C 1102-5 : 1997 (IEC 51-5 : 1985)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによってJIS C 1102-1981は廃止され,この規格に置き換えられる。
規格の構成
JIS C 1102は,共通タイトル“直動式指示電気計器 (Direct acting indicating analogue electrical measuring
instruments and their accessories)”を付けて,次の9部構成である。
JIS C 1102-1 第1部:定義及び共通する要求事項
(Part 1 : Definitions and general requirements common to all parts)
JIS C 1102-2 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
(Part 2 : Special requirements for ammeters and voltmeters)
JIS C 1102-3 第3部:電力計及び無効電力計に対する要求事項
(Part 3 : Special requirements for wattmeters and varmeters)
JIS C 1102-4 第4部:周波数計に対する要求事項
(Part 4 : Special requirements for frequency meters)
JIS C 1102-5 第5部:位相計,力率計及び同期検定器に対する要求事項
(Part 5 : Special requirements for phase meters, power factor meters and synchroscopes)
JIS C 1102-6 第6部:オーム計(インピーダンス計)及びコンダクタンス計に対する要求事項
[Part 6 : Special requirements for ohmmeters (impedance meters) and conductance meters]
JIS C 1102-7 第7部:多機能計器に対する要求事項
(Part 7 : Special requirements for multi-function instruments)
JIS C 1102-8 第8部:附属品に対する要求事項
(Part 8 : Special requirements for accessories)
JIS C 1102-9 第9部:試験方法
(Part 9 : Recommended test methods)
JIS C 1102-2〜9は,JIS C 1102-1と組み合わせて読むこと。
JIS C 1102-1〜8は,同じ配列になっており,箇条番号も統一されている。さらに,表,図及び附属書に
は各規格の枝番号を付けて,識別しやすくしてある。これらは,この規格の利用者が,異なる種類の計器
に関する情報を区別しやすくするための編集である。
C 1102-5 : 1997 (IEC 51-5 : 1985)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 定義 ······························································································································ 1
3. 分類,階級及び適合 ········································································································· 1
4. 標準状態及び固有誤差 ······································································································ 1
5. 公称使用範囲及び影響変動値 ····························································································· 2
6. その他の電気的,機械的要求事項 ······················································································· 3
7. 構造上の要求事項 ············································································································ 5
8. 情報,一般表示事項及び記号 ····························································································· 6
9. 端子への表示及び記号 ······································································································ 6
10. この規格に適合することを証明する試験 ············································································· 6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 1102-5 : 1997
(IEC 51-5 : 1985)
直動式指示電気計器
第5部:位相計,力率計及び
同期検定器に対する要求事項
Direct acting indicating analogue electrical measuring instruments and their accessories
Part 5 : Special requirements for phase meters, power factor meters and synchroscopes
序文 この規格は,1985年に第4版として発行されたIEC 51-5, Direct acting indicating analogue electrical
measuring instruments and their accessories Part 5 : Special requirements for phase meters, power factor meters and
synchroscopesを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
1. 適用範囲
1.1
この規格は,アナログ表示の直動式指示位相計,力率計及び同期検定器に適用する。
1.2
この規格は,位相計,力率計及び同期検定器とともに使用する非互換性附属品(JIS C 1102-1の
2.1.15.3に定義する。)にも適用する。
1.3
この規格は,目盛が電気的入力量に直接には対応しないが,その間の関係が既知であるような位相
計又は力率計にも適用する。
1.4〜1.8
JIS C 1102-1による。
2. 定義
JIS C 1102-1による。
3. 分類,階級及び適合
3.1
分類
位相計,力率計及び同期検定器は,JIS C 1102-1の2.2の動作原理によって分類する。
3.2
階級
位相計,力率計及び同期検定器は,次に示す階級指数によって精度階級を区分する。
0.1, 0.2, 0.3, 0.5, 1, 1.5, 2, 2.5, 3, 5
3.3
この規格への適合
JIS C 1102-1による。
4. 標準状態及び固有誤差
4.1
標準状態
2
C 1102-5 : 1997 (IEC 51-5 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.1.1
影響量の基準値は,JIS C 1102-1表I-1及び表I-5による。
表I-5
JIS C 1102-1表I-1に追加する標準状態及び試験時の許容限度
影響量
表示がない場合の標準状態
試験時の許容限度1)
測定量の電圧成分
定格電圧又は基準範囲があればその
範囲内の任意の電圧
定格値の±2%
測定量の電流成分
定格電流の40〜100%
−
位相の平衡度
(多相計器)
平衡電圧及び平衡電流
2)
測定量の電圧成分
及び電流成分の周
波数
移相器を使用した計器
基準周波数
基準周波数の
±0.1%
その他の計器
45〜65Hz
基準周波数の
±2%
1) これらの許容限度は,単一の基準値がこの表に規定されている場合,又は製
造業者によって指定された場合に適用する。標準状態で規定されている場合
は,許容限度はない。
2) 各電圧(任意の線間電圧又は相電圧)は,その系統の電圧(線間又は相間)
の平均と1%を超える差があってはならない。
各相の電流は,それらの電流の平均と1%を超える差があってはならない。
各相の電流とそれに対応した相電圧との位相は,それらの位相の平均と
2°を超える差があってはならない。
4.1.2
JIS C 1102-1による。
4.1.3
JIS C 1102-1表I-1及び表I-5と異なる標準状態を規定してもよい。ただし,その場合は,JIS C 1102-1
の8.によって表示すること。
4.2
固有誤差の限度,基底値
JIS C 1102-1による。
同期検定器の精度に関する要求事項は,同期点についてだけ適用する。
4.2.1
固有誤差と精度階級との関係
JIS C 1102-1による。
4.2.2
基底値
基底値は,90°電気角とする。
階級指数は,JIS C 1102-1表III-1のE-1によって表示する(JIS C 1102-1の8.参照)。
5. 公称使用範囲及び影響変動値
5.1
公称使用範囲
JIS C 1102-1及び表II-5による。
3
C 1102-5 : 1997 (IEC 51-5 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表II-5
JIS C 1102-1表II-1に追加する公称使用範囲の限度及び許容される影響変動値
影響量
表示がない場合の
公称使用範囲の限度
階級指数の百分率で表した
許容される影響変動値
試験方法
(JIS C 1102-9)
測定量の交
流電圧成分
又は電流成
分のひずみ
ひずみ率
5%
100%
3.7.3
波高
率1)
1〜32)
検討中
測定量の電流成分
定格電流の20%〜120%
100%
3.9.4.3
測定量の電圧成分及び
電流成分の周波数
移相器を
使用した
計器
基準周波数±1%
又は
基準範囲の下限
−1%及び基準範囲
の上限+1%
100%
3.8.2
3.8.3
3.8.4
その他の
計器
基準周波数±10%
又は
基準範囲の下限
−10%及び基準範
囲の上限+10%
外部磁界
0.4kA/m
階級指数
0.3以下
階級指数
0.5以上
3.5
電流力計形計器で,無
定位でないもの及び
/又は磁気遮へい付
でないもの
基底値の
3%3)
基底値の
6%3)
鉄心入電流力計形計
器で,無定位でないも
の及び/又は磁気遮
へい付でないもの
基底値の
1.5%3)
基底値の
3%3)
その他の計器
基底値の
0.75%3)
基底値の
1.5%3)
測定量の電圧成分
定格電圧±15%又は
基準範囲の下限−15%及び
基準範囲の上限+15%
100%
3.9.3
3.9.4
3.9.5
位相の平衡度
(多相計器)
一つの電流回路の接続を外す
200%
3.12.2
1) 測定回路に電子デバイスを使用している計器に適用する。
2)
2(正弦波の波高率)以外の波高率で許容される影響変動値を,測定量のひずみの項目に含めた。
3を超える波高率を許容できる計器では,製造業者は次の項目を示すこと。
a) 階級指数の100%の影響変動値を生じる波高率
b) 基準周波数における指示の0.707倍に至る周波数応答(帯域幅)の上限及び下限
c) 計器内部の交流増幅器の最大変化率(スルーレート)を,適切なSI接頭語を用いて電圧/秒で表したもの
3) 階級指数に対する百分率ではない。
5.2
影響変動値の限度
JIS C 1102-1及び表II-5による。
5.3
影響変動値の試験条件
JIS C 1102-1による。
6. その他の電気的,機械的要求事項
4
C 1102-5 : 1997 (IEC 51-5 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.1
電圧試験,絶縁試験及びその他の安全に関する要求事項
JIS C 1102-1による。
6.2
制動
JIS C 1102-1の要求事項は,位相計,力率計及び同期検定器には適用しない。
6.3
自己加熱
JIS C 1102-1による。
ただし,JIS C 1102-1の要求事項は,同期検定器には適用しない。
6.4
許容過負荷
6.4.1
連続過負荷
試験方法は,JIS C 1102-9の4.6による。
すべての位相計及び力率計は,ロックできないスイッチの付いた計器を除き,非互換性附属品があれば
これと組み合わせて,すべての電流回路に同時に定格値の120%の連続過負荷を2時間加えなければなら
ない。
基準温度に戻した後,非互換性附属品があればこれと組み合わせて,精度の要求事項を満足しなければ
ならない。ただし,過負荷は繰り返さないこと。
連続過負荷試験は,電流以外は標準状態で行う。
連続過負荷の要求事項は,同期検定器には適用しない。
6.4.2
短時間過負荷
試験方法は,JIS C 1102-9の4.4による。
すべての位相計,力率計及び同期検定器は,非互換性附属品があればこれと組み合わせて,短時間過負
荷を加えなければならない。
ただし,この要求事項は,目盛が電気的入力量と直接には対応していない計器には適用しない(計器用
変成器とともに使用する計器は除外しない。)。
6.4.2.1
短時間過負荷の電流及び電圧の値は,製造業者によって他の値が指示されている場合を除き,表
IV-5に示す係数と電圧の定格値,又は電流の公称使用範囲の上限値との積とする。
過負荷は,各々の入力回路に別々に加える。
表IV-5
短時間過負荷
測定回路
過負荷係数
過負荷の回数
過負荷の時間
(s)
過負荷の間隔
(s)
階級指数 0.5以下
電流回路
2
5
1
15
電圧回路
2
階級指数 1以上
電流回路
10
9
0.5
60
電圧回路
2
電流回路
10
1
5
−
電圧回路
2
備考 2系列の試験が規定してあるものは,表の順序で両方を行う。
6.4.2.2
過負荷は,表IV-5に規定の時間加えること。ただし,計器内の自動遮断器(ヒューズ)が規定の
時間より短い時間で回路を切る場合は除く。
自動遮断器は,次の過負荷を加える前にリセット(ヒューズ交換)すること。
5
C 1102-5 : 1997 (IEC 51-5 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.4.2.3
短時間過負荷の試験をし,基準温度に戻した後,位相計,力率計及び同期検定器は,非互換性附
属品があればこれと組み合わせて,その精度の要求事項を満足しなければならない。ただし,過負荷は繰
り返さないこと。
6.5
温度の限界値
JIS C 1102-1による。
6.6
零位からの偏位
試験方法は,JIS C 1102-9の4.9による。
6.6.1
目盛上に設定マーク(零位マーク)をもつ位相計又は力率計は,入力を取り除いたときの,その目
盛への戻りの試験を行わなければならない。
この試験は,標準状態で行う。
6.6.2
測定範囲の上限値で30秒間通電した後,設定マーク(零位マーク)からの指標の偏位は,目盛の
長さの百分率で表したとき,階級指数の50%に相当する値を超えてはならない。
6.6.3
この要求事項は,同期検定器には適用しない。
6.7
同期検定器の特別な要求事項
6.7.1
同期検定器は,二組の相互に絶縁された入力回路をもつものとする。
6.7.2
多相同期検定器は,一方の周波数が基準周波数,又はもし周波数に基準範囲があるならその範囲内
の周波数の場合,二つの入力回路の周波数の差が減少し1.5Hzになったとき,指標は正しい方向に回転し
なければならない。
単相同期検定器では,1.5Hzの値を1Hzにする。
6.7.3
多相同期検定器は,周波数の差が1.5Hz以下で定しているとき,指標の回転速度は目視で十分に均
一でなければならない。
単相同期検定器では,1.5Hzの値を1Hzにする。
6.7.4
標準状態で,一方又は両方の回路を接続していないとき,指標は,同期点の両側30°の範囲内を
指示してはならない。この要求事項は,個々の回路が正しく計器用変成器の二次側に接続された状態で,
変成器の一次側で切り離した場合にも適用する。
7. 構造上の要求事項
7.1及び7.2 JIS C 1102-1による。
7.3
推奨値
位相計,力率計及び同期検定器の定格値は,製造業者と使用者間の合意による。
7.4
機械的及び/又は電気的調整器
JIS C 1102-1による。
7.4.1
零位調整器
7.4.1.1
目盛上に機械的零位のある位相計及び力率計は,その位置に設定マーク(零位マーク)を付ける。
7.4.1.2
機械的零位が定まらないか,又は機械的零位が目盛外にある位相計及び力率計は,外部から操作
できる零位調整器を付けてはならない。
7.4.1.3
この要求事項は,同期検定器には適用しない。
7.5
振動及び衝撃の影響
JIS C 1102-1による。
6
C 1102-5 : 1997 (IEC 51-5 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8. 情報,一般表示事項及び記号
8.1
情報
JIS C 1102-1による。
8.1.1
計器が移相器を使用していれば,JIS C 1102-1の8.1m)及びz)によって表示すること。
8.2及び8.3
JIS C 1102-1による。
9. 端子への表示及び記号
JIS C 1102-1による。
10. この規格に適合することを証明する試験
JIS C 1102-1による。
指示電気計器改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
松 井 貞 夫
日本電気計器検定所
藤 井 隆 宏
工業技術院標準部
永 松 荘 一
通商産業省機械情報産業局
○ 猪 野 欽 也
東京都立工業技術センター
(幹事)
○ 坂 野 勝 則
日本電気計器検定所
内 木 準
東京電力株式会社
青 嶋 義 晴
関西電力株式会社
下 川 英 男
社団法人電気設備学会
野 田 秀 雄
社団法人日本配電盤工業会(株式会社勝亦電機製作所)
鏑 木 一 男
株式会社日立製作所
○ 小 島 一 夫
富士電機株式会社
(幹事)
○ 鈴 木 敦 志
東洋計器株式会社
(幹事)
○ 安 藤 孝 一
桑野電機株式会社
○ 中 山 幹 夫
株式会社第一エレクトロニクス
○ 小 西 紀 人
竹本電機計器株式会社
○ 井 川 準 一
横河インスツルメンツ株式会社
○ 寄 森 正 樹
甲神電機株式会社
加 山 英 男
財団法人日本規格協会
(事務局)
後 藤 三 造
社団法人日本電気計測器工業会
備考:○印は,小委員会メンバーを示す。