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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 3001-1981 

電気用銅材の電気抵抗 

Resistance of Copper Materials for Electrical Purposes 

1. 適用範囲 この規格は,電気用導体として用いる銅材の抵抗率と導電率に適用する。 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) 体積抵抗率 体積抵抗率とは,均一断面をもつ金属線について,その抵抗と断面積との積を長さで除

したものである。 

(2) 質量抵抗率 質量抵抗率とは,均一断面をもつ金属線について,その単位長さの抵抗と単位長さの質

量との積である。 

(3) 導電率 導電率とは,抵抗率の逆数をいう。ただし,商用銅の導電率については20℃における標準軟

銅の導電率を100とし,これに対する百分率で表す。 

備考1. 体積抵抗率,質量抵抗率と密度とは,次式の関係がある。 

δ=p・α 

ここで 

δ: 質量抵抗率 

ρ: 体積抵抗率 

α: 密度 

2. この規格で用いる単位は,質量はグラム (g),長さはメートル (m),断面積は平方ミリメー

トル (mm2),体積は立方センチメートル (cm3) を採用する。したがって体積抵抗率の単位は

オーム平方ミリメートル毎メートル 

Ωm

mm2,質量抵抗率の単位はオームグラム毎平方メート 

Ω2

m

g  で表される。 

3. 標準軟銅 標準軟銅は,20℃において次の各号に示す値をもつものとする。 

(1) 体積抵抗率は581=0.017241… 

Ωm

mm2 とする。 

(2) 密度は8.89 (g/cm3) とする。 

(3) 線膨張係数は1℃につき0.000017とする。 

(4) 電気抵抗の定質量温度係数は1℃につき

00393

.0

45

.

254

1

=

とする。 

(5) 質量抵抗率は581×8.89=0.15328… 

Ω2

m

g とする。 

4. 商用軟銅 

4.1 

商用軟銅の導電率は,20℃における標準軟銅の導電率に対する百分率で表し,一般に0.1%までを表

示する。 

background image

C 3001-1981  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

商用軟銅の導電率は,次により算出する。 

(1) 測定時の温度は,20±10℃とする。 

(2) 体積抵抗率の温度上昇による増加は,1℃につき0.000068 

Ωm

mm2 とする。 

(3) 質量抵抗率の温度上昇による増加は,1℃につき0.00060 

Ω2

m

g とする。 

(4) 20℃における密度は,8.89 (g/cm3) とする。 

したがって商用軟銅の抵抗率及び導電率の算出は,次のとおりとする。 

体積抵抗率と導電率 

89

.8

=l

m

R

pt

)

20

(

000068

.0

89

.8

2

20

t

l

m

R

p

+

×

=

100

)

20

(

000068

.0

89

.8

58

1

100

1

2

20

×

+

×

=

×

=

t

l

m

R

p

p

C

s

質量抵抗率と導電率 

2l

m

R

t

=

)

20

(

0006

.0

2

20

t

l

m

R

+

=

100

)

20

(

00060

.0

15328

.0

100

2

20

2

×

+

=

×

=

t

l

m

R

s

C

ここに, 

t: 測定時の温度 (℃) 

R: t℃における試料の電気抵抗 (Ω) 

l: 電気抵抗測定間の長さ (m) 

m: 試料の質量 (g) 

ρt: t℃における体積抵抗率 

Ωm

mm2 

ρ20: 20℃における体積抵抗率 

Ωm

mm2 

ρs: 標準軟銅の20℃における体積抵抗率 

Ωm

mm2 

C1: 体積抵抗率から求める導電率 (%) 

δt: t℃における質量抵抗率 

Ω2

m

δ20: 20℃における質量抵抗率 

Ω2

m

δs: 標準軟銅の20℃における質量抵抗率 

Ω2

m

C2: 質量抵抗率から求める導電率 (%) 

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C 3001-1981  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 電気抵抗の定質量温度係数 各種の導電率をもつ銅材の20℃における定質量温度係数は,表1のとお

りとする。 

表1 

導電率 % 

電気抵抗の定質量温度係数 (α20) 

93.0 

0.003 65 

94.0 

0.003 69 

95.0 

0.003 73 

96.0 

0.003 77 

97.0 

0.003 81 

97.5 

0.003 83 

98.0 

0.003 85 

99.0 

0.003 89 

100.0 

0.003 93 

備考 各温度における電気抵抗の算出は,次のとおりと

する。 

Rt=R20〔1+α20 (t−20)〕 

ここに, 

Rt: t℃における電気抵抗 (Ω) 

R20: 20℃における電気抵抗 (Ω) 

α20: 20℃における定質量温度係

数 (1/℃)