C 1001:2010
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 標準球ギャップ ················································································································ 3
4.1 形状及び表面仕上げについての要求事項············································································· 3
4.2 測定時の球ギャップの一般的な配置··················································································· 3
4.3 接続 ···························································································································· 6
5 球ギャップの使用 ············································································································· 7
5.1 球の表面状態 ················································································································ 7
5.2 照射 ···························································································································· 7
5.3 電圧測定 ······················································································································ 8
6 標準球ギャップのスパークオーバ電圧 ·················································································· 9
6.1 表2及び表3の数値の精度 ····························································································· 14
6.2 空気密度補正係数 ········································································································· 14
6.3 湿度補正係数 ··············································································································· 14
7 直流電圧測定のための標準棒−棒ギャップ ··········································································· 14
7.1 棒−棒ギャップの標準配置 ····························································································· 14
7.2 標準値 ························································································································ 16
7.3 測定手順 ····················································································································· 16
8 認可測定システムの性能点検への標準気中ギャップの適用 ······················································ 16
附属書A(参考)球ギャップ実験的校正の範囲 ········································································· 17
附属書B(参考)表2及び表3の値が各国の標準又はその他の出典から導出されるまでの経緯 ··········· 18
附属書C(参考)照射源 ······································································································· 19
附属書D(参考)不確かさ及び球ギャップの校正 ······································································ 20
附属書JA(参考)昇降法 ······································································································ 21
附属書JB(参考)標準気中ギャップにおける湿度の影響 ···························································· 23
附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 24
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人電気学会
(IEEJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによ
って,JIS C 1001:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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標準気中ギャップによる電圧測定方法
Voltage measurement by means of standard air gaps
序文
この規格は,2002年に第3版として発行されたIEC 60052を基とし,我が国の測定環境を考慮し,技術
的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にない事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。また,附属書JA及び附属書JBは対応国際規格にはない事
項である。
1
適用範囲
この規格は,電気機器及びその他の電気工作物に対する高電圧試験で,IEC 60060-1に定義する次の電
圧の波高値測定に用いられる標準気中ギャップによる電圧測定方法について規定する。
a) 商用周波交流電圧
b) 全波標準雷インパルス電圧及びそれよりも長い波尾をもつインパルス電圧
c) 標準開閉インパルス電圧
d) 直流電圧
注記1 この規格の附属書JCを除く附属書(いずれも参考)には,次のことを記載している。
附属書Aには,標準球ギャップのスパークオーバ電圧値の表を記載し,実験から導いたと
きの電圧及び周波数の限界を示す。すなわち,同表の値は,箇条6で規定する範囲内では正
確であるとみなすことができる。
附属書Bには,標準球ギャップのスパークオーバ電圧値の表を記載し,多くの国の標準及
び附属書Bの2)及び3)に示す文献から導き出されたときの手順を示す。
附属書Cには,照射に関する事項を示す。
附属書Dには,表2及び表3のスパークオーバ電圧値に対する不確かさ及び球ギャップの
校正についての考え方を示す。
附属書JAには,昇降法によって50 %スパークオーバ電圧及び標準偏差を求める手法など
を示す。
附属書JBには,標準気中ギャップにおける湿度補正の適用範囲などに関する事項を示す。
我が国では,特に夏季に高湿度状態になることが多いことから記載した。
注記2 標準気中ギャップに絶縁破壊をもたらす放電に関する用語として,IEC 60052では,破壊放
電(disruptive discharge)という用語が用いられている。一方,旧規格JIS C 1001:1994 (球
ギャップによる電圧測定方法)では放電電圧,また,一般的にはフラッシオーバという用語
がそれぞれ用いられている。しかし,この規格では,スパークオーバという用語を用いるこ
ととした。これは,IEC 60060-1に規定する厳密な定義によったためである。すなわち,IEC
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60060-1では,破壊放電はスパークオーバ,フラッシオーバ及び貫通破壊の総称で,スパー
クオーバは気体及び液体中の破壊放電,フラッシオーバは気体中における固体若しくは液体
の表面での破壊放電,又は液体中における固体の表面での破壊放電であると定義している。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60052:2002,Voltage measurement by means of standard air gaps(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
IEC 60060-1,High-voltage test techniques−Part 1: General definitions and test requirements
IEC 60060-2,High-voltage test techniques−Part 2: Measuring systems
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
標準気中ギャップ(standard air gap)
大気中に2個の球電極又は棒電極を対向させて電圧の波高値測定のために用いる装置。電極の構造及び
配置は,この規格で規定する。標準気中ギャップには,標準球−球ギャップ(以下,標準球ギャップとい
う。)と標準棒−棒ギャップとがある。
この規格で規定する標準気中ギャップは,IEC 60060-1及びIEC 60060-2で規定する電圧測定のための標
準測定装置である。
3.2
標準球ギャップ(standard sphere-gap)
2個の球電極によってこの規格に基づいて構成し,電圧の波高値を測定する装置。この規格で特に混同
のおそれがない場合には,単に,球ギャップということもある。
二つの球面上の互いに最も接近した2点をスパーク点という。球直径の0.3倍の開きをもつコンパスで,
スパーク点を中心に球面上に円を描いたとき,その内部をスパーク領域という。
3.3
標準棒−棒ギャップ(standard rod-rod gap)
2本の棒の端部によってこの規格に基づいて構成し,直流電圧を測定する装置。
3.4
スパークオーバ確率(sparkover probabirity)
ある想定した電圧において,印加回数1回当たり気中ギャップでスパークオーバが生じる確率。気中ギ
ャップのスパークオーバ確率は,百分率又は分数で表す。スパークオーバ確率がp %となる電圧値をp %
スパークオーバ電圧という。
3.5
慣用的標準偏差(conventional standard deviation)
50 %スパークオーバ電圧と16 %スパークオーバ電圧との差の値。慣用的標準偏差は,50 %スパークオー
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バ電圧値を基準として,単位法又は百分率で表すことが多い。スパークオーバ電圧の確率分布が正規分布
関数とみなせる場合には,この慣用的標準偏差は,ほぼ標準偏差に相当する。
3.6
照射(irradiation)
電極面又はギャップ間に紫外線,放電光などを当てること。これは,標準球ギャップによって電圧を測
定する場合に,ギャップ間に適度な電離状態を与え,スパークオーバ電圧のばらつきを低減し測定値の再
現性を向上させることを目的とする。
4
標準球ギャップ
4.1
形状及び表面仕上げについての要求事項
標準球ギャップは,同一直径(D)の二つの金属球,柄,ギャップ長調整機構,支持絶縁部,支持架台
及び接続線から構成する。図1及び図2は,二つの配置を示すもので,そのうちの一方は,垂直軸をもつ
典型的な球ギャップで,他方は,水平軸をもつ球ギャップである。
Dは,センチメートル(cm)で表し,その標準値は,2 cm,5 cm,6.25 cm,10 cm,12.5 cm,15 cm,
25 cm,50 cm,75 cm,100 cm,150 cm及び200 cmである。ギャップ長(二つの球のスパーク点PとP'
との間隔)はSで表し,単位はセンチメートル(cm)で表す。
球は,その表面が滑らかで,かつ,曲率ができるだけ均一であるように注意深く加工し,球のスパーク
領域には凹凸があってはならない。
球の大きさ及び形状についての裕度は,通常,球ギャップを製作した最初だけ点検する必要があり,こ
の場合は,適切な計測器(例えば,球面計)を用いる。
球の直径の公称値からの許容差は,±2 %以内でなければならない。
球は,そのスパーク領域において,表面の不規則性をできるだけ小さくしなければならない。表面粗さ
は,中級の機械的表面仕上げ(最大粗さRmaxが10 μm以下)であれば十分である。
球ギャップを使用する場合,球表面に手で触れ,かつ,目視検査で表面に異常がないことを確認する。
注記 対向しない半球部分にある小さな損傷は,球ギャップの性能には影響を及ぼさない。
4.2
測定時の球ギャップの一般的な配置
4.2.1
垂直球ギャップ
球を垂直に配置したとき,高電圧側の柄に鋭い縁及び角がなく,柄の直径は,長さDにわたって0.2D
を超えてはならない。この要求事項は,スパークオーバ電圧に及ぼす柄の影響を低減するために設けられ
ている。コロナシールドリングを柄の端部に取り付ける場合には,球ギャップの軸に対して垂直方向に測
ったリングの最外径は,0.5Dを超えてはならず,高電圧側球のスパーク点から2D以上離れていなければ
ならない。
接地側の柄及び操作機構の影響は小さいので,これらの寸法はあまり重要ではない。
代表的な垂直球ギャップの構成要素の寸法に関する制限を,図1に示す。
両球の柄は,目視した場合,同一直線上にあることが望ましい。
4.2.2
水平球ギャップ
球を水平に配置した場合の代表的な球ギャップの寸法に関する制限を,図2に示す。これらの制限は,
球ギャップの両球について適用する。
両球の柄は,目視した場合,同一直線上にあることが望ましい。
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4.2.3
水平大地面からの球の高さ
高電圧側球のスパーク点Pの実験室床面からの高さAは,表1に規定する限界内になければならない。
ただし,球ギャップの接地側が天井に取り付けられている場合で,壁,床などのその他の接地面とかなり
離れているときは,天井を距離Aが下向きに測られる水平面とみなしてよい。
1:支持絶縁物
2:球柄
3:柄座
4:直列保護抵抗をもつ高電圧接続線
5:コロナシールドリング
P:高電圧側球のスパーク点
P':接地側球のスパーク点
A:床面から高電圧球のスパーク点までの高さ
B:外部物体との離隔距離(半径)
X:2と4との接続点を含み,2と垂直な平面。4はX面より球側にあってはならない。
D:球の直径
S:ギャップ長
注記 この図は,100 cm球ギャップでギャップ長50 cmを対象としている。
図1−垂直配置の標準球ギャップ
5
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1:支持絶縁物
2:球柄
3:柄座
4:直列保護抵抗をもつ高電圧接続線
5:水平支持板
P:高電圧側球のスパーク点
P':接地側球のスパーク点
A:床面から高電圧球のスパーク点までの高さ。ただし,5の水平支持板が金属の場合は,
その表面からの高さ
Amin:表1のAの最小値
B:外部物体との離隔距離(半径)
X:2と4との接続点を含み,2と垂直な平面。4はX面より球側にあってはならない。
D:球の直径
S:ギャップ長
注記 この図は,25 cm球ギャップでギャップ長12.5 cmを対象としている。
図2−水平配置の標準球ギャップ
4.2.4
球からの離隔距離
高電圧側球のスパーク点(図1の点P)から,外部構造物(例えば,天井,壁,加電又は接地された機
器)及び導体によって構成された球の支持架台までの離隔距離Bは,表1に規定する値未満であってはな
らない。さらに,離隔距離Bは,球のギャップ長Sのいかなる値に対しても,2D以上であることが望ま
しい。
球の支持架台が絶縁物で構成され,かつ,これが清浄で乾燥状態にあり,球ギャップを交流及びインパ
ルス電圧の測定だけに用いる場合は,高電圧側球のスパーク点と架台との離隔距離Bは,表1に規定する
6
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値より小さくしてもよい。ただし,1.6D以上でなければならない。
表2及び表3におけるスパークオーバ電圧の波高値は,表1に規定する離隔距離の限界条件を満足する
球に対して有効なものである。
試験条件によって,離隔距離A及びBの値を表1に規定する限界条件内に保つことができない球ギャッ
プの場合は,スパークオーバ電圧の慣用的標準偏差が箇条5に規定する要件を満たすとき,又は附属書D
に示すような試験所の条件下で校正ができ,表2及び表3のスパークオーバ電圧値の不確かさの増加が適
切な範囲内であるときには用いることができる。
回路は,試験電圧を印加したとき,次のことが満たされるように配置することが望ましい。
a) その他の物体へのスパークオーバが生じない。
b) 離隔距離Bによって定められている空間内の高電圧接続線又は球柄からの可視リーダ放電が生じない。
c) その他の接地物体から,Bで定められる空間内に進入する可視放電が生じない。
表1−高電圧側球のスパーク点からの離隔距離
球直径
D cm
離隔距離Aの最小値 離隔距離Aの最大値 離隔距離Bの最小値
6.25以下
7D
9D
14S
10〜15
6D
8D
12S
25
5D
7D
10S
50
4D
6D
8S
75
4D
6D
8S
100
3.5D
5D
7S
150
3D
4D
6S
200
3D
4D
6S
注記 D:球の直径(cm),S:ギャップ長(cm)
4.3
接続
球ギャップは,IEC 60060-2に規定する要求事項に適合するように接続しなければならない。
4.3.1
接地
高電圧側球に対向する球は,大地に直接接続しなければならない。ただし,特別な目的のために,大地
に接続する球と大地との間に,抵抗値の小さな分流器を挿入してもよい。
4.3.2
高電圧接続線
直列抵抗を含む高電圧接続線は,高電圧側球のスパーク点から,2D以上離れた球柄上の位置に接続しな
ければならない。
高電圧側球のスパーク点への距離がBより小さい領域内では,高電圧接続線(ただし,直列抵抗がある
場合には,それを含む。)は,高電圧側球のスパーク点から2Dの距離にある球ギャップの軸に垂直な平面
(図1及び図2のX面)を通過してはならない。
4.3.3
交流及び直流電圧測定時の保護抵抗
放電による球の損傷を最少にし,印加電圧に重畳される高周波振動によってスパークオーバが生じるこ
とを避けるため,直列保護抵抗を接続する。この目的のために, 0.1 MΩ〜1 MΩの抵抗を球ギャップと直
列に接続しなければならない。この範囲の抵抗は,それによる電圧降下が無視できるので,商用周波交流
電圧又は直流電圧の測定に用いることができる。
直列保護抵抗はできるだけ球柄に近く配置し,それと直接に接続することが望ましい。
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直列保護抵抗は,試験回路内でストリーマ放電が発生する場合には,球ギャップ動作に及ぼす過渡過電
圧の影響を抑制するため,特に重要である。試験回路又は供試物にこのような放電が存在しない場合には,
抵抗値はスパークオーバによる球の過度の損傷を抑制する程度の値まで減らしてもよい。
4.3.4
インパルス電圧測定時の保護抵抗
直径の大きな球に対しては,球間に,高電圧を誘起するような過渡振動が発生することがある(ただし,
供試物が接続されている場合には球間及び供試物の端子間に発生することがある。)。このような過渡振動
を除去するためには,直列抵抗が必要である。小さな球に対しては,長い接続線を用いない限り,一般に
このような過渡振動現象は重要とはならない。
直列抵抗は,供試物に望ましくないストレスを生じる電圧裁断時の急しゅんな電圧降下又は振動を減少
するために必要な場合がある。
雷インパルス電圧測定時の直列保護抵抗は,無誘導構造(30 μH以下)のものでなければならない。そ
の抵抗値は500 Ωを超えないことが望ましい。
回路中の抵抗の位置については,4.3.2による。
5
球ギャップの使用
球ギャップは,その使用時にスパークオーバ電圧の慣用的標準偏差が次の条件を満たす場合には,IEC
60060-1及びIEC 60060-2で規定する標準測定装置となる。すなわち,商用周波交流電圧及び雷インパルス
電圧に対しては慣用的標準偏差の値が1 %未満,開閉インパルス電圧に対しては慣用的標準偏差の値が
1.5 %未満となる場合である。慣用的標準偏差は,球の表面状態,自由電子(十分な照射)の存在,空気中
のじんあい(塵埃)及び測定手順に影響される。
5.1
球の表面状態
スパーク点付近の球表面は,清浄で乾燥した状態とする(ただし,磨く必要はない。)。正規の使用によ
っても,スパーク放電によって球表面は荒れてあばた状になった場合には,細かい研磨紙で研磨する。そ
のとき生じた粉じんは,けばの立っていない布でふき取り,油脂又はグリースのこん(痕)跡は溶剤で除
去することが望ましい。使用中に球面の荒れ又はあばたが過度になった場合には,球を修復するか又は取
り換えなければならない。
相対湿度が高くなると,スパーク点の表面に水分が凝結して,測定誤差が増大する原因となる。
スパーク領域外にある球表面の小さな損傷は,測定装置としての球ギャップの性能に影響を及ぼさない。
注記 慣用的標準偏差に対する要求条件は,表面状態が使用に対して適切であることを保証するもの
である。
5.2
照射
球ギャップのスパークオーバ電圧は,電圧印加瞬時における球ギャップ中での自由電子の存在に影響さ
れるため,慣用的標準偏差に対する要求条件を満足しない場合には,照射を行うことが望ましい。
インパルス電圧発生器のギャップ群からの光,又は使用電源若しくは別電源の負極性コロナによる直接
照射は,十分な効果がある。
外部照射は,球の直径の値にかかわらず,電圧の波高値が50 kV未満の測定の場合,又はすべての電圧
波形に対し球の直径が12.5 cm以下の場合に行わなければならない。参考として外部照射の方法を,附属
書Cに示す。
注記 十分な照射が行われない場合には,表2及び表3のスパークオーバ電圧値の不確かさは増大す
る場合がある。
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5.3
電圧測定
標準球ギャップによる電圧測定は,標準気中ギャップで測定中に試験回路に現れる電圧と,電圧制御回
路の電圧計の指示値,又は測定システムの低電圧側に接続された適切な測定若しくは記録装置から得られ
る電圧の波高値との間の関係を確立することによって行う。両球間のギャップ長は,電圧測定の総合不確
かさに見合うような方法で測定しなければならない。ただし,ギャップ長の変化によるもの以外に何らか
の点で回路が変更された場合には,何らかの反証が示されない限り,この関係は効力を失う。
5.3.1
商用周波交流電圧の波高値の測定
商用周波交流電圧の波高値の測定は,電源を投入したときスパークオーバが生じない程度に十分低い電
圧値を印加し,その後,印加電圧値を上昇させる。電圧上昇率は,ギャップにスパークオーバが生じた瞬
間でも低電圧側の電圧表示器で電圧値が正確に読み取れる程度に,十分ゆっくりした速度でなければなら
ない。
スパークオーバ電圧の平均値及び慣用的標準偏差を算出するために,最低10回の繰返し連続したスパー
クオーバの電圧値を記録する。算出した慣用的標準偏差の値は,平均値の1 %未満でなければならない。
電圧印加の時間間隔は,30秒以上であることが望ましい。
5.3.2
全波雷インパルス電圧及び開閉インパルス電圧の波高値の測定
全波雷インパルス電圧及び開閉インパルス電圧の波高値の測定は,50 %スパークオーバ電圧V50及び慣
用的標準偏差を決定しなければならない。慣用的標準偏差の値は全波雷インパルス電圧に対して1 %未満,
開閉インパルス電圧に対して1.5 %未満でなければならない。
V50の決定及び慣用的標準偏差の確認は,マルチレベル法によって行う。V50の決定及び慣用的標準偏差
の確認のためには,予想されるスパークオーバ電圧の約1 %程度の刻み幅で設定した五つの電圧レベルの
それぞれにおいて,最低10回ずつの電圧印加が必要である。
V50の決定及び慣用的標準偏差の確認は,昇降法によっても実施することができる。この場合,予想され
る50 %スパークオーバ電圧の約1 %程度の刻みで,最低20回の電圧印加を行う。参考として,昇降法を
附属書JAに示す。
慣用的標準偏差についての要求条件の適合確認は,次の方法で行う。雷インパルス電圧に対してはV50 か
ら1 %を差し引いた電圧(0.990 V50)を,開閉インパルス電圧に対してはV50からその1.5 %を差し引いた
電圧(0.985 V50)を,それぞれ15回印加する。いずれの場合にもスパークオーバの発生が2回を超えては
ならない。
電圧印加の時間間隔は,30秒以上であることが望ましい。
注記 ある一つの試験で,ギャップ長をある範囲にわたって用いる場合,慣用的標準偏差についての
判断基準は,最小及び最大ギャップ長に対してそれぞれ確認することが望ましい。
5.3.3
直流電圧の測定
標準球ギャップは,空気中の繊維状浮遊物によって低い電圧でも異常なスパークオーバを発生する不規
則な挙動があるため,直流電圧の測定には推奨しない。絶対湿度が1 g/m3〜13 g/m3の範囲内での直流電圧
測定には,標準棒−棒ギャップが望ましい。
標準棒−棒ギャップを用いることができない場合には,標準球ギャップを用いて次の手順による測定を
推奨する。すなわち,ギャップ間を横切る方向に,最低3 m/sの空気の定常的な流れを維持することが望
ましい。この場合,電源を投入したときスパークオーバが生じない程度に十分低い電圧を印加し,その後,
印加電圧を上昇させる。電圧上昇率は,ギャップにスパークオーバが生じた瞬間でも低電圧側の電圧表示
器で電圧値が正確に読み取れる程度に,十分ゆっくりした速度でなければならない。
9
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スパークオーバが生じる最高の安定した電圧レベルが表2の値である。
注記 球ギャップの直流スパークオーバにおける紛らわしい性質のために,安定した上限を確立する
までには非常に多数回の電圧印加を継続しなければならないことがある。
6
標準球ギャップのスパークオーバ電圧
次の気温及び気圧の標準大気条件下における標準球ギャップの様々なギャップ長に対するスパークオー
バ電圧を,表2及び表3に示す。
気温 t0=20 ℃
気圧 b0=101.3 kPa
なお,表2及び表3の値は,絶対湿度が5〜12 g/m3の範囲(中央値が8.5 g/m3)で得られたものである。
表2は,IEC 60060-1に規定する次の各電圧に対するスパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電
圧試験に対しては50 %スパークオーバ電圧V50)を示す。
− 商用周波交流電圧
− 負極性の全波標準雷インパルス電圧
− 負極性の標準開閉インパルス電圧
− 正又は負極性の直流電圧
表3は,IEC 60060-1に規定する次の各電圧に対するスパークオーバ電圧の波高値(kV,50 %スパーク
オーバ電圧V50)を示す。
− 正極性の全波標準雷インパルス電圧
− 正極性の標準開閉インパルス電圧
ただし,表2及び表3は,10 kV未満のインパルス電圧の測定には,適用できない。
注記 表2及び表3の電圧値が実験から導き出され,また,それらが6.1に規定する不確かさの限度
内に収まると考えられる電圧範囲についての説明を,附属書A及び附属書Bに示す。
10
C 1001:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−スパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電圧試験ではV50)
商用周波交流電圧,負極性の全波標準雷インパルス電圧,負極性の標準開閉インパルス電圧,
及び正極性又は負極性の直流電圧
単位 kV
ギャッ
プ長
(S)
cm
球の直径(D) cm
2
5
6.25
10
12.5
15
25
50
75
100
150
200
0.05
2.8
0.10
4.7
0.15
6.4
0.20
8.0
8.0
0.25
9.6
9.6
0.30
11.2
11.2
0.40
14.4
14.3
14.2
0.50
17.4
17.4
17.2
16.8
16.8
16.8
0.60
20.4
20.4
20.2
19.9
19.9
19.9
0.70
23.2
23.4
23.2
23.0
23.0
23.0
0.80
25.8
26.3
26.2
26.0
26.0
26.0
0.90
28.3
29.2
29.1
28.9
28.9
28.9
1.0
30.7
32.0
31.9
31.7
31.7
31.7
31.7
1.2
(35.1)
37.6
37.5
37.4
37.4
37.4
37.4
1.4
(38.5)
42.9
42.9
42.9
42.9
42.9
42.9
1.5
(40.0)
45.5
45.5
45.5
45.5
45.5
45.5
1.6
48.1
48.1
48.1
48.1
48.1
48.1
1.8
53.0
53.5
53.5
53.5
53.5
53.5
2.0
57.5
58.5
59.0
59.0
59.0
59.0
59.0
59.0
2.2
61.5
63.0
64.5
64.5
64.5
64.5
64.5
64.5
2.4
65.5
67.5
69.5
70.0
70.0
70.0
70.0
70.0
2.6
(69.0)
72.0
74.5
75.0
75.5
75.5
75.5
75.5
2.8
(72.5)
76.0
79.5
80.0
80.5
81.0
81.0
81.0
3.0
(75.5)
79.5
84.0
85.0
85.5
86.0
86.0
86.0
86.0
3.5
(82.5)
(87.5)
95.0
97.0
98.0
99.0
99.0
99.0
99.0
4.0
(88.5)
(95.0)
105
108
110
112
112
112
112
4.5
(101)
115
119
122
125
125
125
125
5.0
(107)
123
129
133
137
138
138
138
138
5.5
(131)
138
143
149
151
151
151
151
6.0
(138)
146
152
161
164
164
164
164
6.5
(144)
(154)
161
173
177
177
177
177
7.0
(150)
(161)
169
184
189
190
190
190
7.5
(155)
(168)
177
195
202
203
203
203
8.0
(174)
(185)
206
214
215
215
215
9.0
(185)
(198)
226
239
240
241
241
10
(195)
(209)
244
263
265
266
266
266
11
(219)
261
286
290
292
292
292
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−スパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電圧試験ではV50)
商用周波交流電圧,負極性の全波標準雷インパルス電圧,負極性の標準開閉インパルス電圧,
及び正極性又は負極性の直流電圧(続き)
単位 kV
ギャッ
プ長
(S)
cm
球の直径(D) cm
2
5
6.25
10
12.5
15
25
50
75
100
150
200
12
(229)
275
309
315
318
318
318
13
(289)
331
339
342
342
342
14
(302)
353
363
366
366
366
15
(314)
373
387
390
390
390
16
(326)
392
410
414
414
414
17
(337)
411
432
438
438
438
18
(347)
429
453
462
462
462
19
(357)
445
473
486
486
486
20
(366)
460
492
510
510
510
22
489
530
555
560
560
24
515
565
595
610
610
26
(540)
600
635
655
660
28
(565)
635
675
700
705
30
(585)
665
710
745
750
32
(605)
695
745
790
795
34
(625)
725
780
835
840
36
(640)
750
815
875
885
38
(655)
(775)
845
915
930
40
(670)
(800)
875
955
975
45
(850)
945
1 050
1 080
50
(895)
1 010
1 130
1 180
55
(935)
(1 060)
1 210
1 260
60
(970)
(1 110)
1 280
1 340
65
(1 160)
1 340
1 410
70
(1 200)
1 390
1 480
75
(1 230)
1 440
1 540
80
(1 490)
1 600
85
(1 540)
1 660
90
(1 580)
1 720
100
(1 660)
1 840
110
(1 730) (1 940)
120
(1 800) (2 020)
130
(2 100)
140
(2 180)
150
(2 250)
注記 10 kV未満のインパルス電圧に対しては,適用できない。
括弧内の数値は,0.5Dを超える球ギャップ長に対する値で,不確かさが大きい。
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C 1001:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−スパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電圧試験ではV50)
正極性の全波標準雷インパルス電圧及び正極性の標準開閉インパルス電圧
単位 kV
ギャッ
プ長
(S)
cm
球の直径(D) cm
2
5
6.25
10
12.5
15
25
50
75
100
150
200
0.05
0.10
0.15
0.20
0.25
0.30
11.2
11.2
0.40
14.4
14.3
14.2
0.50
17.4
17.4
17.2
16.8
16.8
16.8
0.60
20.4
20.4
20.2
19.9
19.9
19.9
0.70
23.2
23.4
23.2
23.0
23.0
23.0
0.80
25.8
26.3
26.2
26.0
26.0
26.0
0.90
28.3
29.2
29.1
28.9
28.9
28.9
1.0
30.7
32.0
31.9
31.7
31.7
31.7
31.7
1.2
(35.1)
37.8
37.6
37.4
37.4
37.4
37.4
1.4
(38.5)
43.3
43.2
42.9
42.9
42.9
42.9
1.5
(40.0)
46.2
45.9
45.5
45.5
45.5
45.5
1.6
49.0
48.6
48.1
48.1
48.1
48.1
1.8
54.5
54.0
53.5
53.5
53.5
53.5
2.0
59.5
59.0
59.0
59.0
59.0
59.0
59.0
59.0
2.2
64.0
64.0
64.5
64.5
64.5
64.5
64.5
64.5
2.4
69.0
69.0
70.0
70.0
70.0
70.0
70.0
70.0
2.6
(73.0)
73.5
75.5
75.5
75.5
75.5
75.5
75.5
2.8
(77.0)
78.0
80.5
80.5
80.5
81.0
81.0
81.0
3.0
(81.0)
82.0
85.5
85.5
85.5
86.0
86.0
86.0
86.0
3.5
(90.0)
(91.5)
97.5
98.0
98.5
99.0
99.0
99.0
99.0
4.0
(97.5)
(101)
109
110
111
112
112
112
112
4.5
(108)
120
122
124
125
125
125
125
5.0
(115)
130
134
136
138
138
138
138
138
5.5
(139)
145
147
151
151
151
151
151
6.0
(148)
155
158
163
164
164
164
164
6.5
(156)
(164)
168
175
177
177
177
177
7.0
(163)
(173)
178
187
189
190
190
190
7.5
(170)
(181)
187
199
202
203
203
203
8.0
(189)
(196)
211
214
215
215
215
9.0
(203)
(212)
233
239
240
241
241
10
(215)
(226)
254
263
265
266
266
266
11
(238)
273
287
290
292
292
292
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C 1001:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−スパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電圧試験ではV50)
正極性の全波標準雷インパルス電圧及び正極性の標準開閉インパルス電圧(続き)
単位 kV
ギャッ
プ長
(S)
cm
球の直径(D) cm
2
5
6.25
10
12.5
15
25
50
75
100
150
200
12
(249)
291
311
315
318
318
318
13
(308)
334
339
342
342
342
14
(323)
357
363
366
366
366
15
(337)
380
387
390
390
390
16
(350)
402
411
414
414
414
17
(362)
422
435
438
438
438
18
(374)
442
458
462
462
462
19
(385)
461
482
486
486
486
20
(395)
480
505
510
510
510
22
510
545
555
560
560
24
540
585
600
610
610
26
570
620
645
655
660
28
(595)
660
685
700
705
30
(620)
695
725
745
750
32
(640)
725
760
790
795
34
(660)
755
795
835
840
36
(680)
785
830
880
885
38
(700)
(810)
865
925
935
40
(715)
(835)
900
965
980
45
(890)
980
1 060
1 090
50
(940)
1 040
1 150
1 190
55
(985)
(1 100)
1 240
1 290
60
(1 020) (1 150)
1 310
1 380
65
(1 200)
1 380
1 470
70
(1 240)
1 430
1 550
75
(1 280)
1 480
1 620
80
(1 530)
1 690
85
(1 580)
1 760
90
(1 630)
1 820
100
(1 720)
1 930
110
(1 790) (2 030)
120
(1 860) (2 120)
130
(2 200)
140
(2 280)
150
(2 350)
注記 括弧内の数値は,0.5Dを超える球ギャップ長に対する値で,不確かさが大きい。
14
C 1001:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.1
表2及び表3の数値の精度
表2及び表3の電圧値は,測定についての国際的に合意された基準規格(International Consensus Reference
Standard of Measurement)として受け入れられている。
6.1.1
商用周波交流電圧及び全波標準雷・開閉インパルス電圧
表2及び表3に規定するスパークオーバ電圧の数値は,95 %以上の信頼水準で,3 %の推定不確かさを
もつ。
表2及び表3の括弧内に示す数値は,ギャップ長が0.5D〜0.75Dの間で測定したものである。これらの
値に対しては,信頼水準は示されていない。
球の直径に対するギャップ長の比が非常に小さい場合には,ギャップ長を精度よく測定したり調整する
ことが難しいので,ギャップ長は0.05D以上が望ましい。
6.1.2
直流電圧
直流電圧に対しては,測定の不確かさを推定する十分な情報がない。
6.2
空気密度補正係数
標準状態でない場合の,与えられたギャップ長に対するスパークオーバ電圧Vは,表2及び表3に規定
する値(これをV0とする。)に,相対空気密度δで表す補正係数を乗じる(V=δ×V0)ことによって求め
る。
相対空気密度は,次の式(1)によって求める。
t
b
t
t
b
b
+
+
+
273
89
.2
273
273
0
0
×
=
×
=
δ
···················································· (1)
ここに, b及びb0: 気圧(kPa)
t及びt0: 気温(℃)
6.3
湿度補正係数
球ギャップのスパークオーバ電圧は,絶対湿度の増加に伴い0.2 %/ (g/m3)の割合で増加する。
表2及び表3中の値が得られたときの絶対湿度は5 g/m3〜12 g/m3の範囲で,その中央値は8.5 g/m3であ
る。したがって,絶対湿度hに対するスパークオーバ電圧の値は,表2及び表3に規定する値(これをV0
とする。)に,式(2)によって求められる湿度補正係数kを乗じて(V=k×V0)補正しなければならない。
−
+
=
5.8
002
.0
1
δ
h
k
································································· (2)
ここに,
h: 大気の絶対湿度(g/m3)
大気の相対湿度が高い場合には球表面に水分の凝結又は結露を生じ,スパークオーバ電圧が大きく変動
するので,このような条件下では測定を行わないことが望ましい。
7
直流電圧測定のための標準棒−棒ギャップ
7.1
棒−棒ギャップの標準配置
棒−棒ギャップの標準配置方式は,図3 a)(垂直配置ギャップ),又は,図3 b)(水平配置ギャップ)に
示すものでなければならない。
二つの棒電極は,鋼又は黄銅で作られ,断面は一辺が10 mm〜25 mmの正方形であり,かつ,同一軸上
に配置しなければならない。再現性のあるスパークオーバ機構を得るために,鋭利な角をもつよう端部は
軸に対して直角に切り落とさなければならない。
高電圧電極先端から大地面以外の接地物体又は壁への離隔距離は,5 m以上でなければならない。
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単位 mm
d:棒間のギャップ長
a) 垂直配置の標準棒−棒ギャップ
単位 mm
d:棒間のギャップ長
b) 水平配置の標準棒−棒ギャップ
図3−標準棒−棒ギャップ
16
C 1001:2010
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7.2
標準値
標準大気状態下における正極性及び負極性の直流スパークオーバ電圧V0 (kV)は,垂直配置及び水平配置
の両方に対して次の式(3)によって求める。
V0=2+0.534d ··········································································· (3)
ここに,
d: ギャップ長 (mm)
式(3)は,250 mm〜2 500 mmの範囲のギャップ長,及び,h/δが1 g/m3〜13 g/m3の湿度範囲において成
立する。これらの条件の下では,直流スパークオーバ電圧V0は,95 %以上の信頼水準で, 3 %の推定不
確かさをもつ。
250 mmより小さいギャップ長では,スパークオーバ以前にストリーマが現れないので,棒−棒ギャッ
プを認可測定装置として使ってはならない。2 500 mmを超えるギャップ長に対しては,その使用を支持す
るような実験的根拠はない。
7.3
測定手順
棒間のギャップ長dを設定し,電圧を印加する。このとき,目標スパークオーバ電圧の75 %から100 %
に到達するまでの時間が約1分であるような電圧上昇率で電圧を加えなければならない。測定システムの
電圧指示装置で,スパークオーバ時の電圧を10回読み取らなければならない。10回の読みの平均値に対
応する標準大気状態でのスパークオーバ電圧を式(3)によって求める。この電圧は,相対空気密度δ及び次
の式(4)に示す湿度補正係数kを考慮して,実際の大気状態に対応したものに補正しなければならない。
−
+
=
11
014
.0
1
δ
h
k
································································· (4)
式(4)は,h/δが1 g/m3〜13 g/m3の湿度範囲において成立する。
実際の気象条件として,気温t,気圧b及び絶対湿度hの下で測定されたスパークオーバ電圧Vは,式(5)
によって求める。
V=(δ×k)×V0 ··········································································· (5)
8
認可測定システムの性能点検への標準気中ギャップの適用
その性能がIEC 60060-2で規定する認可測定システム(approved measuring system)の要求事項を満たす
ことだけが知られているような認可測定システムの性能点検に,標準気中ギャップを用いる場合には,点
検回路の二つの要素は,6.1.1又は7.2に示したように,それぞれ3 %の推定不確かさをもつ。したがって,
比較試験においては,この値を超える差が生じる場合がある。しかし,同一の認可測定システムに対して
性能点検を繰り返し実施する場合には,大気状態補正を行った後の各測定値間の差は,3 %より相当小さ
くなることが期待できる。
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附属書A
(参考)
球ギャップ実験的校正の範囲
表2及び表3は,表A.1の参考文献に報告されている実験から,部分的に導かれたものである。表A.1
に示す値よりも高い電圧においては,その精度に対する実験的証明はない。
表A.1−球ギャップの実験的校正表
電圧の種類
最高電圧
(kV,波高値)
参考文献
商用周波交流電圧
1 700
Transactions AIEE Vol. 71(1952), Part III, p.455
商用周波交流電圧
1 400
JIEE Vol. 82 (1938), p.655
直流電圧+(球ギャップ)
800
Zeit.Techn.Phys.18(1937), p.209
直流電圧−(球ギャップ)
1 300
Zeit.Techn.Phys.18(1937), p.209
インパルス電圧+(雷)
2 580
Transactions AIEE Vol.71(1952), Part III, p.455
インパルス電圧+(雷)
2 410
Transactions AIEE Vol.71(1952), Part III, p.455
インパルス電圧+/−(開閉)
1 200
ELECTRA No 136, June 1991, p.91-95
高周波交流電圧
ETZ Vol.60(1939) , p.92 a)
減衰しない高周波交流電圧
−
JAIEE. Vol.46(1927), p.1314 b)
Arch.Elektr. Vol. 14(1925), p.491 b)
Arch.Elektr. Vol. 24(1930), p.525 b)
Arch.Elektr. Vol. 25(1931), p.322 b)
Arch.Elektr. Vol. 26(1932), p.123 b)
減衰高周波交流電圧
−
Ann.Phys. 19(1906), p.1016 b)
Arch.Elektr. Vol. 16(1926), p.496 b)
Arch.Elektr. Vol. 20(1928), p.99 b)
注a) この参考文献には,減衰及び非減衰の高周波電圧について,1939年まで実施された電圧値及び周波数の全範囲
にわたって,校正のまとめが含まれている。この表中のその他の参考文献には,それぞれの校正についての詳
細が示されている。
b) これらの文献のデータは完全なものではなく,また,食い違うこともあったが,これから20 kHzまでの周波数
における減衰しない交流電圧(ただし,波高値が15 kVまでに限る。)の測定に,表2を用いても大きな誤差は
ないと考えられている。さらに,周波数が高くなると,この電圧は15 kVより低くなる。
これらの文献はまた,500 kHzまでの周波数における減衰する交流電圧の測定に,表2を用いることができる
ことを示している。しかし,その電圧の波高値は15 kVを超えないとの制限がある。
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附属書B
(参考)
表2及び表3の値が各国の標準又は
その他の出典から導出されるまでの経緯
1956年ミュンヘンで開催されたIEC TC 42の国際会議において,国際的に受け入れられるような新しい
表を作ることが望ましいということに意見が一致した。
後に記述するような明白な例外は除外し,この新しい表のスパークオーバ電圧は,次の2種類の値の平
均値をとった。
a) 1939年6月のパリでのIECで承認された値
b) A.S.A. Standard C 68.1 (1953)の値(温度補正後)
この平均値の計算では,幾つかの不規則な点を生じた。特に,ギャップ長が小さい領域でのスパークオ
ーバ電圧は,球の直径の増加に伴って不規則に変化した。
このような不都合な点は,その他の問題を生じないようにできるだけ除去した。
上記の例外とは,次のようなものである。
1) A.S.A. Standardには2 cm,5 cm,10 cm及び15 cmの球に対するデータがない。そのため,まず,5 cm,
10 cm及び15 cmの球に対して1939年にIECで合意された数値は,上記のわずかな調整を行っただけ
で,その他はそのまま現在の表の中に組み入れた。
2) 次に,1939年IECで承認された2 cmの球に対する数値は,(正極性インパルス電圧には適用できない
ものであったが),1 cmまでのギャップ長でも正確でないことが後で判明した。そこで,JIEE
Vol.95(1948) Part IIのp.309を基にして新しい校正値を加えた。しかし,その値は,10 kV以下の両極
性のインパルス電圧の測定には適用できない。後者のことについての根拠は,Proc. IEE. Part II Vol.
101(1954)のp.438を参照されたい。
3) 1 400 kV以上の電圧に対する1939年にIECで承認された値は,米国でごく最近に実測された値より
も信頼性が低いと考えられたので,後者を採用した[A.S.A. Standard C 68.1(1953)及びTransactions
AIEE Vol. 71(1952) Part IIIのp.455を参照]。
表2及び表3の数値の最後のけたは,表B.1に示す方法で丸めている。
表B.1−表2及び表3での数値の丸め方
電圧の範囲
丸め方
50 kV以下
0.1 kV単位で最も近い値に
50 kVを超え100 kV以下
0.5 kV単位で最も近い値に
100 kVを超え500 kV以下
1 kV単位で最も近い値に
500 kVを超え1 000 kV以下
5 kV単位で最も近い値に
1 000 kVを超える
10 kV単位で最も近い値に
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附属書C
(参考)
照射源
交流電圧に対しては,照射は試験回路内のコロナから得られる。しかし,コロナの存在は,例えば,部
分放電測定には好ましくないので,外部照射によるのがよい。
インパルス電圧に対しては,インパルス発生器のギャップ群の放電による直接照射で十分な効果が得ら
れる場合がある。
外部照射は,遠紫外(UVC:波長280 nm以下)領域にスペクトルをもつ石英ガラスの水銀灯で行うこ
とができる。紫外線でもUVA(波長:380〜315 nm)又はUVB(波長:315〜280 nm)領域のスペクトル
をもつ水銀灯は,一般に照射能力が十分でないため推奨できない。水銀灯の定格及びインパルス発生器の
ギャップからの実際の距離は,照射の効果に影響を及ぼす。
球ギャップへの外部照射は,負極性の直流コロナ電源からの前駆放電によっても得られる。
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附属書D
(参考)
不確かさ及び球ギャップの校正
表2及び表3のスパークオーバ電圧に対する不確かさは,3 %とされているが,これは,球ギャップに
よる電圧測定の総合不確かさの推定に大きく影響する項目である。
この不確かさの値は,表にするための1 %程度の結果の丸めを含めて,多くの要因を考慮したものであ
る。このことは,10 kV以上の電圧に対しては0.5 %までの誤差を,また,10 kV未満の電圧に対してはよ
り大きな誤差をもたらす。試験所の認可測定システムの校正時に,適切な基準測定システムを用いた試験
所による球ギャップの内部校正手順を踏めば,不確かさの値は大幅に低減できる。
幾つかのギャップ長に対するスパークオーバ電圧値を,別途適切な方法を用いて新しく校正された測定
システムで測定された電圧によって,幾つかのギャップ長に対するスパークオーバ電圧値を校正すること
は,試験所における内部校正とみなすことができる。この場合,校正の総合不確かさは,表2及び表3に
おける不確かさより明らかに小さくなることが期待される。
状態が不変に保たれているならば,測定システムで測定された電圧値と球ギャップで測定された電圧値
との差の評価には,上記の校正手順によって得られる小さな不確かさを用いることが望ましい。
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附属書JA
(参考)
昇降法
5.3.2では,全波雷インパルス電圧及び開閉インパルス電圧の波高値測定は,50 %スパークオーバ電圧
V50及び慣用的標準偏差を求めることを規定しており,さらに,慣用的標準偏差の値に関する要件は,全波
雷インパルス電圧に対しては1 %未満,開閉インパルス電圧に対しては1.5 %未満であることを規定してい
る。
この附属書では,昇降法で50 %スパークオーバ電圧V50及び標準偏差σを求める方法,及び慣用的標準
偏差に関する要件の確認方法について記載する。
JA.1 昇降法によるV50及び標準偏差σの求め方[1],[2]
昇降法では,スパークオーバ率が印加電圧に対して正規累積分布になると仮定して,50 %スパークオー
バ電圧V50及び標準偏差σを,次によって求める。したがって,昇降法で求める標準偏差σは慣用的標準
偏差に相当することとなる。
a) 適切な方法で50 %スパークオーバ電圧及びその標準偏差の概略値を推定し,その値をV'50及びσ'とす
る。
例えば,当該の標準気中ギャップに印加電圧を変化させて(ただし,変化幅は適切にして)10〜20
回程度印加し,必ずスパークオーバした電圧の最低値V'100と,決してスパークオーバしなかった電圧
の最高値V'0を得る。このV'100とV'0とから,次の式(JA.1)及び式(JA.2)によってV'50及びσ'を求める。
2
'
'
'
0
100
50
V
V
V
+
=
··································································· (JA.1)
5
'
'
'
0
100V
V
−
=
σ
······································································ (JA.2)
ここで,式(JA.2)の右辺の分母を5としているが,4〜5が目安である。これは,スパークオーバ電
圧のばらつきの範囲を4σ〜5σと考えているためである。
b) 最初の印加電圧V0をほぼV'50に,引き続く2回目の印加電圧との差VdをVd=σ'の一定値に選定する。
c) V0を印加してスパークオーバした場合には,次の印加電圧V1はV1=V0−Vdとし,スパークオーバし
なかった場合にはV1=V0+Vdとして2回目の電圧を印加する。
d) 以下同様にして,Viでスパークオーバした場合にはVi+1=Vi−Vd,Viでスパークオーバしなかった場
合にはVi+1=Vi+Vdとして,40回程度の電圧印加を行う。
e) 試験終了後,スパークオーバした回数とスパークオーバしなかった回数とを計数し,少ない方の回数
をNとする。
f)
回数の少ない方の印加電圧を低い方から順に並べ,それぞれにおける印加回数をn0,n1,n2,…・,
nkとする。
g) 次の式(JA.3)によって係数A及びBを算出する。
∑
=
=
k
i
i
in
A
0
,
∑
=
=
k
i
in
i
B
0
2
··················································· (JA.3)
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h) 50 %スパークオーバ電圧V50は,次の式(JA.4)によって算出する。
±
+
=
2
1
d
L
50
N
A
V
V
V
······················································· (JA.4)
ここに,VLはi=0に対応する最低電圧である。また,複号はスパークオーバしなかった回数Nを
用いるときは(+)を,スパークオーバした回数Nを用いるときは(−)とする。
i)
スパークオーバ電圧が正規累積分布をするとした場合,その標準偏差σの推定値は,次の式(JA.5)に
よって算出する。
+
−
=
029
.0
62
.1
2
2
d
N
A
NB
V
σ
···················································· (JA.5)
JA.2 昇降法による場合の慣用的標準偏差に関する要件の確認法
5.3.2では,昇降法を用いる場合の慣用的標準偏差に対する確認は,慣用的標準偏差(又はσ)の値を求
めず,V50より1 %又は1.5 %低い電圧,すなわち0.990V50又は0.985V50に相当する電圧を15回印加して,
スパークオーバの発生が2回以下(13.33 %以下)であることの確認で代替できると規定している。これは,
慣用的標準偏差の値が許容限界である1 %又は1.5 %であった場合,0.990V50又は0.985V50でのスパークオ
ーバ発生率の期待値が16 %となることに基づいている。
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C 1001:2010
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附属書JB
(参考)
標準気中ギャップにおける湿度の影響
JB.1
標準球ギャップにおける湿度補正の範囲[3],[4]
表2及び表3のスパークオーバ電圧値は,絶対湿度5〜12 g/m3の範囲で得られた実験結果に基づいたも
のであることは箇条6に明記されているが,6.3の湿度補正式(2)の適用範囲についての明確な記述はない。
しかし,次の参考文献によると,湿度補正係数を0.2 %/ (g/m3)とした場合,絶対湿度が6〜23 g/m3の範
囲でのスパークオーバ電圧の測定結果は,±2 %の範囲内に収まることが報告されている。すなわち,6.3
の湿度補正式(2)は,23 g/m3程度の高湿度条件まで適用できると考えられる。
JB.2
標準棒−棒ギャップのスパークオーバ電圧に対する算定式導出の根拠
標準棒−棒ギャップによる直流電圧の測定に関する情報は,CIGREの活動から得られ,ELECTRA 117,
1988, p.23-24に発表されている。7.2の式(3)は,この文献に基づいたものである。該当部分の抄訳を次に
示す。
(抄訳) スパークオーバ瞬間における10個の電圧の読みを,校正中の測定装置によって記録しな
ければならない。標準大気状態における10個の電圧値の平均値は,次の式で求められる。
V0=2+0.534 a
ここに,
V0: 直流スパークオーバ電圧(kV)
a: ギャップ長(mm)
上の式は,250 mm≦a≦2 500 mm,1 g/m3≦h≦13 g/m3の範囲で有効である。V0の不確かさは2 %で
あると見積もられる。V0の値は試験時の実際の大気状態について補正しなければならない。
JB.3
標準棒−棒ギャップにおける湿度補正係数の適用範囲
7.3では,湿度補正のための式(4)の適用範囲は,h/δが1〜13 g/m3とされている。これは,JB.2で示した
ように,式(3)の根拠となった実験範囲をそのまま規定したものと思われる。
h/δが1〜13 g/m3の範囲外にある場合については,日本国内の6か所での測定結果をとりまとめた参考
文献[5]がある。それによると,上記の範囲外であっても,ギャップ長dとh/δとの積が,d×h/δ≦
2 200 cm・g/m3の範囲の場合は,7.3で示した湿度補正係数kは有効であると報告されている。すなわち,
ギャップ長が比較的短い場合は,h/δが13 g/m3を超える範囲でも7.3の式(4)が適用できるというものであ
る。
参考文献
[1] 河野照哉:電気四学会連合大会1-7(1982)
[2] 河野照哉,笈川俊雄:電気学会誌, Vol.87-8, No.947, p.1618(1967)
[3] 相原,原田,青島:球ギャップの閃絡電圧に及ぼす照射ならびに湿度の影響,
電力中央研究所技術第一研究所報告,70033(1970-9)
[4] 田口,原田,佐伯,張替,脇本:大気中球ギャップの放電電圧に及ぼす大気湿度,紫外線照射の影響,
平成8年電気学会全国大会,138(1996-3)
[5] T. Harada, T. Kawamura, Y. Aihara, M. Honda, T. Watanabe, Y. Kamata, K. Yoshida, Y. Maruyama:
DC Flashover Tests of Rod-Rod Gaps in Japan, 5th. ISH, 11.07, Braunschweig, 1987
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附属書JC
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS C 1001:2010 標準気中ギャップによる電圧測定方法
IEC 60052:2002 Voltage measurement by means of standard air gaps
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及
び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3
用語及び定義
−
3
定義なし(vacant)
追加
標準気中ギャップ,標準球ギャ
ップなどを規定
この規格を説明するために必要
と判断し,規定した。
6.3
湿度補正係数
6.3
JISとほぼ同じ
追加
我が国の環境条件(高湿度)を
考慮して,電極表面に水分の凝
結又は結露が生じる場合を非
推奨とした。
WTO/TBT協定の例外事項で特に
提案はしない。
附属書JA
(参考)
昇降法
−
追加
昇降法によるV50及び標準偏差
の求め方を参考で記述
参考情報として記述
附属書JB
(参考)
標準気中ギャップ
における湿度の影
響
−
追加
標準気中ギャップの湿度によ
る影響及び補正の適用範囲を,
より高湿度範囲に拡張しても
差し支えないことを参考で記
載
我が国の環境条件を考慮した参
考情報を提供
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60052:2002,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD………………国際規格を修正している。
2
C
1
0
0
1
:
2
0
1
0
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