C 2336:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類及び呼び方 ················································································································ 2
5 要求事項························································································································· 2
5.1 色・外観 ······················································································································ 2
5.2 寸法 ···························································································································· 2
5.3 性能 ···························································································································· 3
6 試験方法························································································································· 4
6.1 色・外観 ······················································································································ 4
6.2 寸法 ···························································································································· 4
6.3 性能 ···························································································································· 4
7 包装及び表示 ··················································································································· 4
7.1 包装 ···························································································································· 4
7.2 テープの表示 ················································································································ 5
7.3 外装の表示 ··················································································································· 5
8 取扱い上の注意事項 ·········································································································· 5
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,電気機能材料工業
会(JEIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。こ
れによって,JIS C 2336:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
C 2336:2012
電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ
Pressure-sensitive polyvinyl chloride tapes for electrical purposes
序文
この規格は,2002年に第2.1版として発行されたIEC 60454-3-1を基とし,我が国で使用されているA
種ポリ塩化ビニル粘着テープを追加し,かつ,技術的内容を追加・変更した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,電気絶縁に用いるポリ塩化ビニル粘着テープ(以下,テープという。)について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60454-3-1:2002,Pressure-sensitive adhesive tapes for electrical purposes−Part 3: Specifications
for individual materials−Sheet 1: PVC film tapes with pressure-sensitive adhesive(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 2107 電気絶縁用粘着テープ試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60454-2:2007,Pressure-sensitive adhesive tapes for electrical purposes−Part 2:
Methods of test(MOD)
JIS Z 0109 粘着テープ・粘着シート用語
IEC 60304:1982,Standard colours for insulation for low-frequency cables and wires
IEC 60426:2002,Electrical insulating materials−Determination of electrolytic corrosion caused by insulating
materials−Test methods
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 0109によるほか,次による。
3.1
粘着テープ
室温において,粘着性を保つ粘着剤を片面塗布したテープ類。これらは,多様な表面に接触させて軽く
2
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圧力を加えるだけで,水,溶剤及び熱による活性化を必要とせず,粘着させることができる。
4
種類及び呼び方
テープの種類及び呼び方は,表1による。
表1−種類及び呼び方
種類
呼び方(記号)
温度指数
℃
最低温度等級
℃
A種
EVAT
指定なし
指定なし
B1種
IEC 60454-3-1-1/F-PVCP/60
60
0
B2種
IEC 60454-3-1-2/F-PVCP/60
60
−10
B3種
IEC 60454-3-1-3/F-PVCP/60
60
−18
B4種
IEC 60454-3-1-4/F-PVCP/60
60
−33
B5種
IEC 60454-3-1-5/F-PVCP/90
90
0
B6種
IEC 60454-3-1-6/F-PVCP/90
90
−10
B7種
IEC 60454-3-1-7/F-PVCP/90
90
−18
B8種
IEC 60454-3-1-8/F-PVCP/90
90
−33
B9種
IEC 60454-3-1-9/F-PVCP/105
105
0
B10種 IEC 60454-3-1-10/F-PVCP/105
105
−10
B11種 IEC 60454-3-1-11/F-PVCP/105
105
−18
B12種 IEC 60454-3-1-12/F-PVCP/105
105
−33
注記 温度指数は,材料の熱劣化挙動の指標であるが,テープの絶縁機能におけ
る最高使用許容温度と同一視しないほうがよい。
テープの粘着剤種類は分類しないが,購入者と供給者との間で協定によ
って決めてもよい。
5
要求事項
5.1
色・外観
5.1.1
色
テープは,透明,半透明又は不透明でもよく,着色又は無着色でもよい。着色テープの色は,黒,白,
青,緑,黄,茶色,だいだい(橙)色(又はオレンジ色),赤,紫,灰色,空色,桃色(又はピンク),若
葉色,及びアイボリー色(又はクリーム色)の14色とする。ただし,B種の場合,着色テープの色は,IEC
60304に規定する色にできるだけ一致しなければならない。
5.1.2
外観
テープの外観は,6.1によって試験したとき,均一にロール状に巻かれ,著しい変形及び巻き巣がなく,
両側面が平らで,粘着剤の剝がれ,折れ目,きずなどの使用上支障のある欠点があってはならない。
5.2
寸法
テープの寸法は,6.2によって試験したとき,表2の規定に適合しなければならない。
3
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表2−寸法
特性
JIS C 2107の適用箇条
A種
B種
厚さ mm 箇条4(厚さの測定)
0.2±0.03
許容差は,表示厚さの±0.025又は±
15 %のいずれか大きい方。
幅 mm 箇条5(幅の測定)
6,9,12,15,19,22,25,30,38,50
これら以外の幅は,受渡当事者間の協定による。
幅の許容差は,19以下のものは±1.0,19を超え
るものは±1.5。
長さ m
箇条6(長さの測定)
5,10,16,20,25,33,50,55,66,82
これら以外の長さは,受渡当事者間の協定による。
長さは,表示長さ以上でなければならない。
切れ目
−
1巻の中に切れ目があっても差し支えないが,そ
の切れ目は,両端から2 m以内にないことが望ま
しい。ただし,切れ目については,受渡当事者間
で協定することが望ましい。
巻心
−
テープの巻心としては,内径約25 mm以上のもの
を使用することが望ましい。
5.3
性能
テープの性能は,6.3によって試験したとき,表3の規定に適合しなければならない。
表3−性能
特性
JIS C 2107の適用箇条
種類
A種
B種
腐食関連特性
25 mm当たりの
絶縁抵抗
Ω
又は抽出水のpH
7.6(絶縁抵抗法)
−
1×1011以上
7.3(抽出水のpHの測
定)
−
5.5〜8.0
導電率
mS/m
又は目視
7.4(抽出水の導電率の
測定)
−
2.5以下
7.7(目視法)
−
外観は,IEC 60426の表1に規定する
A/B1.8と同等以上。
引張強さ及び
伸び
引張強さ
N/10mm 箇条8(引張強さ及び
破断時の伸び)
15以上
テープの厚さ1 mm当たり150以上。
伸び
%
100以上
125以上
低温特性a)
柔軟性
− 9.4(柔軟性)
−
クラック,剝がれがあってはならない。
絶縁耐力
− 9.5(絶縁耐力)
−
絶縁破壊を生じてはならない。
昇温貫通抵抗力
℃
箇条10(昇温貫通抵抗
力)
−
50以上
粘着力
試験板粘着力
N/10mm
箇条11(粘着力)
0.5以上
1.8以上
背面粘着力N/10mm
−
1.5以上
低温での背面粘着力
N/10mm
箇条12(低温での背面
粘着力)
−
1.5以上a)
液体浸せき後の背面せん断接着力 N
箇条13(液体浸せき後
の背面せん断接着力)
−
18以上
絶縁耐力
常温
kV/mm 箇条17(絶縁耐力)
25以上
40以上
加湿処理後 kV/mm 箇条18(加湿処理後の
絶縁耐力)
−
35以上
4
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表3−性能(続き)
特性
JIS C 2107の適用箇条
種類
A種
B種
耐燃性
−
箇条19(耐燃性)
−
不燃性又は自己消火性。
熱的耐久性
−
箇条21(熱的耐久性)
−
b)
注記 種類の欄の“−”は,試験の必要がないことを示す。
注a) 低温試験は,表4に規定する条件に従って低温特性について試験し,テープは次に示す最低温度等級でなけ
ればならない。
B1種,B5種及びB9種は0 ℃とする。
B2種,B6種及びB10種は−10 ℃とする。
B3種,B7種及びB11種は−18 ℃とする。
B4種,B8種及びB12種は−33 ℃とする。
b) テープの種類がB1種〜B4種の場合の温度指数は60以上,B5種〜B8種の場合の温度指数は90以上,B9種
〜B12種の場合の温度指数は105以上でなければならない。
暴露温度は,次のとおりとする。
B1種〜B4種は85 ℃,100 ℃及び120 ℃とする。
B5種〜B8種は100 ℃,110 ℃及び120 ℃とする。
B9種〜B12種は120 ℃,130 ℃及び140 ℃とする。
終点の判定基準は,次のとおりとする。
B1種〜B4種に対する終点の判定基準は,絶縁破壊電圧の強さ2.5 kV(金属はく電極法)とする。
B5種〜B12種に対する終点の判定基準は,絶縁破壊電圧の強さ2.5 kV(金属はく電極法)及び質量損失20 %
とする。
表4−低温試験の条件
単位 ℃
最低温度等級
調整温度
低温時の背面粘着力測定温度
0
− 3±1
0±1
−10
−18±1
−10±1
−18
−26±1
−18±1
−33
−40±1
−33±1
6
試験方法
6.1
色・外観
色・外観は,目視によって調べる。粘着剤の剝がれは,テープを3〜5秒間に1 mの速さで約1 m巻き
戻し,粘着剤が背面に移らないかどうかを調べる。
6.2
寸法
寸法は,JIS C 2107の箇条4〜箇条6によって試験する。
6.3
性能
性能は,それぞれの特性に応じて表3に規定するJIS C 2107の該当箇条によって試験する。
7
包装及び表示
7.1
包装
テープは,次のように包装しなければならない。
a) 湿気,ほこり及び日光から保護する。
b) 引き離しやすい。
5
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c) 通常の輸送条件で破損を受けないように保護する。
7.2
テープの表示
テープは,1巻ごとに,巻心又はロールラベルに製造業者名若しくは供給者名,又はこれらの略称若し
くは登録商標の表示がなければならない。
7.3
外装の表示
各輸送用こん包(カートン)の上に次の事項を明瞭に,かつ,容易に消えないように表示しなければな
らない。
a) この規格の番号及び名称
b) 種類又は呼び方
c) 製造業者名若しくは供給業者名,又はこれらの略称若しくは登録商標
d) 色(テープの色が識別できる表示方法であればよい。)
e) 幅
f)
長さ
g) テープの厚さ
h) 数量
i)
保存中,テープが確実に正しい向きに置かれるように“この面が上”の文字,又は同様の文字
8
取扱い上の注意事項
テープは,温度,圧力などによってその品質に影響を受けやすいので,保存及び取扱いに当たっては,
次の事項を守ることが望ましい。
a) 直射日光及び高温の場所は避ける。
b) 変形防止のため横積みは避ける。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 2336:2012 電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ
IEC 60454-3-1:2002 Pressure-sensitive adhesive tapes for electrical purposes−Part
3: Specifications for individual materials−Sheet 1: PVC film tapes with
pressure-sensitive adhesive
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及
び定義
JIS Z 0109を引用
1.3
JISとほぼ同じ。
追加
我が国の実情に合わせて必要な
ため追加。
4 種類及
び呼び方
A種,
B1〜12種
2
タイプ1〜12
追加
従来JIS品をA種として追加。 我が国の実情に合わせて必要な
ため追加。
5 要求事
項
5.1.1 色
色について規定。
5
追加
若葉色,アイボリー色(又はク
リーム色)の追加。
我が国の実情に合わせて必要な
ため追加。
5.2 寸法
A種,
B1〜B12種
3
タイプ1〜12
追加
従来JIS品をA種として追加。 我が国の実情に合わせて必要な
ため追加。
5.3 性能
A種,
B1〜B12種
3
タイプ1〜12
追加
従来JIS品をA種として追加。 我が国の実情に合わせて必要な
ため追加。
6 試験方
法
6.1 色・外観
目視による。
4
追加
色・外観は目視確認を追加。
我が国の実情に合わせて必要な
ため追加。
7 包装及
び表示
包装及び表示につ
いて規定。
5
JISとほぼ同じ。
追加
我が国の実情に合わせて必要な
ため追加。
8 取扱い
上の注意
事項
取扱い上の注意事
項について規定。
−
−
追加
取扱い上の注意事項を追加し
た。
我が国の実情に合わせて必要な
ため追加。
2
C
2
3
3
6
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60454-3-1:2002,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
C
2
3
3
6
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。