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C 2323-2:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

2A 用語及び定義 ················································································································ 2 

3 試験における一般注意事項 ································································································· 2 

4 厚さ······························································································································· 3 

5 坪量及び密度 ··················································································································· 3 

6 誘電正接及び誘電率 ·········································································································· 3 

7 引張強さ及び伸び ············································································································· 4 

8 端部引裂強さ ··················································································································· 4 

9 熱収縮率························································································································· 6 

10 絶縁破壊の強さ ·············································································································· 7 

11 水浸液導電率 ················································································································· 8 

12 水分 ····························································································································· 9 

13 灰分 ····························································································································· 9 

13A 熱的耐久性† ················································································································ 10 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 11 

C 2323-2:2015  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,電気機能材料工業会(JEIA)及び一般財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 2323の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 2323-1 第1部:定義及び一般要求事項 

JIS C 2323-2 第2部:試験方法 

JIS C 2323-3-3 第3-3部:個別製品規格−アラミド紙 

この規格で†マークの付いている2A.3及び箇条13Aは,UL(Underwriters Laboratories Inc.)によるUL746B 

高分子材料の長期熱劣化試験(Standard for Polymeric Materials−Long Term Property Evaluations)から引用し

た記述であり,同社の文書による承諾を得ている。同社から事前に文書による承諾を得ない限り,これら

の記述を複製してはならない。 

“The description with † mark at section 2A.3 and 13A in this standard were adopted from "UL746B−Standard 

for Polymeric Materials−Long Term Property Evaluations" by Underwriters Laboratories Inc. with the written 

consent. No additional reproduction may be made of these material without the prior written consent of UL.” 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 2323-2:2015 

電気用非セルロース紙−第2部:試験方法 

Non-cellulosic papers for electrical purposes-Part 2: Methods of test 

序文 

この規格は,2001年に第1版として発行されたIEC 60819-2を基とし,我が国の実情に合わせるため技

術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,個別製品規格の要求事項への適合性を確認するために行う電気用非セルロース紙の試験方

法について規定する。 

警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置を取らなければな

らない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60819-2:2001,Non-cellulosic papers for electrical purposes−Part 2: Methods of test(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 2110-1 固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第1部:商用周波数交流電圧印加によ

る試験 

注記 対応国際規格:IEC 60243-1:1998,Electrical strength of insulating materials−Test methods−Part 

1: Tests at power frequencies(MOD) 

JIS C 2138 電気絶縁材料−比誘電率及び誘電正接の測定方法 

注記 対応国際規格:IEC 60250:1969,Recommended methods for the determination of the permittivity 

and dielectric dissipation factor of electrical insulating materials at power, audio and radio 

frequencies including metre wavelengths(MOD) 

JIS K 7128-2 プラスチック−フィルム及びシートの引裂強さ試験方法−第2部:エルメンドルフ引

裂法 

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C 2323-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 7128-3 プラスチック−フィルム及びシートの引裂強さ試験方法−第3部:直角形引裂法 

JIS P 8113 紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法 

注記 対応国際規格:ISO 1924-2,Paper and board−Determination of tensile properties−Part 2: Constant 

rate of elongation method (20 mm/min)(MOD) 

JIS P 8118 紙及び板紙−厚さ,密度及び比容積の試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 534:1988,Paper and board−Determination of thickness and apparent bulk 

density or apparent sheet density(MOD) 

JIS P 8124 紙及び板紙−坪量の測定方法 

注記 対応国際規格:ISO 536:1995,Paper and board−Determination of grammage(MOD) 

2A 用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

2A.1 

試料 

シートから裁断した指定寸法の紙又は板紙。 

2A.2 

試験片 

試験方法の規定に従って試験するための紙又は板紙の一片又は数片。試験片は試料から採取してもよい

し,又は試料自体であってもよい。 

2A.3† 

相対温度指数,RTI(Relative Temperature Index) 

材料が高温に長期間さら(曝)されたとき,電気的,機械的などの特定の性質をどの程度保持できるか,

熱的耐久性の程度を相対的に示す指標。RTIを評価しようとする試験材料とRTIが既知の参照材料とを,

同じ劣化処理及び判定方法に従って比較試験を行ったとき,参照材料の既知の温度に対応する時間から得

られる試験材料の温度。 

試験における一般注意事項 

3.0A 一般事項 

試験は,特に指定がない限り,3枚の試験片で実施する。 

調湿は,3.1による。疑義がある場合には3.2による。アラミド紙及びマイカを充塡したアラミド紙で試

料の水分が約1 %以下のおそれがある場合には,3.2Aによる。 

3.1 

調湿 

調湿は,特に指定がない限り,試料に対して23 ℃±2 ℃及び相対湿度(50±5)%の雰囲気で16時間

以上行う。試験は,この雰囲気で実施する。 

3.2 

乾燥後調湿する方法 

3.1に疑義がある場合は,調湿の前に,全ての試料を70 ℃±2 ℃で乾燥させ,水分を4 %以下にする。

これらの試料に対し23 ℃±1 ℃及び相対湿度(50±2)%で18時間以上調湿する。 

3.2A 加速調湿する方法 

アラミド紙及びマイカを充塡したアラミド紙で試料の水分が約1 %以下のおそれがある場合には,試料

を42 ℃±2 ℃及び相対湿度(90±5)%の条件下で,個別製品規格の規定によって調湿する。 

C 2323-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

厚さ 

4.1 

測定方法 

試験片1枚ごとの厚さの測定は,ダイヤル式マイクロメータを用いて,JIS P 8118によるほか,4.2によ

って測定する。 

このマイクロメータで試験片に与える加圧面間の圧力は,100 kPa±10 kPaとする。 

4.2 

厚さ測定での注意事項 

厚さ測定での注意事項は,次による。 

− 調湿済みの3枚〜7枚の試験片のそれぞれについて測定を行う。 

− 測定結果は,平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

− 厚さの単位は,ミリメートルとする。 

なお,密度0.5 g/cm3以下の試験片の場合,マイクロメータの加圧面の直径は,16.0 mm±0.5 mmとし,

加圧面間の圧力は,50 kPa±5 kPaで測定を行う。 

坪量及び密度 

5.1 

坪量の測定方法 

坪量の測定は,JIS P 8124によるほか,5.2による。 

各試験片の面積及びその質量は,調湿済み試験片で測定する。単位面積当たりの質量を計算する。 

5.2 

坪量測定での注意事項 

坪量測定での注意事項は,次による。 

− 試験片の面積は,500 cm2以上とし,厚さ測定に用いた試験片と同数の調湿済み試験片のそれぞれにつ

いて測定する。厚さ測定に用いた試験片を,そのまま坪量の測定に使用してもよい。 

− 質量は,0.5 %の精度で測定する。 

− 坪量の単位は,グラム毎平方メートル(g/m2)とする。 

− 測定結果は,平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

5.2A 密度 

密度は,5.2で求めた坪量を箇条4で求めた厚さで除して,単位体積当たりの質量を算出する。 

密度の単位は,グラム毎立方センチメートル(g/cm3)とする。 

厚さ及び坪量の測定を同一試験片で実施した場合には,個々の試験片の測定結果から密度を計算し,そ

の平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。さらに,最大値及び最小値を記録する。 

誘電正接及び誘電率 

6.1 

測定方法 

誘電正接及び誘電率の測定は,JIS C 2138による。試験は,3枚〜7枚の試料を用いて行う。試験片の調

湿は,特に指定がない限り,3.1による。 

6.2 

測定周波数及び印加電圧 

測定周波数は,特に指定がない限り,48 Hz〜62 Hzとし,3.1に従った環境で試験を行う。試験片への

印加電圧は,約0.4 kV/mmとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.3 

測定結果 

誘電正接及び誘電率の測定結果は,平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

引張強さ及び伸び 

7.1 

測定方法 

引張強さ及び伸びの測定は,個別製品規格で特に指定がない限り,JIS P 8113によるほか,7.2による。 

特に指定がない限り,3.1に従って調湿した試料から,縦方向及び横方向に沿って切り出した幅15 mm,

長さ約250 mmの試験片を,引張試験機に挟み,破断するまで引っ張る。 

さらに,アラミド紙及びマイカを充塡したアラミド紙の場合には,特に指定がない限り,次の条件によ

る。 

− 試験片の幅25.4 mm±0.5 mm又は12.7 mm±0.5 mm,長さ約207 mmの試験片 

− つかみ間隔127 mm±1 mm 

− 伸張速度50 mm/min±5 mm/min 

7.2 

引張強さ及び伸び測定の注意事項 

引張強さ及び伸び測定の注意事項は,次による。 

− 縦方向及び横方向から,それぞれ9枚の試験片を採取し測定する。 

− それぞれの方向での測定結果は,9枚の平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

− 引張強さの代わりに,次の式を用いて測定結果を100 m単位に丸めた裂断長(km)で表してもよい。 

3

10

8.9

1

×

×

×

=

b

W

F

L

ここに, 

L: 裂断長(km) 

F: 切断時の力(N) 

W: 試験片の坪量(g/m2) 

b: 試験片の幅(mm) 

端部引裂強さ 

8.1 

一般事項 

端部引裂強さの測定は,特に指定がない限り,8.2〜8.4のいずれの方法を用いてもよい。ただし,用い

た方法を明記する。 

8.2 

A法 

8.2.1 

試験装置 

装置は,JIS P 8113に規定する引張試験機に,あぶみ形端部引裂器具(図1参照)を取り付けたものを

用いる。あぶみ形端部引裂器具は,あぶみ形の枠の先端に浅いV形の切込み(以下,V形切込みという。)

が入った鋼板Aを両端で取り付けた構造とする。 

V形切込みが入った鋼板は,あぶみ形の枠から取外しができ,厚さの異なった2種類の鋼板を,厚さの

異なる材料に応じて使い分ける。鋼板の厚さは,1.25 mm±0.05 mm又は2.50 mm±0.05 mmとする。V形

切込みの角度は,150°±1°とする。V形切込みの端面は,その断面が半円形で,滑らかで,かつ,真っ

すぐでなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図1−あぶみ形端部引裂器具 

8.2.2 

試験片 

試料の縦方向及び横方向にそれぞれ9枚の試験片を採る。大きさは,幅15 mm〜25 mm,長さ250 mm

以上とする。切断に伴う欠け,その他の欠点がある試験片は,使用しない。 

試験片の調湿は,特に指定がない限り,3.1による。 

8.2.3 

手順 

あぶみ形の枠に,紙の厚さに応じた厚さの鋼板を取り付ける。厚さ0.75 mm以下の紙には厚さ1.25 mm

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

±0.05 mmの鋼板を,0.75 mmを超える紙には厚さ2.50 mm±0.05 mmの鋼板を用いる。 

あぶみ形端部引裂器具の取っ手を,引張試験機の下側つかみ具に固定し,あぶみ形端部引裂器具の垂直

方向の中心線と,上側及び下側つかみ具の中心点を結ぶ線とを一致させる。 

さらに,V形切込みの両端がつかみ具の中心線に対して,対称な位置にくるよう調整する。 

必要に応じて,あぶみ形端部引裂器具を上側つかみ具に固定してもよい。この場合,あぶみ形端部引裂

器具の質量が追加されるため,引張試験機のゼロ補正をする必要がある。 

上側つかみ具の下端が,V形切込みが入った鋼板の約90 mm上になるように,引張試験機の下側つかみ

具を取り付ける。 

試験片は,鋼板の下からあぶみ形端部引裂器具に通し,試験片の両端を重ね合わせ,上側つかみ具に固

定する。この操作で試験片の緩みをできるだけ除く。この時点で試験片に引裂力が加わらないよう,注意

する。 

最初の力が試験片にできるだけ緩やかに加わるようにし,つかみ具の慣性力によって発生するひずみを

最小にする。 

速度は,引裂きが5秒〜15秒の時間で始まる負荷となるように調整し,引裂きが始まったときの力をニ

ュートン(N)で記録する。 

8.2.4 

結果 

結果は,それぞれの方向について平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。端部引裂強さは,

ニュートン(N)で表す。用いた鋼板の厚さ,加圧速度,並びに試験片の幅及び厚さを記録する。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

8.3 

B法 

B法は,JIS K 7128-2によって行う。その際の注意事項は,a) 及びb) による。 

a) 試料の縦方向及び横方向にそれぞれ9枚の試験片を採る。 

b) 結果は,それぞれの方向について平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

8.4 

C法 

C法は,JIS K 7128-3によって行う。その際の注意事項は,a) 及びb) による。 

a) 試料の縦方向及び横方向にそれぞれ9枚の試験片を採る。 

b) 結果は,それぞれの方向について平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

熱収縮率 

9.0A 一般事項 

熱収縮率試験は,試験片の吸脱湿による影響を排除し,高温による試験片の不可逆的な収縮率を測定す

る。 

9.1 

試験装置 

試験装置は,次による。 

a) ±0.2 mmの精度で250 mmの長さを測定できる器具とする。 

b) 130 ℃〜300 ℃の設定温度で庫内温度を±5 ℃に制御できるオーブンとする。 

9.2 

試験片 

試験片は,一辺が紙の縦方向に平行及び垂直になるように採取する。 

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採取する試験片は,3枚とし,各辺の寸法が245 mmを超える長方形とする。 

縦方向及び横方向を別に測定する場合は,測定方向の一辺が245 mmを超えるものを各3枚採取する。 

各試験片には,縦方向を識別できるようにマークを付ける。 

9.3 

手順 

手順は,次による。 

a) 全ての試験片は,寸法を計測する前に,特に指定がない限り,3.1に従って調湿し,同雰囲気で平たん

な表面上に置く。 

b) 試験片ごとに,縦方向及び/又は横方向の寸法を測定し,記録する。 

c) 各試験片は,オーブン内で垂直につるす。このとき,熱暴露中に発生する反りを抑制するために,下

端に軽いおもりを取り付ける。 

d) 個別製品規格に規定した温度にオーブンを設定し,昇温させる。 

e) オーブンが設定温度に到達したら暴露時間の計測を開始する。 

f) 

個別製品規格に規定した暴露時間の後,試験片を乾燥剤入りデシケータに入れて室温まで冷却する。

その冷却時間は,4時間とする。 

g) 冷却後試験片を箇条3によって再調湿する。 

h) 調湿後,b) に従い,各試験片の各方向の寸法を測定する。 

i) 

収縮率は,試験片ごとに,次の式によって計算する。 

%

100

1

2

1

×

=

L

L

L

S

ここに, 

S: 熱収縮率 

L1: 加熱前の寸法(mm) 

L2: 加熱後の寸法(mm) 

9.4 

試験結果 

測定結果は,それぞれの方向で,3枚の平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

乾燥温度を記録する。 

10 絶縁破壊の強さ 

10.1 試験装置 

JIS C 2110-1に従った試験装置を用いる。電極は,JIS C 2110-1の5.2.1.1(異径電極)に規定する直径

25 mmの上部円柱電極と75 mmの下部円柱電極との組合せが望ましい。試験片の寸法が小さすぎるために

これらの電極を使用できない場合,JIS C 2110-1の5.2.2(テープ,フィルム及び幅の狭い材料)に規定す

る直径6 mmの上下円柱電極を用いてもよい。ただし,アラミド紙及びマイカを充塡したアラミド紙の場

合は,上下とも直径51 mmの円柱電極を用いてもよい。 

上下電極は,平行で,くぼみ及び欠点のないものを用いる。 

10.2 試験片 

全ての試験片は,箇条3によって試験前に調湿する。 

各試験片の寸法は,試験片の沿面せん絡を防止するのに十分な大きさとする。 

試験片は,9回の試験を行うのに十分な量を,試料から1枚以上採取する。 

C 2323-2:2015  

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10.3 手順 

試験片の厚さは,箇条4に従って測定する。 

絶縁破壊試験は,JIS C 2110-1の10.1[短時間(急速昇圧)試験]によって大気中で9回行い,絶縁破

壊電圧を記録する。 

絶縁破壊の判定基準は,JIS C 2110-1の箇条11(絶縁破壊の判定基準)に従う。 

10.4 結果 

絶縁破壊の強さは,それぞれの試験片ごとに絶縁破壊電圧を,試験片の測定厚さで除して求める。 

JIS C 2110-1の箇条13(報告)に従って報告する。 

測定結果は,平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

絶縁破壊の強さは,ミリメートル当たりのキロボルト(kV/mm)で表す。 

使用した各電極の寸法を記録する。 

11 水浸液導電率 

11.1 試験装置 

試験装置は,次による。 

− 導電率測定用セルは,セル定数Kが既知のものを用いる。 

− 測定装置は,50 Hz〜30 000 Hzの周波数範囲において,精度5 %で,最小目盛0.001 mSのコンダクタ

ンスを測定できるもの,又は同じ精度で抵抗を測定できるのものとする。 

− 抽出用器具は,耐酸性かつ耐アルカリ性のガラス製の250 cm3の広口三角フラスコ及び環流冷却器付

とする。ただし,フラスコは,11.2の導電率が0.2 mS/m以下のものを用いる。 

− 試料の測定は,±0.05 gまで計測できる天びんを用いる。 

− 水は,25 ℃において,体積抵抗率が0.01 MΩmより大きく,pHが6.20〜7.50の範囲にある蒸留水又

は,イオン交換水を用いる。 

11.2 空試験 

抽出試験前に水約125 mlをフラスコに注ぎ,煮沸前に還流冷却器をフラスコに取り付け,約60分煮沸

して空試験を行う。この導電率が0.2 mS/m以下の場合は,そのフラスコを用いる。導電率が0.2 mS/mを

超える場合は,新しい水でこのフラスコをもう一度煮沸する。二度目の空試験の導電率も0.2 mS/mを超え

る場合は,別のフラスコを用いる。3個抽出し,それぞれから測定値を求める。 

11.3 手順 

受理した試料を約10 mm×10 mmの大きさに切り,約20 gの試験片を採る。 

試験片5 g±0.5 gを環流冷却器を付けたフラスコ中へはかり採り,水100 cm3を加える。この水を約60

分緩やかに煮沸する。還流冷却器を取り外し,空気から二酸化炭素が吸収されないようにフラスコに栓を

する。そのフラスコの中で室温まで冷却する。 

導電率測定用セルは,抽出液で2回洗浄する。抽出液は,洗浄後できる限り速やかに,測定用セルに静

かに入れる。導電率の測定は,23 ℃±0.5 ℃で行う。 

この操作を3個のフラスコで行う。 

試料の採取,保管,取扱い及び試験の各作業工程において,大気,特に化学実験室の大気及び素手によ

る取扱いによって汚染のないようにする。 

C 2323-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11.4 結果 

水浸液導電率は,次の式によって求める。 

(

)

2

1G

G

K

=

γ

ここに, 

γ: 抽出液の導電率(mS/m) 

K: セル定数(m−1) 

G1: 抽出液のコンダクタンス(mS) 

G2: 空試験のコンダクタンス(mS) 

測定結果は,その平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

12 水分 

12.1 原理 

水分は,試料採取時の試験片の質量と,105 ℃±2 ℃のオーブン中で,一定の質量になるまで乾燥した

後の試験片の質量とから求める。 

12.2 試験片 

試験片は,未調湿の2枚以上の試料から任意の寸法で10 gを超える質量を採取する。 

12.3 手順 

試験片の質量を±0.05 %の精度の天びんで量る。 

試験片を105 ℃±2 ℃のオーブン中で恒量になるまで乾燥する。乾燥剤入りデシケータ中で室温になる

まで冷却した後,質量を量る。 

12.4 結果 

水分は,次の式によって求める。 

%

100

1

2

1

×

=

W

W

W

M

ここに, 

M: 水分 

W1: 試料採取時の試験片質量(g) 

W2: 乾燥後の試験片質量(g) 

測定結果は,全試験片の平均値で記録する。ただし,中央値を用いてもよい。 

さらに,最大値及び最小値を記録する。 

13 灰分 

この試験は,極高温の大気中にさら(曝)された後の試料の減量を測定する。 

13.1 原理 

灰分は,調湿後の試験片の質量と,650 ℃±5 ℃の電気炉で1時間焼却した後の試験片の質量とから求

める。 

13.2 試験片 

試験片は,箇条3に従って調湿した試料から1 g〜5 g採取する。 

13.3 手順 

試験片の質量を±0.05 %の精度の天びんで量る。 

試験片を650 ℃±5 ℃の電気炉で1時間焼却する。乾燥剤入りデシケータ中で室温になるまで冷却した

後,質量を量る。 

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10 

C 2323-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

13.4 結果 

灰分は,次の式によって求める。 

%

100

1

2

1

×

=

W

W

W

X

ここに, 

X: 灰分 

W1: 調湿後の試験片質量(g) 

W2: 焼却後の試験片質量(g) 

測定結果は,全試験片の平均値で記録する。 

13A 熱的耐久性† 

電気用非セルロース紙の熱的耐久性は,相対温度指数,RTI(Relative Temperature Index)を指標として,

長期熱劣化試験によって求める。 

長期熱劣化試験は,材料を幾つかの異なる高温中であらかじめ決めた水準まで劣化させ,終点に至るま

での変化を測定し,回帰分析によって,劣化速度と温度との関係を表すアーレニウスの式を求める。 

RTIを新たに求める場合には,RTIが既知の材料(コントロール材料)及びRTIを新たに評価しようと

する材料(キャンディデート材料)を同一の試験条件で劣化させ,双方のアーレニウスの式を比較するこ

とによって,既知の材料に対する相対的な指標として求める。 

なお,長期熱劣化試験を実施する際の注意事項は,a)〜e) とする。 

a) 終点の判断は,材料の特性が初期値の50 %に低下した場合とするが,用途によっては,それ以外の適

切な低下度合いを設定できる。 

b) 電気用非セルロース紙の熱劣化後の特性評価は,機械的特性を評価する場合には,引張強さ(箇条7

参照)で,電気的特性を評価する場合には,絶縁破壊の強さ(箇条10参照)で実施するが,用途によ

っては,適切な特性測定項目を設定できる。 

c) 熱劣化試験は,通常,RTIが既知の材料と,RTIを新たに評価しようとする材料とを同一のオーブン

に入れて実施するが,既知の材料の比較データが存在しない場合,評価しようとする材料のアーレニ

ウス式を求め,100 000時間の外挿をRTIの決定に用いることができる。 

d) サンプリングは,RTIが既知の材料及びRTIを新たに評価しようとする材料で,同一のサンプリング

方法を用いなければならない。 

e) 熱劣化温度の選定は,4点以上の異なる温度を選ぶ。最低熱劣化温度は,その温度での評価材料の予

想される終点が,5 000時間以上になるように,最高熱劣化温度は,予想される終点が,500時間以上

になるようにする。 

注記 詳細は,UL746Bを参照。 

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11 

C 2323-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 2323-2:2015 電気用非セルロース紙−第2部:試験方法 

IEC 60819-2:2001,Non-cellulosic papers for electrical purposes−Part 2: Methods of 
test 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

2A 用語
及び定義 

箇条13Aに関連す
るRTIの定義を
2A.3に追加。 

− 

− 

追加 

箇条13Aの用語の定義を追加。  

3 試験に
おける一
般注意事
項 

3.2A 加速調湿法を
追加。 

JISとほぼ同じ 

追加 

IEC規格の調湿条件を一律に
適用した場合,適切な水分率に
ならない試験片が存在するた
め,加速調湿法を追加。 

我が国で流通している製品の実
情に合わせて,追加を行う。 
国際規格の見直しの際,提案を行
う。 

4 厚さ 

密度0.5 g/cm3以下
の試験片を測定す
る条件を規定。 

JISとほぼ同じ 

追加 

IEC規格の条件では,密度0.5 
g/cm3以下の柔らかい試験片を

測定した場合に,厚さが適切に
測定できない。 

我が国で流通している製品の実
情に合わせて,変更,追加を行う。 
国際規格の見直しの際,提案を行
う。 

5 坪量及
び密度 

5.2A 密度の計算方
法を追加。 

JISとほぼ同じ 

追加 

IEC規格では,密度の計算方法
に関する規定がないため,追
加。 

我が国で流通している製品の実
情に合わせて,変更,追加を行う。 
国際規格の見直しの際,提案を行
う。 

7 引張強
さ及び伸
び 

7.1 アラミド紙及び
マイカを充塡した
アラミド紙の測定
条件を追加。 

JISとほぼ同じ 

追加 

アラミド紙及びマイカを充塡
したアラミド紙は,厚さと密度
に幅があり,これを同一の試験
器で測定するための条件を追
加。 

我が国で流通している製品の実
情に合わせて,変更,追加を行う。 
国際規格の見直しの際,提案を行
う。 

2

C

 2

3

2

3

-2

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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12 

C 2323-2:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

8 端部引
裂強さ 

8.3 B法としてJIS 
K 7128-2,及び8.4 C
法としてJIS K 
7128-3を追加。 

JISとほぼ同じ 

追加 

これらの試験方法は,IEC規格
には規定されていないが,我が
国では広く用いられている。 

我が国で流通している製品の実
情に合わせて,変更,追加を行う。 
国際規格の見直しの際,提案を行
う。 

9 熱収縮
率 

熱収縮率の原理を
追加し,調湿手順を
追加。 

JISとほぼ同じ 

変更 

試験の原理を明確にした説明,
及び高温での不可逆的な熱収
縮だけを測定する手順を追加
し,試験内容を変更。 

我が国で流通している製品の実
情に合わせて,変更,追加を行う。 
国際規格の見直しの際,提案を行
う。 

10 絶縁破
壊の強さ 

10.1 上下直径51 
mmの円柱電極を使
用する条件を併記。 

10 

JISとほぼ同じ 

追加 

試験片のばらつきをより多く
測定できる方法を採用。 

我が国で流通している製品の実
情に合わせて,変更,追加を行う。 
国際規格の見直しの際,提案を行
う。 

13 灰分 

13.2 採取する試料
の重さを変更。 

13 

JISとほぼ同じ 

変更 

10 gを超える試料を採収でき
るるつぼは我が国では一般的
でないため,変更。 

我が国で流通している製品の実
情に合わせて,変更,追加を行う。 
国際規格の見直しの際,提案を行
う。 

13A 熱的
耐久性 

箇条13Aを追加。 

− 

− 

追加 

非セルロース紙の熱的耐久性
は使用者が求める重要な要求
事項の一つであるため,その測
定法を明確にし,追加。 

我が国の市場の実情に合わせて
いるが,将来的にはIECの普及を
待って,製品の実情に合わせて
IEC(JIS C 2143規格群)を採用
することが望ましい。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60819-2:2001,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

C

 2

3

2

3

-2

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。