1
C
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:
1
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9
9
解
説
解説表2 JISと対応する国際規格との対比表
JIS C 2531 : 1999 鉄ニッケル軟質磁性材料
IEC 60404-8-6 改正案:68/157/CDV(軟質磁性材料):1996
IEC 60404-6 (等方性鉄ニッケル軟質磁性材料,種類E1,E3及びE4の測定方法):1986
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
1. 適用範囲
○
合金成分:鉄ニッケル磁性
合金
形状:棒,ロッド,線,板
及び条
用途:電子機器磁心,磁気
遮へい部品など
IEC 60404-8-6
(改)
○
合金成分:軟鉄,けい素鋼,鉄
ニッケル,鉄コバルト合金
形状:棒,ビレット,薄板,条
及び線
=
JISは,鉄ニッケル磁性合
金だけに適用。
軟鉄,けい素鋼はJIS C
2503,2504,2552,2553で規
定。
鉄コバルト合金の該当JIS
はなし。
それぞれのJISで整合を
はかる。
2. 定義
○
20の用語を定義。
IEC 60404-8-6
(改)
○
IEC 60050 (121),60050 (131),
60050 (221),60050 (901) で定義
された関連する磁気特性,電気磁
気回路用語及び定義した13用語
を適用。
=
IECにインダクタンス比
透磁率の定義なし。
インダクタンス比透磁率
をIECに提案(ʼ97年1月)。
3. 種類
○
化学成分,磁気特性によっ
て分類
PB
41〜51%Ni
PC
70〜85%Ni
PD
35〜40%Ni
PE
41〜51%Ni
PF
54〜68%Ni
ヒステリシスループの形
状と交流透磁率によって更
に磁気等級を規定。
IEC 60404-8-6
(改)
○
成分によって種類を規定。
鉄ニッケル合金→E
E1
72〜83%Ni
E2
54〜68%Ni
E3
45〜50%Ni
E4
35〜40%Ni
ヒステリシスループの形状と
交流透磁率によって更に磁気等
級を規定。
ADP
種類記号が異なる。
対応する種類のNi含有量
が異なる (PB,PC,PE)。
JISにIEC種類を併記。
E1:70〜85%Ni.
E3:41〜51%Ni
への変更をIECに提案
(ʼ97年1月)。
4. 品質
○
○
4.1 外観
○
仕上げ良好・均一で,使用
上有害なきず,クラック,そ
の他欠陥がない。
IEC 60404-8-6
(改)
○
薄板及び条の表面は均一,清浄
で油汚れ,さびがない。
使用上有害でないきず,膨れは
厚さ許容差内であれば許容され
る。
=
文章の言い回しの差
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C
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:
1
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解
説
解説表2 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
4.2 磁気特性
○
a)直流磁気特性,b)交流磁
気特性のいずれかによる。
IEC 60404-8-6
(改)
○
厚さ0.4mm以下の薄板,条は
交流試験によって評価する。厚さ
0.4mmを超える材料は直流試験
によって評価する。
経時変化の熱処理は100±5℃
×100h(要求された場合だけ)。
ADP
JISでは,直流,交流特性
のいずれかであるが,IECで
は厚さにより直流(0.4mmを
超える),交流(0.4mm以下)
試験を適用。
IECに規格の追加,規格値
の変更を提案(ʼ97年11月)。
a) 直流磁気特
性
○
種類,磁気等級,板厚ごと
に初透磁率の最小値,保磁力
の最大値,磁束密度の最小値
(20,50,100,500,800,
4 000A/m) を規定。初透磁
率の測定点がPC→0.4A/m,
PB・PD→0.8A/m。
PB,PC,PDの経時変化を
規定(要求された場合だけ)。
IEC 60404-8-6
(改)
○
種類,磁気等級,板厚(0.4mm
以上)ごとに初透磁率の最小値,
保磁力の最大値,磁束密度の最小
値 (20,50,100,500,4 000A/m)
を規定。透磁率の測定点がE11・
E31→0.4A/m,E41→1.6A/m。
PB,PC,PDの経時変化を規定
(要求された場合だけ)。
ADP
IECには,JIS PC-10相当
の規格,800A/mおける磁束
密度の最小値規格なし。
磁束密度の規格値が異な
る。
初透磁率の測定点がPB
(E31),PD (E41)で異なる。
IECに,JIS PC-10相当の
1規格,800A/mにおける磁
束
1密度の最小値規格追加
を提案(ʼ97年1月)。
初透磁率の測定点,磁束密
度の規格値変更を提案('97
年1月)。
b) 交流磁気特
性
○
インダクタンス透磁率
PB,PC,PDについて,磁
気等級,基準板厚,周波数ご
との最小値を規定。
IEC 60404-8-6
(改)
IEC 60404-6
−
規定なし。
−
IECに対応する規格なし。
IECにインダクタンス透
磁率の追加を提案(ʼ97年1
月)。
○
インピーダンス透磁率の
上昇率
PDについてδ0.4,δ8を規定。
測定磁界は実効値 (rmS)。
IEC 60404-8-6
(改)
○
透磁率の上昇率
E41δ0.4,δ8を規定。
ADP
JISは測定磁界が実効値
(rms) に対し,IECはピーク
値。
IECに実効値 (rms) への
変更を提案(ʼ97年1月)。
○
インピーダンス透磁率
PB,PC,PDについて,磁
気等級,.基準板厚,試験片,
周波数ごとの最小値を規定。
IEC 60404-8-6
(改)
○
厚さ0.05〜0.38mmの薄板,条
について,種類,磁気等級,板厚
区分,試験片ごとに,50又≡は
60Hzでの交流透磁率を規定(測
定磁界はピーク値)。
ADP
IECには,PC-10相当の規
格なし。
IECは,磁界をピーク値で
規定(JISはrms)。
IECに,E11-10 (PC-10に
相当)規格の追加,測定磁界
の実効値への変更を提案
(ʼ97年1月)。
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解
説
解説表2 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
5. 寸法,形状及
び許容差
○
○
5.1 板及び条の
厚さの許容差
○
冷間圧延薄板及び条につ
いて厚さ (0.05≦t=2.5),幅
(50<) 区分ごとに許容差を
規定。
IEC 60404-8-6
(改)
○
冷間圧延薄板及び条について
厚さ (0.05≦t<2.5),幅 (50<) 区
分ごとに許容差を規定。
≠ 規格値が異なる。
IECにJIS規格値への変
更を提案(ʼ97年1月)。
5.2 幅の許容差 ○
板及び条について,圧延上
がり品,スリツター切断品別
に,厚さ(圧延品0.30≦t<
6.0,エッジ切断品0.10≦t<
6.0),幅 (<1 200) 区分ごと
に許容差を規定。
IEC 60404-8-6
(改)
○
圧延品,エッジ切断品別に,厚
さ(圧延品0.30≦t<6.0,エッジ
切断品0.10≦t<6.0),
幅 (<1 200) 区分ごとに許容差
を規定。
≠
規格値が異なる。
IECにJIS規格値への変
更を提案(ʼ97年1月)。
5.3 板及び条の
平たん度
○
受渡当事者間の協定によ
る。
IEC 60404-8-6
(改)
○
急しゅん度は2%を超えない。 ≠
JISには規格値なし。
IECにJIS内容への変更
を提案(ʼ97年1月)。
5.4 板及び条の
横曲がり
○
受渡当事者間の協定によ
る。
IEC 60404-8-6
(改)
○
加工(冷間,熱間),形状(厚
板,板及び条)別に,最大値を規
定。
≠
JISには規格値なし。
IECにJIS内容への変更
を提案(ʼ97年1月)。
5.5 冷間加工に
よる棒及び線の
寸法,形状及び許
容差
○
形状(線,捧)別に,外径
区分ごとの許容差を規定。
IEC 60404-8-6
(改)
○
形状(線,棒)別に,外径区分
ごとの許容差を規定。
≠
棒の許容差規格値が異な
る。
IECにJIS規格値への変
更を提案(ʼ97年1月)。
5.6 熱間加工に
よる棒の寸法,形
状及び許容差
○
受渡当事者間の協定によ
る。
IEC 60404-8-6
(改)
○
受渡当事者の合意による。
≡
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解
説
解説表2 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
6. 試験
○
○
6.1 試験場所の
温度
○
温度23±5℃
IEC 60404-6
○
温度23±5℃
≡
6.2 磁気試験
○
○
6.2.1 試験片
○
巻心形 (SW),環状積層
(LR),素材 (SR) リングの試
験片形状を規定。
試験片外径,外径/内径
比,高さ/内径比,内径/板
厚比を規定。
PC-10だけ10×6リングを
規定。
IEC 60404-8-6
(改)
IEC 60404-6
○
細長 (ES),環状積層 (LR),固
体 (SR),巻心形 (SW) リングを
規定。試験片外径,外径/内径比,
高さ/内径比,内径/板厚比を規
定。
≠
巻心形 (SW) 試験片の外
径/内径比,高さ/内径比の規
格値が異なる。
IECに10×6リング(PC-10
用)規定なし。
IECに,巻心形 (SW) 試
験片の外径/内径比・高さ/
内径比の規格値の変更,10
×6リング規定の追加を提
案(ʼ97年1月)。
6.2.2 磁界の強
さ
○
Hの算出式を規定(実効値
rms)。
IEC 60404-6
○
Hの算出式を規定。
=
6.2.3 直流磁気
特性試験
○
消磁後,弾道検流計又は電
子式自記磁束計で計る。
IEC 60404-4
IEC 60404-6
○
測定回路と方法を規定。
=
文章の言い回しの差
6.2.4 インダク
タンス透磁率試
験
○
消磁後,マックスウェルブ
リッジ又はLCRメータによ
りインダクタンスを測定し,
計算式によって算出する。
IEC 60404-8-6
(改)
IEC 60404-6
−
規定なし。
−
IECに相当する規定なし。
IECにインダクタンス透
磁率の追加を提案(ʼ97年1
月)。
6.2.5 インピー
ダンス透磁率試
験
○
測定回路を定義。消磁後,
一次電流,二次電圧を測定
し,計算式によって算出す
る。
IEC 60404-2
IEC 60404-6
○
測定回路及び振幅透磁率を定
義。消磁後,一次電流,二次電圧
を測定し,計算式により算出す
る。
≠
IEC振幅透磁率が相当。
IECは磁界をピーク値で
規定。
IECに,実効値 (rms) 磁
界への変更を提案(ʼ97年1
月)。
6.2.6 インピー
ダンス透磁率試
験の上昇率試験
○
50又は60Hzにおいて,測
定電流を増やしたときのイ
ンピーダンス透磁率の上昇
を測定し,算出する。
IEC 60404-8-6
(改)
○
50又は60Hzにおいて,測定電
流を増やしたときのインピーダ
ンス透磁率の上昇を測定し,算出
する。
≡
6.3 寸法試験
○
厚さ,幅及び径,平たん度,
横曲がり,直線性について測
定器具,方法を規定。
IEC 60404-9
IEC 60404-8-6
(改)
厚さ,幅及び径,平たん度,横
曲がり,直線性について測定器
具,方法を規定。
≡
5
C
2
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:
1
9
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解
説
解説表2 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
7. 検査
○
外観検査及び8.による4.
〜7.の規定に適合したものを
合格とする。
磁気試験の試験片は同一
溶解,同一厚さごとに1個と
る。
IEC 60404-8-6
(改)
○
要求された場合は,製造業者は
この規格に従い,製造,試験され
たことを証明する。検査成績書に
要求された試験結果を記載する。
=
文章の言い回しの差
8. 包装
○
運搬中に損傷を受けない
よう適切に行う。
IEC 60404-8-6
(改)
−
規定なし。
−
9. 製品の呼び
方
○
種類又は記号,厚さ,幅及
び長さによる。
IEC 60404-8-6
(改)
○
種類,ヒステリシスループの形
状,磁気等級によって記号で表
現。
=
文章の言い回しの差
10. 表示
○
表示する10項目を規定。 IEC 60404-8-6
(改)
−
客先の要求による。
=
言い回しの差(要求必至)
備考1. 対比項目(I)及び(III)の小欄で,“○”は該当する項目を規定している場合,“−”は規定していない場合を示す。
2. 対比項目(IV)の小欄の記号の意味は,次による。
“≡”:JISと国際規格との技術的内容は同等である。
“=”:JISと国際規格との技術的内容は同等である。ただし,軽微な技術上の差異がある。
“ADP”(ADOPTIONの略):JISは,国際規格と対応する部分を国際規格そのまま変更なしで採用している。ただし,採用した部分においてJISとして必
要な規定内容を追加し,又は適用範囲,規定項目及び/又は規定内容の一部を不採用としている。
“≠”:JISは,国際規格と技術的内容が同等でない。ただし“ADP”に該当する場合を除く。
“−”:該当項目がない場合。