C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業省大臣が制定した
日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61032 : 1997 Protection of persons
and equipment by enclosures−Probes for verificationを基礎として用いた。
JIS C 0922には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 機器及び試験結果に対する検査プローブの公差の影響
附属書B(参考) 将来のプローブの公差に対する基準
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
(1)
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目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 一般 ······························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 2
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 検査プローブの分類 ········································································································· 3
5. 検査プローブの一覧表 ······································································································ 3
6. 検査プローブ ·················································································································· 4
7. 検査プローブの設計上考慮すべき特性 ················································································ 14
附属書A(参考) 機器及び試験結果に対する検査プローブの公差の影響 ······································ 16
附属書B(参考) 将来のプローブの公差に対する基準 ······························································ 21
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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日本工業規格 JIS
C 0922 : 2002
(IEC 61032 : 1997)
電気機械器具の外郭による
人体及び内部機器の保護−
検査プローブ
Protection of persons and equipment by enclosures for electrical apparatus
−
Probes for verification
序文 この規格は,1997年に第2版として発行されたIEC 61032, Protection of persons and equipment by
enclosures−Probes for verificationを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 一般
1.1
適用範囲及び目的 この規格は,電気機械器具の次に関する外郭 (enclosure) による保護を検証する
ための,検査プローブの詳細及び寸法について規定する。
− 外郭内部の危険な箇所への接近に対する人体の保護。
− 外部から侵入する固形物に対する外郭内部の機器の保護。
この規格の目的は,次のとおりである。
− 他の規格に規定されている固形物プローブ及び近接プローブを,必要な新しいプローブとともに一つ
の規格にまとめる。
− 製品規格を作成する者に対して,検査プローブの選択の指針を与える。
− プローブの詳細及び寸法を変更するより,この規格で既に規定されているものに準拠して,製品規格
に検査プローブを規定するよう推奨する。
− 検査プローブの種類の増加を抑える。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応する程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 61032 : 1997 Protection of persons and equipment by enclosures−Probes for verification (IDT)
1.2
一般的な推奨事項 プローブを選択する場合,IPコードプローブを優先することが望ましい。
IPコードプローブ以外のプローブの使用,特に,この規格に規定しないプローブの使用は,IPコードプ
ローブの使用が,何らかの理由で実用的ではない場合に,限定するべきである。
備考 ある特定の目的に対する検査プローブの選択は,個々の委員会において判断する。
2
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
プローブの適用,試験条件,許容条件及びつじつまが合わない試験結果の処置は,個々の委員会におい
て検討する。
参考 JIS C 0920に適合する検査プローブで検査した証明書は,有効性を保持すべきである。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版,追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最
新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
備考 ISO 04287-1 : 1984, Surface roughness−Terminology−Part 1 : Surface and its parameters, がこの
規格と一致している。
JIS C 0365 感電保護−設備及び機器の共通事項
備考 IEC 61140 : Protection against electric shock−Common aspects for installation and equipmentがこ
の規格と一致している。
JIS C 0920 電気機械器具の防水試験及び固形物の侵入に対する保護等級
備考 IEC 60529 : 1989, Degrees of protection provided by enclosures (IP Code) からの引用事項は,こ
の規格の該当事項と同等である。
IEC 60050(826) : 1982 International Electrotechnical Vocabulary (IEV) −Chapter 826 : Electrical
installations of buildings
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1
外郭 (enclosure) ある種の外部からの影響に対して,内部の機器を保護する部分であり,また,あ
らゆる方向からの直接接触に対して保護するために設けられた部分 (IEV 826-03-12) 。
備考 電気技術用語 [IEV (International Electrotechnical Vocabulary)] の定義は上記のとおりであるが,
この規格では,次の補足説明をする。
a) 外郭は,危険な箇所から人体又は家畜を保護するためのものである。
b) 検査プローブの侵入を阻止又は制限するバリヤ開口部の形状又はその他の手段は,それが外
郭の附属部分であるか,外郭内の機器によって形成されるかにかかわらず,かぎ又は工具を
使用せずに取り外せるものを除き,外郭の一部とみなす(JIS C 0920の附属書3.1参照)。
3.2
危険な箇所 (Hazardous part) 接近又は接触すると危険な部分(JIS C 0920の附属書3.5参照)。
3.2.1
危険な充電部 (Hazardous live part) ある条件下で感電を生じるおそれがある充電部(JIS C 0920
の附属書3.5.1参照)。
3.2.2
危険な機構部分 (Hazardous mechanical part) 接触すると危険な可動部分。ただし,滑らかな回
転軸は,除く(JIS C 0920の附属書3.5.2参照)。
3.2.3
危険な高温又は赤熱する部分 (Hazardous hot or glowing part) 接触すると危険な高温又は赤熱
する部分。
3
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
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3.3
近接プローブ (Access probe) 所定の使用方法での人体の一部,又は人が保持する工具などを模擬
した,危険な箇所からの適正な空間距離を検証するための検査プローブ(JIS C 0920の附属書3.8参照)。
3.4
固形物プローブ (Object probe) 外来の固形物を模擬した,外郭内への固形物の侵入の度合いを検
証するための検査プローブ(JIS C 0920の附属書3.9参照)。
3.5
IPコードプローブ (IP code probe) JIS C 0920に規定している保護等級を検証するための検査プ
ローブ。
3.6
他のプローブ (Other probe) IPコードプローブとは異なる検査プローブ。
3.7
危険な箇所への接近に対する保護のための適正な空間距離 危険な箇所への接触又は接近を避ける
ための検査プローブと危険な箇所との間隔(JIS C 0920の附属書3.7参照)。
備考 適正な空間距離を検証する要求は,JIS C 0920に規定している。
4. 検査プローブの分類 検査プローブは,次のとおり分類する。
a) その名称による分類
− IPコードプローブ
− 他のプローブ
b) 検査対象の保護の種類による分類
− 近接プローブ
− 固形物プローブ
c) 検査対象の特定の危険の種類による分類
− 主として危険な充電部,又は危険な機構部分への接近に対する人体の保護を,検証するために用いる
ことを意図したプローブ。
− 危険な機構部分への接近に対する人体の保護を,検証するために用いることを意図したプローブ。
− 主として内部の高温又は赤熱する部分のような熱的に危険な部分への接近に対する人体の保護を検証
するために用いることを意図したプローブ。
− 固形物の侵入に対する機器の保護を,検証するために用いることを意図したプローブ。
5. 検査プローブの一覧表 検査プローブ及びその適用の比較対照表を,表1に示す。他の製品規格にお
いて検査プローブを規定する場合は,欄3の図1〜17を規定することなく,プローブコード(欄2)及び
概要(欄4)を規定して検査プローブを参照することが望ましい。
4
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
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表1 検査プローブの一覧表
1
2
3
4
5
プローブ及び適用(3)
プローブ
コード(1)
図番号
概要
mm
加える力
N
JIS C 0920(IPコード)の近接
プローブ
危険な充電部又は危険な機構
部分への接近に対する人体の
保護検証用
A
1
− 球:φ50ハンドル付き
50
B
2
− 関節付きテストフィンガ
10
C(2)
3
− ロッド:φ2.5,− 長さ100
3
D(2)
4
− 針金:φ1.0,− 長さ100
1
JIS C 0920(IPコード)の固形
物プローブ
固形物の侵入に対する機器の
保護検証用
1
5
− 球:φ50
50
2
6
− 球:φ12.5
30
他の近接プローブ
危険な充電部又は危険な機構
部分への接近に対する人体の
保護検証用
11
7
− 関節なしテストフィンガ
50
12
8
− 円筒形ピン:φ4,− 長さ50
*
13
9
− 円すい(錐)形ピン:φ3〜4,− 長さ15
*
14
10
− バー:断面3×1
20
15
−
− 削除
−
16
−
− 削除
−
17
11
− 針金:φ0.5
*
18
12
− 小さいテストフィンガプローブ:φ8.6,− 長さ57.9
10
19
13
− 小さいテストフィンガプローブ:φ5.6,− 長さ44
10
他の近接プローブ
危険な機構部分への接近に対
する人体の保護検証用
31
14
− 円すい(錐):φ110/60
50
32
15
− ロッド:φ25
30
33
−
− 削除
−
他の近接プローブ
高温又は赤熱する部分への接
近に対する人体の保護検証用
41
16
− プローブ:φ30
*
42
−
− 削除
−
43
17
− バー:断面50×5
*
表中の“*”の記号は,“検知できるほどの力を加えない”ことを意味する。
注(1) 文字コード及び単一の数字コードは,IPコードに関係している。
二つの数値コードの最初の数は,第1欄に示されているプローブの用途に関係している。
第2の数は,そのグループ内のシリアルナンバーを示す。
(2) 検査プローブC及びDは,それぞれ直径≧2.5mm及び直径≧1mmの固形物の侵入に対する機器の保護検証にも
用いる。
(3) 上の表は,プローブ及びその主な適用だけをリスト化したものである。関連の製品規格によって定義される他の
適用例が考えられる。
参考 表中の“− 削除”は,この規格の対応国際規格であるIEC 61032,第1版の規格で規定していたが,同IEC規
格の第2版では,削除された規定である。
6. 検査プローブ
6.1
IPコードプローブ
6.1.1
IPコードプローブは,次に示す検証を目的としている。
− 危険な箇所への接近に対する人体の保護。
− 外部から侵入する固形物に対する機器の保護。
5
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
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6.1.2
近接プローブ
a)
このプローブは,危険な箇所への接近に対する人体の保護を検証するために用いる。
また,こぶしによる接近に対する保護を検証するために用いる。
図1 検査プローブA
6
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
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b)
材料:金属とする。ただし,規定がある場合は除く。
明示したものを除き,公差は次のとおりとする。
− 角度:010
−分
− 直線寸法:25mm以下の場合:
005
.0
−
mm
:25mmを超える場合:±0.2mm
二つの関節は,同一平面で同一方向に角度
10
0
90+度まで動かすことができる。
このプローブは,危険な箇所への接近に対する基本的な保護を検証するために用いる。また,
指による接近に対する保護を検証するために用いる。
図2 検査プローブB
7
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c)
このロッドは,危険な箇所への接近に対する人体の保護を検証するために用いる。また,工具による接近
に対する保護を検証するために用いる。
図3 検査プローブC
d)
この針金は,危険な箇所への接近に対する人体の保護を検証するために用いる。また,針金による接近に
対する保護を検証するために用いる。
図4 検査プローブD
8
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
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6.1.3
固形物プローブ
a)
この球は,直径が50mm以上の外部から侵入する固形物
に対する外郭の保護等級を検証するために用いる。
図5 検査プローブ1
b)
この球は,直径が12.5mm以上の外部から侵入する固形物
に対する外郭の保護等級を検証するために用いる。
図6 検査プローブ2
6.2
他の近接プローブ
6.2.1
6.2.2及び6.2.3に規定するプローブは,関連の製品規格に規定されている特定の要求を検証するた
めに用いる。
これらのプローブは,IPコードプローブの使用が実際的でない場合にだけ選択することが望ましい。
6.2.2
危険な充電部又は危険な機構部分に対する近接プローブ 危険な充電部又は危険な機構部分への
接近に対する人体の保護を検証するために用いるプローブ。
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a)
指の先端の寸法及び公差は,図2参照。
このプローブは,危険な箇所への接近に対する人体の保護を検証したり,外郭又は
内部バリヤの開口部の機械的強度を検証するために用いてもよい。
図7 検査プローブ11
b)
このピンは,例えば,ねじ回し又は通常使用される同様な先のとがった工具で,
偶然に接触しやすい危険な充電部又は危険な機構部分に接近しないことを検証
するために用いる。
図8 検査プローブ12
10
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
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c)
このピンは,クラス0機器及びクラスII機器(JIS C 0365
参照)の危険な充電部への接近に対する保護を検証するた
めに用いる。
図9 検査プローブ13
d)
このバー(金属棒)は,シャッタ付きコンセントのシャッタを通して危険な充
電部への接近に対する保護を検証するために用いる。
図10 検査プローブ14
11
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e)
この針金は,電気おもちゃの危険な充電部への接近に対する保護を検証するた
めに用いる。
図11 検査プローブ17
f)
− 指:金属材料
− ハンドル:絶縁材料
延長ハンドルは子供の腕を表す。
ハンドルは,延長ハンドル長さ451.6mmをもち,プローブはこの延長ハンドルの有無のいずれか不利な条件にな
るかに従って,延長ハンドルの有無で適用されることが望ましい。
二つの関節は,同一平面上で同一方向に角度90°まで動かなければならない。
このプローブは,36か月を超え,14歳未満の子供が危険な箇所へ接近することを模擬するために用いる。
図12 検査プローブ18(小さいフィンガプローブφ8.6)
12
C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
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g)
− 指:金属材料
− ハンドル:絶縁材料
延長ハンドルは子供の腕を表す。
ハンドルは,延長ハンドル長さ464.3mmをもち,プローブはこの延長ハンドルの有無のいずれか不利な条件にな
るかに従って,延長ハンドルの有無で適用されることが望ましい。
二つの関節は,同一平面上で同一方向に角度90°まで動かなければならない。
このプローブは,36か月以下の子供が危険な箇所へ接近することを模擬するために用いる。
図13 検査プローブ19(小さいフィンガプローブφ5.6)
6.2.3
危険な機構部分に対する近接プローブ 危険な機構部分への接近に対する人体の保護を検証する
ことを,特に意図したプローブ。
13
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a)
このプローブは,残飯処理設備の粉砕装置の危険な箇所への
接近に対する保護を検証するために用いる。
図14 検査プローブ31
b)
このロッドは,危険な機構部分への接近に対するファンガー
ドによる保護を検証するために用いる。
図15 検査プローブ32
6.2.4
危険な高温又は赤熱する部分に対する近接プローブ 危険な高温又は赤熱する部分に対する人体
の保護を検証するために用いるプローブ。
14
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a)
このプローブは,赤熱する加熱要素への接近に対する保護を検証するために用いる。
図16 検査プローブ41
b)
このバー(金属板)は,固定及び可搬式の赤熱する放射ヒ
ータの保護を検証するために用いる。
図17 検査プローブ43
7. 検査プローブの設計上考慮すべき特性
7.1
加えるべき力を測定するために適切な手段(例えば,スプリング)を,規定しなければならない。
7.2
検査プローブの金属部分の表面粗さRaは,JIS B 0601に基づいて測定し,初期状態で1.6μmを超え
てはならない。
試料に接触し得るプローブのすべての部分は,50HCR(ロックウェル硬度,Cスケール)の最小硬度を
もつ。
備考1. 電気的手段によって検査することが必要な場合,特別低電圧に接続するための端子を備える
ことが望ましい。
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C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
製品規格で別に規定がない場合は,指示計回路の電圧は40V以上,50V以下であることを
推奨する。
2. 検査プローブは,腐食対策をするべきである。プローブが腐食しやすい材料で作られている
場合は,特に,使用していないときに何らかの保護をすることが望ましい。油又は同様の保
護の採用を推奨する。
3. ハンドルは,手で安全に持つことができるように,設計することが望ましい。
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附属書A(参考) 機器及び試験結果に対する検査プローブの公差の影響
A.1 一般 検査プローブは,危険な箇所への接近に対する電気機器の保護を検証するため,従来から使用
され,かつ,規定されてきた手段である。
試験結果の整合性及び再現性を確実にするために,小さい公差が望まれる。しかし,プローブの経済的
な製造又は頻繁な使用による摩耗を考慮して,大きな公差が要求される。
危険な箇所をもつ電気機器の設計者及び検査プローブの使用者は,検査プローブの適用の際,これらの
事実及び制約を知っていることが重要である。
通常,電気機器の関連寸法(例えば,開口又は空間距離)は,プローブに適用できる最大の公差を考慮
して,危険な箇所と検査プローブとの間に,大きな安全率が得られるように設計することが望ましい。
このことをより詳しく説明するために,次に例を示す。
A.2 長さの規定がない検査プローブ
例 プローブコード17,32,43
この試験の目的は,外郭内の危険な箇所への接近に対する人体の保護を,関連の製品規格に規
定する試験条件に従って,検証することである。
これらのプローブは,外郭内への接近が不可能であることを示すように設計する(図A.1参照)。
A:試験中の外郭の最大の開口
B:プローブの最大径
C:プローブの最小径
B−C:プローブの公差範囲
機器の設計への指示:A<C
検査プローブの使用者への指示:
A>B:試験不合格
A<C:試験合格
C<A<B:A<Cと規定することによって,この範囲の不確かさは避けられる。
図A.1 円筒形検査プローブの直径に関する公差範囲
A.3 長さの規定がある検査プローブ
例 プローブコードC,D,14及びプローブコードB,11,31,41の円筒形部分。
これらのプローブは,人体の部分又は人が手に持つ工具を模擬する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
この試験の目的は,外郭内の危険な箇所への接近に対する人体の保護を,関連の製品規格に規定する試
験条件に従って,検証することである。
プローブは開口部を通って停止面まで侵入することができるが,プローブと危険な箇所との間に適正な
空間距離を確保する(図A.2参照)。
A:試験中の危険な箇所の最短距離
B:プローブの最大長さ
C:プローブの最小長さ
B−C:プローブの公差範囲
設計者に対する指示:
A>B(Bは,高電圧機器の場合,規定空間距離を含む。)
検査プローブの使用者に対する指示:
A≦C:試験不合格
A>B:試験合格
C<A≦B:A>Bと規定することによって,この範囲の不確かさは避けられる。
図A.2 検査プローブの長さに関する公差範囲
A.4 テーパ付き断面をもつ検査プローブ
例 プローブコードB,11,13,31,41
基本的にA.3に示すルールが当てはまる。
テーパ付き断面の侵入深さは,プローブの直径によって制限される。ただし,特にテーパ角が小さい場
合には,図A.3に示すように不確かさの広い範囲がある。
テーパ付き断面をもつ検査プローブを適用する必要がある場合,規格作成者は,この附属書の冒頭の一
般的な記述について注意深く留意することが望ましい。
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図A.3 テーパ付き検査プローブの侵入深さbの変化
次のグラフは,この規格のテーパ付き断面をもつ検査プローブにおいて,開口幅aに対してプローブ幅
の公差によって,侵入深さbがどのような公差範囲となるかを示している。
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図A.4 検査プローブB(関節付きテストフィンガ)及び検査プローブ11(関節なしテストフィンガ)
に対して,開口幅aを通る,侵入深さbの公差範囲
図A.5 検査プローブ13:円すい(錐)ピンφ3〜4,長さ15に対して,
開口幅aを通る侵入深さbの公差範囲
20
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図A.6 検査プローブ31:円すい(錐)φ110/60に対して,
開口幅aを通る侵入深さbの公差範囲
図A.7 検査プローブ41:プローブφ30に対して,
開口幅aを通る侵入深さbの公差範囲
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C 0922 : 2002 (IEC 61032 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B(参考) 将来のプローブの公差に対する基準
B.1 寸法
B.1.1 プローブの検証部分 (active parts) の寸法は,次に示すようにISO 2768-1*の表1〜3に従って公差を
指定することが望ましい。
− 直線寸法は,ISO 2768-1の表1に従って次の公差を指定する。
・金属部分に対しては,公差クラス精密
・絶縁材料又は材料未指定部分に対しては,公差クラス中程度
− 外半径又は面取りのあるエッジは,ISO 2768-1の表2に規定する公差クラス精密/中程度とする。
− 角度公差は,ISO 2768-1の表3に規定する公差クラス精密/中程度とする。
B.1.2 プローブの検証部分以外,例えば,ハンドル,ガードなどの寸法は,公差なしで指定する。
B.2 力 プローブに加えられる力は,±10%の公差をもつことが望ましい。
日本工業標準調査会標準部会 電気技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
小 田 哲 治
東京大学大学院
(委員)
池 田 久 利
IEC/SB1委員
(株式会社東芝電力システム社電力,産業システム技術開発センター)
香 川 利 春
東京工業大学精密工学研究所
片 岡 正 夫
社団法人日本電機工業会(株式会社東芝家電機器社経営管理センター)
川 越 康 宣
電気事業連合会
坂 下 栄 二
IEC/ACOS委員
佐 藤 政 博
財団法人電気安全環境研究所
佐 野 真理子
主婦連合会
高 橋 健 彦
関東学院大学
髙 久 清
独立行政法人産業技術総合研究所
髙 山 芳 郎
社団法人日本電線工業会
千 葉 信 昭
社団法人電池工業会(株式会社東芝ディスプレイ・部品材料社バッテリーエナ
ジー事業部)
徳 田 正 満
武蔵工業大学
菱 木 純 子
全国地域婦人団体連絡協議会
福 田 和 典
社団法人日本配線器具工業会(東芝ライテック株式会社住宅機器事業部)
村 上 陽 一
社団法人日本電機工業会
石 塚 昶 雄
社団法人日本原子力産業会議
弓 削 洋 二
社団法人日本電球工業会(ハリソン東芝ライティング株式会社)
横 田 倫 子
消費科学連合会
注*
ISO 2768-1 : 1989, General tolerances−Part 1 : Tolerance for linear and angular dimensions without
individual tolerance indications