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C 3660-410:2019 (IEC 60811-410:2012,Amd.1:2017) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験方法························································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 装置 ···························································································································· 2 

4.3 試料及び試験片の準備 ···································································································· 2 

4.4 試験手順 ······················································································································ 2 

4.5 測定 ···························································································································· 3 

5 試験報告書 ······················································································································ 3 

附属書A(規定)装置調整 ····································································································· 4 

C 3660-410:2019 (IEC 60811-410:2012,Amd.1:2017) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電線工業会(JCMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,JIS 

C 3660-4-2:2011は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 3660の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 3660-100 第100部:一般事項 

JIS C 3660-201 第201部:一般試験−絶縁体厚さの測定 

JIS C 3660-202 第202部:一般試験−非金属シース厚さの測定 

JIS C 3660-203 第203部:一般試験−仕上寸法の測定 

JIS C 3660-301 第301部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃における誘電率の測定 

JIS C 3660-302 第302部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃及び100 ℃における直流抵抗率の測

定 

JIS C 3660-401 第401部:各種試験−加熱老化試験方法−エアオーブンによる加熱老化 

JIS C 3660-402 第402部:各種試験−耐水性試験 

JIS C 3660-403 第403部:各種試験−架橋コンパウンドのオゾン試験 

JIS C 3660-404 第404部:各種試験−シースの耐油試験 

JIS C 3660-405 第405部:各種試験−PVC絶縁体及びPVCシース材料の熱安定性試験 

JIS C 3660-406 第406部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの耐環境応力亀

裂性試験 

JIS C 3660-407 第407部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの質量増加率 

JIS C 3660-408 第408部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの長期安定性試

験 

JIS C 3660-409 第409部:各種試験−熱可塑性絶縁体及びシース材料の加熱減量試験 

JIS C 3660-410 第410部:各種試験−銅導体を被覆するポリオレフィン絶縁材料の銅触媒による酸化

劣化試験 

JIS C 3660-411 第411部:各種試験−充塡コンパウンドの低温ぜい化 

JIS C 3660-412 第412部:各種試験−加熱老化試験方法−加圧空気による加熱老化 

JIS C 3660-501 第501部:機械試験−絶縁体及びシース用コンパウンドの機械的特性試験 

JIS C 3660-502 第502部:機械試験−絶縁体の収縮試験 

JIS C 3660-503 第503部:機械試験−シースの収縮試験 

JIS C 3660-504 第504部:機械試験−絶縁体及びシースの低温曲げ試験 

JIS C 3660-505 第505部:機械試験−絶縁体及びシースの低温伸び試験 

C 3660-410:2019 (IEC 60811-410:2012,Amd.1:2017) 

(3) 

JIS C 3660-506 第506部:機械試験−絶縁体及びシースの低温衝撃試験 

JIS C 3660-507 第507部:機械試験−架橋した材料のホットセット試験 

JIS C 3660-508 第508部:機械試験−絶縁体及びシースの加熱変形試験 

JIS C 3660-509 第509部:機械試験−絶縁体及びシースの巻付加熱試験 

JIS C 3660-510 第510部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の巻付試験 

JIS C 3660-511 第511部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドのメルトフロー

インデックスの測定 

JIS C 3660-512 第512部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の引張強さ及び破断時の伸び試験 

JIS C 3660-513 第513部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−前

処理後の巻付試験 

JIS C 3660-601 第601部:物理試験−充塡コンパウンドの滴下点の測定 

JIS C 3660-602 第602部:物理試験−充塡コンパウンドの油分離 

JIS C 3660-603 第603部:物理試験−充塡コンパウンドの全酸価の測定 

JIS C 3660-604 第604部:物理試験−充塡コンパウンド中の腐食成分試験 

JIS C 3660-605 第605部:物理試験−ポリエチレンコンパウンド中のカーボンブラック及び無機充塡

剤の含有量測定 

JIS C 3660-606 第606部:物理試験−密度測定法 

JIS C 3660-607 第607部:物理試験−ポリエチレン及びポリプロピレン中のカーボンブラック分散測

定方法 

  

日本産業規格          JIS 

C 3660-410:2019 

(IEC 60811-410:2012,Amd.1:2017) 

電気・光ファイバケーブル− 

非金属材料の試験方法−第410部:各種試験− 

銅導体を被覆するポリオレフィン絶縁材料の 

銅触媒による酸化劣化試験 

Electric and optical fibre cables- 

Test methods for non-metallic materials-Part 410: Miscellaneous tests- 

Test method for copper-catalyzed oxidative degradation of polyolefin 

insulated conductors 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたIEC 60811-410及びAmendment 1:2017を基に,技術的

内容及び構成を変更することなく作成した日本産業規格である。ただし,追補(amendment)については,

編集し,一体とした。 

適用範囲 

この規格は,通信ケーブルの絶縁体に一般的に用いるポリオレフィンの銅触媒の酸化劣化試験の手順に

ついて規定する。 

温度,期間などの全ての試験条件及び全ての試験要求事項については,この規格で規定しない。この規

格に規定のない試験条件及び要求事項は,関連ケーブル規格に規定されている。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60811-410:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic materials−Part 

410: Miscellaneous tests−Test method for copper-catalyzed oxidative degradation of polyolefin 

insulated conductors及びAmendment 1:2017(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 3660-100 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第100部:一般事項 

注記 対応国際規格:IEC 60811-100:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for 

non-metallic materials−Part 100: General 

C 3660-410:2019 (IEC 60811-410:2012,Amd.1:2017) 

  

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 3660-100の箇条3による。 

試験方法 

4.1 

一般 

製品に十分な耐酸化性をもつことを保証するために,製造業者が監視をする必要がある。酸化誘導時間

(以下,OITという。)は,選定した材料について,材料及びケーブルが酸化劣化に対する要求事項を満足

することの監視に適切であることが判明している。 

OIT試験は,材料選定時の老化特性の評価には適切ではない。材料の選定には,長期熱劣化試験が望ま

しい。 

4.2 

装置 

この試験に用いる装置は,次による。 

a) 20±1 K/minの昇温が可能で,試料と照合試料との温度差又は熱伝達差を感度よく,0.2 K以下で正確

に自動記録できる示差熱分析計又は示差走査熱量分析計。 

b) 熱流又は温度軸Y及び時間軸Xが表示できる記録計。時間は0.1分値が読め,誤差は±1 %とする。 

c) ガス選択スイッチ並びに高純度窒素及び酸素の供給装置。 

窒素及び酸素の純度は次のとおりとする。 

・ 窒素(N2)の純度:99.999 %以上 

・ 酸素(O2)の純度:99.995 %以上 

d) 3 mg〜5 mgが測定可能な,±0.1 mgの読取り及び繰返し測定が可能な化学天びん(秤)。質量は10 µg

で丸める。 

e) 試験片ホルダ:アルミニウム製ホルダ,各々6〜7 mm径又は装置製造業者供給の同等品。 

4.3 

試料及び試験片の準備 

1本のケーブル試料から導体を含む約4 mmの長さの適切な試料数,例えば,異なる色から4個の試験

片を準備する。試験片は,3 mg〜5 mgの絶縁材料が得られるように絶縁線心から切断する。 

アルミニウム製ホルダには,1個の試料片を挿入する。 

4.4 

試験手順 

試験開始前に附属書Aに従って,装置を校正する。 

窒素及び酸素ガスシリンダのバルブを開ける。ガス選択スイッチを窒素に合わせた後,流量を流量計で

50±5 mL/minに調整する。 

示差熱分析計に準備した試験片ホルダを置き,空のアルミニウム製ホルダは,リファレンスの場所にセ

ットする。 

注記 試料片ホルダが閉じられているならば,酸化されることはない。 

窒素ガスを5分間吹き流す。必要なら,流量を確認し,流量を50±5 mL/minに再度調整する。 

信号の増幅強度及びレコーダのフルスケールは,初期設定温度と発熱反応とに対応できるように設定す

る。昇温速度を20 K/minに設定し,加熱を開始する。 

規定の温度±1 ℃まで加熱する。加熱を終了し,試験片を一定温度に平衡させた後に,温度の記録を開

始する。ポリエチレンの試験温度は,200 ℃が適切である。手順を単純化するために,前加熱を省略し,

直接試験温度で開始してもよい。 

温度が平衡状態に達した後,ガス選択スイッチを酸素に合わせて,酸素ガスの吹流しに替える。流量を

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C 3660-410:2019 (IEC 60811-410:2012,Amd.1:2017) 

50±5 mL/minに設定する。このとき,記録計にその旨を記載する。この酸素ガスに替えたときを,試験の

ゼロ時(T0)とする。 

酸化反応の開始後から記録針が記録紙の記録できる範囲を外れるまで,一定温度を保ち続ける記録の例

を,図1に示す。 

段階的変化の場合も,記録針が外れるまで等温を保つ。 

試験完了後,記録計をオフにし,ガス選択スイッチを窒素に切り替える。 

示差熱分析計を周囲温度に冷却する。 

引き続き,新しい3個の試験片に対する試験を合計4回行う。アルミニウム製のリファレンス用ホルダ

は,毎回交換してもよい。 

4.5 

測定 

ゼロ時から酸化発熱まで基線を延長する。延長した基線と交わるように発熱部分の最も急激な勾配を外

挿する(図1参照)。 

OITは,ゼロ時から1分以下の実際的な最小間隔で計測する。 

試験報告書 

試験報告書は,JIS C 3660-100に従って作成する。 

注a) ΔT,Δ出力 又は Δエンタルピー 

図1−記録計動からのOITの評価 

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C 3660-410:2019 (IEC 60811-410:2012,Amd.1:2017) 

  

附属書A 

(規定) 
装置調整 

装置の校正は,次による。 

a) 開始前に取扱説明書に従い装置の調整を行う。温度校正用に分析用インジウムを使用する。 

b) アルミニウム製蓋付きのホルダに,分析用インジウムを入れる。代表例として6 mgのサンプルを蓋

付きアルミニウムホルダに入れ,装置の蓋を閉める。汚染物質を取り除くため,石油エーテル又は他

の適切な溶剤を用い,試料及びアルミニウム製ホルダを清掃する必要がある。 

c) 温度勾配設定は,145〜165 ℃では1 K/minとし,温度を記録する。 

d) 装置の調整は,まずインジウムの感度温度156.6 ℃に調整する。インジウムの溶融点156.6 ℃は,ピー

クと基線との外挿線の交点から求める(図A.1参照)。 

図A.1−インジウムの典型的な溶融挙動