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C 2557:2014 (IEC 60404-1-1:2004) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 電磁鋼帯の絶縁皮膜の記号及びその特性 ··············································································· 2 

C 2557:2014 (IEC 60404-1-1:2004) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電機工業会(JEMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 2557:2014 

(IEC 60404-1-1:2004) 

電磁鋼帯の絶縁皮膜の分類 

Classification-Surface insulations of electrical steel sheet, strip and 

laminations 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたIEC 60404-1-1を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

適用範囲 

この規格は,方向性及び無方向性電磁鋼帯(以下,鋼帯という。)の表面に施される絶縁皮膜について,

その成分,絶縁性能及び機能に従った分類について規定する。 

これらの絶縁皮膜は,酸化皮膜又は塗布皮膜のいずれかとする。 

この規格は,各種の絶縁皮膜の記号を付与し,鋼帯の使用者へ絶縁皮膜の化学的性質及び使用方法につ

いての一般的な情報を提供することを目的とする。 

この規格は,表面絶縁抵抗値を規定することによって絶縁特性を要求するものではない。絶縁特性の要

求は,受渡当事者間の協定による。 

この規格は,各種の鋼帯に関する規格(箇条2参照)と併せて使用する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60404-1-1:2004,Magnetic materials−Part 1-1: Classification−Surface insulations of electrical 

steel sheet, strip and laminations(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 2550-4 電磁鋼帯試験方法−第4部:表面絶縁抵抗の測定方法 

注記 対応国際規格:IEC 60404-11,Magnetic materials−Part 11: Method of test for the determination of 

surface insulation resistance of magnetic sheet and strip(MOD) 

JIS C 2552 無方向性電磁鋼帯 

注記 対応国際規格:IEC 60404-8-4,Magnetic materials−Part 8-4: Specifications for individual 

materials−Cold-rolled non-oriented electrical steel strip and sheet delivered in the fully-processed 

state(MOD) 

JIS C 2553 方向性電磁鋼帯 

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C 2557:2014 (IEC 60404-1-1:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 対応国際規格:IEC 60404-8-7,Magnetic materials−Part 8-7: Specifications for individual 

materials−Cold-rolled grain-oriented electrical steel strip and sheet delivered in the fully-processed 

state(MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 2550-4,JIS C 2552及びJIS C 2553による。 

電磁鋼帯の絶縁皮膜の記号及びその特性 

表1に鋼帯の絶縁皮膜の記号及びその特性を示す。 

表1−電磁鋼帯の絶縁皮膜の記号及びその特性 

記号 

特性 

EC-0 

鋼帯の製造中に鋼帯表面に自然に形成される酸化皮膜。 
この皮膜は,薄く強い密着性を示し,種々の小形鉄心用に対しては十分な表面絶縁抵抗を示
す。 
この皮膜は,通常の応力除去焼なましの温度に耐える。 
打抜き加工後に使用者が焼なましを行う場合,この皮膜の表面絶縁抵抗は,焼なましの酸化
ポテンシャルの影響を受けることがある。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗を規定しない。 

EC-1 

打抜き加工後の酸化雰囲気での熱処理によって,鋼帯の表面に生成される酸化皮膜。 
この皮膜は,通常は青みを帯びた色から灰色である。 
この皮膜は,主としてセミプロセスの鋼帯に適用される。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗を規定しない。 

EC-2 

けい酸マグネシウムを主成分とする無機質の皮膜。 
この皮膜は,方向性電磁鋼帯の高温焼なまし中に焼なまし分離材と鋼帯表面との反応によっ
て生成する。 
この皮膜は,ガラスではないが,多くの場合“ガラス皮膜”又は“グラス”と称される。 
この皮膜は,非常に硬く,この皮膜だけの鋼帯は,通常は打抜き加工には適さない。 
この皮膜は,主として巻鉄心変圧器向けの鋼帯に適用される。 
この皮膜は,通常の応力除去焼なましの温度に耐える。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗を規定しない。 

EC-3 

鋼帯表面に塗布された有機質のワニス皮膜又はエナメル皮膜。 
この皮膜は,フルプロセスの無方向性電磁鋼帯に使用されることが多い。 
この皮膜を用いると,一般的に鋼帯の打抜き加工性b)が改善されるので,打抜き加工用の鋼
帯に適している。 
この皮膜は,溶接性b)に劣り,また,通常の応力除去焼なましの温度には耐えない。この皮
膜は,通常は約180 ℃までの使用温度に適している。この皮膜を塗布した鋼帯の溶接中又
は高温での暴露の際に,皮膜からガスが発生する。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗を規定してもよいa)。 

EC-4 

鋼帯の切断処理後に,鋼帯表面にりん酸塩処理又はその他の化学処理を施し,高温で焼き付
けた皮膜。 
この皮膜は,ある程度の表面絶縁抵抗を必要とする用途に使用される。 
この皮膜は,通常の応力除去焼なましの温度に耐えるが,表面絶縁抵抗が低下することがあ
る。この皮膜に関しては,応力除去焼なまし前だけ表面絶縁抵抗を規定してもよいa)。 

EC-4-AS 

主として鋼帯の熱処理中における焼付きを防止するために用いられる薄いEC-4。 
この皮膜は,多くの場合“焼付き防止形”と称される。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗は規定しない。また,皮膜厚さb)も規定しない。 

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C 2557:2014 (IEC 60404-1-1:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−電磁鋼帯の絶縁皮膜の記号及びその特性(続き) 

記号 

特性 

EC-5 

皮膜の表面絶縁品質を向上させるため,セラミックス充塡材及び/又は膜形成無機質成分を
添加した,EC-4に類似した無機質皮膜又は無機質主体の皮膜。 
この皮膜は,次の4種類の皮膜から構成される。 
EC-5-G,EC-5-N,EC-5-P及びEC-5-AS。 

EC-5-G 

方向性電磁鋼帯に特有のEC-5。 
この皮膜は,通常,りん酸塩又はけい酸塩基である。この皮膜は,表面絶縁抵抗を向上させ
る要求のある場合に,EC-2の上に塗布される。 
この皮膜は,845 ℃までの応力除去焼なまし温度に耐える。 
場合によっては,EC-2なしの方向性電磁鋼帯に,EC-5-Gが塗布されるが,その場合には表
面絶縁抵抗が低下することがある。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗を規定してもよいa)。 

EC-5-N 

無方向性電磁鋼帯に特有のEC-5。 
この皮膜は,通常の応力除去焼なまし温度に耐えられるが,表面絶縁抵抗が低下することが
ある。 
この皮膜は,300 ℃から550 ℃までの温度処理に耐える。この皮膜を塗布した鋼帯の溶接
中又は高温での暴露の際に,皮膜が分解又は皮膜からガスが発生する。 
この皮膜に関しては,応力除去焼なましの前だけ表面絶縁抵抗を規定してもよいa)。 

EC-5-P 

打抜き加工性b)を強化するために有機質成分を添加したEC-5。 
EC-5に比べセラミックス充塡材を減量又は用いない場合がある。 
この皮膜の用途及び性質は,EC-5-G及びEC-5-Nと類似している。方向性電磁鋼帯に対し
て,EC-2なしで打抜き加工性b)をもたせるために使用される。この皮膜は,通常,EC-5-G
によって達成できる高い表面絶縁抵抗が期待できない。 
この皮膜を塗布した鋼帯の溶接中又は高温での暴露の際に,皮膜が分解又は皮膜からガスが
発生する。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗を規定してもよいa)。 

EC-5-AS 

主として鋼帯の熱処理中における焼付きを防止するために用いられる薄いEC-5-N又は
EC-5-P。 
この皮膜は,多くの場合“焼付き防止形”と称される。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗は規定しない。また,皮膜厚さb)も規定しない。 

EC-6 

皮膜の表面絶縁品質を向上させるため無機充塡材を添加した有機質皮膜。 
この皮膜は,通常はフルプロセスの無方向性電磁鋼帯,特に発電所の発電機などの大径の回
転機に使用される。 
この皮膜を用いることによって,鋼帯の打抜き加工性b)が一般的に改善されるため,打抜き
加工用の鋼帯に適している。 
この皮膜は,300 ℃から550 ℃までの温度範囲に耐えるが,通常の応力除去焼なましの温
度に耐えない。 
この皮膜を塗布した鋼帯の溶接中又は高温での暴露の際に,皮膜が分解又は皮膜からガスが
発生する。 
この皮膜に関しては,表面絶縁抵抗を規定してもよいa)。 

注a) 表面絶縁抵抗は,JIS C 2550-4に従って測定することが望ましい。表面絶縁抵抗に関する要求項目は,受渡当事

者間で協定してもよい。 

b) この性質に関する要求事項及び対応する評価方法は,受渡当事者間で協定してもよい。