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解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表 

JIS C 1731-2 : 1998 計器用変成器(標準用及び一

般計測用)−第2部:計器用変圧器 IEC 60044-2 : 1997 計器用変圧器 

対比項目 

 
規定項目 

(I) JISの規定内容 

(II) 国際規格番

号 

(III) 国際規格の規定内容 

(IV) JISと国際規格との相違点 

(V) JISと国際規格との整合

が困難な理由及び今後の
対策 

(1) 適用範囲 

○ 商用周波数の標準用及び一

般計測用。 

IEC 60044-2 

○ 15〜100 Hzの周波数で電気計測

装置及び電気保護装置と共に使
用。 

ADP JIS独自の商用周波数範囲並

びに標準用及び一般計測用
に限定して追加。 

国内は商用周波数 (50, 
60Hz) が標準。 
保護用はJECで規定。 
以上の理由でADPの内容を
追加。 

(2) 定義 

○ 変圧比誤差 

 εv= (Kn−K) ×100/K 

IEC 60044-2 

○ 電流誤差 

 εv= (KnUs−Up) ×100/Up 

ADP JIS独自の“比”の差の割合

で表した式を追加。 

計算式上電圧比と電圧値の
差があるが,結果は同一値が
得られる。 
以上の理由でADPの内容を
追加。 

○ 負担−皮相電力 (VA)  

IEC 60044-2 

○ 負担 (Burden) −アドミタンス 

(S)  
出力 (Out put) −皮相電力 (VA)  

ADP JIS独自の解釈をしている負

担 (VA) を追加。 

計量法,JIS, JECなど,
他規格との協調からADPの
内容を追加。 

(3) 使用状態 

○ 標準使用状態 

 周囲温度 
 最低/最高−20℃/40℃ 

IEC 60044-2 

○ 標準使用状態 

 周囲温度 3区分あり 
 最低-5℃, -25℃, -40℃ 
 最高 40℃, 40℃, 40℃ 

ADP JIS独自の周囲温度の規定値

を追加。 

国内環境に合わせた周囲温
度とする。 
また,他のJIS, JECとの
協調もあり,ADPの内容を
追加。 

− 湿度:特に規定なし。 

結露:特に規定なし。 

IEC 60044-2 

○ 屋内湿度:95%超えない。 

  結露:生じる場合あり。 

ADP JIS独自の“規定しない”こ

とを標準として追加。 

盤関係JISなど,他の国内諸
規格との協調もあり,ADP
の内容を追加。 

(4) 構造 

○ 構造一般,機械的強度,がい

管類,内部構造,密封構造,
極性について規定。 

IEC 60044-2 

− 機械的性能を除いて規定なし。 ADP JIS独自の構造概要について

の規定を追加。 

JEC規格との協調あり,ま
た規定内容も常識的なもの
であることから,ADPの内
容を追加。 

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解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き) 

対比項目 

 
規定項目 

(I) JISの規定内容 

(II) 国際規格番

号 

(III) 国際規格の規定内容 

(IV) JISと国際規格との相違点 

(V) JISと国際規格との整合

が困難な理由及び今後の
対策 

(4) 構造 

○ 機械的強度 

 4.9m/s2の静的水平加速度 
 最大風速40m/sの風圧荷重 

IEC 60044-2 

○ 機械的性能 

耐震の性能と試験は検討中。 
一次端子への静的荷重 
 電圧端子:500〜1500N 
 電流端子:1250〜5000N 

ADP JIS独自の機械的強度の規定

を追加。 

JEC規格など,国内諸規格
との協調あり,ADPの内容
を追加。 

(5) 種類・定格 ○ 最高電圧 国内標準竜圧 

 JIS表高=公称×

1

1

15

1

.

.

IEC 60044-2 

○ 最高電圧 欧米標準 

 IEC最高=JIS最高×15

1

2

1

.

(一部異なるが主として上記。) 

ADP JIS独自の最高電圧の表を追

加。 

電気設備技術基準,JECな
どの規定との協調あり,ADP
の内容を追加。 

○ 定格電圧 

一次−電圧の絶対値で規定 
二次−110, 110/3V 

IEC 60044-2 

○ 定格電圧 

一次−変圧比として10, 12, 15, 
20, 25, 30, 40, 50, 60, 80及びこれ
らの10のべき乗 
二次−100, 110, 200V(欧州) 

−120, 115, 230V(米,加)及
びこれらの1/3倍 

ADP JIS独自の定格電圧標準値を

追加。 

他のJIS,JECとの協調もあ
り,ADPの内容を追加。 

○ 確度階級 

 標準用 0.1, 0.2 
 一般計測用 0.5, 1.0, 3.0 

IEC 60044-2 

○ 確度階級 

 計測用 0.1, 0.2, 0.5 
     1.0, 3.0 
 保護用 3P, 6P 

ADP JIS独自の確度階級を追加

(確度階級が同一でも,電圧
の保証範囲が異なる。)。 

他のJIS,JEC規格などとの
協調からADPの内容を追
加。 

○ 定格負担 

 10, 15, 25, 50, 100, 200VA 

確度階級ごとに定格負担
を規定。 

IEC 60044-2 

○ 定格出力 

10, 15, 25, 30, 50, 75, 100, 150, 
200, 300, 400, 500VA 

ADP JISの標準値が包含されてい

るが,定格出力としての規定
であり,JIS独自の定格負担
を追加。 

国内で運用している定格負
担にて,ADPの内容を追加。 

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解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き) 

対比項目 

 
規定項目 

(I) JISの規定内容 

(II) 国際規格番

号 

(III) 国際規格の規定内容 

(IV) JISと国際規格との相違点 

(V) JISと国際規格との整合

が困難な理由及び今後の
対策 

(6) 性能・試験 ○ 二次短絡 

定格一次電圧を印加した
状想で二次端子を1秒間短
絡 
→電気的,機械的に損傷し

てはならない。 
参考・外観上損傷なし 
↑ ・誤差変化なし 
解説・部分放電試験で異
常記載 なし 

IEC 60044-2 

○ 二次短絡 

定格一次電圧を印加した状態
で二次端子を1秒間短絡 
→機械的,熱的に損傷してはな

らない。 

判定・外観上損傷なし 

・誤差変化−限度の1/2 
・絶縁試験−90%の耐力 
・一,二次絶縁劣化せず 

ADP JISは,二次短絡後に誤差変

化があってはならないとし
ている。 
JISは,判定条件を解説記載
としており,IECとは異なる
ため,追加。 

解説記載であるが,判定の条
件に差があり,ADPの内容
を追加(二次短絡の試験を導
入して,まだ経験が少なく,
判定条件が解説記載となっ
ている。将来は本体で規定す
る必要あり。)。 

○ 温度上昇 

巻線,油及び端子類につい
て限度値を規定。 
例 油入自冷式巻線55K 
 
乾式の巻線温度は耐熱ク
ラスA,Bについて規定。 

IEC 60044-2 

○ 温度上昇 

油入形,コンパウンド充てん形
及びこれらを除くタイプの巻
線温度と油温度について規定。 
例 油入密封形巻線 65K 
油入形及びコンパウンド充て
ん形を除くものについて耐熱
クラスY〜Hまで規定。 

ADP JIS独自の温度上昇規定を追

加(巻線の温度上昇限度値も
異なっている。)。 

他のJIS,JECとの協調もあ
り,ADPの内容を追加。 

○ 耐電圧 

・雷インパルス 

試験回数 正極で1回 
(負極性の方が条件が厳
しいものは,負極で印
加。)。 

IEC 60044-2 

○ 耐電圧 

・雷インパルス 

試験回数 各極性で15回又は
3回(電圧値によって回数が異
なる。)。 
300kV以上は開閉インパルス
の規定あり。 

ADP JIS独自の雷インパルス規定

を追加。 

JEC規格試験電圧標準,静
止誘導機器インパルス耐電
圧試験などとの協調から
ADPの内容を追加。 

○ ・商用周波耐電圧(加圧) 

非有効接地系統に適用。 

IEC 60044-2 

○ ・商用周波耐電圧(加圧) 

全電圧クラスに適用。 

ADP JIS独自の商用周波耐電圧規

定を追加。 

JEC規格試験電圧標準など
との協調からADPの内容を
追加。 

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解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き) 

対比項目 

 
規定項目 

(I) JISの規定内容 

(II) 国際規格番

号 

(III) 国際規格の規定内容 

(IV) JISと国際規格との相違点 

(V) JISと国際規格との整合

が困難な理由及び今後の
対策 

(6) 性能・試験 ○ ・誘導耐電圧 

非有効接地系統に適用。 
有効接地系統は,長時間交
流耐電圧を実施。 
試験電圧は線間電圧の2倍
加圧と誘導耐圧の試験電
圧値に相違あり。 
非接地形の試験時間は各
端子で規定値どおり。 

IEC 60044-2 

○ ・誘導耐電圧 

全クラスに適用。 
試験電圧 

・300kV以上は雷インパルスに

リンクして数値決め。 

・300kV未満は最高電圧にリン

クして数値決め。 

加圧と誘導耐圧の試験重圧値
は同一。 
非接地形の試験時間は各端子
で規定値の1/2。 

ADP JIS独自の誘導耐電圧規定を

追加。 

他のJIS,JECとの協調か
ら,ADPの内容を追加。 

○ ・部分放電 

6.9kV以上のモールド形,
69kV以上161kV以下の油
入形及びガス絶縁形に適
用。 

IEC 60044-2 

○ ・部分放電 

7.2kV以上の製品に適用。 

ADP JIS独自の部分放電規定を追

加(印加パターン,試験電圧
値共に相違あり。)。 

JEC規格計器用変成器との
協調からADPの内容を追
加。 

○ ・長時間交流耐電圧 

有効接地系統に適用。 

IEC 60044-2 

− ・規定なし。 

ADP JIS独自の長時間交流耐電圧

規定を追加。 

JEC規格試験電圧標準など
との協調からADPの内容を
追加。 

○ ・低圧側耐電圧2kV 

IEC 60044-2 

○ ・低圧側耐電圧3kV 

ADP JIS独自の低圧側耐電圧規定

を追加。 

JEC規格低圧制御回路絶縁
試験法・試験電圧標準などと
の強調からADPの内容を追
加。 

○ 異常現象(コンデンサ形) 

定格の1.1倍の電圧で二次
回路の短絡・復帰10回。 

IEC 60186 

○ 鉄共振(異常現象)(コンデンサ

形) 
・定格の1.2倍の電圧で二次回路

の短絡・復帰30回。 

・電圧係数倍の電圧で二次回路の

短絡・復帰10回。 

ADP JIS独自の異常現象規定を追

加(判定条件も異なる。)。 

他のJIS,JECとの協調もあ
り,ADPの内容を追加。 

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解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き) 

対比項目 

 
規定項目 

(I) JISの規定内容 

(II) 国際規格番

号 

(III) 国際規格の規定内容 

(IV) JISと国際規格との相違点 

(V) JISと国際規格との整合

が困難な理由及び今後の
対策 

(6) 性能・試験 ○ 比誤差及び位相角 

標準用 0.1, 02-0.02, 0.25,  

0.7〜1.1Vn規定。 

一般計測用 0.5〜30-0.7 

〜1.1Vn規定。 

IEC 60044-2 

○ 比誤差及び位相角 

計測用 0.1〜3.0−0.8〜1.2Vn槻

定。 

保護用 3P, 6Pで規定−0.05〜電

圧係数倍のVn 
0.02Vnで2倍の誤差規
定。 

ADP JISは保護用の計器用変圧器

を試験することを考慮し,標
準用に,0.02Vnの誤差を規
定。 

他のJIS,JEC規格などとの
協調からADPの内容を追
加。 

○ 周波数特性 

定格周波数の95%,100%
及び105%の定格一次電圧
を加えて比誤差及び位相
角を検証する。限度値は定
格周波数の規定値の2倍。 

IEC 60186 

 周波数の標準基準範囲 

計測用 99〜101% 
保護用 96〜102% 
比誤差及び位相角の限度値は,定
格周波数における規定と同一。 

ADP JISは比誤差及び位相角の限

度値を大きくして,保証する
周波数範囲を大きく規定。 

JEC規格計器用変成器との
協調からADPの内容を追
加。 

(7) 端子 

○ 端子の記号 

U, V, u, v 

IEC 60044-2 

○ 端子の記号 

非接地形 A, B, a, b 
接地形  A, N, a, n 

ADP JIS独自の端子記号の規定を

追加。 

他のJIS,JECとの協調もあ
り,ADPの内容を追加。 

  

  

  

備考1. 対比項目(I)及び(III)の小欄で,“○”は該当する項目を規定している場合,“−”は規定していない場合を示す。 

2. 対比項目(IV)の小欄の記号の意味は,次による。 

“ADP”(ADOPTIONの略):JISは,国際規格と対応する部分を国際規格そのまま変更なしで採用している。ただし,採用した部分において,JISとして必要

な規定内容を追加し,又は適用範囲,規定項目及び/又は規定内容の一部を不採用としている