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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 3002-1992 

電気用銅線及びアルミニウム線試験方法 

Testing methods of electrical copper and aluminium wires 

1. 適用範囲 この規格は,電気用銅線(以下,銅線という。)及び電気用アルミニウム線(以下,アルミ

線という。)の試験方法について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 7502 外側マイクロメータ 

JIS B 7507 ノギス 

JIS B 7721 引張試験機 

JIS C 3001 電気用銅材の電気抵抗 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8088 いおう(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8252 ペルオキソ二硫酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 8949 硫化ナトリウム九水和物(試薬) 

JIS K 8984 硫酸銅 (II) (無水)(試薬) 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

IEC 28 (1925) International standard of resistance for copper 

IEC 92-3 (1965) Electrical installations in ships. Part 3 : Cables (construction, testing and 

installations)  

IEC 468 (1974) Method of measurement of resistivity of metallic materials 

3. この規格の中で { } を付けて示してある単位は,従来単位によるものであって参考である。 

2. 試験の種類 試験の種類は,表1のとおりとする。 

表1 試験の種類 

種類 

試験方法適用項目 

外観 

3. 

構造 

4. 

引張り 

5. 

導電率 

6. 

エッジワイズ曲げ 

7. 

めっき 

8. 

3. 外観 外観試験は,たば巻き,ドラム巻き又はボビン巻きのままで,目視,手触りなどによって,次

の項目を調べる。 

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C 3002-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

平滑度・傷・さび・裂け目・汚れ・接続点・笑い 

なお,すずめっき銅線については,更に表面のめっきが均一に施されているかどうかを調べる。 

4. 構造 構造試験は,試料の片端から採取した試験片につき,単線では直径,平角線では幅,厚さ及び

面取半径,より線では素線径,素線数,より方向,ピッチ及び外径について,次によって行う。 

(1) 単線 直径の測定には,JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上のものを用い

る。ただし,指定された径が000

1

1mmのけたのものについては,最小目盛が000

1

1mmの測定器具を用い

る。 

直径は,線軸に垂直な同一平面内でほぼ等しい角度をなす2か所以上を測り,その平均値をもって

表す。 

(2) 平角線 厚さ及び幅は,(1)の測定器又はJIS B 7507に規定するノギス0.05mm目盛のものを用いて長

さ方向に2か所以上を測り,それぞれの平均値をもって表す。 

面取半径は,ラジアスゲージ(Rゲージ)を用いて線軸に垂直な同一平面内の各面取部を測り,そ

の平均値をもって表す。 

(3) より線 

(a) 外径は,(1)のマイクロメータ又は(2)のノギスを用い,(1)の直径の測定と同様な方法で調べる。 

(b) より方向については,Sより(右より)か,Zより(左より)かを調べる。 

備考 Sよりとは,図1(A)のような方向をいい,これを右よりともいう。 

これに対しZよりとは,図1(B)のような方向をいい,これを左よりともいう。 

図1 より方向 

(c) ピッチの測定は,同心よりの場合はその層の素線数nを数え,直尺を軸方向にあてがい,基準とす

る素線から (n+1) 番目の素線までの距離を測り,ピッチとする。 

なお,より線の軸方向に紙をあてがい,素線の並びを写しとってから直尺で測定してもよい。 

ピッチ倍数を層心径(1)の倍数で表すときは,次のようにする。 

1

D

P

Pn=

ここに, Pn: ピッチ倍数 
 

P: ピッチ (mm) 

D1: 層心径 (mm) 

注(1) 層心径とは,その層に含まれるすべての素線の中心を連ねる円の直径をいう。 

C 3002-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 引張り 引張試験は,試料の片端から採取した試験片につき,次の各項によって引張強さ及び伸びを

調べる。ただし,より線の場合は,引張強さを調べ,伸びは調べない。 

(1) 試験片の準備 

(1.1) 単線及び平角線の試験片は,長さ約400mmとし,その中央部に長さ250mmの標線を記す。より線

試験片では,つかみの間隔を500mm以上とれるように用意し,必要によっては試験片の両端を解

き,適当な合金又は樹脂で固める。 

(1.2) 断面積の算出 

(a) 単線の断面積は,4.(1)の方法で得られた直径から算出する。 

(b) 平角線の断面積は,4.(2)の方法で得られた厚さ,幅及び面取半径から算出する。 

(2) 方法 

(2.1) 引張試験 引張試験は,次の条件の下で行わなければならない。 

(a) 温度 温度は常温とし,必要があれば試験温度を記録する。 

(b) 試験機 試験機は,JIS B 7721に規定された試験機とし,引張速さは,硬質,半硬質の銅線(めっ

きを施したものも含む。)及びアルミ線では100mm/min以下,軟質の銅線(めっきを施したものも

含む。)では300mm/min以下とする。 

(2.2) 引張強さ及び伸びの算出 

(a) 引張強さ 引張強さは,次の式によって単位面積当たりに換算する。 

A

F

B=

σ

ここに, 

σB: 引張強さ (MPa) {kgf/mm2} 

F: 最大引張荷重 (N) {kgf} 

A: 断面積 (mm2) 

(b) 伸び 伸びは,切断した部分を突き合わせて標線間の長さを測定し,次の式によって算出するか,

又はパーセントスケールで直読で求める。 

100

0

0

1

×

=

l

l

l

ε

ここに, 

ε: 伸び (%) 

l1: 突き合わせた標線間の長さ (mm) 

l0: 標線距離 (mm) 

(c) 次の場合は,その試験を無効とする。 

① 

単線及び素線の試験片が標線内で標線から25mm以内又は標線外で切断し,規定に適合しない場

合。 

② 

より線の試験片がつかみ部分で切断し,規定に適合しない場合。 

6. 導電率 導電率試験は,試料の片端から採取した試験片につき,次の各項によって行う。ただし,コ

ンダクティビティブリッジによって直接測定しても差し支えない。 

(1) 電気抵抗の測定 

(a) 電気抵抗の測定には,ダブルブリッジ又は電位差計を用いる。試験片の測定長は,原則として1m

又は50cmとする。 

(b) 電気抵抗の測定室又は測定油槽温度は,10〜30℃までの範囲内の一定温度に保ち,試験片は測定前,

室温(又は油槽温度)と同温度に至るまで測定室内(又は油槽内)に放置する。 

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(c) 電気抵抗の測定は,測定電流が結果に影響を与えないようにしなければならない。 

(2) 質量の測定 

(a) 質量の測定は,電気抵抗を測定した長さについて行い,その両端の断面は平らに仕上げ,正確に測

定する。 

(b) 質量の測定に用いるてんびんは,測定質量に応じて適当な感度のものを選択して使用する。 

(3) 導電率の算出法 導電率の算出は,次による。 

100

)

20

(

100

)

20

(

2

2

×

+

×

+

=

t

D

l

m

R

C

t

B

G

l

m

R

A

又は

γ

ここに, 

γ: 導電率 (%) 

R: 電気抵抗 (Ω) 

m: 質量 (g) 

l: 測定長 (m) 

t: 温度 (℃) 

G: 密度 (g/cm3) 

A,B,C,D及びGは,表2の定数である。 

表2 定数 

銅線 

アルミ線 

0.017 241 

0.017 241 

0.000 068 

0.000 113 

0.153 280 

0.046 552 

0.000 60 

0.000 31 

8.89 

2.70 

備考 この定数は,JIS C 3001に規定され

た標準軟銅の20℃における導電率
を100%とした場合の値である。 

7. エッジワイズ曲げ エッジワイズ曲げ試験は,試料の片端から採取した試験片を1平面内にあるよう

に保ちながら図2のように線端の開きがマンドレルの径と等しくなるように完全に180度曲げ,き裂の有

無を調べる。 

図2 エッジワイズ曲げ 

C 3002-1992  

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8. めっき試験 めっき試験は,多硫化ナトリウム法又は過硫酸アンモン法によって行う。 

(1) 多硫化ナトリウム法 

(a) 試験片の準備 試料の片端から約200mmの試験片をとり,そのめっき面をアルコール,ベンジン

などで浸した布でよくふいた後,十分に水洗いする。 

(b) 試験液 塩酸液は,JIS K 8180に規定する塩酸を,15℃における比重が1.088になるように蒸留水

で薄めて用いる。多硫化ナトリウム液は,JIS K 8949に規定する硫化ナトリウム100gをほぼ等量の

蒸留水に溶解し,15℃における比重が1.170の溶液を作り,これにJIS K 8088に規定する1級の硫

黄45gを加え,なるべく微温で加熱し,溶解させ,冷却した後ろ過し,これを蒸留水で薄めて15℃

における比重が1.142としたものを用いる。この溶液は,調製の後,密せんして冷暗所に保存する。

7日以上経過したものは,用いてはならない。 

(c) 試験方法 各試験液を内径約50mm,高さ150〜200mmのガラス製の容器に入れ,15±2℃に保つ。

次に,試験片を塩酸液に1分間浸し,これを取り出してよく水洗いした後,多硫化ナトリウム液に

1分間浸す。これを取り出して水洗いする。 

以上の操作を1回として規定の回数を行い,その表面に黒色の硫化銅が生成するかどうかを調べ

る。 

(d) 試験液に浸す試験片の長さは,100〜200mmとし,浸した部分の上下約20mmを除いた中間の部分

について試験するものとし,同時に浸す試験片はなるべく同一径のものを用い,試験片の最大数N

は,およそ次の式によるものとする。 

d

N

20

=

ここに, N: 試験片の最大数(本) 
 

d: 試験片の公称線径 (mm) 

試験液は,引き続いて試験を行う場合に限り,浸し回数10回まで用いることができる。 

(2) 過硫酸アンモン法 

(a) 試験片の準備 試料の片端から次の式に示す試験片の長さの和L (mm) が取り得るような試験片を

採取する。 

d

L

300

=

ここに, L: 試験片の長さの和 (mm) 
 

d: 試験片の公称線径 (mm) 

次に,試験片のめっき面を,アルコール,ベンジン,石油エーテルなどで洗い,きれいな柔らか

い布でふきとり,乾かし,両端末の銅が露出しないようにワックスなどで密封する。ただし,ワッ

クスなどを塗布した両端末は,長さ (L) には含めないものとし,試験片は試験液に完全に浸すこと

ができるように必要によって適当な長さに切断してもよい。 

(b) 試験液 試験液は,JIS K 8252に規定するペルオキソ二硫酸アンモニウム10gを約500mlの蒸留水

に溶かし,JIS K 8085に規定するアンモニア水(比重0.90)を75ml加え,更に蒸留水で1lに薄め

る。過硫酸アンモン液は,毎回新しいものを準備し,35℃以下に保持しなければならない。 

(c) 比色標準液 JIS K 8984に規定する1級の無水硫酸銅0.200gを約500mlの蒸留水に溶かし,JIS K 

8085に規定するアンモニア水(比重0.90)を75ml加え,更に蒸留水で薄めて1lにする。 

(d) 試験方法 試験片を100mlの試験液を入れた試験管に完全に浸す。試験片は18±3℃の試験液中に

C 3002-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

15分間放置する。 

次に,試験片を取り出し,同種の試験管に同じ深さだけ入れた比色標準液と試験液とを試験管の

長さ方向から目視によって色を比較し,比色標準液の色より暗くないかどうかを調べる。 

電気材料部会 電気用銅線専門委員会 構成表(昭和50年3月1日改正のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

嶋 津 保次郎 

日本電気株式会社 

奥 田 義 一 

通商産業省基礎産業局 

児 玉 勝 臣 

資源エネルギー庁公益事業部 

宮 沢 和 夫 

工業技術院標準部 

市 瀬 信 夫 

大日日本電線株式会社電力技術部 

中 山 政 昭 

昭和電線電續株式会社電力技術部 

岡 田 一 彦 

住友電気工業株式会社電力事業部 

星 井   清 

藤倉電線株式会社巻線裸線技術部 

小野寺   健 

日立電線株式会社技術部 

岩 原 弘 久 

古河電気工業株式会社裸線事業部 

長   孝 夫 

社団法人日本電線工業会 

宮 川 健 三 

富士電機製造株式会社中央研究所 

桐 山 可一郎 

沖電気工業株式会社機構技術部 

貝 淵 俊 二 

日本電信電話公社技術局 

小 島   武 

通信機械工業会 

宮 内 正 夫 

社団法人日本電機工業会技術部 

木 村 脩 之 

日本国有鉄道電気局 

鈴 木 英 一 

東京電力株式会社営業部 

(事務局) 

武 笠 二 郎 

工業技術院標準部電気規格課 

花 里 健 一 

工業技術院標準部電気規格課 

(事務局) 

田 島 政 男 

工業技術院標準部電気規格課(昭和56年3月1日改正のとき) 

吉 川 明 雄 

工業技術院標準部電気規格課(昭和56年3月1日改正のとき) 

(事務局) 

坂 本   満 

工業技術院標準部電気規格課(平成4年8月1日改正のとき) 

斎 藤   充 

工業技術院標準部電気規格課(平成4年8月1日改正のとき)