しない。厚さが0.7 mm未満の試

料を試験する場合,試験報告書にこれを記録することが望ましい。 

注記 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文の最終段落に移した。) 

4.3.2 

手順 

4.3.2.1 

試験片の固定 

最終的な試験片は,4.3.1の試験片とする。 

円形の線心は,図1(3a)に示す位置に置く。 

シースのない平形ケーブルは,その平らな方向かつ長径軸の面を上に向けて置く。 

扇形の線心は,図1(3b及び3c)に示すように適切な支持台の上に置く。 

全ての試験片は,試験中,位置が変わらないように支持具に固定する。試験片が刃の圧力によって曲が

らないように注意する。 

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4.3.2.2 

力の加え方 

附属書Aで算出された力を,線心の軸に対して垂直方向に加える。刃も線心の軸に対して垂直となるよ

うにする。 

4.3.2.3 

エアオーブンの中でのセッティング 

室温で,おもりによって力を加えた刃を固定された試験片の上に置き,その後,これらを規定された試

験温度のエアオーブンの中に置く。 

装置は,試験片に圧力をかけたまま,振動がかからない位置に置く(4.2.1参照)。 

空気の温度は,関連ケーブル規格に規定された値に維持する。疑義が生じた場合,適切な温度測定装置

を用いて,試験片に可能な限り近く,かつ,同じ高さで温度を確認し,試験中,継続して監視する。 

注記1 試験する材料によっては,温度がいかなるときも規定された上限を超えないことを確実にす

ることが重要であることがある。試験開始直後の多少の間は,規定された下限を下回る温度

となる場合がある。その短い期間は,無視される。 

試験片は,関連ケーブル規格で規定された時間,試験位置に保持する。関連ケーブル規格で規定されて

いない場合は,次の時間とする。 

− 試験片がD≦15 mmの値の場合は,4時間 

− 試験片がD>15 mmの値の場合は,6時間 

Dの決め方の詳細は,附属書Aによる。 

注記2 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文の最終段落に移した。) 

4.3.2.4 

冷却 

規定時間の加熱が終わったら,試験片は,すぐに力の加わった状態で冷やす。この操作は,エアオーブ

ンの中又は外で,刃の圧力が加わっていた所に冷却水を吹きかけてもよい。 

試験片は,絶縁体の回復が起こらない温度に冷却したときに装置から取り外し,更に試験片を冷却水に

浸して冷やす。 

4.3.2.5 

測定 

冷却後すぐに,試験片は,くぼみの深さを測れるように準備する。 

試験片が管状となるように,導体を試験片から引き抜く。 

図2に示すように,くぼみに対して垂直となるように,線心の軸方向に試験片から短冊を切り取る。 

短冊は,測定用マイクロスコープ,測定用投影機又は10倍以上の倍率をもつ光学デジタル画像解析装置

の下に平らに置く。十字線は,図2に示すように,くぼみの底と試験片の外周とに合わせる。疑義が生じ

た場合は,測定用マイクロスコープによる測定を基準とする。 

厚さ0.7 mm未満の絶縁体を測定する場合は,小数点3桁まで測定し,0.01 mmの精度で読み取る。 

注記1 ダイヤルマイクロメータを用いた試験方法を検討中である。 

外径が約6 mmまでの小さい試験片は,図3に示すように,くぼみの近くで横に切り取る。くぼみの深

さは,図3の断面1及び断面2のように,マイクロスコープの測定値の差で測る。 

全ての測定は,ミリメートル(mm)単位で小数点以下2桁まで測定する。 

測定するとき,熱力学的応力の要因が試料の上側表面をゆがませ,くぼみの頂点が誤った位置になるか

もしれない。真のくぼみは,直接くぼみの位置を測定した値とは異なる場合がある。したがって,基準線

としてくぼみができる前に測定した厚みの値を用いるのが有効である。ゆがみが生じる,又は結果に確信

がもてない場合は,くぼみの値は,次のとおり適切に修正するのが望ましい。 

− 元々の厚みはδだが,試験後の見かけ上の厚みはδ1となっている場合,計算のために,測定したくぼ

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み(M)からδ1−δに等しい分を差し引くことによって修正する必要がある。 

− 修正したくぼみの百分率は,次のようになる。 

100

)

1

(

×

δ

δ

δ

M

注記2 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文の最終段落に移した。) 

4.3.2.6 

結果の表し方 

各線心又は短冊から作った3個の試験片のくぼみの測定結果は,絶縁体厚さに対する百分率として算出

し(附属書Aによって計算),この中央値を記録する。試験によって厚さが変わる場合,4.3.2.5の式を用

いるのが望ましい。 

平形ケーブルの場合,くぼみの中央値は,試料の同一サイズの全線心のくぼみの値の平均値とする。 

注記 関連ケーブル規格に要求事項がなければ,推奨値は,附属書Bを参照する。 

4.4 

シース 

4.4.1 

シースの試料及び試験片の準備 

試験する各シース用に,隣接した3個の試験片は,被覆物(もしあれば)又は内部構成物(線心,介在,

内部被覆,がい装などもしあれば)を取り除いた長さ250〜500 mmの試料から採取する。 

各シース試験片の長さは,50〜100 mmとする。 

シース内面に突起がなければ,各シース試験片から,円周の約1/3に等しく,ただし,最大20 mmの幅

の短冊をケーブルの軸方向と平行に切り取る。 

シース内面に5心以下の線心によって突起が生じている場合,全長にわたってほぼ中央に少なくとも一

つの溝がくるように,突起方向に沿って短冊を切り取る。 

シース内面に5心を超える線心によって突起が生じている場合,同様に短冊を切り取り,これらの突起

を研削して取り除く。 

注記1 JIS C 3660-501の附属書A(試験片作製機の代表的な動作原理)に示す装置は,突起の研削

又は切削するのに適切である。 

シースが同心導体,がい装又は金属遮蔽に直接付いていて,研削又は切削しても取り除けない突起があ

る場合(もし外径が大きくなければ),シースを取り除かず,完成品ケーブルを試験片とする。 

平形ケーブルの短径の面が完全に円形になっている場合,この試験は短径の面で行う。圧縮力の算出に

おいて(附属書A参照),Dはケーブルの短径とし,δは図4に示す平均シース厚e3とする。 

平形ケーブルの短径の面が図4に描かれたようにほぼ平面になっている場合,試験片はケーブルの軸方

向に長径の面から短冊を切り取って準備する。その内面は,突起だけを研削又は切削によって取り除く。

試験する短冊の幅は,10 mm以上20 mm以下とする。厚さは,圧縮力Fが加わるところで測定する。 

場合によっては,絶縁体の厚さが0.4 mmまで試験してもよいが,推奨しない。厚さが0.7 mm未満の試

料を試験する場合,試験報告書にこれを記録することが望ましい。 

注記2 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文の最終段落に移した。) 

4.4.2 

手順 

4.4.2.1 

試験片の固定 

短冊は,マンドレルに載せるが,より安定させるためマンドレルは軸方向に半分にしてもよい。 

注記 マンドレルとして金属ピン又は金属管が適切である。 

マンドレルの半径は,試験片の内径の約半分とする。 

マンドレルが短冊を支持し,刃で試験片の外側に対して加圧するように,装置,短冊及び支持マンドレ

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ルを配置する。 

平形ケーブルシースの試験片は,平形ケーブルの短径の面が平面になっている場合,図5に示すように

支持マンドレルの上に置く。 

力は,マンドレル(完成品ケーブルをそのまま用いる場合はケーブル)の軸に対して垂直に加える。刃

もマンドレル(完成品ケーブルをそのまま用いる場合はケーブル)の軸に対して垂直に当てる。 

平形ケーブルの短径の面が図4に描かれたようにほぼ平面になっている場合,試験片(短冊)は,ケー

ブルの線心の外径にほぼ等しい外径をもつマンドレルに巻き付ける。このとき,短冊の長軸は,このマン

ドレルの軸に垂直である。また,短冊の内面はマンドレルの円周の120°以上に接するようにする(図5

参照)。試験装置の刃は,試験片の中央部に置く。 

平形ケーブルの短径の面が平面又はほぼ平面の場合,δ(mm)は,力を加える位置での短冊の厚さとし,

D(mm)は,図5に示すように,マンドレルの外径にδの値の2倍を加えた値とする。 

4.4.2.2 

力の加え方 

附属書Aで算出された力を,マンドレルの軸に(完成品ケーブルをそのまま用いる場合はケーブルに)

対して垂直方向に加える。刃も軸に対して垂直に当てる。 

4.4.2.3 

エアオーブンの中でのセッティング 

エアオーブンの中でのセッティングは,4.3.2.3による。 

4.4.2.4 

冷却 

冷却は,4.3.2.4による。 

4.4.2.5 

測定 

4.3.2.5及び図2に示すように,くぼみは,試験片から切り取った短冊で測定する。 

平形ケーブルの短径の面が平面又はほぼ平面の場合,4.4.2.1及び図5に示すように,くぼみの深さを初

期値δと関連付ける。 

注記 測定するとき,熱力学的応力な要因が試料の上側表面をゆがませ,くぼみの頂点が誤った位置

になるかもしれない。真のくぼみは,直接くぼみの位置を測定した値とは異なる場合がある。

したがって,基準線としてくぼみができる前に測定した厚みの値を用いるのが有効である。ゆ

がみが生じる,又は結果に確信がもてない場合は,くぼみの値は,次のとおり適切に修正する。 

− 元々の厚みはδだが,試験後の見かけ上の厚みはδ1となっている場合,計算のために,測

定したくぼみ(M)からδ1−δに等しい分を差し引くことによって修正する必要がある。 

− 修正したくぼみの百分率は,次のようになる。 

100

)

1

(

×

δ

δ

δ

M

4.4.2.6 

結果の表し方 

結果の表し方は,4.3.2.6による。 

試験報告書 

試験報告書は,JIS C 3660-100に従って作成する。 

background image

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記号 

1:試験用フレーム 

2:試料 

3a-3b-3c:支持台 

4:おもり 

図1−くぼみ装置 

マイクロスコープで観察したくぼみの断面図 

図2−くぼみの測定 

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図3−小試験片のくぼみの測定 

記号 

e3 平均シース厚 

角の半径 

D 短径 

図4−短径の面が平面な平形ケーブル 

background image

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記号 

試験用フレーム 

マンドレル 

マンドレルに巻いた状態で固定した試験片 

おもり 

図5−短径の面が平面な平形ケーブルのくぼみ装置 

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附属書A 

(規定) 

圧縮力の計算 

試験片に刃で加える最小の力F(N)は,次の式による。 

2

2

δ

k

F

=

ここに, 

k: 関連ケーブル規格に規定される係数 

δ: 試験片で測定した絶縁体又はシースの厚さの値(mm) 

D: 絶縁体では試験片の外径の平均値,シースではマンドレルの

径にシース厚さの2倍を加えた値の平均値(mm) 

関連ケーブル規格にkの値が規定されていない場合は,表A.1から得る。 

表A.1−kの値 

絶縁体 

シース 

0.6 

可とう性ケーブル及び可とう性ケーブルの線心 
固定配線用ケーブルでD≦15 mmの線心 

可とう性ケーブル 
固定配線用ケーブルでD≦15 mmの場合 

0.7 

固定配線用ケーブルでD>15 mmの線心及び扇形線心 

固定配線用ケーブルでD>15 mmの場合 

4.3.1に記載されているように導体サイズが10 mm2未満のシースのない2心平形ケーブルの試験片に加

える力は,上記の式で得られた値の2倍とする。3心以上の場合は,線心数を乗じた値とする。ここにD

は試験片の短径の平均値とする(図4参照)。 

厚さδは,くぼみが生じようとしている点にできるだけ近い,試験片の部分を測定する。 

シースのない平形ケーブルの場合,Dは最大サイズのコアの平均外径から計算して決定する。 

扇形線心の場合,Dは,背面又は扇形の曲面の直径の平均値で小数点以下1桁までミリメートル(mm)

単位で表す。この値は,線心より合わせの円周を円周尺で3か所を測定して決定する(測定は,線心より

合わせの異なった3か所で行う。)。 

平形ケーブルのシースの場合,Dは試験片の短径とする。 

平形ケーブルの短径の面が完全に円形になっている場合,この試験は短径の面で行う。圧縮力の算出に

おいて,Dはケーブルの短径とし,δは図4に示す平均シース厚e3とする。 

平形ケーブルの短径の面が平面又はほぼ平面の場合,δ(mm)は,力を加える位置での短冊の厚さとし,

D(mm)は,図5に示すように,マンドレルの外径にδの値の2倍を加えた値とする。 

シースの場合,準備した試験片の厚さは,適切な方法で,くぼみが生じようとしている点にできるだけ

近いところで測定する。 

δ及びDの値は,小数点以下2桁までミリメートル(mm)単位で表す。 

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C 3660-508:2019 (IEC 60811-508:2012,Amd.1:2017) 

  

附属書B 

(参考) 

推奨する要求性能 

特別なタイプ若しくはクラスの絶縁電線又はケーブルの要求性能は,個々の関連ケーブル規格によるこ

とが望ましい。 

別に要求事項がない場合,この規格で試験するケーブルについては,次の値を採用することを推奨する。 

最大くぼみの値:50 % 

注記 50 %の値は,公式のものであり,全ての材料において同一である。試験の厳しさは,50 %の値

を変えないで,係数kだけの変動によって変えることができる。 

参考文献 JIS C 3660-501 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第501部:機械試験−絶

縁体及びシース用コンパウンドの機械的特性試験 

注記 対応国際規格:IEC 60811-501:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for 

non-metallic materials−Part 501: Mechanical tests−Tests for determining the mechanical 

properties of insulating and sheathing compounds及びAmendment 1:2018