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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 1510-1995 

振動レベル計 

Vibration level meters 

1. 適用範囲 この規格は,振動に関する環境(公害,作業環境など)で,人体の全身を対象とする振動

の評価に用いる振動レベル計について規定する。 

2. 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,次による。 

(1) 振動加速度レベル 振動加速度の実効値を基準の振動加速度 (10−5m/s2) で除した値の常用対数の20

倍。単位はデシベル。単位記号はdBとする。 

(2) 振動レベル 付表1に示す鉛直特性又は水平特性で重み付けられた振動加速度の実効値を基準の振動

加速度 (10−5m/s2) で除した値の常用対数の20倍。単位はデシベル。単位記号はdBとする。 

(3) 鉛直特性 鉛直方向の振動に対する全身の振動感覚特性に基づく付表1の周波数特性。 

(4) 水平特性 水平方向の振動に対する全身の振動感覚特性に基づく付表1の周波数特性。 

(5) 受感軸 振動ピックアップが最大の感度をもつ方向。 

(6) 横感度 受感軸に直角な任意の方向の励振に対する感度。 

(7) 基準振動加速度レベル 試験のための基準に用いる振動加速度レベル。 

(8) 基準レンジ 試験のための基準振動加速度レベルを含むレンジ。 

(9) 器差 鉛直特性のレスポンスと付表1に示すそれぞれの周波数に対応する基準レスポンスとの差。 

(10) 有効目盛 この規格を満足する指示機構の目盛又は表示。 

(11) 時定数 指数平均特性をもつ回路の時定数。 

(12) バースト信号 波形の振幅が,零から始まり零で終わる波数が整数の正弦波の断続信号。正弦波の周

期の整数倍の休止時間をおいて繰り返す信号と単発の信号の場合がある。 

(13) 波高率 信号の瞬時値の最大値と実効値との比。 

3. 定格 

3.1 

使用周波数範囲 使用周波数範囲は,1〜80Hzとする。 

3.2 

使用温度範囲 使用温度範囲は,−10〜+50℃とする。 

なお,使用温度範囲の器差と6.1.2に規定する基準状態の器差との差が0.5dBを超えるときは,器差の補

正値を取扱説明書に記載する。 

3.3 

使用湿度範囲 使用湿度範囲は,相対湿度90%以下とする。 

なお,相対湿度が30〜90%のときの器差は,6.1.2に規定する基準状態のときの器差に対して0.5dBを超

えないこととする。 

4. 性能 

C 1510-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.1 

器差 器差は,6.1.1に規定する標準状態の基準加速度レベルに対して振動レベルの測定範囲以内で

は,1dB以下とする。 

4.2 

振動特性 

4.2.1 

受感軸のレスポンス 鉛直特性及び水平特性の受感軸のレスポンスは,付表1に示す基準レスポン

スとし,その偏差は,それぞれ付表1に示す許容差以内とする(付図1参照)。平たん特性の受感軸のレス

ポンスは,付表1に示す基準レスポンスとし,その偏差は,それぞれ付表1に示す許容差以内とする。 

なお,付表1,付図1及び付図2に示す周波数範囲以外(1Hz未満及び80Hzを超える範囲)の周波数レ

スポンスは,12dB/oct以上の遮断特性をもたせることが望ましい。 

4.2.2 

振動ピックアップの横感度 受感軸のレスポンスと,受感軸に対して90°方向の振動に対するレ

スポンスとの差は,規定の周波数範囲の全域にわたって,15dB以上とする。 

4.3 

増幅器など 

4.3.1 

レベルレンジ切換器の切換誤差 レベルレンジ切換器の切換誤差は,基準レンジの基準加速度レベ

ルを基準点として0.5dB以下とする。 

4.3.2 

自己雑音 自己雑音は,鉛直特性,水平特性及び平たん特性のいずれでも,測定範囲の最小レベル

よりも6dB以下とする。 

4.3.3 

出力端子 取扱説明書で指定している最小負荷インピーダンスを出力端子に接続したときに生じ

る指示値への影響は,0.1dB以下とする。 

また,4〜80Hzの周波数範囲では,測定範囲の最大レベルよりも10dB低いレベルでの交流出力信号の

高調波ひずみは,1%以下とする。 

4.4 

指示機構 

4.4.1 

目盛 目盛誤差は,有効目盛範囲では0.5dB以下とする。 

4.4.2 

実効値指示特性 波高率3のバースト信号による指示値の誤差は,1dB以下とする。 

4.4.3 

動特性 動特性は,次の(1)による立上り特性及び(2)による立下り特性とする。 

(1) 立上り特性 周波数31.5Hz及び継続時間1.0sの単発バースト信号による最大指示値は,その入力と

周波数及び振幅が等しい定常正弦波信号による指示値に対して

5.01

1+−

dBとする。 

(2) 立下り特性 周波数31.5Hzの定常正弦波信号を切断後,指示値が10dB減少するのに要する時間は,

2.0 s以下とする。 

5. 構造 

5.1 

構造一般 振動レベル計は,次の5.2〜5.9によって構成し,取扱いが容易で,温度,湿度,風騒音

などの影響,電気的及び磁気的影響を受けない構造とする。 

5.2 

振動ピックアップ 振動ピックアップは,地面などに設置できる構造とする。 

5.3 

レベルレンジ切換器 隣り合うレベルレンジの有効目盛は,20dB以上重なり合うこととする。 

有効目盛範囲が30dB以下の構造のものは,隣り合う切換範囲を10dBとする。 

5.4 

周波数補正回路 周波数補正回路は,鉛直特性を得るための補正回路を備えることとする。 

なお,水平特性を備えることもできる。 

5.5 

平たん特性回路 周波数補正回路のほかに,平たん特性を備えることとする。 

5.6 

実効値回路 実効値回路は,時定数0.63sの動特性をもつ実効値回路を備えることとする。 

5.7 

指示機構 指示機構の有効目盛範囲は,15dB以上とする。有効目盛が15dBの場合,目盛は−5〜+

10dBとする。 

C 1510-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,アナログ形表示方式の場合,有効目盛の目盛間隔は1dB以下で,かつ,1dB当たりの目幅は1mm

以上とする。ディジタル形表示の場合,有効目盛の刻み間隔は0.1dB以下とする。ただし,不連続アナロ

グ形表示器,例えば,バーグラフ式表示器などのディジタル形表示方式の場合,有効目盛の刻み間隔は1dB

以下とする。 

5.8 

校正装置 校正装置をもつ構造のものは,校正レベル値又は校正レベルの標識を備えることとする。 

5.9 

その他 

(1) 交流出力端子を備えることとする。ディジタル形表示方式のものは,直流信号出力端子も備えること

とする。 

(2) 電池で動作させる構造のものは,使用電圧範囲を示す表示装置,使用電圧から外れた場合に動作する

警報器などを備えることとする。 

(3) ディジタル形表示方式のものは,測定レベルの最大値を保持する機構を備えることが望ましい。 

(4) 増幅器が飽和状態となるような場合に対しては,過大入力を示す表示装置,警報器などを備えること

が望ましい。 

6. 試験 

6.1 

試験の状態 

6.1.1 

標準状態 試験場所の標準状態は,温度10〜30℃,相対湿度45〜85%とする。 

6.1.2 

基準状態 基準状態は,次による。 

温度 

20℃ 

相対湿度 

65% 

6.1.3 

試験振動の振動加速度レベル 試験振動の振動加速度レベルは,基準振動加速度レベルとする。基

準振動加速度レベルは,100dBが望ましい。 

6.2 

試験方法 

6.2.1 

振動入力による試験 振動入力には正弦振動を用い,振動ピックアップは,加振機のテーブルの上

に締め付けないで置くこととする。 

6.2.2 

電気入力による試験 電気入力による試験には正弦波信号を用い,試験信号は,振動レベル計に振

動ピックアップ又はこれと等価な電気インピーダンスを接続した状態で,振動ピックアップの開回路起電

力と置換して加える。 

6.2.3 指示の読取り 指示計器の指針の振れが周期的に変化する低周波域では,その最大指示を読み取る。 

6.2.4 

器差 器差の試験は,基準加速度レベルの周波数4Hz,6.3Hz,8Hz,16Hz及び31.5Hzの正弦振動

を用いる。 

6.2.5 

振動特性 振動特性の試験方法は,次による。 

(1) 受感軸のレスポンスの試験は,加振機のテーブルの上で付表1に示す周波数について行う。 

(2) 横感度の試験は,加振機のテーブルの上で行い,試験周波数は少なくとも6.3Hz及び31.5Hzの2点以

上とする。 

6.2.6 

増幅器 増幅器の試験方法は,次による。 

(1) レベルレンジ切換誤差の試験は,通常85dBの目盛の位置を基準点として,入力を10dBずつ変化させ

る。この試験は,周波数6.3Hz及び31.5Hzの電気入力を用い,振動加速度レベルに換算した入力レベ

ルが120dBを超えない範囲で鉛直特性について行う。ただし,有効目盛範囲が30dB以上の指示計器

の場合には,この試験に準じて試験を行う。 

C 1510-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 自己雑音の試験は,振動ピックアップと等価なインピーダンスを入力端子に接続し,交流出力端子に

実効値形の電圧計を接続して,周波数補正特性のすべての特性について行う。 

(3) 増幅器の飽和状態を示す表示装置,警報器などの試験は,次による。 

(a) 正弦波電気信号を用い,鉛直特性で行う。まず,6.3Hzの信号レベルを有効目盛の最大目盛よりも

5dB低い値とし,次に周波数を順次高くして付表1の鉛直特性に示すレスポンスの低下分信号レベ

ルを増加して補正し,付表1の許容差を超えたときに,表示装置又は警報器の動作することを確認

する。 

(b) 周波数80Hzで波高率3を超えるバースト信号を用い,平たん特性で行う。この場合,振動レベル

計の指示が有効目盛範囲の最大目盛よりも5dB低い目盛で,バースト信号の波高率を増加させ付表

1の許容差を超えたときに,表示装置又は警報器の動作することを確認する。 

(4) 交流出力信号の高調波ひずみの試験は,周波数6.3Hz及び31.5Hzの正弦波信号を用い,平たん特性で

行う。 

6.2.7 

指示機構 指示機構の試験方法は,次による。 

(1) 目盛誤差の試験は,基準レンジの基準振動加速度レベルを基準点として,周波数6.3Hz及び31.5Hzの

正弦波電気信号で行う。 

(2) 実効値指示特性の試験は,周波数80Hzの正弦波電気信号を用い,平たん特性で行う。有効目盛範囲

を指示する同一周波数の定常正弦信号と等しい振幅の,継続時間25ms,休止時間100msの繰返しバ

ースト信号について,振動レベル計の指示値を読み取る。 

7. 表示 

7.1 

振動レベル計の本体 本体の見やすい箇所に次の事項を表示する。 

(1) 名称(振動レベル計又はVibration level meter) 

(2) 形名 

(3) 製造業者名又はその略号 

(4) 製造番号 

(5) 製造年月 

(6) 振動レベルの測定範囲 

(7) 使用周波数範囲 

(8) 振動ピックアップの形名及び製造番号 

7.2 

振動ピックアップ 振動ピックアップには,次の事項を表示する。 

(1) 形名 

(2) 製造番号 

(3) 受感軸の方向 

8. 取扱説明書 振動レベル計の取扱説明書には,次の事項を記載し,振動レベル計に添付する。 

(1) 振動ピックアップの種類及び形名 

(2) 各周波数補正回路での振動レベル又は振動加速度レベルの測定範囲 

(3) 正規の測定状態(受感軸の方向など) 

(4) 受感軸のレスポンス 

(5) 振動ピックアップの横感度 

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(6) 増幅器及び指示機構の特性 

(7) 基準レンジ及び指示機構の特性 

(8) 温度及び湿度範囲 ただし,使用温度範囲の器差と基準状態の器差との差が0.5dBを超える影響を与

えるときは,器差の補正値を添付する。 

(9) 振動レベル計に損傷を与えない温度及び湿度限界 

(10) 校正の方法 

(11) 音響,磁界,電界,風などの外部の影響の程度と,そのような影響を受ける場合の注意事項 

(12) 出力端子の出力インピーダンス,最小負荷インピーダンス,最大出力信号レベル,交流出力信号の高

調波ひずみ率など 

(13) 電源の種類,電圧及び連続長時間使用する場合の注意事項 

付表1 基準レスポンスと許容差 

単位 dB 

周波数 

(Hz) 

基準レスポンス 

許容差 

鉛直特性 

水平特性 平たん特性 

 1 

−5.9 

+ 3.3 

 ±2 

 1.25 

−5.2 

+ 3.2 

 ±1.5 

 1.6 

−4.3 

+ 2.9 

 ±1 

 2 

−3.2 

+ 2.1 

 ±1 

 2.5 

−2.0 

+ 0.9 

 ±1 

 3.15 

−0.8 

− 0.8 

 ±1 

 4 

+0.1 

− 2.8 

 ±1 

 5 

+0.5 

− 4.8 

 ±1 

 6.3 

+0.2 

− 6.8 

 ±1 

 8 

−0.9 

− 8.9 

 ±1 

 10 

−2.4 

−10.9 

 ±1 

 12.5 

−4.2 

−13.0 

 ±1 

 16 

−6.1 

−15.0 

 ±1 

 20 

−8.0 

−17.0 

 ±1 

 25 

−10.0 

−19.0 

 ±1 

 31.5 

−12.0 

−21.0 

 ±1 

 40 

−14.0 

−23.0 

 ±1 

 50 

−16.0 

−25.0 

 ±1 

 63 

−18.0 

−27.0 

 ±1.5 

 80 

−20.0 

−29.0 

 ±2 

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C 1510-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 鉛直特性・水平特性の基準レスポンス及び許容差 

付図2 平たん特性の基準レスポンス及び許容差 

関連規格 JIS B 0153 機械振動・衝撃用語 

ISO 8041 : 1990 Human response to vibration−Measuring instrumentation 

C 1510-1995  

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JIS C 1510 改正原案調査作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

時 田 保 夫 

財団法人空港環境整備協会 

(幹事) 

大 熊 恒 靖 

リオン株式会社 

五反田 哲 郎 

工業技術院機械技術研究所 

小野川 和 延 

環境庁大気保全局 

白 石 賢 司 

工業技術院計量研究所 

杉 山   喬 

財団法人日本品質保証機構 

津 田   博 

通商産業省機械情報産業局 

成 瀬 治 興 

愛知工業大学 

横 田 明 則 

財団法人小林理学研究所 

米 川 善 晴 

労働省産業医学総合研究所 

青 木 一 郎 

東京都環境科学研究所 

塩 田 正 純 

飛島建設株式会社 

高 津   熟 

社団法人産業環境管理協会 

中 野 有 朋 

中野環境クリニック 

平 野 興 彦 

株式会社環境工学研究所 

麦 倉 喬 次 

鹿島建設株式会社 

吉 川 教 治 

社団法人日本電気計測器工業会(リオン株式会社) 

山 内   庸 

株式会社ノード 

高 野   覚 

株式会社小野測器 

石 川 正 臣 

松下インターテクノ株式会社 

倉 重 有 幸 

工業技術院標準部 

(事務局) 

今 泉 信 夫 

社団法人日本騒音制御工学会 

(オブザーバー) 

瀧 浪 弘 章 

リオン株式会社