C 1102-9 : 1997
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによってJIS C 1102-1981は廃止され,この規格に置き換えられる。
規格の構成
JIS C 1102は,共通タイトル“直動式指示電気計器 (Direct acting indicating analogue electrical measuring
instruments and their accessories) ”を付けて,次の9部構成である。
JIS C 1102-1 第1部:定義及び共通する要求事項
(Part 1 : Definitions and general requirements common to all parts)
JIS C 1102-2 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
(Part 2 : Special requirements for ammeters and voltmeters)
JIS C 1102-3 第3部:電力計及び無効電力計に対する要求事項
(Part 3 : Special requirements for wattmeters and varmeters)
JIS C 1102-4 第4部:周波数計に対する要求事項
(Part 4 : Special requirements for frequency meters)
JIS C 1102-5 第5部:位相計,力率計及び同期検定器に対する要求事項
(Part 5 : Special requirements for phase meters , power factor meters and synchroscopes)
JIS C 1102-6 第6部:オーム計(インピーダンス計)及びコンダクタンス計に対する要求事項
[Part 6 : Special requirements for ohmmeters (impedance meters) and conductance meters]
JIS C 1102-7 第7部:多機能計器に対する要求事項
(Part 7 : Special requirements for multi-function instruments)
JIS C 1102-8 第8部:附属品に対する要求事項
(Part 8 : Special requirements for accessories)
JIS C 1102-9 第9部:試験方法
(Part 9 : Recommended test methods)
JIS C 1102-9には,要求事項は含まれていない。JIS C 1102-1〜8に要求事項が規定されており,また,
JIS C 1102-9の各試験項目への参照も示されている。
JIS C 1102-9のうち,次の試験は,対応する要求事項が,JIS C 1102-1〜8のなかに規定されていない。
これらは,通常,製造業者と使用者の間との合意によって性能が決められるが,試験方法を標準化するた
めにJIS C 1102-9に含めた。
トラッキング誤差
電圧及び力率の同時変化による影響変動値
C 1102-9 : 1997
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目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲及び一般試験条件 ································································································ 1
2. 固有誤差試験 ·················································································································· 3
3. 影響変動値試験 ··············································································································· 7
4. その他の試験 ················································································································· 23
5. 試験及び試験条件の索引 ·································································································· 30
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
C 1102-9 : 1997
直動式指示電気計器
第9部:試験方法
Direct acting indicating analogue electrical measuring instruments and their
accessories
Part 9 : Recommended test methods
序文 この規格は,1988年に第4版として発行されたIEC 51-9 , Direct acting indicating analogue electrical
measuring instruments and their accessories Part 9 : Recommended test methods , Amendment 1 (1994) 及び
Amendment2 (1995) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で
ある。ただし,Amendmentについては,編集し一体とした。
なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
また,この規格ではJIS C 1102-2〜8の規格を“個別規格”という。
1. 適用範囲及び一般試験条件
1.1
適用範囲
この規格は,アナログ表示の直動式指示電気計器及び附属品の,推奨する試験方法について規定する。
1.2
一般試験条件
この規格で述べる試験方法は,別に規定のない限り,次に示す条件のもとで適用する。
1.2.1
標準状態
標準状態は,JIS C 1102-1〜8の表Iによる。標準状態が範囲で規定されているときには,基準範囲の双
方の限度で試験を実施すること。
1.2.2
視差
備考 計器の指示を読み取るときは,視差がでないように注意すること。
縁形計器では,視線は,指標の先で目盛板に直角になるようにする。
ミラー付計器では,視線は,指標の先がその鏡像と一致するようにする。
1.2.3
タッピング
読取りの前に,計器又は計器の支持物を,指又は鉛筆の端に付いている消しゴムなどで軽くたたくこと。
ただし,固有誤差試験,零位への戻り試験及び衝撃・振動の影響の試験などでは,それぞれの試験方法
で述べるように,タッピングをしてはならない。
1.2.4
熱的安定
計器は,温度が均一になるのに十分な時間,基準温度中に置かなければならない。
備考 通常は2時間でよい。
1.2.5
予備状態の時間
2
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JIS C 1102-1の3.3.1による。
1.2.6
零位調整(機械的)
計器に通電しないで,一連の読取りに先立ち,次の要領で指標をゼロ目盛線又は目盛上の所定の基準と
なるマークに,機械的零位調整器で合わせること。ただし,零位調整器のない計器,及び機械的零位が目
盛上にない計器は,調整してはならない。
1) 零位調整器を指標が計器のゼロマークへ向かう方向に動かす。
2) 計器の外箱をタッピングをしながら,1)の方向に指標を動かし,指標をゼロマークに合わせる。動か
す方向を定めたら,指標がゼロマークにくるまで方向を変えないこと。
3) 指標をゼロマークに合わせたまま,零位調整器を動かす方向を逆にし,零位調整器から,機械的な自
由(遊び)が十分得られるだけ動かす。ただし,指標の位置が変化するほど動かしてはならない。
1.2.7
零位調整(電気的)
一連の読取りに先立ち,指標を電気的零位調整器で基準となるマークに合わせること。この調整の詳細
は製造業者の指示による。
1.2.8
試験装置の誤差
試験には,被試験計器の精度階級の1/4以下の基準計器を使用すること。なお,被試験計器の精度階級
の1/10以下の基準計器の使用が望ましい。
影響変動値の試験では,できる限り,影響量(例えば,温度)を基準計器に加えないこと。若しくは,
基準計器は,被試験計器と同一の影響量(例えば,周波数の変化)の下で,被試験計器が許容される影響
変動値の1/4以上の影響を受けないこと。
製造業者は,出荷時に計器の誤差を限度内に収めるために,基準計器の不確かさを考慮すること。使用
者は,計器を検査するとき,許容誤差に基準計器の誤差を加算し,その結果を限度として使用すること。
これらは,試験の簡略化及び/又は高精度化を実現するための特殊な試験方法及び/又は特別な試験装
置の使用を妨げるものではない。
1.2.9
読取方法
試験は,できる限り,被試験計器の目盛に指標を合わせて,基準計器を読み取るようにして行う。
備考 基準計器の目盛の区分(又は,けた数)は,被試験計器の精度階級の少なくとも1/5程度に読
み取ることができるのが望ましい。
1.2.10 多相試験
多相計器は,電圧,電流及び位相角を正確に測定・調整できる多相電源に接続して試験するのが望まし
い。
多相計器の単相試験を製造業者が認めている場合には,電流端子は直列に,電圧端子は並列に接続して
試験してもよい。接続の詳細及び校正定数は,製造業者の指示による。
1.2.11 交流計器の直流による試験
電流力計形,熱形,静電形などの交流計器は,製造業者が認めているなら,直流で試験してもよい。こ
の場合,力率及び位相角に関連する事項は無視する。この場合,誤差は各測定回路で極性を変えて試験し,
その結果を平均する。
交流の影響変動値に関する試験には適用できないものもある。
1.2.12 多レンジ及び多機能計器
すべてのレンジ及び機能は,別々に試験しなければならない。複数の電源電圧に対応できる計器は,各々
の電源端子で試験すること。
3
C 1102-9 : 1997
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1.2.13 試験用導線
試験用導線を製造業者が指定している場合は,指定された導線を使用して試験すること。又は,導線の
寸法及び配置が,試験の結果に影響を与えないようにすること。
1.2.14 オーム計の試験
高抵抗値の試験では,試験用抵抗器に試験用導線間の絶縁抵抗が並列に入るために生じる誤差が,オー
ム計の固有誤差の1/10を超えないように,試験用導線間の絶縁抵抗を高くすること。
低抵抗値の試験では,試験用導線の全抵抗値を試験用抵抗器の値と比較して無視できる程度に低くする
こと。
オーム計で,先端がスパイク状になっているリード線では,そのスパイクを受けることのできる端子が
ある特別な試験用抵抗器が必要なことがある。
4端子法で測定するオーム計では,特別な試験用抵抗器を用いることがある。
高電圧オーム計の試験では,試験用抵抗器の定格電圧を超えないように注意すること。これは,絶縁破
壊の危険があること,及び試験用抵抗器が大きな電圧係数をもっているかもしれないという二つの理由に
よる。
オーム計の試験電圧が,指定の試験抵抗値(又は,開放回路)で測定するように規定されている場合,
その電圧は許容誤差が試験電圧の1%を超えないような電圧計で測定するのが望ましい。規定の試験抵抗
値で電圧を測定しようとする場合,電圧計が試験用抵抗器に並列に接続されることになる。また,開放回
路電圧を測るには,漏れ電流の無視できるような静電電圧計の使用が適切である。
備考 電子式の直流電圧計を,入力のオフセット電圧と電流が影響しないようにして,使用してもよ
い。
オーム計の電流で試験用抵抗器が破壊しないように注意すること。
手回し発電機式のオーム計では,できる限り,一定の速度で,かつ,製造業者の指定する速度で回転さ
せることが望ましい。スリッピングクラッチの付いたものでは,クラッチのスリップ速度より約10%速く
回すことが望ましい。
2. 固有誤差試験
2.1
電流計及び電圧計
2.1.1
手順
1) 必要に応じ,タッピングをしながら零位を調整する。
2) 入力を徐々に増加させて,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線 (Bx) に
順次,タッピングをしないで指標を合わせる。入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 入力を,測定範囲の上限値の120%に相当する値又は指標の動作範囲の上限に相当する値のどちらか
小さい方に達するまで増加させる。直ちに,入力を徐々に減少させ,手順2)と同じ目盛線 (Bx) に順
次,タッピングをしないで指標を合わせる。入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
備考 零位が目盛の内側にある計器では,この試験はゼロ目盛線の両側で実施することが望ましい。
2.1.2
計算
固有誤差(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算する。
100
×
−
F
R
X
A
B
B
ここに, AF: 基底値
4
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2.2
電力計及び無効電力計
2.2.1
手順
1) 必要に応じ,タッピングをしながら零位を調整する。
2) 電圧回路に定格電圧±2%以内の電圧を加える。
3) 電流を徐々に増加させて,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線 (Bx) に
順次,タッピングをしないで指標を合わせる。入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
4) 電流を,測定範囲の上限の120%に相当する値,又は指標の動作範囲の上限に相当する値のどちらか
小さい方に達するまで増加させる。直ちに,電流を徐々に減少させ,手順3)と同じ目盛線 (Bx) に順
次,タッピングをしないで指標を合わせる。入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
備考 零位が目盛の内側にある計器では,この試験はゼロ目盛線の両側で実施することが望ましい。
2.2.2
計算
固有誤差(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算する。
100
×
−
F
R
X
A
B
B
ここに, AF: 基底値
2.3
周波数計(指針形)
2.3.1
手順
1) 必要に応じ,タッピングをしながら零位を調整する。
2) 低い周波数で,定格電圧又は基準範囲の一方の限度の電圧を加え,周波数を徐々に増加させて,測定
範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線 (Bx) に順次,タッピングをしないで
指標を合わせる。周波数 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 周波数を,測定範囲の上限の120%に相当する値又は指標の動作範囲の上限に相当する値のどちらか
小さい方に達するまで増加させる。直ちに,周波数を徐々に減少させ,手順2)と同じ目盛線 (Bx) に
順次,タッピングをしないで指標を合わせる。周波数 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2.3.2
計算
固有誤差(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算する。
100
×
−
F
R
X
A
B
B
ここに, AF: 基底値
2.4
周波数計(振動片形)
2.4.1
手順
1) 振動片列の最も高い定格値 (Bx) の振動片が,最大振幅で共振するような周波数で,定格電圧又は基
準範囲の一方の限度の電圧を加え,周波数 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 同じ列の次に高い定格値 (Bx) の振動片が,最大振幅で共振するように周波数を下げ,周波数 (BR) を
基準計器から読み取り,記録する。
3) 各振動片について,手順2)を繰り返す。
4) 複数の振動片列をもつ計器では,各列ごとに手順1),2)及び3)を繰り返す。
2.4.2
計算
固有誤差(百分率)は,各振動片について,次の式によって計算する。
5
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
100
×
−
F
R
X
A
B
B
ここに, AF: 基底値
2.5
位相計
2.5.1
手順
1) 必要に応し,タッピングをしながら零位を調整する。
2) 測定回路の一方は,JIS C 1102-1表I-1及びJIS C 1102-5表I-5の要求事項を満足する電源に接続する。
他の測定回路は,分離された電源に接続する。両電源は,同じ周波数に設定する。電源間の位相角は
調整が可能で,その値が分かるものとする。
3) 二つの電源間の位相差を徐々に調整してゼロにし,その指示値を記録する。
4) 位相差を徐々に増加させて,測定範囲の下限及び上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線
(Bx) に順次,タッピングをしないで指標を合わせる。位相差 (BR) を基準計器から読み取り,記録す
る。
5) 位相差を測定範囲の上限の120%に相当する値,又は指標の動作範囲の上限に相当する値のどちらか
小さい方,ただし,測定範囲の上限を超える指示をしない計器では上限に相当する値,に達するまで
増加させる。直ちに,位相差を徐々に減少させて,手順4)と同じ目盛線に順次,タッピングをしない
で指標を合わせる。位相差 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
360゜回転の位相計は,時計方向に手順4)を行う。次に反時計方向に繰り返す。手順5)は行わない。
2.5.2
計算
固有誤差(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算する。
100
×
−
F
R
X
A
B
B
ここに, AF: 基底値
2.6
力率計
2.6.1
手順
1) 必要に応じ,タッピングをしながら零位を調整する。
2) 電圧回路はJIS C 1102-1表I-1及びJIS C 1102-5表I-5の要求事項を満足する電圧源に接続する。電流
回路は分離された電流源に接続する。両電源は同じ周波数に設定する。電源間の位相角は調整可能で,
その値が分かるものとする。
3) 電流回路に定格電流を加える。
4) 位相差を徐々に増加させて,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線 (Bx)
に順次,タッピングをしないで指標を合わせる。力率の値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
5) 位相差を測定範囲の上限の120%に相当する値,又は指標の動作範囲の上限に相当する値のどちらか
小さい方,ただし測定範囲の上限を超える指示をしない計器では上限に相当する値,に達するまで増
加させる。直ちに,位相差を徐々に減少させて手順4)と同じ目盛線に順次,タッピングをしないで指
標を合わせる。力率の値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
6) 電流を定格電流の40%とし,試験を繰り返す。
360°回転の力率計は,時計方向に手順4)を行う。次に,反時計方向に繰り返す。手順5)は行わない。
2.6.2
計算
固有誤差(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算する。
6
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
100
×
−
F
R
X
A
B
B
ここに, AF: 基底値
2.7
同期検定器
2.7.1
手順
1) 起動側回路及び運転側回路は,定格周波数で計器の定格電圧に等しい分離された電圧源に接続する。
2) 起動側回路と運転側回路の位相差を調整し,指標を同期点に合わせる。位相差 (BD) を基準計器から
読み取り,記録する。
備考 “起動側回路”とは,“運転側回路”に同期するように位相調整される電源に接続する側の回路
である。
2.7.2
計算
固有誤差(百分率)は,次の式によって計算する。
100
×
F
D
A
B
ここに, AF: 基底値
2.8
オーム計
2.8.1
手順
1) 電池に関する条件は,製造業者の指示による。
2) 必要に応じ,タッピングをしながら,機械的零位を調整する。
3) 製造業者の指示する事前調整を行う。
4) オーム計を,値が既知の試験用抵抗器に順次接続し,誤差を測定する。試験用抵抗器の不確かさは,
その値でのオーム計の許容誤差の1/10以下であることが望ましい。
できれば,可変抵抗器(例えば,多段ディケード抵抗箱)を試験用抵抗器として用い,これを調整
して指標を数字のある目盛 (Bx) に順次,タッピングをしないで合わせる。試験用抵抗器の値 (BR) を
記録する。
2.8.2
計算
固有誤差(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算する。
100
×
−
F
R
X
A
B
B
ここに, AF: 基底値
2.9
互換性のある分流器
2.9.1
手順
1) 電流導線を,製造業者の指定する方法で,分流器に接続する。分流器を母線間に設置する場合は,試
験設備は同様の母線構成とし,分流器を使用状態に取り付ける。
2) 定格電流,又は測定用計器に流れる電流を補正した定格電流を,分流器に流し,このときの電圧降下
(B) を基準計器から読み取り,記録する。定格電流は,周波数の指定がなければ直流とする。交直両
用の分流器は,別々に試験する。
2.9.2
計算
固有誤差(百分率)は,次の式によって計算する。
7
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
100
×
−
F
F
A
A
B
ここに, AF: 基底値(電圧降下の定格値)
2.10 互換性のある直列抵抗器(インピーダンス)
2.10.1 手順
1) 直列抵抗器(インピーダンス)を,内部インピーダンスが直列抵抗器(インピーダンス)と比較して
無視できるような電流測定用計器と直列に接続する。
2) 直列に接続した直列抵抗器(インピーダンス)と電流測定用計器に定格電圧を加える。電流 (B) を基
準計器から読み取り,記録する。定格電圧は,周波数の指定がなければ直流とする。交直両用の直列
抵抗器(インピーダンス)は別々に試験する。
2.10.2 計算
固有誤差(百分率)は,次の式によって計算する。
100
×
−
F
F
A
B
A
ここに, AF: 基底値(電流の定格値)
3. 影響変動値試験
3.1 F-37,F-38又はF-39(JIS C 1102-1表III-1)の表示のない計器に対する強磁性体支持物による影響変
動値。
3.1.1
固定用計器
3.1.1.1
手順
1) 任意の厚さの非磁性体の板に,磁性体から少なくとも1m離して計器を取り付ける。
2) 標準状態で,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線に順次,タッピング
をしながら指標を合わせ,入力値 (BA) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 計器を厚さ2±0.5mmの脱磁した鋼板に,同じように取り付ける。パネルの穴あけは,製造業者が指
示する寸法による。
4) 手順2)と同じ目盛線にタッピングをしながら指標を合わせ,入力値 (BB) を記録する。
3.1.1.2
計算
強磁性体支持物による影響変動値(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算する。
100
×
−
F
B
A
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.1.2
携帯用計器
3.1.2.1
手順
1) 計器を標準姿勢で,磁性体から少なくとも1m離して非磁性体の面上に置く。
2) 標準状態で,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線に順次,タッピング
をしながら指標を合わせ,入力値 (BA) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 計器を標準姿勢のままで,脱磁した鋼板の上に置く。この鋼板は,厚さが少なくとも6mm,ただし,
便宜上10mmまでとし,計器の各側面から少なくとも150mmの幅があること。
4) タッピングをしながら,手順2)と同じ目盛線に指標を合わせ,入力値 (BB) を記録する。
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C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 複数の姿勢で使用できる計器は,各姿勢の限度及びその中間の姿勢で別々に試験すること
が望ましい。
3.1.2.2
計算
強磁性体支持物による影響変動値(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算する。
100
×
−
F
B
A
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.2
周囲温度による影響変動値
3.2.1
手順
1) 零位を調整し,標準状態で,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線にタ
ッピングをしながら指標を合わせ,入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。温度の基準が
範囲で規定されていれば,その上限で行う。
2) 計器を公称使用範囲の上限の温度で,熱的に安定するまで2時間以上置く。タッピングをしながら,
手順1)と同じ目盛線に指標を合わせ,入力値 (Bx) を記録する。
3) 計器を基準温度で,熱的に安定するまで2時間以上置く。手順1)と同じ目盛線にタッピングをしなが
ら指標を合わせ,入力値 (BT) を記録する。温度の基準が範囲で規定されていれば,その下限で行う。
4) 計器を公称使用範囲の下限の温度で,熱的に安定するまで2時間以上置く。タッピングをしながら,
手順1)と同じ目盛線に指標を合わせ,入力値 (BY) を記録する。
3.2.2
計算
公称使用範囲の上限での影響変動値(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式によって計算す
る。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
同様に,公称使用範囲の下限での読みに対しては,次の式によって計算する。
100
×
−
F
Y
T
A
B
B
ここに, AF: 基底値
もし,基準温度の上側と下側の影響変動値の絶対値が等しくない場合は,絶対値の大きい方にその符号
を付けた値を,温度による影響変動値とする。
3.3
湿度による影響変動値
3.3.1
手順
1) 零位を調整し,標準状態で,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線にタ
ッピングをしながら指標を合わせ,入力値 (BA) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 計器を相対湿度25%から30%に少なくとも96時間置く。
3) 零位を調整し,タッピングをしながら,手順1)と同じ目盛線に指標を合わせ,入力値 (BB) を記録す
る。
4) 計器を相対湿度75%から80%に少なくとも96時間置く。
5) 零位を調整し,タッピングをしながら,手順1)と同じ目盛線に指標を合わせ,入力値 (Bc) を記録す
る。
9
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3.2
計算
湿度による影響変動値(百分率)は,選択した各目盛線について,絶対値の最大の値にその符号を付け
たものとする。計算は,次の式による。
100
×
−
F
B
A
A
B
B
又は
100
×
−
F
C
A
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.4
姿勢による影響変動値
3.4.1
D-1〜D-6(JIS C 1102-1表III-1)を表示した計器
3.4.1.1
手順
1) 計器を表示の姿勢に置く。
2) 標準状態で,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線にタッピングをしな
がら指標を合わせ,入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 計器を前方に5°又は表示された値に傾ける。零位を調整し,タッピングをしながら手順2)と同じ目
盛線に指標を合わせ,入力値 (Bw) を記録する。
4) 計器を後方に5°又は表示された値に傾ける。零位を調整し,タッピングをしながら手順2)と同じ目
盛線に指標を合わせ,入力値 (Bx) を記録する。
5) 計器を左側に5°又は表示された値に傾ける。零位を調整し,タッピングをしながら手順2)と同じ目
盛線に指標を合わせ,入力値 (BY) を記録する。
6) 計器を右側に5°又は表示された値に傾ける。零位を調整し,タッピングをしながら手順2)と同じ目
盛線に指標を合わせ,入力値 (Bz) を記録する。
3.4.1.2
計算
姿勢による影響変動値(百分率)の絶対値は,選択した各目盛線について,手順3),4),5)及び6)での
値と,手順2)での値との最大偏差とし,次の式によって計算する。
100
×
−
F
W
R
A
B
B
,
100
×
−
F
X
R
A
B
B
100
×
−
F
R
A
B
B
γ
及び
100
×
−
F
Z
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.4.2
姿勢の表示がない計器
3.4.2.1
手順
1) 計器を基準姿勢に置く。
2) 標準状態で,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線に順次,タッピング
をしながら指標を合わせ,入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 計器を90°,すなわち,固定用計器では取付板を水平に,携帯用計器では設置面を垂直に,傾ける。
零位を調整し,タッピングをしながら手順2)と同じ目盛線に指標を合わせ,入力値 (Bw) を記録する。
3.4.2.2
計算
姿勢による影響変動値(百分率)の絶対値は,選択した各目盛線について,手順2)での値と手順3)での
値との最大偏差とし,次の式によって計算する。
100
×
−
F
W
R
A
B
B
10
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに, AF: 基底値
3.5
外部磁界による影響変動値
3.5.1
計器に対する手順
1) 標準状態で,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線に順次,タッピング
をしながら指標を合わせ,入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。永久磁石可動コイル形,
熱形及び鉄心入電流力計形計器では測定範囲の上限で1回だけ測定する。
2) 可動部を駆動するのと同じ種類・周波数の電流で発生させた0.4kA/mの外部磁界中に計器を置く。磁
界は,平均直径1m,方形の断面で,径方向の厚さが直径に比べて小さいコイルで発生させる。この
コイルは400アンペアターンによって約0.4kA/mの磁界が発生する。被試験計器は,コイルの中心部
に置くこと。影響変動値は,コイルを少しずつ回転させ,外部磁界の位相も変えながら,最大の変動
を生じるようにして求める。
250mmを超える外形寸法の計器は,計器の最大寸法の4倍以上の平均直径のコイルで試験すること。
電流は,コイルの中心で,上に規定した値の磁界を発生するようにする。
備考 製造業者と使用者の合意があれば,十分に均一な磁界を発生する他の装置(例えば,ヘル
ムホルツコイル)を使用してもよい。
3) 手順2)での最も影響の大きい条件で,手順1)を繰り返し,その値 (Bx) を記録する。
備考1. 電力計,無効電力計,位相計,同期検定器及び力率計は,電圧回路に定格電圧を加える
こと。電力計と無効電力計では,基準の力率となるように電流を流す。
2. 磁界は,1kHzから20kHzの周波数では係数1/fで減少させる。fは,kHzで表した周波
数である。20kHzを超える周波数での試験は,規定しない。
3. F-30(JIS C 1102-1表III-1)を表示した計器は,この試験方法で規定している0.4kA/m
の代わりに,計器に表示された外部磁界の値で試験する。
3.5.2
附属品に対する手順
1) 附属品に,適切な指示が得られるような計器を接続して,定格入力を印加し,入力値 (BR) を基準計
器から読み取り,記録する。
2) 附属品を,それを駆動するのと同じ種類・周波数の電流によって発生させた0.4kA/mの外部磁界中に
置く。この磁界は,3.5.1の手順2)で示した装置によって発生させるものとする。
3) 手順2)での最も影響の大きい条件で,手順1)で接続した計器が,手順1)と同じ指示を示すように附属
品に入力を加え,入力値 (Bx) を記録する。基準計器又は測定用計器には,外部磁界を加えてはなら
ない。
備考1. 磁界は,1kHzから20kHzの周波数では係数1/fで減少させる。fは,kHzで表した周波数
である。20kHzを超える周波数での試験は,規定しない。
2. F-30((JIS C 1102-1表III-1)を表示した附属品は,この試験方法で規定している0.4kA/m
の代わりに,附属品に表示された外部磁界の値で試験する。
3. 制限付互換性附属品及び非互換性附属品では,組み合わせる計器とともに試験をしなけ
ればならないこともある。
3.5.3
計算
外部磁界による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大偏差とする。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
11
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに, AF: 基底値
3.6
直流測定量のリプルによる影響変動値
3.6.1
計器に対する手順
1) リプル誤差を無視できる基準計器を接続し,測定範囲の上限の80%に近い目盛線に被試験計器の指標
が合うように直流の入力を加える。入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 直流入力を一定に保ち,表示された値又は直流入力の20%の45Hzのリプル電圧又は電流を重畳する。
周波数を65Hzまで徐々に増加させ,指ホ変化が最大になる周波数を見つける。直流入力を変え,手
順1)と同じ指示にする。
入力値 (Bx) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 90Hzから130Hzのリプル周波数で,手順2)を繰り返し,同じ要領で,入力値 (BY) を記録する。
備考 入力のリプル成分で,指標に振動を生じるときは,指示値は指標の振れの平均値とする。
3.6.2
附属品に対する手順
1) リプル誤差を無視できる基準計器を接続し,附属品に定格の80%の直流入力を加える。附属品にはリ
プル誤差が無視でき,適切な指示の得られる計器を接続しておく。入力値 (BR) を基準計器から読み
取り,記録する。
2) 直流入力を一定に保ち,表示された値又は直流入力の20%の45Hzのリプル電圧又は電流を重畳する。
周波数を65Hzまで徐々に増加させ,接続した計器の指示変化が最大になる周波数を見つける。直流
入力を変え,接続した計器が手順1)と同じ指示になるようにする。入力値 (Bx) を基準計器から読み
取り,記録する。
3) 90Hzから130Hzのリプル周波数で,手順2)を繰り返し,同じ要領で,入力値 (BR) を記録する。
備考 入力のリプル成分で,指標に振動を生じるときは,指示値は指標の振れの平均値とする。
3.6.3
計算
直流測定量のリプルによる影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大偏差と
する。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
又は
100
×
−
F
Y
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.7
交流測定量のひずみによる影響変動値
3.7.1
電流計及び電圧計に対する手順
1) 波形誤差を無視できる基準計器を接続し,被試験計器の測定範囲の上限の80%に近い目盛線に指標か
合うように正弦波の入力(ひずみの限度は,JIS C 1102-1表I-1による。)を加える。入力値 (BR) を
基準計器から読み取り,記録する。
2) 基本波に,表示された値又は基本波の20%の第3高調波を加え,基準計器の読みが先に記録した値と
同じ実効値になるようにひずみ波の振幅を調整する。被試験計器の影響が最大になるように基本波と
第3高調波の間の位相差を変える。手順1)と同じ指示になるように,ひずみ波の振幅を変える。入力
値 (Bx) を基準計器から読み取り,記録する。
3.7.2
周波数計に対する手順
1) 波形誤差を無視できる基準計器を接続し,正弦波の定格電圧(ひずみの限度は,JIS C 1102-1表I-1
による。)を加え,被試験計器の中央目盛に近い目盛線に指標が合うように周波数を調整する。周波数
(BR) を基準計器から読み取り,記録する。
12
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2) 基本波に,表示された値又は基本波の15%の第3高調波を加え,実効値で定格電圧になるようにひず
み波の振幅を調整する。基本波の周波数 (BR) で,被試験計器の影響が最大になるように,基本波と
第3高調波の間の位相差を変える。
手順1)と同じ目盛線に指標が合うように周波数を調整し,周波数 (Bx) を基準計器から読み取り,
記録する。
3.7.3
電力計及び無効電力計に対する手順
1) 波形誤差を無視できる基準計器を接続し,定格電圧で,被試験計器の測定範囲の上限の80%に近い目
盛線に指標が合うように正弦波の入力(ひずみの限度は,JIS C 1102-1表I-1による。)を加える。入
力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 一方の測定回路に正弦波の定格値を加え,他方の測定回路には,基本波の20%の第3高調波(移相器
を使用した計器では5%,表示のある計器では表示の値)を基本波に重畳したひずみ波を加える。基準
計器の指示が手順1)と同じになるようにひずみ波の振幅を調整する。被試験計器の影響が最大になる
ように,基本波と第3高調波の間の位相差を変える。手順1)と同じ指示になるように,ひずみ波の振
幅を変える。入力値 (BX) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 二つの測定回路を入れ換えて,手順2)を繰り返す。
3.7.4
位相計,力率計及び同期検定器に対する手順
1) 波形誤差の無視できる基準計器を接続し,正弦波の定格値(ひずみの限度は,JIS C 1102-1表I-1によ
る。)を加え,被試験計器の指標がゼロ,力率1又は同期点に合うように,二つの回路間の位相角を調
整する。このときの位相角 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 一方の測定回路に正弦波の定格値を加え,他方の測定回路には,基本波の20%の第3高調波(移相器
を使用した計器では5%,表示のある計器では表示の値)を基本波に重畳したひずみ波を加える。ひ
ずみ波の実効値は,その測定回路の定格値とする。被試験計器の影響が最大になるように,基本波と
第3高調波の間の位相差を変える。手順1)と同じ指示になるように,一方の測定回路に加えた正弦波
と他方の測定回路に加えたひずみ波の基本波との間の位相差を調整する。位相角 (Bx) を基準計器か
ら読み取り,記録する。
3) 二つの測定回路を入れ換えて,手順2)を繰り返す。
3.7.5
附属品に対する手順
1) 附属品に波形誤差が無視できる基準計器と,同じく波形誤差を無視できる適切な指示を得るための計
器を接続し,附属品の定格値のほぼ80%に相当する正弦波入力(ひずみの限度は,JIS C 1102-1表I-1
による。)を加える。入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 基本波に,表示された値又は基本波の20%の第3高調波を加え,基準計器の指示が手順1)と同じにな
るようにひずみ波の振幅を調整する。計器の指示変化が最大になるように,基本波と第3高調波の間
の位相差を変える。計器の指示が,手順1)と同じになるようにひずみ波の振幅を変える。入力値 (Bx)
を基準計器から読み取り,記録する。
3.7.6
計算
交流測定量のひずみによる影響変動値(百分率)は,次の式によって計算する。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.8
交流測定量の周波数による影響変動値
13
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
この試験で,入力値が被試験計器に許容される最大値を超えることになる場合は,より小さい値を選ぶ
こと。
3.8.1
電流計,電圧計,電力計及び無効電力計の影響変動値
3.8.1.1
手順
1) 標準状態で,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線に順次,タッピング
をしながら指標を合わせ,入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) JIS C 1102-2又はJIS C 1102-3に示す限度内で入力周波数を変化させ,各周波数で手順1)を繰り返す。
入力値 (BX) を記録する。電力計及び無効電力計は,基準力率で試験すること。
3) 電力計及び無効電力計では,力率の公称使用範囲の下限(遅れ)で,手順2)を繰り返す。
3.8.1.2
計算
交流測定量の周波数による影響変動値(百分率)の絶対値は,選択した各目盛線について,次の式によ
って計算し,その値の最大値とする。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.8.2
位相計の影響変動値
3.8.2.1
手順
1) 二つの入力に,基準周波数で,定格電圧及び/又は定格電流を加える。タッピングをしながらゼロを
指示するように両入力間の位相差を調整し,位相差 (BAN) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 両入力の周波数を,公称使用範囲の下限とし,手順1)と同じ指示になるように位相差を調整し,位相
差 (BAL) を記録する。
3) 両入力の周波数を,公称使用範囲の上限とし,手順1)と同じ指示になるように位相差を調整し,位相
差 (BAU) を記録する。
4) 90°を指示するように両入力間の位相差を調整し,位相差 (BBN) を記録する。手順2)及び3)を繰り返
す。位相差 (BBL) 及び (BBU) を記録する。
5) 180°を指示するように両入力間の位相差を調整し,位相差 (BCN) を記録する。手順2)及び3)を繰り
返す。位相差 (BCL) 及び (BCU) を記録する。
6) 270°を指示するように両入力間の位相差を調整し,位相差 (BDN) を記録する。手順2)及び3)を繰り
返す。位相差 (BDL) 及び (BDU) を記録する。
備考 測定範囲の狭い計器では,測定範囲外での試験は除き,測定範囲の両端で試験する。
3.8.2.2
計算
交流測定量の周波数による影響変動値(百分率)の絶対値は,選択した各目盛線について,次の式によ
って計算し,その最大値とする。
下限周波数では,
100
×
−
F
XL
XN
A
B
B
上限周波数では,
100
×
−
F
XU
XN
A
B
B
ここに, AF: 基底値
X=A, B, C, D
3.8.3
力率計の影響変動値
14
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.8.3.1
手順
備考 位相差は,角度で測定する。
1) 基準周波数で,定格値のほぼ1/2の電流を電流回路に加える。
2) 同じ(基準)周波数で,定格電圧を電圧回路に加える。タッピングをしながら力率1を指示するよう
に,電流と電圧の位相差を調整する。位相差 (BAN) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 両入力の周波数を公称使用範囲の下限まで,減少させる。手順2)と同じ指示になるように,電流と電
圧の位相差を調整する。位相差 (BAL) を記録する。
4) 両入力の周波数を公称使用範囲の上限まで,増加させる。手順2)と同じ指示になるように,電流と電
圧の位相差を調整する。位相差 (BAU) を記録する。
5) 遅れ力率0.5を指示するように電流と電圧の位相差を調整する。位相差 (BBN) を記録する。
6) 手順5)と同じ指示値で,手順3)及び4)を繰り返す。位相差 (BBL) 及び (BBU) を記録する。
7) 力率0を指示するように電流と電圧の位相差を,電圧に対し電流がほぼ90°遅れる方向で調整する。
このときの位相差 (BCN) を記録する。
8) 手順7)と同じ指示値で,手順3)及び4)を繰り返す。位相差 (BCL) 及び (BCU) を記録する。
9) 進み力率0.5を指示するように電流と電圧の位相差を調整する。位相差 (BDN) を記録する。
10) 手順9)と同じ指示値で,手順3)及び4)を繰り返す。このときの位相差 (BDL) 及び (BDU) を記録する。
備考 測定範囲の狭い計器では,測定範囲外での試験は除き,測定範囲の両端で試験する。
3.8.3.2
計算
交流測定量の周波数による影響変動値(百分率)の絶対値は,選択した目盛線について,次の式によっ
て計算し,その最大値とする。
下限周波数では,
100
×
−
F
XL
XN
A
B
B
上限周波数では,
100
×
−
F
XU
XN
A
B
B
ここに,
AF: 基底値
X=A, B, C, D
3.8.4
同期検定器の影響変動値
3.8.4.1
手順
備考 位相差は,角度で測定する。
1) 二つの入力回路に基準周波数で,基準電圧の入力を加える。指標が同期点を指示するように,両電
圧間の位相差を調整する。位相差 (BR) を基準計器で測定し,記録する。
2) 両回路の周波数を公称使用範囲の下限まで減少させる。指標が同期点を指示するように,両電圧間
の位相差を調整する。位相差 (BL) を基準計器で測定し,記録する。
3) 両回路の周波数を公称使用範囲の上限まで増加させる指標が同期点を指示するように,両電圧間の
位相差を調整する。位相差 (BU) を基準計器で測定し,記録する。
3.8.4.2
計算
交流測定量の周波数による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その大きい方の
値とする。
下限周波数では,
100
×
−
F
L
R
A
B
B
15
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
上限周波数では,
100
×
−
F
U
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.8.5
附属品の影響変動値
3.8.5.1
手順
1) 附属品に,周波数誤差が無視できる基準計器と,適切な指示を得るための計器を接続し,基準周波数
で,定格値のほぼ80%で動作するような入力を加える。入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録
する。
2) 入力の周波数を,JIS C 1102-8表II-8に示す範囲内で変化させ,各周波数で手順1)を繰り返す。計器
の指示を手順1)と同じ目盛線に合わせ,入力値 (BX) を記録する。
3.8.5.2
計算
交流測定量の周波数による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値とす
る。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.9
交流測定量の電圧/電流成分による影響変動値
3.9.1
電力計及び無効電力計の影響変動値
3.9.1.1
手順
1) 定格電圧,基準力率で,測定範囲の上限の80%に近い目盛線を指示するように入力を調整する。入力
値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 電圧を公称使用範囲の下限とし,手順1)を繰り返し,同じ指示になるように入力を調整する。入力値
(BL) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 電圧を公称使用範囲の上限とし,手順1)と同じ指示になるように入力を調整する。入力値 (BU) を基
準計器から読み取り,記録する。
3.9.1.2
計算
測定量の電圧/電流成分による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値
とする。
下限電圧では,
100
×
−
F
L
R
A
B
B
上限電圧では,
100
×
−
F
U
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.9.2
周波数計の影響変動値
3.9.2.1
手順
1) 定格電圧で,測定範囲の中央に近い目盛線を指示する周波数の入力を計器に加える。周波数 (BR) を
基準計器から読み取り,記録する。
2) 電圧を公称使用範囲の下限まで減少させ,手順1)と同じ指示になるように周波数を調整する。周波数
(BL) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 電圧を公称使用範囲の上限まで増加させ,手順1)と同じ指示になるように周波数を調整する。周波数
16
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(BU) を基準計器から読み取り,記録する。
4) 測定範囲の上限及び下限で,手順1)から3)を繰り返す。
3.9.2.2
計算
交流測定量の電圧による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値とする。
下限電圧では,
100
×
−
F
L
R
A
B
B
上限電圧では,
100
×
−
F
U
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.9.3
位相計の影響変動値
3.9.3.1
手順
1) 一方の測定回路に,基準周波数で定格電圧又は定格電流を加える。
2) 他方の測定回路にも,基準周波数で定格電圧又は定格電流を加える。指示が0°,90°,180°及び270°
となるように両測定回路間の位相差を順次調整する。各位相差 (BR) を基準計器から読み取り,記録
する。
3) 手順2)で加えた電圧又は電流を公称使用範囲の下限まで減少させる。両測定回路間の位相差を,手順
2)と同じ目盛線を指示するように変える。位相差 (BL) を記録する。
4) 手順2)で加えた電圧又は電流を公称使用範囲の上限まで増加させる。両測定回路間の位相差を,手順
2)と同じ目盛線を指示するように変える。位相差 (BU) を記録する。
5) 両測定回路を入れ換え,第2の測定回路は定格値に維持し,第1の測定回路を公称使用範囲の上限及
び下限で,手順3)及び4)を繰り返す。
備考 測定範囲の狭い計器では,測定範囲外での試験は除き,測定範囲の両端で試験する。
3.9.3.2
計算
交流測定量の電圧又は電流成分による影響変動値(百分率)は,選択した各目盛線について,次の式に
よって計算し,その最大値とする。
100
×
−
F
L
R
A
B
B
又は
100
×
−
F
U
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.9.4
力率計の影響変動値
3.9.4.1
交流測定量の電圧成分による影響変動値
手順
備考 位相差は,角度で測定する。
1) 電流回路に,基準周波数で定格値のほぼ1/2の電流を加える。
2) 電圧回路に,同じ周波数(基準周波数)で定格電圧を加える。力率1を指示するように,電流と電圧
の位相差を調整する。位相差 (BAN) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 同じ周波数(基準周波数)で,電流を変えないで,電圧を公称使用範囲の下限まで減少させる。手順
2)と同じ指示になるように,電流と電圧の位相差を調整する。位相差 (BAL) を基準計器から読み取り,
記録する。
4) 同じ周波数(基準周波数)で,電流を変えないで,電圧を公称使用範囲の上限まで増加させる。手順
2)と同じ指示になるように,電流と電圧の位相差を調整する。位相差 (BAU) を基準計器から読み取り,
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
記録する。
5) 遅れ力率0.5を指示するように,位相差を調整して,手順2),3)及び4)を繰り返す。位相差 (BBN) , (BBL)
及び (BBU) を基準計器から読み取り,記録する。
6) 力率0を指示するように,電圧に対して電流がほぼ90°遅れる方向に位相差を調整し,手順2),3)及
び4)を繰り返す。位相差 (BCN) , (BCL) 及び (BCU) を基準計器から読み取り,記録する。
7) 力率0を指示するように,電圧に対して電流がほぼ90°進む方向に位相差を調整し,手順2),3)及び
4)を繰り返す。位相差 (BDN) , (BDL) 及び (BDU) を基準計器から読み取り,記録する。
8) 進み力率0.5を指示するように,電流と電圧の位相差を調整して,手順2),3)及び4)を繰り返す。こ
のときの位相差 (BEN) , (BEL) 及び (BEU) を基準計器から読み取り,記録する。
備考 測定範囲の狭い計器では,測定範囲外での試験は除き,測定範囲の両端で試験する。
3.9.4.2
計算
交流測定量の電圧成分による影響変動値(百分率)の絶対値は,選択した各力率について,次の式によ
って計算し,その最大値とする。
100
×
−
F
XL
XN
A
B
B
又は
100
×
−
F
XU
XN
A
B
B
ここに,
AF: 基底値
X=A, B, C, D, E
3.9.4.3
交流測定量の電流成分による影響変動値
手順
備考 位相差は,角度で測定する。
1) 電圧回路に,基準周波数で定格電圧を加える。
2) 流回路に,同じ周波数(基準周波数)で,定格電流を加える。力率1を指示するように,電流と電圧
の位相差を調整する。位相差 (CAN) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 同じ周波数(基準周波数)で,電圧を変えないで,電流を公称使用範囲の下限まで減少させる。手順
2)と同じ指示になるように電流と電圧の位相差を調整する。位相差 (CAL) を基準計器から読み取り,
記録する。
4) 同じ周波数(基準周波数)で,電圧を変えないで,電流を公称使用範囲の上限まで増加させる。手順
2)と同じ指示になるように電流と電圧の位相差を調整する。位相差 (CAU) を基準計器から読み取り,
記録する。
5) 遅れ力率0.5を指示するように,位相差を調整して,手順2),3)及び4)を繰り返す。位相差 (CBN) , (CBL)
及び (CBU) を基準計器から読み取り,記録する。
6) 力率0を指示するように,電圧に対して電流がほぼ90°遅れる方向に位相差を調整し,手順2),3)及
び4)を繰り返す。位相差 (CCN) , (CCL) 及び (CCU) を基準計器から読み取り,記録する。
7) 力率0を指示するように,電圧に対して電流がほぼ90°進む方向に位相差を調整し,手順2),3)及び
4)を繰り返す。位相差 (CDN) , (CDL) 及び (CDU) を基準計器から読み取り,記録する。
8) 進み力率0.5を指示するように,電流と電圧の位相差を調整して,手順2),3)及び4)を繰り返す。位
相差 (CEN) , (CEL) 及び (CEU) を基準計器から読み取り,記録する。
備考 測定範囲の狭い計器では,測定範囲外での試験は除き,測定範囲の両端で試験する。
3.9.4.4
計算
交流測定量の電流成分による影響変動値(百分率)の絶対値は,選択した各力率について,次の式によ
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って計算し,その最大値とする。
100
×
−
F
XL
XN
A
C
C
又は
100
×
−
F
XU
XN
A
C
C
ここに, AF: 基底値
X=A, B, C, D, E
3.9.5
同期検定器の影響変動値
3.9.5.1
手順
1) 運転側回路に,基準周波数で定格電圧を加える。
2) 起動側回路に,基準周波数で定格電圧を加え,指標が同期点を指示するように運転側回路との位相差
を調整する。位相差 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
3) 起動側回路の電圧を,公称使用範囲の下限まで減少させ,指標が同期点を指示するように運転側回路
との位相差を調整する。位相差 (BSL) を記録する。
4) 手順3)の電圧を,公称使用範囲の上限まで増加させ,指標が同期点を指示するように運転側回路との
位相差を調整する。位相差 (BSU) を記録する。
5) 運転側回路の電圧を,公称使用範囲の下限まで減少させる。
6) 手順3)及び4)を繰り返す。位相差 (BLL) 及び (BLU) を記録する。
7) 運転側回路の電圧を,公称使用範囲の上限まで増加させる。
8) 手順3)及び4)を繰り返す。位相差 (BUL) 及び (BU) を記録する。
備考 “起動側回路”とは,“運転側回路”に同期するように位相調整される電源に接続する側の
回路である。
3.9.5.2
計算
交流測定量の電圧成分による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値と
する。
100
×
−
F
SL
R
A
B
B
,
100
×
−
F
SU
R
A
B
B
,
100
×
−
F
LL
R
A
B
B
,
100
×
−
F
LU
R
A
B
B
,
100
×
−
F
UL
R
A
B
B
及び
100
×
−
F
UU
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.10 力率による影響変動値
3.10.1 電力計の影響変動値
3.10.1.1 手順
1) 力率誤差を無視できる基準電力計を接続し,測定範囲の中央に近い目盛線を指示するように,力率1
で,基準周波数の定格電圧と適切な電流を加える。入力値 (BR) を基準電力計から読み取り,記録す
る。
2) 遅れ力率0.5(又は製造業者が指定した値)で手順1)を繰り返す。入力値 (BX) を基準電力計から読み
取り,記録する。
3) JIS C 1102-3表II-3で規定されている場合は,進み力率0.5(又は製造業者が指定した値)で手順1)
を繰り返す。
入力値 (BY) を基準電力計から読み取り,記録する。
4) JIS C 1102-3表II-3で規定されている場合は,遅れ及び進み力率0で手順1)を繰り返す。入力値 (BX)
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及び (BY) を基準電力計から読み取り,記録する。
3.10.1.2 計算
力率による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値とする。
遅れ力率では,
100
×
−
F
X
R
A
B
B
進み力率では,
100
×
−
F
Y
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.10.2 無効電力計の影響変動値
3.10.2.1 手順
1) 測定範囲の中央に近い目盛線を指示するように,遅れ位相角90°で,基準周波数の定格電圧と適切な
電流を加える。電圧 (VR) ,電流 (IR) 及び位相角 (φR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 遅れ位相角30°(又は製造業者が30°を超える値を指定する場合はその値)で,手順1)を繰り返す。
入力 (VX) , (IX) 及び (φX) を基準計器から読み取り,記録する。
3) JIS C 1102-3表II-3で規定されている場合は,進み位相角90°で,測定範囲のほぼ中央の目盛線を指
示するように,定格電圧と適切な電流を加える。電圧 (VR) ,電流 (IR) 及び位相角 (φR) を基準計器
から読み取り,記録する。
4) JIS C 1102-3表II-3で規定されている場合は,進み位相角30°(又は製造業者が30°を超える値を指
定する場合はその値)で,手順3)を繰り返す。入力 (VX) , (IX) ,及び (φx) を基準計器から読み取
り,記録する。
備考 この種の試験に,基準計器として使用できるような研究室形の無効電力計は,一般にはな
いので,この手順は高精度の電圧計,電流計と位相計を基準計器として使用することを前
提にしている。多相無効電力計については,個々の基準計器を用いる代わりに,位相を入
れ換えて接続した基準電力計を使用してもよい。接続方法及び校正定数については製造業
者に問い合わせること。
3.10.2.2 計算
遅れ及び進み力率による影響変動値(百分率)の絶対値は次の式によって計算し,その最大値とする。
100
sin
sin
×
−
F
X
X
X
R
R
R
A
I
V
I
V
φ
φ
ここに, AF: 基底値
3.11 電池電圧による影響変動値
3.11.1 オーム計の手順
1) 電池の代わりに安定化された電源を接続する。電源の電圧を調整して,電池の定格電圧にする。計器
の製造業者によって電池の内部抵抗の最大値が指定されている場合は,電源に直列に抵抗を接続し,
指定の値に電源抵抗を合わせる。
2) 製造業者が指定している予備調整を行う。
3) オーム計の指示を中央に近い目盛線に合わせ,抵抗値 (AR) を記録する。
4) 電源電圧を,製造業者が指定した電池電圧の下限値に合わせる。
5) オーム計の指示を手順3)と同じ目盛線に合わせ,抵抗値 (AL) を記録する。
6) 電源電圧を,製造業者が指定した電池電圧の上限値に合わせる。
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7) オーム計の指示を手順3)と同じ目盛線に合わせ,抵抗値 (AU) を記録する。
3.11.2 計算
電池電圧による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値とする。
100
×
−
F
L
R
A
A
A
又は
100
×
−
F
U
R
A
A
A
ここに, AF: 基底値
3.12 不平衡電流による影響変動値
3.12.1 多相電力計及び無効電力計の手順
1) 基準周波数で,定格電圧を加える。力率1で電流を変え,2素子計器は中央目盛,21
2素子及び3素子
計器では,32目盛(単相試験では41目盛に近い目盛線を指示させる。入力値 (BR) を基準計器から読み
取り,記録する。
2) 一つの電流回路の接続を外し,手順1)と同じ指示になるように,他の回路の電流を調整する。入力値
(Bx) を記録する。
3) 他の電流回路について手順2)を繰り返す。
3.12.2 多相力率計の手順
1) 定格電圧及び定格電流を加え,両入力回路の間の位相差を変えて中央に近い目盛線にタッピングをし
ながら指標を合わせる。位相差 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 一つの電流回路の接続を外し,手順1)と同じ目盛線に指標が合うように位相差を変える。位相差 (BX)
を記録する。
3) 他の電流回路の接続を一つずつ外し,手順2)を繰り返す。
3.12.3 計算
不平衡電流による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値とする。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.13 導電性支持物による影響変動値
3.13.1 手順
1) 計器は,基準姿勢で,導電性パネルに取り付けるか、又は導電性支持物の上に置く。導電性パネル又
は導電性支持物は,厚さ1.5mm以上のアルミニウムとし,大きさは計器のすべての側面から150mm
以上の幅があること。パネル又は支持物は,接地しておくこと。
2) 計器を,手順1)のように取り付けて,固有誤差試験を繰り返す。
3.13.2 計算
誤差は,2.固有誤差試験で示したように計算する。
3.14 外部電界による影響変動値
3.14.1 静電形計器の手順
1) 測定範囲の中央に近い目盛線に指標を合わせるように入力を加える。入力値 (BR) を基準計器から読
み取り,記録する。
2) 計器を,分離して平行に配置された一対の円板の中心に置く。その円板の直径は,被試験計器の最大
寸法より少なくとも20%以上大きくなければならない。円板の間隔は,被試験計器の最大寸法の少な
くとも2倍以上であること。
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3) 円板間の電界が,JIS C 1102-1の5.2.2及び表II-1に規定する値になるように,直流電圧を加える。電
界を発生させる電源は,その中間点で接地されていること。
4) 導電性の外箱及びシグナルロー端子 (Signal low terminal) を接地し,手順1)と同じ目盛線に指標が合
うように入力を加える。入力値 (BX) を記録する。
5) 計器の向きを,影響変動値が最も大きくなるようにし,手順4)を繰り返す。
6) JIS C 1102-1で規定した電界になるように,円板間に45Hzから65Hzまでの周波数の交流電圧を加え,
手順3),4)及び5)を繰り返す。電界を発生させる電源は,その中間点で接地されていること。
3.14.2 計算
外部電界による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値とする。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.15 電圧及び力率の同時変化による影響変動値
この試験で,電流値が被試験計器の最大許容値を超える場合は,より小さい電力値(有効又は無効)を
選ぶこと。
3.15.1 電力計及び無効電力計の手順
1) 電圧回路に,基準周波数で定格電圧を加える。
2) 基準力率で,測定範囲の中央に近い目盛線を指示するように電流を加える。電力値 (BR) を基準計器
から読み取り,記録する。
3) 電圧回路に加える入力を,公称使用範囲の下限まで減少させる。
4) 力率を,JIS C 1102-3表II-3に規定する遅れの値とし,手順2)と同じ目盛線を指示するように電流を
加える。電力値 (BLI) を基準計器から読み取り,記録する。
5) JIS C 1102-3表II-3で進み力率が規定されているときは,力率を規定された進みの値とし,手順2)と
同じ目盛線を指示するように電流を加える。電力値 (BLC) を基準計器から読み取り,記録する。
6) 電圧回路に加える入力を,公称使用範囲の上限まで増加させる。
7) 力率を,JIS C 1102-3表II-3に規定する遅れの値とし,手順2)と同じ目盛線を指示するように電流を
加える。電力値 (BUI) を基準計器から読み取り,記録する。
8) JIS C 1102-3表II-3で進み力率が規定されているときは,力率を規定された進みの値とし,手順2)と
同じ目盛線を指示するように電流を加える。電力値 (BUC) を基準計器から読み取り,記録する。
3.15.2 計算
電圧及び力率の同時変化による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その最大値
とする。
電圧の下限(遅れ力率)では,
100
×
−
F
LI
R
A
B
B
電圧の下限(進み力率)では,
100
×
−
F
LC
R
A
B
B
電圧の上限(遅れ力率)では,
100
×
−
F
UI
R
A
B
B
電圧の上限(進み力率)では,
100
×
−
F
UC
R
A
B
B
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ここに, AF: 基底値
3.16 多相計器の相異なる素子間の干渉による影響変動値
この試験で,電流値が被試験計器の最大許容値を超える場合は,より小さい入力値を選ぶこと。
計器の構造上,電流回路が二つ以上の測定素子に共通になっている場合は(例えば21
2素子の電力計),
この試験は適用できない。
電子デバイスを使用し,その電源を電圧回路からとっている計器には,この試験は適用しない。
3.16.1 手順
1) 一つの電圧回路は,接続を外しておく。他の電圧回路に,基準周波数で定格電圧を加え,測定範囲の
中央に近い目盛線を指示するように,各相の電流を調整(各電流はほぼ等しくして)する。入力値 (BR)
を基準計器から読み取り,記録する,
2) 接続を外した電圧回路に対応する電流回路の電流の位相を,360°にわたって変化させる。指示の変化
が最も大きくなる位相を選ぶ。各相の電流を,手順1)と同じ目盛線を指示するように調整(各電流は
ほぼ等しくして)する。最も不利な位相条件での入力値 (Bp) を記録する。
3) 他の電圧回路の接続を順に外し,手順1)及び2)を繰り返す。
4) 定格電流で,電流回路の接続を順に一つずつ外し,対応する電圧回路の位相を360°にわたり変化さ
せ,手順1),2)及び3)を繰り返す。
3.16.2 計算
多相計器の相異なる素子間の干渉による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,そ
の最大値とする。
100
×
−
F
P
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.17 補助電源電圧による影響変動値
3.17.1 手順
1) 計器に,基準周波数で定格電源電圧,又は基準範囲内の周波数及び電圧を加え,タッピングをしなが
ら指標が測定範囲の上限の80%に近い目盛線を指示するように入力を加える。入力値 (BR) を基準計
器から読み取り,記録する。
2) 電源電圧を公称使用範囲の下限まで減少させ,手順1)と同じ目盛線を指示させて,入力値 (BX) を記
録する。
3) 電源電圧を公称使用範囲の上限まで増加させ,手順1)と同じ目盛線を指示させて,入力値 (BY) を記
録する。
3.17.2 計算
補助電源の電圧による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その大きい方の値と
する。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
及び
100
×
−
F
Y
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
3.18 補助電源周波数による影響変動値
3.18.1 手順
1) 計器に,定格周波数又は基準範囲内の周波数の定格電源電圧を加え,タッピングをしながら指標が測
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定範囲の上限の80%に近い目盛線を指示するように入力を加える。入力値 (BR) を基準計器から読み
取り,記録する。
2) 電源周波数を公称使用範囲の下限まで減少させ,手順1)と同じ目盛線を指示させて,入力値 (Bx) を
記録する。
3) 電源周波数を公称使用範囲の上限まで増加させ,手順1)と同じ目盛線を指示させて,入力値 (BY) を
記録する。
3.18.2 計算
補助電源の周波数による影響変動値(百分率)の絶対値は,次の式によって計算し,その大きい方の値
とする。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
及び
100
×
−
F
Y
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
4. その他の試験
4.1
温度の限界値
4.1.1
手順
1) 計器に,測定範囲の上限の80%の入力を連続して加え,高温側の温度の限界値±2℃に16時間置く。
2) 計器に,測定範囲の上限の80%の入力を連続して加え,低温側の温度の限界値±2℃に8時間置く。
3) 手順1)を繰り返す。
4) 手順2)を繰り返す。
5) 手順1)を繰り返す。16時間経過後,直ちに,高温の状態で指標が測定範囲の上限に達するまで入力を
徐々に増加させ,更に,ゼロに戻るまで入力を徐々に減少させる。
6) 手順2)を繰り返す。8時間経過後,直ちに,低温の状態で指標が測定範囲の上限に達するまで入力を
徐々に増加させ,さらに,ゼロに戻るまで入力を徐々に減少させる。
7) 計器を基準温度に戻し,少なくとも2時間その温度に置く。零位を調整し,固有誤差の試験を繰り返
す。
4.1.2
計算
誤差は,2.固有誤差試験の方法で計算する。
4.2
行き過ぎ量
4.2.1
械的零位が目盛上にないか,又は定まらない計器の手順
1) 目盛の長さ (BSL) を長さの単位で測定し,記録する。
2) 測定範囲の下限に相当する振れを与える,一定の値の入力を加える。
3) 目盛の長さの約32に相当する定常時の振れを生じるように,入力を急に増加させる例えば,スイッチ
で切り換える。)。
4) 最初の振れによる指標の行き過ぎ量の長さ (Bx) を(長さの単位で)測定し,記録する。
4.2.2
その他の計器の手順
1) 目盛の長さ (BSL) を長さの単位で測定し,記録する。
2) 目盛の長さの約32に相当する定常時の振れを生じるような一定の値の入力を,急に加える。
3) 最初の振れによる指標の行き過ぎ量の長さ (Bx) を(長さの単位で)測定し,記録する。
備考1. 計器の零位が目盛の内側にある場合は,目盛の長さは,零位の両側の目盛の長さのうち
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長い方をとる。
2. 行き過ぎ量が回路インピーダンスによって影響される場合は,試験電源のインピーダン
スは個別規格による。
3. 特別な場合には,外部回路インピーダンスは,製造業者と使用者との間の合意によって
もよい。
4.2.3
計算
行き過ぎ量(百分率)は,次の式によって計算する。
100
×
SL
X
B
B
4.3
応答時間
4.3.1
機械的零位が目盛上にないか,又は定まらない計器の手順
1) 目盛の長さ (BSL) を長さの単位で測定し,記録する。
2) 測定範囲の下限に相当する振れを与える,一定の値の入力を加える。
3) 目盛の長さの約32に相当する定常時の振れを生じるように,入力を急に増加させる(例えば,スイッ
チで切り換える。)。
4) 指標が最終静止位置の両側で,目盛の長さの1.5%以内に収まるまでの時間を秒で測定し,記録する。
5) 手順2),3)及び4)を5回繰り返し,その平均をとる。
4.3.2
その他の計器の手順
1) 目盛の長さ (BSL) を長さの単位で測定し,記録する。
2) 目盛の長さの約32に相当する定常時の振れを生じるような一定の値の入力を,急に加える。
3) 指標が最終静止位置の両側で,目盛の長さの1.5%以内に収まるまでの時間を秒で測定し,記録する。
4) 手順2)及び3)を5回繰り返し,その平均をとる。
備考1. 応答時間が回路インピーダンスによって影響される場合は,試験電源のインピーダンス
は個別規格による。
2. 計器の零位が目盛の内側にある場合,目盛の長さは,零位の両側の目盛の長さのうち長
い方をとる。
3. 特別な場合には,外部回路インピーダンスは,製造業者と使用者との間の合意によって
もよい。
4.3.3
計算
計算はしない。
4.4
計器の短時間過負荷
4.4.1
手順
1) 個別規格に規定のあるときは,目盛の長さ (BSL) を長さの単位で測定し,記録する。零位を調整する。
2) 個別規格に規定する過負荷を加える。
3) 手順2)の完了後1時間ののち,指標の零位からの偏位 (Bo) を目盛の長さの単位で記録する。
4) 零位を調整し,2.固有誤差試験を繰り返す。
4.4.2
計算
零位からの偏位の目盛の長さに対する百分率は,次の式によって計算する。
100
×
SL
O
B
B
25
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
短時間過負荷の影響は,2.固有誤差試験の方法で計算する。
4.5
附属品の短時間過負荷
4.5.1
手順
1) 附属品に,JIS C 1102-8に規定する過負荷を加える。
2) 基準温度に戻した後,2.固有誤差試験を繰り返す。
4.5.2
計算
短時間過負荷の影響は,2.固有誤差試験の方法で計算する。
4.6
計器の連続過負荷
4.6.1
手順
1) 電流計及び電圧計は,目盛の長さ (BSL) を長さの単位で測定し,記録する。
2) 零位を調整し,個別規格で規定する値の過負荷を2時間加える。
3) タッピングをしながら,入力をゼロまで減少させる。電流計及び電圧計は,直ちに,指標の零位から
の偏位 (BTD) を目盛の長さの単位で測定し,記録する。
4) 手順3)の完了後約2時間ののち,零位を調整し,2.固有誤差試験を繰り返す。
備考1. 周波数計では,電圧回路に電圧過負荷を加える。
2. 電力計,無効電力計,位相計及び力率計では,電圧回路と電流回路は一方の回路を定格電圧
又は定格電流として,個々に過負荷を加える。
5) 手順2)で過負荷を加えている間に,指示を観察し,上端の目盛線を明らかに超えていることを調べる
(JIS C 1102-1の7.3 Amend 1参照)。
6) 指示が,下端の目盛線より下にくるような測定量の値がある場合は,その値を加える。指示が,下端
の目盛線を明らかに下側に超えていることを調べる。
備考 5),6)は,4.6.1の試験中の任意の時点で実施すればよい。
4.6.2
計算
連続過負荷の影響(百分率)は,2.固有誤差試験の方法で計算する。電流計及び電圧計では,連続過負
荷の一時的影響の目盛の長さに対する百分率は,次の式によって計算する。
100
×
SL
TD
B
B
4.7
附属品の連続過負荷
4.7.1
手順
1) 定格値の120%の連続過負荷を2時間加える。
2) 手順1)の完了後約2時間ののち,2.の附属品についての固有誤差試験を繰り返す。
4.7.2
計算
連続過負荷の影響は,2.固有誤差試験の方法で計算する。
4.8
大電流過負荷後の電流回路の導通
4.8.1
手順
1) 複数の測定回路をもった計器は,試験する回路を除いてすべての回路を定格入力で動作させる。
2) 被試験電流回路に,個別規格で規定する過負荷電流を,規定の時間加える。
3) 計器を切り離し,試験した電流回路が開路しているかどうかを調べる。
4.8.2
計算
計算はしない。
26
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.9
零位からの偏位
4.9.1
手順
1) 目盛の長さ (BSL) を長さの単位で測定し,記録する。
2) 計器は,測定範囲の上限で30秒間通電する。
3) 被試験計器に行き過ぎ量を生じさせることなく,入力を速やかにゼロまで減少させる。計器には,い
かなる振動も与えないこと。
4) タッピングをしないで,入力をゼロにしてから15秒ののち,指標のゼロ目盛線からの偏位 (Bx) を目
盛の長さの単位で測定し,記録する。
備考 特殊な制動をもった計器では,手順4)の零位からの偏位を読み取るまでの時間は,製造業
者と使用者との間の合意によってもよい。
4.9.2
計算
零位からの偏位(百分率)は,次の式によって計算する。
100
×
SL
X
B
B
4.10 振動及び衝撃の影響
4.10.1 手順
1) タッピングをしながら零位を調整する。次に,標準状態で入力を徐々に加え,目盛の上昇と下降の両
方向に,測定範囲の下限と上限を含むほぼ等間隔な少なくとも5点の目盛線に順次,タッピングをし
ないで指標を合わせる。入力値 (BR) を基準計器から読み取り,記録する。
2) 計器に通電しないで,すべての測定回路を短絡し,通常の使用姿勢に取り付ける。計器に,JIS C 1102-1
の7.5.1に規定する正弦波振動を加える。
3) 計器に通電しないで,すべての測定回路を短絡し,JIS C 1102-1の7.5.2に規定する衝撃を加える。
4) タッピングをしながら零位を調整する。次に,目盛の上昇と下降の両方向で,手順1)と同じ目盛線に
タッピングをしないで,指標を合わせ,入力値 (Bx) を記録する。
備考 計器は,三つの衝撃軸のうちの一つが,可動素子の回転軸と平行になるように取り付ける
こと。
4.10.2 計算
振動及び衝撃の影響(百分率)は,選択した各目盛線の,上昇と下降の両方向について,次の式によっ
て計算し,その最大値とする。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
4.11 同期検定器の離脱周波数
4.11.1 手順
1) 運転側回路に,基準周波数 (BR) で,公称使用範囲内の電圧の電源を接続する。
2) 起動側回路に,運転側回路を接続した電源の周波数を中心に,少なくとも±10Hzの範囲で周波数が変
化できる,分離された同じような電源を接続する。
3) 起動側回路の周波数を,運転側回路と同じ周波数から,可動素子の回転が止まるまで減少させる。周
波数 (BL) を記録する。
4) 起動側回路の周波数を,運転側回路と同じ周波数になるまで増加させる。
27
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5) 起動側回路の周波数を,可動素子の回転が逆転し,その後,止まるまで続けて増加させる。周波数 (BH)
を記録する。
備考 “起動側回路”とは,“運転側回路”に同期するように位相調整される電源に接続する側の
回路である。
4.11.2 計算
離脱周波数は,次の式によって計算する。
(BR−BL) 及び (BH−BR)
4.12 同期検定器の引込周波数
4.12.1 手順
1) 運転側回路に,基準周波数 (BR) で,公称使用範囲内の電圧の電源を接続する。
2) 起動側回路に,運転側回路に接続した電源の周波数を中心に,少なくとも±10Hzの範囲で周波数が変
化できる,分離された同じような電源を接続する。
3) 起動側回路の周波数を,可動素子が回転しないような,基準周波数より十分に低い周波数から可動素
子の回転が始まるまで,増加させる。周波数 (BL) を記録する。
4) 起動側回路の周波数を,可動素子の回転が逆転し,その後,止まるまで続けて増加させる。
5) 起動側回路の周波数を,可動素子の回転が始まるまで,減少させる。周波数 (BH) を記録する。
備考 “起動側回路”とは,“運転側回路”に同期するように位相調整される電源に接続する側の
回路である。
4.12.2 計算
引込周波数は,次の式によって計算する。
(BL−BR) 及び (BR−BH)
4.13 周期検定器の開路
4.13.1 手順
1) 起動側回路を開放し,運転側回路に定格周波数で定格電圧を接続する。指示を記録する。
2) 運転側回路を開放し,起動側回路に定格周波数で定格電圧を接続する。指示を記録する。
3) すべての測定回路の入力を外す。指示を記録する。
備考 “起動側回路”とは,“運転側回路”に同期するように位相調整される電源に接続する側の
回路である。
4.13.2 計算
計算はしない。
4.14 自己加熱
4.14.1 計器
4.14.1.1 手順
1) 計器とその非互換性附属品は,少なくとも4時間通電しないで,標準状態に置く。
2) 入力を加え,JIS C 1102-1の6.3.1で規定した目盛線に,タッピングをしながら指標を合わせる。通電
後1分から3分の間に入力 (BR) を記録する。
3) 通電後30分から35分の間に,タッピングをしながら,手順2)と同じ目盛線に指標を合わせ,入力値
(Bx) を記録する。
備考 疑義がある場合,製造業者と使用者の合意があれば,自己加熱の試験は延長してもよい。
最も長い試験時間として,6時間が提案されている。
28
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.14.1.2 計算
自己加熱による影響変動値(百分率)は,次の式によって計算する。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
4.14.2 附属品
4.14.2.1 手順
1) 附属品は,少なくとも4時間通電しないで,標準状態に置く。
2) JIS C 1102-1の6.3.1の規定によって附属品に通電する。
3) 自己加熱の影響が無視できる指示計器と組み合わせ,通電後1分から3分の間に,附属品の値 (BR) を
記録する。
4) 通電後30分から35分の間に,附属品の値 (Bx) を記録する。
4.14.2.2 計算
自己加熱による影響変動値(百分率)は,次の式によって計算する。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
4.15 オーム計の最大電流
4.15.1 手順
1) 低抵抗の4端子抵抗器(抵抗値RT1)を,オーム計の測定端子に接続する。
2) 高インピーダンス電圧計を用いて,4端子抵抗器の電圧降下 (VR1) を測定する。抵抗器に流れる電流
(IR1) を計算する。
3) 4端子抵抗器の抵抗値を2倍 (RT2) にし,抵抗器の電圧降下 (VR2) を測定する。抵抗器に流れる電流
(IR2) を計算する。
4) もしIR2がIR1の95%より小さいときは,手順1)で使う4端子抵抗器の値を減少させて,手順1)から4)
までを繰り返す。
4.15.2 計算
オーム計の最大電流は,次の式によって計算する。
1
1
T
R
R
V
4.16 電力計及び無効電力計の電圧回路だけの通電
4.16.1 手順
1) 電圧回路は定格電圧を加え,電流回路は開放する。ただし,電流回路は,適宜,通常の動作に応じて
電圧回路に接続する。指示値 (BR) を測定し,記録する。指標が最初の目盛線以下に振れる場合は,
最初の目盛線を指示するように機械的零位を再調整する。
2) 電圧回路を遮断し,指示値 (Bx) を記録する。
4.16.2 計算
電圧回路だけの通電の影響(百分率)は,次の式によって計算する。
29
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
100
×
−
F
X
R
A
B
B
ここに, AF: 基底値
4.17 トラッキング誤差
備考 トラッキング誤差の試験に関する要求事項は,JIS C 1102-1にはない。しかし,製造業者と使
用者の合意に基づいて,トラッキング誤差の試験が実施されることがある。この場合には,こ
こで示した方法で行うのが望ましい。この方法は,JIS C 1102-1の2.7.3に示したトラッキング
誤差の定義とは一致せず,次の修正した定義に基づいているので,注意すること。
トラッキング誤差:最大目盛と,それに相当する実際の入力値との割合で,ある目盛線につい
て入力を加えたとき,計器がその目盛線を正しく指示する能力に影響を及ぼす誤差。
4.17.1 手順
1) 目盛上に零位がなく,零位調整のできない計器を除いて,タッピングをしながら,機械的零位を調整
する。
2) 標準状態で,タッピングをしながら,測定範囲の上限 (AR) の目盛線に指標を合わせ,入力値 (BR) を
基準計器から読み取り,記録する。目盛の内側にゼロ目盛線のある計器では,最大目盛の値が大きい
側の目盛線,又は両端の目盛値が等しいなら,右側の目盛線を使用する。
3) 測定範囲をほぼ等間隔に分割できるように,他の最低4点の測定範囲内の目盛線 (AAR) , (ABR) ,
(ACR) 及び (ADR) を選択する。
4) 手順3)で選択した目盛線に,タッピングをしながら指標を合わせ,入力値 (BAx) , (BBx) , (Bcx) 及
び (BDx) を基準計器から読み取る。
4.17.2 計算
トラッキング誤差(百分率)は,選択した各指示値について,次の式によって計算する。
100
×
×
−
F
R
R
AX
R
AR
A
A
B
B
A
A
,
100
×
×
−
F
R
R
BX
R
BR
A
A
B
B
A
A
100
×
×
−
F
R
R
CX
R
CR
A
A
B
B
A
A
及び
100
×
×
−
F
R
R
DX
R
DR
A
A
B
B
A
A
ここに, AF: 基底値
4.18 機械的零位調整の範囲
4.18.1 手順
1) 零位調整器で,指標を目盛の上昇方向に動かし,指標の最大振れ (DU) を記録する。
2) 指標を目盛の下降方向に調整して手順1)を繰り返し,指標の最大振れ (DD) を記録する。零位調整器
を動かしている間に指針止めが指標の移動を止めた場合,又は計器が零なし目盛の場合,手順1)及び
2)は測定範囲の中央に最も近い主目盛線に対応する入力値を加えて行うものとする。
3) 指標をゼロ又は中央目盛(適宜に)に合わせる。
4) 手順3)で使用した目盛線の上下に階級指数の1/5の指示になるように,指標を順次設定できることを
確認する。
4.18.2 計算
零位調整範囲は,次の式によって計算する。
|DU−DD|
調整範囲の比は,次の式によって計算する。
30
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
DU>DDの場合の比=
D
U
D
D
DU<DDの場合の比=
U
D
D
D
4.19 表示(銘板)の耐久性
4.19.1 手順
1) 石油精製物 (petroleum spirit) を浸みこませた布で,表示の部分を15秒間軽くこする。
2) 石油精製物を水に置き換えて,手順1)を繰り返す。
3) 表示が判読できるかを調べる。
4.19.2 計算
計算はしない。
5. 試験及び試験条件の索引
参考 原国際規格の配列を五十音順に並べ替えた。
項目
JIS C 1102-9
JIS C 1101-1〜8
箇条
規格の枝番号
箇条
応答時間
4.3
1〜8
6.2.2
オーム計の最大電流
4.15
6
8.1.1
オーム計の試験
1.2.14
6
4.3
温度の限界値
4.1
1〜8
6.5
機械的零位調整の範囲
4.18
1
7.4
交流計器の直流による試験
1.2.11
なし
−
固有誤差試験
2.
−
−
位相計
2.5
5
4.2
オーム計
2.8
6
4.2
周波数計(指針形)
2.3
4
4.2
周波数計(振動片形)
2.4
4
4.2
直列抵抗器(インピーダンス)
2.10
8
4.2
電圧計
2.1
2
4.2
電流計
2.1
2
4.2
電力計
2.2
3
4.2
同期検定器
2.7
5
4.2
分流器
2.9
8
4.2
無効電力計
2.2
3
4.2
力率計
2.6
5
4.2
試験装置の誤差
1.2.8
なし
−
試験用導線
1.2.13
なし
−
自己加熱
4.14
1〜8
6.3
視差
1.2.2
なし
−
振動及び衝撃の影響
4.10
1
7.5
零位からの偏位
4.9
1〜5
6.6
零位調整(機械的)
1.2.6
なし
−
零位調整(電気的)
1.2.7
なし
−
多相試験
1.2.10
なし
−
タッピング
1.2.3
なし
−
多レンジ及び多機能計器
1.2.12
なし
−
短時間過負荷−計器の
4.4
1〜5
6.4.2
31
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
項目
JIS C 1102-9
JIS C 1101-1〜8
箇条
規格の枝番号
箇条
短時間過負荷−附属品の
4.5
8
6.4.2
電圧回路だけの通電
4.16
3
6.6.2
電流回路の導通
4.8
2 , 3
6.1.1
同期検定器の開路
4.13
5
6.7.4
トラッキング誤差
4.17
なし
−
熱的安定
1.2.4
1
5.3.2
引込周波数
4.12
5
6.7.2
表示の耐久性
4.19
1
9.1.3
標準状態
1.2.1
1〜8
表I
行き過ぎ量
4.2
1〜4
6.2.1
影響変動値試験
3.
−
−
位相計
3.8.2
5
表II-5
位相計
3.9.3
5
表II-5
外部磁界
3.5
1
表II-1
外部電界
3.14
1
5.2.2
交流測定量の周波数
3.8
1〜8
表II
交流測定量のひずみ
3.7
1〜8
表II
姿勢(姿勢の記号表示があるもの)
3.4.1
1
表II-1
姿勢(姿勢の表示がないもの)
3.4.2
1
表II-1
磁性体支持物−携帯用計器
3.1.2
1〜8
5.2.3
磁性体支持物−固定用計器
3.1.1
1〜8
5.2.3
湿度
3.3
1〜8
表II
周囲温度
3.2
1
表II-1
周波数計
3.9.2
4
表II-4
測定素子間の干渉
3.16
3
表II-3
測定量の電圧成分
3.9
−
−
直流測定量のリプル
3.6
1〜8
表II
電圧計
3.8.1
2
表II-2
電圧及び力率の同時影響
3.15
なし
−
電池電圧
3.11
6
5.2.5
電流計
3.8.1
2
表II-2
電力計
3.8.1
3
表II-3
電力計
3.9.1
3
表II-3
電力計
3.10.1
3
表II-3
同期検定器
3.8.4
5
II-5表
同期検定器
3.9.5
5
表II-5
導電性支持物
3.13
1
5.2.4
附属品
3.8.5
8
表II-8
不平衡電流
3.12
3
表II-3
補助電源−周波数
3.18
1
表II-1
補助電源−電圧
3.17
1
表II-1
無効電力計
3.8.1
3
表II-3
無効電力計
3.9.1
3
表II-3
無効電力計
3.10.2
3
表II-3
力率
3.10
−
−
力率計
3.8.3
5
表II-5
力率計
3.9.4
5
表II-5
離脱周波数
4.11
なし
−
連続過負荷−計器の
4.6
1〜5
6.4.1
連続過負荷−附属品の
4.7
8
6.4.1
32
C 1102-9 : 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
項目
JIS C 1102-9
JIS C 1101-1〜8
箇条
規格の枝番号
箇条
予備状態の時間
1.2.5
1
3.3.1
読取方法
1.2.9
なし
−
指示電気計器改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
松 井 貞 夫
日本電気計器検定所
藤 井 隆 宏
工業技術院標準部
永 松 荘 一
通商産業省機械情報産業局
○ 猪 野 欽 也
東京都立工業技術センター
(幹事)
○ 坂 野 勝 則
日本電気計器検定所
内 木 準
東京電力株式会社
青 嶋 義 晴
関西電力株式会社
下 川 英 男
社団法人電気設備学会
野 田 秀 雄
社団法人日本配電盤工業会(株式会社勝亦電機製作所)
鏑 木 一 男
株式会社日立製作所
○ 小 島 一 夫
富士電機株式会社
(幹事)
○ 鈴 木 敦 志
東洋計器株式会社
(幹事)
○ 安 藤 孝 一
桑野電機株式会社
○ 中 山 幹 夫
株式会社第一エレクトロニクス
○ 小 西 紀 人
竹本電機計器株式会社
○ 井 川 準 一
横河インスツルメンツ株式会社
○ 寄 森 正 樹
甲神電機株式会社
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
(事務局)
加 藤 三 造
社団法人日本電気計測器工業会
備考:○印は,小委員会メンバーを示す。