C 3609 : 2000
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線
工業会 (JCMA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによってJIS C 3609 : 1993は改
正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 3609 : 2000
高圧引下用絶縁電線
High-voltage drop wires for pole transformer
1. 適用範囲 この規格は,公称電圧6 600V以下の高圧架空電線路から柱上変圧器の1次側に至る引下用
として使用する架橋ポリエチレン又はエチレンプロピレンゴム(以下,EPゴムという。)で絶縁された単
心の高圧引下用絶縁電線(以下,電線という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3152 すずめっき軟銅線
3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1による。
表1 種類及び記号
種類
記号
高圧引下用架橋ポリエチレン絶縁電線
PDC
高圧引下用EPゴム絶縁電線
PDP
備考 記号の意味は,次のとおりである。
PD:
高圧引下用
C:
架橋ポリエチレン
P:
EPゴム
4. 特性 特性は,6.によって試験を行ったとき,表2による。
2
C 3609 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 特性
項目
特性
試験方法
適用箇条
導体抵抗
付表1及び付表2の値以下
6.3
耐電圧
付表1及び付表2の試験電圧に1分間耐えなければならない。
6.4
絶縁抵抗
付表1及び付表2の値以上
6.5
沿面耐電圧
発煙,燃焼又はフラッシュオーバを生じてはならない.
6.6
耐トラッキング
噴霧回数101回においても0.5A以上の電流が試料表面を流れ
ず,かつ,燃え上がってはならない。
6.7
絶縁体の
引張り
架橋ポリ
エチレン
引張強さ
10MPa以上
6.8
伸び
200%以上
EPゴム
引張強さ
7MPa以上
伸び
400%以上
加熱
引張強さ
加熱前の値の80%以上
6.9
伸び
加熱変形(架橋ポリエチレンだけ)
厚さの減少率40%以下
6.10
5. 材料,構造及び加工方法 材料,構造及び加工方法は,付表1,付表2及び次の各項による。
a) 導体 導体は,絶縁体が架橋ポリエチレン絶縁のものは,JIS C 3102に規定する軟銅線,EPゴム絶縁
のものは,JIS C 3152に規定するすずめっき軟銅線を用い,それぞれは単線又はより線とする。より
線は,同心よりとし,ピッチは層心径の20倍以下,そのより方向はSよりとする。
b) 絶縁体 絶縁体は,a)の導体の上に,付表1及び付表2に示す厚さの架橋ポリエチレン又はEPゴムを
導体と同心円状に被覆する。
絶縁体の平均厚さは,付表1及び付表2の値の90 %以上とし,最小厚さは,付表1及び付表2の値
の80 %以上でなければならない。ただし,導体上に必要によって適切なセパレータを施すことができ
る。
なお,絶縁体の色は,黒とする。
6. 試験方法
6.1
外観 外観は,JIS C 3005の4.1(外観)による。
6.2
構造 構造は,JIS C 3005の4.3(構造)による。
6.3
導体抵抗 導体抵抗は,JIS C 3005の4.4(導体抵抗)による。
6.4
耐電圧 耐電圧は,JIS C 3005の4.6 a)(水中)による。
6.5
絶縁抵抗 絶縁抵抗は,JIS C 3005の4.7.1(常温絶縁抵抗)による。
6.6
沿面耐電圧 沿面耐電圧は,JIS C 3005の4.12(沿面耐電圧)による。電極間隔は100mm,試験電
圧は,5 000 Vとする。
6.7
耐トラッキング 耐トラッキングは,JIS C 3005の4.13(耐トラッキング)による。
6.8
絶縁体の引張り 絶縁体の引張りは,JIS C 3005の4.16(絶縁体及びシースの引張り)による。
6.9
加熱 加熱は,JIS C 3005の4.17(加熱)による。加熱温度及び加熱時間は,架橋ポリエチレンで
はJIS C 3005の4.17.2(試験方法)の表5のE,EPゴムではJIS C 3005の4.17.2の表5のCによる。
6.10 加熱変形 加熱変形は,架橋ポリエチレンについて行い,JIS C 3005の4.23(加熱変形)による。
加熱温度は,120℃±3℃,荷重は20 Nとする。
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C 3609 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7. 検査 検査は,6.の試験方法によって,次の項目について行い,4.,5.及び10.の規定に適合しなけれ
ばならない。ただし,受渡検査については,受渡当事者間の協定によって,その一部又は全部を省略する
ことができる。
a) 外観
b) 構造
c) 導体抵抗
d) 耐電圧
e) 絶縁抵抗
f)
沿面耐電圧
g) 耐トラッキング
h) 絶縁体の引張り
i)
加熱
j)
加熱変形
8. 包装 包装は,1条ずつたば巻又はドラム巻とし,運搬中損傷しないように適切な方法で行う。
なお,ドラム巻の場合には,電線の両端を適切な方法で密封しなければならない。
9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,種類(又は記号)及び導体径(又は公称断面積)による。
例 高圧引下用EPゴム絶縁電線2.0mm又はPDP2.0mm
10. 表示
10.1 電線の表示 電線には,適切なところに次の事項を容易に消えない方法で連続表示する。
a) 公称電圧(6 600Vと記す。)
b) 種類又は記号
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年又はその略号
10.2 包装の表示 包装の表示は,適切な方法で次の事項を表示する。
a) 公称電圧(6 600Vと記す。)
b) 種類又は記号
c) 導体径又は公称断面積
d) 長さ
e) 質量(ドラム巻の場合は,総質量も併記する。)
f)
回転方向(ドラム巻の場合だけ)
g) 製造業者名又はその略号
h) 製造年又はその略号
4
C 3609 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 高圧引下用架橋ポリエチレン絶縁電線
導体
絶縁体
厚さ
仕上
外径
(約)
導体
抵抗
(20℃)
試験
電圧
絶縁
抵抗
参考
導体径
mm
公称
断面積
構成
素線数/素線径
外径
概算
質量
標準
条長
mm2
本/mm
mm
mm
mm
Ω/km
V
MΩ・km
kg/km
m
2.0
−
−
−
3.0
8.0
5.65
12 000
2 500
75
300
2.6
8.6
3.35
100
3.2
9.2
2.21
130
−
5.5
7/1.0
3.0
9.0
3.33
105
8
7/1.2
3.6
9.6
2.31
135
14
7/1.6
4.8
11.0
1.30
205
22
7/2.0
6.0
12.0
0.824
290
30
7/2.3
6.9
13.0
0.623
365
5
C 3609 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表2 高圧引下用EPゴム絶縁電線
導体
絶縁体
厚さ
仕上
外径
(約)
導体
抵抗
(20℃)
試験
電圧
絶縁
抵抗
(20℃)
参考
導体径
公称
断面積
構成
素線数/素線径
外径
概算
質量
標準
条長
mm
mm2
本/mm
mm
mm
mm
Ω/km
V
MΩ・km
kg/km
m
2.0
−
−
−
3.0
8.0
5.83
12 000
100
90
300
2.6
8.6
3.45
125
3.2
9.2
2.28
160
−
5.5
7/1.0
3.0
9.0
3.47
135
8
7/1.2
3.6
9.6
2.41
165
14
7/1.6
4.8
11.0
1.35
235
22
7/2.0
6.0
12.0
0.849
310
30
7/2.3
6.9
13.0
0.642
90
385
6
C 3609 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
第20委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
富 沢 一 行
財団法人電気安全環境研究所
(委員)
荒 井 聰 明
東京電機大学
高 橋 健 彦
関東学院大学
村 山 拓 己
通商産業省基礎産業局
橋 爪 邦 隆
通商産業省工業技術院標準部
斎 藤 俊 樹
通商産業省資源エネルギー庁公益事業部
樋 口 登
工業技術院電子技術総合研究所
橋 本 欣 也
東京都立産業技術研究所
深 川 裕 正
財団法人電力中央研究所
白 井 藤 雄
財団法人電機安全環境研究所
舟 山 保
財団法人日本品質保証機構
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
内 田 實太郎
電気保安協会全国連絡会議
下 川 英 男
社団法人電気設備学会
浅 井 功
社団法人日本電気協会
近 藤 雅 昭
社団法人電線総合技術センター
小田切 司 朗
電気事業連合会
赤 嶺 淳 一
社団法人日本電機工業会
田 谷 利 明
社団法人日本電子機械工業会
石 黒 開 二
社団法人日本配線器具工業会
松 島 勇 作
社団法人日本照明器具工業会
川 本 紀 男
社団法人日本電設工業協会
山 本 勝
全日本電気工事業工業組合連合会
勝 田 銀 造
東京電力株式会社
堀 越 俊 夫
東京電力株式会社
岡 田 雅 彦
関西電力株式会社
藤 垣 伸 一
中部電力株式会社
前 川 雄 一
電源開発株式会社
横 澤 芳 廣
東日本旅客鉄道株式会社
内 田 忠 敬
株式会社関電工
辻 康次郎
社団法人日本電力ケーブル接続技術協会
久 垣 豊 一
古河電気工業株式会社
大 澤 茂 樹
住友電気工業株式会社
藤 井 和 男
株式会社フジクラ
大 西 隆 雄
日立電線株式会社
杉 山 敬 二
三菱電線工業株式会社
矢 地 竹 男
昭和電線電纜株式会社
岩 田 聖 二
タツタ電線株式会社
松 崎 雄 二
矢崎電線株式会社
小 田 英 輔
社団法人日本電線工業会
(事務局)
松 井 孝 志
社団法人日本電線工業会
寺 本 英 昭
社団法人日本電線工業会