C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準
原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大
臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,こ
のような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出
願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 1508には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 自由音場測定による校正方法の例
附属書B(参考) 拡散音場測定による校正方法の例
C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)
(1)
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目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
2.1 日本工業規格 ················································································································ 1
2.2 国際規格 ······················································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
3.1 ····································································································································· 2
3.2 基準方向 (reference direction)··························································································· 2
3.3 ランダム入射音場 (random incidence sound field) ·································································· 2
3.4 拡散音場 (diffuse sound field) ························································································· 2
3.5 ランダム入射感度レベル (random-incidence sensitivity level) ················································· 2
3.6 拡散音場感度レベル (diffuse-field sensitivity level) ······························································ 2
3.7 自由音場感度レベル (free-field sensitivity level) ··································································· 2
3.8 音圧感度レベル (pressure sensitivity level)············································································· 3
4. 自由音場測定による校正方法 ····························································································· 3
5. 拡散音場測定による校正方法 ····························································································· 5
附属書A(参考) 自由音場測定による校正方法の例 ·································································· 7
A.1 校正手順の原理 ············································································································· 7
A.2 測定系の構成 ················································································································ 9
A.3 自由音場感度レベルGFの測定 ························································································ 10
A.4 指向係数の測定及び計算 ································································································ 10
A.5 ランダム入射感度レベルGRIの計算 ·················································································· 11
A.6 ランダム入射感度レベルGRIの表示 ·················································································· 11
附属書B(参考) 拡散音場測定による校正方法の例 ································································· 12
B.1 測定系の構成 ··············································································································· 12
B.2 4.及び附属書Aの手順に従い校正した基準騒音計で測定した音圧レベルとの比較による拡散音場感
度レベルGDの測定 ·············································································································· 12
B.3 自由音場感度レベルGF,ref及び指向係数γrefが既知の自由音場校正された基準騒音計で測定した音圧
レベルとの比較による拡散音場感度レベルGDの測定 ·································································· 12
B.4 音圧感度レベルGP,ref及び拡散音場感度レベルと音圧感度レベルとの差∆DPが既知の音圧校正された
基準騒音計で測定した音圧レベルとの比較による拡散音場感度レベルGDの測定 ······························ 13
B.5 表B.1に与える値を求めるために用いた測定方法································································ 14
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
C 1508 : 2000
(IEC 61183 : 1994)
騒音計のランダム入射及び
拡散音場校正方法
Electroacoustics−Random incidence and
diffuse field calibration of sound level meters
序文 この規格は,1994年に第1版として発行されたIEC 61183, Electroacoustics−Random-incidence and
diffusefield calibration of sound level metersを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成
した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1
この規格は,騒音計のランダム入射感度レベルを求めるための自由音場測定による校正方法及び拡
散音場感度レベルを求めるための拡散音場測定による校正方法について規定する。
1.2
この規格では,拡散音場感度レベルとランダム入射感度レベルを同等のものとして扱う。使用でき
る設備に応じて,どちらの校正方法を用いてもよい。
1.3
この規格に従い校正された結果は,音場に置かれた騒音計の構成に依存する。
参考 この規格で求める感度レベルは,音場に置かれる機器の寸法や幾何学的形状によって大きく変
わる可能性がある。例えば,マイクロホンの着脱が可能な騒音計などでは,実際の使用時と同
じ構成にして音場に置く。
1.4
この規格でいう騒音計は,騒音計を含めたすべての音響測定システムを意味する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
2.1
日本工業規格
JIS C 1502 普通騒音計
JIS C 1505 精密騒音計
備考 IEC 60651 (Sound level meters) からの引用事項及びIEC 60804 (Integrating-averaging sound
level meters) からの引用事項は,これらJIS C 1502及びJIS C 1505の該当事項と同等で
ある。
JIS C 1514 オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ
備考 IEC 61260 (Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters)が,この規格と一致
している。
JIS Z 8106 音響用語(一般)
2
C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)
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備考 IEC 60050 (801) (International Electrotechnical−Chapter 801 : Acoustics and electroacoustics)
が,この規格と一致している。
JIS Z 8732 無響室又は半無響室における音響パワーレベル測定方法
備考 ISO 3745 (Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods
for anechoic and semi-anechoic rooms) が,この規格と同等である。
JIS Z 8734 残響室における音響パワーレベル測定方法
備考 ISO 3741 (Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods
for broad-band sources in reverberation rooms) が,この規格と一致している。
2.2
国際規格
IEC 61094-1 Measurement microphones−Part 1 : Specifications for laboratory standard microphones
参考 この規格に対応する日本工業規格にはJIS C 5515(標準フンデンサマィクロホン)があるが,
この規格(JIS C 1508)で引用している部分については一致していないので,国際規格
を引用規格に掲げた。
ISO 266 Acoustics−Preferred frequencies for measurements
参考 この規格は,原国際規格発行の後1997年に改訂され,名称がAcoustics−Preferred frequencies
に変更されている。
3. 定義
3.1
この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8106によるほか,次による。
3.2
基準方向 (reference direction) 騒音計の自由音場感度レベル及び指向特性を測定するための,製
造業者が指定した音の入射方向。
3.3
ランダム入射音場 (random incidence sound field) 対象とする位置及び周波数(又は周波数帯域)
において,あらゆる方向から等確率で順次入射する等レベルの複数の自由進行波によって構成される音場。
3.4
拡散音場 (diffuse sound field) 対象とする位置及び周波数(又は周波数帯域)において,あら
ゆる方向から等確率でほぼ同時に入射する等レベルの複数の音波によって構成される音場。
3.5
ランダム入射感度レベル (random-incidence sensitivity level) 対象とする周波数(又は周波数帯
域)において,ランダム入射音場での騒音計の時間平均音圧レベルの指示値から,騒音計の存在しない状
態での同一音源からの音波によるマイクロホンの音響中心での時間平均音圧レベルを減じたもの。単位は
デシベル(dB)。
参考1. 3.5〜3.8の感度レベルは,従来広く用いられているトランスジューサの感度レベルの定義(例
えば,マイクロホンの場合には,開放出力電圧と音圧との商として求めた感度を基準感度で
除した値の常用対数の20倍)とは異なる。
2. この規格で用いる音響中心とは.指向係数などを求める場合の基準点としての意味と考えら
れ,例えば,マイクロホンの振動膜の幾何学的中心を音響中心としてもよい。
3.6
拡散音場感度レベル (diffuse-field sensitivity level) 対象とする周波数(又は周波数帯域)にお
いて,拡散音場での騒音計の時間平均音圧レベルの指示値から,騒音計の存在しない状態での騒音計のマ
イクロホンの音響中心の位置の,その音場の時間平均音圧レベルを減じたもの。単位はデシベル (dB)。
3.7
自由音場感度レベル (free-field sensitivity level) 対象とする周波数(又は周波数帯域)において,
基準方向から入射する自由音場での騒音計の音圧レベルの指示値から,騒音計の存在しない状態での騒音
計のマイクロホンの音響中心の位置の,その音場の音圧レベルを減じたもの。単位はデシベル (dB)。
3
C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)
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3.8
音圧感度レベル (pressure sensitivity level) 対象とする周波数(又は周波数帯域)において,マイ
クロホyの振動膜面上に一様な音圧が加えられた場合の騒音計の音圧レベルの指示値から,振動膜面上の
実際の音圧レベルを減じたもの。単位はデシベル (dB)。
4. 自由音場測定による校正方法
4.1
各周波数(又は周波数帯域)での騒音計のランダム入射感度レベルGRIは,次の式で計算する。
GRI=GF−10log10γ (dB) ··························································· (1)
ここに,
γ: 騒音計の指向係数で,マイクロホン^
のすべての音の入射角で等感度とした理想的な全指向応答か
らの偏差を表す。
GF: 基準方向から入射する音に対する騒音計の自由音場感度レベ
ル,Lrd−L0 (dB)
Lrd: 基準方向からマイクロホンに入射する平面進行波による騒音
計の音圧レベルの指示値 (dB)
L0: 騒音計が存在しない状態での同一の平面進行波の音圧レベル
(dB)
4.2
騒音計の自由音場感度レベルGF=Lrd−L0は,通常,個々の騒音計で異なるが,指向係数γは,騒音
計の寸法及び幾何学的形状にだけ依存し,同一型式のすべての騒音計で等しい。
4.3
指向係数γを求めるために,基準座標系の原点がマイクロホンの音響中心と一致するように配置し
た騒音計を考える。騒音計の基準方向を,座標系のX軸に一致させる。異なる方向からの音は,原点から
のベクトルrρで定義する,球の表面上の一点に配置した音源から騒音計に入射する。図1を参照。
4.4
指向係数γは,次の式で計算する。
()
[
]
∫
Ω
−
S
d
r
L
L
ρ
-
1.0
rd
10
4π
γ=
································································· (2)
ここに, L (rρ) : 方向rρからマイクロホンに入射する平面進行波による騒音
計の音圧レベルの指示値 (dB)
Lrd: 基準方向からマイクロホンに入射する平面進行波による
騒音計の音圧レベルの指示値 (dB)
dΩ: 音源位置rρに対応する面要素の立体角 (sr)
積分は,球の表面全体にわたり行う。
図1 自由音場測定に基づいてランダム入射感度レベルを校正するための基準座標系
4
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4.5
実際の測定のためには,音源の位置を,図2に示すようにX軸から測定した音の入射角φ及びX軸に
垂直な平面内で測定した角度αで記述すると便利である。この場合の指向係数γは,次の式で計算する。
[
]
∫
∫
=
=
−
=
π
φ
π
α
φ
α
φ
α
φ
π
γ
2
0
0
d
d
sin
)
,
(
-
1.0
rd
10
4
L
L
··············································· (3)
4.6
ランダム入射感度レベルを実際に求めるために,音の入射方向の数は有限にせざるをえない。騒音
計にある方向から入射する音は,その方向の近傍を代表すると考える。
4.7
音圧レベルの指示値L (φ, α) はφ及びαの十分に小さい増分の中で一定であると仮定し,角度φ及びα
の範囲をそれぞれm個及びn個の等しい部分に分割して∆φ=2π/m及び∆α=π/nとなるようにすれば,式(3)
は次の式で近似できる。
[
]
∑∑
=
=
−
=
m
i
n
j
L
L
j
i
j
i
K
1
1
)
,
(
-
1.0
rd
10
)
,
(
1
α
φ
α
φ
γ
················································ (4)
ここに,
φ
α
φ
π
α
φ
φ
φ
φ
φ
α
α
α
α
d
sin
1/4
)
,
(
2/
2/
2/
2/
d
)
(
⊿
⊿
⊿
⊿
∫
∫
+
−
+
−
=
i
i
j
j
j
i
K
······················ (5)
式(5)から,無次元の係数K (φi, αj) は,sinφが積分範囲内で符号を変えなければ,角度φ,∆φ, α及び∆αの
単位をラジアンとして次の式となる。
K (φi, αj) =|(⊿α/4π) [cos (φi−∆φ/2) −cos (φi+∆φ/2)]|···················· (6)
φi=0又はφi=πでは,次の式となる。
K (φi, αj) = (2∆α/4π) [1−cos (∆φ/2)] ·············································· (7)
備考1. 簡略化のために,以下,添字のi及びjは省略する。
2. K (φ, α) はαに依存しないので,以下,係数の角度αの変数としての表記は省略する。
4.8
K (φ) は,個々の測定値に適用する重み付けを考慮する係数である。重み付けは,騒音計を取り囲む
球面上の面要素に対応する立体角の大きさに比例する。
4.9
附属書Aに,式(4)に従いランダム入射感度レベルを求める例を示す。
図2 自由音場測定に基づいてランダム入射感度レベルを実際に求めるための基準座標系
5
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4.10 ランダム入射感度レベルの測定は,JIS Z 8732(附属書A)の要求事項を満たす無響室内で行う。測
定は,離散周波数の正弦波信号又はランダムノイズのいずれかで行ってもよい。測定結果は,ISO 266に
よる推奨周波数で報告し,帯域幅は1/3オクターブとする。バンドパスフィルタは,JIS C 1514のクラス0
又はクラス1に適合しなければならない。
参考 ISO 266による1/3オクターブバンド中心周波数の推奨周波数は,JIS C 15141に規定するもの
に等しい。
4.11 離散周波数の正弦波信号を用いる場合,ランダムノイズによる測定と一致した結果を得るために,
対象周波数範囲内の各1/3オクターブバンドの帯域内で少なくとも八つの周波数での測定結果をγとともに
GFについても平均して求めることが必要となることもある。それらの周波数は,対数軸上で等間隔に分布
するようにし,平均は,2乗平均に基づく。
5. 拡散音場測定による校正方法
5.1
拡散音場における校正方法は,校正対象騒音計のマイクロホン及び基準とする騒音計(以下,基準
騒音計と呼ぶ。)のマイクロホンを拡散音場内の同一位置に順次配置した場合の,校正対象騒音計の拡散音
場感度レベルと基準騒音計の拡散音場感度レベルとを比較して行う。基準騒音計の校正方法は,次のいず
れかによる。
― 4.による自由音場測定による方法
― 自由音場校正(指向係数が既知の場合)
― 音圧校正(拡散音場感度レベルと音圧感度レベルとの差が既知の場合,附属書B及び表B.1)
5.2
各周波数帯域で,拡散音場感度レベル間の差∆GDを次の式で計算する。
∆GD=LD−LD,ref (dB) ····························································· (8)
ここに,
LD: 校正対象騒音計の音圧レベルの指示値 (dB)
LD,
ref:
基準騒音計の音圧レベルの指示値 (dB)
5.3
基準騒音計が4.に従い校正されている場合,拡散音場感度レベルGDは次の式で計算する。
GD=∆GD+GRI,ref (dB) ··························································· (9)
ここに,
GRI,ref: 基準騒音計のランダム入射感度レベル (dB)
5.4
基準騒音計が自由音場で校正され,指向係数が既知(例えば,表B.1参照)の場合,拡散音場感度レ
ベルは次の式で計算する。
GD=∆GD+GF,ref−10log10γref (dB) ··········································· (10)
ここに,
GF,
ref:
基準騒音計の基準入射方向での自由音場感度レベル,Lrd,ref
−Lo (dB)
γref: 基準騒音計の指向係数
5.5
基準騒音計が音圧校正され,拡散音場と音圧での感度レベルの差が既知(例えば,表B.1参照)の
場合,拡散音場感度レベルは次の式で計算する。
GD=∆GD+ (GP,ref+∆DP) (dB) ············································ (11)
ここに, GP, ref: 基準騒音計の音圧感度レベル (dB)
∆DP: 基準騒音計の拡散音場と音圧での感度レベルの差 (dB)
6
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5.6
拡散音場感度レベルの測定は,JIS Z 8734(附属書A)の要求事項を満たす残響室で実行する。測定
に用いる信号は,広帯域ランダムノイズ又はフィルタを通したランダムノイズのいずれかでよい。測定結
果は,1/3オクターブの帯域幅で与える。平均時間は,同一条件下の繰返し測定による結果の標準偏差が
0.05dB未満となるように,十分長くする。
5.7
バンドパスフィルタは,JIS C 1514のクラス0又はクラス1の要求事項に適合しなければならない。
5.8
附属書Bに,拡散音場感度レベルを求める例を示す。
7
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附属書A(参考) 自由音場測定による校正方法の例
A.1 校正手順の原理
A.1.1 校正対象騒音計を音源に対して回転し,音の入射角を変化させる。騒音計のマイクロホンの音響中
心及び音源の音響中心を,無響室内の同じ位置に固定する。
A.1.2 マイクロホン及び音源を固定した位置に保つことによって,無響室内音場の不完全さに起因する誤
差を小さくすることができる。
A.1.3 校正手順の原理を図A.1に示す。校正対象騒音計を固定座標系内に置き,音源を物理的に移動させ
て異なる方向から音を入射させる。座標系の原点を中心とする仮想球面を音が通過すると考える。
A.1.4 図A.1の例では,音源は,座標系のX-Y平面及びX-Z平面の二つの平面内を移動する。この場合の
音源の位置は,式(4)の近似式でαの90°の増分に相当する。また,音源をある固定した位置に保ち,騒音
計を(マイクロホンの音響中心を原点に保って)X-Y平面及びX-Z平面内で原点を中心に回転させた場合
にも,同じ音の入射角を得ることができる。
A.1.5 X-Y平面での回転は,図A.2に示すように,騒音計を回転台(ターンテーブル)に取り付けると実現
が容易である。X-Z平面での回転は,X-Y平面内の回転の前に,あらかじめ校正対象騒音計をその中心軸に
対して90°回転しておくこと(図A.3参照)で実現できる。
A.1.6 音の入射角度の数を適切に設定することによって,校正対象騒音計を取り囲む球面を適切な数の小
さな面要素に分割することができる(図A.1参照)。各面要素の大きさ及び形状は,設定した角度に依存す
る。音の入射角度の変化を等角度に設定した場合,球面は等面積の面要素には分割されない。しかし,個々
の面要素が球の全表面積と比較して十分小さければ,これは重要ではない。最大の面要素は,球の全表面
積の3%を超えないことが望ましい。
備考 音源は,X-Y又はX-Z平面のいずれであっても,マイクロ
ホンから一定の距離にあると考える。この配置は,図示す
るように球面を分割する。表面領域の面要素の中心からの
入射であることを図解するために,基準方向以外に三つの
音源の位置を示す。
図A.1 マイクロホンを球の中心に置き,
基準方向をX軸に一致させた校正対象騒音計
8
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備考 音入射の基準方向をx軸に一致させ,座標系の原点をマイク
ロホンの音響中心とする。
図A.2 X-Y平面内の異なる方向から音を入射させるために
ターンテーブルに取り付けられた校正対象騒音計
備考 入射角度φでの測定が,騒音計を90°回転させる前である
か後であるかを識別するために,前者をφ,h及び後者をφ,
vと呼ぶ。
図A.3 基準方向に一致する軸を中心に校正対象騒音計を90°
回転させ,その後に図A.2のようにX-Y平面内を回転
させることによって,X-Z平面の回転を実現する方法
A.1.7 面要素の境界で定義される立体角内の方向からマイクロホンに入射する音波は,面要素の中心を通
る方向からの音で代表されると考える。個々の面要素の面積は等しくないため,方向ごとの音圧レベルの
指示値は,面要素の面積に従い重み付けする。角度の増分が10°の場合,球面は,70の面要素に分割され
る。分割された面要素の面積の最大は,球の全表面積の約2.2%であり,3%未満(A.1.6参照)である。式
(A.1)及び式(A.2)を用いて計算した,X-Y及びX-Z平面の両方の10°の増分に対する係数K (φ) を,表
A.1に与える。
9
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表A.1 ∆α=π/2ラジアン (90°) としてランダム
入射感度レベルを計算するための係数K (φ)
音の入射角φ(度)
K (φ)
0, 180
0.000 95
10, 170, 190, 350
0.003 78
20, 160, 200, 340
0.007 45
30, 150, 210, 330
0.010 89
40, 140, 220, 320
0.014 01
50, 130, 230, 310
0.016 69
60, 120, 240, 300
0.018 87
70, 110, 250, 290
0.020 47
80, 100, 260, 280
0.021 46
90, 270
0.021 79
備考 二つの直交する平面内で角度の増分10°
で測定する。
A.1.8 係数K (φ) を求めるために,様々な近似を用いてもよい。この規格では,音の入射角度φに対する係
数K (φ) を,∆α=π/2 (90°) として式(6)から計算する。φ−∆φ/2≧0°及びφ+∆φ/2≦180°に対して次の式
のようになる。
K (φ) = (1/8 [cos (φ−∆φ/2) −cos (φ+∆φ/2)]······························· (A.1)
式(7)から,φ=0°及びφ=180°に対しては次の式のようになる。
K (0) = K (180) = (1/4) [1−cos (∆φ/2)] ······································ (A.2)
ここに, K (φ) : 入射角φに対する係数
φ: 基準方向から測定した入射角
(°)
∆φ: 角度の増分 (°)
備考 取り囲む球面上での等角度間隔配置に代わるものと
して,面要素の面積がすべて等しくなるような配置
がある。各音圧レベルの指示値は,そのとき等しい
重み付けをする。球を等しい面積の38の面要素に分
割すると,0°,90°及び180°の音の入射角度を含
み,各面要素の面積は,球の全表面積の2.6%となる。
音の入射角度は,水平面内の0°,32.6°,50.8°,
65.1°,77.9°,90°,102.2°,114.9°,129.2°,
147.4°,180°,212.6°,230.8°,245.1°,257.8°,
270°,282.1°,294.9°,309.2°,327.4°並びに0°
及び180°を除く垂直面内の同一角度である。
A.2 測定系の構成
A.2.1 自由音場感度レベルOFの測定における測定系は,校正対象騒音計が基準騒音計と置換できるように
構成することが望ましい。回転台(ターンテーブル)を用いて指向係数γを測定する場合には,校正対象騒
音計のマイクロホンの音響中心が回転の中心に一致するように取り付ける(図A.2参照)。製造業者が騒音
計に対して規定する基準方向は,回転面にあることが望ましい。音源は,校正対象騒音計の回転面内に配
置することが望ましい。
備考 騒音計の支持系は,機械的安定性を損なうことなく,音場への影響を実用的な範囲で減少させ
るようにする。
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C 1508 : 2000 (IEC 61183 : 1994)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A.2.2 音源から一定の音響パワーが放射されるとき,それぞれの測定周波数ごとに,マイクロホンから0.3m
以内の音圧レベルの偏差が±1dB未満となるように音源までの距離を設定する。
A.2.3 対象とするすべての周波数で,十分な信号対雑音比が得られるように,音圧レベルを設定する。信
号対雑音比は,20dB未満とならないことが望ましい。指向係数γの測定では,騒音計の各回転中に,音圧
レベルを一定に維持することが望ましい。自由音場感度レベルGFの測定では,音圧レベルは,異なる周波
数に対して一定であることが望ましい。
A.2.4 測定は,校正対象騒音計に対して適切な周波数範囲で行うことが望ましい。
A.3 自由音場感度レベルGFの測定
A.3.1 測定及び計算は,対象とする周波数(又は周波数帯域)で,次に従うことが望ましい。
A.3.2 校正対象騒音計を自由音場校正した基準マイクロホンに置換し,音圧レベルを測定する。マイクロ
ホンの基準方向を,音源への方向に一致させる。測定した音圧レベルをL0とする(4.参照)。
A.3.3 校正対象騒音計を,マイクロホンの音響中心が基準マイクロホンのそれと一致し,基準方向が音源
への方向と一致するように支持部に取り付ける。音圧レベルの指示値をLrdとする(4.参照)。
A.3.4 Lrd-L0から自由音場感度レベルを計算する。計算した結果をGFとする(4.参照)。
備考 JIS C 1502又はJIS C 1505への適合性を確保するために,L0は,製造業者の規定する74dBか
ら94dBの範囲にある基準音圧レベルとすることが望ましい。
A.4 指向係数の測定及び計算
A.4.1 対象とする周波数(又は周波数帯域)で,測定及び計算は,次に従うことが望ましい。
A.4.2 校正対象騒音計を,マイクロホンの音響中心が回転の中心と一致するように,回転台に取り付ける
(図A.2参照)。
A.4.3 校正対象騒音計の基準方向をX軸と一致させる(図A.2参照)。
A.4.4 校正対象騒音計の音圧レベルの指示値を読む。その読値をLrdとする(4.参照)。
A.4.5 校正対象騒音計を,360°まで,例えば10°ずつ回転する。新しい位置のそれぞれで,音圧レベルの
指示値を読む。その読値をL (φ, h) とする。
A.4.6 校正対象騒音計を基準方向と一致する軸を中心に90°回転させる(図A.3参照)。A.4.5の手順を繰
り返す。音圧レベルの指示値をL (φ, v) とする。
A.4.7 各周波数での指向係数γは,角度の増分が10°の場合,次の式から計算する。
[
]
[
]
1
350
0
350
0
)v,
(
-
1.0
)h,
(
-
1.0
rd
rd
10
)
(
10
)
(
−
=
=
−
=
−
−
+
∑
∑
φ
φ
φ
φ
φ
φ
φ
φ
γ
L
L
L
L
K
K
=
·················· (A.3)
ここに,
Lrd: マイクロホンの基準方向から平面進行波を入射したとき
の校正対象騒音計の音圧レベルの指示値 (dB)
L (φ,h) : 基準方向からの角度φでX-Y平面内(hは測定がX-Y平面
内の音源の移動と等価なことを示す。)の音源位置に対す
る校正対象騒音計の音圧レベルの指示値 (dB)
L (φ, v) : 基準方向からの角度φでX-Z平面内(vは測定がX-Z平面
内の音源の移動と等価なことを示す。)の音源位置に対す
る校正対象騒音計の音圧レベルの指示値 (dB)
K (φ) : 個々の音圧レベルに適用される重み付けのための係数
(10°の増分に対してはA.1.8及び表A.1参照)
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L (0°, h) =L (0°, v) 及びL (180°, h) = L (180°, v) であるので,これらの測定は,ただ1回行えば
よい。
備考1. 校正対象騒音計が基準方向に対して回転対称性をもつ場合,指向性の測定は,一平面,すな
わち,A.4.5に従ってだけ行えばよい。その場合の指向係数は,次の式で与えられる。
[
]
1
350
0
)h,
(
-
1.0
rd
10
)
(
2
−
=
=
−
=∑
φ
φ
φ
φ
γ
L
L
K
················································· (A.4)
2. 音の入射角を,38個の等面積面要素に対応するように設定する場合(A.1.8の備考参照),指
向係数の計算は,次の式のように単純化される。
[
]
1
38
1
)
(
-
1.0
rd
10
)
38
/1(
2
−
=
=
−
=∑
n
n
n
L
L
γ
·················································· (A.5)
A.5 ランダム入射感度レベルGRIの計算 各周波数で,次の式からランダム入射感度レベルGRIを計算す
る。
GRI=GF−10log10γ (dB) ···························································· (A.6)
A.6 ランダム入射感度レベルGRIの表示 ランダム入射感度レベルGRIは,表又は曲線のいずれかで与え
てもよい。
備考1. 離散周波数の正弦波信号での測定とランダムノイズによる測定とでの結果を一致させるため
には,4.11を参照。
2. 基準方向がマイクロホンの振動膜に垂直ではない場合,指向係数の測定は,角度αの45°の
増分に対応する四つの平面での実施が必要となることがある(図2参照)。実際には,二つの
90°の増分に代わって四つの45°の増分で騒音計を保持して行えばよい(図A.3参照)。係
数K (φ) は,それに応じて,すなわち,表A.1に与える値の半分に変更する。
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附属書B(参考) 拡散音場測定による校正方法の例
B.1
測定系の構成
B.1.1 基準騒音計は,1に近い指向係数をもつことが望ましい。騒音計の支持部,その他のすべての装置
から反射する音が,直接,マイクロホンに入射しないようにすることが望ましい。
参考 基準騒音計の指向係数を1に近づけるためには,マイクロホンをその他の部分から分離してケ
ーブルで接続するような構成とすることが一般的である。
B.1.2 基準騒音計のマイクロホンは,IEC 61094-1に従うタイプLS2aP/LS2F又はタイプLS2bPのマイク
ロホンを使用することが望ましい。タイプLS2aP/LS2Fのマイクロホンの指向係数及び拡散音場と音圧で
の感度レベルの差∆DPを表B.1に示す。
参考 表B.1のタイプLS2aP/LS2Fのマイクロホンの指向係数及び拡散音場と音圧での感度レベルの
差∆DPは,マイクロホンをその他のきょう(筐)体部分から分離した場合である。
B.1.3 低周波数帯域及び高周波数帯域では,残響室内に十分な拡散性が得られるとは限らない。したがっ
て,拡散音場感度レベルの測定は,室内の数か所で行うことが望ましい。校正対象騒音計のマイクロホン
及び基準騒音計のマイクロホンは,室内の円形経路に沿って移動することが望ましい。円の平面は,室内
のどの壁面に対しても平行でないことが望ましい。円の半径は,1m又は騒音計の最大寸法の3倍より大
きいことが望ましい。
B.1.4 音場の拡散性は,少なくとも二つの全指向性音源を同時に用いることで改善されることもある。信
号は無相関で,全周波数帯域でほぼ等しい音響パワーをもつ(例えば,同一型式の基準音源)ことが望ま
しい。基準騒音計及び校正対象騒音計による音圧レベルの測定では,平均時間を十分長くする。
備考 同条件下の繰返し測定で,500Hz以上の周波数で2分,250Hz以上500Hz未満の周波数で8分,
125Hz以上250Hz未満の周波数で15分の平均時間とすれば,結果の標準偏差0.05dBを達成で
きる。
参考 125Hz未満の周波数では15分以上の積分時間が必要である。
B.1.5 測定は,校正対象騒音計にとって適切な周波数範囲で行うことが望ましい。
B.2
4.及び附属書Aの手順に従い校正した基準騒音計で測定した音圧レベルとの比較による拡散音場感
度レベルGDの測定
B.2.1 対象とする周波数帯域で,測定及び計算は次に従う。
B.2.2 校正対象騒音計を基準騒音計に置換して音圧レベルを読む。音圧レベルの指示値をLD,refとする(5.
参照)。
B.2.3 校正対象騒音計を,マイクロホンの音響中心が基準騒音計のそれと一致するように,支持部に取り
付ける。
音圧レベルの指示値をLDとする。
B.2.4 ∆GD=LD−LD,refを計算する[式(8)参照]。
B.2.5 GD=∆GD+GRL,refを計算する[式(9)参照]。
B.3
自由音場感度レベルGF,ref及び指向係数γrefが既知の自由音場校正された基準騒音計で測定した音圧
レベルとの比較による拡散音場感度レベルGDの測定
B.3.1 自由音場感度レベル及び指向係数は,附属書Aの方法で求めることが望ましい。
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B.3.2 対象とする周波数帯域で,測定及び計算は,次の手順に従い行うことが望ましい。
B.3.3 校正対象騒音計を基準騒音計に置換して音圧レベルを読む。音圧レベルの指示値をLD,refとする(5.
参照)。
B.3.4 校正対象騒音計を,マイクロホンの音響中心が基準騒音計のそれと一致するように,支持部に取り
付ける。
音圧レベルの指示値をLDとする。
B.3.5 ∆GD=LD−LD,refを計算する[式(8)参照]。
B.3.6 GD=∆GD+GF,ref−10log10γrefを計算する[式(10)参照]。
B.4
音圧感度レベルGP,ref及び拡散音場感度レベルと音圧感度レベルとの差∆DPが既知の音圧校正された
基準騒音計で測定した音圧レベルとの比較による拡散音場感度レベルGDの測定
B.4.1 タイプLS2aP/LS2Fのマイクロホンを基準として用いる場合,拡散音場と音圧での感度レベルの差
∆DPは,表B.1の値を用いてもよい。
B.4.2 ある周波数帯域で,測定及び計算は次に従う。
B.4.3 校正対象騒音計を基準騒音計に置換して音圧レベルの指示値を読む。その読値をLD,refとする(5.
参照)。
B.4.4 校正対象騒音計を,マイクロホンの音響中心が基準騒音計のそれと一致するように,支持部に取り
付ける。音圧レベルの指示値をLDとする。
B.4.5 ∆GD=LD−LD,refを計算する[式(8)参照]。
B.4.6 GD=∆GD+ (GP, ref+∆DP) を計算する[式(11)参照]。
表B.1 タイプLS2aP/LS2Fのマイクロホンの感度レベル
周波数
Hz
指向係数γの常用対数の10倍
dB
拡散音場と音圧での感度レベルの差∆DP
dB
25〜800
0.00
0.00
1 000
0.05
0.00
1 250
0.10
0.00
1 600
0.20
0.05
2 000
0.20
0.10
2 500
0.35
0.10
3 150
0.65
0.15
4 000
0.85
02.5
5 000
1.25
0.40
6 300
1.80
0.65
8 000
2.45
1.20
10 000
3.30
1.90
12 500
4.30
2.70
16 000
5.30
3.05
20 000
6.70
2.20
備考 すべての値は,純音を用いて求めた。
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B.5
表B.1に与える値を求めるために用いた測定方法 1インチマイクロホン(B&K4144型)を音響放
射器として用いた。受音システムは,校正対象マイクロホン(B&K4180型),マイクロホン前置増幅器
(B&K2660型,低域遮断周波数を20Hzに変更),計測用増幅器(外部に150Hzの低域遮断フィルタを接
続したB&K2636型),帯域幅31.6Hzのバンドパスフィルタに設定した狭帯域分析器(B&K2010型)及び
コンピュータに接続した12ビットアナログディジタル変換器を用いたディジタル信号分析システムで構
成した。
参考 ここに示す“B&K (Brüel&Kjær) の製品は,この規格の使用者の便宜のために掲げた一例であ
る。これと同等の機器を用いれば,同じ結果を得ることができる。
マイクロホンの出力電圧は,各信号を1/4周期ごとに標本化した瞬時値から求めた。以下の計算に使用
した各標本は,30000周期の標本の平均である。周波数応答関数は,900Hzから20kHzまでの範囲を対数
等間隔 (1/200decade) に270の周波数で測定した値から求めた。室内の不要な反射による影響を除去する
ために,3次のスプライン関数の係数を調整し,平滑化した。
表の値は,平滑化した関数から求め,0.05dBに丸めたものである。
測定の不確かさは,±0.03dBと推定する。
JIS C 1508(電気音響−騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法)原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 今 井 章 久
武蔵工業大学
(幹事)
○
瀧 浪 弘 章
社団法人日本騒音制御工学会(リオン株式
会社)
(委員)
子 安 勝
千葉工業大学
橘 秀 樹
東京大学生産技術研究所
三 浦 甫
静岡理工科大学
○ 矢 野 博 夫
千葉工業大学
○ 佐 藤 利 和
松下インターテクノ株式会社
○ 高 澤 淳 之
株式会社小野測器
○ 若 林 友 晴
リオン株式会社
山 内 庸
株式会社ナガノ計装
大 熊 恒 靖
リオン株式会社
大 島 俊 也
財団法人小林理学研究所
○
高 橋 多 助
財団法人日本品質保証機構計量計測セン
ター
○ 藤 森 威
工業技術院電子技術総合研究所
○ 橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
○ 橋 爪 邦 隆
工業技術院標準部
(事務局)
雨 宮 明 生
社団法人日本騒音制御工学会
備考 ○印は小委員会委員を兼ねる。