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C 2560-3:2016  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

3.1 形状に関する用語 ·········································································································· 2 

3.2 磁心部及び表面の位置並びに機能に関する用語 ···································································· 2 

3.3 外形及び外観の異常に関する用語······················································································ 3 

4 寸法······························································································································ 14 

4.1 一般事項 ····················································································································· 14 

4.2 リング形磁心の寸法記号 ································································································ 14 

4.3 リング形磁心以外の磁心の寸法記号·················································································· 14 

5 外観異常························································································································ 18 

5.1 一般事項 ····················································································································· 18 

5.2 用語の表現例 ··············································································································· 18 

6 目視検査における面積及び長さの基準 ················································································· 19 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 22 

C 2560-3:2016  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 2560の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 2560-1 第1部:通則 

JIS C 2560-2 第2部:試験方法 

JIS C 2560-3 第3部:寸法及び外観異常 

JIS C 2560-3-1 第3-1部:寸法及び外観−E形フェライト磁心 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 2560-3:2016 

フェライト磁心−第3部:寸法及び外観異常 

Cores made of ferrite-Part 3: Dimensions and surface irregularities 

序文 

この規格は,2002年に第1版として発行されたIEC 60401-1,2009年に第2版として発行されたIEC 

60401-2,2015年に第2版として発行されたIEC 60424-1及び2007年に第1版として発行されたIEC 62317-1

を基とし,構成を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格と対応国際規格との対比を附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,主としてインダクタンスをもつ電子部品に用いるフェライト磁心(以下,磁心という。)の

寸法及び外観異常(形状及び用語)について規定する。 

寸法は,産業界で広く用いる磁心に対して包括して規定する。 

外観異常に関する用語及び定義は,視覚的理解ができるように図によって例示する。また,異常の正確

な位置を図示するとともにその名称を規定する。 

この規格は,JIS C 2560-3規格群で用いる用語の定義及び寸法の記号についての共通的なものとして規

定したものであり,判定基準を示したものではない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60401-1:2002,Terms and nomenclature for cores made of magnetically soft ferrites−Part 1: Terms 

used for physical irregularities 

IEC 60401-2:2009,Terms and nomenclature for cores made of magnetically soft ferrites−Part 2: 

Reference of dimensions 

IEC 60424-1:2015,Ferrite cores−Guidelines on the limits of surface irregularities−Part 1: General 

specification 

IEC 62317-1:2007,Ferrite cores−Dimensions−Part 1: General specification(全体評価:MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規定の一部を構成する。これらの引用規

格は記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS C 2560-1:2014 フェライト磁心−第1部:通則 

注記 対応国際規格:IEC 60401-2:2009,Terms and nomenclature for cores made of magnetically soft 

ferrites−Part 2: Reference of dimensions,IEC 60401-3:2003,Terms and nomenclature for cores 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

made of magnetically soft ferrites−Part 3: Guidelines on the format of data appearing in 

manufacturers' catalogues of transformer and inductor cores,IEC 61332:2005,Soft ferrite material 

classification,IEC 61333:1996,Marking on U and E ferrite cores 

JIS C 2569:1998 リング形フェライト磁心 

注記 対応国際規格:IEC 61604:1997,Dimensions of uncoated ring cores of magnetic oxides 

用語及び定義 

主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

形状に関する用語 

形状は,一般に,3.1.1〜3.1.4に分類する。 

3.1.1 

外形(profile) 

形状の輪郭を構成する線又は表面で,通常,平面上に描くことができる側面。 

3.1.2 

エッジ(edge) 

急に斜面が切り替わる二つの隣り合う平面(内側又は外側)間の線。 

3.1.3 

コーナー(corner) 

三つ以上の平面(内側又は外側)が接する点。 

3.1.4 

壁(wall) 

垂直な内側又は外側の表面,上面及び底面,背面及び前面など二つの端部の間から生じる側面。 

3.2 

磁心部及び表面の位置並びに機能に関する用語 

磁心部及び表面の位置並びに機能に関する用語は,一般に,3.2.1〜3.2.10に分類する。 

3.2.1 

接合面(mating surface) 

磁心を二つ組み合わせた場合の合せ面。 

注記 接合面は,磁心によって導かれる主な磁束(漏れ磁束を除く。)が横切る表面で,通常,磁心ど

うしの接合面に生じる空隙の発生を低減するために研磨する。接合面の凹凸は,磁気回路全体

の特性に及ぼす主要因となる。 

3.2.2 

中脚(centre post) 

巻線によって発生する全磁束が通過する磁心の中心部。 

注記 中脚は,磁心における最も重要な部位であり,一般に円形(センターポールともいう。),又は

四角形(センターレッグともいう。)である。 

3.2.3 

外脚(outer leg) 

磁心の中心部である中脚を取り囲む外側の壁(例えば,ポット形磁心)又は外側の脚(例えば,E形磁

心)。 

注記 主な機能は,中脚の磁束を誘導して閉磁路を形成することにある。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.2.4 

底面及び底板面(back wall and back surface) 

中脚と外脚とをつなぐ面及び板面。 

注記 底板は,外脚と同様の磁気的機能をもっている。底板には,線材スロット部及び線材引出し部

を含む場合があり,巻線又は絶縁の要求によって形及び寸法を選定できる。底板は磁心の固定

に用いる。底板面は,接合面が平行で平滑になるように研磨する場合の基準面になる。 

3.2.5 

研磨面(ground surface) 

研磨によって平滑化加工を施した面。 

3.2.6 

非研磨面(un-ground surface) 

いかなる平滑化加工も施していない面。 

3.2.7 

磁気的不活性な表面(magnetically passive surface) 

磁気的に活性な(磁気的な励起が強い)面以外の面。例えば,壁及び底面がこの面に相当する。 

注記 磁気的不活性な表面の異常(欠陥)も磁心の特性に悪い影響を及ぼすことがある。 

3.2.8 

リード線用開口部(wire-slot area) 

外脚側面部に設けた開口部。 

3.2.9 

リード線引出し部(wire-way area) 

底板表面に位置するリード線引出し用の溝。 

3.2.10 

留め具用溝部(clamping recess area) 

底板に設けた留め金具を取り付けるための溝。 

3.3 

外形及び外観の異常に関する用語 

外形及び外観の異常は,3.3.1〜3.3.3に分類する。 

3.3.1 

表面の異常(surface irregularities) 

表面,エッジ及びコーナー部の意図しない状態又は外観。 

注記1 表面の異常が大きすぎる場合,部品の輪郭及び表面を変形させてしまうことがある。この場

合は,形状の異常に分類する。 

注記2 標準化された磁心シリーズのそれぞれの仕様書は,磁心各部分及び全ての表面上の異常につ

いて,その限度基準を明記する必要がある。限度基準は,磁心の寸法に応じて異常の種別に

数値を図表によって確認することができる。 

3.3.1.1 

欠け(chip) 

取扱い又は研磨する場合,物理的衝撃によって引き起こされた表面部分の欠落。 

注記1 欠けは,発生部位によって,3.3.1.1.1〜3.3.1.1.5に分類する。ほとんどの場合,欠けは表面の

エッジ部に発生している。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記2 欠けは,面積の基準(表3参照)と比較することで簡単に検査できる。 

3.3.1.1.1 

表面の欠け(surface chip) 

磁心表面にある欠け。 

3.3.1.1.2 

エッジ部の欠け(edge chip) 

磁心エッジ部の欠け。 

  

3.3.1.1.3 

コーナーの欠け(corner chip) 

磁心のコーナーにある欠け。 

3.3.1.1.4 

表面剝離(pull-out) 

磁心表面層の剝離。 

注記1 深さが1 mm以上ある表面剝離は,欠けである。 

注記2 表面剝れは,成形時に金型が磁心表面から離れる場合,金型表面に磁心表面層が吸着する結

果発生する。 

3.3.1.1.5 

穴(crater) 

深さが直径と同程度,又は大きい凹み。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.3.1.2 

隆起物[protruding (convex) irregularities] 

隆起状(凸状)の異常。隆起物は,その外観によって,3.3.1.2.1〜3.3.1.2.3に分類する。 

3.3.1.2.1 

こぶ(hump) 

表面の丸い輪郭の突起物。 

3.3.1.2.2 

付着欠片(attached particles) 

圧縮空気,クリーニング,洗浄,拭取りなどによって取り除くことができない磁心表面に付着した欠片。 

3.3.1.2.3 

付着異物(inclusions) 

ミリメートル又はサブミリメートル単位で磁心表面に付いたもの。 

3.3.1.3 

磁心端部の異常(edge irregularities) 

磁心端部に見られる異常。磁心端部の異常は,その外観によって,3.3.1.3.1及び3.3.1.3.2に分類する。 

3.3.1.3.1 

エッジ荒れ(ragged edge) 

連続した小さな欠けによって荒れた磁心端部。 

注記1 エッジ荒れは,小さな欠けが連続したもので,その幅が1 mmよりも小さい場合である。 

注記2 エッジ荒れは,長さの基準(表3参照)と比較することで簡単に検査できる。 

3.3.1.3.2 

ばり(flash) 

磁心端部に発生した鋭い羽根状の突起物。 

注記 ばりの限度は,一般に,規定しないが,許容しない場所を指定する必要がある。 

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3.3.1.4 

クラックによる異常(crack irregularities) 

幅が長さに比べて極めて小さな表面の異常で,磁心の内部に達しているもの。クラックは,その長さ,

幅及び位置によって,3.3.1.4.1〜3.3.1.4.7に分類する。 

注記 クラックの長さは,実際に目で見える推定の長さであり,その限度は磁心の厚さとの比で規定

される。 

3.3.1.4.1 

単一表面上の幅の狭いクラック(single-surface narrow crack) 

単一表面上だけに発生し,その面の辺を超えないもので,磁心表面上に現れたクラックのどの部分でも,

幅は,磁心個別規格で指定する限度(例えば,0.1 mm)を超えないもの。 

3.3.1.4.2 

単一表面上の幅の広いクラック(single-surface broad crack) 

単一表面上だけに発生し,その面の辺を超えないもので,磁心表面上に現れたクラックのどの部分でも,

幅は,狭いクラックとして指定する限度(例えば,0.1 mm)と等しい,又は超えるもの。 

3.3.1.4.3 

二面にまたがる幅の狭いクラック(edge narrow crack) 

隣接する二つの表面上に位置し,これら二つの面にまたがるもので,クラックの幅は,磁心個別規格で

指定する限度(例えば,0.1 mm)を超えないもの。 

3.3.1.4.4 

二面にまたがる幅の広いクラック(edge broad crack) 

隣接する二つの表面上に位置し,これら二つの面にまたがるもので,クラックの幅が,磁心個別規格で

指定する幅の狭いクラックとして指定する限度(例えば,0.1 mm)と等しい,又は超えるもの。 

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3.3.1.4.5 

脚の付け根部のクラック(inner channel crack) 

磁心の脚の付け根部に沿うひび割れ。 

3.3.1.4.6 

層状クラック(ラミネーションクラック)(stratification) 

磁心の外周に発生した層状のひび割れ。 

注記 層状クラックは,通常,磁心のプレス方向を横断するように発生する。 

3.3.1.4.7 

格子状クラック(crazing) 

磁心の表面に発生した格子状のひび割れ。 

3.3.1.5 

色の異常(color irregularities) 

磁心表面に見ることができる部分的な色の異常及び汚れ。色の異常は,その外観によって,3.3.1.5.1〜

3.3.1.5.5に分類する。 

3.3.1.5.1 

色濃度の違い(difference in color tones) 

磁心表面で周囲の通常色に対して局部的に色調が変化している,又は濃淡の差がある領域。 

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3.3.1.5.2 

変色(discoloration) 

磁心表面で周囲の通常色と明らかに色調の異なる領域。 

3.3.1.5.3 

汚れ(stein) 

油,グリスなどの付着又は表面に沈着したもの(例えば,油膜又は水滴跡)。 

3.3.1.5.4 

析出結晶(crystallites) 

表面における周辺部と異なる異常な大きさの結晶。光沢を伴うものが多い。 

3.3.1.5.5 

分割面の酸化(oxidation of split surface) 

分離,破断などによって分割した面の表面が酸化している領域。 

3.3.1.6 

加工に関係する異常(machining related irregularities) 

研磨などの加工後に発生した表面の異常。加工に関係する異常は,その外観によって,3.3.1.6.1及び

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3.3.1.6.2に分類する。 

3.3.1.6.1 

面荒れ(roughness) 

研磨後に生じた凹凸のある平たん(坦)でない表面。 

3.3.1.6.2 

研磨残り(short-ground surface) 

故意に残したのではない未研磨部分で,研磨後の表面に残る段状になっていないもの。 

3.3.2 

バルク(内部)の異常(bulk irregularities) 

部品内部の意図しない不均一な状態。バルク(内部)の異常は,3.3.2.1〜3.3.2.4に分類する。 

3.3.2.1 

巨大空孔(super pores) 

磁心内部のミリメートル単位の空孔。 

3.3.2.2 

異物(inclusions) 

磁心内部に存在するミリメートル又はサブミリメートル単位の本来の材質と異なったもの。 

3.3.2.3 

内部層状クラック(internal stratification) 

磁心内部に層状に存在する不連続なひび割れで,磁心の表面に現れていないもの。 

注記 通常,幅は狭いが,広い範囲に広がっていることもある。 

3.3.2.4 

内部クラック(internal crack) 

磁心内部に不連続な部分を形成するひび割れで,磁心の表面に現れていないもの。 

注記 通常,幅は狭いが,長く延びていることがある。 

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3.3.3 

形状の異常 

表面で形成する部品の形状において外形の故意でない変形をいう。形状の異常は,3.3.3.1〜3.3.3.4に分

類する。 

3.3.3.1 

非平たん(坦)な異常 

非平たん(坦)な異常は,3.3.3.1.1〜3.3.3.1.4に分類する。 

3.3.3.1.1 

凸状非平たん(坦)(convexity) 

外側に弧状に曲がった輪郭又は面。 

3.3.3.1.2 

凹状非平たん(坦)(concavity) 

内側に弧状に曲がった輪郭又は面。 

3.3.3.1.3 

ねじれ(warping) 

ねじれた輪郭又は面。 

3.3.3.1.4 

曲がり(bending) 

意図しない方向に傾斜している状態。曲がりは,外観によって,3.3.3.1.4.1〜3.3.3.1.4.3に分類する。 

3.3.3.1.4.1 

外向きの曲がり(deflection-out) 

垂線又は他の意図する方向から外側に傾斜している状態。 

注記 外向きの曲がりは,“脚の開き”ともいう。 

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3.3.3.1.4.2 

内向きの曲がり(deflection-in) 

垂線又は他の意図する方向から内側に傾斜している状態。 

注記 内向きの曲がりは,“脚の閉じ”ともいう。 

3.3.3.1.4.3 

横向きの曲がり(transverse deflection) 

基準面から傾斜又は横方向にねじれている状態。 

3.3.3.1.5 

うねり(undulation) 

輪郭又は面の凹凸状の曲がり。 

3.3.3.2 

単純な形状の異常 

単純な形状の異常は,外観によって,3.3.3.2.1〜3.3.3.2.6に分類する。 

3.3.3.2.1 

非平行(non-parallelism) 

二つ又はそれ以上の平行である線,面又は表面が,平行からずれている状態で,等距離であるところが

等距離でないものを含む。 

3.3.3.2.2 

非垂直(non-perpendicularity) 

直角である角度からずれている状態。 

3.3.3.2.3 

非同一平面(non-coplanarity) 

同一平面である面からずれている状態。 

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3.3.3.2.4 

非真円(non-circularity) 

真円からずれている状態。 

3.3.3.2.5 

だ(楕)円形(ovality) 

真円からだ(楕)円又は卵形へ変形している状態。 

3.3.3.2.6 

非同心円(non-concentricity) 

共通の中心をもつ円,円弧又は扇形の中心がずれている状態。非同心円は,外観によって,3.3.3.2.6.1

及び3.3.3.2.6.2に分類する。 

3.3.3.2.6.1 

同一平面上の非同心円(non-concentricity of co-planar circles) 

同一平面上にある円,円弧又は扇形の中心がずれている状態。 

注記 この場合,円の中心線は平行である。 

3.3.3.2.6.2 

二つの平面上にある非同心円(non-concentricity of circle lying on two planes) 

上下にある二つの平面上にある円,円弧又は扇形の中心がずれている状態。 

注記 図の平面AとBとは平行でなくてもよい。この場合,円の中心線は互いにねじれている。 

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3.3.3.3 

研磨に関係する異常 

研磨に関する異常は,3.3.3.3.1及び3.3.3.3.2に分類する。 

3.3.3.3.1 

段付き研磨面(step-like ground surfaces) 

段差が残らないように研磨するところに部分的に残る段差。 

3.3.3.3.2 

斜め研磨(uneven grinding slants) 

斜めに研磨され,同一平面で構成していない表面。 

3.3.3.4 

その他の形状異常 

その他の異常は,外観によって,3.3.3.4.1及び3.3.3.4.2に分類する。 

3.3.3.4.1 

不整合(un-matching) 

接合若しくは対となる部品における表面,又は寸法等の不完全な組合せ。 

3.3.3.4.2 

外形の変形(profile deformation) 

意図した形状からの変形。 

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寸法 

4.1 

一般事項 

寸法を規定する場合に用いる用語は,3.1で定義する形状並びに3.2で定義する磁心部及び表面の位置並

びに機能に関する用語を用いる。 

磁心の寸法記号は,JIS C 2560-1及びJIS C 2569の規定によって,リング形磁心を4.2に,リング形以

外の磁心を4.3に示す。 

注記 この規格で記載がない箇所の用語及び寸法記号は,製造業者などによって随時決めてもよい。 

4.2 

リング形磁心の寸法記号 

リング形磁心に用いる寸法記号は,表1及び図1による。 

表1−リング形磁心の寸法記号 

寸法記号 

説明 

リング形磁心の外径 

リング形磁心の内径 

リング形磁心の高さ 

図1−リング形磁心の寸法記号 

4.3 

リング形磁心以外の磁心の寸法記号 

リング形磁心以外の磁心に用いる寸法記号は,表2から選定する。リング形磁心以外の代表的な磁心形

状の寸法記号の付与例を,図2〜図19に示す。 

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15 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−リング形磁心以外の磁心の寸法記号 

寸法記号 

説明 

記号の記載がある図番号 

磁心の底板の全長又は外形最大寸法 

図2〜図19 

外脚の長さ又は磁心高さ 

図2〜図19 

磁心の幅又はリード線用開口部の磁心の幅 

図2〜図9,図11〜図18 

巻線収納部の長さ 

図2〜図7,図9〜図17 

窓部の幅又は巻線収納部の幅 

図2〜図7,図9,図11〜図19 

中脚部の外径又は厚さ 

図2〜図7,図9〜図15 

リード線用開口部 

図7,図12〜図15 

磁心に設けられた穴の直径 

図10,図13〜図15,図18,図19 

RM形磁心の磁心底板の平行幅及びPQ形磁心
の中脚付近にある底板のテーパ部の間隔 

図12,図15 

EP形磁心の中脚の中心と接合面との間隔 

図11 

PQ形磁心の磁心底板の外脚から中脚に向かう
テーパ部の中脚側の幅 

図12 

外脚の留め具用溝幅 

図4,図17 

外脚の留め具用溝の間隔 

図4,図17 

図2−E形磁心 

図3−ETD形又はEER形磁心 

図4−EC形磁心 

図5−低背E形磁心 

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16 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図6−低背EL形磁心 

図7−低背ER形磁心 

図8−低背磁心用プレート形磁心 

図9−EFD形磁心 

図10−ドラム形磁心 

図11−EP形磁心 

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17 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図12−PQ形磁心 

図13−ポット形磁心 

図14−PM形磁心 

図15−RM形磁心 

図16−U形磁心 

図17−UR形磁心 

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18 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図18−バラン形磁心 

図19−マルチホール形磁心 

外観異常 

5.1 

一般事項 

外観異常に用いる用語には,3.3.1及び3.3.3の用語を用いる。 

なお,バルク(内部)の異常に用いる用語には,3.3.2を用いることになる。 

5.2 

用語の表現例 

磁心部及び表面の用語として,E形磁心の位置の用語例を図20に,RM形磁心の位置の用語例を図21

に示す。 

注記 中脚断面が円形である場合に,“センターポール”という用語も用いている。 

図20−E形磁心における位置の用語の例 

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19 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図21−RM形磁心における位置の用語の例 

RM形磁心における種々の表面の異常の用語例を,図22に示す。 

図22−RM形磁心における表面の異常の用語例 

目視検査における面積及び長さの基準 

JIS C 2560-3規格群に規定する目視検査によって面積及び長さを求める場合の基準は,表3から選定す

る。 

欠け,クラック,剝れなどの表面の異常の面積及び寸法は,表3に示す五つの幾何学的形状(A〜E)に

単純化できる。 

表3の基準は,磁心コア製造業者の出荷検査及び/又は磁心コアの使用者の受入検査において,それぞ

れの検査者の判断基準として用いることができる。これらは,画像処理などの目視検査以外でも用いるこ

とができる。 

注記1 面積及び長さの最小単位は,それぞれ0.5 mm2及び1 mmである。 

注記2 推奨の分解能は,次の値になる。 

20 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

面積 

− 0.5 mm2(5 mm2以下) 

− 1 mm2(5 mm2を超え,10 mm2以下) 

− 2.5 mm2(10 mm2を超え,20 mm2以下) 

− 5 mm2(20 mm2を超え,50 mm2以下) 

長さ 

− 1 mm(1 mmを超え,5 mm以下) 

− 2.5 mm(5 mmを超え,10 mm以下) 

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21 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3−目視検査における面積及び長さの基準 

寸法: 1:1

1 mm

2 mm

3 mm

4 mm

5 mm

7.5 mm

10 mm 

 面積

0.5 mm2

1.0 mm2

1.5 mm2

2.0 mm2

2.5 mm2

3.0 mm2

3.5 mm2

4.0 mm2

4.5 mm2

5.0 mm2

6.0 mm2

7.0 mm2

8.0 mm2

9.0 mm2

10.0 mm2

面積

A

B

C

D

E

A

B

C

D

E

12.5 mm2

15.0 mm2

17.5 mm2

20.0 mm2

25.0 mm2

30.0 mm2

35.0 mm2

40.0 mm2

45.0 mm2

50.0 mm2

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22 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 2560-3:2016 フェライト磁心−第3部:寸法及び外観異常 

IEC 60401-1:2002,Terms and nomenclature for cores made of magnetically soft ferrites−Part 1: 
Terms used for physical irregularities 
IEC 60401-2:2009,Terms and nomenclature for cores made of magnetically soft ferrites−Part 2: 
Reference of dimensions 
IEC 60424-1: 2015,Ferrite cores−Guidelines on the limits of surface irregularities−Part 1: 
General specification 
IEC 62317-1:2007,Ferrite cores−Dimensions−Part 1: General specification 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 適用範囲 

IEC 60401-1 
IEC 60401-2 
IEC 60424-1 
IEC 62317-1 

適用範囲 

一致 

技術的差異はない。 

使用者の利便性のため4件のIEC規
格の内容を統合して一つのJISとし
た。 

3 用語及び
定義 

3.1 形状に関する用
語の定義 

IEC 60401-1 

7.1,
7.2 

磁心の表面と形状に関する用
語 

一致 

技術的差異はない。 

磁心の表面及び形状に関する表現例
を,用語の定義の3.1に移動してまと
めた。 

3.2 磁心部及び表面
の位置並びに機能
に関する用語の定
義 

IEC 60401-1 

7.1 

磁心の位置と場所に関する用
語の定義 

一致 

技術的差異はない。 

磁心部及び表面の位置並びに機能の
表現例に関する三つのIEC規格の内
容を用語の定義の3.2に移動してまと
めた。 

IEC 60424-1 

磁心の位置と機能に関する用
語の定義 

一致 

技術的差異はない。 

IEC 62317-1 

磁心の位置,表面及び機能に
関する用語の定義 

一致 

技術的差異はない。 

3.3 外形及び外観の
異常に関する用語 

IEC 60401-1 

4,5,

表面,形状,バルク,寸法(公
差)のそれぞれの異常に関す
る用語の定義 

一致 

技術的差異はない。 

外形及び外観の異常に関する表現例
に関する二つのIEC規格の内容を,
用語の定義の3.3に移動してまとめ
た。 

IEC 60424-1 

3,7 

2

2

C

 2

5

6

0

-3

2

0

1

6

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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23 

C 2560-3:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差
異の箇条ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 寸法 

4.2 リング形磁心の
寸法記号 

IEC 60401-2 

リング形磁心図面(図1,表1) 一致 

技術的差異はない。 

リング形磁心の寸法記号に関する二
つのIEC規格の内容を統合して折り
込んだ。 

IEC 62317-1 

表1 

4.3 リング形磁心以
外の磁心の寸法記
号 

IEC 60401-2 

・リング形磁心以外の磁心図
面(図2〜図19,表2) 

一致 

技術的差異はない。 

リング形磁心以外の寸法記号に関す
る二つのIEC規格の内容を統合して
折り込んだ。 

IEC 62317-1 

・表2 

5 外観異常 5.2 用語の表現例 

IEC 60401-1 

7.4 

例1−E形磁心 
例3−RM形磁心 

一致 

技術的差異はない。 

用語の表現例に関する二つのIEC規
格の内容を統合して折り込んだ。 

IEC 60424-1 

図1−表面の異常の例 

IEC 60401-1 

7.4 

例2−偏向ヨーク形磁心 

削除 

偏向ヨーク形磁心の関
連事項を削除した。 

偏向ヨーク形磁心は,現在製造販売さ
れていないため削除した。 

6 目視検査
における面
積及び長さ
の基準 

面積及び長さの基
準の図 

IEC 60424-1 

目視検査における面積及び長
さの基準の参照(表1) 

一致 

技術的差異はない。 

目視検査における面積と長さの基準
の必要性があり,表1の紹介文を意訳
した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(IEC 60401-1:2002,IEC 60401-2:2009,IEC 60424-1:2015,IEC 62317-1:2007,MOD) 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

3

C

 2

5

6

0

-3

2

0

1

6

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。