1
C
2569 :
19
98
解
説
解説付表
1
JIS
と対応する国際規格との対比表
JIS C 2569
: 1998
,リング形フェライト磁心
IEC 60525
: 1997,
Dimensions of toroids made of magnetic oxides or iron powder
(磁性酸化物及び鉄粉によるリング形磁心の寸法)
対比項目
規定項目
(I)
JIS
の規定内容
(II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容
(IV)
JIS
と国際規格との相違点
(V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
1.
適用範囲
○ 電磁気障害防止用チョーク
コイル及びパルストランス
に使用するリング形フェラ
イト磁心について規定する。
IEC 60525
○ パルストランス及び広帯域トラ
ンスに使用するリング形フェラ
イト磁心の将来設計のための情
報を提供する。
(ただし,寸法及び外観に関する
内容だけ)
=
2.
定義(用語)
○ 従来の
JIS
で規定していた用
語は,すべて現行
JIS C 2560
(フェライト磁心通則)にも
規定されていることから,こ
の
JIS C 2560
を引用するこ
ととした。
−
IEC 60525
に用語の規定はない
が,
IEC
の用語規格
IEC 60050
(221)
に磁心定数及びインダクタ
ンス係数が定義されている。内容
は
JIS
の定義と一致している。
JIS
として必要な項目
(JIS
Z 8301)
であるため,追加す
る。
3.
形名
○ 次の配列を規定
−
国内で商取引上使用されて
いる形名については,その記
号及び構成方法を規定して
おくべきである。
①形名の構成
フェライト磁心の記号
例:
F
形状を表す記号
OR
寸法
d
1
を表す記号
19
寸法
h
を表す記号
10
寸法
d
2
を表す記号
10
材質を表す記号
XY10
②記号
○ フェライト磁心
F
形状記号
OR
寸法
d
1
,
h
,
d
2
材質 当事者間の取決め
− ただし,技術レポート
IEC 61604
ではこの記号を引用している。
2
C
2569 :
19
98
解
説
解説付表
1
JIS
と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I)
JIS
の規定内容
(II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容
(IV)
JIS
と国際規格との相違点
(V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
4.
電気的・磁気
的性質
○
a)
インダクタンス係数
A
L
:
受渡当事者間の協定
b)
交流初透磁率
μ
1
:
受渡当事者間の協定
c)
実効パルス透磁率
μ
p
:
受渡当事者間の協定
IEC 60525
−
商取引上要求される特性で
あるため,試験方法は標準化
しておくべきである。よって
品質規定においてもそれら
特性を残しておく必要があ
る。
5.
外観
○
a)
欠け
欠けが
1
か所:
断面積の≦
1.5%
欠けが複数箇所:
断面積の≦
2%
−
商取引上要求される品質で
あるため,
JIS
として追加す
べき。
なお,関連規格に,磁心形
状別の外観規格として改訂
が進行中の
IEC
424
がある
が,現在のところリング形磁
心にまで作業が進んでいな
い
(IEC/TC 51)
ことから,
今回は従来
JIS
の規定をそ
のまま引用した。
b)
ひび
ひびが
1
か所:
肉厚の≦
10%
ひびが複数箇所:
肉厚の≦
15%
c)
表面荒れ
表面積の≦
20%
,
深さが≦
0.2mm
3
C
2569 :
19
98
解
説
解説付表
1
JIS
と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I)
JIS
の規定内容
(II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容
(IV)
JIS
と国際規格との相違点
(V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
6.
構 造 及 び 寸
法
①寸法
○ 次の
19
種類(形名で表示)
の寸法を規定する。
FOR- 4- 1- 2, FOR- 6- 2- 3,
FOR- 8- 2- 4, FOR-10- 5- 5,
FOR-12- 4- 6, FOR-14- 4- 7,
FOR-16- 8-10, FOR-18-10-10,
FOR-19-10-10, FOR-20-10-12,
FOR-22-10-14, FOR-25-12-15,
FOR-28-13-16, FOR-31-13-19,
FOR-38-13-19, FOR-45-13-30,
FOR-47-15-27, FOR-60-18-40,
FOR-100-15-64
IEC 60525
○ 次の
7
種類の寸法を規定する。
(ただし,
IEC
には形名が定義さ
れていないため,公称外径寸法の
有効数字
2
けたを形名の代わり
に代表させて
7
種類に分類)
2.5, 4, 6.3, 10, 16, 25, 40
≠
IEC 60525
は現状に即して
いないことから,
IEC
では欧
州,米国及び日本の寸法系列
を 並 記 し た 技 術 レ ポ ー ト
IEC 61604
を発行している。
このレポートは標準化状況
の把握及び今後寸法一本化
の方向で作業が進められる
場合の参考資料となる。今回
はこの
61604
に掲載されて
いる従来
JIS
の寸法をその
まま引用した。
さらに,
IEC 60525
への整合
の観点から,パルストランス
用 途 の 磁 心 と し て 考 え る
φ
10mm
以下の
3
寸法を追加
している。
②面取り
○ 面取りを行う。
○ ばりを取り除く。
=
③実効定数
○ 実効定数
次の寸法定数を規定
C
1
,
C
2
,
A
e
,
L
e
,
V
e
実 効 定 数 の 計 算 式 は ,
IEC
205
準拠
面取りを無視
−
IEC 61604
において実効定
数が規定されていることか
ら
JIS
としてもこれを取り
入れる。
4
C
2569 :
19
98
解
説
解説付表
1
JIS
と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I)
JIS
の規定内容
(II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容
(IV)
JIS
と国際規格との相違点
(V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
7.
試験方法
①
イ ン ダ ク タ
ンス係数
○ 試験方法
インダクタンス係数
測定条件
a)
測定温度
23
±
2
℃
b)
測 定 周 波 数 受 渡 当 事
者間の協定
c)
巻 線 回 数 受 渡 当 事 者
間の協定
d)
交 流 磁 界 の 強 さ
0.4A/m
以下
IEC 60525
− ただし,関連規格
IEC 60367-1
に次の規定
a)
試験温度
25
±
1
℃を推奨
23
±
1
℃も使用可
b)
−
c)
−
d)
相 対 測 定 磁 束 密 度 が
0.25mT
以下
商取引上要求される特性の
試験方法は規定しておくべ
き。
a)
一般に使用される測定
槽の精度から判断して
±
2
℃が適切である。
d)
IEC
の
0.25mT
では信号
レベルとして小さいの
で測定困難な場合があ
る。また日本では磁界の
強さによる調整が一般
的である。
○ 測定方法
次の式で算出。
A
L
(nH)
= ×
10
9
− ただし,
IEC 60050
(221)
に次の
定義
A
L
=
②交流初透磁率
○ 交流初透磁率
次の式で算出。
μ
j
= ×
C
1
− ただし,
IEC 60050
(221)
に次の
定義
μ
j
=
lim
μ
a
(H
→
0)
(学問的定義であり,算出式でな
い。
)
商取引上要求される特性の
試験方法は規定しておくべ
き。
③実効パルス 透
磁率
○ 測定回路,算出式等を示し,
それらを用いた具体的測定
方法によって測定。
− ただし,
IEC 60367-1
に測定に関
する若干の記述あり。
8.
包装
○ 当事者間の取決めによって,
保管中に損傷が生じないよ
うに包装する。
−
最低限の包装状態を規定し
ておくべき。
5
C
2569 :
19
98
解
説
解説付表
1
JIS
と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I)
JIS
の規定内容
(II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容
(IV)
JIS
と国際規格との相違点
(V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
9.
表示
○ 磁心及び包装の見えやすい
ところに次の全部又は一部
を表示するが,当事者間の取
決めを優先。
a)
形名
b)
製造ロット番号
c)
製 造 業 者 名 又 は そ の 略
号
d)
数量
IEC 60525
− ただし,
IEC 60723
シリーズに次
の規定。
a)
参照規格番号
b)
製造業者名又は商標
c)
形名
d)
インダクタンス係数
e)
製造ロット番号
f)
数量
商取引上要求される表示事
項は,
JIS
として規定してお
くべき。
10.
その他
①磁心の実効 定
数の計算式
○
附属書
1
(
規定
)
C
1
及び
C
2
の計算式を規定。
− ただし,
IEC 60205
に
C
1
及び
C
2
の計算式の規定。
実効定数として,
C
1
及び
C
2
の値が規定されているため,
その計算方法は規定してお
くべき。
②磁心のケー ス
寸法
○
附属書
2
(
参考
)
各磁心寸法に対するケース
寸法を示した。
−
参考として追加した。
③破壊電圧試験
○
附属書
3
(
参考
)
絶縁処理した磁心を対象と
した破壊電圧試験の概要を
示した。
−
IEC 61604
との整合を図る。
備考
1.
対比項目
(I)
〜
(V)
は,
JIS
と国際規格とが一致する場合は記載を省略している。
2.
対比項目
(I)
及び
(III)
の小欄で, ○
は該当する項目を規定している場合, −
は規定していない場合を示す。
3.
対比項目
(I)
への記載量が多くなる項目の場合は対比箇所が分かる範囲で記載し,
( )内に記載を省略した旨を記入している。
4.
対比項目
(IV)
の小欄の記号の意味は,次による。
= :同等の場合。
≠ :同等でない場合。