C 2330:2014
(1)
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類······························································································································· 2
4 一般要求事項 ··················································································································· 2
5 寸法······························································································································· 2
5.1 厚さ ···························································································································· 2
5.2 幅 ······························································································································· 4
5.3 長さ及び直径 ················································································································ 4
6 フィルム特性 ··················································································································· 4
6.1 物理的特性 ··················································································································· 4
6.2 絶縁耐力(直流試験) ···································································································· 5
6.3 電気的欠陥 ··················································································································· 7
6.4 熱的耐久性 ··················································································································· 9
6.5 ぬれ張力 ······················································································································ 9
6.6 液体の吸収 ··················································································································· 9
6.7 含浸剤の適合性 ············································································································· 9
6.8 含浸状態の誘電正接 ······································································································· 9
6.9 スペースファクタ ·········································································································· 9
7 ロール特性 ····················································································································· 10
7.1 巻取り性(曲がり,たるみ及び伸張率)············································································ 10
7.2 継ぎ目 ························································································································ 11
7.3 ロールの巻きずれ ········································································································· 11
7.4 巻心 ··························································································································· 11
8 包装及び表示 ·················································································································· 12
9 検査······························································································································ 12
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 13
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,電気機能材料工業
会(JEIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS C 2330:2010は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
C 2330:2014
コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム
Biaxially oriented polypropylene (PP) films for capacitors
序文
この規格は,1998年に第1版として発行されたIEC 60674-3-1及びAmendment 1(2011)を基とし,我
が国の実情に合わせて構成及び技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補
(amendment)については,編集し,一体とした。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,コンデンサの誘電体として用いる表面平滑又は粗面フィルム及び両者をコロナ処理した二
軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下,フィルムという。)について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60674-3-1:1998,Plastic films for electrical purposes−Part 3: Specifications for individual
materials−Sheet 1: Biaxially oriented polypropylene (PP) films for capacitors及びAmendment
1:2011(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS C 2150 電気用プラスチックフィルム通則
注記 対応国際規格:IEC 60674-1:1980,Specification for plastic films for electrical purposes. Part 1:
Definitions and general requirements(IDT)
JIS C 2151 電気用プラスチックフィルム試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60674-2:1988,Specification for plastic films for electrical purposes. Part 2:
Methods of test(MOD)
ISO 534:1988,Paper and board−Determination of thickness and apparent bulk density or apparent sheet
density
ISO 11357-3,Plastics−Differential scanning calorimetry (DSC)−Part 3: Determination of temperature and
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enthalpy of melting and crystallization
3
種類
フィルムの種類は,呼び厚さ及び表面処理によって分類し,表1による。
表1−種類
フィルムの種類
呼び厚さ
μm
表面処理
1種a)
表面平滑
1種a
4以上
非処理
1種b
片面コロナ処理
1種c
両面コロナ処理
2種a)
少なくとも片面粗面
2種a
8以上
非処理
2種b
片面コロナ処理
2種c
両面コロナ処理
3種
薄いフィルムで,高い絶縁破
壊の強さをもつ。
3種a
3.5以下
非処理
3種b
片面コロナ処理
3種c
両面コロナ処理
注a) 1種のスペースファクタは,おおよそ5 %未満である。また,2種のスペースファ
クタは,おおよそ5 %以上である。スペースファクタについては,6.9を参照。
4
一般要求事項
フィルムの材料は,基本的にアイソタクチックポリプロピレンホモポリマーから作られ,JIS C 2150の
規定に合ったものでなければならない。
5
寸法
5.1
厚さ
フィルムの厚さは,表2の厚さを推奨する。
3
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表2−厚さの推奨値
種類
呼び厚さ
μm
マイクロメータ法厚さ
μm
質量法厚さ
μm
厚さの許容差
%
1種
4
4.0
3.8
±10
5
5.0
4.8
6
6.0
5.8
7
7.0
6.8
8
8.0
7.8
10
10.0
9.8
12
12.0
11.8
15
15.0
14.8
18
18.0
17.8
20
20.0
19.8
25
25.0
24.8
2種
8
8.0
7.4
±10
9
9.0
8.3
10
9.8
9.0
11
11.0
10.1
12
12.0
11.0
13
13.0
11.8
14
14.0
12.7
15
15.0
13.6
16
16.0
14.5
18
18.0
16.4
20
20.0
18.2
22
22.0
20.0
25
25.0
22.7
30
30.0
27.3
3種
2.5
2.5
2.4
±10
2.8
2.8
2.7
3.0
3.0
2.9
3.5
3.5
3.4
フィルムの厚さの測定方法は,次のa)又はb)による。いずれを用いるかは,受渡当事者間の協定による。
a) 質量法 質量法厚さは,JIS C 2151の4.2(質量法)による。
b) マイクロメータ法 マイクロメータ法は,次による。
1) 測定器具 測定器具は,ISO 534によるか,又はJIS B 7502に規定する測定長25 mm以下で測定力
(5±1) Nの外側マイクロメータとする。いずれを用いるかは受渡当事者間の協定による。
2) 試験片 試験片の寸法は,供試フィルム幅が250 mm以上の場合は図1とし,供試フィルム幅が250
mm未満の場合は受渡当事者間の協定による。ロールの表層から約0.5 mmを層状で重ねたまま切り
出す。この中から12層のフィルムを4組切り出し,試験片とする。
3) 操作 測定の直前に12層からなる試験片の最上層及び最下層を取り除いて,10層を測定に用いる。
測定は,試験片1組について5点(測定位置を,図1の○印で示す。),合計20点について行う。
4) 計算 各測定値を10で除した値を各測定点の厚さとし,全測定点の中央値をもってフィルムのマイ
クロメータ法厚さとする。
4
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単位 mm
図1−厚さの測定位置
5.2
幅
フィルムの幅は,用途が多様であるため,規定しない。幅の許容差は,表3による。その測定方法は,
JIS C 2151の6.(幅)による。
表3−幅の許容差
単位 mm
フィルム幅
幅の許容差
50以下
±0.5
50超
300以下
±1.0
300超
450以下
±2.0
450超
750以下
±4.0
750超
±4.0
5.3
長さ及び直径
ロールに巻いたフィルム長さ及びロール直径は,用途が多様であるため,規定しない。これらは,受渡
当事者間の協定によるのが望ましい。
6
フィルム特性
6.1
物理的特性
物理的特性は,表4による。
5
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表4−物理的特性
特性項目
単位
種類
要求
特性値
試験方法
試験条件など
密度
g/cm3
1種,2種,
3種
0.91±0.01
JIS C 2151の5.
(密度)
呼び厚さ12 μmを超えるフ
ィルムに適用する。メタノ
ール/エチレングリコール
混合液を用いるのがよい。
融点
℃
1種,2種,
3種
165〜175
ISO 11357-3
DSC法を用いる。
引張強さ
縦,横方向
MPa
1種,3種
120以上
JIS C 2151の10.
(引張特性)
条件は,次のとおりとする。
試料幅 (15±3) mm
標線間隔 (100±2) mm
つかみ間隔 (100±2) mm
引張速度 (100±2) mm/min
2種
90以上
破断時の
伸び
縦,横方向
%
1種
40以上
2種,3種
30以上
収縮寸法
変化率
縦,横方向
%
1種,2種,
3種
受渡当事者
間の協定に
よる。
JIS C 2151の21.
(寸法変化)
試験片は,受渡当事者間の
協定による。
表面抵抗
Ω
1種,2種,
3種
1014以上
JIS C 2151の14.a)
(表面抵抗)
−
体積抵抗率
Ω・m
1種,2種,
3種
1015超
JIS C 2151の15.a)
(体積抵抗率)
測定電圧
フィルムの呼び厚さ10 μm
超 (100±10) V
フィルムの呼び厚さ10 μm
以下 (10±1) V
誘電正接
48 Hz〜62 Hz
−
1種,2種,
3種
3×10−4
以下
JIS C 2151の16.
(誘電正接及び
誘電率)
非接触電極又は金属蒸着電
極を用いる。
1 kHz
比誘電率
48 Hz〜62 Hz
−
1種,2種,
3種
2.2±0.1
1 kHz
注記 結晶化度,配向度及びアイソタクチック/アタクチック量のような特性は,フィルム性能にある影響を与え
ることが分かっているが,JIS C 2151にはこれらの試験方法の規定がないため,この規格では推奨しない。
注a) 測定環境は,温度 (23±2) ℃,相対湿度 (50±5) %とし,測定はこの環境にフィルムを24時間置いた後に行
う。
6.2
絶縁耐力(直流試験)
絶縁耐力は,絶縁破壊の強さ又は絶縁破壊電圧によって規定する。いずれを用いるかは,受渡当事者間
の協定による。
a) 絶縁破壊の強さ 絶縁破壊の強さは,表5による。絶縁破壊の強さの試験方法は,JIS C 2151の17.2.1
(巻回式コンデンサ法)による。試験に用いる素子をつくる場合,素子巻の巻取張力は (2.5±0.5)
N/mm2とする。
6
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表5−絶縁破壊の強さ
種類
呼び厚さ
μm
絶縁破壊の強さ
(中央値)
V/μm
21個の測定結果のうち,次の電圧以下で破壊
するものが1個以下でなければならない。
V/μm
23 ℃
105 ℃
23 ℃
105 ℃
1種
4
120以上
−
40
−
5
150以上
−
60
−
6
190以上
−
80
−
7
230以上
−
100
−
8
250以上
−
120
−
10
290以上
−
165
−
12
310以上
−
185
−
12超25以下
320以上
−
200
−
2種
8
230以上
−
100
−
9
250以上
−
120
−
10
270以上
−
145
−
11
290以上
−
165
−
12
300以上
−
175
−
13
310以上
−
185
−
14
315以上
−
195
−
14超30以下
320以上
−
200
−
3種
2.5
250以上
125以上
150
75
2.8
250以上
125以上
150
75
3.0
250以上
125以上
150
75
3.5
250以上
125以上
150
75
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b) 絶縁破壊電圧 絶縁破壊電圧は,表6による。絶縁破壊電圧の試験方法は,JIS C 2151の17.2.2(平
板電極法)による。
表6−絶縁破壊電圧
呼び厚さ
μm
絶縁破壊電圧
kV
平均値
最小値
2.5
0.65以上
0.40
2.8
0.73以上
0.45
3.0
0.78以上
0.48
3.5
0.91以上
0.56
4
1.0以上
0.6
5
1.3以上
0.8
6
1.5以上
1.0
7
2.0以上
1.3
8
2.4以上
1.6
9
3.0以上
1.8
10
3.4以上
2.0
11
3.9以上
2.2
12
4.4以上
2.4
13
4.8以上
2.6
14
5.2以上
2.8
15
5.6以上
3.3
16
6.1以上
3.5
18
7.0以上
4.1
20
7.8以上
4.8
22
8.8以上
5.3
25
10.0以上
6.0
30
11.5以上
7.0
6.3
電気的欠陥
電気的欠陥は,用いる試験方法によって,その要求特性値が異なる。試験方法は,次のa)又はb)とし,
いずれとするかは,受渡当事者間の協定による。
a) ロール状フィルムの試験 ロール状フィルムの試験は,JIS C 2151の18.3[C法(ロール状フィルム
の試験)]による。試験電圧は,フィルムの呼び厚さを基準に,1種及び2種の場合は150 V/µmとし,
3種の場合は250 V/µmとする。試験する面積は5 m2以上とする。この試験で,表7に規定する欠陥
数を超える欠陥があってはならない。
8
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表7−電気的欠陥数(ロール状フィルムの試験)
種類
呼び厚さ
μm
欠陥数
個/m2
1種及び2種
4
2.6
5
2.3
6
1.8
7
1.7
8
1.5
9
1.3
10
1.2
11
1.1
11 超
1.0
3種
2.5
2.6
2.8
2.6
3.0
2.6
3.5
2.6
b) ローラ電極ギャップ法 ローラ電極ギャップ法は,JIS C 2151の18.4[D法(ローラ電極ギャップ法)]
による。試験電圧は,フィルムの呼び厚さを基準に,表8による。試験する面積は5 m2以上とする。
この試験で,表8に規定する欠陥数を超える欠陥があってはならない。
表8−電気的欠陥数(ローラ電極ギャップ法)
種類
呼び厚さ
μm
試験電圧
kV
欠陥数
個/m2
1種及び2種
4
1.4
1.0
5
1.5
0.5
6
1.7
7
1.8
8
2.0
9
2.1
10
2.3
11
2.4
12
2.6
13
2.7
14
2.9
15
3.0
16
3.2
18
3.5
20
3.8
22
4.1
25
4.5
30
5.5
3種
2.5
0.50
2.0
2.8
0.56
3.0
0.60
3.5
0.70
9
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6.4
熱的耐久性
この規格では,熱的耐久性を規定しない。
6.5
ぬれ張力
ぬれ張力は,1種b,1種c,2種b,2種c,3種b及び3種cだけに適用する。試験面のぬれ張力は,
35 mN/m以上とする。その試験方法は,JIS C 2151の9.[ぬれ張力(ポリオレフィンフィルム)]による。
6.6
液体の吸収
液体の吸収は,受渡当事者間の協定による。その試験方法も,受渡当事者間の協定によるが,JIS C 2151
の29.(液体の吸収)を推奨する。
6.7
含浸剤の適合性
含浸剤の適合性は,受渡当事者間の協定による。その試験方法も,受渡当事者間の協定による。
6.8
含浸状態の誘電正接
含浸状態の誘電正接は,受渡当事者間の協定による。その試験方法も,受渡当事者間の協定による。
6.9
スペースファクタ
6.9.0A 一般事項
スペースファクタは,質量法厚さに対するマイクロメータ法厚さの増加率を表し,フィルムの表面粗さ
の指標となる。スペースファクタは,受渡当事者間の協定によるのが望ましい。2種については,SF=(10
±3) %を推奨する。スペースファクタは,次のA法又はB法によって求める。いずれを用いるかは,受渡
当事者間の協定による。
6.9.1
A法
5.1 b) で測定したマイクロメータ法厚さをtbとし,JIS C 2151の4.2で測定した質量法厚さをtgとする
とき,スペースファクタ(SFA)は,次の式によって求める。
100
g
g
b
A
×
−
=
t
t
t
SF
ここに, SFA: A法によるスペースファクタ(%)
tb: マイクロメータ法厚さ(μm)
tg: 質量法厚さ(μm)
6.9.2
B法
a) 装置 B法で用いる装置は,次による。
1) 化学はかり 化学はかりは,感量0.1 mgのものとする。
2) マイクロメータ マイクロメータは,5.1 b) 1)による。
3) 試験片切出しジグ 試験片を切り出すためのジグは,図2による。
単位 mm
図2−スペースファクタ測定用切出しジグ
10
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b) 操作 B法の求め方は,次による。
1) 試験片 供試フィルムに張力をかけず,しわの入らないように平板の上に広げ,その上に試験片切
出しジグを載せジグの内孔に沿ってカッターで試験片5枚を切り出す。このとき,ジグの長辺をフ
ィルムの長さ方向とする。
供試フィルムの幅が100 mm以下の場合は,切断前のフィルムを用いる。
2) 厚さの測定
2.1) マイクロメータ法厚さ 1枚の試験片をその長さ方向に10層に折りたたむ。この試験片の5か所
をマイクロメータではかり平均値を求め,これを10で除した値を試験片のマイクロメータ法厚さ
tmとする。
2.2) シート質量法厚さ 化学はかりで2.1)に用いた試験片の質量msを測定し,試験片の質量法厚さ(tw)
を次の式によって求める。
6
s
w
10
300
100
×
×
×
=ρm
t
ここに,
tw: シート質量法厚さ(μm)
ms: 試験片の質量(g)
ρ: フィルムの密度(g/cm3)
2.3) スペースファクタ 各試験片のスペースファクタ(SFB)は,次の式によって求める。
100
w
w
m
B
×
−
=
t
t
t
SF
ここに, SFB: B法によるスペースファクタ(%)
tm: マイクロメータ法厚さ(μm)
tw: シート質量法厚さ(μm)
c) 計算 試験片1枚ごとのスペースファクタを求め,試験片5枚の平均値をもって供試フィルムのスペ
ースファクタとする。
7
ロール特性
7.1
巻取り性(曲がり,たるみ及び伸張率)
7.1.1
幅150 mm未満のフィルム
幅150 mm未満のフィルムの巻取り性は,表9による。その測定方法はJIS C 2151の7.3(A法)による。
表9−幅150 mm未満のフィルムの巻取り性(曲がり及びたるみ)
項目
巻取り性
曲がり
10 mm未満
たるみ(張力5 MN/m2)
2 mm未満
7.1.2
幅150 mm以上のフィルム
幅150 mm以上のフィルムの巻取り性は,表10による。その測定方法は,JIS C 2151の7.3及びJIS C 2151
の7.4(B法)による。
11
C 2330:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表10−幅150 mm以上のフィルムの巻取り性(曲がり,たるみ及び伸張率)
項目
巻取り性
曲がり
10 mm未満
たるみ(張力 5 MN/m2)
2 mm未満
伸張率a)
0.1 %以下
注a) 伸張率とは,曲がり及びたるみの総量の限界値としての
計測値[JIS C 2151の7.4.4(手順)のa)〜c)を満足する
ための張力下でのフィルムの伸び率]である。
7.2
継ぎ目
ロールに継ぎ目がある場合は,継ぎ目が接合又は非接合であっても,ロールの端面から観察したとき,
継ぎ目が明瞭に見えるようにしなければならない。また,継ぎ目部におけるそれぞれのフィルム端のずれ
は,0.5 mm以下とする。
ロール当たりの継ぎ目の最大数は,表11による。
表11−ロール当たりの継ぎ目の最大数
呼び厚さ
μm
巻心内径 150 mm
巻心内径 38 mm及び76 mm
フィルム幅 350 mm超
フィルム幅
350 mm以下
フィルム幅
350 mm超
外径
外径300 mm以下
300 mm以下
300 mm超
400 mm以下
400 mm超
500 mm以下
3.5以下
1
1
1
1
1
4
3
4
4
3
3
5
2
3
4
3
3
6
2
3
4
2
3
7
2
2
3
2
2
8
2
2
3
2
2
8 超
2
2
2
1
1
7.3
ロールの巻きずれ
ロールの巻きずれ(フィルムの幅とロールの幅との差の最大値)は,表12による。フィルムの幅の測定
は,JIS C 2151の6.による。ロールの幅は,ロール端面間の距離とし,それぞれの端面の最外点間で測定
する。
表12−ロールの巻きずれ
単位 mm
フィルム幅
ロールの巻きずれ
150以下
0.5以下
150超300未満
1.0以下
300以上
2.0以下
7.4
巻心
巻心の内径は,38 mm,76 mm及び150 mmを推奨する。
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C 2330:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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包装及び表示
フィルムの包装及び表示は,JIS C 2150の6.(包装及び表示)による。表示項目については受渡当事者
間の協定によって,一部の項目を省くことができる。
片面にコロナ処理されたフィルムは,表示によってコロナ処理された面が容易に判別できるようにしな
ければならない。
9
検査
検査は,次の項目について行い,箇条5〜箇条8の規定に適合しなければならない。ただし,受渡当事
者間の協定によって,一部の項目を省くことができる。
a) 厚さ
b) 幅
c) 長さ及び直径
d) 密度
e) 融点
f)
引張強さ及び破断時の伸び
g) 収縮寸法変化率
h) 表面抵抗
i)
体積抵抗率
j)
誘電正接
k) 比誘電率
l)
絶縁破壊の強さ又は絶縁破壊電圧(直流試験)
m) 電気的欠陥
n) ぬれ張力
o) 液体の吸収
p) 含浸剤の適合性
q) 含浸状態の誘電正接
r) スペースファクタ
s)
ロール特性
t)
包装及び表示
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C 2330:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 2330:2014 コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム
IEC 60674-3-1:1998 Plastic films for electrical purposes−Part 3: Specifications for individual
materials−Sheet 1: Biaxially oriented polypropylene (PP) films for capacitors及びAmendment 1:2011
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 寸法
5.1 厚さ
4.1
JISとほぼ同じ
変更
IEC規格では質量法厚さが基準である
が,マイクロメータ法厚さを基準にし
て呼び厚さを設定した。
我が国において実績があるため,マイク
ロメータ法厚さを基準にした。
5.2 幅
4.2
JISとほぼ同じ
追加
750 mmを超える幅を追加した。
我が国において実績がある。
IEC規格改訂時に提案する。
6 フィルム
特性
6.1 物理的特性
引張強さ
5.1
3種の引張強さの規
定なし
追加
3種の引張強さに120 MPa以上を追加
した。
Amd.1への記載忘れ。
IEC規格改訂時に提案する。
収縮寸法変化率
試験片はJIS C 2151
の21.1 a) 正方形だけ
選択
短冊状試験片JIS C 2151の21.を追加し
た。
短冊状試験片は我が国において実績があ
る。
試験法の追加をIEC規格改訂に向け準備
中。
比誘電率
周波数の規定なし
追加
誘電正接と同じく,商用周波数(48〜62)
Hz及び1 kHzの条件を明確にした。
試験条件を明確にした。
IEC規格改訂時に提案する。
6.2 絶縁破壊の
強さ又は絶縁破
壊電圧(直流試
験)
5.2
JISとほぼ同じ
変更
呼び厚さは,IEC規格では質量法厚さ
が基準であるが,この規格ではマイク
ロメータ法厚さを基準にしたので,2
種の一部厚さで規格値が異なる。
呼び厚さの設定の違いであり,同等の質
量法厚さでは,同等の絶縁破壊の強さで
あり,問題ない。
巻回式コンデンサ法
だけ
選択
平板電極法を追加し,巻回式コンデン
サ法といずれかを選択できるようにし
た。
我が国において実績がある。
試験法の追加をIEC規格改訂に向け準備
中。
6.3 電気的欠陥
5.3
ロール状フィルム試
験法だけ
選択
ローラ電極ギャップ法を追加し,ロー
ル状フィルム試験といずれかを選択で
きるようにした。
我が国において実績がある。
試験法の追加をIEC規格改訂に向け準備
中。
2
C
2
3
3
0
:
2
0
1
4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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C 2330:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 フィルム
特性
6.9 スペースフ
ァクタ
5.9
推奨するSF値(10±
3) %に種類の記載が
ない。
追加
“2種について”を追加した。
分類にて,2種はSF値がおおよそ5 %以
上と記載されており,編集上の問題と考
えられる。
IEC規格改訂時に提案する。
6.9.2 B法
A法だけ
選択
スペースファクタ試験方法にB法を追
加し,A法といずれかを選択できるよ
うにした。
B法は我が国において実績があり,かつ測
定精度が向上する。
試験法の追加をIEC規格改訂に向け準備
中。
7 ロール特
性
7.1.2 幅150 mm
以上のフィルム
6.1.2
測定方法としてB法
だけ
変更
A法による曲がり及びたるみの測定方
法を追加した。
伸張率はB法で測定できるが,曲がり及
びたるみはA法でないと測定できない。
編集上の問題と考えられる。
IEC規格改訂時に提案する。
7.2 継ぎ目
6.2
JISとほぼ同じ
追加
巻心内径“38 mm”を追加した。
巻心内径38 mm及び76 mmに,“フィ
ルム幅350 mm超”を追加し,外径寸法
はIEC規格は250 mm以下だが,300
mm以下とした。
我が国において実績がある。
IEC規格改訂時に提案する。
7.4 巻心
6.4
JISとほぼ同じ
追加
内径38 mmを追加した。
我が国において実績がある。
IEC規格改訂時に提案する。
8 包装及び
表示
2
Designation
削除
削除した。
我が国では,用いられていない。
包装及び表示
6.5
JISとほぼ同じ
変更
表示項目については受渡当事者間の協
定で一部の項目を省くことができると
した。
コロナ処理面の表示についてはラベル
に限定しないこととした。
我が国の実績では,受渡当事者間で表示
項目を決定している。
IEC規格改訂時に提案する。
9 検査
−
−
追加
検査の規定を追加した。
検査方法を規定するため,規定を追加し
た。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60674-3-1:1998,Amd 1:2011,MOD
2
C
2
3
3
0
:
2
0
1
4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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C 2330:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択 ················ 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
C
2
3
3
0
:
2
0
1
4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。