C 3323:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号 ··················································································································· 1
4 特性······························································································································· 1
5 材料,構造及び加工方法 ···································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
6.1 外観 ···························································································································· 3
6.2 構造 ···························································································································· 3
6.3 導体抵抗 ······················································································································ 4
6.4 耐電圧 ························································································································· 4
6.5 絶縁抵抗 ······················································································································ 4
6.6 絶縁体の引張り ············································································································· 4
6.7 加熱 ···························································································································· 4
6.8 曲げ ···························································································································· 4
6.9 引裂き ························································································································· 4
7 検査······························································································································· 5
8 製品の呼び方 ··················································································································· 5
9 表示及び包装 ··················································································································· 5
9.1 電線の表示 ··················································································································· 5
9.2 包装の表示 ··················································································································· 6
9.3 包装 ···························································································································· 6
C 3323:2012
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線
工業会(JCMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS C 3323:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
C 3323:2012
600 Vけい素ゴム絶縁電線
600 V Silicone rubber insulated wires
1
適用範囲
この規格は,主として屋内の高温の場所で,600 V以下の回路に用いるけい素ゴム絶縁電線及びけい素
ゴム絶縁ガラス編組電線(以下,電線と総称する。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3152 すずめっき軟銅線
3
種類及び記号
種類及び記号は,表1による。
表1−種類及び記号
種類
記号a)
600 Vけい素ゴム絶縁電線
IK
600 Vけい素ゴム絶縁ガラス編組電線
KGB
注a) 記号の意味は,次による。
K:けい素ゴム
G:ガラス
B:編組
I:屋内用
4
特性
特性は,箇条6によって試験を行ったとき,表2による。
2
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表2−特性
項目
特性
試験方法
適用箇条
導体抵抗
表3及び表4の値以下
6.3
耐電圧
ガラス編組がないもの
表3の試験電圧に1分間耐えなければならない。
6.4
ガラス編組
があるもの
半製品a)
表4の試験電圧に1分間耐えなければならない。
完成品
絶縁抵抗
表3及び表4の値以上
6.5
絶縁体の
引張り
ガラス編組
がないもの
引張強さ
7 MPa以上
6.6
伸び
200 %以上
ガラス編組
があるもの
引張強さ
4 MPa以上
伸び
200 %以上
加熱
引張強さ
加熱前の値の70 %以上
6.7
伸び
加熱前の値の60 %以上
曲げ
ガラス編組
があるもの
ガラス編組に裂け目ができたり又はコンパウンドが著
しく剝がれてはならない。
6.8
引裂き
ガラス編組
がないもの
250 N/cm以上
6.9
注a) 半製品とは,箇条5 c)のガラス編組の前のものをいう。
5
材料,構造及び加工方法
材料,構造及び加工方法は,表3,表4及びa)〜c)による。
表3−600 Vけい素ゴム絶縁電線
導体
絶縁体
厚さ
mm
仕上外径
(参考)
mm
導体抵抗
(20 ℃)
Ω/km
試験
電圧
V
絶縁抵抗
(20 ℃)
MΩ・km
参考
公称
断面積
mm2
構成
素線数/素線径
mm
外径
(参考)
mm
概算
質量
kg/km
標準
条長
m
めっき
あり
めっき
なし
1.25
7/0.45
1.35
1.1
3.6
17.5
16.5
1 500
100
25
100
2
7/0.6
1.8
4.0
9.63
9.24
35
3.5
7/0.8
2.4
4.6
5.41
5.20
50
5.5
7/1.0
3.0
5.2
3.47
3.33
90
70
8
7/1.2
3.6
5.8
2.41
2.31
80
95
14
7/1.6
4.8
7.0
1.35
1.30
2 000
60
160
22
7/2.0
6.0
1.4
8.8
0.849
0.824
70
250
38
7/2.6
7.8
11.0
0.502
0.487
2 500
50
400
60
19/2.0
10.0
1.8
14.0
0.313
0.303
640
50
100
19/2.6
13.0
2.3
18.0
0.185
0.180
1 070
150
37/2.3
16.1
21
0.121
0.118
3 000
1 590
200
37/2.6
18.2
2.9
24
0.095 1
0.092 2
2 060
250
61/2.3
20.7
27
0.074 4
0.072 2
2 610
3
C 3323:2012
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表4−600 Vけい素ゴム絶縁ガラス編組電線
導体
絶縁体
厚さ
mm
ガラス
編組厚さ
(参考)
mm
仕上
外径
(参考)
mm
導体抵抗
(20 ℃)
Ω/km
試験
電圧
V
絶縁抵抗
(20 ℃)
MΩ・km
参考
公称
断面積
mm2
構成
素線数/素線径
mm
外径
(参考)
mm
概算
質量
kg/km
標準
条長
m
めっき
あり
めっき
なし
1.25
7/0.45
1.35
1.1
0.5
4.6
17.5
16.5
1 500
100
35
100
2
7/0.6
1.8
5.0
9.63
9.24
45
3.5
7/0.8
2.4
5.6
5.41
5.20
65
5.5
7/1.0
3.0
6.2
3.47
3.33
90
90
8
7/1.2
3.6
6.8
2.41
2.31
80
120
14
7/1.6
4.8
0.6
8.2
1.35
1.30
2 000
60
190
22
7/2.0
6.0
1.4
10.0
0.849
0.824
70
290
38
7/2.6
7.8
12.0
0.502
0.487
2 500
50
450
60
19/2.0
10.0
1.8
15.0
0.313
0.303
700
50
100
19/2.6
13.0
2.3
0.7
19.0
0.185
0.180
1 180
150
37/2.3
16.1
23
0.121
0.118
3 000
1 700
200
37/2.6
18.2
2.9
26
0.095 1
0.092 2
2 190
250
61/2.3
20.7
28
0.074 4
0.077 2
2 770
a) 導体 導体は,JIS C 3152に規定するすずめっき軟銅線を同心円状により合わせたものとする。導体
上には適切なセパレータを施してもよい。
導体上にセパレータを施す場合は,すずめっきを施さなくてもよい。この場合の導体は,JIS C 3102
に規定する軟銅線を同心円状により合わせたもの又は硬銅線を同心円状により合わせた後焼きなまし
て,軟銅にしたものとする。
なお,最外層のより方向はSよりとする。
b) 絶縁体 絶縁体は,a)の導体の上にけい素ゴムを表3及び表4の絶縁体厚さに導体と同心円状に被覆
する。絶縁体の平均厚さは,6.2(構造)により試験を行ったとき,表3及び表4の値の90 %以上と
し,最小厚さは,表3及び表4の値の80 %以上とする。
600 Vけい素ゴム絶縁電線(IK)については,この絶縁加工を終わったものを完成品とする。この
場合,IKの表面には,6.1(外観)により試験を行ったとき,有害なきず及び気泡があってはならな
い。
c) ガラス編組 600 Vけい素ゴム絶縁ガラス編組電線(KGB)は,b)の絶縁体の上にガラス糸で二重に
編組を施し,耐熱性コンパウンドを含浸し,その表面を平滑に仕上げる。内側の編組は,ガラステー
プにしてもよい。
なお,KGBの表面には,6.1(外観)により試験を行ったとき,有害なきずがあってはならない。
6
試験方法
6.1
外観
外観は,JIS C 3005の4.1(外観)による。
6.2
構造
構造は,JIS C 3005の4.3(構造)による。
4
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6.3
導体抵抗
導体抵抗は,JIS C 3005の4.4(導体抵抗)による。
6.4
耐電圧
耐電圧は,絶縁体を被覆したものについて,JIS C 3005の4.6 a)(水中)及び4.6 b)(空中)による。絶
縁体上にガラス編組を施した場合,更に適切な長さの試料をとり,その中央部約1 mを浸水してJIS C 3005
の4.6 a)によって行うか,又はその中央部約1 mに金属はくを巻き付け,JIS C 3005の4.6 b)による。
6.5
絶縁抵抗
絶縁抵抗は,絶縁体を被覆したものについて行い,JIS C 3005の4.7.1(常温絶縁抵抗)による。
6.6
絶縁体の引張り
絶縁体の引張りは,JIS C 3005の4.16(絶縁体及びシースの引張り)による。
6.7
加熱
加熱は,JIS C 3005の4.17(加熱)による。加熱温度及び加熱時間は,JIS C 3005の4.17.2(試験方法)
の表5のHによる。
6.8
曲げ
曲げは,JIS C 3005の4.27.3(編組構造)による。ただし,円弧の半径は表5による。
表5−円弧の半径
仕上外径
mm
円弧の半径
7.0以下
仕上外径の6倍
7.0を超え 12.0以下
仕上外径の7倍
12.0を超え 20以下
仕上外径の8倍
20を超え
30以下
仕上外径の10倍
6.9
引裂き
引裂きは,ガラス編組がないものについて行う。
図1に示す試験片3個を完成品の絶縁体から(完成品の絶縁体から取ることができない場合には,完成
品とする前のけい素ゴム混合物のコンパウンドから)取り,18 ℃〜28 ℃の温度において,引張試験機に
よって毎分500 mm±25 mmの速さでそれぞれの試験片を切断するまで引っ張り,次の式によって算出さ
れる引裂き強さの平均値を求める。
t
F
TR=
ここに,
TR: 引裂き強さ(N/cm)
F: 最大荷重(N)
t: 試験片の試験部分の厚さ(cm)
この場合において,試験片の幅を25 mmとすることができないときは,その幅を25 mm未満とするこ
とができる。
5
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単位 mm
注記1 厚さは,2.3 mm〜2.8 mmとする。
注記2 試験片のくぼみの内面の中央には,深さ0.50 mm±0.08 mmの切込みを施す。
図1−試験片
7
検査
検査は,次の項目について箇条6によって行い,箇条4及び箇条5の規定に適合しなければならない。
ただし,受渡当事者間の協定によって,その一部又は全部を省略してもよい。
a) 外観
b) 構造
c) 導体抵抗
d) 耐電圧
e) 絶縁抵抗
f)
絶縁体の引張り
g) 加熱
h) 曲げ
i)
引裂き
8
製品の呼び方
製品の呼び方は,種類及び公称断面積,又は種類の記号及び公称断面積による。
例1 600 Vけい素ゴム絶縁電線8 mm2又はIK8 mm2
例2 600 Vけい素ゴム絶縁ガラス編組電線14 mm2又はKGB14 mm2
9
表示及び包装
9.1
電線の表示
電線の表示は,次の事項について適切なところに容易に消えない方法で連続表示する。
a) 製造業者名又はその略号
b) 製造年又はその略号
6
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9.2
包装の表示
包装の表示は,次の事項について適切な方法で表示する。
a) 種類又は記号
b) 公称断面積
c) 長さ
d) 質量(ドラム巻きの場合は,総質量も併記する。)
e) ドラムの回転方向
f)
製造業者名又はその略号
g) 製造年又はその略号
9.3
包装
包装は,1条ずつドラム巻き又はたば巻きとし,運搬中損傷しないように適切な方法で行う。
参考文献 IEC 60228,Conductors of insulated cables