サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

C 1006:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 原理······························································································································· 2 

5 供試体···························································································································· 4 

6 測定装置························································································································· 4 

7 測定環境························································································································· 4 

8 測定方法························································································································· 4 

9 計算······························································································································· 5 

9.1 一般 ···························································································································· 5 

9.2 平均値 ························································································································· 5 

9.3 ぎらつき値 ··················································································································· 6 

9.4 ぎらつきコントラスト ···································································································· 6 

10 測定結果の表し方 ··········································································································· 6 

11 報告 ····························································································································· 6 

附属書A(参考)ぎらつき度合の測定例 ··················································································· 8 

C 1006:2019  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。 

− 発明の名称:ギラツキ評価装置およびギラツキ評価方法 

− 特許番号 :第6294904号 

− 登録日  :2018年2月23日 

− 特許権者 :株式会社ダイセル 

      大阪府大阪市北区大深町3-1(グランフロント大阪タワーB) 

     :コマツNTC株式会社 

      富山県南砺市福野100 

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。 

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。 

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本産業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。 

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。 

日本産業規格          JIS 

C 1006:2019 

ディスプレイのぎらつき度合の求め方 

Determination of magnitude of display sparkle 

適用範囲 

この規格は,ディスプレイのぎらつき度合を表す,ぎらつき値及びぎらつきコントラストの求め方につ

いて規定する。 

この規格は,次のディスプレイに適用できる。 

− 直視形のフラットパネルディスプレイ 

− テレビジョン,モニタなどの表示デバイス 

− スマートフォン,タブレットPCの表示デバイス 

− タッチパネル付き表示デバイス 

− 操作盤のパネル,計器用表示パネルなど 

− 面光源に画素マトリクスを模した媒体を配置した疑似ディスプレイ 

この規格は,次のディスプレイ又は部分には適用できない。 

− 反射形ディスプレイ 

− ディスプレイの曲面部分 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 8120 光学用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8120によるほか,次による。 

3.1 

ぎらつき 

ディスプレイの画素マトリクスから出射した光が微細な凹凸加工された媒体,屈折率変調層などを通過

するときに散乱,屈折などによって,画面上に画素マトリクスサイズの小さな輝度分布を引き起こすこと

によって,ちらついて見える現象。ちらつき,スパークル(sparkle),スパークリング(sparkling)ともい

う。 

注記1 カラーディスプレイの画素を構成する原色部分(以下,サブピクセルという。)の複数が発色

している場合は,輝度分布だけでなく,サブピクセルの各発色が視認されることによって,

色度分布も生じることがある。 

注記2 反射性の小片を含む塗装で見られるぎらつきとは現象が異なる。 

C 1006:2019  

注記3 紙,プラスチック,金属などの粗面にレーザー光学を当てることで観察されるスペックル

(speckle)とは現象が異なる。 

3.2 

ぎらつきパターン 

測定範囲内において,単一色で点灯したディスプレイの表示画面を撮像するときの撮像素子面上での照

度分布に相当し,撮像することによって得られる,ディスプレイの画素形状が見えない2次元の照度分布

データ又はディスプレイの画素形状が見える照度分布データから画素形状の影響を排除した2次元の階調

データ。 

3.3 

ぎらつき値 

ぎらつきパターンを構成する全照度分布データの標準偏差。 

3.4 

ぎらつきコントラスト 

ぎらつき値を,ぎらつきパターンを構成する全照度分布データの平均値に対する百分率で表した値。 

3.5 

疑似ディスプレイ 

平面状の拡散光源上に画素マトリクスを模した媒体を積層してディスプレイを模したもの。 

3.6 

防げん(眩)層 

外光による反射光を抑制するためにディスプレイ表面に設置される光拡散層。 

注記 一般的に,表面に凹凸を形成したフィルム,プラスチックシート,ガラスなどがディスプレイ

表面に設置される。 

原理 

図1のように,ディスプレイ,又は防げん層などをもつ平板状媒体を設置したディスプレイ若しくは疑

似ディスプレイの,表示面の法線方向に設置した撮影装置で,サブピクセルのうちの1色を点灯した状態

の画面を撮影し,ぎらつきパターンを取得する。次に,取得したぎらつきパターンの測定範囲において,

演算装置によって,ぎらつき値及びぎらつきコントラストを求める。 

注記1 ぎらつきパターンは,ディスプレイの明るさ,発光パターン,撮像素子を含む撮影装置,測

定距離,用いたレンズ,開口絞り(Fナンバ)などの設定条件によって変動するため,異な

る供試体間のぎらつき度合を相対的に比較するためには,同一の設定条件で撮影する必要が

ある。 

background image

C 1006:2019  

 記号 

ディスプレイ 

防げん層 

レンズ 

撮影装置 

演算装置 

図1−測定原理 

得られたぎらつきパターンと,ぎらつきパターンから作成した階調の度数分布との相関の例を図2に示

す。度数分布は,横軸の左端が最も低い階調,右端が最も高い階調であり,各階調を示す画素が,得られ

たぎらつきパターンの中に何画素ずつ存在するかを示している。 

視感におけるぎらつきが小さいほど階調が均一となるため,度数分布がより細く鋭い形状となってぎら

つき度合が小さくなる[図2 a)参照]。一方,視感におけるぎらつきが大きいほど階調が不均一となるため,

度数分布の広がりが大きくなり,ぎらつき度合が大きくなる[図2 c)参照]。 

a) ぎらつきが小さい場合 

b) ぎらつきが中程度の場合 

c) ぎらつきが大きい場合 

図2−ぎらつきパターン及び階調の度数分布の例 

注記2 ぎらつきパターン以外に輝度分布があるディスプレイにおいては,ぎらつき度合を適切に求

めることができない場合がある。 

階調 

階調 

階調 

background image

C 1006:2019  

供試体 

防げん層として,表面若しくは内部層に屈折率の変調部位を設けたフィルム状又は板状のものとディス

プレイ(疑似ディスプレイを含む。)との組合せ,及び表面に凹凸を施したディスプレイを対象とし,その

構成については特に規定しない。また,測定中,ディスプレイの輝度が変動しない状態で測定することが

望ましい。 

測定装置 

測定装置は,供試体を撮影する撮影装置を備え,必要に応じて,供試体を撮影方向に対して垂直に設置

又は固定するためのジグがあり,撮影装置を可動させる可動部及び測定面に焦点を合わせる光学機構を備

える。また,ぎらつきパターン,ぎらつき値及びぎらつきコントラストを求めるための演算装置を備える。 

撮影装置は,CCD(charge coupled device)又はCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)イメー

ジセンサなどを撮像素子にもつ。撮像素子は,解像度について特に規定しないが,入力値(照度)と出力

値(階調)との間に直線性(リニアリティ)があり,8ビット以上の階調で,かつ,カラーフィルタをも

たないことが望ましい。撮像素子の仕様の例を表1に示す。 

表1−撮像素子の仕様例 

項目 

撮像素子A 

撮像素子B 

撮像素子C 

撮像素子の解像度(画素数) 

2 456×2 058 

1 290×960 

4 896×3 264 

撮像素子の種類 

CCD 

CCD 

CCD 

撮像素子イメージサイズ(inch) 

2/3(対角) 

1/3(対角) 

1.27(対角) 

画素ピッチ(μm) 

3.45 

3.75 

5.5 

測定環境 

測定は,温度15 ℃〜35 ℃,相対湿度25 %〜75 %において行う。ただし,受渡当事者間の協定によっ

て他の条件で測定を実施してもよい。 

測定は,通常,暗室で行うが,事前に照明が測定結果に影響しないことが確認できた場合,又は受渡当

事者間で測定環境を規定している場合はそれに従う。 

測定方法 

ぎらつき度合の測定方法は,次による。 

a) 供試体は,撮影方向に対して供試体画面が法線方向となるよう設置する。 

b) 供試体において,少なくとも画面の測定範囲は,サブピクセルのうちの1色を最大階調で点灯した表

示[例えば,測定全画面を緑色(R,G,B=0,255,0)]とする。 

c) 焦点は,通常,画素又は表示面に合わせる。撮影装置の設定条件によって画素形状が見えない場合は,

ディスプレイに文字又は画像を表示して焦点を合わせる。 

d) 露光時間の調節又はレンズへの減光フィルタ(NDフィルタ)の設置によって,図3 b)のように,階

調の度数分布が最大階調数内に適切に収まるように調整する。 

e) 撮影装置によって画面を撮影する。 

f) 

画素形状が見えない場合は,e)で得られた2次元データがぎらつきパターンである。画素形状が撮影

される場合は,種々の画像フィルタリング処理によって画素形状の影響を排除して,ぎらつきパター

ンを得る。 

background image

C 1006:2019  

g) 撮影及び測定に当たっての留意事項は,次による。 

1) ディスプレイ画素形状を撮影できるかどうかは,撮影距離,レンズの焦点距離及びFナンバの設定

による。撮影距離を大きくする,焦点距離が短いレンズを選択する,又はFナンバを大きくするほ

ど画素形状は撮影されにくくなる傾向にあり,過剰な撮影条件を選択すると,ぎらつき度合が小さ

くなり,供試体間の差を求めにくくなる。 

2) 撮影された画素形状を排除するフィルタリング法の例として,ローパスフィルタを使用する方法な

どがある。 

3) フィルタリング処理の有無を含む,異なるフィルタリング処理方法を用いて得られるぎらつきパタ

ーンから求められるぎらつき度合を比較する場合は,求められたぎらつき値及びぎらつきコントラ

ストに差異が生じる可能性があるため,各フィルタリング手法の適用可能な条件について十分留意

する。 

4) ディスプレイの明るさ及び撮影する場合の露光時間については,次による。 

− ぎらつきパターンの低階調部を,撮像素子がディスプレイの明るさを感知できないほどにディス

プレイが暗い又は露光時間が短い場合は,階調の度数分布の広がりが図3 a)に示すように低階調

領域で極端に狭くなり,統計処理に十分な階調の母数が少なくなるため,適切なぎらつき値又は

ぎらつきコントラストの測定ができない。 

− ディスプレイが明るすぎる又は露光時間が長すぎる場合は,図3 c)のように,階調の度数分布の

高階調領域が最大階調を超えて飽和し,ぎらつき値又はぎらつきコントラストを適切に測定する

ことができない。 

− 露光時間の調節又はレンズへの減光フィルタ(NDフィルタ)の設置によって,図3 b)のように,

階調の度数分布が最大階調数内に適切に収まるように調整する。 

a) 平均階調が低すぎる場合 

b) 適切な範囲にある場合 

c) 平均階調が高すぎる場合 

図3−適切な階調分布の設定 

5) 露光時間は,供試体のフレームレートに同期するか,又はフレームレートの逆数よりも十分長い時

間に設定する。 

計算 

9.1 

一般 

撮影した画像から得られた階調データ又はぎらつきパターンのデータから,9.2によって平均値を求める。

ぎらつきパターンから9.3によってぎらつき値を求める。また,9.2の平均値及び9.3のぎらつき値から9.4

によってぎらつきコントラストを求める。 

9.2 

平均値 

平均値μは,撮影した画像から得られた階調データ又はぎらつきパターンのデータから,式(1)によって

階調 

階調 

階調 

C 1006:2019  

求める。 

=

=

N

i

ix

N

μ

1

1

 ············································································· (1) 

ここに, 

μ: 平均値 

N: 総サンプリング数 

xi: 撮影した画像から得られた階調データ又はぎらつきパターン

のデータ 

μを求める場合,xiとして撮影した画像から得られた階調データを用いるか,又はぎらつきパターンの

データを用いるかは,フィルタリング処理の手法によって決定する。 

9.3 

ぎらつき値 

ぎらつき値は,ぎらつきパターンの標準偏差として式(2)及び式(3)によって求める。 

分散の求め方には,式(2)で表す不偏分散のほか,標本分散などがある。測定装置及びソフトウェアによ

って,不偏分散によらない場合がある。不偏分散によらない場合は,その旨を報告書に記載する。 

=

=

=

N

i

N

j

j

i

y

N

y

N

s

1

2

1

2

1

1

1

 ······················································· (2) 

2s

s=

 ··················································································· (3) 

ここに, 

s2: 分散 

N: 総サンプリング数 

yi,yj: ぎらつきパターンを構成する各サンプリング点のデータ 

s: ぎらつき値 

9.4 

ぎらつきコントラスト 

ぎらつきコントラストは,式(4)によって求める。 

100

P

×

=μs

S

 ············································································· (4) 

ここに, 

SP: ぎらつきコントラスト(%) 

s: ぎらつき値 

μ: 平均値 

10 測定結果の表し方 

ぎらつき値及びぎらつきコントラストは,それぞれ9.3及び9.4によって表す。 

注記 ぎらつき値及びぎらつきコントラストの測定例を附属書Aに示す。 

11 報告 

報告書には,次の事項を記載する。ただし,受渡当事者間の協定によって,記載する項目を選択しても

よい。 

a) 規格番号(JIS C 1006) 

b) 測定環境(温度及び湿度) 

c) 測定装置の製造業者名及び形式 

d) 測定に用いたディスプレイの仕様 

C 1006:2019  

e) 測定条件(測定距離,ディスプレイの表示色など) 

f) 

撮影条件(暗室でない場合は,測定環境の照度,用いたレンズ,焦点距離,Fナンバなど) 

g) 画素形状の影響を排除するための画像フィルタリング処理方法 

h) 測定結果(ぎらつき値及び/又はぎらつきコントラスト) 

i) 

測定年月日 

j) 

その他必要な事項 

background image

C 1006:2019  

附属書A 

(参考) 

ぎらつき度合の測定例 

A.1 測定装置及び測定条件の例 

ぎらつき度合を求める測定装置及び測定条件の例を表A.1に示す。これらを使用して,各種ディスプレ

イと防げん層とを組み合わせた供試体のぎらつき度合の測定例をA.2〜A.4に示す。 

表A.1−測定装置及び測定条件の例 

項目 

測定装置A 

測定装置B 

撮影装置 

撮像素子の解像度(画素) 

2 456×2 058 

1 290×960 

画素ピッチ 

3.45 μm 

3.75 μm 

撮影階調(モノクロ) 

8ビット 

12ビット 

積算回数 

1回 

25回 

レンズ 

対物レンズ焦点距離 

12 mm 

50 mm 

絞り(F値) 

F8 

F16 

測定条件設定 

ワーク距離(レンズから測定物まで) 

328 mm 

487 mm 

測定エリア(撮像素子画素) 

300×300 

200×200 

画素形状の排除方法 

装置の設定条件によって
画素形状が撮影されない。 

ローパスフィルタ 

A.2 液晶ディスプレイを用いた場合の測定例 

液晶ディスプレイと防げん層とを組み合わせた供試体について,表A.1に示す仕様の測定装置を用いて

測定した例を表A.2に示す。 

なお,測定に使用した液晶ディスプレイの発光パターン(R,G,B=0,255,0)の写真を図A.1に示

す。 

図A.1−液晶ディスプレイの発光パターン 

background image

C 1006:2019  

表A.2−液晶ディスプレイを用いた供試体のぎらつき測定例 

供試体番号 

測定装置A 

測定装置B 

視感による 

順位a) 

(参考) 

ぎらつき値 

平均階調 

ぎらつき 

コントラスト 

(%) 

ぎらつき値 

平均階調 

ぎらつき 

コントラスト 

(%) 

サンプルA 

3.9 

153.7 

2.6 

94.6 

4 077.6 

2.3 

サンプルB 

4.1 

151.0 

2.7 

102.3 

4 037.1 

2.5 

サンプルC 

4.4 

153.0 

2.9 

110.8 

4 083.9 

2.7 

サンプルD 

5.9 

150.0 

3.9 

169.7 

4 039.2 

4.2 

サンプルE 

10.5 

151.8 

6.9 

332.3 

4 071.2 

8.2 

サンプルF 

12.7 

153.3 

8.3 

384.9 

4 090.3 

9.4 

注a) 視感による順位は,6個のサンプルについて,ぎらつきを一番感じないものを1位として順番に並べたものである。5

人の観察者の平均に基づいている。 

3

C

 1

0

0

6

2

0

1

9

background image

10 

C 1006:2019  

視感では,サンプルA及びサンプルBでは,ぎらつきはほとんど認識できなかったが,サンプルCで

は僅かに認識できる水準であった。また,サンプルDでは明瞭にぎらつきが認められた。 

さらに,サンプルE及びサンプルFでは,ぎらつきが不快に感じる水準で視認され,その程度はサンプ

ルFでより強い傾向にあった。求められたぎらつき値及びぎらつきコントラストの傾向は,装置によらず

視感による順位と一致しており,視感によるぎらつきの感じ方ともよく一致していることが分かった。 

A.3 有機ELディスプレイを用いた場合の測定例 

有機ELディスプレイと防げん層とを組み合わせた供試体について,表A.1に示す仕様の測定装置を用

いて測定した例を表A.3に示す。 

なお,測定に使用した有機ELディスプレイの発光パターン(R,G,B=0,255,0)の写真を図A.2に

示す。 

図A.2−有機ELディスプレイの発光パターン 

background image

11 

C 1006:2019  

表A.3−有機ELディスプレイを用いた供試体のぎらつき測定例 

供試体番号 

測定装置A 

測定装置B 

視感による 

順位a) 

(参考) 

ぎらつき値 

平均階調 

ぎらつき 

コントラスト 

(%) 

ぎらつき値 

平均階調 

ぎらつき 

コントラスト 

(%) 

サンプルA 

4.5 

156.3 

2.9 

60.7 

2 517.3 

2.4 

サンプルB 

4.7 

154.5 

3.0 

67.7 

2 500.4 

2.7 

サンプルC 

5.6 

156.3 

3.6 

77.8 

2 523.5 

3.1 

サンプルD 

8.2 

154.1 

5.3 

127.4 

2 522.9 

5.1 

サンプルE 

15.4 

155.2 

9.9 

254.0 

2 525.7 

10.1 

サンプルF 

18.5 

156.1 

11.8 

300.4 

2 522.1 

11.9 

注a) 視感による順位は,6個のサンプルについて,ぎらつきを一番感じないものを1位として順番に並べたものである。5

人の観察者の平均に基づいている。 

3

C

 1

0

0

6

2

0

1

9

background image

12 

C 1006:2019  

視感では,サンプルA及びサンプルBでは,ぎらつきは僅かに認識できる水準であったが,サンプルC

では容易に認識できる水準であった。また,サンプルDでは明瞭にぎらつきが認められた。 

さらに,サンプルE及びサンプルFでは,ぎらつきが不快に感じる水準で視認され,その程度はサンプ

ルFでより強い傾向にあった。求められたぎらつき値及びぎらつきコントラストの傾向は,装置によらず

視感による順位と一致しており,視感によるぎらつきの感じ方ともよく一致していることが分かった。 

A.4 疑似ディスプレイを用いた場合の測定例 

図A.3の模式図に示すように,画素を模したメタルマスクを平面白色光源の上に設置して作製した疑似

ディスプレイと防げん層とを組み合わせた供試体について,表A.1に示す仕様の測定装置を用いて測定し

た例を表A.4に示す。 

なお,測定に使用した疑似ディスプレイの発光パターンの写真を図A.4に示す。 

 記号 

平面白色光源 

発光部(白色) 

画素を模したメタルマスク 

図A.3−疑似ディスプレイの模式図 

図A.4−疑似ディスプレイの発光パターン 

background image

13 

C 1006:2019  

表A.4−疑似ディスプレイを用いた供試体のぎらつき測定例 

供試体番号 

測定装置A b) 

測定装置B 

視感による 

順位a) 

(参考) 

ぎらつき値 

平均階調 

ぎらつき 

コントラスト 

(%) 

ぎらつき値 

平均階調 

ぎらつき 

コントラスト 

(%) 

サンプルA 

2.9 

161.4 

1.8 

111.3 

8 528.9 

1.3 

サンプルB 

3.1 

161.5 

1.9 

107.0 

8 239.5 

1.3 

サンプルC 

3.1 

161.2 

1.9 

132.1 

8 527.8 

1.6 

サンプルD 

3.4 

161.5 

2.1 

173.2 

8 252.5 

2.1 

サンプルE 

4.2 

162.0 

2.6 

302.6 

8 307.2 

3.6 

サンプルF 

6.0 

161.8 

3.7 

522.9 

8 528.5 

6.1 

注a) 視感による順位は,6個のサンプルについて,ぎらつきを一番感じないものを1位として順番に並べたものである。5

人の観察者の平均に基づいている。 

b) 画素形状を撮影しないように焦点距離5 mmの対物レンズを使用し,ワーク距離は338 mmとした。 

3

C

 1

0

0

6

2

0

1

9

14 

C 1006:2019  

視感では,サンプルA,サンプルB及びサンプルCでは,ぎらつきはほとんど認識できず,僅かな違い

を確認できる水準であり,観察者間で順位が逆転するケースがあった。ぎらつき度合自体も数値が小さく,

かつ,差も小さいことから,視感とよく一致している。それらに比べて,サンプルDでは僅かではあるも

のの,ぎらつきがあることは認識できる水準であった。さらに,サンプルE及びサンプルFでは,ぎらつ

きが明瞭に認識でき,その程度はサンプルFでより強い傾向にあった。求められたぎらつき値及びぎらつ

きコントラストの傾向は,装置によらず視感による順位と一致しており,視感によるぎらつきの感じ方と

もよく一致していることが分かった。 

A.2〜A.4の三つの測定例では平均階調が各供試体において大きく異ならないため,視感に対する,ぎら

つき値及びぎらつきコントラストの相関は両者でほとんど変わらない。しかし,スモーク処理などが施さ

れていることによって平均階調が低下する供試体の場合,視感としてはぎらつきが抑制されているにもか

かわらず,ぎらつきコントラストが過大となって視感との相関性が成立しにくくなる状況が考えられる。

このような場合は,ぎらつき値を利用するなど,供試体の状態,測定の目的などに応じて,ぎらつき値又

はぎらつきコントラストのいずれを活用するかを受渡当事者間において決定すればよい。