C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験······························································································································· 3
5 表示及び文書 ··················································································································· 3
6 感電に対する保護 ············································································································· 7
7 機械的なハザードに対する保護 ··························································································· 7
8 機械的ストレスに対する耐性 ······························································································ 8
9 火の燃え広がりに対する保護 ······························································································ 8
10 機器の温度限度及び耐熱性 ······························································································· 8
11 流体に起因するハザードに対する保護 ················································································ 8
12 レーザを含む放射,音圧及び超音波圧に対する保護 ······························································ 8
13 漏えい(洩)ガス,漏えい物,爆発及び爆縮に対する保護 ····················································· 8
14 部品及びサブアセンブリ ·································································································· 9
15 インタロックによる保護 ·································································································· 9
16 用途に起因するハザード ·································································································· 9
17 リスクアセスメント ········································································································ 9
附属書 ······························································································································· 10
附属書L(参考)定義した用語の索引······················································································ 11
参考文献 ···························································································································· 12
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
分析機器工業会(JAIMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が
改正した日本工業規格である。
これによって,JIS C 1010-2-101:2013は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 1010の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS C 1010-1 第1部:一般要求事項
JIS C 1010-2-30 第2-30部:試験及び測定回路に対する個別要求事項
JIS C 1010-2-32 第2-32部:電気的試験及び測定のための手持形及び手で操作する電流センサに対す
る個別要求事項
JIS C 1010-2-33 第2-33部:主電源電圧が測定可能な家庭用及び専門家用の手持形マルチメータ及び
他のメータに対する個別要求事項
JIS C 1010-2-101 第2-101部:体外診断用医療機器の個別要求事項
JIS C 1010-2-201 第2-201部:制御装置の個別要求事項
JIS C 1010-31 第31部:電気的測定及び試験のための手持形プローブアセンブリに対する安全要求事
項
日本工業規格 JIS
C 1010-2-101:2017
(IEC 61010-2-101:2015)
測定用,制御用及び試験室用電気機器の安全性−
第2-101部:体外診断用医療機器の個別要求事項
Safety requirements for electrical equipment for measurement, control and
laboratory use-Part 2-101: Particular requirements for in vitro diagnostic
(IVD) medical equipment
序文
この規格は,2015年に第2版として発行されたIEC 61010-2-101を基に,技術的内容及び構成を変更す
ることなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
この規格は,JIS C 1010-1:2014の本体及び附属書に新しい規定を追加,部分的な削除又は新しい規定と
置換えをして適用する。この規格には,これらの追加,削除,置換などの部分だけを記載している。した
がって,この規格を適用するには,JIS C 1010-1:2014を併読して用いる。
<>内の文章は,規定項目ではなく,追加,削除,置換などを指示する項目である。
1
適用範囲
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条1を適用する。
1.1.1
適用範囲に含む機器
<1.1.1を次に置き換える。>
この規格は,自己検査用を含む体外診断用医療機器に対する安全要求事項について規定する。
体外診断用医療機器とは,単独又は組合せでの使用を問わず,主に次に掲げる一つ以上の情報を得るこ
とを目的として,人体に由来した血液及び組織の標本を含む検体の検査を体外で行うために使用すること
を製造業者が意図した機器をいう。
− 生理学的又は病理学的状態
− 先天性異常
− 臓器移植を受ける患者への安全性及び適合性判定
− 治療のための検査
自己検査用の体外診断用医療機器とは,家庭環境で一般の人が使用することを製造業者が意図した機器
をいう。
注記 機器の全て又は一部が,この規格の適用範囲にあり,かつ,JIS C 1010-2の他の規格群の適用
範囲にも該当する場合には,それらの規格の要求事項への適合も考慮することが望ましい。
1.1.2
適用範囲から除外する機器
<次を追加する。>
2
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
aa) IEC 61010-2-081の適用範囲に含まれる機器で,製造業者が体外診断に使用することを意図していな
い機器。
1.2
分野
1.2.1
適用範囲に含む分野
<次を追加する。>
aa) バイオハザード
bb) 危険な化学物質
1.2.2
適用範囲から除外する分野
<次を追加する。>
aa) 分析における,機器外での試料の取扱い
注記 これらの内容を網羅する要求事項に関しては,関連する規格の作成委員会の責任である。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61010-2-101:2015,Safety requirements for electrical equipment for measurement, control and
laboratory use−Part 2-101: Particular requirements for in vitro diagnostic (IVD) medical
equipment(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条2を適用する。
<次を追加する。>
JIS B 9718 機械類の安全性−危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離
注記 対応国際規格:ISO 13857:2008,Safety of machinery−Safety distances to prevent hazard zones
being reached by upper and lower limbs
JIS T 14971 医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用
注記 対応国際規格:ISO 14971:2007,Medical devices−Application of risk management to medical
devices
JIS Z 8000(規格群) 量及び単位
注記1 対応国際規格:ISO 80000 (all parts),Quantities and units
注記2 上記JIS Z 8000規格群は,対応国際規格において欠落しているため追加した。
ISO 18113-5,In vitro diagnostic medical devices−Information supplied by the manufacturer (labelling)−Part
5: In vitro diagnostic instruments for self-testing
3
用語及び定義
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条3を適用する。
3.1
機器及び機器の状態
<次を3.1.6の後に追加する。>
3.1.101
検体処理ゾーン(sample zone)
3
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
操作者の接近を通常意図していない領域。この領域の中には,機械的なハザードが存在し,皮膚への突
刺,傷付きなどによるバイオハザードの可能性がより高く存在する。
3.1.102
ローディングゾーン(loading zone)
自動化された機器において操作者が検体又は試薬を取り扱う領域。
3.5.12
責任団体(responsible body)
<注記1を追加する。>
注記1 責任団体とは,例えば,病院の医療機器の安全な使用及び保守に責任をもつ管理部門などで
ある。
なお,欧州共同体における責任当局のことではない。
4
試験
JIS C 1010-1:2014の箇条4を適用する。
5
表示及び文書
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条5を適用する。
5.1.1
一般
<第3段落を次に置き換える。>
量及び単位についての文字記号は,JIS Z 8000規格群及び/又はIEC 60027規格群によらなければなら
ない。表1を含む国際的に認知された記号を,可能な限り使用しなければならない。ほかに記号の追加が
必要な場合は,国際的に認知された記号とそれらとを混同することがないようにしなければならない。記
号に対する色の要求事項はない。記号は,文書中で説明しなければならない。
表1−記号
<次の記号を表1に追加する。>
番号
記号
参照規格及び記号番号
記号の説明
101
背景の色:任意
記号の色:任意
記号の枠及び枠の色:任意
ISO 7000-0659 (2004-01)
生物学的リスク
102
ISO 7000-2492 (2004-01)
バッチコード
5.1.2
識別
<5.1.2を次に置き換える。>
機器には,次の情報を表示しなければならない。
a) 製造業者の名称又は登録商標及び所在地。所在地には,国名及び都市名を含めなければならない。
4
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
注記 国による規制はa) で要求するよりも詳細な所在地を要求する場合がある。
b) 機器を識別するための型式,名称又はその他の手段。
次の追加情報は,機器又はこん(梱)包若しくは取扱説明書に表記しなければならない。
1) 製造番号を例えば,SN XXXXのように記載する。また,製造番号の代わりにバッチコードを,表1
の番号102の記号を用いて,“LOT”の後に記載する。
2) 次の情報
2.1) 機器が体外診断用医療機器であることの明確な表示。
2.2) 機器が自己検査用の体外診断用医療機器の場合,その旨の明確な表示。
2.3) 受容できないリスクを引き起こす可能性がある場合,製造業者によって取り外すことができる構
成部品の識別及び部品の識別。例えば,バッチコードなど。
3) 取扱説明書に,操作者へ有効期限内の消耗品だけの使用を求める旨。規制によって要求される場合
は,製造業者が指定した組織又は代表者の名称及び所在地。
5.1.5
端子,接続及び操作デバイス
<次を5.1.5.2の後に追加する。>
5.1.5.101 ガス及び液体の接続
安全に関して必要な場合には,機器への接続部の近くに次を表示しなければならない。
a) 使用するガス又は液体の識別手段
国際的に認知されている記号(化学式を含む)が存在しない場合,機器に表1の番号14の記号。
b) 最大許容圧力,又は表1の番号14の記号(5.4.3参照)
適合性は,検査によって確認する。
<次を5.1.8の後に追加する。>
5.1.101 輸送及び保管
機器のこん(梱)包に,輸送又は保管の特別な条件がある場合には,その旨を表示しなければならない
(5.4.102参照)。
適合性は,検査によって確認する。
5.2
警告表示
<最初の段落を次に置き換える。>
5.1.5.1,5.1.5.2 c),5.1.5.2 d),5.1.5.101,5.1.8,6.1.2 b),7.3.2 b) 3),7.4,8.1 d),10.1,12.2.1.2,12.5.2,
13.2.2及び13.101による警告表示は,次を満たさなければならない。
5.3
表示の耐久性
<最初の段落を次に置き換える。>
5.1.2〜5.2に規定する表示は,正常な使用において明瞭で読みやすい状態を維持し,かつ,温度,摩擦並
びに製造業者が指定する洗浄剤及び汚染除去剤を含む,正常な使用において接触する可能性がある溶剤及
び試薬の影響に耐えなければならない。
<次を第2段落の後に追加する。>
機器で使用することを指定した溶剤又は試薬が表示の耐久性に影響する場合,正常な使用で最もさらさ
れる可能性が高い,最も使用頻度が高い,及び/又は侵攻性の高い溶剤又は試薬で,30秒間,表示箇所を
こする。
同様の影響を及ぼす溶剤及び試薬類の代表的なサンプルも任意で使用することができる。
5.4.1
一般
5
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
<第2段落の注記2を削除する。>
5.4.3
機器の設置
<5.4.3を次に置き換える。>
5.4.3
機器の輸送,設置及び組立の指示
責任団体に対する文書には,適用可能な場合,次を含めなければならない。
a) 納入後の輸送に関する指示
b) 床荷重に対する要求事項
注記 床荷重に関して質量と寸法とは十分な情報である。
c) 重いユニットの個々の質量
d) 換気及び操作者による安全かつ効率的な保守のために必要なスペースを含む,配置及び設置の指示
e) 組立方法
f)
保護接地の指示
g) 12.5.1で要求する騒音データ
h) 逆流を防止するための要求事項を含む,危険物質の取扱い,貯蔵及び排出についての指示
i)
生物学的及び化学的物質又は高温の液体の流出によって危険が生じる可能性がある場合に必要な廃液
システム
j)
危険な放射に関する保護手段の詳細(箇条12参照)
k) 電源への接続
l)
永久接続型体外診断用医療機器については,次の内容。
1) 最大定格周囲温度で要求されるケーブルの定格温度を含む,主電源に対する要求事項及び接続の詳
細。
2) あらゆる外部のスイッチ又は回路遮断器(6.11.3.1参照),及び外部の過電流保護デバイス(9.6.2参
照)に対する要求事項,並びに安全のために必要な場合は,スイッチ又は回路遮断器を,体外診断
用医療機器の近くに取り付けることを推奨する指示。
m) 圧力制限を含む特別なサービス(例えば,空気,冷却液)に対する要求事項
適合性は,文書の審査によって確認する。
5.4.4
機器の操作
<第1段落を次に置き換える。>
取扱説明書には,該当する場合,次の内容を含めなければならない。
a) 操作順序を含む,操作制御器の詳細及び全ての動作モードにおける操作制御器の使用法
注記1 JIS C 0448に操作制御器の色及び記号の指針が記載されている。
b) 開放デバイス(6.11参照)の操作が困難となる場所に機器を設置しない旨の説明
c) 機器に適した附属品,取外しできる部品及び専用の消耗品についての詳細を含む,附属品及び他の機
器への相互接続のための説明
d) 間欠動作の限度に対する仕様
e) 機器上に表示している記号の説明,及びハザードを伴う場所における個々の特別な場合の記号を表示
する理由
f)
機器からの漏出,機器の意図しない停止,容器破損,及び類似の故障に起因するハザードに対して操
作者が取らなければならない措置についての指示
g) 清掃及び汚染除去の,指示及び推奨事項(推奨用品の指示及び推奨事項を含む。)(11.2参照)
6
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
h) 危険な廃棄物の処理についての指示
i)
正常な使用時に危険な化学物質を取り扱う場合は,正しい使用,訓練の必要性及び操作者の保護手段
についての指示
j)
感染のおそれがある物質(ヒト検体,試薬など)の取扱い時,皮膚に接触する可能性がある場合は,
手袋,予防衣などの人体保護具の使用を求める適切な指示
k) 正常な使用時に危険な気体を発生させる機器を使用する場合に,口,鼻又は目への保護に関する適切
な指示及び必要事項
l)
危険性がある可視又は不可視放射を発生する可能性がある場合,保護眼鏡などの保護用具に関する適
切な指示及び必要事項
m) 可燃性液体に関するリスク低減手段の詳細な指示[9.5 c) 参照]
n) 10.1の温度限度を超えることが許容される表面によるやけどに関するリスク低減手段の詳細
o) 検体及び試薬のローディング及びアンローディング中のリスクを低減するための適切な警告(7.3.101
参照)
p) 責任団体に対して次の説明
通常使用時に問題ないように,取外し可能な保護用バリア及びそのバリアの全ての固定用部品(ね
じ,留め具など)が,所定の位置にあることを確実にする。
q) 検体処理ゾーンをガードするための,固定した保護用バリア及び/又は外装を外すのに工具が必要な
場合,その工具の利用を責任団体が管理するよう求める文章
r) 責任団体が管理する工具の一覧
注記2 世界保健機構(WHO)が出版した国際的に認知されている“Laboratory Biosafety Manual”,
米国疾病対策予防センター(CDC)又はアメリカ国立衛生研究所(NIH)が出版した
“Biosafety in Microbiological and Biomedical Laboratories”に消毒剤,殺菌剤などの除染処理
薬品,その使用法,希釈及び可能性のある使用法に関する情報が記載されている。
注記3 清掃及び除染処理は,機器及びその附属品の保守,修理又は移動のときに,危険防止手段
として必要なことがある。製造業者は,機器の保守,修理又は移動のときに,そのような
処理が行われたことを証明する書式を責任団体に提出することが望ましい。
適合性は,文書の審査によって確認する。
<次を5.4.4の後に追加する。>
5.4.4.101 自己検査用の体外診断用医療機器の取扱説明書
自己検査用の体外診断用医療機器の取扱説明書は,ISO 18113-5に適合しなければならない。
<次を5.4.6の後に追加する。>
5.4.101 修理又は廃棄を目的とする機器の撤去
撤去,輸送又は廃棄における受容できないリスクを低減するための説明を責任団体向けに提供,又は適
切な連絡先情報を説明書に記載しなければならない。
適合性は,文書の審査によって確認する。
5.4.102 輸送及び保管
製造業者は,機器の輸送及び保管の条件を指定しなければならない。その文書には,輸送及び保管の許
容可能な環境条件を含まなければならない。必須情報はこん(梱)包の外側にも適切な記号を使用し表示
しなければならない(5.1.101参照)。
製造業者が配送及び設置の責任を負う場合,上記の内容は記載不要とする。
7
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
適合性は,審査によって確認する。
6
感電に対する保護
JIS C 1010-1:2014の箇条6を適用する。
7
機械的なハザードに対する保護
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条7を適用する。
7.3.1
一般
<2番目の文を次に置き換える。>
7.3.4,7.3.5及び7.3.101による条件は,受容可能なレベルであるとみなす。
<“適合性は”で始まる記載を次に置き換える。>
適合性は,該当する7.3.2〜7.3.5,7.3.101及び箇条17によって確認する。
7.3.2
例外
<7.3.2 b) 3) を次に置き換える。>
訓練を受けていない操作者の接近を禁止する警告表示がある。表示は,操作者にハザードに対する注意
を喚起するため,保守が必要な部分になければならない,又は表1に規定する番号14の記号を表示して,
文書にその警告内容を記載する。
<次を7.3.2 b) 3) の後に追加する。>
b) 4)
操作者による安全な保守の手順を指示した説明書がある。
7.3.3
身体部分への機械的ハザードに対するリスクアセスメント
<7.3.3を次に置き換える。>
検体及び試薬の連続的なローディングの機能をもつ機器で,かつ,検体処理ゾーン内の危険状態が単に
検体プローブ及び/又は試薬プローブによって生じる場合,検体処理ゾーンに7.3.101を適用する。7.3.101
は自己検査用の機器及び臨床現場即時検査(POCT)機器に適用しない。
重大度,露出の可能性及び危険状態の回避の可能性を考慮して,少なくとも表12の該当する最小限の保
護方策によって,受容可能なレベルまでリスクを低減しなければならない。
適合性は,危険状態が排除されたか,又は受容可能なリスクだけが残っていることを確証するために,
リスクマネジメントファイルの評価によって確認する。
表12−身体部分への機械的ハザードに対する保護方策
<記号Bの説明を次に置き換える。>
中程度の保護方策:緊急スイッチ,工具だけで取り外せる保護バリア若しくはカバー,距離(JIS B 9718
参照),又は分離(JIS B 9711参照)
<次を7.3.5の後に追加する。>
7.3.101 検体処理ゾーン
検体処理ゾーンをもつ機器は,次の要求事項を少なくとも一つ以上満たさなければならない。
aa) 保護用バリア
bb) 次の全てに適合
1) ローディングゾーンと検体処理ゾーンとの最小隙間は120 mm。
2) 操作者と検体又は試薬ピペッタとの意図しない接触が起こり得ない。
3) ローディングゾーンと検体処理ゾーンとの間の領域には,表1の記号14と記号101とを表示する
8
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
[5.4.4 o) 参照],又は操作者から見える場所に表示ができない場合は,その領域付近の見える場所
に表示しなければならない。
8
機械的ストレスに対する耐性
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条8を適用する。
8.1
一般
<8.1 d) 3) を次に置き換える。>
3) 固定型機器,100 kgを超える質量の機器又は機器のサイズ及び質量によって意図しない移動をもた
らさず,正常な使用では移動しない機器を除き,8.3の該当する試験。試験中,機器は動作させない。
<次を8.3の後に追加する。>
8.101 輸送及び保管
機器は,製造業者のこん(梱)包材で配送したとき,製造業者が指定する条件における輸送又は保管後
に,正常な使用中に危険状態となってはならない(5.1.101及び5.4.102参照)。
製造業者が配送及び設置の責任を負う場合,試験記録の審査はなくてもよい。
適合性は,製造業者が実施した輸送試験記録の審査によって確認する。
注記 試験についての指針は,ASTM D4169及び国際安全輸送協会(ISTA)の出版物に掲載されてい
る。
9
火の燃え広がりに対する保護
JIS C 1010-1:2014の箇条9を適用する。
10
機器の温度限度及び耐熱性
JIS C 1010-1:2014の箇条10を適用する。
11
流体に起因するハザードに対する保護
JIS C 1010-1:2014の箇条11を適用する。
12
レーザを含む放射,音圧及び超音波圧に対する保護
JIS C 1010-1:2014の箇条12を適用する。
13
漏えい(洩)ガス,漏えい物,爆発及び爆縮に対する保護
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条13を適用する。
<次を13.2の後に追加する。>
13.101 バイオハザード物質
検体又は試薬の使用によって感染の可能性がある機器は,表1の番号101の記号を用いて目立つように
表示しなければならない。少なくとも,表1の番号101の記号は正常な使用で視認でき,かつ,検体処理
ゾーンの近くに表示しなければならない。
操作者が最低限保守中に視認できる場所で,バイオハザードエリアの近くに表1の番号101の記号を配
置しなければならない。
正常な使用時に機器から取り出せるバイオハザード廃棄物に使用する容器又は袋,及びバイオハザード
9
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
排液管の接続部近くには,表1の番号101の記号を表示しなければならない。
危険な物質の使用によって危険となる可能性のある機器は,適切な国際的記号,又は適切な記号がない
場合,表1の番号14の記号を表示しなければならない。
14
部品及びサブアセンブリ
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条14を適用する。
14.3
過昇温度保護デバイス
<次を第2段落の後に追加する。>
自己検査用の機器の過昇温度保護デバイスは,自己復帰してはならない。
15
インタロックによる保護
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条15を適用する。
15.1
一般
<次を最初の文章の後に追加する。>
代替方法として,電気,電子又はプログラム可能な部品(E/E/P部品)を含んでいるインタロックシス
テムに対する信頼性及び設計要求事項は,例えば,JIS B 9961(SIL),ISO 13849(PL)又は等価的な機能
安全を提供している他の解決法を適用することによって確定できる。
16
用途に起因するハザード
次を除いて,JIS C 1010-1:2014の箇条16を適用する。
16.2
人間工学的側面
<注記を次に置き換える。>
注記 人間工学に対するリスクアセスメント手順は,IEC 62366-1,EN 894-2,EN 894-3,ISO 9241,
SEMI S8及び他の文書に見られる。全てではないが,これらの文書における要求事項が,この
規格の適用範囲内の機器に適用できる。
17
リスクアセスメント
<箇条17を次に置き換える。>
この規格及びJIS C 1010-1:2014の対応していないハザードに対してJIS T 14971の要求事項に従い,リ
スクアセスメントを実施し,文書化しなければならない。
適合性は,危険状態が排除されている,又は受容可能なリスクだけが残ることを確認するために,リス
クマネジメントファイルの評価によって確認する。
10
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
附属書
<次の附属書Lを除いて,JIS C 1010-1:2014の附属書を適用する。>
11
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
附属書L
(参考)
定義した用語の索引
<次の定義した用語を追加する。>
用語
細分箇条番号
検体処理ゾーン(sample zone) ······················································································· 3.1.101
ローディングゾーン(loading zone) ················································································· 3.1.102
12
C 1010-2-101:2017 (IEC 61010-2-101:2015)
参考文献
<次の参考文献を追加する。>
ISO 15223-1,Medical devices−Symbols to be used with medical device labels, labelling and information to be
supplied−Part 1: General requirements
IEC 62366-1:2015,Medical devices−Part 1: Application of usability engineering to medical devices
EN 980:2008,Graphical symbols for use in the labelling of medical devices
ASTM D4169,Standard practice for performance testing for shipping containers
Laboratory Biosafety Manual, World Health Organization
Biosafety in Microbiological and Biomedical Laboratories, published by Centers for Disease Control and
Prevention and National Institutes of Health
Publications of the International Safe Transport Association(ISTA)