C 3612:2002
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線工業会(JCMA)から,工業
標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産
業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
C 3612:2002
(2)
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 記号 ······························································································································ 1
4. 特性 ······························································································································ 1
5. 材料,構造及び加工方法 ··································································································· 2
6. 試験方法 ························································································································ 3
6.1 外観 ···························································································································· 3
6.2 構造 ···························································································································· 3
6.3 導体抵抗 ······················································································································ 3
6.4 耐電圧 ························································································································· 3
6.5 絶縁抵抗 ······················································································································ 3
6.6 絶縁体の引張り ············································································································· 3
6.7 加熱 ···························································································································· 3
6.8 加熱変形 ······················································································································ 3
6.9 難燃 ···························································································································· 3
6.10 発煙濃度 ····················································································································· 3
6.11 燃焼時発生ガスの酸性度及び導電率 ················································································· 3
7. 検査 ······························································································································ 3
8. 製品の呼び方 ·················································································································· 4
9. 表示及び包装 ·················································································································· 4
9.1 電線の表示 ··················································································································· 4
9.2 包装の表示 ··················································································································· 4
9.3 包装 ···························································································································· 4
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日本工業規格 JIS
C 3612:2002
600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線
600V Flame retardant polyethylene insulated wires
1. 適用範囲 この規格は,600 V以下の主に一般電気工作物及び電気機器の配線に用いるポリエチレン
樹脂を主体とした耐燃性コンパウンド(以下,耐燃性ポリエチレンという。)で絶縁された単心の絶縁電線
(以下,電線という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0081 環境試験方法−電気・電子−耐火性試験−煙による光の不透過度の測定−小規模静的試
験方法−材料
備考 IEC 60695-6-31:1999, Fire hazard testing−Part 6-31: Smoke obscuration−Small-scale static test
−Materialsが,この規格と一致している。
JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JIS C 3101 電気用硬銅線
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3666-2 電気ケーブルの燃焼時発生ガス測定試験方法−第2部:電気ケーブル材料の燃焼時
におけるpH及び導電率による発生ガスの酸性度測定
備考 IEC 60754-2:1991,Test on gases evolved during combustion of electric cables−Part 2:
Determination of degree of acidity of gases evolved during the combustion of materials taken from
electric cables by measuring pH and conductivity, Amendment 1 (1997)が,この規格と一致して
いる。
3. 記号 記号は,IE/F(1)(2)とする。
注(1) 記号の意味は,次による。
IE:ポリエチレン絶縁電線
/F:耐燃性(ただし,ハロゲン元素を含まず低発煙性のもの。)
(2) 通称は,EM−IE。
4. 特性 特性は,6. によって試験を行ったとき,表1による。
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表 1 特性
項目
特性
試験方法
適用箇条
導体抵抗
付表1及び付表2の値以下
6.3
耐電圧
水中
付表1及び付表2の試験電圧に1分間耐えなければならない。
6.4
スパーク
付表1及び付表2の値の5倍の試験電圧に耐えなければならない。
絶縁抵抗
付表1及び付表2の値以上
6.5
絶縁体の引張り
引張強さ
10 MPa以上
6.6
伸び
350 %以上
加熱
引張強さ
加熱前の値の80 %以上
6.7
伸び
加熱前の値の65 %以上
加熱変形
厚さの減少率10 %以下
6.8
難燃
60秒以内で自然に消えなければならない。
6.9
発煙濃度
6回の試験の結果,平均値が150以下でなければならない。ただし,
始めの3回の値がいずれも150以下である場合は,3回で合格とす
る。
6.10
燃焼時発生ガス
酸性度
pH 4.3以上
6.11
導電率
10 μS/mm以下
5. 材料,構造及び加工方法 材料,構造及び加工方法は,付表1,付表2及び次による。
a) 導体 導体は,単線,円形より線及び円形圧縮より線とする。
なお,導体形状及び導体径又は公称断面積は,表2による。
表 2 導体形状及び導体径又は公称断面積
導体形状
導体径又は公称断面積
単線
0.8 mm 以上 5.0 mm 以下
円形より線
0.9 mm2以上 500 mm2以下
円形圧縮より線
8 mm2以上 500 mm2以下
1) 単線 単線は,JIS C 3101に規定する硬銅線又はJIS C 3102に規定する軟銅線とする。
2) 円形より線 円形より線は,軟銅導体又は硬銅導体とする。軟銅導体は,JIS C 3102に規定する軟
銅線を同心円状により合わせたもの又は硬銅線を同心円状により合わせた後に焼きなまして,軟銅
にしたものとする。硬銅導体は,JIS C 3101に規定する硬銅線を同心円状により合わせたものとす
る。
なお,最外層のより方向は,Sよりとする。
3) 円形圧縮より線 円形圧縮より線は,JIS C 3102に規定する軟銅線若しくはこれに準じたものをよ
り合わせて円形に圧縮成形したもの又は硬銅線をより合わせ,円形に圧縮成形した後に焼きなまし
て,軟銅にしたものとする。硬銅導体は,JIS C 3101に規定する硬銅線をより合わせ円形に圧縮成
形したものとする。
なお,最外層のより方向は,Sよりとする。
b) セパレータ 導体上には,適切なセパレータを施してもよい。
c) 絶縁体 絶縁体は,a)の導体の上又はb)のセパレータ上に耐燃性ポリエチレンを付表1及び付表2
の厚さに同心円状に被覆する。絶縁体の平均厚さは,付表1及び付表2の値の90 %以上とし,最小
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厚さは,付表1及び付表2の値の80 %以上とする。
なお,電線の表面には,有害なきず及び気泡があってはならない。
d) 電線の色 電線の色は,通常黒とする。
6. 試験方法
6.1
外観 外観は,JIS C 3005の4.1(外観)による。
6.2
構造 構造は,JIS C 3005の4.3(構造)による。
6.3
導体抵抗 導体抵抗は,JIS C 3005の4.4(導体抵抗)による。
6.4
耐電圧 耐電圧は,次の a)又は b)のいずれかによる。
a) 水中 水中は,JIS C 3005の4.6 a)(水中)による。
b) スパーク スパークは,JIS C 3005の4.6 c)(スパーク)による。
6.5
絶縁抵抗 絶縁抵抗は,JIS C 3005の4.7.1(常温絶縁抵抗)による。ただし,温度換算は行わない。
6.6
絶縁体の引張り 絶縁体の引張りは,JIS C 3005の4.16(絶縁体及びシースの引張り)による。引
張速さは,JIS C 3005の4.16.3(試験方法)の表4のBによる。
6.7
加熱 加熱は,JIS C 3005の4.17(加熱)による。加熱温度及び加熱時間は,JIS C 3005の4.17.2
(試験方法)の表5のAによる。
6.8
加熱変形 加熱変形は,JIS C 3005の4.23(加熱変形)による。加熱温度は,75 ℃±3 ℃とし,荷
重は,表3による。ただし,板状試験片を用いる場合の荷重は,10 Nとする。
表 3 荷重
単線
mm
より線
mm2
荷重
N
0.8〜1.2
0.9,1.25
5
1.6〜5.0
2〜14
10
−
22,38
15
60
20
100〜200
25
250
29
325〜500
34
6.9
難燃 難燃は,電線について行い,JIS C 3005の4.26(難燃)による。試験方法は,4.26.2 b)(傾斜
試験)による。
6.10 発煙濃度 発煙濃度は,絶縁体について行い,JIS C 0081による。
なお,試料は,電線に使用する材料と同一の材料からシートを作製し,厚さは0.5 mm±0.1 mmとする。
6.11 燃焼時発生ガスの酸性度及び導電率 燃焼時発生ガスの酸性度及び導電率は,絶縁体について行い,
JIS C 3666-2による。
なお,要求性能は,JIS C 3666-2の9.2(簡易手順)とする。
7. 検査 検査は,6.の試験方法によって,次の事項について行い,4.,5.及び9.1の規定に適合しなけれ
ばならない。ただし,受渡当事者間の協定によって,その一部又は全部を省略することができる。
a) 外観
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b) 構造
c) 導体抵抗
d) 耐電圧
e) 絶縁抵抗(耐電圧試験を,スパークで行った場合は,省略する。)
f)
絶縁体の引張り
g) 加熱
h) 加熱変形
i)
難燃
j)
発煙濃度
k) 燃焼時発生ガスの酸性度及び導電率
8. 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称,導体の種類を表す記号(3)及び導体径若しくは公称断面積,又
は記号,導体の種類を表す記号(3)及び導体径若しくは公称断面積による。
注(3) 硬銅線の場合にだけ(H)とする。
例1. 600 V耐燃性ポリエチレン絶縁電線 1.6 mm又は IE/F 1.6 mm
例2. 600 V耐燃性ポリエチレン絶縁電線(H) 5.5 mm2又は IE/F(H) 5.5 mm2
9. 表示及び包装
9.1
電線の表示 電線の表示は,電線表面に次の事項を容易に消えない方法で連続表示する。
a) 記号(通称又はEMの文字を併記してもよい。)
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年又はその略号
9.2
包装の表示 包装の表示は,適切な方法で次の事項を表示する。
a) 名称又は記号(通称又はEMの文字を併記してもよい。)
b) 導体径又は公称断面積
c) 導体の種類を表す記号[硬銅線の場合にだけ(H)と記す。]
d) 長さ
e) 質量(ドラム巻きの場合は,総質量も併記する。)
f)
ドラムの回転方向
g) 製造業者名又はその略号
h) 製造年又はその略号
9.3
包装 包装は,1条ずつドラム巻き又はたば巻きとし,運搬中損傷のないように適切な方法で行う。
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付表 1 単線
導体径
mm
絶縁体
厚さ
mm
仕上外径
(参考)
mm
導体抵抗(20 ℃)
Ω/km
試験電圧
V
絶縁抵抗
MΩ・km
参考
概算質量
kg/km
標準条長
m
包装
軟銅
硬銅
0.8
0.8
2.4
35.7
37.2
1 500
50
9.5
300
たば
1.0
2.6
22.8
23.8
13
1.2
2.8
15.8
16.5
17
1.6
3.2
8.92
9.29
26
2.0
3.6
5.65
5.83
37
2.6
1.0
4.6
3.35
3.45
65
3.2
5.2
2.21
2.28
90
4.0
6.0
1.41
1.46
2 000
135
5.0
1.2
7.4
0.904
0.932
40
205
付表 2 より線
導体
絶縁体
厚さ
mm
仕上
外径
(参考)
mm
導体抵抗
(20 ℃)
試験電圧
V
絶縁抵抗
MΩ・km
参考
公称
断面積
mm2
構成
素線数/素線径
mm
又は形状
外径
mm
Ω/km
概算質量
kg/km
標準条長
m
包装
軟銅
硬銅
0.9
7/0.4
1.2
0.8
2.8 20.9
21.7
1 500
50
15
300
たば
1.25
7/0.45
1.35
3.0 16.5
17.1
18
2
7/0.6
1.8
3.4 9.24
9.63
27
3.5
7/0.8
2.4
4.0 5.20
5.41
44
5.5
7/1.0
3.0
1.0
5.0 3.33
3.47
70
8
7/1.2
3.6
5.6 2.31
2.41
95
円形圧縮
3.4
5.4 2.29
2.38
2 000
40
14
7/1.6
4.8
6.8 1.30
1.35
160
円形圧縮
4.4
6.4 1.31
1.36
155
22
7/2.0
6.0
1.2
8.4 0.824
0.849
245
200
円形圧縮
5.5
7.9 0.832
0.857
235
38
7/2.6
7.8
10.5 0.487
0.502
2 500
395
100
円形圧縮
7.3
9.7 0.481
0.469
390
60
19/2.0
10.0
1.5
13.0 0.303
0.313
30
625
300
ドラム
円形圧縮
9.3
12.5 0.305
0.314
615
100
19/2.6
13.0
2.0
17.0 0.180
0.185
1 060
円形圧縮
12.0
16.0 0.183
0.189
1 030
150
37/2.3
16.1
21
0.118
0.121
3 000
20
1 570
円形圧縮
14.7
19.0 0.122
−
1 510
200
37/2.6
18.2
2.5
24
0.092 2 0.095 1
2 020
円形圧縮
17.0
22
0.091 5
−
30
250
61/2.3
20.7
26
0.072 2 0.074 4
20
2 590
200
円形圧縮
19.0
24
0.073 9
−
2 520
325
61/2.6
23.4
29
0.056 5 0.058 2
3 500
3 270
円形圧縮
21.7
27
0.056 8
−
3 240
400
61/2.9
26.1
32
0.045 4 0.046 8
4 030
円形圧縮
24.1
30
0.046 2
−
3 950
500
61/3.2
28.8
3.0
35
0.037 3 0.038 4
4 940
円形圧縮
26.9
33
0.036 9
−
4 970