C 2531 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS C 2531-1987は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格には,次の附属書がある。
附属書(参考) 密度及び体積抵抗率
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 2531 : 1999
鉄ニッケル軟質磁性材料
Nickel iron soft magnetic metallic materials
序文
この規格は,1986年に第1版として発行されたIEC 60404-8-6, Magnetic materials Part 8 :
Specifications for individual materials Section six−Soft magnetic metallic materials及び1986年に第1版として
発行されたIEC 60404-6, Magnetic materials Part 6 : Methods of measurement of the magnetic properties of
isotropic nickel-iron soft magnetic alloy E1, E3 and E4を元に,対応する部分(種類及び磁気等級,品質など)
については,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,従来,日本工業規格で規定
していた種類及び磁気等級並びにこれらの品質も併せて規定している。また,寸法許容差については,対
応国際規格に規定している規定内容を変更して規定した。
1. 適用範囲 この規格は,電子機器の各種磁心,磁気遮へい部品などに用いる鉄ニッケル磁性合金棒(以
下,棒という。),ロッド(以下,ロッドという。),線(以下,線という。),板(以下,板という。)及び条
(以下,条という。)について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 60404-8-6 : 1986 Magnetic materials Part 8 : Specifications for individual materials Section six−
Soft magnetic metallic materials
IEC 60404-6 : 1986 Magnetic materials Part 6 : Methods of measurement of the magnetic properties of
isotropic nickel-iron soft magnetic alloy E1, E3 and E4
参考 上記IEC規格番号は,1997年1月1日から実施のIEC規格新番号体系によるものである。こ
れより前に発行された規格については,規格票に記載された規格番号に60000を加えた番号に
切り替える。これは番号だけの切替えであり,内容は同一である。
2. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 絶対透磁率 (absolute permeability) 鉄ニッケル軟質磁性合金の磁化のしやすさを示す量。量記号はμ,
単位はヘンリー毎メートル (H/m) 。
絶対透磁率μに磁界の強さHを乗じたとき,磁束密度Bになる。
B=μH
ここに,
B: 磁束密度 (T)
H: 磁界の強さ (A/m)
μ: 絶対透磁率 (H/m)
b) 比透磁率 (relative permeability) 絶対透磁率μを真空の透磁率μ0 (=4π×10-7H/m) で除したもの。単
位は無名数。
c) 初比透磁率 (initial relative permeability) 初磁化曲線上で原点(消磁状態)と原点に接近した1点と
2
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
を結ぶ直線のこう配である磁束密度と磁界の強さとの比を真空の透磁率μ0 (=4π×10-7H/m) で除した
もの。量記号はμi,単位は無名数。
なお,直流の磁界の強さは0.4A/m,0.8A/m及び1.6A/mとする。
d) 磁束密度 (magnetic flux density) 外部磁界Hを加えたときの材料中の単位面積当たりの磁束。量記
号はBH,単位はテスラ (T)。
なお,Hは20,50,100,500,800,4 000 (A/m) とする。
e) 残留磁束密度 (remanent magnetic flux density) 800A/mの外部磁界を加えた状態から外部磁界を取
り去ったときの磁束密度。量記号はBr,単位はテスラ (T)。
f)
角形比 (squareness ratio) 残留磁束密度を磁束密度BHで除した値。
g) 保磁力 (coercive field strength) 800A/mの外部磁界を加えた状態から外部磁界を取り去り,更に反
対方向に磁化していったとき,材料の中の磁束密度を0にする磁界の強さ。量記号はHc,単位はアンペ
ア毎メートル (A/m) 。
h) インダクタンス比透磁率 (inductance relative permeability) 漏れ磁束が無視できる閉磁路磁心にお
いて,巻線に交流電流を流したときに生じる自己インダクタンスから計算によって求められる比透磁
率。量記号はμL,単位は無名数。
i)
インピーダンス比透磁率 (impedance relative permeability) 漏れ磁束が無視できる閉磁路磁心にお
いて,一次側巻線に交流電流(磁化力に相当)を流したとき,相互インダクタンスによって二次側に
発生する電圧(磁束密度に相当)から計算される比透磁率。量記号はμZ,単位は無名数。
j)
インピーダンス比透磁率の上昇率 (impedance relative permeability rise factor) 磁界の強さの増加
に伴う透磁率の増加の程度を表す。量記号はδ,単位はメートル毎アンペア (m/A)。
k) 経時変化 (ageing) 100℃±5℃で,100時間後の保磁力の変化率。単位はパーセント (%) で表す。
l)
棒 (bar) 直線状で供給され,均一な断面をもつ製品。断面は円,正方形,長方形又は正多角形とす
ることができる。
− 平角棒 (flat) 一般的に厚さが5mm以上,幅が150mm未満で四面が圧延された長方形断面をもつ
棒。
− 丸棒 (round) 直径が8mm以上の円断面をもつ棒。
m) ロッド (rods) 直線状で供給され,断面が長方形又は円である冷間引抜き製品。
n) 線 (wire) コイル状で供給され,断面が円又は長方形である圧延又は引抜き製品。
o) 薄板及び厚板 (sheet and plate) コイル状又は切板状で供給され,均一な断面をもつ平たんに圧延さ
れた製品で,幅が600mmを超え,厚さが5mm以下のものを薄板,5mmを超えるものを厚板とする。
p) 条 (strip) コイル状又は切板状で供給され,均一な断面をもつ平たんに圧延された製品で,幅が
600mm以下,厚さが5mm以下のもの。
q) ロット (lot) 同一溶解単位,同一形状で同時に製造された材料。また,焼なまし処理をするときは,
同時に処理されるか又は連続炉で続けて処理されたもの。
r) 横曲がり (edge camber) 板及び条の基準の長さLに対する弧の深さの最大値e。
3
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 横曲がりの例
s)
平たん度 (flatness) 板及び条の急しゅん(峻)度(波の高さh/波の長さL)。
図2 平たん度の例
t)
直線性 (straightness of long products) 棒の基準の長さに対する弧の深さの最大値。
備考 以降の項目では,“比透磁率”を慣用的に“透磁率”と表現する。
3. 種類及び磁気等級 種類は,ニッケル成分及びヒステリシス曲線の形状によって表1による。
磁気等級は,ヒステリシス曲線の形状及び厚さ0.1mmのS. W. 形リング(巻鉄心形リング)試験片(6.2.1
参照)のインピーダンス透磁率μZで区分される。
表1 種類
種類
IEC種類
(1)
ニッケル成分
%
参考
代表的化学成分 %
特色及び用途
Cr
Cu
Mo
Ni
Fe
PB
−
41〜51
−
−
−
42〜49
残部
高磁束密度材,リレー,変成器など
−
−E31
45〜50
−
−
−
45〜49
残部
PC
−
70〜85
2〜3
−
−
4〜6
1〜6
−
−
3〜5
3.5〜6
75〜78
75〜80
79〜82
残部
高透磁率材,変成器,磁気遮へい,巻鉄心,磁気ヘ
ッドなど
−
E11
72〜83
2〜3
−
−
4〜6
4〜6
−
−
3〜4.5
3.5〜6
75〜78
75〜78
79〜82
残部
PD
E41
35〜40
−
−
−
36〜40
残部
高電気抵抗材,変成器など
PE
−
41〜51
−
−
−
42〜49
残部
高角形ヒステリシス材,巻鉄心,変成器など
−
E32
45〜50
−
−
−
45〜49
残部
PF
E2
54〜68
−
−
−
54〜65
残部
巻鉄心,変成器など
注(1) IEC種類の数字の2けた目は,ヒステリシス曲線の形状を表す。1=低角形比,2=高角形比。
材料の実際の化学組成,角形比及び製造工程は,受渡当事者間の協定による。
4. 品質
4.1
外観 仕上げ良好・均一で,使用上有害なきず,クラック,その他の欠陥があってはならない。
4
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.2
磁気特性 磁気特性は,a)又はb)のいずれかによる。磁気特性は,熱処理した後の値である。熱処
理条件については,受渡当事者間の協定によることができる。
a) 直流磁気特性 直流磁気特性(初透磁率,保磁力及び磁束密度)は,表2による。
5
C
2
5
3
1
:
1
9
9
9
}
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 直流磁気特性
種類 IEC種類
(1)
磁気等級
初透磁率μi
保磁力Hc
A/m
磁束密度BH
T
測定点H
A/m
厚さmm(2)
厚さmm(2)
磁界の強さA/m
0.05以上
1.0以下
0.4以上
1.5以下
1.5を超える
もの
0.05以上
1.0以下
0.4以上
1.5以下
1.5を超え
るもの
20
50
100
500
800
4 000
PB
−
−04
0.8
−
4 000以上
3 000以上
−
12以下
12以下
−
−
1.00以上 1.30以上 1.40以上 1.40以上
−06
6 000以上 5 000以上
10以下
10以下
−10
10 000以上
7 000以上
6以下
6以下
−
E31
−04
0.4
−
4 000以上
3 000以上
−
12以下
12以下
0.50以上 0.90以上 1.10以上 1.35以上
−
1.45以上
−06
6 000以上
5 000以上
10以下
10以下
−10
10 000以上
7 000以上
6以下
6以下
PC
−
−10
0.4
10 000以上
−
−
4以下
−
−
−
−
−
−
0.5以上
−
−30
−
30 000以上 15 000以上
−
4以下
4以下
0.40以上 0.55以上 0.60以上 0.63以上 0.65以上 0.65以上
−60
60 000以上 30 000以上
2以下
4以下
−100
100 000以上 50 000以上
1以下
2以下
−
E11
−30
0.4
−
30 000以上 15 000以上
−
4以下
4以下
0.50以上 0.65以上 0.70以上 0.73以上
−
0.75以上
−60
60 000以上 30 000以上
2以下
4以下
−100
100 000以上 50 000以上
1以下
2以下
PD
−
−03
0.8
−
2 500以上
2 500以上
−
24以下
24以下
−
−
−
−
1.10以上
−
−
E41
−03
1.6
−
2 500以上
2 500以上
−
24以下
24以下
0.20以上 0.45以上 0.70以上 1.00以上
−
1.18以上
PE
−
受渡当事者間の協定による。
−
E32
PF
E21
注(2) 厚さ0.05mm〜2mmまでの特性は,板及び条だけに適用する。断面が小さな棒,ロッド及び線に対する磁束密度は,製造の早い段階で作成されたS. R. 形リング(素材リング)
試験片(6.2.1参照)で測定する。
備考 注文の際に要求された場合,経時変化は種類PB, PC及びPDの場合5%を超えてはならない。
6
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 交流磁気特性 交流磁気特性(インダクタンス透磁率,インピーダンス透磁率及びインピーダンス透
磁率の上昇率)は,表3,表4及び表5による。熱処理条件については,受渡当事者間の協定による
ことができる。
表3 交流磁気特性(インダクタンス透磁率)(3)
種類
磁気等級
基準厚さ
mm
磁界の強さ(4)
H
A/m
インダクタンス透磁率
μL
0.3kHz
1kHz
3kHz
10kHz
30kHz
PB
−06
0.10
0.4
−
3 000以上
2 500以上
−
−
0.20
3 600以上
2 400以上
−
−
−
0.35
3 000以上
2 200以上
−
−
−
−10
0.10
5 000以上
−
−
−
−
0.20
4 000以上
−
−
−
−
0.35
3 600以上
−
−
−
PC
−10
0.10
13 000以上
7 000以上
−
1 500以上
−
0.20
10 000以上
5 000以上
−
1 000以上
−
−100
0.025
−
30 000以上
−
18 000以上
9 000以上
0.05
−
25 000以上
−
9 000以上
−
0.10
30 000以上 20 000以上
9 000以上
−
−
0.15
27 000以上 12 000以上
−
−
−
0.20
24 000以上
10 000以上
−
−
−
0.35
12 000以上
4 800以上
−
−
−
−200
0.025
−
40 000以上
−
20 000以上
12 000以上
0.05
−
40 000以上
−
9 000以上
−
0.10
40 000以上
25 000以上
10 000以上
−
−
PD
−02
0.10
−
1 900以上
1 800以上
−
−
0.20
2 000以上
1 900以上
−
−
−
0.35
1 900以上
1 800以上
−
−
−
−03
0.10
−
3 600以上
3 000以上
−
−
0.20
3 800以上
3 300以上
−
−
−
0.35
3 500以上
3 000以上
−
−
−
注(3) 対応国際規格では規定されていない。
(4) 磁界の強さH (A/m) は,実効値 (rms) とする。
7
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4 交流磁気特性(インピーダンス透磁率)
種
類
IEC種類
(1)
磁気等級 磁界の強さ
H(4)
A/m
測定
周波数
試験片形状
インピーダンス透磁率μZ
厚さ
0.05mm
0.10mm
0.15mm以上
0.20mm以下
0.20mm
0.30mm以上
0.38mm以下
PB
−
−04
0.4
50又は
60Hz
L.R.形
リング
(環状積層形)
4000以上
4 000以上
4 000以上
−
4 000以上
−06
6000以上
6 000以上
6 000以上
−
6 000以上
−10
8000以上 10 000以上 10 000以上
−
10 000以上
−
E31
−04
4000以上
4 000以上
4 000以上
−
4 000以上
−06
6000以上
6 000以上
6 000以上
−
6 000以上
−10
8000以上
8 000以上 10 000以上
−
10 000以上
PC
−
−10
0.8
0.3kHz
−
19 000以上
−
15 000以上
−
1kHz
11 000以上
8 500以上
10kHz
3 500以上
2 000以上
100kHz
700以上
300以上
−30
0.4
50又は
60Hz
16 000以上 18 000以上 20 000以上
−
20 000以上
−60
30 000以上 35 000以上 40 000以上
−
40 000以上
−100
50 000以上 60 000以上 60 000以上
−
50 000以上
−200
100 000以上 120 000以上 120 000以上
−
100 000以上
−
E11
−30
16 000以上 18 000以上 20 000以上
−
20 000以上
−60
30 000以上 35 000以上 40 000以上
−
40 000以上
−100
50 000以上 60 000以上 60 000以上
−
50 000以上
−200
100 000以上 120 000以上 120 000以上
−
100 000以上
PD
−
−02
1.6
2 200以上
2 200以上
2 200以上
−
2 200以上
−03
2 500以上
2 900以上
2 900以上
−
2 900以上
−
E41
−02
2 200以上
2 200以上
2 200以上
−
2 200以上
−03
2 500以上
2 900以上
2 900以上
−
2 900以上
PB
−
−04
0.4
50又は
60Hz
S. W. 形
リング
(巻鉄心形)
4 000以上
4 000以上
4 000以上
−(5)
−(5)
−06
6 000以上
6 000以上
6 000以上
−(5)
−(5)
−10
10 000以上 10 000以上 10 000以上
−(5)
−(5)
−
E31
−04
4 000以上
4 000以上
4 000以上
−(5)
−(5)
−06
6 000以上
6 000以上
6 000以上
−(5)
−(5)
−10
10 000以上 10 000以上 10 000以上
−(5)
−(5)
PC
−
−30
30 000以上 30 000以上 30 000以上
−(5)
−(5)
−60
60 000以上 60 000以上 60 000以上
−(5)
−(5)
−100
100 000以上 100 000以上
80000以上
−(5)
−(5)
−200
200 000以上 200 000以上 160 000以上
−(5)
−(5)
−
E11
−30
30 000以上 30 000以上 30 000以上
−(5)
−(5)
−60
60 000以上 60 000以上 60 000以上
−(5)
−(5)
−100
100 000以上 100 000以上 80 000以上
−(5)
−(5)
−200
200 000以上 200 000以上 160 000以上
−(5)
−(5)
PD
−
−02
1.6
50又は
60Hz
S. W. 形
リング
(巻鉄心形)
2 200以上
2 200以上
2 200以上
−(5)
−(5)
−03
2 500以上
2 900以上
2 900以上
−(5)
−(5)
−
E41
−02
2 200以上
2 200以上
2 200以上
−(5)
−(5)
−03
2 500以上
2 900以上
2 900以上
−(5)
−(5)
PE
−
受渡当事者間の協定による。
−
E32
PF
E21
注(5) S.W.形リング(巻鉄心形リング)試験片(6.2.1参照)は,この厚さ範囲では使用しない。
8
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5 交流磁気特性
(インピーダンス透磁率上昇率)
種類
IEC種
類
(1)
磁気等級
δ0.4
m/A
δ8
m/A
PD
−
−02
0.047以下
0.031以下
−
E41
−02
0.047以下
0.031以下
5. 寸法許容差
5.1
板及び条の厚さの許容差 板及び条の厚さは,6.3a)によって試験を行ったとき,表6の規定に適合
しなければならない。
表6 冷間圧延による板及び条の厚さの許容差
単位mm
厚さt
幅wに対する厚さの許容差
幅が50を超え
150以下
幅が150を超え
300以下
幅が300を超え
600以下
幅が600を
超えるもの
0.05以上0.15未満
±5%
±5%
±7.5%
±10%
0.15以上0.25未満
±0.020
±0.020
±0.025
±0.030
0.25以上0.50未満
±0.025
±0.030
±0.030
±0.040
0.50以上0.75未満
±0.030
±0.045
±0.045
±0.050
0.75以上1.00未満
±0.040
±0.045
±0.045
±0.065
1.00以上1.25未満
±0.050
±0.050
±0.055
±0.065
1.25以上1.50未満
±0.050
±0.060
±0.065
±0.075
1.50以上1.75未満
±0.060
±0.060
±0.065
±0.075
1.75以上2.00未満
±0.060
±0.060
±0.065
±0.090
2.00以上2.25未満
±0.070
±0.070
±0.075
±0.100
2.25以上2.50未満
±0.070
±0.070
±0.075
±0.120
5.2
板及び条の幅の許容差 板及び条の幅は,6.3b)によって試験を行ったとき,表7の規定に適合しな
ければならない。
表7 板及び条の幅の許容差
単位mm
厚さt
幅wの許容差
幅が125を
超えるもの
幅が125以上
250未満
幅が250以上
400未満
幅が400以上
1 200未満
圧延上がり品
0.30以上6.00未満
±2.0
±2.0
±2.0
±3.0
スリッタ切断品
0.10以上1.50未満
±0.2
±0.3
±1.0
±2.0
1.50以上2.50未満
±0.3
±0.5
±1.0
±2.0
2.50以上6.00未満
±1.0
±1.0
±1.0
±2.0
5.3
板及び条の平たん度 板及び条の平たん度は,受渡当事者間の協定による。ただし,試験は,6.3c)
によって行う。
5.4
板及び条の横曲がり 板及び条の横曲がりは,受渡当事者間の協定による。ただし,試験は,6.3d)
によって行う。
5.5
冷間加工による棒,ロッド及び線の径の許容差 冷間加工による棒,ロッド及び線の径は,6.3e)に
よって試験を行ったとき,表8の規定に適合しなければならない。
9
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表8 冷間加工による棒,ロッド及び線の径の許容差
単位mm
線及びロッド
棒
外径d
許容差
外径d
許容差
0.20以上0.35未満
±0.015
0.5以上1.5未満
+0.00
−0.06
0.35以上0.55未満
±0.020
1.5以上4.5未満
+0.00
−0.10
0.55以上0.90未満
±0.030
4.5以上10未満
+0.00
−0.20
0.90以上1.40未満
±0.040
10以上25未満
+0.00
−1.00
1.40以上2.20未満
±0.060
2.20以上3.50未満
±0.080
3.50以上6.00未満
±0.100
5.6
熱間加工による棒の寸法許容差 熱間加工による棒の寸法許容差は,受渡当事者間の協定による。
ただし,試験は,6.3e)によって行う。
6. 試験
6.1
試験場所の温度 試験は,温度23±5℃で行う。
6.2
磁気試験
6.2.1
試験片 試験片は,長方形又は円形断面の均質リングとする。
試験片の質量は,±0.2%の正確さで検量し,そのリングの内径及び外径は,少なくとも4回,±0.5%の
精度で測定する。試験片の平均断面積Aは,式(1)によって算出する。
)
(
2
d
D
m
A
+
=πρ
·········································································· (1)
ここに,
A: 平均断面積 (m2)
m: 質量 (kg)
ρ: 密度 (kg/m3)
D: 外径 (m)
d: 内径 (m)
また,試験片の平均磁路長は,式(2)によって算出する。
2
)
(
d
D
lm
+
=π
··········································································· (2)
ここに, lm: 平均磁路長 (m)
一般に試験片は,次のものから構成され,使用される試験片のタイプは製品仕様書に規定する。
a) S. W. 形リング(巻鉄心形リング) リングの寸法は表9による。ただし,試験片の外径は,30〜80mm
とし,必要な場合,試験片の縁のばりを取り除く。
表9 巻鉄心形リングの寸法
種類
PB, PC, PD, PF,
E11, E21, E31, E41
PE, E32
外径/内径 1.2以上1.6以下
1.2以上1.6以下
高さ/内径 0.2以上0.6以下
0.2以上0.5以下
内径/板厚 100を超える
100を超える
b) L. R. 形リング(環状積層形リング) 打抜き又はエッチング加工の積層リング。
リングの寸法は,(外径/内径)が1.4未満とする。ただし,外径10mm×内径6mmを使用してもよ
い。
10
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) S. R. 形リング(素材リング) 素材から成形加工又は切削加工したリング。
リングの外径は30〜50mmとし,(外径/内径)は,1.2〜1.4とする。
備考1. その他の試験片は,受渡当事者間の協定によって使用することができる。
2. 試験片を作製後に熱処理し,その後,取扱いによって試験片に応力を生じないように十分注
意して取り扱わなければならない。適切な大きさの保護容器の使用を奨める。
6.2.2
磁界の強さ 磁界の強さは,実効値で表され,式(3)によって算出する。
なお,電流は,1%の精度で測定する。
m
l
I
N
H
×
=
················································································ (3)
ここに, H: 磁界の強さ (A/m)
N: リングの巻線回数(回)
lm: 平均磁路長 (m)
I: 電流 (A)
6.2.3
直流磁気特性試験 6.2.1によって作製した試験片の一次巻線に,保磁力の10倍以上の磁界の強さ
となる50Hz又は60Hzの交流電流を通じ,この電流を0Aまで連続的に漸減して十分に消磁した後,表2
の項目について弾動検流計又は電子式自記磁束計によって行う。
6.2.4
インダクタンス透磁率試験 6.2.1によって作製した試験片の一次巻線に,保磁力の10倍以上の磁
界の強さとなる50Hz又は60Hzの交流電流を通じ,この電流を0Aまで連続的に漸減して十分に消磁した
後,図3に示すマクスウェルブリッジ又は図4に示すLCRメータによってインダクタンスを測定し,イン
ダクタンス透磁率を式(4)によって算出する。
測定は,種類及び板厚に応じて表3に示された周波数及び磁界の強さで行う。
0
2
1
μ
μ
=
N
l
A
L
m
L
········································································ (4)
ここに,
μL: インダクタンス透磁率
L: インダクタンス (H)
A: 平均断面積 (m2)
m: 質量 (kg)
ρ: 密度 (kg/m3)
lm: 平均磁路長 (m)
N: 巻線回数(回)
μ0: 真空の透磁率 (=4π×10-7H/m)
図3 マクスウェルブリッジを用いた測定回路
11
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図4 LCRメータを用いた測定回路
6.2.5
インピーダンス透磁率試験 試験片の一次巻線に,保磁力の10倍以上の磁界の強さとなる50Hz
又は60Hzの交流電流を通じ,この電流を0Aまで連続的に漸減して十分に消磁した後,図5に示す回路に
よって,一次電流及び二次電圧を測定し,インピーダンス透磁率を式(5)によって算出する。
測定は,種類及び板厚に応じて表4に示された周波数及び磁界の強さで行う。
0
1
2
1
2
1
2
1
μ
π
μ
=
fI
N
N
l
A
V
m
Z
0
1
2
1
2
2
1
2
1
μ
π
ρ
=
fI
N
N
l
m
V
m
································································ (5)
ここに,
μZ: インピーダンス透磁率
V2: 二次開放電圧 (Vrms)
A: 平均断面積 (m2)
m: 質量 (kg)
ρ: 密度 (kg/m3)
lm: 平均磁路長 (m)
N1: 一次巻線回数(回)
N2: 二次巻線回数(回)
f: 周波数 (Hz)
I1: 一次電流 (Arms)
μ0: 真空の透磁率 (=4π×10-7H/m)
図5 インピーダンス透磁率試験回路
6.2.6
インピーダンス透磁率の上昇率試験 測定周波数50又は60Hzにおいて,6.2.1によって作製した
試験片で,測定電流ごとに6.2.5の方法によってインピーダンス透磁率を測定し,上昇率を式(6)及び式(7)
によって算出する。
6.1
4.0
6.1
6.1
4.0
6.1
4.0
833
.0
)4.0
6.1(
Z
Z
Z
Z
Z
Z
Z
μ
μ
μ
μ
μ
μ
δ
−
×
=
−
−
=
····································· (6)
6.1
6.1
8
6.1
6.1
8
8
156
.0
)6.1
8(
Z
Z
Z
Z
Z
Z
Z
μ
μ
μ
μ
μ
μ
δ
−
×
=
−
−
=
·········································· (7)
ここに,
δZ0.4: 磁界の強さ0.4〜1.6A/mにおけるインピーダンス透磁率の
上昇率 (m/A)
δZ8: 磁界の強さ1.6〜8A/mにおけるインピーダンス透磁率の上
昇率 (m/A)
12
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
μZ0.4: 磁界の強さ0.4A/mでの透磁率
μZ1.6: 磁界の強さ1.6A/mでの透磁率
μZ8: 磁界の強さ8A/mでの透磁率
6.3
寸法試験 寸法の試験は,次による。
a) 厚さ 最小目盛1000
1mmをもつマイクロメータによって測定する。幅が25mmを超える平たんな製品の
測定箇所は,縁から10mm以上離れた位置とし,それ以外は,幅方向の中央部とする。
b) 幅 長さ方向と垂直にノギス又はマイクロメータで測定する。
c) 平たん度 板及び条の縁がはみ出ない程度に十分広く,平らな台に置き,ミリメートル単位の定規で
波の長さ及び波の高さの最大値を測定する。
d) 横曲がり 板及び条を平らな台に置き,定規を曲がり部分の凹側の両端点に接するようにして曲がり
部分の弧の深さ最大値を測定する。
e) 径 任意の2か所において0.1mmの精度で測定し,それらの中間値をとる。
f)
直線性 0.1mmの精度で測定する。
7. 検査 検査は,次のとおり行う。
a) 外観を検査するとともに,6.によって試験を行ったとき,4.及び5.の規定に適合したものを合格とする。
b) 磁気試験の試験片は,同一ロットごとに1個を取る。
8. 包装 運搬中に損傷を受けないように適切な方法によって包装する。
9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,形状,種類,磁気等級及び寸法による。
10. 表示 適切な方法によって,次の事項を表示しなければならない。
a) IEC種類及び種類
b) 磁気等級
c) 寸法
d) 質量
e) ロット番号
f)
製造年月日又はその略号
g) 製造業者名又はその略号
関連規格 IEC 60404-9 Methods of determination of the geometrical charateristics of magnetic steel sheet and
strip
13
C 2531 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考) 密度及び体積抵抗率
この附属書(参考)は,各種類の合金の目安となる密度及び体積抵抗率の値を参考として記述するもの
であり,規定の一部ではない。
附属書表1 密度
単位kg/m3
種類
密度
PB
8.25×103
PC
8.75×103
PD
8.15×103
PE
8.25×103
PF
−
附属書表2 体積抵抗率
単位μΩ・m
種類
体積抵抗率
PB
0.40以上
PC
0.55以上
PD
0.70以上
PE
0.40以上
PF
−
電子材料JIS国際整合化委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
一ノ瀬 昇
早稲田大学理工学部
(委員)
杉 原 真
元神奈川工科大学
木 戸 義 勇
科学技術庁金属材料技術研究所
永 松 荘 一
通商産業省機械情報産業局電子機器課
兼 谷 明 男
通商産業省工業技術院標準部
◎ 天 野 徹
通商産業省工業技術院標準部
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会技術部
小助川 充 生
日本電気計器検定所技術研究所
濱 村 敦
住友特殊金属株式会社
平 林 康 之
TDK株式会社磁性材料事業本部金属磁石事業部開発部
(主査)
◎ 中 村 恭 之
住友特殊金属株式会社営業開発企画室
◎ 長 崎 潔
株式会社東芝材料部品事業部開発技術部
大 塚 努
株式会社トーキンフェライト事業部技術部
高 安 龍 典
北陸電気工業株式会社
神 山 準
石塚電子株式会社YSG製造部
塚 田 潤 二
社団法人日本電子機械工業会標準化センター
吉 田 孝 一
社団法人日本電機工業会技術部
北 邦 郎
東英工業株式会社電子部・磁性部
会 田 洋
東光株式会社コイル応用事業本部コイル事業部
◎ 丸 山 浩
株式会社タムラ製作所品質保証部
和 田 忠 造
松下電器産業株式会社石油機器事業部製造部
磯 部 保 明
日本電装株式会社材料技術部
○ 大久保 安 彦
相菱電子化学株式会社磁気デバイス製造部
○ 矢 萩 慎一郎
大同特殊鋼株式会社技術開発研究所新素材研究室
○ 池 田 功
大平洋金属株式会社生産技術部
○ 玉 城 幸 一
株式会社トーキン金属磁性事業部第一技術部
○ 衛 藤 雅 俊
日鉱金属株式会社倉見工場品質保証部
○ 坂 野 仁
日立金属株式会社特殊鋼事業部技術部
○ 福 田 憲 男
ヤマハメタニクス株式会社材料技術部
(事務局)
長谷川 実
社団法人日本電子材料工業会
佐 藤 秀 樹
社団法人日本電子材料工業会
後 藤 和 紀
社団法人日本電子材料工業会
備考 ◎印:本委員会及び分科会委員
○印:分科会委員