C 2351:2013
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号 ··················································································································· 1
4 特性······························································································································· 2
5 材料······························································································································· 2
6 試験条件························································································································· 2
6.1 試験状態 ······················································································································ 2
6.2 液状試料の採取 ············································································································· 3
6.3 液状試料の調製 ············································································································· 3
6.4 焼付試験片の作り方 ······································································································· 3
7 数値の丸め方 ··················································································································· 3
8 試験方法························································································································· 3
8.1 外観 ···························································································································· 3
8.2 粘度 ···························································································································· 3
8.3 不揮発分 ······················································································································ 3
8.4 薄めやすさ ··················································································································· 4
8.5 試験片の塗膜厚さ ·········································································································· 4
8.6 焼付塗膜の外観 ············································································································· 4
8.7 ピンホール ··················································································································· 4
8.8 可とう性 ······················································································································ 5
8.9 密着性 ························································································································· 5
8.10 耐摩耗 ························································································································ 5
8.11 絶縁破壊 ····················································································································· 5
8.12 耐軟化 ························································································································ 5
8.13 耐熱衝撃 ····················································································································· 5
8.14 はんだ付け性 ··············································································································· 5
9 検査······························································································································· 5
9.1 検査の種類 ··················································································································· 5
9.2 検査項目 ······················································································································ 6
10 包装 ····························································································································· 6
11 製品の呼び方 ················································································································· 6
12 表示 ····························································································································· 6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,電気機能材料工業
会(JEIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS C 2351:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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エナメル線用ワニス
Varnishes for enameled wires
序文
この規格は,1966年に制定され,その後6回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2006年に
行われたが,その後のJIS C 2103の改正,JIS C 3003の廃止及びJIS C 3216規格群の制定に対応するため
に改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,エナメル線の製造に用いるエナメル線用ワニス(以下,ワニスという。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 2103 電気絶縁用ワニス試験方法
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3216-2 巻線試験方法−第2部:寸法
JIS C 3216-3 巻線試験方法−第3部:機械的特性
JIS C 3216-4 巻線試験方法−第4部:化学的特性
JIS C 3216-5 巻線試験方法−第5部:電気的特性
JIS C 3216-6 巻線試験方法−第6部:熱的特性
JIS K 2435-3 ベンゼン・トルエン・キシレン−第3部:キシレン
JIS K 2437 フェノール類(フェノール,o-クレゾール,クレゾール酸及びキシレノール酸)
JIS K 5601-1-2 塗料成分試験方法−第1部:通則−第2節:加熱残分
JIS Z 1601 鋼製タイトヘッドドラム
JIS Z 1602 金属板製18リットル缶
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
JIS Z 8723 表面色の視感比較方法
3
種類及び記号
この規格で用いるワニスの種類及び記号は,表1による。
2
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表1−種類及び記号
種類
記号
焼付け後の塗膜組成
ポリウレタン線用ワニス
W143
ポリウレタン
ホルマール線用ワニス
W142
ポリビニルホルマール
ポリエステル線用ワニス
W141
テレフタル酸系ポリエステル
ポリエステルイミド線用ワニス
W144
ポリエステルイミド
4
特性
特性は,箇条8の試験方法で試験を行ったとき,表2に適合しなければならない。
表2−特性
項目
種類
試験方法
適用箇条
ポリウレタン
線用ワニス
ホルマール
線用ワニス
ポリエステル
線用ワニス
ポリエステルイ
ミド線用ワニス
液
状
特
性
外観
濁り及び不純物の混入があってはならない。
8.1
粘度
(30 ℃)
Pa・s
基準値は,受渡当事者間の協定による。
8.2
許容差
±30 %
不揮発分
%
基準値は,受渡当事者間の協定による。
8.3
許容差
±2.0
薄めやすさ
基準値は,受渡当事者間の協定による。
8.4
焼
付
け
後
の
特
性
塗膜厚さ
2種(表3参照)
1種(表3参照)
8.5
外観
表面が滑らかで一様の光沢及び色をもっていなければならない。
8.6
ピンホール
個
8以下
3以下
8.7
可とう性
皮膜に導体が見える亀裂があってはならない。
8.8
密着性
皮膜に導体が見える亀裂があってはならない。
8.9
耐摩耗
N
−
平均値8.28以上
最少値7.00以上
8.10
絶縁破壊
V
1 600以上
3 400以上
8.11
耐軟化
℃
170以上
240以上
300以上
8.12
耐熱衝撃
皮膜に導体が見え
る亀裂があっては
ならない。
−
皮膜に導体が見える亀裂があって
はならない。
8.13
はんだ付け性
一様にはんだが付
き,はんだかすが
残っていてはなら
ない。
−
8.14
5
材料
材料は,焼付け後の塗膜組成が表1に規定する素材を準備し,その素材を適切な溶剤で溶解して作った
均質な液状の絶縁塗料とする。また,電気絶縁に有害な物質を含まず,銅,アルミニウムなどの導体に対
して有害な作用がなく,エナメル線の製造に適するように作らなければならない。
なお,塗料を着色する場合,その色は受渡当事者間の協定による。
6
試験条件
6.1
試験状態
試験状態は,特に指定がない場合,JIS Z 8703に規定する常温,常湿[20 ℃±15 ℃,相対湿度(65±
3
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20)%]とする。
6.2
液状試料の採取
液状試料の採取は,JIS C 2103の箇条4(試験方法に関する一般注意事項)による。
6.3
液状試料の調製
液状試料の調製は,JIS C 2103の箇条4による。
6.4
焼付試験片の作り方
焼付試験片の作り方は,JIS C 3102に規定する軟銅線のうち,表3に規定する導体径をもつ軟銅線に液
体試料を塗る。炉を用い温度250〜700 ℃,塗布回数4〜20回の範囲内で適切な速度によって,きず及び
汚れがないように,表3に規定する塗膜厚さに焼き付ける方法とする。
表3−焼付試験片の塗膜厚さ
単位 mm
種別
導体径
1.0
0.2
1種
0.025〜0.051
−
2種
−
0.008〜0.015
7
数値の丸め方
数値の丸め方は,各試験によって得られた測定値又は平均値をJIS Z 8401によって,表4に規定する桁
数に丸める。
表4−数値の丸め方
試験項目
丸める桁数
粘度
有効数字2桁
不揮発分
小数点以下1桁
8
試験方法
8.1
外観
8.1.1
方法
試料を無色透明の内径10〜40 mmのガラス容器に深さ30 mm以上になるまで入れ,JIS Z 8723に規定す
る自然昼光照明の下で側面から透かして見て,濁り及び不純物の有無を調べる。
8.1.2
報告
外観(濁り及び不純物の有無)を報告する。
8.2
粘度
粘度は,JIS C 2103の5.3(粘度)による。ただし,測定温度は30 ℃±0.5 ℃とする。
8.3
不揮発分
8.3.1
装置及び器具
装置及び器具は,JIS C 2103の5.4(不揮発分)による。ただし,短時間内にひょう量を行う場合には,
蓋付き平底皿は,蓋付きでなくても差し支えない。
8.3.2
方法
方法は,JIS C 2103の5.4による。ただし,乾燥温度及び乾燥時間は,表5による。試料の量は,1.5 g
±0.1 gとする。
4
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表5−乾燥温度及び乾燥時間
種類
乾燥温度
℃
乾燥時間a)
分
ポリウレタン線用ワニス
170±3
120
ホルマール線用ワニス
ポリエステル線用ワニス
200±3
ポリエステルイミド線用ワニス
注a) 乾燥時間はJIS K 5601-1-2による。
8.3.3
計算
不揮発分は,次の式によって求める。
100
1
2
1
3
m
×
−
−
=
W
W
W
W
V
ここに,
Vm: 不揮発分(%)
W1: 平底皿の質量(g)
W2: 加熱前の平底皿及び試料の質量(g)
W3: 加熱後の平底皿及び試料の質量(g)
8.3.4
報告
次の事項を報告する。
a) 不揮発分の2個の結果
b) 温度,時間,試料の質量並びに平底皿の材質及び寸法
8.4
薄めやすさ
薄めやすさは,JIS C 2103の5.5(薄めやすさ)による。ただし,シンナーは,JIS K 2437に規定するク
レゾール酸又はその類似品とJIS K 2435-3に規定するキシレンとの混合物とし,その混合比は,表6によ
る。
表6−シンナーの混合比
単位 %
種類
混合比
クレゾール酸
又はその類似品
キシレン
ポリウレタン線用ワニス
50
50
ホルマール線用ワニス
ポリエステル線用ワニス
70
30
ポリエステルイミド線用ワニス
8.5
試験片の塗膜厚さ
試験片の塗膜厚さは,JIS C 3216-2による。
8.6
焼付塗膜の外観
焼付塗膜の外観は,目視によって,塗膜の表面の滑らかさ並びに表面の光沢及び色について調べる。
8.7
ピンホール
ピンホールは,JIS C 3216-5の箇条7(ピンホール試験)による。
なお,ピンホールの数が規定値に適合しない場合には,更に2本をとって再試験を行うことができる。2
本とも適合の場合,合格とする。
5
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8.8
可とう性
可とう性は,JIS C 3216-3の箇条5(可とう性及び密着性)による。ただし,ポリウレタン線用ワニスに
ついてはJIS C 3216-3のJA.5.1(可とう性)による。また,巻付径及び伸長率は,表7による。
表7−巻付径及び伸長率
種類
導体径
mm
巻付径
伸長率
%
ポリウレタン線用ワニス
0.2
−
切断
ホルマール線用ワニス
1.0
仕上外径
−
ポリエステル線用ワニス
ポリエステルイミド線用ワニス
8.9
密着性
密着性は,JIS C 3216-3の箇条5(可とう性及び密着性)による。
8.10 耐摩耗
耐摩耗は,JIS C 3216-3の箇条6[耐摩耗(エナメル丸線に適用)]による。
8.11 絶縁破壊
絶縁破壊は,JIS C 3216-5の箇条4(絶縁破壊)による。
8.12 耐軟化
耐軟化は,JIS C 3216-6の箇条4[耐軟化(公称導体径0.100 mmを超え1.600 mm以下のエナメル丸線
及びテープ巻丸線に適用)]による。
8.13 耐熱衝撃
耐熱衝撃は,JIS C 3216-6の箇条3[耐熱衝撃(エナメル線及びテープ巻線に適用)]による。ただし,
ポリウレタン線用ワニスについては,JIS C 3216-6のJA.3(耐熱衝撃)による。また,導体径,巻付径,
伸長率及び加熱温度は,表8による。
表8−導体径,巻付径,伸長率及び加熱温度
種類
導体径
mm
巻付径
伸長率
%
加熱温度
℃
ポリウレタン線用ワニス
0.2
−
10
130±5
ポリエステル線用ワニス
1.0
導体径の4倍
−
150±5
ポリエステルイミド線用ワニス
導体径の3倍
200±5
8.14 はんだ付け性
はんだ付け性は,JIS C 3216-4の箇条5[はんだ付け性(エナメル丸線及びより線に適用)]による。は
んだの温度は380 ℃±5 ℃とし,浸せき時間は2秒間とする。
9
検査
9.1
検査の種類
検査の種類は,次の2種類とする。
a) 形式検査 形式検査とは,形式認定のとき,ワニスの液状特性及び焼付け後の特性について良否を判
定するために,そのワニスを代表するロットについて行う検査とする。ただし,焼付け後の特性は,
ワニス製造業者が指定した値とする。
6
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b) 受渡検査 受渡検査とは,製品を受渡しする場合,その良否を判定するための検査とする。
9.2
検査項目
検査項目及び検査の種類は,表9による。検査は,箇条8によって試験し,箇条4に適合したものを合
格とする。ただし,形式検査項目も含めて受渡当事者間の協定によって,その一部を省略することができ
る。
表9−検査項目及び検査の種類
検査項目
検査の種類
形式検査
受渡検査
液
状
特
性
外観
○
○
粘度
○
○
不揮発分
○
○
薄めやすさ
○
○
焼
付
け
後
の
特
性
塗膜厚さ
○
−
外観
○
ピンホール
○
可とう性
○
密着性
○
耐摩耗
○
絶縁破壊
○
耐軟化
○
耐熱衝撃
○
はんだ付け性
○
10 包装
包装用の容器は,通常,JIS Z 1602に規定する18 L缶,JIS Z 1601に規定するドラムなどとし,輸送に
適したものとする。
11 製品の呼び方
製品の呼び方は,種類及び不揮発分,又は記号及び不揮発分による。ただし,不揮発分は,省略しても
よい。
例 ポリエステル線用ワニス30 %,又は W141−30
12 表示
容器の見やすいところに,次の事項を表示する。
a) この規格の規格番号
b) 種類又はその記号,製造業者が個別に定めた品名及び不揮発分。ただし,製造業者が個別に定めた品
名及び不揮発分は,受渡当事者間の協定によって省略することができる。
c) 正味質量
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造番号又は製造年月若しくはその略号
f)
法令で定められた表示
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参考文献 JIS C 3003 エナメル線試験方法
注記 この規格は,2011年3月22日に廃止された。
JIS C 3202 エナメル線