C 0450:2004 (IEC 61175:1993)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標
準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61175 : 1993,Designations for signals
and connectionsを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 0450には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 信号名に使用する文字記号及びニモニック
附属書1(参考) 用語索引
C 0450:2004 (IEC 61175:1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 2
3.1 信号指定の構造 ············································································································· 2
3.2 推奨文字 ······················································································································ 2
3.3 長さ ···························································································································· 3
4. 品目指定の適用 ··············································································································· 3
5. 信号名 ··························································································································· 6
5.1 一般事項 ······················································································································ 6
5.2 基本信号名 ··················································································································· 6
5.3 信号バージョン識別子 ··································································································· 13
5.4 信号レベル表示 ············································································································ 13
附属書A(参考)信号名に使用する文字記号及びニモニック ························································ 16
附属書1(参考)用語索引 ····································································································· 23
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
C 0450:2004
(IEC 61175:1993)
電気及び関連分野−信号指定及び接続指定
Designations for signals and connections
序文 この規格は,1993年に第1版として発行されたIEC 61175,Designations for signals and connections
を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,電気及びその関連分野の信号及び接続を識別する指定並びに名称の組合せに
関する規則について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 61175 : 1993,Designations for signals and connections (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0445 文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
備考 IEC 60445 : 1988, Identification of equipment terminals and of terminations of certain designated
conductors, including general rules for an alphanumeric systemが,この規格と一致している。
JIS C 0452-1 電気及び関連分野−工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品−構造化原理及び
参照指定−第1部:基本原則
備考 IEC 61346-1 : 1996, Industrial systems, installations and equipment and industrial products−
Structuring principles and reference designations−Part 1 : Basic rulesが,この規格と一致している。
JIS C 0617-12 電気用図記号 第12部:2値論理素子
備考 IEC 60617-12 : 1997, Graphical symbols for diagrams−Part 12 : Binary logic elementsが,この規
格と一致している。
JIS C 1082 (全ての部)電気技術文書
備考 IEC 61082 (all parts), Preparation of documents used in electrotechnologyからの引用事項は,こ
の規格の該当事項と同等である。
JIS Z 8202-5 量及び単位−第5部:電気及び磁気
備考 ISO 31-5 : 1992,Quantities and units−Part 5 : Electricity and magnetismが,この規格と一致し
ている。
2
C 0450:2004 (IEC 61175:1993)
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JIS Z 8204 計装用記号
備考 ISO 3511-1 : 1977, Process measurement control functions and instrumentation−Symbolic
representation−Part 1 : Basic requirementsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
IEC 60027 Letter symbols to be used in electrical technology
IEC 60747 Semiconductor devices−Discrete devices and integrated circuits
ISO/IEC 646 : 1991, Information technology−ISO 7-bit coded character set for information interchange
ISO 8859-1 : 1987, Information technology−8-bit single-byte coded graphic character sets−Part 1 : Latin
alphabet No.1
3. 一般事項 信号指定は,文書化する品目,組立品,装置,プラント,設備,その他システムの集合内
のポイント(例えば,端子,接続部など)間の,簡単な機能的又は電気的接続を一意に識別しなければな
らない。
この規格では,用語“信号指定”は電力及び他の定レベル信号の接続の指定も含む。
参考 参定レベル信号の接続については,5.2.1を参照。
3.1
信号指定の構造 信号指定は,信号名を含むものであり,必要に応じてその先頭に品目指定を入れ
る構造とする。信号名は,基本信号名をつけ,必要に応じてその後に信号バージョン識別子をつける。直
接論理極性表示を使用する回路図で2値論理信号を用いる場合は,信号名の残りの部分に信号レベル表示
をつける。
“信号指定”の各部は,次のように表す。
i ; b : v ( l )
ここに, i は,品目指定(4.参照)
; は,品目指定分離記号
b は,基本信号名(5.2参照)
: は,信号バージョン分離記号
v は,信号バージョン識別子(5.3参照)
( ) は,信号レベル分離記号(一方式だけを示す。5.4参照)
l は,信号レベル表示(5.4参照)
b部からl部までは,信号名を形成する。
信号指定の例:
=A1A2 ; CNTEN1 : A(H)
START(H)
ON
=T1 ; 230V̲L1
3.2
推奨文字 信号指定は,小文字を除く標準文字セットによって構成しなければならない。信号名内
の種々のニモニック (mnemonic),略称,識別子,接尾辞などは,読みやすくするために,1文字分のスペ
ース又はアンダーバー(̲)によって分離してもよい。コンピュータ処理の互換性を維持するために,文字
セットは,制御文字及び各国置換文字(1)以外のISO/IEC 646に規定する7ビット文字セットの基本記号表
の文字に限定しなければならない。使用するコンピュータ及び通信システムが8ビット文字セットを処理
できるものに限定されている場合には,ISO 8859-1を補足文字として推奨する。
注(1) 各国置換文字は,各々の国内委員会がISO/IEC 646において試験的に割り当てられたもの以外
3
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に図形文字を割り当てることができる文字記号である。
参考 関連規格としてISO/IEC 646を基礎としたJIS X 0201があるが,いわゆる1バイト片仮名(半
角文字符号)への対応は困難(文字化けの発生の可能性)であり,これらの文字符号の使用は
必ずしも適切でない場合がありISO/IEC 646と同じ範囲を使用するのがよい。また,ISO 8859-1
の8ビット記号は,欧州標準文字を含んでおり,通常7ビット処理である日本の計算機システ
ムでは対応が困難であるため,使用に適しない。
推奨文字を,次に示す。
− 大文字A〜Z
− 数字0〜9
− 否定文字:長音符(̅)(2)(3)又は論理否定(¬)(2)(3)。7ビット文字の場合はティルデ(~)(4)を用いなければ
ならない(否定方式は,5.2.3.1を参照。)。
− スペース文字:アンダーバー(̲)又はスペース
− 品目指定分離記号:セミコロン ( ; )
− 信号バージョン分離記号:コロン ( : )
− 代数演算子:マイナス(‒),プラス (+)
− 論理演算子:上付きドット(・)(2)
− 特殊文字: ! “ % & ʻ ( ) * , . / < = > ?
注(2) ISO 8859-1に含まれる。ISO/IEC 646にはない。
(3) 当該文字セットのところにティルデ(~)を使用してもよい。
(4) ISO/IEC 646の各国置換文字である。
3.3
長さ コンピュータ処理及び文書のスペース制限によって,信号指定の長さには,実用上の限界が
ある。これらの指定を構成するときには,このことを考慮しなければならない。
信号指定の信号名部(5.参照)は,24文字以下に制限しなければならない。
4. 品目指定の適用 信号指定は,品目指定から始めてもよい。この品目指定は,信号指定の残り,すな
わち,信号名とはセミコロン ( ; ) で分離しなければならない。
信号指定の品目指定部は,信号指定の信号名部が一意になる範囲で,特定の品目,品目の集合である組
立品,装置,プラント,設備などを識別するために用いる。この階層内の信号指定の例を,図1に示す。
品目指定は,JIS C 0452-1の原則に従って構成しなければならない。
備考 一つの信号指定を一つの文書上に示す場合,混乱が生じないときには,文書全体又は文書ペー
ジ(例えば,表題欄で示される共通部)に当てはまる品目指定の部分を省略してもよい(5)。
同様に,信号指定の品目指定部は,図表の境界枠内,又は信号リストのセクション内で示す
全品目に共通する部分を省略してもよい(図1参照)。
注(5) これに関する詳細なガイダンスは,JIS C 1082(全ての部)及びJIS C 0452-1を参照。
4
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図1a
図1b
図1c
参考 図表中の英数記号は,信号指定の記載例である。
図 1 階層内の信号指定
図1aは,二つの事前に設計された回路(F123及びF456)を使う二つの例を図示したものである。図1b
は,F123及びF456の内部を示す図である。図1cは,図1a を更に詳細化した(展開した)形式を示す。
いずれの信号指定の場合でも,それぞれの信号は一意に識別できる。
信号指定の信号名部を定義する中で,品目を示す品目指定を含んでいる信号指定(例えば,=P1 ; FAULT)
と,発信源の品目指定,行き先又は信号の目標となる品目指定を信号名部に含む信号指定(例えば,
RUN-M1)との間の相違を図2に示す。
5
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図 2 発信源,行き先,又は信号の目標品目を示す品目指定及び信号名自体を定義する品目を示す品目指定
5
C
0
4
5
0
:
2
0
0
4
(I
E
C
6
11
7
5
:
1
9
9
3
)
5
C
0
4
5
0
:
2
0
0
4
(I
E
C
6
11
7
5
:
1
9
9
3
)
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5. 信号名
5.1
一般事項 信号名は,文書化する品目,組立品,装置,プラント,設備,その他のシステムの境界
内のポイント(例えば,端子,接続部など)間の,簡単な機能的又は電気的接続を一意に識別しなければ
ならない。
信号名は,基本信号名(5.2参照)を含み,更に信号バージョン識別子(5.3参照)及び/又は信号レベ
ル表示(5.4参照)を含んでもよい。
機能が類似していても,同一の信号名を異なる信号に適用してはならない。次の規則を適用する。
a) 類似回路の類似信号は,異なる信号名をもたなければならない。異なる回路を区別するために基本信
号名(5.2参照)に適切な接尾辞を加えてもよい。例えば,図3では,二つの電動機制御回路はそれぞ
れ,各々の電動機を止める信号をもつ。これらの異なる信号は,STOP1及びSTOP2と命名する。
図 3 類似の信号(STOP1及びSTOP2)及び信号バージョン
b) 信号名は,信号が増幅,反転,別の信号とのゲート,遅延,チョップ,蓄積又は何らかの方法で変わ
るときは必ず,変更しなければならない。この変更は,基本信号名の変更(5.2参照)又は基本信号名
への信号バージョン識別子の追加(5.3参照)の形態をとってもよい。
c) 同一信号が複数回発信され,増幅,レベルシフトされ,又は導電性素子を通過する場合,基本信号の
それぞれの発生に対して異なる信号バージョン識別子(5.3参照)を付加し,基本信号名を同一にする
ことが望ましい。例えば,図3で,信号STOP1は,二つの増幅器を駆動する。それらの増幅器の出力
は,STOP1 : 1及びSTOP1 : 2と命名する。
d) 2値論理信号(5.2.3参照)が単に否定又は反転されるなら,基本信号名は,否定表示の追加(又は削
除)を除いては,変更せずに残さなければならない。直接論理極性表示を使用する場合は,信号レベ
ル表示(5.4参照)を変更してもよい。信号が複数回反転される場合,異なるバージョン識別子(5.3
参照)を,信号の反転又は非反転の違いを区別するために使用しなければならない。例として,図3
の信号STOP2 : 1,
1:2
STOP
及びSTOP2 : 2を参照。
5.2
基本信号名 信号指定における基本信号名は,回路中の信号によって伝達する一つの情報を表す。
そのような回路信号の固有名称は,共通情報を示す同じ基本信号名を使って構成することが望ましい。
基本信号名は,信号によって伝える情報又は果たす機能を示さなければならない。
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状態信号の場合は,その信号が伝える情報に基づいて命名してもよい。例えば,電動機M2が稼働して
いるかどうかを表す信号は,M2̲RUNNINGと命名してもよい。
操作又は制御する信号は,それらを発信した信号又は機能によるものではなく,それらが果たす機能に
基づいて命名することが望ましい。図4に示すように,例えば,信号RUN̲ENが別の信号CLK6と&ゲー
トし,RUNという名称の双安定な素子への設定信号を出力するとき,その出力信号がSET̲RUNと命名し
ていれば,その機能は明白である。しかし,出力信号をRUN̲EN̲CLK6という名称にすると,その機能に
はあいまいさが残る。
図 4 制御信号の名称の例
可能な限り,ニモニック,標準的な略称及び標準的な文字記号を使うのが望ましい。ニモニック,略称
及び文字記号は信号名が現れる文書又は作成要領中で説明しておくか,又はそれらを説明した規格を引用
しておかなければならない。
スペースの余地があるなら,短すぎる略称よりも理解容易なニモニックを使うべきである。例えば,“装
置1を選択する”という意味を伝えるには,SD1よりもSELDEV1の方がよい。
備考 国際規格となったニモニック,略称及び文字記号は,言語に依存せず,どんな言語の使用にも
適しているとみなされる。他のニモニック及び略称は,言語に依存する。原語以外の言語を使
う場合,ニモニック又は略称の覚えやすいという特性は失われる。
5.2.1
電力及び他の定レベルの接続 電力及び他の定レベルの接続における命名原則は,アナログ信号や
2値論理信号の場合と同じである。
それぞれの指定は,設備又は装置で一意となるようにしなくてはならない。
定レベルの接続は,そこに流れている定レベルの物理量の特徴に応じて命名するのが望ましい。これは,
単位記号付きの数値か,定格値のような一般的に理解される略称でもよい。許容誤差又は他の追加特性を
含んでもよい。例えば,接地接続は,0V又はGNDと命名してもよい。TTL供給電圧接続は,+5V又は
VCCと命名してもよい。電力主回路接続は,50HZ 230V L1と命名してもよい。
ニモニック及び略称は,IEC 60747又はJIS C 0445で規定する文字記号を応用することが望ましい。便
宜のため,JIS C 0445の導体表示を,附属書Aの表A.4に示す。
図5は,交流電力供給システムにおける信号指定の例である。
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図 5 交流電力供給システムにおける信号指定の例
5.2.2
アナログ信号 アナログ信号は,取り得る物理量の連続的な範囲をもつ。アナログ信号の名称は,
その信号によって表す変数又は機能を示すことが望ましい。
アナログ信号の名称は,平易な言語に基づくか,又は記号化するならば,この規格の2.で規定したよう
に,適用可能な国際規格に従って構成することが望ましい。フィードバック制御回路における信号名の例
を図6に示す。
図 6 フィードバック制御回路における信号名の例
(プロセス制御装置又は適用可能ならその他の)計測変換器の出力信号の名称を記号化するときには,
名称のために次の規格を適用する。
− 非電気的な量:JIS Z 8204(附属書Aの表A.1参照)
− 電気的な量:IEC 60027及びJIS Z 8202-5中の量及び単位の文字記号(附属書Aの表A.2参照)
− 修飾子:JIS Z 8204(附属書Aの表A.3参照)
例を,図7及び図8に示す。
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図 7 アナログ信号を記号化した信号名の例−非電気的な量の測定回路
図 8 アナログ信号を記号化した信号名の例−電気的な量の測定回路
5.2.3
2値論理信号 二つの状態だけをもつ信号で,その信号に対する二つの重ならない範囲の物理量で
表す。これらの二つの範囲は,レベルと呼ぶ。
2値論理信号に対する基本信号名は,ステートメントの略称又は真若しくは偽(又は,1若しくは0)を
評価できる表現とすることが望ましい。例えば,名称ALARMは“ALARMがアクティブである”という
ステートメントの略称である。
ステートメント又は基本信号名で表す表現を評価して得られる真の値は,“信号状態”(信号の論理状
態)と呼ぶ。
備考 JIS C 0617-12で用いる用語“外部論理状態”は“信号状態”とは同一でないが類似している。
直接論理極性表示を用いた回路図上の2値論理信号は“外部論理状態”の表現ではないが,名
前をもったすべて2値論理信号は,“信号状態”で表す。
基本信号名によって表現するステートメントの真の値は,信号1−状態に対応する。基本信号によって
表されるステートメントの偽の値は,信号0−状態に対応する。例えば,信号名ALARMは,1−状態が
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“ALARMがアクティブ”が真であることを意味し,信号が0−状態であれば偽であることを意味する。
表1のNo.1及びNo.2を参照。
5.2.3.1
否定信号 NORUN(非運転)のような,本来的な否定を具体的に表す否定信号の名前は理解し
にくい。対応するステートメントの“no runがアクティブ”が真又は偽かどうかを決めるためには,ある
種の考え方を切り換える必要がある。可能ならば,このような名称は本来,真にする方がよい。例えば,
STOP又はIDLEをNORUNの代わりに用いることができる。
しかし,場合によっては,ある条件が真でないときも,その動作が行われることがあるため,否定を表
現する望ましい方法は次による。
− 否定を表現している名称の上部に否定バーを置く。例えば,RUNの場合はこの方法が好ましい。しか
し,信号名をコンピュータ処理するときは実用的でないことが多い。このような応用の一つとして次
のような文章の表記を推奨する。
− 論理否定の数学的な表記をその名称の適当な部分の前に置いてもよい。例えば,RUNと表現する。テ
ィルデ(~)は,論理否定記号をもたないコンピュータシステムの文字セットの一部として置き換えても
よい。
− 名称の適切な部分に“-N”を続ける。例えば,RUN-N
− 文書中又は作成要領で説明した別の表記を使用する。
RUNは“runがアクティブでない”に対応している。基本信号名が否定の表示を含んでいることに注目
する。RUNは,信号状態が1−状態では“runがアクティブでない”が真であり,信号状態が0−状態では
偽であることを意味する。さらに,これは,“runがアクティブである”は信号RUNが0−状態にあるとき
真であり,RUNが1−状態にあるとき偽であることを示している。表1のNo.3及びNo.4を参照。
表 1 状態及び信号名(簡単な論理規約)
No.
入力(又は出力)
システム状態
信号状態
(真の値)
否定シンボルの有無によって
定義した関係
外部論理状態
内部論理状態
1
ALARM
alarm
no alarm
真(true)=1
偽(false)=0
1
0
1
0
2
ALARM
alarm
no alarm
真(true)=1
偽(false)=0
1
0
0
1
3
ALARM
alarm
no alarm
偽(false)=0
真(true)=1
0
1
0
1
4
ALARM
alarm
no alarm
偽(false)=0
真(true)=1
0
1
1
0
備考1. 真の信号状態は,常に外部論理状態の1に対応する。
2. 偽の信号状態は,常に外部論理状態の0に対応する。
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一連の表記法で,信号名のどの部分を否定しているか混乱するおそれがあれば,否定表示とその名称の
部分とを括弧でくくってもよい。否定の範囲は次のとおりである。
a) 接頭辞の否定表示では,次のいずれかが最初に現れるまで,否定はその表記の右側文字列に適用する。
1) 右片括弧
2) 1対の括弧の中で囲まれていないスラッシュ
3) 文字列の終わり
例
¬XYはXYと等価である。
(¬X)YはY
Xと等価である。
(¬X)¬YはXYと等価である。
¬(¬X)YはY
Xと等価である。
¬X/Yは/Y
X
と等価である。
¬(X/Y)はX/Yと等価である。
¬(¬(X/Y)/Z)は
/Z
X/Yと等価である。
b) 添字による否定は,否定は次に掲げる項目の中で,最も近い手前の文字にさかのぼって表示する左側
の文字列に適用する。
1) 左片括弧
2) 1対の括弧で囲まれていないスラッシュ
3) 文字列の始まり
例
XY-NはXYと等価である。
X(Y-N)は
Y
Xと等価である。
X-N(Y-N)はXYと等価である。
X(Y-N)-Nは
Y
Xと等価である。
X/Y-Nは
Y
X/と等価である。
(X/Y)-NはX/Yと等価である。
(X/(Y/Z)-N)-Nは
Y/Z
X/
と等価である。
5.2.3.2
複数機能の信号 ある信号は複数の機能をもち,各々の機能を分離した名称で最適に記述する。
代替の名称又は表現は,基本信号名内に含むことができ,また,内容によって分離することもできる。例
えば,信号の1−状態がカウント,シフト,及びカウントとシフトとの両方を可能にする場合,信号は
CNTEN/SFTENと命名する(図9参照)。
図 9 複数機能信号の信号名の事例
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すべての代替名称が同時に適用されるとは限らない(図10参照)。
図 10 異なったモードに適用した信号名の一部
カウンタが “up” モード(これは,M1が1−状態を立てることを意味する。)であるとき,CT=15に対
応するMAXを適用する。カウンタが “down” モード(これは,M2が1−状態を立てることを意味する。),
であるとき,CT=0に対応するMINを適用する。
信号名は,本来矛盾を含んではならない。信号ON及びOFFが補完的な場合,すなわち,OFFが偽であ
ればONは常に真で,ONが偽であればOFFは常に真である場合は,名称ON/OFFは常に真であることを
包含しているため,意味がなくなる。
すべての部分の信号状態を一貫させたものにするために,否定表示を使用する場合がある。例えば,ON/
OFFがともに真である(又は偽である)場合がある。すなわち,“ONがアクティブである”が真である場
合,“OFFはアクティブでない”もまた真であり,“OFFがアクティブである”が偽という意味である。
スラッシュの使い方の一つは,本来,反対の状態でない代替の結果を分離することである。例えば,1
−状態の信号が回路のカウントを可能にし,0−状態はカウンタをシフトする場合は,CNTEN/SFTENが正
しい名称である。
5.2.3.3
バス信号及び他のグループ化信号 バス又は他のグループ化信号内のビット及びバイトのラベ
ル付けには,バス又はグループ名に数を表す接尾辞を付ける必要がある。内部に固有の重み付けをした信
号を含むバス又はグループでは,数値の接尾辞は信号の実際の重みを表す必要があり,そのすべては10
進数又は2のべき乗の指数として一貫して表現する。
数値の接尾辞は<>括弧(6)でくくって表される。例えば,中間レジスタの32本の線はIRBUS<1>から
IRBUS<2147483648>,又はIRBUS<00>からIRBUS<31>と命名することができる。BCD中間レジスタの7
本の線は,IRBUS<1>,IRBUS<2>,IRBUS<4>,IRBUS<8>,IRBUS<10>,IRBUS<20>,IRBUS<40>と命
名しなければならない。
注(6) より少ない(<)及びより大きい(>)という記号で構成する。
バス内の個別の信号でなく,バス全体の接続を表している場合は次のように命名することができる。
IRBUS<0 : 31>又はIRBUS<0...31>は,IRBUS<0>,IRBUS<1>,...,IRBUS<31>と等価である。
IRBUS<1,2,4,8,10,20,40>は,IRBUS<1>,IRBUS<2>,...,IRBUS<40>と等価である。
他のいかなる取決めを使っても意味が明白にならない場合は,図表の上又は補助の文書で説明しなけれ
ばならない。関連した文書セット全体では同じ取決めを使わなければならない。
図表上の幾つかの個別の連結を一つの線で示す際に,個別の信号を指定する場合は,例えば,ON,OFF
のように指定はカンマで区切る必要がある。
同じ品目指定がリスト内の連続した信号の指定に使用される場合,同じ品目指定が適用される信号の名
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
称を括弧でくくりグループ化することができる。
例 =A1 ; (ABC,ABD,ABE)は=A1 ; ABC,=A1 ; ABD,=A1 ; ABEと等価である。
5.2.3.4
演算及び論理表現 プラス記号(+)は代数的な足し算 (plus) を意味し,マイナス記号(−)は
代数的な引き算 (minus) を意味する。例えば,AR+1は “address register plus 1” のニモニックである。
信号名に論理的な表現を使用する場合は,次の規則による。
代数的な足し算との混乱が生じない場合に限り,プラス記号(+)がOR機能を意味するように使っても
よい。文脈から明確に区別できない場合には,用語OR,PLUSの一つ又は両方を適宜代替使用することが
できる。
論理的AND機能は中点(・),アステリスク(*),又は,混乱しない場合は,並置によって表される。
例えば,ENABLEは “ENABLE A ANDed with BLOCK E” のニモニックであり,PQは “P ANDed with Q” を
意味する場合がある(5.2参照)。
表現を明確にするために括弧を使用することができる。例えば,(ENA) BLEは “ENABLE A ANDed with
BLOCK E” のニモニックを示すもう一つの方法である。
5.2.3.5
クロック信号 クロック信号名では,周期(又は周波数)若しくは位相といった重要な特性を含
めることがしばしば有用となる。例えば,基本的なクロック周期が25nsである場合,ニモニックはCLK̲25N
である。この基本的なクロックから得られるものは,CLK̲50N,CLK̲100Nなどと表現することが望まし
い。
5.3
信号バージョン識別子 一つの基本信号は,増幅,レベルシフト又は導電性素子を通過することに
よって,システムの中で複数回現れる場合がある。このような場合,基本信号は基本信号名によって識別
され,派生信号は,バージョン識別子によって識別される。
識別子は,コロン ( : ) 及び適切なアルファベット又は数字を組み合わせたものにしてよい。例えば,図
3で信号STOP1は2個の増幅器を駆動する。この増幅器の出力は,STOP1 : 1及びSTOP1 : 2と命名されて
いる。
2値論理信号(5.2.3参照)が複数回反転する場合は,反転又は非反転バージョンを区別するバージョン
識別子を使用することが望ましい(例として,図3参照)。
5.4
信号レベル表示 信号レベル表示は,直接論理極性表示システムだけで使用する。
単一の論理極性(正論理又は負論理)を使用している回路図では,信号の外部論理状態とこれに対応す
る内部論理レベルとの関係は固定化される。例えば,正論理極性を有効とするときは,1−状態にある信号
(信号名の真の状態)は常にH−レベルと一致する。負論理極性を有効とするときは,1−状態にある信号
は常にL−レベルと一致する。
信号レベル表示として他の方式を使用し意味が明りょう(瞭)でない場合は,図表又は文書で説明しな
ければならない。同じ方式は,関連する文書全体で統一しなければならない。
直接論理極性表示の回路図においては,論理記号は外部論理状態でなく,ただ論理レベルだけを意味し
ている。したがって,各論理信号名に,どちらの論理レベルが1−状態(真の状態)であるかを含むこと
が望ましい。このためには,信号名の後に論理レベルの表示(例えば,H又はL)を付加するのがよい。
この論理レベル表示は,括弧でくくるか,又は1文字分のアンダバー若しくはスペースを前に置く。
例 ALARM (H) は,信号の論理レベルがhighのときに“ALARMがアクティブである”は真で,論
理レベルがlowのときは,偽であることを意味する。
ALARM (H) は,信号の論理レベルがhighのときに“ALARMがアクティブではない”は真で,
論理レベルがlowのときは,偽であることを意味する。これはさらに,信号の論理レベルがlow
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
のときに“ALARMがアクティブである”は真で,論理レベルがhighのときは,偽であることを
意味する。すべての組合せについては,表2を参照。
STOP (L) は,信号の論理レベルがlowのときに“STOPがアクティブである”は真で,論理レ
ベルがhighのときは,偽であることを意味する。
真の状態がhighの論理レベルと一致する信号は,true-when-high信号と呼んでもよい。
真の状態がlowの論理レベルと一致する信号は,true-when-low信号と呼んでもよい。
図表上のすべての信号名がtrue-when-highの場合は,論理レベル表示は信号名から省略してもよい。
論理否定とレベル反転とをともに適用して得られる信号指定は,元の信号指定と等価である。このため,
異なる信号を識別するために使用してはならない。
例 STOP (L) は
(H)
STOP
と等価である。
ALARM (H) は
(L)
ALARM
と等価である。
RD/
(H)
WR
はRD/WR (L) と等価である。
論理回路図の解釈を容易にするため,通常,信号名は,そのレベル表示と接続先のシンボル極性表示と
が一致するように構成する(図11参照)。
図 11 極性表示と信号レベル
不一致な論理極性表示をもつ接続線上の信号名は,信号名が付いている部分の接続線が表しているもの
と同じ論理極性表示であることが望ましい(図12参照)。
図 12 不一致な極性表示
備考 接続線と交差している垂直線は,ここでは接続線を二分割するために使っており,その二つの
部分は,各々極性表示上の意味をもっている。この図記号は,JIS C 0617-12で規定されている。
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表 2 状態,レベル及び信号名(直接論理極性表示)
No.
入力(又は出力)
システム状態
信号状態
(真の値)
否定シンボルの有無によって
定義した関係
外部論理状態
内部論理状態
1
ALARM(H)
alarm
no alarm
真=1
偽=0
H
L
1
0
2
ALARM(L)
alarm
no alarm
真=1
偽=0
L
H
1
0
3
ALARM(L)
alarm
no alarm
真=1
偽=0
L
H
0
1
4
ALARM(H)
alarm
no alarm
真=1
偽=0
H
L
0
1
5
ALARM(H)
alarm
no alarm
偽=0
真=1
L
H
0
1
6
ALARM(L)
alarm
no alarm
偽=0
真=1
H
L
0
1
7
ALARM(L)
alarm
no alarm
偽=0
真=1
H
L
1
0
8
ALARM(H)
alarm
no alarm
偽=0
真=1
L
H
1
0
備考1. 真の信号状態は,信号名で指定した外部論理レベルと対応する。
2. 偽の信号状態は,信号名で指定したものと反対の外部論理レベルと対応する。
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附属書A(参考)信号名に使用する文字記号及びニモニック
A.1 変数用の文字記号 次の文字記号は,計測器の図記号に使用するものとしてJIS Z 8204に規定して
いる。これらは,計測器で測定する変数を識別する。これらの文字記号は,測定変換出力信号用の記号名
の第1文字としても使用してよい。この場合,これらは,信号で表現する変数を示す。
表A.1 変数用の文字記号
第1文字
Variable
変数
D
Density
密度
E (1)
All electrical variables
全電気変数
F
Flow rate
流量
G
Gauging, position or length
厚さ,位置又は長さ
K
Time or time programme
時間又は時間設定
L
Level
レベル
M
Moisture or humidity
吸水率又は湿度
N (2)
Usersʼ choice
任意選択
O (2)
Usersʼ choice
任意選択
P
Pressure or vacuum
圧力又は真空度
Q (2)
Quality,for example analysis,concentration,conductivity 品質。例えば,解析,濃度,導
電率
R
Nuclear radiation
放射線
S
Speed or frequency
速度又は周波数
T
Temperature
温度
V
Viscosity
粘度
W
Weight or force
重量又は力
X (2)
Unclassified variable
不特定の変数
Y (2)
Usersʼ choice
任意選択
注(1) 信号名では,表A.2の文字を代用しなければならない。
(2) 補足注記が必要。
A.2 電気変数用の特殊文字記号 次の文字記号は,JIS Z 8202-5及びIEC 60027からのものである。これ
らは,JIS Z 8204の変数用の文字記号と同様に,測定変換出力信号用の記号名の第1文字として使用して
よい。これらの記号は,信号で表現する電気変数を示す。
表A.2 電気変数用の特殊文字記号
第1文字
Variable
変数
F
Frequency
周波数
I
Current
電流
P
Power
電力
Q
Reactive power
皮相電力
R
Resistance
抵抗
U [or V]
Voltage
電圧
Z
Impedance
インピーダンス
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A.3 修飾子として使用する文字記号 次の文字記号は,計測器の図記号に使用するものとしてJIS Z 8204
に規定している。これらは,計測器が識別する変数の絶対レベルではない量を測定することを示す。これ
らは,測定変換出力信号用の記号名の第2文字としても使用してよい。この場合,これらは,信号が記号
名の第1文字によって示す変数の絶対レベルでない量を表していることを示す。
表A.3 修飾子として使用する文字記号
第2文字
Modifier
修飾子
D
Difference
差
F
Ratio
比
Q
Integrate or totalize
積分又は合計
R
Residual (Not in ISO 3511-1)
残差(JIS Z 8204にはない。)
A.4 指定導体の端末の識別 次の文字記号は,指定導体 (designated conductor) の端末を識別するものと
してJIS C 0445に規定している。これらは,その導体に応じた信号用の信号指定の一部としても使用して
よい。
表A.4 指定導体の端末の識別
表示
Conductor
導体
L1
Phase 1 for a.c. supply
交流電源の第1相
L2
Phase 2 for a.c. supply
交流電源の第2相
L3
Phase 3 for a.c. supply
交流電源の第3相
N
Neutral for a.c. supply
交流電源の中性相
L+
Positive for d.c. supply
直流電源の正極
L-
Negative for d.c. supply
直流電源の負極
M
Mid-wire for d.c. supply
直流電源の中間線
E
Earthing conductor
接地線
PE
Protective conductor
保護導体
PEN
Protective conductor and neutral conductor combined
保護導体と中性線との兼用
(PEN導体)
TE
Low noise earth conductor
低雑音接地線
MM
Frame or chassis connection
フレーム接続又はシャーシ接続
CC
Equipotential connection
等電位接続
A.5 記述的な信号名に用いるニモニック 表A.5は,信号名の一様化を促すための取組みである。これら
の表は,必ずしも網羅的ではないが,信号名を構成するために用いる幾つかの一般的な用語の覚えやすい
記号(ニモニック)を提案したものである。これらのニモニックは,複合語句を表現するために組み合わ
せてもよい。あいまいでなければ,必要に応じて列記したニモニックに他の意味を割り当てても,他のニ
モニックをその意味に割り当てても差し支えない。さもなければ,一連の文書では,同じ意味を特定のニ
モニックのために割り当てて,同じニモニックを特定の意味に使用しなければならない。
設計者がよい判断を行ったり,使用者が信号名の意味を解釈する方法を知ったりするためには,何らか
の規則を提示する必要がある。次の表の例は,典型的な使用方法を示す。
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表A.5 信号名ニモニック−ニモニックよるアルファベット順
ニモニック/記号
Meanings
意味
ACC
Accept ; Accumulator
受入れ;アキュレータ
ACK
Acknowledge
肯定応答
ACT
Activate
作動
ADD
Adder
加算
ADR
Address
アドレス
ALI
Alarm inhibit
アラーム抑制
ALU
Arithmetic logic unit
論理演算装置
AR
Address register
アドレスレジスタ
ASYNC
Asynchronous
非同期
ATTN
Attention
アテンション
BCD
Binary coded decimal
2進化10進数
BCTR
Bit counter
ビットカウンタ
BG
Borrow generate
ボロウ生成
BI
Borrow input
ボロウ入力
BIN
Binary
バイナリ(2進)
BIT
Bit
ビット
BLK
Block
ブロック
BLNK
Blank
ブランク
BP
Borrow propagate
ボロウ伝送
BUF
Buffer ; Buffered
バッファ
BUS
Bus
バス
BUSY
Busy
ビジー
BYT
Byte
バイト
CDSEL
Code select
コードセレクト
CE
Chip enable
チップイネイブル
CG
Carry generate
キャリー生成
CHK
Check
チェック
CI
Carry input
キャリー入力
CK
Clock
クロック
CLA
Carry look-ahead
キャリールックアヘッド
CLK
Clock
クロック
CLR
Clear
クリア
CMD
Command
コマンド,命令
CNT
Count
計数
CNTL
Control
制御
CO
Carry output
キャリー出力
COL
Column
列
COMP
Compare
比較
CORR
Corrected
修正
CP
Carry propagate
キャリー伝送
CPU
Central processing unit
中央演算装置
CRC
Cyclic redundancy check
周期冗長検査 (CRC)
CRY
Carry
キャリー
CS
Chip select
チップセレクト
CTR
Counter
カウンタ
CTS
Clear to send
送信クリア
CURR
Current
カレント
CYC
Cycle
周期
D
Data
データ
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表A.5 信号名ニモニック−ニモニックよるアルファベット順(続き)
ニモニック/記号
Meanings
意味
DCD
Decode
デコード
DEC
Decimal
10進数
DECR
Decrease; Decrement
デクレメント(減少)
DEST
Destination
目的地
DET
Detect
検知
DEV
Device
デバイス
DIFF
Difference
差
DIS
Disable
使用不可
DISK
Disk: Disc
ディスク
DLY
Delay
遅延
DMA
Direct memory access
ダイレクトメモリアクセス
DRAM
Dynamic RAM
ダイナミックRAM
DRV
Driver
ドライバ
DSR
Data set ready
データセットレディ
DSRDY
Data set ready
データセットレディ
DTR
Data terminal ready
データターミナルレディ
DTRDY
Data terminal ready
データターミナルレディ
DWN
Down
ダウン
EN
Enable
使用可能
ENCD
Encode
エンコード
END
End
エンド
EOF
End of file
エンドオブファイル
EOL
End of line
エンドオブライン
EOT
End of tape ; End of transmission
テープ終端,伝送終了
ERR
Error
エラー
ERS
Erase
消去
ETY
Empty
空,エンプティ
EVT
Event
イベント
EXOR
Exclusive OR
排他的論理和
EXT
External
外部
FF
Flip-flop
フリップフロップ
FIFO
First in, first out
先入れ,先出し
FLD
Field
フィールド
FLG
Flag
フラグ
FLT
Fault
フォルト
FNC
Function
ファンクション
G
Gate
ゲート
GEN
Generate
生成
GND
Ground; Earth
接地,アース
HALT
Halt
中断
HEX
Hexadecimal
16進数
HLD
Hold (ing)
ホールド
HORZ
Horizontal
ホリゾンタル
I/O
Input/output
入力/出力
ID
Identification
識別
IN
In ; Input
イン;入力
INCR
Increase
増加
INH
Inhibit
抑止
INIT
Initialisation
初期化
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表A.5 信号名ニモニック−ニモニックよるアルファベット順(続き)
ニモニック/記号
Meanings
意味
INT
Interrupt ; Internal
割込み;内部
INTFC
Interface
インタフェース
INTRPT
Interrupt
割込み
IRQ
Interrupt request
割込み要求
KYBD
Keyboard
キーボード
LCH
Latch ; Latched
ラッチ
LD
Load
ロード
LFT
Left
左
LOC
Location
ロケーション
LRC
Longitudinal redundancy check
水平冗長検査 (LRC)
LSB
Least significant bit
最下位ビット
LSBYT
Least significant byte
最下位バイト
LT
Light
ライト
MAX
Maximum
最大値
MEM
Memory
メモリ
MIN
Minimum
最小値
MOT
Motor
電動機
MRD
Memory read
メモリ読み込み
MSB
Most significant bit
最上位ビット
MSBYT
Most significant byte
最上位バイト
MSK
Mask
マスク
MSTR
Master
マスタ
MTR
Motor
電動機
MUX
Multiplex ; Multiplexer
マルチプレックス,マルチプレ
クサ
NACK
Negative acknowledge
否定応答
NEG
Negative
否定
NO
No
NO
OCT
Octal
8進数
OFF
Off
OFF
ON
On
ON
OUT
Out ; Output
アウト;出力
OVFL
Overflow
オーバフロー
PAR
Parity
パリティ
PC
Programme counter
プログラムカウンタ
PCI
Programme-controlled interrupt
プログラムコントロール割込み
PE
Parity error
パリティエラー
POS
Positive ; Position
ポジティブ;位置
PRCS
Process ; Processor
プロセス;プロセッサ
PRGM
Program
プログラム
PROC
Process ; Processor
プロセス;プロセッサ
PU
Pull-up
プルアップ
PWR
Power
パワー
RAM
Random access memory
ランダムアクセスメモリ
RCIRC
Recirculate
リサーキュレート
RCVR
Receiver
レシーバ
RD
Read
リード,読込み
RDY
Ready
レディ
REF
Reference
リファレンス,参照
21
C 0450:2004 (IEC 61175:1993)
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表A.5 信号名ニモニック−ニモニックよるアルファベット順(続き)
ニモニック/記号
Meanings
意味
REG
Register
レジスタ
REJ
Reject
リジェクト
REQ
Request
リクエスト,要求
RES
Reset
リセット
RFD
Ready for data
データ準備完了
RFSH
Refresh
リフレッシュ
RNG
Range
レンジ
ROM
Read only memory
リードオンリーメモリ
ROW
Row
行
RQTS
Request to send (data)
(データ)送信要求
RST
Restart
再スタート
RT
Right
右
RTL
Return to local
ローカル復帰
RTN
Return
リターン
RTZ
Return to zero
ゼロ復帰
RUN
Run
ラン
SEL
Select
セレクト
SET
Set
セット
SEV
Sum even
偶数和
SFT
Shift
シフト
SLV
Slave
スレーブ
SODD
Sum odd
奇数和
SPD
Speed
スピード
SPLY
Supply
供給
SRQ
Service request
サービス要求
START
Start
スタート
STAT
Status
状態
STDBY
Stand-by
スタンバイ
STK
Stack
スタック
STOP
Stop
ストップ
STOR
Store
ストア
STRB
Strobe
ストローブ
SW
Switch
スイッチ
SYNC
Synchronization
同期
SYS
System
システム
TERM
Terminate ; Terminal
終端;端末
TG
Toggle
トグル
TRIG
Trigger
トリガ
TST
Test
テスト
UP
Up
アップ
UTIL
Utility
ユーティリティ
VERT
Vertical
バーティカル
VID
Video
ビデオ
VIRT
Virtual
バーチャル,仮想
VLD
Valid
有効
WR
Write
書込み
WRD
Word
ワード
XCVR
Transceiver
トランシーバ
XMIT
Transmission ; Transmit
伝送;伝送する
22
C 0450:2004 (IEC 61175:1993)
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表A.5 信号名ニモニック−ニモニックよるアルファベット順(続き)
ニモニック/記号
Meanings
意味
XMT
Transmission ; Transmit
伝送;伝送する
XMTR
Transmitter
トランスミッタ
XOR
Exclusive OR
排他的論理和
23
C 0450:2004 (IEC 61175:1993)
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附属書1(参考)用語索引
序文 この附属書(参考)は,使用されている用語を参考として示すものであり,規定の一部ではない。
IEC規格原文で使用している用語は従来のJISにない新しい用語が多く,抽象的な意味をもっており,
また相互に関連して使用されており,翻訳した日本語だけを掲載することは技術上のあいまい(曖昧)さ
を生み出すおそれがある。このため,理解を容易にする趣旨で参考として出現順に一括掲載する。
IEC原文の英語
この規格 (JIS C 0450) の日本語
箇条
図・表
structure of a signal designation
信号指定の構造
3.1
recommended characters
推奨文字
3.2
mnemonic
ニモニック(記憶名)
3.2
(signal) length
(信号指定の)長さ
3.3
application of item designation
品目指定の適用
4.
signal designations in a hierarchy
階層内の信号指定
4.
図1
item designations used to denote the item within
which the signal name is defined versus those used
to denote the source, destination or target item of
the signal
発信源,行き先,又は信号の目標品目を示す品
目指定及び信号名自体を定義する品目を示す
品目指定
4.
図2
signal name
信号名
5.
similar signals (STOP1 and STOP2) and signal
versions)
類似の信号(STOP1及びSTOP2)並びに信号
バージョン
5.1
図3
basic signal name
基本信号名
5.2
example of names for controlling signals
制御信号の名称の例
5.2
図4
power and other constant-level connections
電力及び他の定レベルの接続
5.2.1
example of signal designation in an a.c. power
supply system
交流電力供給システムにおける信号指定の例
5.2.1
図5
analog signals
アナログ信号
5.2.2
example of signal names in a feedback control
circuit
フィードバック制御回路における信号名の例
5.2.2
図6
example of coded signal names for analogue
signals−a circuit measuring non-electrical
quantities
アナログ信号を記号化した信号名の例−非電
気的な量の測定回路
5.2.2
図7
binary logic signals
2値論理信号
5.2.3
truth-value
真の値
5.2.3
signal state
信号状態又は信号の論理状態
5.2.3
external logic state
外部論理状態
5.2.3
negated signals
否定信号
5.2.3.1
states and signal names (single logic convention)
状態及び信号名(簡単な論理規約)
5.2.3.1
表1
multifunction signals
複数機能の信号
5.2.3.2
example of signal names for multifunction signals
複数機能信号の信号名の事例
5.2.3.2
図9
parts of a signal name that apply in different
modes
異なったモードに適用した信号名の一部
5.2.3.2
図10
bus signals and other grouped signals
バス信号及び他のグループ化信号
5.2.3.3
plus (+) , minus (-)
足し算(+記号), 引き算(−記号)
5.2.3.4
24
C 0450:2004 (IEC 61175:1993)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
IEC原文の英語
この規格 (JIS C 0450) の日本語
箇条
図・表
arithmetic and logical expressions
演算及び論理表現
5.2.3.4
clock signals
クロック信号
5.2.3.5
signal version identifier
信号バージョン識別子
5.3
signal level indication
信号レベル表示
5.4
polarity indications and signal levels)
極性表示及び信号レベル
5.4
図11
mismatched polarity indications
不一致な極性表示
5.4
図12
states, levels, and signal names (direct logic
polarity indication)
状態,レベル及び信号名(直接論理極性表示)
5.4
表2
letter codes and mnemonics for use in signal
names
信号名に使用する文字記号及びニモニック
附属書A
letter codes for variables
変数用の文字記号
A.1
表A.1
special letter codes for electrical variables
電気変数用の特殊文字記号
A.2
表A.2
letter codes used as modifiers
修飾子として使用する文字記号
A.3
表A.3
identification of terminations of certain
designated conductor
指定導体の端末の識別
A.4
表A.4
designated conductor
指定導体
A.4
mnemonics for use in descriptive signal names
記述的な信号名に用いるニモニック
A.5
mnemonics for use in descriptive signal names
信号名ニモニック−ニモニックよるアルファ
ベット順
A.5
表A.5