サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 1804-1995 

工業プロセス計測制御機器の 

使用環境条件 

Operating conditions for  

industrial-process measurement and control equipment 

1. 適用範囲 この規格は,工業プロセス計測制御機器の使用環境条件について規定する。ただし,特定

の機器についてその使用環境条件を定めた規格がある場合は,その規格による。 

備考1. ここでいう使用環境条件とは,機器が運転中,運転前の据付期間,及び輸送・保管中にさら

される環境条件を含むものとする。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0155 工業プロセス計測制御用語 

JIS Z 8103 計測用語 

3. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

IEC 654-1 Industrial-process measurement and control equipment−Operating conditions 

Part 1 (1993) Climatic conditions 

IEC 654-2-4 Operating conditions for industrial-process measurement and control equipment 

Part 2 (1979) Power 

Part 3 (1983) Mechanical influences 

Part 4 (1987) Corrosive and erosive influences 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0155及びJIS Z 8103によるほか,次のとお

りとする。 

(1) 電磁環境 ある場所に存在する電磁現象。 

(2) 腐食 生物,有機物,無機物の固体,液体又は気体が,それ自体によって,又は触媒となって,各種

の物質に対して化学反応を引き起こす現象。 

(3) 浸食 生物,有機物,無機物の固体,液体又は気体が,その物理的性質及びその置かれている条件に

よって,各種の物体の形状に対し,機械的損傷や劣化を及ぼす現象。 

(4) 厳しさ 機器に影響又は損傷を与える環境の度合。 

3. 使用環境条件及びその区分 

3.1 

気候条件に関しての環境区分 気候条件に関しての環境区分は,工業プロセス計測制御機器の設置

場所の厳しさに従い,空調区域(A),温調区域(B),遮へい区域(C),屋外区域(D)の区分を設け,各区分ごと

にクラス分けを行う(表1参照)。 

background image

C 1804-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

自然環境としての温度と湿度とは,密接に関係しているので,温度と湿度との組合せの取り得る範囲を

図1〜9に示す。 

表1 気候条件パラメータ及び環境区分 

環境パラメータ 

設置場所区分 

空調区域:A 

温調区域:B 

遮へい区域:C 

屋外区域:D 

クラス 

A1 

AX

B1 

B2 

B3 

BX

C1 

C2 

C3 

CX

D1 

D2 

DX 

温度 

℃ 

20〜25 − 15〜30 

5〜40 

5〜40 − −5〜+45 −25〜+55 −40〜+70 − −25〜+70 −40〜+85 − 

相対湿度 

20〜75 − 10〜75 

5〜85 

5〜95 − 

5〜95 

10〜100 

10〜100 

− 

5〜100 

5〜100 

− 

絶対湿度 g/m3 

4〜15 − 2〜22 

1〜25 

1〜29 − 

1〜29 

0.5〜29 

0.1〜35 

−  0.26〜25 

0.03〜36  − 

温度変化率 

℃/min 

0.1 

− 

0.5 

0.5 

0.5 

− 

0.5 

0.5 

0.1 

− 

0.5 

0.5 

− 

結露 

なし 

− 

なし 

なし 

あり 

− 

あり 

あり 

あり 

− 

あり 

あり 

− 

飛まつ(雨,雪,

あられなど) 

なし 

− 

なし 

なし 

なし 

− 

なし 

あり 

あり 

− 

あり 

あり 

− 

氷結 

なし 

− 

なし 

なし 

なし 

− 

あり 

あり 

あり 

− 

あり 

あり 

− 

気圧   kPa 

86〜106 − 86〜106 86〜106 86〜106 − 86〜106 

86〜106 

86〜106 

− 

86〜106 

86〜106 

− 

備考1. AX,BX,CX及びDXのクラスにおいて,具体的数値を規定する場合は,使用者と供給者との間での協議

によるものとする。 

2. 上表記載温度値の許容差は±2℃とする。 
3. 上表に示す温度とは,機器の周囲における空気の温度。ただし,屋外区域の場合は機器の表面温度を示す。 
4. 屋外区域の温度は,環境パラメータとしての“太陽放射”による温度上昇を加味したものである。 
5. 表面温度における機器の性能試験を行うことは実際上難しいため条件は厳しくなるが,屋外区域の温度は機

器の周囲における空気温度として行うことを推奨する。 

6. 相対湿度100%において機器の性能試験を行うことは実際上不可能であるため,遮へい及び屋外区域の試験

における相対湿度の上限は95%とする。 

7. 飛行機による輸送などの環境条件の場合は,気圧の下限値は70kPaとする。 

background image

3

C

 1

8

0

4

-1

9

9

5

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 空調区域:クラスA1 

図2 温調区域:クラスB1 

background image

4

C

 1

8

0

4

-1

9

9

5

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 温調区域:クラスB2 

図4 温調区域:クラスB3 

background image

5

C

 1

8

0

4

-1

9

9

5

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図5 遮へい区域:クラスC1 

図6 遮へい区域:クラスC2 

background image

6

C

 1

8

0

4

-1

9

9

5

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図7 遮へい区域:クラスC3 

図8 屋外区域:クラスD1 

background image

7

C

 1

8

0

4

-1

9

9

5

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図9 屋外区域:クラスD2 

background image

C 1804-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.2 

動力源 動力源は,次の各項目について,表2〜9のようにクラス分けを行う。 

(1) 交流電源 

表2 電源電圧 

変動幅 % 

± 1 
±10 
+10 
−15 
+15 
−20 

別途指定 

表3 電源周波数 

変動幅 % 

±0.2 
±1 
±5 

別途指定 

表4 電源波形ひずみ率 

ひずみ率 % max 

 2 

 5 
10 
20 

別途指定 

表5 電源切換時間 

切換時間 ms max 

10 
20 

200 

1 000 

別途指定 

(2) 直流電源 

表6 電源電圧 

変動幅 % 

± 1 
+10 
−15 
+15 
−20 

+30 
−25 

別途指定 

表7 電源リプル 

リプル %P-P max 

0.2 

15 

別途指定 

表8 電源切換時間 

切換時間 ms max 


20 

200 

1 000 

別途指定 

background image

C 1804-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 空気源 

表9 

給気圧の範囲 kPa 

130〜150 
130〜210 

420〜700 
別途指定 

3.3 

振動 振動は,表10〜13のようにクラス分けを行う。図10〜12はそれぞれ表10〜12を図示したも

のである。振動の方向は,x,y,zの3方向とする。 

また,表10及び表11の最大変位とは全振幅の21を表す。 

(1) 低周波振動  

表10 低周波振動のクラス 

クラス 

8〜9Hz以下の最大変位 

mm 

8〜9Hzを超える最大加速度 

m/s2 

V. L. 0 

< 0.075 

< 0.2 (〜0.02×g) 

V. L. 1 

< 0.35 

< 1  (〜0.1×g) 

V. L. 2 

< 0.75 

< 2  (〜0.2×g) 

V. L. 3 

< 1.5 

< 5  (〜0.5×g) 

V. L. 4 

< 3.5 

<10  (〜1.0×g) 

V. L. 5 

< 7.5 

<20  (〜2.0×g) 

V. L. 6 

<10 

<30  (〜3.0×g) 

V. L. 7 

<15 

<50  (〜5.0×g) 

V. L. X 

別途指定 

別途指定 

備考 ここでgは,重力加速度を示す。 

図10 低周波振動 

background image

10 

C 1804-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 高周波振動 

表11 高周波振動のクラス 

クラス 

57〜62Hz以下の最大変位 

mm 

57〜62Hzを超える最大加速度 

m/s2 

V. H. 1 

< 0.015 

< 2 (〜0.2×g) 

V. H. 2 

< 0.032 

< 5 (〜0.5×g) 

V. H. 3 

< 0.075 

<10 (〜1.0×g) 

V. H. 4 

< 0.15 

<20 (〜2.0×g) 

V. H. 5 

< 0.20 

<30 (〜3.0×g) 

V. H. 6 

< 0.35 

<50 (〜5.0×g) 

V. H. X 

別途指定 

別途指定 

備考 ここでgは,重力加速度を示す。 

図11 高周波振動 

(3) 振動の厳しさ 

表12 振動の厳しさクラス 

クラス 

速度 

mm/s 

周波数レンジ 

Hz 

V. S. 1 

<  3 

1〜150 

V. S. 2 

< 10 

1〜150 

V. S. 3 

< 30 

1〜150 

V. S. 4 

<300 

1〜150 

V. S. X 

別途指定 

別途指定 

備考 機器が振動源の近くに設置される場合には,その強い影響にふさわしい振動の厳しさを用いて

振動の環境条件を示す必要がある。図10及び図11は,定振幅と定加速度を表す二つの直線の

組合せによる伝統的な振動の環境を表したもの(実際の振動のスペクトル)であるが,それら

background image

11 

C 1804-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

は広い周波数範囲にわたる一定の振動の厳しさを示していない。 

質量Mの物体を駆動又は制動するエネルギが21・Mv2であることから,一定の速度は一定の運

動エネルギを表すことになり,したがって,定速度は振動の厳しさを表現する最も有効な手段

であると考えられる。 

正弦波振動の場合,最大振幅をsm,最大加速度をam/s2,周波数をf Hzとすると,最大速度

vm/sは次の式で求められる。 

v= (2π f ) ・s=a/ (2π f ) 

なお,表12の厳しさの具体例として次の環境が挙げられる。 

V. S. 1 

プラントの制御室及び一般的な工場内の環境 

V. S. 2, V. S. 3 

工場内の現場の環境 

V. S. 4 

輸送条件を含む工場内の過酷な現場の環境 

図12 速度 

(4) 振動時間 

表13 振動時間のクラス 

クラス 

発生時間 

V. T. 1 

100 

V. T. X 

別途指定 

備考 発生時間は,あらか

じめ定められた時間
内で振動にさらされ
る割合をいう。 

3.4 

衝撃 衝撃は,加速度法又は自由落下法を用いる。 

(1) 加速度法 次の各項について表14〜16のクラス分けを行う。衝撃の方向は,x,y,zの3方向とする。 

background image

12 

C 1804-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(a) 加速度 

表14 

加速度 m/s2 max 

20 

40 
70 

100 
250 

別途指定 

(b) 衝撃時間 

表15 

衝撃時間 ms max 

10 

20 
50 

100 

別途指定 

(c) 繰返し回数 

表16 

回数/時間 

<1回/1日 
<1回/1時間 

<1回/1分 
<1回/10秒 

別途指定 

(2) 自由落下法 次の各項について表16及び表17のクラス分けを行う。落下方法は,平たんな硬い表面

に落下させるものとし,衝撃の方向は,x,y,zの3方向とする。 

(a) 落下高さ 

表17 

高さ mm max 

25 
50 

100 

250 
500 

1 000 

別途指定 

(b) 繰返し回数 繰返し回数は,加速度法の繰返し回数と同一のクラス分けとする(表16参照)。 

3.5 

電磁環境 電磁環境は,表18〜22のようにクラス分けを行う。 

(1) 外部磁界 

表18 

磁界強度 A/m max 

地磁気(基準) 

200 

400 
800 

別途指定 

参考 外部磁界の試験装置及び試験方法の詳細は,IEC 1000-4-8 : 1993 (Section 8 : Power frequency 

magnetic field immunity test) に規定されている。 

(2) 静電気放電  

表19 

レベル 

試験電圧 kV 

接触放電 

気中放電 

 2 

 4 

 8 

15 

別途指定 

別途指定 

参考 静電気放電の試験装置及び試験方法の詳細は,社団法人日本電気計測器工業会規格JEMIS 

background image

13 

C 1804-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

036-1994(計測制御機器イミュニティ試験法)に規定されている。  

(3) 放射電磁界 

表20 

レベル 

電界強度 V/m 

周波数範囲 MHz 

 1 

26〜1 000 

 3 

10 

別途指定 

トランシーバノイズの場合の電界強度は3V/mを目安とし,
周波数は27MHz,150MHz,435MHz,470MHz及び900MHz
帯域の5種類とする。 

参考 放射電磁界の試験装置及び試験方法の詳細は,JEMIS 036-1994に規定されている。 

4) 伝導性雑音 

(a) 方形波インパルス 

表21 

単位 kV 

レベル 

電源線 

信号線 

(通信線,制御線) 

0.5 

別途指定 

別途指定 

(b) バースト波 

表22 

単位 kV 

レベル 

電源線 

信号線 

(通信線,制御線) 

0.5 

0.25 

1.0 

0.5 

2.0 

1.0 

4.0 

2.0 

別途指定 

別途指定 

参考 バースト波の試験装置及び試験方法の詳細は,JEMIS 036-1994に規定されている。 

(5) コモンモード,シリーズモード電圧 機器及びシステムによって商用電源波ノイズレベルは大幅に異

なり,一律に規定することはできないので,原則として製造業者が指定する値とする。 

備考 シリーズモード電圧は,ノーマルモード電圧ともいう。 

3.6 

取付角度 取付角度は,表23からクラス分けを行う。 

表23 

取付角度(度) 

± 3 

±10 
±30 
±60 
±90 

別途指定 

14 

C 1804-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.7 

腐食及び浸食 腐食及び浸食の要因は,多種多様であるので,環境汚染の種別と具体的数値や定性

的状態についてはそれぞれの使用場所に応じて使用者と供給者で協議するものとし,その要因となる汚染

物質と留意事項について次に例示する。 

(1) 気体及び蒸気 硫化水素,硫黄酸化物,塩素,ふっ化水素,アンモニア,窒素酸化物,オゾン,溶剤

(トリクロロエチレン),その他。これらの厳しさは最大濃度と平均濃度の両者で検討する必要がある。

これらの汚染物質による腐食を促進する要因として高温,高湿を考慮しなければならない。 

(2) エーロゾル 空気中の浮遊油,空気中の海水塩,その他 

(3) 液体 

(4) 固形物質 砂,鉄鉱石,セメントのほこり,カーボンのほこり,織物の繊維,小麦粉,アスベスト,

その他。これらの粒径,空気中濃度,発生頻度,熱伝導性,導電率,透磁率,湿気,粒子の速度など

を考慮する必要がある。 

(5) 植物及び動物 かび,昆虫,ねずみ,その他 

改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

土 屋 喜 一 

早稲田大学理工学部 

(副委員長) 

佐 伯 浩 人 

慶應義塾大学理工学部 

(幹事) 

伊 藤 洋一郎 

山武ハネウエル株式会社 

中 島 一 郎 

通商産業省機械情報産業局 

古 市 正 敏 

工業技術院標準部 

今 井 秀 孝 

工業技術院計量研究所 

白 崎 善 宏 

千代田化工建設株式会社 

熊 谷 俊 一 

秩父小野田株式会社 

若 林 茂 治 

新日本製鐵株式会社 

湯 浅 康 弘 

日本鋼管株式会社 

近 藤 久 男 

株式会社日本触媒 

魚 切   勇 

日本石油精製株式会社 

小 林 一 勝 

三菱製紙株式会社 

林   昇一郎 

株式会社オーバル 

岡     敏 

大倉電気株式会社 

公 江 春 樹 

株式会社島津製作所 

三 宅 順 一 

株式会社東芝 

桜 居   裕 

株式会社日立製作所 

多 胡 敬一郎 

富士電機株式会社 

市 川 邦 明 

横河電機株式会社 

(事務局) 

雀 部 隆 明 

社団法人日本電気計測器工業会 

冨 山   正 

社団法人日本電気計測器工業会