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B 9937 : 2001 (ISO 3722 : 1976) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本フルードパワー工業会 (JFPA)

/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

今回の制定は,日本工業規格を国際規格に整合させるため,ISO 3722, Hydraulic fluid power−Fluid sample 

containers−Qualifying and controlling cleaning methodsを基礎として用いた。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 9937 : 2001 

(ISO 3722 : 1976) 

油圧−作動油試料容器− 

清浄度の品質及び管理方法 

Hydraulic fluid power−Fluid sample containers− 

Qualifying and controlling cleaning methods 

序文 この規格は,1976年に第1版として発行されたISO 3722, Hydraulic fluid power−Fluid sample 

containers−Qualifying and controlling cleaning methodsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,産業,自動車,船舶,航空宇宙の油圧において用いられる作動油の汚染分析

技術に関連して使用される試料容器の品質及び管理方法について規定する。 

この規格は,油圧システム内の汚染分析の精度が,試料容器の清浄度不足によって損なわれないための

手段を定める。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 3722 : 1976 Hydraulic fluid power−Fluid sample containers−Qualifying and controlling clean- 

ing methods (IDT) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0142 油圧及び空気圧用語 

備考 ISO 5598 : 1985, Fluid power systems and components−Vocabularyからの引用事項は,この規格

の該当事項と同じである。 

JIS B 9930 油圧−作動油汚染−顕微鏡を用いた計数法による微粒子測定方法 

備考 ISO 4407 : 1999, Hydraulic fluid power-Fluid contamination−Determination of particulate 

contamination by the counting method using a microscopeが,この規格と一致している。 

ISO 4408(1), Hydraulic fluid power−Determination of fluid contamination−Counting method under incident 

light 

注(1) 準備中 

3. 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,JIS B 0142によるほか,次による。 

background image

B 9937 : 2001 (ISO 3722 : 1976) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1 

平均出検品質限界 (average outgoing quality limit) (AOQL) 要求清浄度を満足しない試料容器の割合

の最大値。 

3.2 

清浄な流体 (clear fluid) 粒子の計測方法と使用容器に適合し,定められた粒径以上の粒子について,

100ml当たりの粒子数が要求清浄度の10分の1を超えない流体。 

3.3 

連続合格数 (consecutive acceptance number) (N) 洗浄方法の妥当性を立証するために必要な初期認

定検査の最小数。 

3.4 

検査率 (inspection ratio) (R) 洗浄された容器数に対する,任意に選ばれた検査容器数 

3.5 

要求清浄度 [required cleanliness level (RCL)] 試料容器の容積100ml当たりの定められた粒径より大

きい粒子の最大数。 

4. 清浄度測定手順 

4.1 

5.の検査で選んだ試料容器に,その容量の50±5%まで清浄な流体を満たす。 

4.2 

試料容器にフィルムをかぶせ,ふたをし流体を分析するときと同様に試料を振とうする。 

4.3 

JIS B 9930で定められた粒子計測法を用いて,流体を分析するときと同じ方法で,流体100ml当た

りの定められた粒径より大きい粒子数を測定する。 

4.4 

4.3で得られた粒子数に,試料容器の容量に対する,加えられた流体の容量の比を乗じる。 

4.5 

この数を清浄度として記録する。 

5. 管理手順 

5.1 

RCLを選ぶ。RCLの値は,試料100ml中に予想される粒子数の最小数の10%を超える数は選んでは

ならない。 

5.2 

AOQLを選ぶ。不合格容器の最大許容割合で長期間許容できる基準とする。 

5.3 

処理要求事項に適合する適切な数値Rを選ぶ。5につき1の検査率では,初期認定検査は少なくて

すむが,工程間検査を多くやることが要求される。20につき1の検査率では,初期認定検査は多いが,工

程間負荷を減らすことができる。 

5.4 

選択したAOQL及びRに対応して,表1からNを得る。 

表1 連続合格数 (N) 

検査率 

AOQL値 

10% 

5% 

2% 

1% 

0.5% 

 5につき1 

− 

13 

35 

70 

115 

10につき1 

10 

21 

55 

103 

210 

20につき1 

14 

29 

68 

115 

310 

5.5 

決められた洗浄手順を使って試料容器の洗浄を開始する。 

5.6 

各容器の清浄度を測定する(4.参照)。 

5.7 

N個連続してRCLより清浄な試料容器が検査されるまで,5.5の容器の検査を続ける。これによっ

て,このRCL値の洗浄手順は保証される。 

5.8 

5.7の手順が保証されない場合,別の洗浄手順を選ぶ。 

5.9 

洗浄手順が保証された後,抜取りで検査を行う。 

5.10 5.3で選んだ値Rを使用して,工程から任意に容器を選び,清浄度を判定する。 

B 9937 : 2001 (ISO 3722 : 1976) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.11 5.7の試料容器がRCLを超える場合,工程からの容器の任意検査を再度行う前に,別の検査率に対

応する連続合格数Nを定める。 

5.12 洗浄手順の一部がバッチ処理である場合は,各バッチから少なくとも一つの試料容器が選ばれるよ

うにR値を選択する。 

6. 規格適合表示 この規格に適合していることを,試験報告書,カタログ及び販売資料に表示したい場

合は,次の表現を使用する。 

“試料容器における洗浄方法の品質管理手順は,JIS B 9937油圧−作動油試料容器−清浄度の品質及び

管理方法に適合する。” 

関連規格 JIS B 9931 質量法による作動油汚染の測定方法 

B 9937 : 2001 (ISO 3722 : 1976) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS原案作成本委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

竹 中 俊 夫 

東京工業大学名誉教授 

香 川 利 春 

東京工業大学 

藤 田 昌 宏 

通商産業省 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会 

村 井 孝 宣 

財団法人機械振興協会 

岡 安 英 雄 

社団法人日本工作機械工業会 

小 林 隆 博 

コベルコ建機株式会社 

渡 並   直 

トヨタ自動車株式会社 

荒 木 義 昭 

株式会社日平トヤマ 

黒 部 昌 徳 

東芝機械株式会社 

小 林 周 二 

日精樹脂株式会社 

美濃部 昌 二 

日本電気株式会社 

(分科会主査) 

伊 澤 一 康 

日本ポール株式会社 

笠 井 寿 男 

SMC株式会社 

小笠原 輝 典 

川鉄商事株式会社 

一 条 和 夫 

リオン株式会社 

山 田 詔 一 

油研工業株式会社 

千 葉   誠 

カヤバ工業株式会社 

赤 井 英 夫 

太陽鉄工株式会社 

築比地   仁 

川崎重工業株式会社 

石 井   進 

内田油圧機器工業株式会社 

(事務局) 

堀 切 俊 彦 

社団法人日本フルードパワー工業会 

三 浦 吉 成 

社団法人日本フルードパワー工業会 

標準化委員会 規格部会 フィルタ・作動油分科会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

伊 澤 一 康 

日本ポール株式会社 

(副主査) 

福 島 英 夫 

日石三菱株式会社 

山 崎 一 彦 

山信工業株式会社 

笠 井 寿 男 

SMC株式会社 

竹 崎   渉 

豊興工業株式会社 

一 条 和 夫 

リオン株式会社 

小笠原 輝 典 

川鉄商事株式会社 

長谷川   務 

株式会社設工社 

水 野 啓 三 

カヤバ工業株式会社 

中 辻   順 

ダイキン工業株式会社 

植 田 修 弘 

タカコ精機株式会社 

飯 野   隆 

大生工業株式会社 

住 田   隆 

株式会社トキメック 

山 田 詔 一 

油研工業株式会社 

松 山 雄 一 

出光興産株式会社 

太 田 尚 宏 

株式会社松村石油研究所 

文責 笠井 寿男