C 2220:2008 (IEC 60371-3-2:2005)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 一般······························································································································· 2
3.1 種類及び製品の呼び方(製品記号)··················································································· 2
3.2 受渡しの標準形態 ·········································································································· 2
3.3 表示 ···························································································································· 2
4 一般要求事項 ··················································································································· 2
4.1 受渡しの状態 ················································································································ 2
4.2 特性 ···························································································································· 3
5 試験······························································································································· 3
5.1 試験片 ························································································································· 3
C 2220:2008 (IEC 60371-3-2:2005)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,電気機能材料工業
会(JEIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS C 2220:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
C 2220:2008
(IEC 60371-3-2:2005)
電気絶縁用集成マイカ
Mica paper for electrical insulating materials
序文
この規格は,2005年に第2版として発行されたIEC 60371-3-2を基に,技術的内容及び対応国際規格の
構成を変更することなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,マイカ板,フレキシブルマイカ,形造用マイカ及び成形品のようなマイカ製品に加工され
る電気絶縁用集成マイカ(以下,集成マイカという。)について規定する。
この規格に適合する製品は,一般の用途では十分な水準の性能をもつ。特別な用途の場合は,この規格
だけではなく,その用途に適合した必要事項を受渡当事者間で取り決める必要がある。
注記1 この規格は,電気絶縁用集成マイカの特性について規定するものであって,この規格によっ
て適合性評価を行うことは,意図していない。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60371-3-2:2005,Insulating materials based on mica−Part 3: Specifications for individual
materials−Sheet 2: Mica paper (IDT)
なお,対応の程度を表す記号 (IDT) は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを
示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)には適用しない。
JIS C 2111:2002 電気絶縁紙試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60554-2:2001,Cellulosic papers for electrical purposes−Part 2: Methods of test
(MOD)
JIS C 2116:2004 電気絶縁用マイカ製品試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60371-2:2004,Specification for insulating materials based on mica−Part 2:
Methods of test (MOD)
JIS C 2250:9999 電気絶縁用マイカ製品通則
注記 対応国際規格:IEC 60371-1:2003,Specification for insulating materials based on mica−Part 1:
Definitions and general requirements (IDT)
JIS P 8124:1998 紙及び板紙−坪量測定方法
注記 対応国際規格:ISO 536:1995,Paper and board−Determination of grammage (MOD)
2
C 2220:2008 (IEC 60371-3-2:2005)
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ISO 534:2005,Paper and board−Determination of thickness, density and specific volume
ISO 5636-5:2003,Paper and board−Determination of air permeance and air resistance (medium range)−Part
5: Gurley method
IEC 60589:1977,Methods of test for the determination of ionic impurities in electrical insulating materials by
extraction with liquids
3
一般
3.1 種類及び製品の呼び方(製品記号)
集成マイカは,使用するマイカ原鉱の種類及び製造方法によって幾つかの種類・クラスに分類する。こ
れらは,厚さ,単位面積質量,物理的特性及び化学的特性が異なる。
マイカ原鉱の種類は,次による。
− MPM :硬質集成マイカ
− MPP :軟質集成マイカ
マイカ原鉱の種類に製造方法を加味したクラス分けは,次による。
− MPM クラス1:硬質焼成集成マイカ(化学的製法)
− MPM クラス2:硬質焼成集成マイカ(機械的製法)
− MPM クラス3:硬質無焼成集成マイカ
− MPP
クラス4:軟質集成マイカ
上記のクラスは,気密度,含浸性,引張強さなどの特性によって区別する。これらの特性は,単位面積
質量に対して表し,図1〜図3による。
注記 MPMクラス1及びMPMクラス2の原料は,その中間特性の集成マイカを得る目的で,混合す
ることができる。その配合は,受渡当事者間の協定による。
製品の呼び方(製品記号)は,規格番号,マイカ原鉱の種類並びにクラス(1けた目)及び単位面積質
量(2けたから4けた目)を示す4けたの数字で表す。
例 JIS C 2220 MPM 1050:単位面積質量50 g/m2の硬質焼成集成マイカで,表2のクラス1(MPM)の
特性を満足するもの。
3.2 受渡しの標準形態
集成マイカは,ロール又はシート状で供給する。
3.3 表示
この規格に従って供給する集成マイカのロール及びシートは,次の表示をしなければならない。
a) 製造業者名及び商品名
b) ロット番号
c) 3.1に従った製品記号
d) ロール又はシートの正味質量
表示は,集成マイカのロール又はシートを完全に使い切るまで読み取ることができるように,確実に固
定しなければならない。
4
一般要求事項
集成マイカは,JIS C 2250の要求事項及びこの規格による。
4.1 受渡しの状態
3
C 2220:2008 (IEC 60371-3-2:2005)
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集成マイカのロールは,端面がそろった状態で供給し,使用時に巻き戻すとき,竹の子状にならないよ
う,固く巻かれていなければならない。
集成マイカシートの幅,ロールの幅,巻心の幅及びロールの外径は,受渡当事者間の協定による。
製品は,輸送,取扱い及び保管中に,適切に保護するようにこん包するのが望ましい。こん包に関する
要求事項は,受渡当事者間の協定による。
シート状又はロールを巻き戻した集成マイカは,表面が平滑で,局部的なへこみ,孔,しわ,汚れなど
の欠点がなく,大きなマイカ片,導電性の異物などを含んではならない。
集成マイカは,継ぎがあってはならない。
4.2 特性
特性は,箇条5及び表2に示す試験方法によって試験し,表2による。
5
試験
5.1 試験片
各試験に必要な試験片数は,表2の試験方法による。
ロール状の場合は,最外層から2層以上取り除いた後,約1 m2を採取する。
シート状の場合は,それぞれのロットに対して要求を満たすような試験片を1枚のシートから採取する。
5.1.1 試験片の採取及び準備
試験片は,幅方向の偏りがないように切断し,その切断面は,真っすぐで,裂け目及びきずがあっては
ならない。可能な場合は,打抜き切断が望ましい。
5.1.2 試験片寸法
各試験の試験片寸法は,表1による。
厚さは,試験片を対角線に沿っておおよそ等間隔に10点測定し,平均で表し,表2による。
表1−試験片寸法
要求事項
試験方法
試験片
規格番号
箇条番号
寸法
mm
許容差
mm
単位面積質量
JIS C 2111
6.
100×100
±0.2
水浸液導電率
IEC 60589
−
又は
加熱減量(500 ℃)
JIS C 2116
9.4.1
φ113
±0.2
引張強さ
JIS C 2111
8.
15×250
±0.2
気密度
ISO 5636-5
−
50×120
±1
含浸性
JIS C 2116
22.
75×75
±1
4
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表2−集成マイカの特性
ク
ラ
ス
単位面積
質量の
範囲
品種例
単位面積質量
厚さ
気密度b)
含浸性
毛布面
水浸液
導電率
加熱減量
引張強さ
呼び値
呼び値と
平均値と
の許容差
呼び値と
各点との
許容差
期待値
平均値
に対する
各点の
許容差
g/m2
g/m2
%
%
μm
%
s/100 ml
s
μS/cm
%
N/cm
試験方法
JIS C 2111の6.及びJIS P 8124
JIS C 2111の5.1及び
ISO 534
ISO
5636-5
JIS C 2116
の22.
IEC 60589
JIS C 2116
の9.4.1
JIS C 2111
の8.
1
50以上
120以下
MPM 1050
MPM 1060
MPM 1075
50
60
75
±4
±6
45
50
60
±10
図1
図2
70以下
0.5以下
図3
2
120以上
300以下
MPM 2120
MPM 2150
MPM 2180
MPM 2250
120
150
180
250
±4
±7
90
110
130
180
±14
図1
図2
20以下
0.5以下
図3
3
80以上
560以下
MPM 3080
MPM 3120
MPM 3160
MPM 3250
MPM 3370
80
120
160
250
370
±5
±7〜±12a)
55
85
105
160
240
±15
図1
図2
10以下
0.4以下
図3
4
60以上
250以下
MPP 4080
MPP 4120
MPP 4160
80
120
160
±5
±7〜±12a)
60
75
95
±15
図1
図2
10以下
0.4以下
図3
注a) この値は,この種類の集成マイカの呼び厚さと各点の厚さとの最大許容差が±7 %〜±12 %であり,原料マイカの大きさに依存していることを示している。
個々の許容差は,受渡当事者間の協定による。
b) 気密度の定義は,ISO 5636-5:2003の3.2 (Air Resistance) による。測定値は,(s/100 ml) で表す。
2
C
2
2
2
0
:
2
0
0
8
(I
E
C
6
0
3
7
1
-3
-2
:
2
0
0
5
)
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5
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MPM クラス1
MPM クラス2
MPP クラス4
MPM クラス3
s/100 ml
5 000
1 000
500
100
0
100
200
300
400
500
600
g/m2
10 000
気
密
度
単位面積質量
図1−気密度
気
密
度
(
s/
1
00
m
l)
単位面積質量 (g/m2)
6
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MPM クラス1
MPM クラス2
MPP クラス4
MPM クラス3
s
0
100
200
300
400
500
600
g/m2
200
含
浸
性
単位面積質量
100
0
300
400
図2−含浸性
含
浸
性
(
s)
(g/m2)
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
MPM クラス1
MPM クラス2
MPP クラス4
MPM クラス3
N/cm
0
100
200
300
400
500
600
g/m2
15
引
張
強
さ
単位面積質量
10
5
0
図3−引張強さ
引
張
強
さ
(N
/c
m
)
単位面積質量 (g/m2)