C 3216-1:2011
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義並びに試験における一般事項 ············································································ 2
3.1 用語及び定義 ················································································································ 2
3.2 試験方法における一般事項 ······························································································ 3
附属書A(参考)JIS C 3216-2〜JIS C 3216-6の目次 ···································································· 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8
C 3216-1:2011
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線工業会(JCMA)から,工
業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済
産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS C 3003:1999及びJIS C 3006:1999は廃止さ
れ,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
この規格は,エナメル線及び横巻線の試験方法の統一並びに試験規格のIEC規格整合化を目的として制
定したものである。この規格は,IEC規格への整合化に向け検討してきたが,内容によって大きな変更と
なり市場の混乱が予想されたため,整合化に向けた経過措置として整合化規格を主とし,一部を従来のJIS
による試験方法に変更した。この規格の制定によって,市場にIEC整合規格のコンセンサスを得ることを
目的とした。したがって,次回改正時にはIEC規格への整合を図る。
JIS C 3216の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 3216-1 第1部:全般事項
JIS C 3216-2 第2部:寸法
JIS C 3216-3 第3部:機械的特性
JIS C 3216-4 第4部:化学的特性
JIS C 3216-5 第5部:電気的特性
JIS C 3216-6 第6部:熱的特性
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
C 3216-1:2011
巻線試験方法−第1部:全般事項
Winding wires-Test methods-Part 1:General
序文
この規格は,1996年に第2版として発行されたIEC 60851-1,Amendment 1(2003)及び Amendment 2
(2009)を基に,対応国際規格を翻訳し,市場にIEC整合規格のコンセンサスを得るまでの措置として,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補(Amendment)については,編集し,
一体とした。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,巻線に用いる各種エナメル銅線,エナメルアルミニウム線,横巻銅線及び横巻アルミニウ
ム線の試験方法の全般事項について規定する。この規格は,JIS C 3216規格群で用いる用語及び定義を規
定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60851-1:1996,Winding wires−Test methods−Part 1:General,Amendment 1:2003及び
Amendment 2:2009(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3215 巻線個別規格(規格群)
注記 対応国際規格:IEC 60317 (all parts), Specifications for particular types of winding wires(IDT)
JIS C 3216-2 巻線試験方法−第2部:寸法
注記 対応国際規格:IEC 60851-2:2009,Winding wires−Test methods−Part 2:Determination of
dimensions(MOD)
JIS C 3216-3 巻線試験方法−第3部:機械的特性
注記 対応国際規格:IEC 60851-3:2009,Winding wires−Test methods−Part 3:Mechanical properties
(MOD)
JIS C 3216-4 巻線試験方法−第4部:化学的特性
注記 対応国際規格:IEC 60851-4:1996,Winding wires−Test methods−Part 4:Chemical properties
2
C 3216-1:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(MOD)
JIS C 3216-5 巻線試験方法−第5部:電気的特性
注記 対応国際規格:IEC 60851-5:2008,Winding wires−Test methods−Part 5:Electrical properties
(MOD)
JIS C 3216-6 巻線試験方法−第6部:熱的特性
注記 対応国際規格:IEC 60851-6:1996,Winding wires−Test methods−Part 6:Thermal properties
(MOD)
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
3
用語及び定義並びに試験における一般事項
3.1
用語及び定義
この規格群で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1.1
融着層(bonding layer)
エナメル線の上に形成され,エナメル線どうしを融着する機能をもつ層。
3.1.2
より線(bunched wire)
小径の絶縁被覆線を束ねた線。追加の被覆があってもなくてもよく,幾何学的位置はあらかじめ決めら
れることなく,束ねられている。
3.1.3
クラス(class)
温度指数及び熱衝撃温度で示す線の耐熱性の指標。
3.1.4
皮膜(coating)
導体上又は線の上に形成する材料。皮膜は適切な手段で乾燥又は硬化する。
3.1.5
導体(conductor)
絶縁物を取り除いた後の裸の金属。
3.1.6
被覆(covering)
裸導体又は絶縁被覆した導体の周囲に編んだり,包んだり,又は巻いたりする材料。
3.1.7
亀裂(crack)
指定された拡大率で導体が露出して見える絶縁物の開口部。
3.1.8
二重皮膜(dual coating)
下層と上層とからなる2層の異種材料で形成した絶縁物。
3.1.9
エナメル線(enamelled wire)
熱硬化樹脂層を塗装した線。
3
C 3216-1:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.1.10
種別(grade)
絶縁の厚さによる区分。
3.1.11
絶縁(insulation)
特定の耐電圧機能をもつ,導体の皮膜又は被覆。
3.1.12
公称導体寸法(nominal conductor dimension)
導体寸法の公称値。
注記 JIS C 3202,JIS C 3204及びJIS C 3215規格群に従って定められる導体の寸法。
3.1.13
単一皮膜(sole coating)
一つの材料からなる絶縁。
3.1.14
巻線(winding wire)
磁界を与えるコイル巻線用の線。
3.1.15
線(wire)
絶縁被覆又は絶縁塗装した導体。
3.1.15A
温度指数
耐熱寿命グラフ上で20 000 時間に相応する摂氏の温度に対応する数字。耐熱寿命グラフとは,耐熱性の
評価試験において,規定の終点(寿命)に到達する時間の対数を絶対温度の逆数に対してプロットしたグ
ラフ。
3.1.16
通常視力(normal vision)
裸眼視力又は矯正視力が1.0以上。
3.2
試験方法における一般事項
特に指定のない限り,全ての試験は,JIS Z 8703に規定の温度20±15 ℃及び湿度(65±20)%の標準状
態で実施する。試験を行う前に,試験片はこの標準状態に安定するまであらかじめ放置しておく。
試験片は巻枠からとる。このときに,線に張力を与えたり,不必要な曲げを与えたりしてはならない。
試験片に損傷部分が含まれないことを確実にするため,各試験前に十分な長さの線を廃棄した後,試験片
をとる。
JIS C 3216-2〜JIS C 3216-6に規定する試験方法は,必須の要求事項は全て文章で記載している。図は,
試験を実施する場合の一例を示している。
個別規格であるJIS C 3215規格群とこの規格群の規定との間に矛盾がある場合は,個別規格を優先する。
試験を特定の巻線についてだけで実施する場合は,これを個別規格で明記する。
附属書Aに記載するJIS C 3216-2〜JIS C 3216-6の試験のうち,アスタリスク(*で示す)を付けた試験
は,使用者から要求があった場合に受渡当事者間の協定によって実施する。
4
C 3216-1:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
JIS C 3216-2〜JIS C 3216-6の目次
JIS C 3216-2〜JIS C 3216-6の目次の一覧を次に示す。
*印の試験は使用者から要求があった場合に受渡当事者間の協定によって実施する。
JIS C 3216-2 巻線試験方法−第2部:寸法
1 適用範囲
2 引用規格
3 寸法
3.1 試験装置
3.1.1 丸線及び平角線
3.1.2 より線
3.2 試験方法
3.2.1 導体寸法
3.2.1.1 丸線
3.2.1.2 平角線
3.2.2 導体真円度
3.2.3 平角線の面取り
3.2.4 両側絶縁厚さ
3.2.4.1 一般
3.2.4.2 丸線
3.2.4.3 平角線
3.2.5 仕上がり寸法
3.2.5.1 丸線
3.2.5.2 平角線
3.2.5.3 より線
3.2.6 エナメル丸線の両側融着層厚さ
附属書JA(規定) 代替試験方法
JA.3 寸法
JIS C 3216-3 巻線試験方法−第3部:機械的特性
1 適用範囲
2 引用規格
3 伸び及び引張強さ
3.1 伸び
3.2 引張強さ
4 軟らかさ
5
C 3216-1:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.1 公称導体径0.080 mmを超え1.600 mm以下の丸線
4.1A スプリングエロンゲーション法
4.2 公称導体径1.600 mmを超える丸線及び平角線
5 可とう性及び密着性
5.1 巻付け試験
5.1.1 丸線
5.1.2 平角線
5.1.3 横巻より線
5.2 伸長試験(公称導体径が1.600 mmを超えるエナメル丸線に適用)
5.3 急激伸長試験(公称導体径が1.000 mm以下のエナメル丸線に適用)
5.4 剝離試験(公称導体径が1.000 mmを超えるエナメル丸線に適用)
5.5 密着試験
5.5.1 エナメル平角線
5.5.2 ワニス含浸繊維巻丸線及び平角線
5.5.3 繊維巻エナメル丸線及び平角線
5.5.4 テープ巻丸線及び平角線(融着テープ巻線)
6 耐摩耗*(エナメル丸線に適用)
7 融着性*(公称導体径が0.050 mmを超え2.000 mm以下のエナメル丸線に適用)
7.1 ヘリカルコイル法
7.2 ツイストコイルの融着力
附属書A(参考) 熱融着線の融着力
附属書B(参考) すべり性試験
附属書JA(規定) 代替試験方法
JA.4 軟らかさ(スプリングバック法)
JA.5 可とう性及び密着性
JA.5.1 可とう性
JA.5.1.1 エナメル丸線
JA.5.1.2 平角線
JA.5.2 密着性
JA.5.2.1 エナメル丸線
JA.5.2.2 エナメル平角線
JA.5.2.3 横巻線
JA.7 融着性
JIS C 3216-4 巻線試験方法−第4部:化学的特性
1 適用範囲
2 引用規格
3 耐溶剤*(公称導体径が0.250 mmを超える丸線及び平角線に適用)
3.1 試験装置
3.2 試験手順
6
C 3216-1:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4 耐冷媒*(エナメル丸線に適用)
4.1 抽出
4.2 絶縁破壊
5 はんだ付け性(エナメル丸線及びより線に適用)
5.1 試験装置
5.2 試験片
5.3 試験手順
6 耐加水分解及び耐トランス油*(エナメル線に適用)
6.1 丸線
6.2 平角線
附属書JA(規定) 代替試験方法
JA.3 耐溶剤*
JA.3.1 丸線
JA.3.2 平角線
JA.4 耐冷媒*
JA.4.1 絶縁破壊
JA.4.2 冷媒抽出
JA.5 はんだ付け性
JIS C 3216-5 巻線試験方法−第5部:電気的特性
1 適用範囲
2 引用規格
3 導体抵抗
4 絶縁破壊
4.1 概要
4.2 試験装置
4.3 公称導体径0.100 mm以下のエナメル丸線
4.4 公称導体径0.100 mmを超え2.500 mm以下のエナメル丸線
4.5 公称導体径2.500 mmを超えるエナメル丸線
4.6 繊維巻丸線
4.7 平角線
5 均一性(エナメル丸線及びテープ巻丸線に適用)
5.1 概要
5.2 低電圧均一性(公称導体径0.050 mm以下)
5.3 高電圧均一性(公称導体径0.050 mmを超え1.600 mm以下)
6 誘電正接(エナメル線及びより線に適用)
7 ピンホール試験
附属書A(参考) 誘電正接の測定法
附属書JA(規定) 代替試験方法
JA.4 絶縁破壊
7
C 3216-1:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JA.4.1 横巻線
JA.4.2 エナメル線
JA.5 均一性(公称導体径0.250 mmを超え1.600 mm以下に適用)
JIS C 3216-6 巻線試験方法−第6部:熱的特性
1 適用範囲
2 引用規格
3 耐熱衝撃(エナメル線及びテープ巻線に適用)
3.1 試験片
3.1.1 丸線
3.1.2 平角線
3.2 試験手順
3.3 結果
4 耐軟化*(公称導体径0.100 mmを超え1.600 mm以下のエナメル丸線及びテープ巻丸線に適用)
4.1 試験装置
4.2 試験手順
5 温度指数*
5.1 エナメル線
5.2 テープ巻線
6 加熱減量*(エナメル丸線に適用)
6.1 試験片
6.2 試験手順
附属書A(参考) 高温中破壊試験(エナメル丸線に適用)
附属書JA(規定) 代替試験方法
JA.3 耐熱衝撃
JA.3.1 丸線
JA.3.2 平角線
JA.4 耐軟化
JA.5 温度指数
JA.5.1 概要
JA.5.2 試験片
JA.5.3 試験手順
参考文献 JIS C 3202 エナメル線
JIS C 3204 横巻線
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 3216-1:2011 巻線試験方法−第1部:全般事項
IEC 60851-1:1996 Winding wires−Test methods−Part 1: General, Amendment
1:2003及びAmendment 2:2009
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及
び定義並
びに試験
における
一般事項
3.1.12 公称導体寸法
3.1.12 IEC 60317に従って定め
られる導体の寸法。
変更
JISにはIEC 60317に含まれな
い導体寸法が存在するため,寸
法の違いを考慮して,JIS C
3202及びJIS C 3204の内容を
追加した
日本国内での使用状況に合わせ
た。
3.1.15A 温度指数
−
−
追加
IEC規格にはない新規項目を
追加した
温度指数の理解を助けるため追
加したが,実質的な技術的差異は
ない。
3.2 試験方法における
一般事項
3.2
温度15〜35 ℃,湿度45
〜75 %。
変更
JIS Z 8703に従って温度20±
15 ℃,湿度(65±20)%とし
た。
日本国内の環境条件に合わせた。
附属書A
(参考)
JIS C 3216-2〜JIS C
3216-6の試験項目の一部
を従来JISによる試験方
法に変更・追加した。
−
−
変更
試験方法の一部を従来JISに
変更し,また一部で従来JISに
よる方法を選択できるように
追加した。
日本での使用状況に合わせた。次
回見直し時(2015年予定)には国
際規格に整合を図る。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60851-1 :1996,Amd. 1:2003及びAmd. 2:2009,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
C
3
2
1
6
-1
:
2
0
11
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。