C 3660-504:2019 (IEC 60811-504:2012)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験方法························································································································· 2
4.1 一般 ···························································································································· 2
4.2 絶縁体の低温曲げ ·········································································································· 2
4.3 シースの低温曲げ ·········································································································· 3
5 試験報告書 ······················································································································ 3
C 3660-504:2019 (IEC 60811-504:2012)
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電線工業会(JCMA)及び
一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があ
り,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,JIS
C 3660-1-4:2003は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 3660の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 3660-100 第100部:一般事項
JIS C 3660-201 第201部:一般試験−絶縁体厚さの測定
JIS C 3660-202 第202部:一般試験−非金属シース厚さの測定
JIS C 3660-203 第203部:一般試験−仕上寸法の測定
JIS C 3660-301 第301部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃における誘電率の測定
JIS C 3660-302 第302部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃及び100 ℃における直流抵抗率の測
定
JIS C 3660-401 第401部:各種試験−加熱老化試験方法−エアオーブンによる加熱老化
JIS C 3660-402 第402部:各種試験−耐水性試験
JIS C 3660-403 第403部:各種試験−架橋コンパウンドのオゾン試験
JIS C 3660-404 第404部:各種試験−シースの耐油試験
JIS C 3660-405 第405部:各種試験−PVC絶縁体及びPVCシース材料の熱安定性試験
JIS C 3660-406 第406部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの耐環境応力亀
裂性試験
JIS C 3660-407 第407部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの質量増加率
JIS C 3660-408 第408部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの長期安定性試
験
JIS C 3660-409 第409部:各種試験−熱可塑性絶縁体及びシース材料の加熱減量試験
JIS C 3660-410 第410部:各種試験−銅導体を被覆するポリオレフィン絶縁材料の銅触媒による酸化
劣化試験
JIS C 3660-411 第411部:各種試験−充塡コンパウンドの低温ぜい化
JIS C 3660-412 第412部:各種試験−加熱老化試験方法−加圧空気による加熱老化
JIS C 3660-501 第501部:機械試験−絶縁体及びシース用コンパウンドの機械的特性試験
JIS C 3660-502 第502部:機械試験−絶縁体の収縮試験
JIS C 3660-503 第503部:機械試験−シースの収縮試験
JIS C 3660-504 第504部:機械試験−絶縁体及びシースの低温曲げ試験
JIS C 3660-505 第505部:機械試験−絶縁体及びシースの低温伸び試験
C 3660-504:2019 (IEC 60811-504:2012)
(3)
JIS C 3660-506 第506部:機械試験−絶縁体及びシースの低温衝撃試
JIS C 3660-507 第507部:機械試験−架橋した材料のホットセット試験
JIS C 3660-508 第508部:機械試験−絶縁体及びシースの加熱変形試験
JIS C 3660-509 第509部:機械試験−絶縁体及びシースの巻付加熱試験
JIS C 3660-510 第510部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加
熱による前処理後の巻付試験
JIS C 3660-511 第511部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドのメルトフロー
インデックスの測定
JIS C 3660-512 第512部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加
熱による前処理後の引張強さ及び破断時の伸び試験
JIS C 3660-513 第513部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−前
処理後の巻付試験
JIS C 3660-601 第601部:物理試験−充塡コンパウンドの滴下点の測定
JIS C 3660-602 第602部:物理試験−充塡コンパウンドの油分離
JIS C 3660-603 第603部:物理試験−充塡コンパウンドの全酸価の測定
JIS C 3660-604 第604部:物理試験−充塡コンパウンド中の腐食成分試験
JIS C 3660-605 第605部:物理試験−ポリエチレンコンパウンド中のカーボンブラック及び無機充塡
剤の含有量測定
JIS C 3660-606 第606部:物理試験−密度測定法
JIS C 3660-607 第607部:物理試験−ポリエチレン及びポリプロピレン中のカーボンブラック分散測
定方法
日本産業規格 JIS
C 3660-504:2019
(IEC 60811-504:2012)
電気・光ファイバケーブル−
非金属材料の試験方法−第504部:機械試験−
絶縁体及びシースの低温曲げ試験
Electric and optical fibre cables-
Test methods for non-metallic materials-Part 504: Mechanical tests-
Bending tests at low temperature for insulation and sheaths
序文
この規格は,2012年に第1版として発行されたIEC 60811-504を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本産業規格である。
1
適用範囲
この規格は,電線,光ファイバ及びそれらからなるケーブルに用いる,押出された絶縁体及びシースの
低温曲げ試験を行う手順について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60811-504:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic materials−Part
504: Mechanical tests−Bending tests at low temperature for insulation and sheaths(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3660-100 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第100部:一般事項
注記 対応国際規格:IEC 60811-100:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for
non-metallic materials−Part 100: General
JIS C 3660-505 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第505部:機械試験−絶縁体及
びシースの低温伸び試験
注記 対応国際規格:IEC 60811-505,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic
materials−Part 505: Mechanical tests−Elongation at low temperature for insulations and sheaths
2
C 3660-504:2019 (IEC 60811-504:2012)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 3660-100の箇条3による。
4
試験方法
4.1
一般
この規格は,JIS C 3660-100と併せて用いる。
全ての試験は,絶縁体及びシースコンパウンドの押出し後又は架橋後,16時間以上経過した後に行う。
試験は,関連ケーブル規格で規定された温度で行う。
絶縁体の場合,この試験は,12.5 mm以下の仕上外径をもつ円形断面の線心及びダンベルを準備するこ
とができない扇形線心に適用する。
シースの場合,この試験は,12.5 mm以下の仕上外径をもつケーブル及び12.5 mm以下の長径をもつ平
形ケーブルに適用する。
関連ケーブル規格で要求される場合,この試験は,仕上外径が12.5 mmを超えるケーブルについても行
う。試験装置は関連ケーブル規格に従って変更する必要があることに注意する。そうでない場合,仕上外
径が12.5 mmを超えるケーブルの絶縁体及びシースは,JIS C 3660-505の伸び試験を適用する。
4.2
絶縁体の低温曲げ
4.2.1
試料採取及び試験片の準備
試験する各線心は,適切な長さの二つの試料とする。被覆物を取り除いた後,その試料を試験片として
用いる。
4.2.2
装置
この試験用に推奨する装置を,図1に示す。その装置は,試験片用の回転マンドレル及び試料の案内装
置からなる。
図1に示す装置と同等の単心マンドレル装置を用いてもよい。
装置は,試験前及び試験中に適切な低温槽の中に保持する。
4.2.3
手順
試験片は,図1に示すように装置に固定する。
装置は,所定の位置に固定した試験片と一緒に,規定の温度に設定した適切な低温槽の中に16時間以上
置く。16時間の冷却期間には,装置を冷却するのに必要な時間を含める。
装置があらかじめ冷却されている場合,より短い冷却期間でよい。試料は,規定した試験温度に達して
から4時間以上冷却する。装置及び試験片があらかじめ冷却されている場合,試験片を装置に取り付けた
後,1時間冷却する。
規定した時間の終了後,マンドレルを4.2.4に規定した条件によって回転させ,試験片をマンドレルの回
りに密着して,らせん状に巻き付ける。扇形試験片の場合は,試験片の円形の背面部分(曲面)をマンド
レルに接触させる。
さらに,試験片を,マンドレルの上に置いて,周囲温度に到達するまで放置しておく。
4.2.4
試験条件
冷却及び試験温度は,関連ケーブル規格のコンパウンドの種類の規定による。
マンドレルの径は,試験片の径の4〜5倍とする。
マンドレルは約5秒で1回転する速度で回転させる。また,回転数は,表1の規定による。
各試験片の径は,ノギス,マイクロメータ又は円周尺によって測定する。扇形試験片の場合は,マンド
3
C 3660-504:2019 (IEC 60811-504:2012)
レルの径及び回転数を決定するために,径に相当するパラメータとして短軸をとる。
平形ケーブルの場合,マンドレルの径は,試験片の短径を基準とする。試験片は,マンドレルに対して
短径を直角にして巻き付ける。
表1−マンドレルの回転数
試験片の外径
mm
回転数
2.5以下
10
2.5を超え
4.5以下
6
4.5を超え
6.5以下
4
6.5を超え
8.5以下
3
8.5を超える
2
4.2.5
結果の評価
4.2.3に規定した手順の終了後,試験片は,マンドレルの上でそのままの状態で検査する。両方の試験片
の絶縁体は,拡大しないで目視検査したとき,クラックがあってはならない。
4.3
シースの低温曲げ
4.3.1
試料採取及び試験片の準備
試験する各シースは,適切な長さのケーブルから二つの試験片を採取する。
試験を開始する前に,全ての被覆をシースから取り除く。
4.3.2
装置,手順及び試験条件
4.2.2,4.2.3及び4.2.4による。
がい装又は外部シースの下に同軸導体がある場合は,マンドレルの径は関連ケーブル規格の規定による。
4.3.3
結果の評価
4.2.3の手順が終了後,試験片は,マンドレルの上でそのままの状態で検査する。両方の試験片のシース
は,拡大しないで目視検査したとき,クラックがあってはならない。
5
試験報告書
試験報告書は,JIS C 3660-100に従って作成する。
4
C 3660-504:2019 (IEC 60811-504:2012)
a) 前面
b) 横面
c) 細部A
d) 細部B(試験片の固定)
注記1 ds<S<1.5 ds
注記2 d1=1.2〜1.5×ds
注記3 水平位置(HP)では,管は試料をあまり下の方へ押さえない。
注記4 傾斜位置(SP)では,管は試料をあまり上の方へ押さえない。
記号
a) 前面及びb) 横面
1
マンドレル
2
調整可能な丸棒
3
試験片
4
回転場所
5
平衡おもり
6
管
L1 約270 mm
L2 約30 mm
SP 傾斜位置
HP 水平位置
c) 細部A
6
管
7
筒口
d) 細部B(試験片の固定)
1
マンドレル
2
調整可能な丸棒
3
試験片
図1−低温曲げ試験装置